Reader Store
涙をなくした君に
涙をなくした君に
藤野恵美/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

15件)
3.1
0
2
9
1
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の過去、家庭環境と一緒すぎて 途中で胸が苦しくなったし読むのやめたくなった。けど向き合わないといけない時もあると 強く感じた。ある意味よみやすかった笑 親からの未だに消えてないし、 多分これからも消えない。 けどどんな形でも「ありがとう」は、 大切にして伝えないとな〜って思ったけど、 果たして伝えれる日は来るんかな〜?

    0
    投稿日: 2025.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    パラパラと捲ってみて、心理が深く絡んでいるお話だと気づいた時には目が離せなくなっていた。タイムリーすぎて。 ここに登場する機能不全家族ほどではないが、私も軽度の毒親の元、育った。 親の機嫌取りが第一だった。両親が自分では対応できないことが起こると、母親はすぐヒステリーを起こすし、父親は不機嫌を大っぴらにしてきた。怒鳴ったり、手を挙げようとしてきたり。 父親に実際に殴られたことはないが、殴ろうとするモーションをされるだけで怖かった。母親の涙と金切り声を聞くのが辛かった。 この本の文章を読んでいると、そんな過去の記憶が簡単に浮かび上がる。 主人公に共感はあんまりしないが、境遇にはとても共感する。心の仕組みを独学で学んだこともあり、解説のような文を読むとすらすらと理解出来ておもしろい。 「眠りは小さな死だ」 夜寝ることが嫌で、なるべくギリギリまで起きていたくて、自分は寝付きの悪いタイプなんだと思っていた。 母親にも「あんたは寝付きの悪い子だね」と言われ続けていたのもあって、疑いもしなかった。が、パートナーと同棲し始めてから、自分は実は5分もしないうちにスヤァと寝ることが出来る、スーパー寝付きの良い人間だと知った。 寝付きが悪いのではなく、寝るのが嫌だ、怖い、だから避けようと無理して起き続けていただけだった。 そして何故寝ることに抵抗があるのだろう?と考えた時、眠ることは死ぬことと同じことだと行き着いた。 目を閉じる、視界が真っ暗になる、意識が飛ぶ、音も匂いも感覚がなくなっていく。自分の知らないところに行ってしまう。 それらが全て、経験したこともない死に結びついて、毎日擬似的な死の体験をしているんだと思った。 寝ることが擬似的に死ぬことなら、怖くて当たり前だな、と思った。それがこんなに端的な一文で表現されていて、この文を見た時に息を呑んだ。 私が思っていたことが、こんなに分かりやすく、簡潔にあらわされているなんて。 これこそ本を読むことの愉しさであり、驚きであり、本を開く理由だ。 と感動した。 他にも、一瞬時が止まり音が聞こえなくなるような文面に出会った。 「初任給をもらった時、多くの人は親への感謝の気持ちを示すために使う」 私も心の内側を見てみれば、そんな気持ちがどこにもないことに気付いていた。だから、この文言を知った時、どうして親のために自分が稼いだお金を使いたくなるんだろう?と疑問を抱いた。 せっかく親の支配下にない、自分で自由に使っていいお金なのに、自分の好きに使わないなんてその気持ちがよく分からないわ、と。 まさしく前提条件が違っている。 親に恩返しは「したい」ものではなく、「しなければならない」ものだという思い込みが長年あった。 お母さんがヒステリーを起こさないように、お父さんが怒鳴らないように... 親の顔色を伺う癖はまだまだ抜けないけれど、主人公のように気付いて、自覚しているところまで変化した。 まだ読み途中だが、思わず感想を書きたくなってたまらなくなった。 これから主人公がどう変化していくのか、物語がどう進んでいくか楽しみ。 似たように幼少期に親の機嫌取りをして生き延びてきた同士としては、この主人公が親からの支配を子供の蓮くんに引き継がずに、自身の幸せな人生に向けてさらに歩みを進めていって欲しいという願いを多分に込めながら、続きを読む。 →読み終わった。 妹も、姉の主人公も、どちらの態度や心境にも理解できるからすいすい読んだ。 ちょうどうちも二人姉妹で、私は妹だけど、最初は姉である主人公に肩入れしていた。が、父のお墓参りで妹が手を合わせた時、じわりときたのが不思議だった。父の葬儀の場面では何も来なかったのに… 父方の祖父の秘め事について急に表してきたなと感じたが、これが機能不全家族や毒親は世代間で連鎖する、そしてその大本には自分たちではどうすることもできなかった悲しい不幸があるということを表現しているのだと気付いたとき、ハッとした。そうか、そういうことか、と一人納得した。 このお話の主人公は二人姉妹で、機能不全家族という環境で育ったというところが、自分とほぼ被っている。うちも姉が結婚し、出産して、私は未だ独身というところまで。さらに、共感性の低い姉の方が、良い男性をつかまえて先に幸せになっているように感じている部分も作品とほぼ共通している。共感性が低く、周りの人間を利用する人の方が、負の連鎖から抜け出しやすいのかしら。 カウンセラーは大抵が幼少期に辛い思いをしてきた人だと聞いたことがある。でもこの主人公は、自分が救われたくてカウンセラーをやっている感が少なくて読みやすかった。もしかしたら明記していないだけで、仕事も自分が楽になるために利用しているのかもしれないけど。 幸せになってもいい、幸せにならなくてもいい。 どちらを選ぶかは自分が決めること。 憎しみや恨みなど、負の感情を抱く相手に、「ありがとう」が言えたら、自分の心の傷は癒えるものなのよ。 って、森沢明夫さんの小説、「癒し屋キリコの約束」でも言っていたなぁ。 私も、ありがとうが言えるようになりたい。

    0
    投稿日: 2025.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    08月-07。3.0点。 厳格な教師の父親、母とは離婚、妹とは絶縁。カウンセラーの主人公。テニスコーチとの間に小学生の息子が。 父親の周囲も変化が起き。。。 主人公の、心の動きの描写が上手い。終始暗い感じだったが、ラストには救いも。

    0
    投稿日: 2024.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ワーカホリックで外では良き教師、内では暴力を振るい自分の価値観を押し付ける父親を反面教師に、カウンセラーとして人の内面に向き合う主人公。 仕事でも家庭でも、父親の価値観を否定する事に囚われ、自覚しながらも逃れられずにいる。 人の内面の弱さが随所に出てくるので、爽快さは無いが、感じる部分はあった。

    1
    投稿日: 2024.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今回藤野さんの作品を三つまとめて読んだのだけれど、なぜだかこれはあまり主人公が好きになれなかった。 主人公は心理カウンセラーで、他者の心理を読み解くことを仕事にしていて、その思考は自分自身にも向いている。 物語も、一方で現実の世界を描きつつも、ずっとその精神世界の中をただよっているようで、DV男だった父に対する葛藤を最後までなんともできずに結論を先送りにしている。同じようにDVに悩むクライアントがきちんとした別れに踏み切れないのをもどかしく見ている思いは、そのまま自分自身にも向いている逆転移構造があって、その問題をうまく解決できずに、自分自身の中にとどまってしまっている。小説全体がそうした、なんだかもどかしい話になっているようで、物語の力学で動き出していないように感じた。

    0
    投稿日: 2023.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    終始、どんよりとした空気が漂う作品。 主人公は両親の愛情を享受出来なかった記憶に縛られ自らカウンセラーとして働く宮沢橙子。 テニスインストラクターの夫・律と結婚し、小学一年生の一人息子・蓮と3人で暮らしている。 穏やかな生活を送りながらも過去の記憶に囚われ足掻く橙子。 外面だけ良く、家庭内で妻や娘にDVを繰り返す橙子の父親には軽蔑と嫌悪しかない。 母親や妹に身勝手さを感じるも実際経験した人でしか解らない感情があるだろうし父親を見限る態度を否定出来ない。 血が繋がっているからこそ許せない親子関係もある。 血縁の闇は深い。

    0
    投稿日: 2023.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    評価が低いのは、幸せな人生を送ってきた人が多いのかな、と感じた。 この著者、藤野恵美氏の本を読むのは、ショコラティエ、以来2冊目だと思うが、前作より断然よかった。 両親の愛を受け育てられた、とは思えないカウンセラーの宮沢橙子。 テニスのインストラクターをしている夫の律と、小学一年生の息子の蓮と、見た目は平穏な生活を送っている。 ただ、心の中では自分よりも収入の低い夫に遠慮し、息子に(カウンセラーである知識のもとに、いけないと理性ではわかっているのに)怒りをぶつけてしまう。 幼少の頃、小学校教員の父親が家庭内では絶対的な采配をふるっていた。暴力行為もあり、母親は後に離婚して元々の夫より高収入の男性と再婚。妹は、絶縁して住まいも教えていない。橙子は高校の頃、機能不全家庭であると認識、カウンセラーを目指し、父親より高学歴になり、無事その職につく。 やがて、父親が肺癌になりその後亡くなる。 喪主は、母親が出ていった後、ヘルパーをしていた女性。父親が実の母親とは別の人と再婚し、看取られたことも、遺産も何もかも、心の奥底で認めていないのだろう。 カウンセラーにかかっていた経験もあり、両親の話も、その後の交流も、自分の話か、と思うことが多かった為、読んでいて思い出したこともあり辛かった。心の奥底をえぐり出すような。 最後の、墓参りに行き、ありがとうの墓石を見て……のくだりは、うまくまとめようと持っていった感じで自分は嫌だと思った。そもそも、四十九日の夜の橙子の夫への絡み具合、あれをそのまま受け入れてくれる夫、というか人っているのかな。読んでいて、自分は夫の逆鱗にふれるから止めて!と思うほどだった。それは自分がそういう人としか、出会えていないということか…

    0
    投稿日: 2023.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    いろいろと思うことがあり… 図書館でふと、目に止まった本。 読んでいて、自分とリンクしすぎていて、息苦しくなった。 私自身は、暴力での苦しさはなかったけど、圧倒的な支配、共感性のなさ、母や妹との、どうしようもできない、価値観の相違…。 そういうものは、すごくよくわかった。 そして、息子に対しての関わり方…。 私も、子供がいるので。よくわかる。 時々、自分でふと冷めている事があり、私は子供や主人に、本当は愛情なんて持ってないんではないか…。すごく、冷たい人間なんじゃないかと、自分で自分が嫌になる。 この主人公が、ラストに、少しでも泣けてよかった。そして…うらやましい…。

    0
    投稿日: 2022.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    両親の愛を享受できずに育った姉は、カウンセラーとして働きながら夫の息子と暮らす。 心理学を学ぶことは、自ら心になんらかの傷を持っていると大学時代に誰かが言ってたと…思いながら他人のカウンセリングをする。 母は再婚し、妹はバイトしながらシェアハウスで暮らす。 父が連絡してくるのは姉だけ… 結婚後も支配してくるのが、疎ましい。 その後、父は肺癌を患い亡くなるのだが… 親の愛情とは、いったい何なのか? 目に見えるものでもなく、与えられる物でも無いのでは…。 答えを明確にはできないと感じた。

    10
    投稿日: 2021.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    両親から支配されてきて、愛情を感じた事があるのか自分で分からない女性が、結婚、出産によって出来れば関わりたくない両親と関わらなければならない。好きになれない親からの遺伝子を感じてしまう自分の行動や心境で、自分の愛する夫と子供への行動を自分で疑ってしまう。これは愛なのか、支配欲なのか・・・。 さしたる事件も起きず淡々と進んでいきますが、色々考えこんでしまうテーマの小説です。 可愛い、愛おしいと感じる心と、めんどくさいと感じる心は両方同時に発生しますよね。心の底の底から愛おしさが湧き上がって、自分の事は何もかも最後でいいなんて思えないだろうし思う必要も無いです。 しかし、どこかかみ合わない親子関係を長年続けると、ぶつかる事が怖くなって遠巻きにする事しか出来ない関係になるのって分かる気がします。ケンカして仲直りしてっていう関係は、芯に信じられるものが有るからぶつかれるんですもんね。 そういう経験が無い状態で親になった時、正解が知識としてしかない不安感は想像できます。研究結果でも親子関係での負の連鎖はあると言われていますから、不安に感じて当たり前かもしれません。

    2
    投稿日: 2021.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ジャケを見ると爽やかな話かなと読むが、重たかった。。厳格なのか小学校教諭の父親の暴力的な支配のもとに育った橙子と桃華の姉妹。父親が肺癌になり入院手術、そして亡くなるが、子供の頃の憎む記憶に上書きができず親身になれない。橙子は長女でありカウンセラーである職業との葛藤があるが、桃華は頑なに嫌悪感を現し拒否する。家族として完全に分裂し、いかにも昭和の父親像を垣間見る。母親も逃げ出し、夫婦は別れてしまえば他人に戻るが、父娘関係はと思うが。極端に憎む気持ちを露にする姉妹だが、墓に手を合わす姿に少しはホッとした。

    0
    投稿日: 2021.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    心理的な分野だと思います。 主人公の変化していく気持ち… 夫への感謝… たくさんの思いや考えが交錯していく物語

    0
    投稿日: 2020.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人と人との関わり方とか 家族の形とか関係性とか ほんとに様々だな、と思いました。 普段、どうしても自分の常識や経験に当てはめて 一般的な家族などの関係性とかは 思い込み?というのか だいたいこういう関係なのが普通だろうと 思っている、というか、 そうじゃない場合を思いもつかないで 話を進めたりしがちだけど たまにその考えを疑ってみることも大事かな、と。 疑うというか、そうじゃない関係性もたまには思い出したりすべきだな、と。 どう言えばいいのかわからないけど、 何言ってんだ?って感じになってきたけど…(笑) 世の常識が、自分の中の常識が 常識じゃない人もいる、って 色々な境遇の人の例とか物語とか読んだり知ったりして 広い考え方とか接し方とかできるようになりたいな、と思います。 主人公の子どもの頃の境遇は大変だと思うけど、 それを乗り越えつつ、たまに戻されつつ、 同じ轍を踏まないよう子育てしたりとか そういう葛藤とか、ああ、すごいな、頑張ってるな、と。 なんだか優しい物語の印象を受けました。 大変な思いをしてきた人に、力を与えてくれるように思うし、 普通に生きてきてると思っている人にも新たな発見がある話だと思いました。

    0
    投稿日: 2020.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    感情表現がすごいね❣️ 心の奥底まで言葉で表現してる❣️ 心にグサグサくる〜 橙子の気持ちわかるわかる❣️ 『ふわふわ言葉』って表現

    0
    投稿日: 2020.03.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    毒親に育てられた橙子。親の様にはなるまいと、温かな家庭を築いているけれど、心のどこかで冷めている。立派な先生だった父親。実態は自分の思い通りに家族を支配していた。そんな父に嫌気をさして出て行く妹。母親も父の支配に耐えていた様に思えたけど、父を財布としてしか見ていなくて、再婚相手が見つかるとさっさと離婚してしまう。誰にも共感出来なくて嫌な気分になりつつも読む手が止まらなかった。父が亡くなってその呪縛が解けた橙子がやっと前を向けて良かった。

    0
    投稿日: 2020.02.06