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新編 みなかみ紀行
新編 みなかみ紀行
若山牧水、池内紀/岩波書店
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総合評価

8件)
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    樅黒檜黒木の山のかこみあひて真澄める沼にあそぶ鴨鳥 入り行かむ千曲の川のみなかみの峰仰ぎ見ればはるけかりけり 万巻の書を読み、万里の道を歩む 旅に出たいなあ

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    投稿日: 2025.08.02
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    表題作を含む紀行文10篇+詩2篇。 名紀行文とは聞いていたけど、こんなに文章が上手いのか〜! と心の中でひっくり返った。めっちゃ読みやすいし面白い。 主に上州(群馬)を訪ねた文が多いが、東西南北いろいろなところに行っていることが分かる。旅先の風景、出会い、大小の事件などをユーモラスに描きながらも、郷愁や寂しさが滲むのは、歌集を読んだ時に近いものを感じた。 そして詩を含め全ての作品で酒が出てくる。流石すぎる。 数年前に友人たちと草津へ旅行をした際に吾妻渓谷に立ち寄り、そこで“うづまける白渦見ゆれ落ち合へる落葉の山の荒岩の蔭に”という歌碑を見た。その後岩波文庫の歌集を読んでもその歌が見当たらず不思議に感じていたが、本書に収録されている「吾妻の渓より六里が原へ」の中で発見。旧知の人を見かけたようで、ちょっと嬉しくなった。

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    投稿日: 2025.03.04
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    沼津にある若山牧水記念館に行く機会が出来た為、お共に連れて行くべく手にした一冊。以下ミーハー感想文。 冒頭「枯野の旅」の散文詩からしてグッとくるんですが、頁を捲った先に北原白秋画若山牧水の似顔絵がバーンと載っているところで笑ってしまうやないかーい! 驚くのは4合瓶位なら提げて草鞋履きで山歩きしている所です。昔の人の健脚さと頑丈さには驚かされます。ちょっと真似してみたい…。 ぼっさんは見た目も性格もイケメンですね!こんな仙人みたいな呑んだくれが、歌を詠み乍ら山奥旅してたんだぜ?とか思うだけで、もう(笑)

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    投稿日: 2018.04.21
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    旅の思い出話を酒を片手に語ってくれるかのような文章。筆者の声を知る由もないが、まるで声が聞こえてくるかのようである。いつか旅をする彼の背中を追いかけてみたい、 若山牧水という人物は、己の身体という枠組みを超え、自然(森羅万象といったほうがよいか)と同化しようとした。高山辰夫の絵をみるかようだ、と感じた。

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    投稿日: 2017.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たまに読みたくなり、読むとでかけたくなる。 牧水さんが、関東近郊に出掛けた紀行エッセイ。 その土地を知ってるから、楽しさも倍増、なのだが、とにかくアホっぽいのがとても楽しい。 子規の「病状六尺」も、患って寝ている子規の大食漢ぶりがアホっぽくておもしろいが 牧水も全く高尚な文化人を微塵もみせず(笑) 丸沼では「酒をくれ」ととなり村(って峠1つ越えますよ…)まで買いにいかせ 川原湯温泉から軽井沢まではバスに乗り遅れ、徒歩で強硬突破…も、遭難しそうになりくじけそうになる。 貴殿はアホでいらっしゃいますか? と、つっこみたくなる。 このおバカさん加減が堪らなくおもしろい。

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    投稿日: 2014.09.06
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    淡々とした文章(まぁ日記みたいなもん)なんだけど、風景描写が良く、簡潔で美しい。たしかに、これ読むとこの場所を歩いて、牧水の見た景色を感じたくなる。

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    投稿日: 2013.02.21
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    発作的な旅、家族がいても関係ない。深い山に住んでいたこともあり、山や自然や鳥の声に郷愁を感じる。 妻も、またかといった感じで旅に出ることを認める理解力。 四万温泉の田村旅館でひどい目に。 今とは違い、旅すること自体が大変。時間も手間もかかる。まさに非日常。 創作誌に投句してくれる地方の同志と会えるのも大変貴重な経験。電話などでも気楽に連絡できないがゆえに、会うというのはものすごく貴重。酒を過ごすのもやむを得ない。

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    投稿日: 2012.11.03
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    まなかひに奈智の大滝かかれどもこころうつけてよそごとを思ふ -熊野奈智山- ひとり飄々と旅をする姿を想像していたら、実際は、結社の仲間をうきうきと訪ねたり、別れ難くなった友人と予定外の滞在をしたり、人の匂いのする旅人だった。ルックサックを背負ってね。 また来むと思いつつさびしいそがしきくらしのなかをいつ出でて来む -みなかみ紀行-

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    投稿日: 2011.03.03