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総合評価

175件)
3.8
37
55
59
8
0
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    久しぶりに“本”を読んだ感覚。 私の周りには死ははびこってはいない。というか、常に少し距離がある。現実味を感じられない、というのが一番近いかな。 それもあってか、いざとなると狼狽するのが目に見えている。 後悔をなくすことはできない、と思っている。ただ減らすことはできる。そのことは常に肝に銘じて生きているつもり。 人におすすめしたい本だけど、近い家族を亡くしたことのない私には、その経験がある人がこの本をどう感じるのかがわからないので、気軽には勧められない... 最後の章は電車では読めなかった。 いい本読んだな。 とりあえず、来月少し走ってみよう。

    0
    投稿日: 2025.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほっこりいい話! 内気で出不精な主人公がどんどん成長していくのがスラスラ読めて気持ちいい!! フルマラソンどうなったかまでは描かれてないけど、そんなのどうだっていいんだよね、みんなで挑戦したことにいみがあるんだからサ!!

    1
    投稿日: 2025.10.18
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    今すぐに新しいことに挑戦したくなる作品でした! 幼いころに家族を亡くした環は、 あの世にいる家族に会いに行くために、 この世とあの世を繋ぐ40kmの道のりを走り切ると決心します。 そこで、マラソンチームに参加して、体力を付けようとする環 チームには、方向音痴でむっつり熱血系の青年、女の子にモテるために痩せたいタヌキくん、毒舌が持ち味のパートのおばちゃんなど、個性的な人たちと練習することに、、、 「はたして環は40kmを走りきることができるのか? 家族を亡くした悲しみからどう立ち直るのか?」 マラソンを通じて、気持ちも考え方も”前向きに”なっていく環の姿を応援しながらも、 読んでいくうちに、"一つのことを妥協せずに、最後まで向き合いたい"と私自身も前向きな気持ちになりました!! 亡くした家族との向き合い方とマラソンのテーマが上手くはまっていて、読み応えのある作品でした!

    36
    投稿日: 2025.10.11
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     走る理由、いや、人間が何かを一つのことを努力している事柄の理由に正解はない。そして、その理由が途中で変わってしまってもいい。  いちど決めたことは曲げない。曲がりそうになったら、軌道修正できずにそのまま諦めてしまう。諦めてしまった自分が嫌になってしまう。そんな悪循環を繰り返してきた私にとって、「ラン」は、新しい視点を与え、思考を変えたいと思わせてくれた教科書のような一冊だった。  人間は簡単に思考を変えることはできない。だからこそ、これからの人生、なにをするにしても立ち止まる前に、立ち止まりそうになった瞬間に、ここに戻ってきたいと誓った。

    1
    投稿日: 2025.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学生の時に1回目、大人になって2回目を読んだ。 無敵だった中学生の時に読んだ時は、孤独とは無縁で、ウジウジしている主人公・環に共感できず、特別面白いとも思わなかった。ただ、死後の世界をこんな風に描いた作品は見たことがなく、天国地獄や輪廻転生からの解脱を信じれない当時の自分にとって、すごくしっくりきた。 その事が印象的だったので、大人になって読み返すと、なんて面白い本なんだ。と とても仲良し家族とは言えない家族との歪な会話を、それさえ懐かしいと言いつつ、職場や周りの人の関わりを煩わしいと言い、孤独と言いながら人を避ける環の矛盾のような心情に共感し、その中で変わっていく環に胸が熱くなる。 読んだ私自身は家族を失った訳ではないが、歳を重ねて抱くようになった漫然とした孤独や不安が、こうも物語に入り込めるようになるとは思わなかった。 落ち込んでいる人がふと手に取った本がこの本だったらいいのになと思うような本でした。

    1
    投稿日: 2024.12.11
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    ベースに書かれているのは死別についてなんだけど…かる〜い。大人用紙芝居か何かだったらいいのかも。もっと若い頃なら楽しめたのかも。

    0
    投稿日: 2024.12.08
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    よかった! 人生ってフルマラソンみたいだなと感じた。 切ないけど、前向きに生きて行く主人公に共感しながら読んだ

    8
    投稿日: 2024.12.04
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    少し軽いですけどコミカルで分厚いながらすいすい読めました(4日かかったけど)。3度ほど声をあげて笑いました。読ませるセンス抜群です。サボっているジョギングを走りたくなりました。走り続ける。生き続ける。そうです、それです。

    6
    投稿日: 2024.11.21
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    今作は、ポカリスエットの 味が口いっぱいに広がるようなお話。 「死と生」いや「死と青春」を題材にした 本作は、簡単にいえば主人公の女の子が 死んだ家族に会うため、40km走れるように 努力するお話です。 家族全員を事故で失った主人公の『環』 彼女が生きる希望を見いだし、目的も 性格も年齢もバラバラな大人たちとともに フルマラソンに挑みます。 フルマラソンと、天国。 全く関係ないものを違和感なく繋げる 森絵都さんの天才的なインスピレーション。 そして手に汗握りながら、応援したくなる ような没入感。そして一体感。 大人も一生青春なんです。 汗でちょっぴりしょっぱく感じた ポカリスエット。 あの味を記憶を思い出させてくれた 最高の1冊でした。 しんどい時、また読み返そ。 ----------------

    1
    投稿日: 2024.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    環が走るようになってからは、あっと言う間に読み進めてしまった。話も分かりやすく、登場人物も面白かった。 真知栄子は苦手なタイプだけど、ズケズケ入っていく彼女を知りだしたらこんな人も仲間としてありだわ~と思えて笑えてしまう。私も是非イージーランナーズに入れて頂きたい。 走る事を通して、環が心も体も成長していくのももちろん、生きる事を見つめ直しこれからの生に向かって挑戦していく感じがとても素敵でした。

    2
    投稿日: 2024.04.22
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    10年ぶりくらいに読んだ。内容はあんまり覚えてなかったけど、当時とは全く違う読み方をしてるんだろうな...と思う。 読後感がほんとうに良い。前向きになれるし、ダイエットしようと思うし、久米島行きたくなる! ファンタジー要素は結構ぶっ飛んでるけど、心の動きの描写にリアリティがあって、すごく共感する。 『出会いなおし』とかもめちゃくちゃ良かったけど、やっぱり森絵都は長編の方が好き。

    0
    投稿日: 2024.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めた当初は文体がいまいち馴染めず全くページが進まなかったが、徐々に慣れていくにしたがってペースが上がり、かなり楽しめた。家族や大切な人の死、という重いテーマを扱いながらも希望や生きる意味について明るく伝えてくれる。マラソンが本作では重要なエッセンスとなっていて、自分の走ることに対する考え方が180度変わってしまった。自分の話になってしまうが、あんなにランニングや持久走を忌避していた私がなんとランニングを始めてしまったのだ。最初はただの退屈な小説だったが、いざ読了したら自分の価値観や生活スタイルさえも変えられてしまいかねない、そんなパワーを感じる作品であったと気付いた。

    0
    投稿日: 2024.01.27
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    どんなに亡くなってしまった人に会いたくても、どんなに後悔しても過去にもどることはできない。人生は前に進むだけ。若い頃の楽しかった時代を思ったり、元気だった頃の両親に会いたくなったり、子供たちの小さくて可愛い頃を思い出して「あの頃は良かったな〜」なんて振り返ってばかりいないで、今より少し先のことを考えながら自分なりに目標を持って進んで行かなくては! そんなふうに思った。 さて、2024年の目標は何にしようかな…

    2
    投稿日: 2023.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「さらば皆の衆、42.195キロ先でまた会おう」 どんなに大切な人でも別れは否応なしにやってくる。それならば初めから関わらない様にと予防線を張っていた主人公が、人と関わり成長していく姿は素直に応援したくなった。

    1
    投稿日: 2023.10.11
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    死んだら前世を洗い流して、みんな溶けていく 個と個の境界がなくなって、一つになって、見えない蒸気のように下界全体へ染み渡る 私達が受ける陽射しや風や雨や、そららに育まれる自然の中に だから、死んだ者はいつだって私たちの一部 っていう考え方が好き

    1
    投稿日: 2023.09.18
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    再読。 前読んだ時は、私も走りたくなってジョギングをした。でも一週間ぐらいでやめた覚えがある。私には無理だった。 主人公の夏目環は、家族を事故や病気で亡くし天涯孤独の身。唯一の友達だった自転車屋の紺野さんと猫のこよみも去り、本当のひとりぼっち。頼る人頼られる人もいない。環は殻に閉じこもってしまう。本当のひとりぼっちというのは私には計り知れない。作中にも所々に"1人の苦しさから逃げ出したい"と書かれてる。そういう箇所を読むと苦しくなってしまう。 そんな環もある事がきっかけで40キロを走らないといけない事情ができ、それに伴い出会いがあった。イージーランナーズのメンバーたちだ。このメンバーたちと走るようになりどんどん環が変わっていく。後ろ向きから前向きになっていく。この変化は嬉しかったな。困っているメンバーを助ける為に自分から行動できるようにもなった。"頼る人も頼られる人もいない"から環が頼る人ができ、環が頼られたりと孤独から救われた。やっぱり殻に閉じこもっててはダメ。自分から変わろうとしなければ、ということを改めて実感した。 環を変えるきっかけの一つでもあるイージーランナーズのメンバーが変わり者ばかり。とくにリーダーのドコロが面白くて好き。めちゃくちゃな人なんだけど、走るのは速い。他のメンバーも一癖も二癖もある。変わり者ばかりだから逆にうまくいくのかな?衝突する事もあるけど、すぐ仲良くなる。なんだかんだでチームワークがいい。 イージーランナーズのメンバーが、久米島でそれぞれの目標を達成できるよう願う。

    16
    投稿日: 2023.08.15
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    ファンタジーとスポ根を織り交ぜたお話。森絵都さんらしく生と死もテーマになって、力強いです。少しスタートが冗長だった分、星一個減です。

    3
    投稿日: 2023.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森絵都・ラン、1年以上積読状態だが、いよいよ挑む!久しぶりの一気読み。両親、弟を事故で亡くし、数年間同居していた叔母も亡くした主人公・環。自転車屋の紺野さんと飼い猫の「こよみ」と仲良しになる、が、こよみが亡くなり、紺野さんも山形へと去ってしまう。そんな中紺野さんから譲り受けたモナミ1号(自転車)。モナミに乗ればあの世とこの世を行き来できることが分かった。環はモナミ1号に乗らずとも、40kmを6時間で走破することで家族に会えることを知る。マラソンによる環の成長譚、身体だけではなく心も成長した姿が眩しい。⑤ 毎週日曜日、ジムで15分間で2.5㎞走っているがフルマラソン(42.195km)で5-6時間かかるよね。これは大変だ!

    45
    投稿日: 2023.07.17
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    この本もテーマが「死」なんですかね。コメディタッチなところと変わった登場人物のおかげで、重たくならずに読めました。森絵都さんの本を続けて読んでいますが、読後感がいいですね。さわやか?かろやか?すっきり?語彙力がないけど、なんかいいです。

    1
    投稿日: 2023.07.14
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    ランニングが多少でも題材に入っていると手に取ってしまいがち。 サクッと読めて、読後感も気持ちよかった。 森絵都さんの描くキャラクターはみんなキャラが立ってて楽しい。

    2
    投稿日: 2023.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辛い境遇でも頑張る主人公がにかっこいいと感じました。家族をなくして自分だけが残るってだけて、私には無理かも…。 個人的に、死んでしまって記憶が曖昧な主人公の弟が「八方ブス?」「大好きって意味じゃなかった?」といっていたのが、最後の最後でまた「八方ブス」「大好きって意味だよ」と言うのが好きです。 家族愛がとても感じられて、感動もする話なのでぜひ読んでほしい…!

    2
    投稿日: 2022.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かなりよかった!個人的にどストライクにささった本。 死の世界に行くために後ろ向きに全力で走っている環に共感した。 主人公は家族を失い自分ひとりだけ生き延びたという設定で、いわゆる悲劇のヒロイン系の小説。しかし、自分かわいそうと哀しみにひたるではなく、主人公なりに前向きに生きているのがよかった。それでも周りからみると、かなりネガティブにみられるというのも、共感できるところがあった。 エンディングも、走り切るか否かではなく本番を迎えたその日で終わっていることで、結果がどうであれ今までの過程に意味があるということを暗に示唆していてよかった。

    2
    投稿日: 2022.11.30
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    走るモチベが上がった。 きっと何度も立ち止まりたくなる。あきらめたくなる。逃げたくなる。 でも、それでも私は立ち止まらない。あきらめない。 逃げずに最後まで走り抜けると、自分を信じられる。 だって彼らがそこにいる。

    1
    投稿日: 2022.11.18
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    死者との交流を交えることによって、ランニングの楽しみを伝える小説。 少しまだるっこしいところはあるものの、面白く読めた

    0
    投稿日: 2022.11.15
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    素敵な本だった。 体を動かして、人と関わるっていうのは生きる希望になるのかなって思った。まちさんの気持ちもよくわかる気がする。

    2
    投稿日: 2022.10.06
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    子供の頃に両親と弟を、少し前に叔母を亡くした主人公が、あの世へのライン超を目指しランニングを始める話。 始めは孤独からくる無気力さが目立っていたけど、ランニングに誘われて変わった仲間たちと日曜日に走り始めてから少しずつ気持ちが強くなっていっていた。 アクの強いおばさんパート(兼チームメイト)とも互角にやり合うのが面白かった笑 家族との最後のお別れは悲しかったけど、前に進んで生きていく姿勢がついた主人公を見て、自分もなにかを頑張りたくなった。

    2
    投稿日: 2022.10.02
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    前向きになれる素敵な本でした。 カラフルを読んだ時に近い読感で 生と死を両面から見つめながら 限られた生を、今を、前向きに生き切ろう というメッセージを感じた。

    2
    投稿日: 2022.09.24
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    大好きな本の一冊です。 家族をなくしてまだそこに立ち止まっている 環が、もらった自転車に乗って走ると家族に会える異次元に行けることを知る。 立ち止まっている環が少しづつ前を向いていけるようになっていく温かいお話。 一気に読んでしまった元気になるお話

    3
    投稿日: 2022.04.29
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    家族を亡くしてしまった環。ふらふらと生きる毎日だったけど同じような境遇の自転車屋さんからある特別な自転車を譲ってもらう。その自転車に乗って道なき道を走りあの世に辿り着き死んだ家族と団欒することができた。だけどそんな時間も永遠ではなくて、自転車は本来の持ち主に返さなくてはならなくて自力で冥界に来れるよう走る訓練を始める。そこから少しずつ走ったりへっぽこな仲間と言い合いをする中で生きる力を前を向いていく力を身につけていく。書ききれないくらい心に残る言葉もたくさんあるのでぜひ読んでほしい。オススメ。

    1
    投稿日: 2022.03.31
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    小学生の頃、 アシックスのシューズを買ってもらった。 派手な色合いで、恥ずかしくなるくらいだった。 イエローやピンクといった 蛍光カラーも珍しくない今となっては、 控え目なくらいかもしれないけど。 青のベースにアシックスの 縦横ラインが鮮やかに交差していた。 そのシューズを履くだけで足が速くなり、 どこまでも駆けていけそうだった。 実際、身軽だった当時の僕は、 どこまでも走ることができたのだ。 やがて年を重ねるうち 無駄な脂肪がついて身体は重くなり、 どこまでもどころか ちょっとした距離も走れなくなった。 そんな自分が嫌になって、 もう一度走ろうと思う。 大人になって走ろうと思う多くの人の モチベーションはそんなところかもしれない。 いや、そんなことはない。 人によって走る理由は人それぞれ。 その人その人に走る理由がある。 だから何十キロも走ることができるのだ。 ラン!走れ!! 左  右 左   右 と足を踏み出すだけだ。 やがてゴールがやって来る。 その間に様々なことを考え、 苦しみ葛藤し、 そうして無になる。 走るとは人生そのものだ。 だから理由がなくても走る。 走り続ける。

    0
    投稿日: 2022.03.22
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    絶対に人は死んでゆく。 死に向かって日々過ごしている。 いつ死ぬかなんてわからない。 周りの人たちもいつ死ぬかなんてわからない。 死がいつもそばにある主人公。そんな人もきっといる 大切な人をたくさん亡くした人は どう生きていけばいいのだろう。 死んだ側も心配なんだよね。 残していった家族のこと、大切な人のこと。 綺麗事なんてたくさん言える。 死んでいった人の分まで頑張ろう。 そんなことわかってるし、 死んでった人も望んではないけど、 死んだようにいきていくのだけは 望んでないであろうし、 それこそ心配でいつまで経っても 輪廻転生できないよね。 改めて死ということを深く受け止めて 改めて考え方を明るくしていきたいな

    1
    投稿日: 2022.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ⁡現実と死後の世界を行き来する話だが、死後の世界の話も違和感なく、とても読みやすかった。 主人公 環の家族に会いたい気持ちも、死後の世界で家族が溶けていく辛さも、このまま死後の世界に通い続けてはいけない変わらなきゃとわかっているのに、あきらめられない気持ちも、とてもわかる気がして、走ることを通して成長していく環の姿が頼もしかった。最後は、自然の中に溶けた家族を感じられるまでに心が吹っ切れていて、自然の描写とともに清々しく感じられた。

    1
    投稿日: 2022.01.24
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    究極のルール違反。亡くなったあの人たちにまた会える世界...。一人で生きていくための成長の物語。でもその先には待ってくれている、見守ってくる人たちがいる...。奈々美おばさんがいい味出してます。そっと感涙しつつも元気をもらえる作品です。

    7
    投稿日: 2021.09.17
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    人生はマラソンなんだなぁ 明らかにバランスを崩して向こう側に傾いていた主人公が、 だんだんと人との関わり方を掴んで、 向こう側の居心地の良さを、感じてはいけないものだと気づいて こちらの日常に目を向けて、 こちら側で目標を持って、、、 辛いことも逃げたくなることもあるけど、 それでももう大丈夫だねって 読みながら家族と主人公の気持ちがすごく近くにあるみたいに感じられました 良いお話です また走りたくなりました 亡くなった人に対する後悔って私の中にも少なからずあったけど、 この本の中のような世界があるんじゃないかと信じることで、気にせず私がこっちの生活を全うすることが供養になるってほんとにそんな気になれました。 ありがとう

    4
    投稿日: 2021.09.13
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    あの世に行くために走るという、とても後ろ向きな理由で走る主人公が、過去を乗り越えて前向きに変わっていく姿が気持ち良いです。

    2
    投稿日: 2021.08.27
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    死んだ家族に会いたい、謝りたい、家族が事故にあった日のことを後悔しながら生きてきた環。そして会えるはずのない死後の彼らに再び出会うことで生まれた新たな葛藤。 死後の世界と現実世界の往来は、一見するとファンタジー作品のようにも思えるが、作中の死後の世界のルールというのが極めて現実的で辛いものであり、それに直面した環が現実世界で成長していく様子が非常に面白い。

    2
    投稿日: 2021.08.27
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    大人向け「カラフル」みたいなの。生死の彼岸は知っているよりよほど足元にあって、超えてはならない、という警鐘をそれと隠して(しかし分かりやすく)鳴らされる。絶望など、している暇はないのだ。

    0
    投稿日: 2021.08.20
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    一緒に走っているような気分にさせてくれる丁寧な文章だったけど、事の展開が遅いし凄い結末が待っているわけでもないので、ちょっと退屈。

    0
    投稿日: 2021.08.09
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    不思議な話だけど笑って泣けて読んでいて気分がよかった。 最初この話どこがマラソンの話なんだろうと思っていて停滞してたけれど、急にマラソンの話になってから一気に引き込まれていった。 今までマラソンを見るのは好き、でもやるのは絶対無理、どこがいいのかわからないと思っていたけれどこの本を読んでちょっと憧れてしまった。

    1
    投稿日: 2021.04.12
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    東洋的死生観がベースにあるんだけど それをうまく小説に仕立てているなと思った。 いい話、わかり良い、面白い。 読んで損のない小説です。 作者のメッセージもいい感じで感じられるんじゃないかな。安定感ありそうな作家さん!

    1
    投稿日: 2021.03.25
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    ランニングしているので気になって読む。〇〇なんだよね、という文体がイマイチ馴染めなかったのだが、最後の方は一気読み。死に対する考え方とか、残されたものの生き方とか、考えた。 生きてるものは生きてる者同士でうまくやっていく

    0
    投稿日: 2021.02.18
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    序盤の内容からマラソンの物語になることに驚いた。しかし、やや話が長く中盤で読むスピードが失速してしまい、読み切るまでに時間がかかった。多くの人々の別れが描かれており、儚さ、切なさ、呆気なさを感じられた。

    0
    投稿日: 2021.02.12
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    9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。ある日、仲良くなった紺野さんからもらった自転車に導かれ、異世界に紛れ込んでしまう。そこには亡くなったはずの一家が暮らしていた。やがて事情により自転車を手放すことになった環は、家族に会いたい一心で“あちらの世界”までの道のりを自らの足で走り抜く決意をするが…。哀しみを乗り越え懸命に生きる姿を丁寧に描いた、感涙の青春ストーリー。

    0
    投稿日: 2021.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    序盤は辛気臭いフィクションだなーと、 思ったが、タイトルのマラソンに挑戦し始めるところから、 それぞれのキャラクターの個性を楽しみながら読むことができた。 ジョギング再開しようかなー

    0
    投稿日: 2021.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この世よりあの世の方が 身近に感じている主人公 後ろ向きな理由から走っていたが 次第に前向きになっていく 爽快ではあったが 感情移入はできず。 亡くなった父も溶けていってるだろうか

    3
    投稿日: 2021.01.12
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    01月-04。3.5点。 父母、弟を亡くしているOLの主人公。育ててくれた叔母も亡くし、一人生きている。 仲良くなった自転車さんから、自転車を受け取るが、その自転車が冥界へと運んでくれる。 ひょんなことから「ラン」(走り)に目覚める。 一気読みした。だんだんと前向きになる主人公の心情描写が上手い。 ライバルのパート主婦が最高。

    0
    投稿日: 2021.01.08
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    生きていくことは、別れと諦めと折り合いをつけながら、もがきながら生きてゆくこと。だなぁと 忘れること忘れられることにも、悲しいけど辛いけど。生きていく上で避けられないよね

    2
    投稿日: 2020.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生きていれば辛いこと、逃げ出したいこと、 目を背けたいことだらけ。 それでも前を向いて一歩一歩、 少しづつだけど力強く生きていこう と思わせてくれる作品。 あの世での家族との別れのシーンは、思わず嗚咽してしまいました。

    2
    投稿日: 2020.12.09
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    内容紹介のあらすじがよくない。 「異世界」とか「あちらの世界」という表現のせいで、パラレルワールドを想像してしまう。 しかし、実際は単純に「あの世」ということだ。 平行世界を行き来する物語ではない。 と、予想を裏切られたとしても面白いのはさすが直木賞作家。 1行目から引き込まれる。 なんてことのない日常のシーンが温かくて、傷を抱えた者同士のふれあいという暗さを持っているはずなのに、やさしく響く。 とにかく読みやすいのだ。 それは文章としても、物語としても。 話し言葉に近いということもあるが、自然でスラスラと入ってくる。 キャラクターや展開にイライラや矛盾を感じることもない。 あぁ、これは昔読んだ『カラフル』の森絵都だなぁと感じた。 環は自転車屋の紺野さんにかっこよくてワクワクする「モナミ一号」という自転車をもらい、その自転車によってあの世に導かれる。 そこには亡くなった家族がいて、その家族に会うために何度も何度もあの世への道を行き来する。 その道のりは40㎞もあり、自転車でも大変なものだ。 しかしあるとき、「モナミ一号」を手放すことになってしまった。 それでもあの世へ通うために、環は自分の足で走り抜こうとマラソンを始める。 この通り、環が走り始める理由はとても後ろ向きなものだが、「あの世」と「この世」の人々に触れていく中で、環自身が変化していく。 「この世」のマラソン仲間はとにかく醜くて可愛らしい人ばかりで、彼らとのやり取りは特に面白い。 風景の描写も見どころ。 マラソンやウォーキングをやる人ならわかるだろうが、日常の何気ない風景とか、軽井沢の贅沢な自然の感じとか、きっとワクワクすると思う。 物語のラストはとても納得のいくものだったが、序盤の雰囲気が好きすぎた。 もう少しやさしさが欲しかったというか……。 いや、でも確かに序盤から右肩上がりに面白いのだ。 『カラフル』が好きな人はきっと気に入るんじゃないだろうか。 ただ、この物語は「家族の物語」でも「マラソンランナーの物語」でもあり、そのどちらかだけでは成り立たたない。 両方があってこそ環は走る。 一方を見落とすことのないように読んでもらいたい。

    2
    投稿日: 2020.10.07
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    あの世にいる死んだ家族に会いに行くために走り始めた環。家族への想いが強くてこの世にいながら心ここにあらずだったけれど、走ることでいつのまにか、自分の足で自分の人生を取り戻しに行けた。

    2
    投稿日: 2020.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    42.195kmをあの世に行くために走り出すんだけど、それがいつのまにかこの世で生きるためのものになってたっていうね。生命力ってあるし、個性をそぎ落とされないように強く生きてこうっと。

    0
    投稿日: 2020.09.01
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    『不幸はそんなに劇的なものじゃない。実のある不幸は一見なんてことのない日常の中にこそひそんでいる。なのに世間はそんなの退屈がって目もくれない。見栄えのいい派手な不幸にばっかり群がる』 あなたにお聞きします。 あなたは自分の人生を幸せだと感じているでしょうか?それとも不幸だと感じているのでしょうか? 人によって何を幸せと感じるか、何を不幸と感じるかの基準は異なります。同じ境遇にあってさえ、人によってその境遇の捉え方次第でそこから流れ出る感情は変わってくるでしょう。しかし、例えば『不幸に慣れた人間は、赤く腫らした目や削げた頰を他人に見せるような粗相はしない』というようなある意味極端に冷めきった感情から抜け出せないでいる人がいたとしたら、そんな後ろ向きな感情に包まれた人には何かしらの手が差し伸べられるべき状況にあると思います。では、そんな手が、今は遠い、はるか彼方の世界にいる、かつて一番身近にいた人たちから差し伸べられたとしたら、『不幸に慣れた人間』は何を感じ、何をしようと考えるでしょうか。また、そこにはどのような感情が生まれるのでしょうか。 『十三歳で父を亡くしたとき、あの世はまだ遠かった。やや時間差で母が逝き、弟の修がそのあとを追った』という辛い過去。さらに『二十歳に奈々美おばさんを』、『そして、二十二の年にこよみが死んだ』と身近に相次ぐ死の連鎖を経験してきた主人公・夏目環。『こよみはきれいなブルーグレイの毛をした猫だった』という『近所の自転車屋の猫』を飼っていたのは『ぶかっとしたオーバーオールの似合うおじさん』でした。そんなおじさんが『一人できりもりしていたサイクル紺野』で自転車を買った環。でも『約三ヶ月目。走行中にブレーキをかけるたび、ギギギギギ、と断末魔の叫びさながらの噪音が耳をつんざくようになった』という状況に『たった三ヶ月でこれだから、もともと欠陥があったんだろう。』 と謝る紺野。交換を申し出るも『あの自転車は私の唯一の相棒』と『三日おきに研磨剤』を使わせてもらうことを条件に乗り続ける環。そして『紺野さんともぽつぽつ言葉を交わすようになった』環は『初対面の日から話し友達になるまでに、半年。そしてその後、私たちが特殊な同胞意識を共有するまでには、またさらなる一年』と仲良くなっていきます。そんな時『ねえ、あなたよく紺野さんのところにいるの見かけるけど、気をつけたほうがいいわよ』とクリーニング屋のおばさんに警告される環。『あんまり近づくと、あなたまで祟られるわよ。不幸って、感染るんだから』と身内の不幸が連鎖している紺野を悪く言うおばさんに『私も九年前に家族全員をなくしています。これって、私も祟られてるってことですか』と返す環。『他人の不幸に寄生しないで』と捨て台詞を残して店を後にします。それからしばらくして『年始以外は休んだことのなかったサイクル紺野がシャッターを閉ざしていた』という光景を目にした環。『こよみが死んだ』という悲しみの連鎖。そして、こよみの四十九日を終え『山形に帰ろうと思うんだ』という紺野は『ぴかぴかの自転車』をプレゼントしてくれました。『こいつは丈夫にできてるよ。どこまでも行ける』と言う紺野。『積極的に私をどこかへ連れていってくれそうな自転車だった』という『モナミ一号』に乗るようになった環の前に『ついにあの日が訪れた』という運命の道が開かれる日が訪れます。 あらすじにある通り『死んだはずの家族が暮らす異世界に自転車で行き来する』というファンタジー世界が描かれるこの作品では、この自転車『モナミ一号』が大活躍します。『ただお伴をするだけじゃなく、積極的に私をどこかへ連れていってくれそう』という自転車は『まだ行ける。まだまだ行ける。挑むように前を行くその振動からは強固な意志のようなものが伝わってきた』という何かしらの力が宿っていることを暗示します。『限界の見えない未知数の力』を持つその自転車は『こげばこぐほどにペダルは生き生きと回転し、タイヤは弾むように地を転がっていく』という、普段の後ろ向きな環とは真逆の方向を向いています。この強い意志の力によって死んだはずの家族が暮らす異世界へと足げく通う環。そのダイナミックに異世界へとレーンを越えていく表現には、森さんならではのファンタジーの世界の魅力が存分に詰まっていました。読書で読むファンタジーは、読者の頭の中でどれだけその世界をイメージできるかが全てだと思います。その作品世界がどこまで魅力的なものになるか、読者の想像がどこまで飛翔していけるかは、ある意味読者の想像力が試される瞬間です。森さんの描くファンタジーは決して突飛な世界観などではなく、すぐ隣にありそうな、身近に存在するような、そんな親しみを感じられる絶妙な雰囲気感をとても大切にしていると思います。この作品でも、リアルとファンタジーが切れ目なく絶妙に繋がる不思議な感覚を感じさせてくれました。そして、この絶妙さが後で述べる巧みな読後感へと読者を導いていきます。 そして、この作品では『不幸に慣れた人間』である環が如何に前を向いていくか、この心のありようの変化の描かれ方がポイントとなっていきます。森さんはそんな環の感情を、このように描きます。まず最初に『神様は悪質だ』という強烈な断定。そして『私たちのまわりにあるやわらかくてあたたかいものたちをあの手この手で奪い去る』と家族や身近な存在を次々奪われてきた環のストレートな思いをこのように表現した上で、『あとに残るのはガラスや鉄、プラスティックなんかの硬くて冷たいものばかり』と無情にも物質だけが残っていく目の前の現実を対比させます。そして、さらに『いや、硬くて冷たいものさえも、永遠にそこにありつづけるとはかぎらない』と駄目押しをします。こんなマイナスな感情に取り憑かれている環。『生きていくにはじゃまくさい孤独も、死を思った瞬間に頼もしい友となる』というような強烈なまでの表現を用いてそのマイナスな感情を描いていきます。それが『死んだはずの家族』に接することで、環の心の中に『私には、あきらめちゃいけないことがある』という前向きな力強い感情が生まれてきます。『以前はいたのに、今はいない人たち。 以前はあったのに、今はないものたち』という『失われた時間を空想の中で復活させる』環。それを『走っているときにはなぜだかそれができる』と感じる環。その環から読者が受ける印象は、冒頭の後ろ向きな環とは全く別人かのような力強さを持ち、生きることに前向きな姿勢を強く感じさせます。そんな中、感動の結末へと向かう中で、ある瞬間が訪れます。それは、それまで全体を覆っていたファンタジー世界の印象がすっと消え失せ、現実世界を生きる夏目環という一人の女性が力強く前を向く、そして爽やかなまでに世界を駆け抜けて力強く走っていく、そんな情景が目の前に浮かびあがる瞬間です。マイナスな感情からプラスの感情への転換点、そこにファンタジー世界を描きつつも、あくまでも現実世界を見据える森さんが描くもの、描きたかったもの。現実世界には、今この瞬間ももがき苦しみながら生きる人たちがいます。そして、それでも再び前を向いて生きようとする人たちがいます。そんな人たちのひたむきに生きる姿が、すっと引いたファンタジー世界の前にふっと浮かび上がる瞬間。『朝日が、あらゆる感情を放つあらゆる人たちを照らしていた。』というその瞬間に感じる前を向いた人たちの圧倒的な”生きるんだ”という力強い意志の力に圧倒される瞬間。 “生きろ”という強いメッセージがここにある。力強く、それでいて、背中をそっと優しく押してくれる物語がここにある。そして、辛くて、悔しくて、悲しくて、そんな私たちに生きていくことをもう一度後押ししてくれるそんな作品がここにある。 「カラフル」と全く同じ感情に包まれる読後。 あたたかく優しい感情に包まれる読後。そして、明日もまたがんばろう!という前向きな気持ちに包まれる読後。 心のど真ん中を射抜かれるという感覚、そこから流れ出るあたたかい感動と満足感に包まれる心からの幸せをじんわりと感じた森絵都さんの傑作でした。 森絵都さん、こんなにも深い感動をありがとうございました。

    52
    投稿日: 2020.08.03
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    死後の世界と通じるという非現実的な話だけど、夏目環が、妙に現実的なキャラクターで心理描写も絶妙。 夏目環の日記を読んでいるかのような文章が、若い世代にはわかりやすく読みやすいかもしれないですね。 私はまだ家族を亡くしたことが無いけれど、その時が来たらまた読んでみたいと思える作品でした。 キャラが個性的なのと、自転車で走っている時、ランニング時の疾走感など、小説より実写化したら楽しいだろうなと思った作品でした。(普段は実写化大反対派です)

    4
    投稿日: 2020.02.08
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    物語が進むにつれて段々と走る目的が前向きに変わっていく環をみていると、大きな一歩を踏み出すことが難しいならば、小さな一歩を少しずつ…と思えます。 森絵都さんの語る死生観って、明るいというか身近というかズシーンって重くないのが魅力的ですよね。

    8
    投稿日: 2019.05.18
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    陸上モノかと思って読んだら、走りはするけど人の生き方の話でした。「カラフル」に通じるテイストもあって楽しめました。ただ、もっと激しい力走の場面も欲しかったようなな…。

    0
    投稿日: 2019.04.01
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    家族を事故で失った環は、不思議な自転車に乗ることで家族の住む向こう側の世界に辿り着きます。とある事情でその自転車を失った環は、今度は自分で走ってその世界にたどり着くため、仲間とともにトレーニングを始めるのです。彼女は走るために多くの人と関わり、挫折しながらも一歩ずつ前に進んでいきます。失った家族に再会するために走り始めた彼女は、最後には一人で生きていける強さを手にするのです。彼女の成長と家族とのやり取りは涙無しに読むことはできませんでした。読み終わったらきっとあなたも走り出したくなる、そんな一冊です。

    2
    投稿日: 2019.01.20
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    実家にあった本。 読み終わらなくて、でも途中で止まらなくて、借りて帰る。 喪失を乗り越える、軽く描かれているけれど、人が立ち直る経過は些細な声がけや出会いなんだよな、と思わせてくれる本。

    3
    投稿日: 2018.12.28
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    死んだ人に対してなど、後悔ばかりだった主人公が冥界に行くことをきっかけにフルマラソンに挑戦し、その過程で変わっていく、、、みたいな。 最後の方があっけなく終わっている感じがした。 色んな人が登場して、面白いんだけど、その後が気になる感じのまま終わってしまった感じ? 冥界があって、普通の世の中に名残がある人がステージにとどまってるという発想は面白いなぁと思った。

    0
    投稿日: 2018.12.19
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    13歳で、家族を事故で失い 20歳で叔母が逝った。 ひとりぼっちになった主人公 環 22歳。 「あとひと息」で向こう側に行ける気がする。 きっかけは貰いものの自転車だった。 向こうとこちらを繋ぐ「ルート」を自力で走り抜けるために 環はランニングを始める。 ランニングチームの面々がなかなか個性的なわりに そのキャラを生かし切れてない感じがちょっと残念 でも読みやすく、読後感も良かった

    0
    投稿日: 2018.08.30
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    面白かったけど、よみやすかったけど、少し甘すぎでしたね。ちょっとストーリーが全体的に安直な感じで、読み飛ばしぎみに読み終えてしまいましたね。

    0
    投稿日: 2017.12.29
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    読みやすく面白かった。 死という辛い別れがユーモラスにも描かれていて、又その辛い別れに力強く走っていく環の姿勢に元気をもらえる。もちろん弱気になったりもするけれど、いつの間にか前をむいている環の成長に感激。

    0
    投稿日: 2017.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自転車に乗ってあの世の境界線を越えた環。諸々あって40km先にある境界線を自力で越えるためにがんばる話。スポ根ではなく、環を取り巻く人間模様を描いた作品。

    1
    投稿日: 2017.04.08
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    死をテーマに、一人一人のもつコンプレックスや悩みに焦点を当てており、自分自身の悩みへの対応の仕方を考えられる本。 スピード感があり一気に読み切った。 現在の自分の性格の根本は過去の出来事や経験に大きく影響を受けているが、そのままでよいのか、変わるべきなのかについて考えるのを助けてくれた。 憎らしさも強情さも弱さもすべて溶けていく、そんな感覚が、何もかも投げ出してすっからかんになった今の自分にもあるなあと思った。

    1
    投稿日: 2016.11.29
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    暗く、不幸を拠り所としている主人公の成長を、主人公の家族と同じように喜べました。 キャラの濃い登場人物や、洒落のある会話などもたのしめるポイントです。 主人公はなんとか走り抜き、生きてるということを噛みしめながら、この先生きていくのではないかと思います。

    0
    投稿日: 2016.11.05
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    ひた走れば、辿り着いたのは生の世界と死の世界の狭間。ゆっくりと溶け合い、個をなくしてゆくやさしい死の世界と、傷つけ合いぶつかり合う生の世界。走ることを通じて繋がる初心者ランニングチームの物語。

    0
    投稿日: 2016.10.31
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    なんかすごく不思議な感じ。ふわふわしてる。 死者のいるファーストステージにたまたま自転車で行くことができ亡くなった家族に会った主人公が、40kmを走るためにランニングを始めて、という話。死者に会いに行けるというファンタジーな設定ながらもファンタジーという感じはあまりしなくて、ふわふわどこか浮いている感じ。 嫌みおばさんの真知さんの言動は許せないし理解もしたくないけれど、なんだろう、どんな人生だって嫌になることや本人が不幸と思うものはあって、それで許されてるんだって思えた。主人公はみなしごで、世間とうまく交わえないと思っているけれど、それも主人公が思っているだけで、意識しないうちに壁を作っているのかもしれない。 悲しいこと辛いことが溶けていって生まれ変わりの準備をするけれど、その灰汁がその人であり、怒ったりケンカしたり重苦しかったり、そういうのも含めてまるめて家族なんだなぁ、と思えた。心にふわりと暖かいものができる。暗いとか明るいとかじゃなくて、死者が見守っていて、辛いものは溶けていって、生きている限り出会いと別れはあって、繰り返されて、それは諦めなきゃいけなくて、合わないと思う人がいたとしても、走れば光の中に溶けていく。主人公の心境とランニングのランナーズハイと言うのだろうか、それが溶け合って混ざる。日常を肯定された感じがした。

    0
    投稿日: 2016.07.31
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    話の展開は奇想天外。 だけど、妙にあったかく心に沁みる。 今、ブームになってるマラソンに絡めた、人間の生死の話。 極限まで追い詰められたランナーたちにしか到達できない境地というのはあるんだろう。 長距離走が何より苦手なわたしには縁遠い話。

    1
    投稿日: 2016.07.09
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    家族を亡くし、後ろ向きに人生を見ている主人公。発想がおもしろいファンタジーもの。残された者はどうやって生きていくのか。誰か、何かのせいにして生きるより、やはり前を向き生きていくことが大切だと思える1冊。

    0
    投稿日: 2016.06.06
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    森絵都さんの作品はどれも読みやすく、読後感も爽やか。今回も、扱っているテーマから重く哀しくなりそうなのに、そうはならないところがさすが!

    0
    投稿日: 2016.04.17
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    単純なお話だけど、その先も読んで登場人物たちを応援したくなる。あの世に行くなんてあり得ないし、そのために走るなんてもっとあり得ない。 けど、人それぞれ何かに没頭するには意味がある。私も夢中になることを見つけたくなる。苦しいけど、その先に喜びがある。そんな趣味みつけたいなあ。

    3
    投稿日: 2016.03.21
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    マラソンと霊界がこんな風に結びつくなんて! オカルトとスポーツが融合した小説を初めて読んだ。 面白さにぐいぐい引き込まれていった。著者の発想に脱帽です。

    2
    投稿日: 2016.01.04
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    あの世のファーストステージに行ける自転車を手にした環が、そこで死別した家族達と出会う。 でもその自転車は持ち主に返すことになり、代わりに自分の力で40km走れるようにするために、へなちょこチームに入り、フルマラソンを目指す話。 環の一人称というスタイルが読みにくかったけど、結構楽しめた。

    1
    投稿日: 2015.12.17
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    【カラフル】を読んでから森絵都さんの作品が好きで 昔のを買ったりして読んでいたんだけど 良いは良いんだけど、カラフル程の印象は正直無かったの 森絵都慣れをしてしまったのか?!(なんだその慣れw) と思っていたけど、この【ランは】 【カラフル】同様の、死生観や死後の世界が なんとも言えない世界観で描かれていて、やっぱりいい!!と思える作品だった スポーツをファンタジー?のMIXみたいな 久し振りに夢中になって読んでしまった 久し振りのヒット♪

    2
    投稿日: 2015.10.02
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    最初の方は面白くて、後半の展開を期待したが、後半になるにつれて内容が軽くなった。 物語の設定自体はすごく面白かった。 身内の人が全て亡くなってしまった、20代の女の子。その子が、あの世とこの世を行き来できる不思議な自転車を手にいれる。しかし、とある理由でその自転車を手放さなければならなくなる。手放してしまうと、もうあの世の家族に会いに行けなくなってしまう。 40Kmを6時間以内で走りきる能力を手に入れれば、あの世とこの世を行き来することができる。 自転車を手放す期限までに、走る力を手に入れなければ! マラソンのサークルに入って仲間とフルマラソン完走を目指す。

    0
    投稿日: 2015.09.27
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    一風変わった独特な世界観。あの世の定義が斬新なのに、何だかすんなり馴染んでしまう。後ろ向きな理由で走り始めた環が徐々に変わっていく様が嬉しい。読んだ後前向きになれる本。溶けて還るという表現が好きだ。森さんの作品は柔らかく、優しい印象を与えてくれる。大切な人を亡くした人に読んで欲しい。

    2
    投稿日: 2015.09.04
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    大好き!!人を選ばず薦められる本。 芯から前向きになれる物語っていいなー。 久米島マラソン出たかった。

    0
    投稿日: 2015.04.17
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    始めから終わりまであっという間に読める疾走感がある。紺野さんとのやりとり、死に別れた家族との出会い、一風変わったランニングチームでの練習など、展開が早くすぐにこの世界に引き込まれた。特にこの作品では様々な人物が登場するが、みんな難癖があってそのくせ憎めない人たちばっかり。それぞれにエピソードもあって本当に面白い!さすがは森絵都さん。読後の爽快感といったら僕の中では佐藤多佳子さんと並んで二傑である。ところで本作で気になったのは章の区切りに使われている記号のようなもの。毎回形が違って何を表すのか推測できるのもあればよくわからないものもあり、早速再読しているところです(笑)

    1
    投稿日: 2015.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    周りの人が皆死んでしまった女性をめぐる不思議な話。 あまり人付き合いが得意でない女性が数少ない友人から自転車を譲り受けるが、これが冥界に連れていってくれる乗り物だった。 冥界へ行くと家族と出会え、幸せな時間を過ごした彼女だが、自転車はいずれ手放さなくてはならないことを知り、自らの足で冥界へ行けるように頑張るというなかなかブッ飛んだ話。 設定はブッ飛んでるけど、女性の成長が主なテーマでほほえましい。

    0
    投稿日: 2015.02.07
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    飛行機の中で読んでて泣いてしまった。 (ノ_<)恥ずかしいです! 読み始めには全く予想できなかった展開に話がどんどん進んでいってとても楽しく読めました。 これは永久保存です!

    1
    投稿日: 2015.01.25
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    家族を全員亡くした主人公の環は、他人と距離を置いて過ごしてきたが、あるとき自分と同じ境遇の自転車屋の主人から、自転車を譲り受ける。主人の息子の未練が乗り移ったその自転車は、死者の世界へ導く自転車だった。その自転車を息子に返して、自分の足で死者の世界へ行くことを家族と約束してしまうが…。 身近な人の死を経験したことがある人なら誰でも、亡くなった人にもう一度会いたいと心から願うときがあると思います。一見、死者に会いに行くということは、未練をひきずることになるのではないかと思いましたが、環は走ることによって、悲しみを絶ち、前を向こうとしていきます。ありえない話ではありますが、亡くなった家族の為に走る環に感動しました。 死者の世界へ行くのに、一定の距離を一定のスピードで走るというルールが設けられているのもおもしろいです。

    1
    投稿日: 2014.12.01
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    遺された人の生き方。 身近な人の死を乗り越えること。 手段としての目標。 前を向いて自分のために生きるということ。

    0
    投稿日: 2014.11.06
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    荒唐無稽な理由で始めたランニング。新設の癖のある人たちのいるランニングクラブに入り、フルマラソン完走を目指す物語。ランニングをやっているので、状況が分かりやすく、感情移入しやすい物語でした。森絵都さんは初めて読んだのですが、文体と物語の構成がすごく好きな作家の一人になりました。

    1
    投稿日: 2014.08.02
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    家族を亡くし、人付き合いが苦手な環(タマキ)が、ふとしたことから「あの世」にいける不思議な自転車をもらう。でもその自転車は本当に受け取るはずだった自転車屋の子供に返すことに。環は自転車無しでも「あの世」へ行ける40キロを走り通す為、ヘンテコなランニングチームに入ることに。

    2
    投稿日: 2014.07.06
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    明日を、これからを、今からをがんばって生きようと、前向きな思いになった。主人公が決していい子ではなくて、何処か自分の中にもあるようなちょっとひねくれた感じにとても感情移入ができた。素直に最後まで読める作品。主人公の成長が違和感なく心に落ちて、応援しながら読んでた。すごく素敵な作品でした。

    2
    投稿日: 2014.06.23
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    最初は読むのにダレてしまったが、最後まで読んでホントに良かった。カラフルに劣りまさらない本。天涯孤独の環。家族に会いたい為、あの世とこの世を行き交う。自転車を返す為に自力で走る環。私も走ってみたくなった!

    0
    投稿日: 2014.06.12
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    森絵都さんの話には多くいえることですが、生と死が表裏一体でつながっていて、死やその後の世界を近く感じられます。文章は柔らかい口語体、一人称で深く考えずとも入り込めます。好きです。

    0
    投稿日: 2014.04.23
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    テーマはあきらめない、夢、我慢か。愛する家族を亡くし生きる希望もなく鬱蒼と日々を過ごすうら若き主人公環。ふとしたキッカケで貰った自転車にて異次元の世界へ誘われる。そこで出会ったのはなんと死んだ家族の面々!?冥界と下界を結ぶレーン?を走りつづけるうちに至難を乗り越える力が徐々に宿る。悲しみを乗り越え懸命に生きる姿を笑いあり、泣き有りの軽快なリズムにて丁寧に描く。気持ちがふぅと軽くなる秀逸な作品です。

    0
    投稿日: 2014.03.29
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    「カラフル」と同様、生きるとか死ぬとか人生とかの重いテーマを軽く読みやすく物語に織り交ぜている作品です。主人公が自分以外の家族を事故でなくしてるという想像しただけでも鬱な設定ですが、あくまで軽ーく進んで行き、最後には前向きになれます。面白いと思って読み進められましたが何か特に胸打つ物があった作品という印象ではなかったです。ただ、読み終わったあとにその後のストーリーを色々想像するのは楽しいですね。

    0
    投稿日: 2014.03.21
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    生きている人間は、精一杯生きていることに しがみつかなきゃいけないと、今回も森さん のぶれないテーマ炸裂。 他人の不幸にも自分の不幸にも寄生しない、 これ、なかなか難しいんだよね。不幸って ちょっとしたシェルターみたいな側面もあるから。 生きるってしんどい。

    0
    投稿日: 2014.02.05
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    思いがけずフルマラソンを走ることになった主人公。理由もさることながら、走れるようになる過程にワクワクした。

    0
    投稿日: 2014.02.02
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    ランニングブームに乗ってランニングものですね 斜に構えて読み始めましたが、面白かったです 作品ごとにどんどん文が軽くなっていきますね この作家さん

    0
    投稿日: 2014.01.17
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    事故で家族を失った環が、知り合った自転車屋さんからもらった自転車で不思議世界へ迷い込む・・・という辺りは、なかなか入り込めなかったけれど、後ろ向きながらも少しずつ動き出す環を応援したくなった。 奈々美おばさんが、男前で格好良い。

    0
    投稿日: 2013.12.31
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    なんか長いジメジメした梅雨が明けて、カラっと爽やかな晴天を迎えたような小説。 この先どうなるのか全く分からないストーリーの先に読めなさが面白い。 マラソンの結果やハタくんと小枝ちゃん、環と大島君のその後も気になるが、なにより紺野さんの「…近い将来、人間の女性も一人増えるかもしれません」が気になってならない。

    1
    投稿日: 2013.11.22
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    あの世にいる家族と自由に会いに行ける孤独なヒロインが、こちらの世の人たちとかかわりを持つようになったきっかけとは?

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    投稿日: 2013.10.05
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    心の成長、感動系。うるうるしました。結構重いテーマだけど、明るく軽くてぐんぐん読める。相変わらず爽やかな読後感。

    0
    投稿日: 2013.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家族との死から立ち直れずにいた主人公は、同じく家族を亡くしている紺野さんと出会い紺野さんからある自転車をもらう。それはあの世へいける自転車だった。。。最初は自転車を使っていたが、自分の力であの世のレーンを越えられるようになることを目標に走りはじめる。走ることでチームと出会い前向きに強くなっていく話。 何回も何回も家族を失ったという事から立ち直れない彼女に泣いた。私も何度夢の中で生きている父に会ったかな。このレーンがあるとしたら、私も生きているうちに行きたいと思ってしまった。会ったら会っただけきっと辛くなるだけなのだろうけど。

    0
    投稿日: 2013.09.17
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    初めは内にしか向いていない主人公が好きになれなくて、 読んでてもいまいち面白くなかった。 でも、だんだん周りのゆるい人たちと一緒に 40キロを走ることを目指すようになって、 読んでてさわやかな気分になりました。 まぁでも、私はスピリチュアルたらなんたら、 ってジャンルが好きではないので、☆3つ。

    0
    投稿日: 2013.07.31
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    死の世界に通じる道を自分の足(自転車)で行けるという発想が印象的でした。死の世界では、だんだん感情が穏やかになる・人との違いがなくなるなど、そうかも?と思わせるポイントがたくさんありました。ランニングチームも少しずつ団結して、強く生きて行く姿がかっこよかったです。

    1
    投稿日: 2013.07.26
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    『カラフル』と相通ずる感がある。好き嫌いが分かれるようだが、森さんのこの手のものは結構気に入ってる。 溶けたものの降り注ぐなか走り始めるシーンは映画のエンディングの様で美しいのだけれど、出来ればもう少し先まで物語を続けて欲しかった。走り出し、走り続ける環たちのその後がすごく気になる。

    0
    投稿日: 2013.07.13
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    どんな内容かは全く知らず、ただ森絵都さんの新作(私にとっては)ということで読みたいと思っていた本。 前知識がなかっただけに、こんな話だったのか!と驚いた。まさかランニングの話とは。カラフルを読んでいるときに似ていた。森絵都さんの死生観って不思議。 感涙と書いてあったけど泣かなかった。多分、環さんと私が似ていないからだ。 環さんが、冒頭からは想像できないほどにどんどん前を向いて生きていく姿に、がんばれ、と思いながら読んでいた。 大島くんが好きです。 皆の走った後はどうなったのか気になる。小枝ちゃんとハタくんは?大島くんと環さんは?オーダーメイドシューズは?イージー・ランは? ランニングを始めたくなった。

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    投稿日: 2013.07.05