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オーバーライト――ブリストルのゴースト
オーバーライト――ブリストルのゴースト
池田明季哉、みれあ/KADOKAWA
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総合評価

7件)
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    要約 主人公のヨシは、イギリスのロンドンから西に離れたブリストルという都市に留学してきた。ヨシは日本でバンド活動をしていた。バンド仲間とライブをやっていたが、ボーカルを担当した時にバンド仲間の一人から「君の歌には魂がない」と言われた。それがバンド活動を辞め、逃避としてイギリスに留学したのも理由にある。イギリスで酒場にアルバイトとして入るとブーディシアという女性と出会った。ブーディシアは、グラフィティと言われる壁に絵を描く活動をしていた。世間一般からは悪印象を持たれる活動だ。ブーディシアは、グラフィティをしないがグラフィティコミュニティの中ではゴーストと呼ばれ謳われていた。そんな彼女は、利き手である右手をオーバーライトの最中に元絵師の奴を怒らせ負傷した。それ以来、グラフィティ活動ができなくなっていた。ヨシは、そんなグラフィティが好きだけどできなくなった彼女にバンド仲間の辛辣な言葉で諦めた自分の思いを重ねて芸術とは何なのかを追求する。諦めたヨシがもう一度ギターを弾くように、できなかったグラフィティを動く左手で描いたブーディシアのように、芸術は生きているからこそ生み出せる、描き出せるもの。ブーディシアとヨシはお互いに分かり合える最高の関係になった。 本で、ここまで緩急がしっかりしているものを初めて読んだ。事件の真相、窮地に立たされる主人公たちの様子は、短く、テンポを上げて書かれている。逆に登場人物の過去を掘り下げるところや街の説明をするところはしっかりと書かれている。そこが読みやすくなっていた。 池田明季哉さんの問う「芸術」とはの答えが「生きているから」と出せたのは、少し驚きました。僕だったら、楽しいものは自分のスタイルで、他人に干渉されずに楽しむからと平凡な答えを出してしまうのに、「生きているから」はとても芸術を描く理由の真髄だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イギリスはブリストル。グラフィティの聖地でのグラフィティライターたちの生き様を描いた、作者の実話に基づいた物語。 まず、表紙とタイトルの圧倒的なカッコよさ。それだけで読み始めたと言っても過言ではない。そしてグラフィティ。街の壁にスプレーなどでアートを描くという、日本だとただの落書きで、治安の悪さの象徴みたいな感じに思えるけど、ここでは文化の一つになっているらしい。ちょっと調べるとラスコー洞窟の壁画の話が出てくるのが興味深い。そういう目新しさも興味を持った一因。 ストーリーの部分では、伏線回収もあってちょっとミステリー味もありつつ、濃いキャラが躍動する感じで楽しめた。あとちょいちょい挟まれる欧米感のある表現のやり取りがクセになる。

    0
    投稿日: 2025.04.03
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    表紙のインパクトに惹かれて購入。 ライトノベルというよりはライト文芸に近い、割と骨太なストーリー。人物設定や構成や伏線がしっかりしていて、途中でつっかかることなく読み切れた。 イギリスが舞台だが、イギリスに行ったことがなくとも没入感を味わえる描写が多く、グラフィティについても丁寧に説明されているので読みやすかった。 3巻まで出ているので続巻も買おうと思う。

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    投稿日: 2025.03.30
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    全3巻完結。 実際の英国の一地方都市のこれまた実際の文化、世相をテーマにした唯一無二の作品です。所々挟まれる英語の会話が現地感を出している。 『グラフィティ』という賛否両論あるテーマにその反社会的側面にも逃げずに描いている。最後の巻のライター達の顛末は少し感動した。 ヒロインはブーディシィアだけど真のヒロイン或いはヒーローはキャプテン・ララなんだろう。で、ネリナ可愛い。ラストシーンの後、二人ともどーすんだ。修羅場てへぺろ。 タイトル『オーバーライト』読後効いてくるね。記憶に残るライトノベル。

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    投稿日: 2024.12.23
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    グラフィティを題材にした斬新な内容。 ブリストルという街並み、そこで生活する人々、グラフィティに魂を燃やすアーティストたちの姿がまざまざと想像できる。少し乱暴なヒロインも魅力的だ。 でも、同じ物書きとして学ぶべき場所があると問われれば微妙なところだ。 情景描写は上手だから見習わなければならないだろうが、目指している路線が違うのであまり参考にはならないかもしれない。旅行記として読むのであれば楽しめるはず。 他人に何かを訴えるような作品はあまり好みではない。何だか全体的につまらない印象を持ってしまう。かといってそれが悪いという訳ではないのだが、どうにもしっくりこない。 今後の活躍に期待だろうか。 なんとも言えない。

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    投稿日: 2024.02.24
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    グラフィティ×ライトノベルという組み合わせがとても斬新的。 主人公含め登場人物が洋画の様な言い回しをしているので、他のラノベには無い独特な雰囲気を醸し出している。 終盤で明らかになるヒロインの秘密や黒幕の正体が予想外の所で仄めかされており、まるで推理小説を読んでいるかのような感覚だった。

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    投稿日: 2021.08.20
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    外国を感じられるものを軽く読みたかったので、満足。続編もこの話をどう持って行くか読みたい。 レディオヘッドとか多分スーパーマリオカートとか、ハマったものが出てきてちょっと親近感。 昔グラフィティのテレビゲームにハマったことも思い出した。名前なんだったかしら…

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    投稿日: 2020.08.24