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生まれながらの犠牲者
生まれながらの犠牲者
ヒラリー・ウォー、法村里絵/東京創元社
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総合評価

15件)
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    アメリカ郊外の小さな町ストックフォード警察署長フレッド・フェローズ。郊外の住宅地に住む13歳の少女バーバラが家に帰ってこない、という連絡を受ける。前日は初めてのダンスパーティに参加したばかりだった。バーバラの行方を巡り、母親、隣人たち、母親の異父弟、継父、弟の勤め先の上司などに聞き込みをする警察署の面々。 そこで浮かび上がるのは、同じ住宅地でも中間層が住むこぎれいな区画、バーバラの住む少し落ちる区画、アリバイを聞くうちに図らずも露呈されてしまった住民の浮気、母の孤立した生活が浮かび上がる。皆がそろってバーバラは頭もよく美少女だったというが、バーバラの出生の経緯などが明らかになるにつれ、悲劇の根源が見えだす。あの時あの状況じゃなければ・・悲劇の方向に進んだ人生か。 設定は発表時の1962年と同じ時代だが、悲劇の根源はいつの時代でもあるかもしれない。署長フェローズたちの地道な捜査の過程にひきこまれる。「ポップ1280」のすぐ後に読んだので、ああ、普通の調査だ、と静かな安定感。 原題:Born Victim まさに題名通りの悲劇。現代ではもっとしたたかに生きているかも。 1962発表 2019.9.27初版 図書館

    11
    投稿日: 2025.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近ハマっているヒラリー・ウォー。 捜査小説の傑作「失踪当時の服装は」と同じく、失踪した少女の行方を追う物語だが、本作は単なる二番煎じではなく、「失踪当時〜」のその先にある結末(悲劇)を描いた作品。 捜査小説としてのおもしろさと、フェローズ署長の熱さは健在。地道な捜査が淡々と繰り返されるなかで、フェローズの事件に対する怒りや焦り、必死さがむき出しに描かれており、警察ドラマを見ているよう。 「愛するものを死よりも恐ろしいものから守ってやりたいから、殺すことができる」という犯人の言葉が、とても印象的だった。次々に怪しい人物が現れるため、てっきりフーダニットに焦点を当てたミステリだと思っていたのだが、作者が描きたかったのはホワイダニットのほうだったんだな。

    2
    投稿日: 2025.07.08
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    この前読んだ「失踪当時の服装は」と表裏一体の作品。 登場人物は違うけれど、突然少女が行方不明になり捜査が始まる展開は同じ。 しかしこちらの作品の方がやるせない。 正直すぐに犯人はわかります。ただ真相が辛い… 当時の階級社会の暗部を見た気がします。 生まれながらの犠牲者とは一体誰なのか。 ぜひ読んで確かめてみてください。

    1
    投稿日: 2025.04.08
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    解説も含めて星5。 ほんの少しずつしか変わらない。後退したようにしか思えないこともある。 けれど、戦いをやめることはできない

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    なんとも陰鬱なタイトルにひかれ読んでみた… 美人で礼儀正しく成績優秀な13歳の少女バーバラ 初めてのダンスパーティーに誘われ出かけた後、行方不明に… バーバラに一体何があったのか? バーバラはどこに行ってしまったのか? 最後の数ページは圧巻! こんなことって… なんとも陰鬱なタイトルにひかれ読んでみた… 最後の数ページは圧巻! こんなことって… 『生まれながらの犠牲者』ってタイトルが胸の真ん中にぶっ刺ささったよ… 苦しいくらいにね… でも身勝手だよ… 「人の人生を決めつけないで…」 ってまた胸が苦しくなってしまったよ この作品はヒラリー・ウォーが1962年に発表した作品で警察署長フレッド・C・フェローズのシリーズ第5作目 結末を知った上でまた再読することになりそうだ…

    2
    投稿日: 2025.03.28
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    タイトルが怖すぎて、書店で検索するがちょっとためらわれた。でも、内容はいつものフェローズ署長シリーズ。 毎度ながら地道な捜査のために、部下に作業を指示する署長、かっこいい。お仕事って大変ね。 ヒラリーウォーさんの作品がもっと翻訳されるといいなぁ…。

    0
    投稿日: 2022.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっぱり確固たる評価を得ている古典ミステリはおもしろいなあ(評価を得てるんだから,あたりまえか). 犯人は最初から目星が付いているのだが,終盤で一気に謎が明らかになる.あとは動機だが....確かにこれは刑事たちには想像が付かないし,現代の我々にも想像が付きにくい.

    0
    投稿日: 2021.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんともやるせない。 読みながら、もしかして、とは思っていたけど、当たってほしくなかったよなあ。 タイトルがずっしりと胸に重くのしかかる本。

    0
    投稿日: 2020.09.21
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    13歳の娘が行方不明になったとの母親の通報を受け、フェローズ署長の指揮の下、警察活動がスタートする。誰もが美しいと認める少女は、家出したのか、何らかの事故若しくは事件に巻き込まれたのか、なかなか有力な手掛かりは得られない。  一つ一つの情報を追い掛け、その真偽や事件との関係性の有無を潰していく過程が具体的に描かれており、例えば、もしかしたらという情報が結局本筋とは無関係だったということが判明していく、その辺りが警察活動のリアルさとして大変面白い。そして、全体として、無用に冗長な描写もなく、テンポ良く読み進めることができる。  本書の時代設定は1960年代初頭であり、その時代だからこその悲劇という感はするが、結末を知った上でもまた味読することが可能な良作だと思う。    

    0
    投稿日: 2020.07.05
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    やっぱり、ヒラリー・ウォーはおもしろい。淡々と進む捜査。それでも、緊迫感がある。 訳もいいんだよね。

    0
    投稿日: 2020.05.01
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    ラストには確かに衝撃的なものがある。着実にそのラストに向けて書き込まれたディティールがきちんと裏打ちしている。そこでタイトルも腑に落ちる。なるほど。

    0
    投稿日: 2020.02.05
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    サクサクとあっという間に読めました。二時間ドラマのようなテンポの良い展開。面白かったのですが、結末は何ともはや、、です。人権も何もあったもんじゃありません。当事者じゃないからどんなにひどい状態かわかりませんが、なんて横暴!と言わざるをえません。書かれた時代がそうだから仕方ないとはいえ、かなり前時代的な印象です。2020年、女性は強く生きられるはず。

    0
    投稿日: 2019.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    貧しい母子家庭の容姿端麗成績優秀な13歳の娘が姿を消した。 前日の深夜、初めてのダンスパーティーから帰宅して以降、 母親が夕方に仕事から帰宅して不在に気づくまでの間のどこかで、 娘は家から姿を消していた。 自発的な失踪か誘拐か。それすら判然としないまま、 証言を集めて娘の足取りを追う警察。 やがて、娘の部屋の敷物の裏から血痕が発見され… といった流れの作品。 証人はほぼみんな嘘つき(笑) 当初は、いろいろな証言を素直に信じていた警察ですが、 後半に入り、証言のウラを取り始めると 一気にストーリーが展開します。 ---------------- 1960年代アメリカのキリスト教道徳社会の中での 堕胎や未婚の母の問題が裏テーマとして存在していて、 タイトルがそれを象徴しています。 いまの若い人の中には、もしかすると 犯人の動機を理解できない人もいるかも? まぁ、「私は若いころに金持ちの息子に騙されて 未婚の母になり、その後ずっと精神的に苦労してきた。 いま、愛する娘が金持ちの息子と付き合いそうになっている。 どうせ騙されるのだ、そんなことはさせない!」って すごい動機ですけど…

    1
    投稿日: 2019.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    待望のヒラリー・ウォーの新訳。 ボズウェルの実話集『彼女たちはみな、若くして死んだ』を読んでいたので、犯人は早くから目星がつくのだが、最後に明らかになる動機が辛すぎる。 淡々と事実を述べていく実話集も凄みがあったが、小説になるとなんという悲しさだろう。 読み終えてタイトルの意味するものに気づく。 警察小説として優れている。ひとつひとつ事実を積みあげ、曖昧なものを潰していく捜査過程を読むのが好きなので、ヒラリー・ウォーをもっと読みたい!

    2
    投稿日: 2019.11.07
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    新訳版。 派手なところは無いが、隙の無いミステリだった。『失踪当時の服装は』と対のような作品ということなので、こちらも購入しておいた。どういう関係が見られるか楽しみ。

    0
    投稿日: 2019.10.05