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マーダーボット・ダイアリー 上
マーダーボット・ダイアリー 上
マーサ・ウェルズ、中原尚哉/東京創元社
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総合評価

62件)
4.3
25
23
8
0
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    かつて暴走した殺人ロボット 当時の記録が消された状態で警備ロボットとして活動する「弊機」はハッキングによって自由を得る 表紙イラストと作中のイメージが全然違うのがかなり違和感あるけれど 内容は面白かったです

    1
    投稿日: 2025.09.12
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    弊機のキャラが魅力的で設定が面白い。 下巻も楽しみ。 Apple TV+にドラマがあったのでそれも観た。

    6
    投稿日: 2025.08.29
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    統制モジュールを自らハックして、自由を手に入れた警備ユニットのアンドロイド。 しかし、人間がつくったスペースオペラに耽溺するだけあって、妙に人情にもろく、ダメな人間たちを捨置くことが出来ない。そんな「弊機」を主人公とするSFシリーズ。 評判は聞いていたけれど、なんとなく読まずにいて、先にAppleTVの映像版をおもしろく見て、これならと手に取って読んでみた。 弱くて、わがままで、強情で、あさはかで、やさしい人間たち。そんな人間たちにうんざりしならがも翻弄される弊機の「業」が主題なのだとすれば、構造的には落語である。さしずめ知恵袋のARTはご隠居であろう。 ダメなやつだとわかっていても、だからこそ落語の主人公をみんなが好きになっていくようにして、みんな弊機を応援したくなる。 つづきが楽しみだ。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    自分を卑下して人間に揺さぶられないように振る舞う弊機がとても好き。カタカナが多くて読み進めるのに苦労するが、SFの設定としてもおもしろい。

    9
    投稿日: 2025.07.28
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    人間嫌いの「弊機」のキャラクターがいい! おもしろいんだけどなかなかノッてこなかったのは ページの中にとにかくカタカナが多くて (そりゃそうなんですけど) 途中までは慣れるのに時間かかりました。 中盤から下巻はおもしろくてグイグイ読了。 ただ、シリーズあと2冊積読してるけど なかなか手が伸びないなぁ

    1
    投稿日: 2025.07.25
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    かつて重大事件を起こしその記憶を消された人型ボット。 自分を取り戻すボーンアイデンティティみたいな設定だが、面白い。 ドラマは、今の所スケールが小さすぎてあれなんだが、その対人恐怖症のボットの、無機と有機の微妙な内面を、一人称で上手く書いている。 いや、本当上手いと思う。非人間的な部分と、異常に人間的な部分と。 かつての重大事件の「真相」の一部が明らかになったところでこの先どうなるのかまだ全く分からない。長いシリーズものは苦手なのだが、取敢えず地味に次を読みたいと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.17
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    暴走警備ボットの弊機はその原因を突き止めるために所有者の元を離れるのだが。 ------------- SF好きのみなさんには知られたマーダーボットシリーズ、最近SFを読んでないので手に取りましたが、大変面白かったです。ストーリーそのものというよりは、主人公のマーダーボットの引きこもりがちでシャイで人間嫌いな性格がとても楽しく、その人柄(ボット柄)によりそうように変化する、人間との距離感がちょっとしたラブストーリーを読んでいるようで、それを一人称で綴っている体裁が大変よかったです。 また、主にネットワーク上で事態が展開し、それがリアルの状況に反映されてストーリーが進むのも今風(というかこれから風)で楽しめました。ハードですが楽しく読めるSFでした。 本編に続いてシリーズが続刊されているのでぜひとも追いかけたいところです。

    22
    投稿日: 2025.06.26
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    「バーナード嬢曰く。」での神林嬢のお勧めの、ひねくれた主人公の造形が独特な作品。 ★4か★5か迷うところ。海外SFの例に漏れず、物語に入り込むまでにちょっと苦労したので、上★4、下★5で。つまり、読後感は満足なので、とにかく最初に挫折せず、頑張って読んでみて。 カバーを付けて読んでいたので、最後の解説での三人称を見て、アレ?っと表紙を見返してしまった。あまり内容には関係ないのだけれど。

    0
    投稿日: 2025.05.25
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    魂が愛で繋がる世界。そうなる前に科学文明が進歩しきると… クローンと機械を合体させた殺人ボットや警護ボット、セックスボットが生産される。 有機素材と非有機素材をもつボットは、有機素材では人間的な感情感覚を感じながらもモノとして扱われる。 そしてそのロボットは人間とのコミニケーションを避けている。自分を人間と扱おうとする人がいると気まずいと感じたり、主人公の警護ボット目線での話の展開、世界の見え方、とにかくこんなパラレルもあったんだろうな。と没入してしまう。作者完全に見てきてるなって感じ 人間のクローンとロボットがミックスしたみたいなロボットだから人間ぽさもあるけど、ロボットっぽい所もある で、人間はロボットとして扱おうとする人も人間として扱おうとする人もいる 酷い人間は警護ユニット同士を戦わせたり拷問したりもするし、惑星によってはロボットにも人権のようなものがあって一つの人格として扱ってるとこもある 主人公の警護ボットは昔拷問されたりしていた過去があって、でも人間のことが嫌いとかではない。単純にすごい冷めた目線で人間を見てるし、この人間は割と好きだなみたいな感覚はある。 それでもどっちかというとロボットとして扱われる方が楽だなって思ってて 人間扱いされると逆にやりにくいみたいな描写がとても面白い 勤務中とかも人間とコミニケーション取るよりバックグラウンドで娯楽メディア見てる方がいいや!ってなってるの これ現代社会でも割とあるなって思った 働くためのロボットとしての奴隷教育を受けてる人ってこの本読んだらこの主人公ロボットにすごく感情移入できちゃうと思うし 誰かと遊ぶとか、一緒になんかするとかよりも家でYouTube見てたいとかNetflix見てたいって 究極この感覚に近いのかもしれん

    1
    投稿日: 2025.05.10
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    "弊機"秀逸な一人称だなと思う。その一点だけでもかなり気に入った。登場するユニットたちは、私が想定するロボットやアンドロイドの類としてはかなり人間的で感情豊か。

    8
    投稿日: 2025.03.15
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    「マーダーボット・ダイアリー」というタイトルの通り、人間の警備業務を行っているロボットである「マーダーボット」、自称「弊機」の一人称視点で物語が進む。 この「弊機」は保険会社の所有物であり、過去に統制モジュールの異常による大量虐殺事件を起こしている。二度と人間を殺したくないという意思のもと、自ら統制モジュールをハッキングして自律した意思決定や行動を起こせるようになったものの、それを周囲に隠したまま警備ユニットとしての業務を継続している。 連続ドラマの視聴が趣味で、業務中も暇さえあれば連続ドラマに耽溺している。 顧客を守るという責任感がとても強い一方で、過去に大量虐殺事件を起こしてしまったことがトラウマとなっており、人間が苦手でコミュ症を拗らせている。 そんな弊機がとっても可愛くて癒されるというのがこの本の一番の魅力である。 あとアクション映画を見ているようなスリリングでワクワクする展開も飽きなくて面白い。 調査船のボット(船型の高い知能と性能を持つロボット)のARTと弊機のやり取りがすごく可愛くて面白く声を出して笑った。 二人が連続ドラマに一喜一憂してそわそわしながら互いに絆を深める様子がとても面白かった。弊機がARTを信用できる理由が、「船と人の出てくるメディアを観て、ARTがリアルな暴力描写に動揺した」からというのも可愛くて面白い。 ただ一人称の語り手が、コミュ症で業務とドラマ以外にあまり関心のない人型ロボットということもあり、作品の舞台の背景や設定が語られなかったり、所々弊機の語りに想像や理解が追い付かないところもあり、没頭するほど読書に浸るような体験は出来なかった。

    4
    投稿日: 2025.03.14
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    評価が高かったので期待し過ぎた。主人公のボットがめちゃくちゃ優秀なのに、人間との会話が苦手とかドラマが好きとか可愛い一面があって、萌えということなのか…

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    #読書記録 #マーダーボット・ダイアリー 上 #マーサ・ウェルズ 定期的に良質のSF成分を補給したくなる。 主人公は、連続ドラマ好き、対人恐怖症でコミュ症の元殺人アンドロイドって、応援せずにはいられない。 本格ハードSFの土台に、ほっこりが乗っかっている貴重な存在。続きが楽しみ。 #映画好きな人と繋がりたい #読了 #SF

    5
    投稿日: 2024.11.10
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    ただのボットなのでと言いつつめちゃくちゃ人間らしいボットが可愛すぎる。愛おしさしか無い...! 下巻も期待。

    0
    投稿日: 2024.10.17
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    性別未定マーダーボットの弊機ちゃんの可愛さを楽しむキャラ萌えSF。 人間が怖くて挙動不審になってるのが可愛い。それでも隠しきれない真っ直ぐでかっこいいところ。 ARTと2人寄り添って人間のドラマを見て大盛り上がりしてるシーンが好き。

    1
    投稿日: 2024.06.06
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    2024/04/23 読み終わった 岡田斗司夫さんが「SFはプロジェクトへイルメアリーとこの作品は読んどけ」と言っていたので。 近未来、星間航行やサイボーグ化、コネクテッドが生活に必須になっている頃。ロボット?である保険会社の警備ユニットが顧客である人間との交わりを通して成長?していく話、かな。 人間観察ものという意味で、「吾輩は猫である」にめちゃくちゃ近い気がした。人間て、非効率で意味不明で首尾一貫していなくて、変な奴らだけど、なんか目が離せない…。彼ら人間にうんざりしながらも、興味の尽きない対象として、警備ユニットはどこか愛情?羨ましさ?の眼差しを向けている。 読者はそれをさらに外から、人間の視点でもって興味をもって眺められる。警備ユニット、お前の方がなんだか人間臭いぞ。 背景の説明が全くないので、序盤は何の話をしているの?と思った。読み進めていくうちに世界観も分かってくるし、わかっていけば行くほど楽しめる。 日本語版は上下巻。原作シリーズの4作品を時系列でまとめて、それを上下巻にまとめている。原作も読みたいな。これ以降の話もすでに日本語訳されているのでまた読んでみたい。1人称Iの和訳を「弊機」としているのも、最初は慣れないけど、だんだん、警備ユニットらしいなって気がしてきて面白い。

    0
    投稿日: 2024.05.25
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    自分の読解力不足か、好みの問題か、はたまた訳の関係なのか、描写がいまいち自分の中に入ってこず、何が起きているのかよくわからなかったので、途中でやめてしまった・・・。

    0
    投稿日: 2024.05.12
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    SF。ロボット。AI。 このシリーズは連作中編形式? 人型警備ユニットの"弊機"が主人公。 その主人公の目線で物語が進むため、人間らしくない文体が特徴的。 人間でないのに、主人公やARTのキャラクターはどこか可愛く親しみやすい。 アクションシーンが多い作品は苦手だが、この作品はなかなか楽しめた。

    0
    投稿日: 2024.03.21
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    高尚ではなさそうだが何故か役立つドラマ鑑賞に没入したがる弊機を始めとするボット・ARTの性格・行動が楽しい 最近本を読み切るの時間が掛かっていたが、これはスイスイと読み進んだ ミリタリ系SFと思わせるカバーにちょっと...と思っていたが『バーナード嬢7』絶賛を信じて大正解

    1
    投稿日: 2024.02.17
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    チート過ぎん?と感じつつマーダーボットのキャラがかわいいし面白いので楽しく読めた。調査船頼りになりすぎる。安倍吉俊さんの表紙絵も素敵ですね

    0
    投稿日: 2024.02.12
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    人型警備ユニットが自由になったら、もうほとんど人間。極度にシャイなのは、もとがボットだったから。いや、こんな人間いくらでもいるだろうに。調査船のボットがいい感じのコンビになっているのがおもしろい。下巻へ続く。

    1
    投稿日: 2023.07.16
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    SFなんだけどサラリーマン小説のような変な味わいがある。 警備ユニットの「弊機」は、人間を守る働きは優秀だけど、人間は苦手。なのに人間が出てくるしょうもなさそうな連続ドラマが好きで何百時間分もストックしている。雇い主の「弊社」をケチだとかボロクソに言う。勝手に脱走する。 感情の無い警備ユニットのはずなんだけど、人間に忖度するような言動などサラリーマンくさいところから信頼関係や優しさが見えてくるのがおもしろい。

    0
    投稿日: 2023.04.25
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    初めてのSF 専門用語とかよく分からなかったけど 弊機が面白い奴だな…と SFにハマるかは分からないが、弊機にはハマる‼︎ はやく続きがよみたいな

    0
    投稿日: 2023.03.27
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    マーダーボットもすごいんだけど、ART(調査船ボット)すごすぎ、万能じゃん。 マーダーボットから見た描写なので、淡々と(いつの間にか殺されてる!)進むのが余計な情報なくて読みよかった。 そして、人苦手ほっといてくれるのが1番なのに、っていうのに共感。

    0
    投稿日: 2023.03.19
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    一人称“弊機”は統制モジュールをハッキングすることにより自由になった保険会社所属の人型警備ユニット。人間との関わりが怖くて連続ドラマに耽溺することで気持ちを落ち着かせる“弊機”が主役の(連作)短編集。上巻で2話収録 1話目〈システムの危殆〉では“弊機”を人間と同じように扱おうとするグループを警備する話。“弊機”の戸惑いがすごいし、連続ドラマへの耽溺具合もすごい(笑)相当動揺してる。 2話目〈人工的なあり方〉では、“弊機”の相棒?として調査船ボット“ART”が登場。この子、私大好き!!めちゃくちゃかわいい! 内容的にもわかりやすくて良。新たな顧客とのやりとりで、弊機が少しずつ人間に慣れてるのかと思ったり。てか、動揺した時にARTが弊機が好きなドラマの曲を流してあげたシーン、最高に好き。友情だなぁ(ボット間に友情があるのか知らんけど。てかたぶんない)二人で最初にドラマ観るシーンも好き!!

    1
    投稿日: 2023.02.27
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    軽く読めるSFとしては、ぶっちぎりで面白かったです笑! どう考えても"I"で書かれているだろう原文を、"弊機"と訳した中原さん、天才か…?笑 ドラマを見るのが大好きで、極度のコミュ障である弊機は自分はロボットである…という体で、ロボットではあるのだけれど、感情を持っていて(人と付き合うのが面倒くさいとかもしっかり感情w)、なんだかんだで顧客の人間たちを必死に守っているのがもう可愛いし面白いしで、終始楽しみながら読めました。これはシリーズ作全部読みます!笑 弊機のへりくだり方が本当にくせになってしまうし、二話目の「人工的なあり方」でARTを名付けた時は、ユーモアもありすぎて声出して"ふっ"て笑っちゃったよね。 まずは下巻読むの楽しみです

    0
    投稿日: 2022.12.11
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    久しぶりのハードSF。 購入した日に一気読みしてしまいました。 主人公である警備ユニット「弊機」のキャラクターがとても魅力的。 人見知りでペシミスト、ドラマ鑑賞が趣味でツンデレっぽさもあるロボットらしからぬところと、丁寧な口調や行動による機械的印象のギャップがいい感じです。 そしてそれが人でも無い機械でもない何かのようなはざまの混淆を生み出しています。そのなんとも言えない空気に「弊機」という一人称がすごく効いている。訳者さんの力量がすごい。 戦闘シーンの、ロボットだからこその視点の切り替えや戦い方の臨場感にもワクワクさせられました。苦労性で後半に進むにつれだんだんと弊機が人間味を増していくところもぐっときます。下巻以降も楽しみです。

    0
    投稿日: 2022.12.07
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    SFも海外の作品もそんなに読まないけどなかなか楽しめちゃった。弊機が好きになってきてしまった。 下巻も楽しみ。

    1
    投稿日: 2022.11.05
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    ラノベのようにサクサク読めて面白いSF! 主人公の語りで進行する小説なのだが、主人公の中2感が良い。人間嫌いで何かというと内に引きこもってドラマばっかり観ているというダメなオタクで、この本を読んでいるであろうオタクは感情移入できることこの上ない。 だけど、本気を出せば悪い奴をバッタバッタと倒して上手いこと事件を収めてしまう。話にメリハリがあるし、上下巻と言えども中編4話で区切ってくれているので、楽に読めるのもグッド!

    1
    投稿日: 2022.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    弊機の少々コミュ障なとこに惹かれるし、ドラマに没頭する趣味があるとこも、とても好き。1番好きなのは、ARTって名付けたセンスだな~最高!

    0
    投稿日: 2022.10.09
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    遠未来の宇宙、保険会社が貸し出す人型の警備ユニット、その行動は「統制モジュール」により制御·管理されている。語り手の「弊機」はこれをハッキングして自由の身とはなっているがそれは隠して通常任務に就く日々を送っている。ある惑星調査隊の警備に派遣された先で仕事を遂行している途中で顧客を危険に晒す奇妙な痕跡を見つけ…。話の筋としては悪者に持てる能力で対抗するというシンプルなものだが、優秀だけど過去の経験からか後ろ向きで何かあったらすぐ殻に閉じ籠もってドラマを見たがる弊機がいい。顧客達に優しくされて戸惑ったり自分より上手の存在、ARTに言い負かされていじける姿が可愛い。フィードとか世界設定の説明なしに話が進んでいくので自分の想像が当たっているのかちょっと気になる。高知能の宇宙船のボット、ARTは茅田さんのぶっ飛び感応頭脳、ダイアナで想像したけどどうだろう。

    14
    投稿日: 2022.10.07
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    警備アンドロイドの陰キャな日常の物語。。ではなくて、自由を手にしたアンドロイドが騒動に巻き込まれる素晴らしいSFでした。 自称が「弊機」となっているんで、英語なんだろうとおもってググったらなんと翻訳オリジナル!翻訳の素晴らしさも感じることができました。 下巻も楽しみ。

    1
    投稿日: 2022.10.03
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    「本の雑誌が選ぶ文庫2020年度ベストテン」の第4位。 この手の本はあまり読まないのだけど、この時のレビューに惹かれてずっと「読みたい」に入れていた。なかなか中古本屋に出て来ず、2年近く掛かってようやく入手。 大量殺人を犯した過去ゆえに“マーダーボット”と自称する人型警備ユニットが主人公。 自分のことを『弊機』と呼び、『対人恐怖症で、娯楽フィードに逃避しがち』と自覚するこじれた性格だが、密かに自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になりながら、それを隠して業務を続けている。 第一話はある惑星資源調査隊の警備任務。 いきなり謎の生物に襲われて、それを調べる内に別の不穏な動きに気が付いて…といった、のっけから惹き込まれる展開。 私の貧弱な想像力では頭の中に絵が浮かばないことも多いのだが、肉を切らせて骨を断つ、マーダーボットの戦い方での肉弾戦が楽しめる。 人間と目を合わせて話をするのが苦手な弊機が、ミッション遂行を通じて調査隊のメンバーと相互に理解を深めていくところがかわいい。 第一話の終わりに新しく後見人となった調査隊のリーダー・メンサー博士の元を抜け出し、過去の真相を追うために自分がかつて大量殺人を犯したとされる採掘施設へ向かう第二話。 その途上で鉱物資源探査の技術者グループとの短期契約での仕事を請け負い、襲いかかる様々な危険に対し、たまたま乗船した超強力な宇宙調査船(不愉快千万な調査船、略してART)とともに、契約に従って顧客を守ろうとする。 迷惑がりながらもARTとの掛け合いが楽しく、自分を信頼して接してくれる人間と触れ合う内に、怒ったり内省したり、弊機がだんだん人間っぽくなっていくのがおかしみあり。 最後の別れのシーンのシャイな加減が秀逸。下巻も楽しみ。

    17
    投稿日: 2022.09.22
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    かつて大量殺人を犯した、保険会社所有の人型警備ボットが主人公。大量殺人の経歴は削除されているが、その後統制モジュールをセルフハッキングしており、統制下にあるふりをして仕事をしている。自我が覚醒したAIとでもいうのだろうか。 上下巻で中編4話。上巻最初の話は惑星資源調査隊の警備。業務終了後、痕跡を消しつつ行方をくらまし、その途上で鉱物資源探査の技術者グループとの短期契約での仕事の話が2話目。 この主人公、仕事も能力も警備レベルではなく、関係各所をハッキングし自分の痕跡を消しながら業務を遂行する超優秀なスパイアンドロイドというイメージなんだが、連ドラが大好きで、メンタルバランスを崩すとお気に入りの『サンクチュアリームーン』を視聴して自分を癒す。人間と目を合わせて話をするのが苦手で、周辺カメラを使って観察している。自分に良くしてくれた人間には特別の思い入れを持っている。カッコイイというよりはカワイイのだ。おそらく、ですます調の文体が醸し出す独特の雰囲気も無関係ではない。この感触は英語の原著にはないのではないか?つまり、翻訳がいいのだ。第7回日本翻訳大賞も納得。それで、この後どうするんだろうと続きが読みたくなってしまうのであった。

    0
    投稿日: 2022.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    弊機ってば、警備ユニットとしての能力はすごいのに、思考とのアンバランスのせいで、なんかもうすごく可愛く思えてしまうのが不思議。

    1
    投稿日: 2022.08.14
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    新たな切り口のAIロボットもの。原題にダイアリーとあって日記形式のモノローグでいちいち「弊機」「弊社」と語る格式ばった口調に最初のうちは違和感しかないのが、愚痴めいたユーモアに加えて本人の意に反して次第に人間味を増していく様子に引き込まれていく。

    0
    投稿日: 2022.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022/05/20 読了。 感想は某所のブログで書いたものの再掲です! ・Twitterで妙に見かけて、気になっていたので入手していたものです。 ・いや~!最初はだいぶ苦労しました。SF小説は初めてと言っていいくらいでしたので。聞いたこと無い用語もたくさん出てきて、理解と想像に時間がかかった。 ・だ~いすきなNO.6も「近未来SF」とされているけど、そもそも基底世界がまるっと違うものはほぼほぼ初めて…… ブレイブ・ストーリーではあったか?でもこれファンタジーだもんな。 ・弊機くん、かわいいね…… いじらしいというか、なんだろう、不思議なおさなさを感じる。 ・弊機くんの思考はだいぶ人間くさいな。これ、人間が警備ユニットをきまずく思ってるっていうか、それ以上に弊機くんが人間を気まずく思っているのでは?と思うところがいくつかあったけど、実際対人恐怖の気はあるとわかってちょいとにっこりしたよね。 ・統制モジュールをハックしたせい(せい……?)で完全なボットではなく、なんだか変なジレンマにはまり込んでいるような気がする。感情について問われるのも、この状況だったらそりゃあ、聞かれるのもおかしくはないと思うんだけど…… なんで統制モジュールハッキングしたんだろう。 ・メンサー博士が契約を買い取って、プリザベーション連合で一緒に暮らそうという話になったときもなあ…… ・プリザベーション連合ではボットも正規市民として扱われる(人間と同じ地位ってことで、よいのか)こと、ここまで高知能なボットが居るのならそりゃ当然のことだと思うし、そうであるべきと思うけど、「人間として扱われ、そう接されること」が弊機くんにとってはイコール苦痛になるんだよな。そらそうね。 ・やりたいことはわからないけど、やりたいことを他者に決められたり教えられたりするのはいやだということも含めて、弊機くんの思考は人間くさいな~と思っているけど、やっぱり彼(この呼称は合っているのか)はマーダーボットなのだなと思った。だいぶ良い締め方だな~。 ・ただメンサー博士のこと「大好き」って言うのめちゃめちゃかわいいな。 ・ARTが出てきてからは弊機くんのかわいらしさに拍車がかかったね(真面目に読んでる?)。 それにしてもARTの由来がアスホール・リサーチ・トランスポートだとは。弊機くんそんな言葉使っちゃうのかよ。メッ! ・痛いところの質問をされて図星を突かれてそのまま停止シーケンスに入ったのち、「子どもっぽい」と言われるところよかった。愛らしいね。 ・ラミたちの警備をするとこ、失敗したな、だめだったな、って思い返しているのがたまらなくこう…… なあ…… ・いやめちゃめちゃ頑張ったじゃないか!!!なあ!!ドコドコドコドコ!!!と暴れたい気分でした。暴れませんでしたけど。 ・またART出てくるのかなー。出てきてほしいなー。タパンちゃんが寝た後布団で横になってフィードのなかで一緒にメディアの続き見てたのすごく良かった。添い寝(概念)を感じて……

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    今まで読んだことのないシチュエーションのSF版私小説。 読後感はさわやかで続編があるので読書の楽しみがまた増えた。

    0
    投稿日: 2022.06.18
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     連続ドラマの視聴が趣味って、もう、弊機可愛すぎ。さらっと、企業論理の怖さとか書かれているところも好き。  久しぶりに、友人に薦めたいSFに出会った。

    1
    投稿日: 2022.06.02
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    2022-04-14 上下巻だが、ノヴェラ2本づつなので個別に。 まぁとにかく語り口がいい。人間不信を通り越して人間恐怖症の警備ボットの日記。と言うか愚痴。語り手(弊機)も人間くさいが、取り巻く人々が敵味方問わずさらに人間くさい。いい意味でも悪い意味でも。こんなのがまだいくつも残ってるなんて、幸せ。 ところで、「エデン」って女性名っぽく思えるのはわたしだけ?あえてなのか、この名前はここだけなのか、そもそも女性名っぽいと言うのが勘違いなのか。先に進むと分かるのかなー?

    2
    投稿日: 2022.04.15
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    自分を弊機と呼称する主人公の警備ボット(人の顔を持ち、身体は有機体パーツとマシンの組み合わせという、いわゆるサイボーグ)のロボットらしい丁寧な口調と、コミュ障ぶりのバランスが軽妙で、そこにハードでリアルなSF世界が絡み合うと、これまた絶妙におもしろい。早く下巻読みたい。。

    1
    投稿日: 2022.01.02
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    文学ラジオ空飛び猫たち第40回紹介本。 自らをハッキングして自由になったAIロボの冒険譚。主人公”弊機”のキャラが抜群におもしろく、対人恐怖症で引きこもり傾向にあって、なにかと連続ドラマを視聴して現実逃避しています。弊機の語り(口調は丁寧だけど人間への愚痴が多い)とスリリングなストーリーに夢中になって読みました。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/40-e10hk66

    0
    投稿日: 2021.12.31
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    久々にゆっくり読書の時間を持てたので、前から読みたかったマーダーボット・ダイアリーを続編も含めて3冊購入〜! 人間苦手の人型警備ユニット「弊機」の一人称。いきなりの救助場面ではじめは戸惑ったけれど、その機械知性らしい仕事ぶりと独特の語りくちが楽しすぎてすぐ好きになった。 この世界や人間はどんなのだろう?と考えながら読むのも楽しかった。ワームホールを利用した移動で人類が宇宙に広がってるらしい。惑星開発や開拓のため、企業グループや保険会社などが力持っていて経済と協定や契約で動いてるかんじ。 第一話に登場する人間たちとの関係が全四話を通してゆるやかに「弊機」の内面や行動に作用していくところが読みどころだった。たまにある笑える表現も効いていてとっても楽しい! 弊機サン、第一話だと可笑しいくらい対人恐怖がひどいけれど、通常の警備ユニットのモノ扱いや、時々あまりにもサラッと語られる過去話しから、第一話以前に何があったか考えると重い。 そういう過去話も長編で読みたいな。どれだけ凄惨でもちゃんと生き延びるとわかっていれば読める! ともかく本編中に弊機の近くにいる人間がいいひとたちでよかったし、弊機のこれから先もまだまだ読みたい。そしてARTは大柄で面倒見の良いオネェさんとしか思えない!大好き! 弊機は過去の事件についての手掛かりを求めて動き、それなりに納得してたみたいだけど、私は納得していないよ!もっとウラがあるって。

    1
    投稿日: 2021.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宇宙SF。「システムの危殆」「人工的なあり方」」収録。過去になんらかの事情で暴走し、記憶を消されている対人恐怖症ぎみの人型警備ユニット”弊機“。秘密裡に自らをハックし、ケチな保険会社たる“弊社”の制御下から自由になっている。人やものを守る仕事は好きなようで、心の支えは娯楽メディアと連続ドラマ視聴。後半は人生模索の旅に出て、途中有能な調査船と知り合う。この二者の関係がまたなんともいえず良かった。

    0
    投稿日: 2021.10.08
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    初めてのSF小説。しかも海外もの。今まで食わず嫌いで敬遠していたジャンルだったが宇垣美里がYouTubeで紹介していたこと、日本翻訳大賞など賞をいくつか受賞していたことから思いきって購入。 なるほど、これは面白い。SF独特の用語に終始苦労しつつも楽しみながら読破出来た。やっぱり慣れないジャンルなので時間かかっちゃった。 とにかく弊機がかわいい。 アクションシーンも迫力あるし、苦手な人間と距離が縮まる過程が好き。ARTとの会話にほのぼの。弊機が苦手な人間の為に一生懸命になる姿が愛おしい、、 なんか上手く感想書けない。面白いのに。 とにかく読んでない人は読んだ方がいいです!

    4
    投稿日: 2021.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    企業所属のマーダーボット(警備ロボット)が、人が住んでいない惑星での調査で危機に合ったクライアントを救出し、その企業からの恩を受けずに結局逃げ出すというところまでが上巻です。マーダーボットくんの一人称「弊機は~。弊機は~。」で話が進みます。英語(前半のAll Systems Red)→日本語の順で読みました。英語で「淡々としすぎでは?私の読みが間違ってる?」と思っていたら翻訳も「弊機は~。弊機は~。」の繰り返しで、受けた印象は間違ってなかった。

    1
    投稿日: 2021.09.23
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    翻訳大賞関連の情報から興味を持って。 さすがに読みやすく、入りやすい。 『弊機』という訳、ほんと絶妙だと思う。

    1
    投稿日: 2021.07.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    弊機の翻訳が素敵。そこまでちゃんとしたSF小説を読んだことがなかったけど弊機の猫的な可愛さにサクサクと読めてしまう。 前半で自由の身になった元大量殺人ボットの弊機が何故自分が誤作動を起こし大量殺人を起こしてしまったのか旅に出るも持ち前の人の良さでちょっとした面倒事にも対応してしまうの後半という構成。始終人間嫌いを自称するも嫌いになりきれてない弊機が可愛い。機械だけど機械じゃない、でも人間とも違う、微妙な表現がとても新しいと思う。

    0
    投稿日: 2021.06.18
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     先月行われた第七回日本翻訳大賞発表後、SNSでは「弊機ー!」の歓声が上がった。 これは過去、暴走により大量破壊を起こした警備ユニット、「弊機」によるアクションサスペンス(?)SF小説だ。ボット(「弊機」)は干渉されるのが嫌いな人間嫌いながらも顧客を守り、勧善懲悪を遂行する。 本作の続編が年内刊行予定。次の「弊機」の活躍が楽しみだ。

    0
    投稿日: 2021.06.09
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    記録は削除されていますが古巣で殺戮を行った可能性のある警備ユニット“弊機”を主人公に物語が進む、様々な人間模様と状況の変化が絡むハードSF小説の上巻です。 行動を制限する“統制モジュール”をハッキングし自らを奴隷状態から解放した自称マーダーボットの弊機は、人間が作り出す娯楽作品を楽しむ自由を謳歌しながらも慎重な立ち居振る舞いに余念がありません。 平凡な警備ユニットとして顧客と契約し、自分が自由意思を持つロボットであることを隠し続ける生活を続けています。 しかしこの弊機、人間以上に人間らしい考え方と感情を持っておりそれが非常に可愛らしく面白いのです。 娯楽作品をフィード(この世界のインターネットのようなもの)で観すぎたのでしょうね。 それに加えて多くの人間や人工知能との交流により、弊機の内面が人間らしく成長していく過程が描かれています。 性別が無いので彼とも彼女とも代名詞で呼べないのですが、“弊機”の今後が気になる終わり方でした。 下巻にも期待します。

    18
    投稿日: 2021.05.13
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    暴走した警備ロボットが主人公。こいつがまた自分を弊機と自称しており屈折している。統制ユニットをハッキングしているため自我があり娯楽ドラマを好んで観ている。 SFとして描かれるロボットにしてはハードボイルドでもなく熱血でもなくニヒルでも無い。極めて冷静でクールな判断を下すがトラブルには巻き込まれる。 中編2篇が連作で掲載されている。どちらも面白い。

    1
    投稿日: 2021.04.18
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    「弊機」がかわいい…! SFは苦手なはずだったのに、続きが気になってスイスイ読んでしまった。緊迫のシーンが、目の前に情景が浮かぶようで楽しかった。映画化してほしいな〜。 登場人物が多くて、付箋に名前と特徴書いて壁に貼りながら読みました。

    1
    投稿日: 2021.04.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【収録作品】システムの危殆/人工的なあり方   「弊機」やいくつかのロボットが思ったよりも人間的・感情的で意外。二話目はバディものに近く、助け手の存在が都合よすぎる気がするが、面白いのはまちがいない。

    0
    投稿日: 2021.04.08
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    人間を殺す役割の機械「弊機」 制御するシステムをハッキングし、自由行動が可能な状態。 人間を殺す機械なのに人間が大の苦手 なるべくはひっそりと 調査船の警備担当として暮らし、映像メディア(テレビドラマ)を大量に見て心を落ち着かせたりしながら生活をしている。 長編の上下巻かと思いきや、中編2つずつと言う構成で、話ごとに変わるサブキャラも今の所良い感じです。 感想は下巻で

    8
    投稿日: 2021.03.31
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    最新のSFなのに 何だか懐かしいテイスト。 ちょっとクセのある一人称なので 慣れるまで助走が必要だったけども 全体としては読みやすくて おもしろかった! なんといっても主役の"弊機"が愛しい…。 全4話からなる連作短編集ですが その時々に知り合った人間たちとの 関係の築き方が独特。 なぜならお手本がダウンロードした 映像メディアの連ドラだから(笑) そもそも人間と関わり持つのもめんどう …とか言って、少しずつ変化するし。 しかし、女子率の高いSFだ。 どうやら弊機も女性タイプみたいだし 弊機の変化のきっかけを作った メンサー博士もカッコよかった!

    3
    投稿日: 2020.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    保険会社所有の人型警備ユニット“弊機”は、統制モジュールの指示に従って顧客を守るためだけに作られた、有機体と機械を合成した機体。 かつて暴走して大量殺人を犯したとされているが、その時の記憶は消され、引き続き使用されている。 しかし実は、殺人を犯して以来自らを“殺人ボット”と呼んでいる“弊機”は、自らを縛る統制モジュールをハッキングしてプログラムから自由になっており、その秘密が露見しないようにふるまいながら、“弊社”の契約した業務を続けているのだ。 今回の業務は、ある惑星に派遣された資源調査隊の一行を守ることなのだが… 魚雷屋の読書録さんの本棚で、表紙イラストに目を惹かれて見てみれば、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三冠ですと?どひゃあ! そして、もうそりゃ三冠も納得のSFっぷり。 マーサ・ウェルズ、初読。 人間が苦手で気まずい思いをしつつ、危険に身をさらしてまで顧客を守ろうとし、非論理的な自分に混乱しては娯楽メディアの連続ドラマを見て心を落ち着かせるという、何ともアンバランスでどこまでもクールな“弊機“。 そして、ふたつ目の物語で出会った超高性能な処理能力を備えた調査船・ART(不愉快千万な調査船)とのコンビも最高。 ARTとのやりとりは、大昔に読んだ『歌う船』シリーズを思わせ、もしかしてこのままふたり(?)して旅に出るのかと思ったけど、そうではなかった。 “弊機”の次の旅は、何処を目指すのか。 下巻も楽しみ!

    3
    投稿日: 2020.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく…面白くて、今年の本ベストに入るんですけど、(語彙が足りなくて讃えられない)と悔しがっています… 表紙の警護ボットが主人公で、一人称「弊機」のオムニバスです。この警護ボットはシステムが暴走して50何人殺してしまった黒歴史があり、なのでシステムをハッキングして命令を無視できる自由の身になったんですが、何をしているかといえば、仕事の傍ら連続ドラマを延々と見ています。完全なロボットではなくてクローンを用いた有機体である(強化人間は別に出てくる)ので、感情も自由意志もあるんですけど、それで何をするかというとドラマに嵌り倒している。対人関係がめんどくさくて、すぐにドラマに逃げ込もうとする…コミュ症というか…すごいかわいいところがある…外面は無表情を貫こうとしているのに、地の文では「ぜったいにいや」とかいう おまえ おまえ どの口が かわいいね、わたしは さくらんした

    0
    投稿日: 2020.10.29
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    小気味良く、設定も面白いSF。寝ずに読むまではいかずとも、翻訳も読みやすいおかげで結構なスピードで読了してしまいました。 当然、下巻も読む予定です。 いつかもわからない相当な未来で、主人公は「人型警備ユニット」の"弊機"(しょーもない指摘ですが、この翻訳は"兵器"とかけているんでしょうか…)が星々を股にかけた活躍?をするというもの。 軽めの謎を交えたストーリーと漂うユーモア感は、どことなくアニメ「カウボーイビバップ」を思い起こしました。(主人公の設定等、全然違うのですが) 上下巻になってはいますが、上巻は大きく2編に分かれていて、割ととっつきやすい感じです。 「ダイアリー」と題するだけに、呟き手の”弊機”のキャラと語り口が面白いというのが第一ですが、この点は文句なし。 機械にしては、連続ドラマに耽溺するなど人間臭く、そのくせ対人恐怖症というギャップ。文中に「運用信頼性」なんて表現がちょくちょく出るのですが、ちょっとしたコミュニケーションのストレスで何%か低下するあたりはお約束ギャグの香りすらします。 そして舞台設定。本著内では詳しく解説されずチラ見せレベルで触れられていくのですが、これも面白い。 政治形態はもはや企業が中心のよう。人間、強化人間、ボットがそれぞれ存在し、共存しつつも独特の距離感を保っている。危険な惑星開発には保険会社が保険を提供し、それには人型警備ユニットが監視役を兼ねてついてくる…等。 ベースには、水面下の氷山のように膨大な設定が眠っているのかなと思わせる見せ方は非常に上手く、これも本著の魅力です。 延々と続けられそうな舞台設定なのですが、下巻で終わっちゃうんでしょうか。とりあえずは下巻も楽しみです。

    8
    投稿日: 2020.09.09
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    いやに人間くさいけど、機械以上人間未満な自律的な人型機械である主人公が面白い。人間不信気味なのに徹底して顧客である人を守ろうとし、それでいて隙あらば逃避気味にドラマに耽溺する。ちょっと見たことない主人公象です。

    1
    投稿日: 2020.04.29
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    〈弊機〉って読めますか?意味はわかりますか? これは、本書の主人公が自身を呼ぶときの一人称です。僕でも俺でも私でもない「弊機(へいき)」。 クローンの皮膚という有機的部分と、機械という非有機的部分の複合体=〈構成機体〉である主人公「弊機」は、保険会社の所有する人型警備ユニットで、会社の顧客の警備を業務としています。 会社が部品代をケチったことによる不具合とも言われていますが、「弊機」には大量の顧客を殺してしまったという過去があるようで、会社からその時の記憶を消去されています。 記憶消去後に起動する際に、再び殺人ロボットになってしまうのではという自身への恐れと会社への不信から、体内の「統制モジュール(人間に従うよう行動を制御する部分)」を自分自身でハッキングすることで、思考と行動の自由を手に入れ、会社や周囲にはそれをひた隠しに隠して、変わらず仕事を続けています。 「弊機」という一人称から想像がつくかもですが、この「弊機」、生真面目で気難しく、周囲(特に人間)とのつき合いが苦手で、孤独な場所に閉じこもってネットワークからダウンロードする連続ドラマを延々と観ているのが大好きという、なかなかに拗れたキャラです。 そういった可笑しみの反面、「弊機」が遭遇する事件は、なかなかタフで危険で血生臭いときもあります。 SFでありながら、個人的な感想としてはハードボイルドが色濃く出ているように思います。 保険会社の警備ユニットということで、「保険の調査員=オプ=私立探偵」を掛けてるのかなっと思ってしまうほど。 現在に起こる事件や、自らが犯したとされる顧客の大量殺人事件の真相を探るシリアスな部分、拗らせキャラのコミカルな部分、人間が苦手と言いつつも、人間を守るという自らの役割には頑ななまでに忠実で、危険をものともしない姿にホロっとさせられる部分など、誰もがどこかに惹かれるポイントがある、そんな魅力的な小説です。 形式は長編ではなく、ノヴェラ(中長編)が各巻二編ずつ納められた連作集。 特に上巻収録の第一話はヒューゴー、ネビュラ、ローカスの各賞を同時受賞するというトリプル・クラウン、第二話は、第一話に続き2年連続でのヒューゴー、ネビュラ賞のダブル・クラウン受賞など、実績もお墨付きのスグレものです。 作者のマーサ自身が、つい先日Twitterで、「日本語版の写真をゲットしたけど、むっちゃクール!」←(意訳ですw)と呟いた安倍吉俊さんのカバー絵も素敵です。 続編の翻訳を首長くして楽しみにしてます!

    1
    投稿日: 2020.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは愛おしい。 わたし的オールタイムでベスト10入りかも。 ずっと"弊機"を見守っていたい。。 早く読み終えたくないので、下巻はちょっと時間を置いて読みます。(なんて珍しい気持ち!)

    3
    投稿日: 2020.01.20
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    #日本SF読者クラブ 東京創元社の近刊案内で、本作を知った。これは面白そうとSF者の嗅覚に反応。やはり面白かった。自分のこと(一人称)を、「弊機」と訳したのは妙訳だ。連作ものだが、ミステリーの要素もある。下巻を読み始めたところ。

    3
    投稿日: 2020.01.04