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ブルーネス
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伊与原新/文藝春秋
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総合評価

46件)
4.2
17
19
5
1
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    伊与原作品で初の長編を読みました。 短編小説の静かな世界と異なり、この作品は東日本大震災で何も出来ず、歯がゆさや悔しさを抱いた地震研究者たちが、立ち上がり新たな方法で地震に立ち向かう話で、思わず引き込まれました。

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    伊与原新さんの科学エンターテイメントストーリーですね。  抜群に面白いです。  科学ファンタジーとも言えます。  映画化して欲しい作品ですね。  東日本大震災から三年立った。  行田準平は、海洋地球総合研究所(MEIメイ)の岸壁に佇んでいた。すると、四十歳位の男に声を掛けられる。準平が落ち込んでいるように見えたようだ。  実は、MEIに勤務するプログラムディレクターの武智要介から、面接に来るように誘いを受けていたのだが、迷っていたのだ。  男は、瀬島と名乗って名刺をくれた。瀬島も自分の会社の人員を募集中との事だったが。(後に、この瀬島がとんでもない経歴の持ち主で、この作品の重要人物になる。)  準平は、東日本大震災の時に、スポークスマンの位置にあり、テレビにも出演していたが、地震研究所を批判する発言をして、研究所を辞めていたのだ。  先輩の武智が、そんな準平に声を掛けたのは、津波警報システムを構築したい為だった。MEIでは、誰も武智のプロジェクトに賛同するものがいなくて、孤立していたようだ。  準平は、武智の話を聞いて次第に引き込まれていく!  そして、仲間探しが始まった。武智や準平のようなはみ出し者が、次第に集まっていく。  七人の“はみ出し者”が集まるのだが、その経歴がすこぶる面白く、ユーモアを交えた人間模様が描かれていく。  この物語の津波警報システムは、夢物語では無く、あとがきで、モデルが存在しているのが、明かされています。解説の神戸大学海洋底深査センター教授・センター長さんも絶賛とエールを送られています。  ダイナミックな構成で、伊与原新さんの持てる知識を駆使して(実際に伊与原新さんの大学時代の研究の成果も作品に盛り込まれています。)、物語を読む者を夢と希望に導いてくれるのが素晴らしいですね♪

    63
    投稿日: 2025.10.17
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    「俺の間違いは、常に相手に百パーセントを期待していたことだ。例えば、君たちはこうして俺を見舞ってくれる。その動機の九割は、俺がプロジェクトのスポンサーだからということかもしれない。でも一割ぐらいは、掛け値なしに俺を心配してくれているのだろう。俺は、その一割の気持ちを百パーセントじているし、その一割の気持ちを心の底からありがたいと思っている」 0か100思考の私に、希望をくれた文章。 ほんとその通りだなぁ。 自分が信じたいものを信じたらいいよね

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    久々の、心躍る小説。難しいことはわからないけれど、最後のクライマックスシーンは涙が出てきてしまった。

    0
    投稿日: 2025.09.01
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    人と科学の結晶。 津波に命を、財産を、生活を奪われた人たちが立ち上がる物語。間違いを認めるのは勇気がいります。認めた上で同じ場所に居続けるのももっと勇気がいります。 その勇気を見せてもらいました。やらなければいけないことはできるできないではなく、やるしかない。 数多の困難にめげずに立ち向かっていくチームの心の強さと、なりより繋がっていく人の輪に感動しました。

    0
    投稿日: 2025.08.31
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    伊与原新さんの科学小説! 独特の世界観に魅せられて、同作家さんは5作品目 今回は、東日本大地震の教訓をもとに、津波監視システムを実現させるというプロジェクト。 業界のはみ出し者たちが集まり、一つ一つの難題を地道に解決していく様子が描かれている。 海と生きていく人間にとって、津波から命を守るというのは避けて通れない道だろう。 とりわけ四方八方を海に囲まれた日本人にとって、その意義はとてつもなく大きい。 予測出来る津波によって、未来の尊い命が奪われることのない世界に・・・ 本作を刊行されるにあたり、伊与原さんが参考にされた巻末の多くの参考文献にも、作者からの切実なメッセージが込められている作品だった。

    33
    投稿日: 2025.08.26
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    面白かった〜! 3.11の日、私は東京の職場であの地震を体験し、その日からずっとテレビで流れる津波の被害を目にして、その時は大丈夫だと思っていたけど数年後に見た映画インターステラーの津波のシーンで、信じられないほどドキドキして涙が止まらなくなった。全然大丈夫じゃなくて、心には津波への恐怖が植え付けられていたんだよね。 だからやはり、地震が起きたら津波の心配をするし、津波で亡くなる人や行方不明になる人が出ないように願ってやまないし、津波警報が出た時にも結果小さな波しか来なかったとしても文句言ったりしたらダメだよなと思う。 この話はフィクションとのことだけど、きっと日本の科学に携わる人たちは今日も科学の世界で未来の地球を救おうとしてくれてるんじゃないかなと思いました。 しかし準平ちゃんの成長物語としてもよかったー!映像化するとしたら小林虎之介くんが似合うと思いますよ!(贔屓役者を突然推す) そして伊予原先生、金髪の計算の天才好きだな、と思いましたw

    1
    投稿日: 2025.08.20
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    もちろんシステムとか用語とか全く分からなく難しかったけど、自分のやりたい、貫きたいなど突き詰めるひとたちはやはり尊敬するし、見ていてワクワクする。 はぐれものも必要ですよね。組織にとらわれてばかりでは生み出せないから。

    9
    投稿日: 2025.08.10
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    震災をきっかけに自らの仕事を信じられなくなった地震学者が才能と情熱に溢れる仲間と出会い、あるシステムの開発へと向かう。 実際のシステムをモデルにしていて取材も細かく、地震や地質の分野を知るきっかけにもなるが、スポ根的な熱い話なので爽やかな読み味を求めている人にはおすすめ。

    0
    投稿日: 2025.08.09
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    好みの物語ではなかったが、このような人たちがいてくれるから、災害を予知できたり救われる命があることは理解。

    1
    投稿日: 2025.08.05
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    伊与原新 2冊目 津波予知に、それぞれの過去と想いを持って、熱く臨むお話。シンプルで分かりやすいストーリーで読みやすいし、読後感も良い。 こう言うので良いと思う。

    0
    投稿日: 2025.07.16
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     津波予知に挑むはぐれものの寄せ集めチームの奮闘記。読了に時間がかかったが、非常に楽しめた。誰かを救うとか人類のためといった崇高な思いからではなく、自らのためが動機であっても、自然に挑む科学者達にロマンを感じた。実際にモデルとなったシステムが存在するらしく、もし南海トラフ地震が起きても八丈島の奇跡が起こってほしいと切に願う。御都合主義だが、テーマのおかげか退屈にも感じず鼻につくこともない爽やかな小説。トカラ列島の地震も火山活動によるものとすれば、正に今作のようなことも起こり得るのか。

    4
    投稿日: 2025.07.13
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    伊予原さんの本領発揮の素晴らしい小説でした。エリートや大金持ちなどのスーパーマンがたくさん登場するのですが、彼らがみんな良い人だったり、深刻な問題が起きても全てうまく解決したり、最後には海上保安庁の船まで登場するなど、かなり無理筋とも思える展開なのに全然嫌味にならず熱く入り込めました。主人公や武智さんがとても響く言葉を言っていて、思わずメモも取りました。あれから14年以上過ぎても地震の話は避けたいと思っていたはずでしたが、この本には出合えてよかったです。今はトカラ列島が心配です。

    6
    投稿日: 2025.07.10
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    登場人物それぞれが過去の傷を負いながらも、未来への光をあきらめない姿にグッとくるものがありました。 今はもちろん大切。でも、過去の失敗、挫折、絶望があってこそ、未来への挑戦と希望へ踏み出せる。 ゛あきらめない゛私はこの言葉をこの本からもらった気がします。

    0
    投稿日: 2025.07.09
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    情熱と信念が伝わってくる良い小説でした。エンタメとしてストーリーもとても面白く、より良い未来への期待が溢れた終わり方に気持ちが励まされました!

    0
    投稿日: 2025.06.05
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    伊与原さんが2016年に発表した胸アツ小説。東日本大震災で、地震予知も津波予測もできなかった科学者たちが、その傷を胸に津波予測の新たなシステム開発に取り組む姿を描く。 様々な経歴を持つメンバーたちが、お互いにぶつかり合いながらも志を一つにまとまっていく姿は、ありがちではあるものの深い感動を呼ぶ。その根底にあるのが“あの日”に何もできなかったという無力感であり、科学はこんなもんじゃないという意地だ。 クライマックスは彼らのチームワークが見事に結実し、思わず涙が溢れた。 kindle unlimitedにて。

    2
    投稿日: 2025.05.18
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    津波予測装置の研究、というテーマでここまでおもしろくできる著者の手腕に驚いた。研究者といっても様々でデータと睨めっこが得意な者もいれば実地調査が得意な者もいる。頭は良いのに飽きっぽくてゼミに出ない主人公のような大学生まで出てくる。中でもサーフィン好きの瀬島が魅力的。人を食ったような発言をするが親しみ易く一番の天才肌、読んでいても瀬島が登場すると何かすごいアイデアを隠してるんじゃないかとワクワクする。前半の、江ノ電沿いの海を舞台に仲間集めをしていくような感じが好きだったが、後半の展開が少し物足りなく感じた。

    0
    投稿日: 2025.05.18
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    長めの小説だけどめちゃくちゃ面白かった。今までにない津波予想システムを立ち上げようとする、学会からのハブられメンツたちの話。メインキャラもキャラ立ってるし、本題は難しいけど夢のある話だった。実在するモデルはあるらしい。青春。

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    アカデミックな世界の嫌な部分も触れつつ、最後の結末に胸が熱くなり。いつかドラマ化してくれないかなあ。

    0
    投稿日: 2025.05.10
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    漁師さんとの意見交換シーンは大樹町のインターステラ社のドキュメントを思い出しました。 乗り越えるものは研究対象物の壁だけではないんでよね。

    0
    投稿日: 2025.05.09
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    読み始めたら一気読み。 東日本大震災があったからこその小説だけれど、震災後の関係者たちの思いとか、海に生きる人たちの想いとか、普段はなかなか知り得ない学術の世界と官僚の力関係など、リアルさもあいまって引き込まれました。 多くの人たちのいろいろな思いも盛り込まれていて、物語としても感情が動かされる作品でした。

    0
    投稿日: 2025.05.09
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    読み終えるのにかなり時間がかかってしまった。途中で離脱しそうになりつつ、いや、ここまで読んだし…ともはや意地で読了。特定の業界を舞台にしたビジネス小説は好きな方で、好んで読むのは「たとえその内情を詳細に知らなくてもエンタメとして楽しめるもの」だが、本作は専門用語が多く、説明的な描写はテキストから具体イメージが想像しづらい部分もあり、苦戦した。 解説に津波監視システムやウミツバメの説明があり、こちらを先に読んでいた方がまだ本編を読みやすかったかもしれないと、あとから思った。

    1
    投稿日: 2025.05.03
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    3月のあの日を境に、何かに打ちのめされたはみ出し物たちの逆転劇。 科学を信じて人を信じて、様々な妨害を受けながらも津波監視システムの稼働にむけて進み続ける姿は胸熱。

    9
    投稿日: 2025.04.21
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    #ブルーネス #伊与原新 バディの話が好きだ。で、その次に好きなのはあぶれ者たちの反撃の物語。#宙わたる教室 もそう。漫画だと #ルーキーズ に、映画なら #ガーディアンズオブギャラクシー とか。 リアルな科学考証を土台に、登場人物たちの戦いが生き生きと描かれる。 #読書好きな人と繋がりたい

    6
    投稿日: 2025.04.17
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    『波はしぶきを上げることもなく、突堤の左右に広がる岩場を静かに洗っている。洗濯板のように削られたその地層を見ながら、池上が言った。「こんな風に、柔らかい層が浸食を受けてひだ状になってるのが、竜串のポイント」「確かに、このあたり全部、砂泥互層[タービダイト]だね」』―『第四章 海の魔法』 時差のある場所との行き来に本を読む。前回はボール・オースターの分厚い一冊で持ち運びに難儀した。それを踏まえて今回は文庫本を持参。久しぶりに伊予原新の小説を読む。行きの便で読み終わりそうな気配がしたので半分辺りで止めておく。案の定、帰りの便ではあっという間に読み終えてしまう。予備の一冊は預け入れのスーツケースの中。 伊予原新の小説の醍醐味はなんと言っても現実世界の科学的知見に裏打ちされて物語が展開するところだろう。もっともそれを字義通りに直訳すればサイエンティフィック・フィクション、つまりはSFとなるのだろうけれど、SFは必ずしも科学的事実の延長にあるものばかりではなくて、個人的にはそれを空想科学小説と変換するのがしっくりとする。勿論、この作家の小説でも現実には起こっていないような話も出て来るし、最先端の科学的知識を超えた現象が描かれることもあるけれど、「空想」とやや揶揄するような言葉は似つかわしくない。敢えて言うなら「想像的」科学小説、というところか。本書はまさにそんな想像を膨らませつつ地球規模の現象やそれを観測するシステム等も含めて現実世界の延長上にある物語。それ故に少々こわい。 それが「想定の範囲外」の「事実」であるというのは、本書にも取り上げられている地震予知で度々耳にした言葉遣いだが、余りにも安易に使われてしまっているとの感が拭えない。もしそれが事実として起こっているのなら、正しくは「理解の範囲外」というべきだろう。理解とは、常にある前提に立って行う予測が概ね実際に起こっていることを言う、と言い換えてもよいと個人的には思っているが、事実がその予想とは異なる時に問題となるのは、前提が(それは往々にして都合のよい範囲内に限られて定められることもある)間違っていたか、予想する能力のあると思っていた理屈が誤っているか、だ。だが人間の一生に比べて遥かにゆっくりとした動きの現象や複雑な現象は、そもそも理解可能の埒外の現象なのではないかとすら思う時もある。つまりは理解可能と思うことそのものが間違っている可能性があるのではないか、ということ。我々に出来る事は精々現象の平均的で単純な次元への投影に過ぎない。特に自然現象は単純なモデル化に抗うように一義的な解を示し得ないことがしばしば。 それにしても伊予原新の小説を読むとなんだかいつもあれこれと考えてしまうなあ。因みにタービダイト[Turbidite]は確かに砂泥互層が特徴的ではあるけれど、砂泥互層が全てタービダイトとは限らない。互層は一般的には「オルタレーション[Alteration]で、砂層と泥層の互層ならSand-shale(clay)  alteration(s)という、と元地質屋の独り言。

    2
    投稿日: 2025.03.19
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    仕事に対する覚悟、責任、信念等について考えさせられた。 セリフからやれることと出来ることの意味の違いを調べてなるほどと思った。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    研究は孤独な営みで、誰も答えを知らない問いに1人で立ち向かっていくもの。 孤独を恐れず、地図も持たずに進んでいく勇気と信念が必要になる。 まして、本作の津波観測・予測システムの発起人である武智は、地震研究コミュニティのしがらみに嫌気がさして単独で研究を進めていく決意をしたことから、助成も得られない状況。 それでも、信念は貫き通して地道に賛同者を集め、未曾有の困難が立ちはだかっても都度工夫を重ね、プロジェクトの成功に近づけていく。 私自身も、どのような困難に遭遇しても簡単には諦めずに立ち向かっていけるような思いを持てるようなことを人生で一度は経験したいと思いました。

    13
    投稿日: 2025.02.28
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    伊与原新、祝直木賞。 初の伊与原新作品。 東日本大地震直後、地震を予知できなかったことに対する圧力に耐えきれず、東都大学地震研究所を退職した行田準平。 そんな準平に、『津波監視システムの実現に手を貸して欲しい』と、学会の異端児・武智が声をかける。 『ダイナモ津波計』、洋上ドローン『UMITSUBAME』… 一癖も二癖もある仲間たちと『津波監視システム』を作り上げていく… さまざまな妨害に遭いながらも… 八丈島南方の海底火山からできた新島の噴火による津波の規模と到達時刻を計算できるのか⁇ メンバーそれぞれが大きな挫折感を抱きながらも、研究を続ける真摯な姿勢が印象的。 準平、武智、汐理、そして天木、地震に関わってきた人たちからすると、東日本大地震の被害を予知できなかったこと、可能性を伝えきれなかっことは、挫折以外の何ものでもないだろう… 我々でははかりしれないものだろう… そこから何とかしようと動いてきた姿に共感を覚える。 なんとかしなければ、と考えなければ、先はない。 ひとりが動くことで、またひとりが… そして、大きな組織を動かすことに… 初の伊与原新作品、おもしろかった。 地球物理学と地質学、普段馴染みのない分野にもかかわらず、サラッと。 映像が観えるようで。 映像化されてるのだろうか… しばらくは伊与原新作品で繋ぐか…

    14
    投稿日: 2025.02.24
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    ガチガチの文系ですが面白かったです。無知すぎて理解が追いつかないところもありましたが、それでも楽しめたのでホンモノです。 最終章「出航」、感動しっぱなしでした。「危険をかえりみず」って、そう言われたらそうだよな…と納得。

    2
    投稿日: 2025.02.20
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    物語冒頭の海眺める始まりが最高。 サイエンスを信じるハミ出し者たちが津波予測に挑む。幾度と訪れる困難に対し、立ち向かう様が読んでいて心地よく、応援したくなった。 特に好きなシーンとしては、事業家の若松が順平に言う『人に期待する』という考え方を口にする場面で心に刺さった。伊与原新さんの物語は所々に涙が出るような優しいエピソードがあり、傷ついた心にそっと寄り添ってくれる。 物語終盤に畳み掛けるように人々の想いが呼応し、大きなうねりとなる。 人との関係って、結局はぶつかってみないと分からないのだ。

    10
    投稿日: 2025.02.18
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    終始潮の香りがする物語だった。真剣に物事に向き合う人ほど落ち込み、傷つき、足踏みし、時には後退するものなんだってこと。それでも誠実に逃げずにいれば、いつかは少しずつでも前に進んでいくんだってこと、を教えられた気がする。 伊与原さんの世界は、高校生の頃の物理の世界に憧れていた自分に引き戻してくれる。科学がどんなに血の通った、心動かすものかを思い出させてくれる。

    2
    投稿日: 2025.02.01
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    いつものように科学をテーマにした伊与原作品ですが、本作はエンタメ性が半端ない。真山仁作品並の読み応え。念密なリサーチによる現実性の高い内容と魅力ある人間模様が素晴らしい。

    19
    投稿日: 2024.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東日本大震災を予測できなかった過去に忸怩たる想いを持つ科学者連中が集まって津波予報システムの構築を目論む科学エンタメ小説。 はぐれ者たちが集まって完了を含む大きな組織に邪魔されながら目的を遂行するという骨子は、水滸伝的というか判官びいきな日本人好みと言える。ただ池井戸潤なんかが擦りまくっているパターンなので少し食傷気味かなぁ。ドラマ化するには良いと思うが、公的機関と官僚をヒールにしてる分民放好みかな、やとしたらオモロないかも。 科学的知見と人間ドラマの配合度合いが絶妙なのは、さすが伊予原新。安易に恋愛イベントを突っ込まないのも好感が持てる。 贅沢を言えば、ストーリーがどこかで何回か読んだような定番さ。安心して読めるとはいえ、もう一工夫あれば満点つけたんだけどなぁ。

    4
    投稿日: 2024.10.30
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    06月-07。3.5点。 津波予測システムに取り組む、研究者たちの物語。震災03年後、いろんなはみ出し者たちが集まり、斬新なシステムを作っていく。 成功するだろうな、と予想していたが、手に汗握った。

    0
    投稿日: 2024.06.17
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    東日本大震災後、津波監視システムを実現すべく奮闘するはみだし者の研究者たちを描く。 随分時間をかけてしまったけどやっと読了!今の仕事と関連ある内容なのでじっくり調べたりしながら楽しめました。 付箋貼りながら読んだの初めてかも。

    5
    投稿日: 2023.11.20
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    3.11で感じた無力感と、それでも前に進もうとする科学の力とを感じられる。役に立つか、立たないか。それが、いつ役に立つか。とても重要な視点。役に立たないと言って切り捨てることも、将来的役に立つからと遅々としてしまうのも違う。このモヤモヤした気持ちを含めて作品のリアリティが素晴らしい。

    2
    投稿日: 2023.01.08
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    3.11の後の地震や津波の研究者たちの物語。 大地震を予測できなかった敗北から、未来に向かってできることを考えていく。それぞれに熱い思いがあるのに、形にしようと思うと方向性が合わなくて、はみ出しもの扱いになってしまう。同じ分野の研究にも、和を乱すとか足の引っ張り合いとかあるのね。目的や使命感を共有することを諦めないで、何度でも歩み寄って。各々の正義を貫こうとする姿がカッコよくて羨ましかった。 システムの理解は何となく。完全に理解できなくても楽しめた。 221019読了、図書館本。

    3
    投稿日: 2022.10.19
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    題材が題材なので読むのに思い切りが必要だったけど、読んで良かった。被災した人たちにしか気持ちがいってなかったけど、そうだ色んな人が関わって色んな風に傷を抱えたんだよなと見えるものが広がった。チームとしてのみんなと、そこから先にむかう姿勢に泣けた。

    2
    投稿日: 2022.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    震災後、地震研究者が打ちひしがれているという報道に、今こそ奮起してくれよ!と思ったものだったけど、自分が研究していたことがなんの役にも立たなかった、となったらそれは確かに茫然自失にもなるわな、と思った。 トンガの地震による火山性地震が起きた後に読んだからものすごくリアリティがあった。 大槌の市川君は青ノ果テの三井寺先輩と近しいものを感じた。訳あって学問の道を選択できないけれど学ぶことを諦めないという姿勢に心打たれるし、おそらく伊予原さん自身がそう願っているからなんだろうなと思う。 NHKでドラマかアニメにしてもらいたい作品。

    1
    投稿日: 2022.03.02
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    地震津波研究に関する豊富な知識をベースにして、津波予知に挑むはぐれ者研究者たちの奮闘を描いた快作 さすが伊与原先生の作品。知的好奇心も満たしてくれるし、何といっても痛快なドラマでした

    1
    投稿日: 2022.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東北大震災以後、地震を研究する人達は予測できなかったことで避難されていた。どうすれば正確な津波の予知ができるのか、どうすれば津波から人を救うことができるのか。様々な人が出会い、それぞれの知識や知恵で地震予知システムの計画を達成していくドラマ。 あくまでフィクションなのでどこまでが現実かわからないが、地震予測をする人達が避難を浴びたのは事実なのではないだろうか。あと書きにもあるように実際に同じようなものが現在でも研究実験されているようだ。ぜひとも実用化してほしいと素人ながら思う。 ☆3つなのは、個人的には少々展開が遅く感じた為。 単行本版を読んだが、表紙イラストがとても良い。

    0
    投稿日: 2022.01.02
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    東日本大地震での辛く苦しい経験を色んな立場で味わった研究者たちが、その経験を二度と味わいたくない、という一心で、前例のない津波観測システムを、周囲のさまざまな圧力に耐えながら開発していくお話 技術的な試行錯誤の話はほどほどに、それ以外の部分(組織内外のしがらみ、資金繰りなど)の試行錯誤に重きを置いた内容でした 周囲の冷めた、非協力的な雰囲気にも屈することなく、自身のアイデア、信念を貫きながら、開発を進めていく開発チームの姿はとてもリアルで感動的でした リアル過ぎて本当にあったお話ではないかと読み進めていくうちに気になって仕方ありませんでしたが、「あとがき」にモデルとなったお話もちゃんと紹介されていて、やはりあり得る話なんだなと、より感動を覚えました

    1
    投稿日: 2021.06.14
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    津波、そして地震は島国日本が未来永劫付き合っていかなければいけない天災。 この小説は、いずれ被災するであろう国民目線ではなく1秒でも早く、少しでも正確な地震・津波情報を伝えたい、という信念を持ち津波監視システムの実現に取り組む科学者の話です。 津波監視システムには科学的考察や知識が取り入れられており、それだけでも興味深いのですが、私たちにとっては避けられない天災に対し、科学者目線でのアプローチや活動がフィクションであれ少しでも知ることができます。 困難に立ち向かいながらも津波監視システムを実現する科学者の矜持を感じる熱い小説として、そして阪神淡路大震災や東日本大地震で感じたあの恐怖を風化させないための読み物としておすすめします。

    0
    投稿日: 2020.09.22
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    東日本大震災の地震予知、津波観察の失敗を受け、実際に科学的根拠を持って書かれた小説。 一秒でも速く津波情報を被災地に届けようとするシステムは、現在でも実際に進められているようだけど、やはり学会の派閥などの影響もありスムーズには進んでいないようだ。 その辺も含め書かれているので、大変興味深くかつ面白く読めた。 海底に張り巡らされたケーブルから津波情報を取得するシステムは、膨大な経費がかかる。 この本では、ケーブル方式ではなく、海底に沈めた観測機から、会場に浮かべた発振器からの情報で予測するというもの。 ただ、それには問題も多く、ひとつひとつ解決して行かねばならない。 ケーブル推進派からは圧力や妨害もある。 その辺の話が小説として面白かった。

    2
    投稿日: 2020.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の神戸大学海洋底探査センターの教授であり、センター長の巽さんの解説も含め、おもしろく、興味深く、熱くなりました。 読んだ小説をドラマ化すれるのは余り好きではありませんが、これはNHKあたりでドラマ、もしくはアニメ化されたらいいのになと思いました。

    2
    投稿日: 2020.06.14
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    【若き科学者たちの情熱がほとばしるエンタメ長編】津波のリアルタイム観測――。地震研究所を辞めた準平は、旧知の武智に誘われ、個性豊かな研究者とこの無謀な計画の実現に走り出す!

    0
    投稿日: 2020.03.11