
総合評価
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powered by ブクログ日本の政治では、政治資金規正法あるいは公職選挙法より、外国からの資金援助は禁止されている。しかしアメリカやソ連で公開された文書に注目すると、自民、民社、社会、そして共産党は、上記二か国のいずれから資金援助されたことがわかる。本書によると、自民党は50年代後半から60年代前半にアメリカから多額の資金を得ていたこと、また共産党は60年代の途中まではソ連から資金援助されて、共産党が自主独立路線を掲げてから、ソ連は社会党の援助へとシフトしたことが公開文書から読み取れる。しかし90年代のアメリカの文書公開でCIAが反対したこと、またロシアはときの政権、政治事情に左右されるというように、本書で紹介された内容は氷山の一角にすぎない。そして大半の情報は真意が明かされないまま依然として謎に包まれている。
0投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ日本の政党に対する外国秘密資金の流入の歴史が体系的にわかる名著。読み続けるにつけ、公文書の公開が超限定的な日本の状況が情けなさ過ぎる。そのため、シラを切って逃げられる日本の政治家が腹立たしい。
0投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログForesightでおなじみ名越さんの渾身の一作。戦後政治史の影の一面というか、光の当てられなかった部分というか。少なくとも戦後の一定期間においてほとんどすべての政党に外国からの資金が流入していたという認識は持っていてもよい知識なのかもしれません。 しかし、国務省の歴史家が公開しようとする文書についてCIAが反対するのはわかるけれど、わが外務省も積極的に反対するというのはなんとも反応に困るというか、なんというか。もちろんすぐに公開できない事情はすごくわかるけれど、相当程度の期間が経過したら公開し、あとは歴史の評価に委ねるべきではないかと思いますけれど。
0投稿日: 2020.10.17
powered by ブクログこのような資料がアメリカやロシアに存在し、一般人が閲覧できることは当たり前のこととは言え、我が国の状況を見ると悲しい気持ちになる.自由民主党、日本社会党、日本共産党が当時の米ソから資金援助を受けていたことは事実だろう.戦後間もないころの各政党の発展のための重要な糧となっていたことは、ある意味で強烈な皮肉だともいえる.戦後の政党史を総括する意味で楽しめた.ソ連の資金が共産党から社会党に移ったことも興味深い.ただ、その金が党として還流していたのではなく、自民党では岸派、共産党では野坂派に集中していたようで、与える側と受ける側の癒着に近い形だったことも注目すべきだ.自民党にはその一派が存在していることから、影響が全く解消されたとは言えないと考えている.勉強になった.
0投稿日: 2020.06.26
