
総合評価
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powered by ブクログ奥沢家三姉妹を中心に物語が展開される。 長女綾香。図書館司書をしており結婚への焦りがある。 次女羽依。職場で恋愛絡みのトラブルを抱えつつ。 キャラ強しw 三女凛。大学院生で京都を出て新天地を夢見ている。 祇園祭や五山の送り火、冬の嵐山など四季風景を感じつつ、家族の絆と三姉妹の成長が描かれている。 『手のひらの京』そういう事ね、と(笑)
0投稿日: 2025.11.20
powered by ブクログ京都で生まれ育った似てない三姉妹のお話。 長女・綾香の恋愛模様が可愛いし、次女・羽依は自分を持ってる強い女でかっこいいし、三女・凜の選ぶ道がとても気になったし、京都の四季の移り変わりを感じてじーんときた素敵なお話でした。 自分も京都で生まれ育ったので、わかるわ〜ってなる箇所が多くて楽しかった。綿矢先生の京都の表現が的確で面白いし文学的。
0投稿日: 2025.11.20
powered by ブクログ京都を舞台にした三姉妹のお話。 京都に住む方にとっての京都ってこういう感じなのかな、というのが伝わる。 三姉妹で個性が違うのはわかるんだけど、どの話もちょっと中途半端というかな。次女羽依の恋愛話が佳境にいくときはスピード感があっておもしろかった。 ただ三姉妹それぞれの話はよくあるストーリーという感じだった。最後のお父さんの話をもう少し膨らまして欲しかったかも。
9投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログ女三姉妹。本当にバラバラな性格の3人。姉妹の理想型ともいえる、くっつきすぎず、でも何かあれば絶対に助けてくれる力強いつながり。 一番きょうかんできたのは、母の主婦定年宣言!退職金も欲しいくらい。
0投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ3姉妹の物語というとすぐに手にとってしまう。だいたいが性格が全く違ってそれぞれの生き方に自分はどのタイプかと重ねたりする。今回のお話では3女タイプかな〜など自己分析。京都という特別な土地柄もありその情景が目に浮かび楽しめた。3姉妹のその後も知りたくもなるけれどこういう話はこんな感じで終わるのかな。
0投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログ作者の文章の巧さに驚いた。京都を描く筆が実に見事である。解説に綿矢版『細雪』とあるが、たしかにそれも納得できる。特に四季の風景描写においては京都に住んだことのある人なら、実感をもってイメージできるだろう。京都が舞台だからこそ紡げる物語がある。
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ京都の街で暮らす三姉妹の1年間の物語 京都府に住んでいて京都市内の大学に通っていたので知っている地名やイベントがたくさん出て来て嬉しかった! そして、訪れるのと暮らすのは全然違うなあと。 祇園祭も大文字焼きも私にとっては気合を入れて出かけるイベントだけど、本当の京都の人たちはそれが生活に馴染んでいて毎年のスケジュールに当然のように入っているんだなあ 三姉妹の末っ子の凛はとりわけ京都や街が好きでその想いに感化されて、私も自分の街の好きなところを思い浮かべて、そしてもっと好きになるような感覚があった 負けん気の強い次女の羽衣のパートもハラハラしつつ面白かった! 京女達のの陰湿で卑しい物言い(作中では伝統芸能と言われていた笑)や、それに対して黙って背中で耐えるという暗黙のルールには京都人恐ろし〜と思いつつ、果敢にやり返す羽衣は見てて爽快だった!笑
27投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ京都で暮らす三姉妹の物語。それぞれに問題や悩みを抱えていて、どう展開していくのか気になりつつ、京都の美しさが際立ってすごく良かった。『細雪』が読みたくなりました。
3投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ初めて綿矢さんの本を読みました。 生まれも育ちも京都市内の三姉妹の物語。 京都の町の描写、話し言葉など、楽しめました。私はひとりっこなので、三姉妹は楽しそうだなぁと思いました。 また、「いけず」を京都の伝統芸能と表現されているのは最高に面白いです。
1投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログ申し訳ない。細雪の足元にも及ばぬといった感じ。やはり文章の風格が全然違うのは何故だろう。綿矢さんも好きだし、京都の真髄をよく現してるし、かの細雪モチーフと言う勇気はかいます。
0投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログ京都を舞台にそれぞれの人生を生きる三姉妹が中心の物語。 就職や結婚で上京した経験のある人。 京都に生まれ育った人。 恋愛や結婚について思い悩む人。 人生のハイライトに心当たりがある人は思うところがあるだろう。 川端康成「古都」に通ずる愛おしさ。
2投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
綿矢りささんの情景描写、ただの描写だけじゃなくて五感に訴えるような文章なのですごく好き。修学旅行でしか行っていないはずの京都の風景や雰囲気が浮かんできて楽しかった!3姉妹ともに違うキャラクターながらみんなかわいくて、こんなお姉ちゃんたちがいたら楽しいだろうな〜とか。現実の冷ややかさや人間関係のじめっとした部分もちょいちょい覗くから、そのたびにうわあと思いつつも楽しめた。唯一、梅川くんの「つかれた」だけはつらかったな。胸がヒュッとなった。陰陽併せ持つ現実の日々、3人とも幸せになってほしいなあ。
1投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
爽やかな読後感。 お父さんの体調がちょっと心配だけど、きっとこの家族なら大丈夫。と思える。 生活者としての視点で京都の街や観光地が描かれているところが好き。
2投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
愛着のもてるチャーミングな三姉妹。綿矢りさから見る京都の風景やあるあるがとても良かった。 ラストの寂寥感あるけど、どこか前向きな感じも良い。
1投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログとても好き。 綿矢りささん、こう言う作品も書くんだね。 三姉妹それぞれ個性的でみんな良い。愛らしくてかわいい。
7投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログ1 自分と同じ三姉妹、今住んでる京都の本やったから迷わず買ってしまった。鴨川でふわふわ読んでたら始まりから鴨川にいる同じ三女の描写ではじまってぞわっとした。境遇もすごい似てて面白かった。3人それぞれが姉妹と言えども違う価値観とか強み持ってて、それを認めあったり補い合ったりできる3人の良さを本でも感じられた。三姉妹っていいなあしあわせだーい!お父さんのガンが治りますように。 凜も東京でがんばってね
1投稿日: 2024.10.01
powered by ブクログ綿矢りささんといえば毒っ気の強い本を書かれる印象だったので、穏やかな日常を切り取った内容に驚いたが読み進めやすい一冊だった。京都で暮らすようになって時間も経ったので情景も思い浮かびやすく、こんな風に作家さんなら目を止めて表現できるんやなというのも感嘆した。自分が凛と同じような生き方をしてるので、彼女が恋愛する訳でもなく、京都に結局残る訳でもなく、信じる道を行く終わり方なのも個人的には嬉しかった。
1投稿日: 2024.09.15
powered by ブクログ作者が京都出身とは知らなかった。 京都といっても京都市内とその他の府下エリアではまったく文化が違うので、その他府下エリアに住む身としては京女三姉妹(と、両親である根っからの京都人の夫婦)の京都の自己分析を面白く読んだ。 京都を舞台に、京都人気質を常に醸し出しながら繰り広げられる三姉妹の日常は、ほんの少しの起伏があるだけで、大きな事件が起きるわけでもない。ただ、それがなぜか読み手の関心をひどく惹きつける。
1投稿日: 2024.08.31
powered by ブクログ温かすぎず温かい話でよかった 京都の切り取り方とか、姉妹の関係性とか。 京都の人が読んだらめっちゃいいだろうな〜自分の地元バージョンで読みたい
2投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ京都に住む三姉妹のお話し。 現代版の細雪みたいだなーと思って読んでいたら、解説にもそのように書かれていました。
12投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログ綿矢りさのダークサイド感が好きな私としては、4姉妹ともダークサイドが不足し、ものたりぬ。いい娘じゃん。いそうじゃん。筆者にしては珍しい(と私は思う)平和的なストーリー。でも何だろう、京都という地域性を抜きにしても、何の変哲もない良い娘たちの、それぞれの思いが、恋が、家族愛が、読者に「そーなるよね」と言わせる。普通の生活のなかにある平和でない、平和なストーリー。
2投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ京都生まれ育ちの奥沢家の三姉妹 長女の綾香は図書館勤めでおっとりした性格 結婚に焦っている 次女の羽依は負けず嫌いで勝ち気な会社員 三女の凛は大学院に通う 実は京都から離れたいと思っている 京都の四季と三姉妹の心模様を描く 羽依が元彼の前原のお葬式の想像に笑えた (焼香の葉を深蒸し緑茶の茶葉にすり替えて 香ばしい匂いを漂わす など) 私自身は綾香タイプなので 羽依は面白く少し憧れる 久しぶりに京都に行きたい
12投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログタイトルに惹かれて買いました。文章は上手いし京都の描写も京都出身の作者ならでは。でも内容自体は私には若い人向けすぎた。20〜30代の女子の方は楽しめるのではないでしょうか。
2投稿日: 2024.04.19
powered by ブクログ京都の三姉妹の物語。 家族の数だけある家族の形。 その家の当たり前や価値観は他の人にとっての当たり前じゃないよね。 二人姉妹で育った実家の頃を思い出したり、親の立場になった今の家族を思いました。 京都の雰囲気や描写が素敵で、よかったです。
4投稿日: 2024.03.17
powered by ブクログ今まで読んだ綿矢りさ作品の中でいちばんのお気に入りになった。京都という土地の四季の描写と共に感情の移ろいが描かれているからか、綿矢作品の中では比較的穏やかな作品だなとも感じた。波のように荒ぶる感情の「お腹いっぱい!」感がないので個人的にはとても好みだし、もう一度繰り返して読みたいとも思った。 綿矢りさ作品に時折出てくる「毒」のあまりの生々しさに、私は読むたびに時に胃もたれを起こしそうになったり時に大笑いしたりしている。いずれにせよこの「毒」は良いも悪いも作品の中の特に印象に残るシーンとして記憶に残されている。今回この作品を読んで、なるほどこの毒は京都という土地が生み出したものなのだな、と思わされた。作中にもあるように、京都は日本を代表する華やかな観光地であるが、さまざまな死や人間ドラマが蠢いてきた一千年の歴史の舞台でもある。そんな歴史のある京都という土地で生まれ考えてきたことが、人間を面白おかしく、シニカルに、そして的確に描写する綿矢作品の魅力に繋がってるのだろうか、とも思わされた。 作中に、 「京都の伝統芸能『いけず』は先人のたゆまぬ努力、また若い後継者の日々の鍛錬が功を奏し、途絶えることなく現代に受け継がれている」という一文が出てきたのだが、私はこれを見て思わず笑ってしまった。人間模様をこんなに描写できる綿矢りさも「いけず」な人だと私は思う。ただ、それは作中に出てくるような人を傷つけるようなものではない。「いけず」のスキルポイントを文章表現力に振り切って出来上がったのが綿矢りさなんだろうな、などと考えた。 「約束の日が近づいてくると憂鬱さは増し、前原への怒りも増した。いつかあいつの葬式に部下として行ってやろう、と前原のうちへ行くために乗った電車のなかで羽依は決意した。位牌にオリーブオイルを塗ってテカテカにしてやる。焼香の葉を深蒸し緑茶の茶葉にすり替えて香ばしい匂いを漂わせてやる。棺桶の顔のとこのミニ観音扉には、生前の似顔絵をマジックで雑に描いてやる。棺のなかに花を手向けるときにはキッチンタイマーも一緒に入れて、ちょうど出棺のときに合わせて、ピッピピッて鳴るようにしてやる。」 この文章も非常に印象に残った一節だ。しつこく迫ってくる元彼前原に対して、苛立っている感情を「怒り」という一言で終わらせずに(しかもほぼ感情語がないのに)じわじわと湧き上がる怒りの感情がよく伝わってくる。上手い文章は「形容詞を使わずにどう表現を変えるか」で決まる、と聞いたことがあるが、まさにこれが的確な例だと思う。
4投稿日: 2024.02.26
powered by ブクログ京都を舞台とした、三姉妹の物語というところに惹かれ、迷わず手に取った。なかなかストーリーに入り込めず、読み進めるのに時間がかかってしまったが、後半あたり、お正月をみんなで過ごす場面から、奥沢家の空気感がリアルに想像できるようになり、読み入ってしまった。全くタイプの違う姉妹たちの仲の良さや、家族のやり取りに、自分が生まれ育った実家を重ね合わせて、温かい感覚に包まれた。姉妹で、同じ環境で生まれ育っても、全く違う性格で、人生になっていくのは当たり前のことなのだな、それでいいんだなと、控えめで心地良い幸福感、安心感に包まれて読み終えた。
2投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログ両親の喜ぶ顔を見るために結婚にあせる長女、恋愛に積極的だが彼氏や周囲の女性とうまくいかない次女、心のなかで上京に強い思いを抱く三女。京都を舞台で、性格の異なる三姉妹がそれぞれの抱える悩みに向き合っていく。単なる名所紹介ではなく、京都特有の閉鎖的かつ独特な文化を知ることができた。
1投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ大学時代を過ごした京都の地名があちこちに出てきて懐かしい気持ちになった。京都に漠然とした憧れを抱き続けている自分にぴったりの本だと思って読み始めたが、あの場所で育ってきた人とは"京都"に対する感じ方が違うんだろうな。 3姉妹の会話に癒されたし壁にぶつかってもがくそれぞれの気持ちに共感できた。 早くまた京都行きたい。
1投稿日: 2024.01.23
powered by ブクログ正確には星3.6。 三姉妹それぞれ個性豊かで、どの話も読んでいて面白かった。 次女の羽依の話は、このタイプで京都弁で言い返すタイプは珍しく、笑ってしまった。でもしっかり現実は全部がうまく行かないと言うことも書いてあり、さすが綿矢さんだと思った。 そして三女の凛の話。この展開にしておいて最後がああくるかと思ったけど、まぁ現実か。 故郷を離れてみたい気持ちは分かる。京都に住んでいるわけではないけど、京都の閉塞感はわかる気がした。
5投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ森見作品以外の京都が舞台の小説は久しぶり。やはり故郷が舞台だと鮮明に想像できて読書が捗る。綿矢作品は大昔に読んだ『インストール』以来。勝手なイメージからもっと尖った内容を想像していたが、意外に優しかった。両親の凛の上京反対には閉口したが、三姉妹はもちろんのこと、家族仲が非常に良いのが羨ましい。 次女・羽依の啖呵が気持ち良くスッキリしたが、現実にこれをやると働きにくいどころではないだろう。そもそも「いけず」という言葉の語感は、中身の陰湿さに比べて軽すぎる。そして羽依の受けた仕打ちはいけずでなく社内イジメだ。
2投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ京都育ちの人からみた京都ってこんなところなんだろうか。知らない風習などあって楽しめた。 綿矢さんの作品は、「蹴りたい背中」が良くて、「夢を与える」がそこまででそれ以降読んでなかったのだが、こういう作品の幅もあるのだなと思った。 一人っ子の自分にはあまりに理想すぎる三人姉妹像で、実際はどうなの?って思った。親でもない、他人でもない兄弟ってどういう関係なのだろうか…。
1投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログ面白かった。三者の視点で描かれているため飽きずに最後まで楽しめた。 三姉妹がバラバラの性格だからこそ「この子の視点では、そういう考え方をするのか」と3人から人生を教えてもらった気分。
1投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログ綿矢りさ『手のひらの京』 2019年 新潮文庫 久しぶりの綿矢作品。 京都で生まれ育った三姉妹の物語。 京都出身の著者だからこそ描けるリアルで細やかな京都の街並み、文化、人がそこにはありました。 大阪生まれの僕にとっても京都は観光や仕事で訪れるばかり。住んだことはないので、やっぱりそうなんだと思うところもあって楽しかったです。 さて、それぞれに悩みを抱える三姉妹の日常がゆるやかに紡がれています。仲のいい家族。 京都の四季とともに三姉妹の心を優しく物語っていて、それそれの未来を見つめている姿は元気をもらいます。 三姉妹の温かく愛溢れる未来を望みながらの読了です。 はんなりと、ほっこりと読み進められる作品でした。 #綿矢りさ #手のひらの京 #新潮文庫 #読了
2投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログ3姉妹3者三様の青春。 恋っていいなあ。 若いっていいなあ。 そうそう、若い時ってこん風に色々悩むよね! 京都という歴史やブランドある街に翻弄されながらも、自分の道を自分で見つけて生きていく彼女たちの強さがいい。 その京都独特の幻想の様も描かれていて、綿矢さんも京都出身なんだね。
1投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログ綿谷りささんは『蹴りたい背中』以来だわ。 京都で生まれ育った奥沢家の三姉妹。 長女綾子は31歳のおっとりさん。そのうち結婚して子どもも産みたいと思ってるけど、彼氏もいないし無理なんじゃ?って不安になるけど、焦ってると思われたくなくて行動出来ない。 次女羽衣は勝気でいけず撃退に忙しい。美人で男性にはよくモテるけど、女性には嫌われがち。いけずする先輩に反撃するけど、その後激しい自己嫌悪に陥る。 三女の凛は大学院生。まだ恋愛に興味がないのもあって、恋愛で右往左往する姉達を一歩引いたところから観察してる。
7投稿日: 2023.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
普段の綿矢さんとは少し違ったテイストでおもしろかった。私も京都に住んでいることから、物語の中に出てくる街並みや様子が頭の中に浮かび、よりリアルに感じられた。特に京都はクリスマスはこぢんまりで正月の方が豪勢だというところはその通りだと思った。 大阪や兵庫はクリスマスマーケットやイルミネーションなど、クリスマスに力を入れているが京都はあまり聞かない。なぜなのか考えたこともなかったが、確かに京都はクリスマスツリーよりしめ縄のほうが似合う。
1投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
京都から出たことのない両親の子たち、三姉妹。それぞれの迷いながら将来に進みたいと思いつつ過ごす日常。 三姉妹全員性格が違っていて長女の綾香、次女の羽依、三女の凛、女性ならだれかに似ていて共感しやすい作品かも。 この作品のなにが一番良かったかというと話し言葉!今の京都を含む関西ってこんな感じの喋り方、自然な喋り方が書かれていて本当に良い。ネットでは標準語の私も家では関西弁。 私は大学が京都(田舎でしたが…)、家族の職場が京都なのでわりと身近なんですが、独特な雰囲気の街ですよね。やたら若い人(大学生)が多くて。綿矢さんは京都出身なんですね。ぜひこの三姉妹のその後も書いていただきたいなぁ。
4投稿日: 2023.11.20
powered by ブクログ現代にしても京都にはあちら側を想像させる空気や、閉塞感があるのだなぁ。ストーリーは全くないが、京都に住む人々、という描写は良かった。
1投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログ装丁が可愛く手に取った。(ブクログには、私が手に取ったバージョンの装丁の「手のひらの京」は登録されてないのかな?ボタニカルな感じでとてもかわいいのに。) 綿矢りささんの本のイメージといえば、結構刺々しい表現があって、それが好きだったりするのだけど、本作は柔らかく穏やかな印象。(でも"いけず"は怖いなぁ…) 京都で生まれ育ったタイプの異なる3人姉妹をめぐる物語。 仕事も含めて京都には3度だけ訪れたことがあるけれど、旅先ではなく、日常に神社仏閣や鴨川があるのって、こんな感じなのかな、と思いを馳せた。 社会的な本を読みがちだけど、久々にポリコレに気を遣っているわけでも、強いメッセージ性があるわけでもない文章を読んで、これもいいもんだな、と思った。
5投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログ京都って旅行で数回しか行ったことないから 地名とか文化がちょこちょこ出てきて新鮮だった。 三姉妹も全く違う性格だから、それぞれの物語飽きずに楽しめた。
6投稿日: 2023.11.05
powered by ブクログ京都という場所で三姉妹が懸命に日常を送る。 綾香は、さすが長女という生き方で 真面目に誠実に生き、そして良き人を見つける。 どうして結婚を焦る年齢まで相手が いなかったのか不思議だった。 羽依は会社で起こる、 いやがらせ(京都ではいけずという) をされるけど、真正面からぶつかって 相手とやり合っていく姿を見て 私にはできないその逞しい姿に ものすごく好感をもったし、 やったれー!と思っていた。 うちの次女もそうだけど、 あんなに好戦的なのは次女の特質なんだろうか笑 凜はしっかり者というイメージ。 達観していて、自分も周りも観れている感じ。 東京行っても頑張ってほしいな。 京都はとても良い所だというイメージがあるけど、 両親の京都へのこだわりが強いのは 少し強すぎるなと感じたな。 でも、一度は住んでみたい場所ではある。 三姉妹の日常を京都の風景を合わせて 物語が進んでいく。 読んでいてさわやかな風が吹いてくる感じでした。
1投稿日: 2023.10.25
powered by ブクログ京都に生まれ育った三姉妹。 父の定年後に母も主婦業を定年すると宣言し、三姉妹交代しての晩ごはん作りから始まる物語は、長女が少し結婚に焦りを感じていたり、次女は自他共に認めるモテ女だというくらい常に恋愛している。 三女は大学院生だが、就職先は京都を出て…と考えている。 この三姉妹の性格はバラバラなのに何故か喧嘩もなくお互いに喋らずともわかっている感じなのが、とても心地よかった。 折々に京都の名所とともに四季の彩りを感じ、静謐で厳かな気分に浸れるのもよかった。 住めば都ということばもあるけれど、頑なに京都を出ない両親にもっと魅力を教えて…と言いたくなるほど。 京都は観光というイメージが強くて、移住するという気持ちがおこらないのは、どこかで拒否されるような気がするからだろうか? 偏見かもしれないが…。 なぜか、もっと京都を知りたいと思った。
56投稿日: 2023.10.23
powered by ブクログ京都の四季折々の情景、三姉妹それぞれの個性が描かれ、京都に住んでいる家族を、かいまのぞいたかんじだった。 長女の綾香と宮尾さんとのお付き合いの様子は、とても穏やかでうらやましかった。 次女の羽依は、京都の伝統芸能「いけず」にも元恋人の圧力にも負けない強さが魅力的だった。 三女の凛は、化学的に料理をおいしくできるのがすごくて、唯一京都から離れることを考えられる、自ら視野を広く持とうとするところがいいなと思った。 なんだか小説のなかで京都を味わえた感じがした。最後、お父さんのことが気ががりだけれど。
8投稿日: 2023.10.03
powered by ブクログずっと京都で暮らしてきた人の感覚ってこんな感じなのかな。 凛の「簡単にはここから出られへん」という言葉。転勤族だった私にはない考えで、とても興味深い。 京都は観光で行くのは楽しいけど、「ぶぶ漬け」の印象が強くて若干近寄り難いイメージもありましたが、奥沢家の三姉妹が悩んで自分の道を進んで行くのを見ていると身近な場所のように思えたから不思議。 性格は違えど、姉あるいは妹の気持ちをすっと汲み取って相談相手になってくれる三姉妹が素敵でした。 地元の人が描く京都の暮らしぶりも面白く読めました。
3投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログ京都の3姉妹のお話。3者3様の描き分けが良かったです。セリフが頭の中で(本場とは違うであろう)イントネーションで音となったり、京都の街並みや風景、文化を近く感じられました。 「いけず」を伝統芸能として紹介するくだりはわかりやすく、怖い笑
2投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログー何気ない日常の、不思議と輝く瞬間 〈あらすじ〉 京都で生まれ、ずっと京都の家から出らずに過ごしてきた三姉妹。同じ家にいながらも性格の異なる3人は、京都の四季の中、それぞれ自分の日常を精一杯生きている。 〈感想〉 何か劇的なことがあるわけじゃないけれど、等身大な20代、30代の3人が、なんだかすごく良かったです。 自分の人生だもの。 だけど自分で決めてしまえることって、自分で責任も取らなきゃいけなくて、すごく難しい。 綿谷さんの小説は、どこかいつも寂しさがあって、だけどその寂しさって悪いものじゃなくて、いい時間を過ごせていたから来るものなんだよねぇ、と思ったりしました。
3投稿日: 2023.08.24
powered by ブクログ三姉妹の等身大の姿が描かれていて、同年代として共感しながら読み進めていった。途中に京都ならではの文化が度々登場しており、あまり京都の文化に詳しくない私でも、京都の柔らかくどっしりとした雰囲気を感じられた。
3投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログ奥沢家での出来事を通じて、京都人目線の京都の四季を感じることができる作品。都をどり、川床、祇園祭、大文字焼き、托鉢の日、クリスマス、お正月など。 お母さんが定年を迎えご飯を作らず楽しんでいる様子、ウイちゃんが元彼にガツンという様子、伝統芸能の”いけず”のくだりがおもしろかった。 実家が関西なので、京都には何度も行っていますが住んでみないと分からないこともあるので、数年京都に住んで体験してみたいなと思いました。
1投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ自分自身姉妹で育ったので、とても共感! そして結婚や仕事、将来の不安や、やりたい事…何もかも捨てて大好きな地元を飛び出してみたかったあの頃。20代〜30代前半に感じていた揺れ動く気持ちを思い出した。
1投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログ昔、綿矢りさ作品については初期のものを数冊読んだことがあるが、久しぶりに読んでみて文章の書き方が変わってしまってるようで驚いた。作品上、わざとなのかもしれないが柔らかくなっている。角が取れて丸くなったような。 これはこれで良いとは思うが、私の知っている綿矢りさではなかった。
1投稿日: 2023.07.02
powered by ブクログずっと読みたかった本だったが、先に鷲田清一さんの『京都の平熱』を読んでいて良かったと思い、おそらく、読む順番が逆であったら、ここまで心動かされるものは無かったのかもしれない。 というのも、この小説は、京都生まれの「綿矢りさ」さんだからこそ書くことの出来た、内から見た京都に暮らす人々の思いが、そこかしこに詰まっていて、更には、京都ならではの興味深い事柄も面白く書かれており、物語を楽しみながら、京都の知られざる一面も知ることが出来る、京都に焦点を絞った、家族の素晴らしさを教えてくれる、エンタテイメント作品だと思います。 その京都ならではの事柄を、いくつか書くと・・ 『京都は商売が上手くなった。(略) 和の伝統と今っぽさを織り交ぜた京の雑貨が増えた』 『昔ながらの町家をカフェやレストランにしたお店も好きで、むき出しの梁を見ながらトマトパスタを食べたりしていると、地元の人間には無かった発想だ、京都を住む場所としてではなく、もっと夢のある歴史深い場所として捉えられる人の視点だと思ったりする』 『改めて私にとっては海といえば琵琶湖なんやな』 『自分の故郷に帰ってきたからほっとしてる、だけが理由やない、京都の風に身体を洗われる感覚があるな』 『京都人なら、どや、やなくて、どうや、やろ』 『地縛霊っていう言葉があるけど、京都にひっついてるのは“地縛”の方や』 他にもあげるときりが無いが、京都ならではのクリスマスやお正月に、美しいが夜は恐ろしく感じる鴨川、そして水墨画の世界そのものの、うっすらと雪の積もった夜の渡月橋の上と、その一つ一つの綿矢さんの描写には、京都に対する特別な思いを、細やかに滲ませた印象があり、こうした説得力があるからこそ、物語にもより彩りを与えるのでしょう。 そんな物語は、京都生まれ同士が結婚した、京都から出たことの無い奥沢家の両親と、それぞれに個性的な三姉妹の一年間のお話であり、三姉妹にスポットを当てつつも、最初は父の定年のタイミングで、「私も主婦として定年を迎えます」と宣言し、二度と食事を作らなくなった母も、なんだかんだ言って、子どもたちを気にかける矛盾さや、三姉妹の長女「綾香」はつぶらな瞳、次女「羽依」はうすい唇、三女「凜」はふっくらした頬と、定年後に穏やかに暮らせるようになってから変化した、母の顔かたちに、三姉妹のそれと似ている部分が現れた事に、確かに繫がっている絆のようなものを感じられた、親子の物語でもあります。 あっ、もちろん、父の「蛍」も女ばかりの家族に、確かな存在感を持ってます(半径徒歩一時間以内にある神社すべてに初詣に行くのが趣味なのも、京都人ならではなのだろうか)。 ここからは、三姉妹について、順番に書いていきますが、まずは図書館職員である長女の綾香で、おっとりとした京美人の雰囲気とは別に、子どもを作らなきゃ、でもその前に結婚しなきゃ、といった焦りを感じるようになり、それは、父と母のメールの浴衣姿のツーショット画像に苦笑いするくらいの末期状態だと自覚するほどであったが、とあるきっかけで出会った男性との、瑞々しさがありながらも、胸の内では、あれこれ必要以上の心配を抱いてしまう、けれど、少しずつ冷静な視点でも見られるようになってと、そんな恋なのかどうか分からないところから、少しずつ変化していく思いの過程を、とても繊細に面白く描いており、特に印象的だった台詞は、「なんや、恋愛小説とはえらい違うなぁ」。 続いて、初社会人で背伸びをしたがるあまりに、計算高い行動をする、次女の羽依で、他のレビュアーさんも書かれている「いけず」は、確かに印象的で、こと悪目立ちを避ける京都の文化のなかで、何一つ周りに遠慮することなく自分のアピールポイントを自慢する羽依は独特で、スカッとするものもありましたが、私が最も印象的だったのは、その後に待っていた、京都の知られざる恐ろしさに比べて、人間のなんと愚かでみみっちい、器の小さきことよと思わせる出来事であり、これをきっかけとして、「いままでどうして人間の本質を見ようともせず、些細な点ばかり見て相手に評価を下していたのだろう」と、自己嫌悪に陥る羽依だが、これはちょっと違うと私は思い、確かに最初はその台詞通りだったのかもしれないけれど、その結果、変わることの出来た羽依と、変わることの出来なかった者との差はあまりに歴然としているのに、そう思えない羽依は、ある意味、自分に対してとても厳しい人なのだろうなと思い、それを経た後のクリスマスのとあるシーンは、ちょっと辛く切ないものがあったが、それでも羽依ならば大丈夫だと思える、したたかさも感じられ、特に印象的だった台詞は、「批判は誰にでもできる、実行に移すのが一番難しい、って年いっても気づいてへん男は出世しいひんね」。 そして、最後は三女の凜で、私が最も心動かされたのは、彼女の思いでした。 『いつか京都を発つかもと予感があってからは、この町のどの景色も目に染みる』 『写真に撮れない故郷の優しい色合いを瞳の奥に、しっかり閉じ込めておきたい』 大学院に通う凜は、本書に於いて、何度も京都から離れたい思いを吐露しているが、それは京都が嫌いだからではなく、好きの裏返しというと語弊がある気もする、京都人ならではの繊細な一面を垣間見られることが、外からしか京都を見られない私からしたら、何とも悩ましくもどかしいが、本人はあくまで必死であり、その切実な思いは、 『谷の底で長い年月を経ても未だ風化されず微かに残っている、涙の気配がいまもなお、まるで誰かが泣いているみたいに生々しく部屋全体に広がってゆく』 『なにかを得るためじゃなく、なにかを失うために。つけた先から足跡が消えてもいい。私の香りはどこにも残らなくていい、存在を消したい。死ぬのとは違う形で、息を吹きかけられたろうそくみたいに消えたい』 に表れており、これらを読むだけだと、何をそんな大袈裟なと思われるかもしれないが、ここに、生まれてからずっと京都という地で暮らしてきた、凜にとってはこう感じられたという、京都の持つ、数え切れない程ある中の一つの顔を見たような気にさせられて、あくまで理解し合えるのは京都人だけと感じさせる、そんな京都ならではの特別感があるように思われました。 しかし、だからといって、凜のその京都への思いは、鬱屈としたものだけではなく、それは、広島から凜と同じ大学院に進学した、京都を好いてくれる友達の「未来(みき)」の、外から見た京都を知ったことで、改めて京都の素晴らしさを実感した、その晴れやかな気持ちも印象深い。 『一つ通りが変わるだけでがらりと変わる町の雰囲気、きっと他の都道府県にはない複雑な京の歴史が絡んだ、なんともいえない閉塞感。京都であり故郷であるこの地に長年いると、決して嫌いではなく好きなのに、もやもやした感情が澱のようにたまってきて、もがくときがある。そんなとき未来の瞳から見た“美しい京都”に触れるとほっとする』 そんな複雑な思いを抱いていた凜は、自らの努力もあって、ついに東京のとある大手企業へ就職出来る機会を得て、両親に相談するが、そこでの思いもよらぬ全面拒否の反応に、凜は愕然とさせられるとともに、その理由を勘違いされたことに、凜の感情は爆発する。 『私がつらいのは、京都が嫌いになったから出て行きたいって言ってると思われることやねん』 不覚にも、この台詞で涙が出てきた私の率直な気持ちとして、おそらく、ずっと京都から出たことのない両親からすれば、出て行く理由がそれしか思い付かなかったのかもしれないが、凜が上記の言葉に抱いた思いというのは、友達の未来のように、改めて外から自分の故郷を眺めたい気持ちもあったのだろうし、好きだけれど、好きだからこそ、感覚的にずっと付き纏っていた、その言葉に出来ないモヤモヤを解消したい思いは、絶対に譲れないと言っているわけであって、凜にとっては、それでも自分の中で最も特別で好きなものである、故郷を否定されたことに、まるで自分自身を否定されたような、そんな絶望感を抱いたからこそ、あれだけの怒りを表明したのだと感じ、その絶望感が我が事のように身体中を駆け巡ったやるせなさに、涙が出たのだと思う。 タイトルの『手のひらの京(みやこ)』は、凜が紅葉の山を見て感じた、『まるで川に浮いていたのを手のひらでそっと掬いあげたかのような、低い土地に囲まれた私の京(みやこ)』にあると思うが、それはあくまでも、内から見た視点の一つであって、きっと外から眺めれば、その京は違った様相を呈するような気もするし、見方を変えれば、それは、いつまでも誰にも見せずにそっと包んでおきたいと思えるような、かけがえのない素敵な京なのかもしれない。が、それは結局、凜のように、自ら動いてみて実感するしかないのかもしれない。そんな勇気を読み手側にも奮い起こさせる、凜にとって、初めての一歩に至るまでの複雑で繊細な葛藤には、京都ならではの複雑で多様な魅力が潜まれているからこそ、より切なく、京都への思いを新たに呼び起こさせる魅力もあるのだろうと感じました。 また、その後の展開での、両親の気持ちを推し量った描写や、その胸の内を知ることで感じさせられたことにより、場面こそ違うが、『親と子の関係は年齢とは違う軸で成り立っているのだろう』の一文も印象的で、それは物語の終盤での、奥沢家の家族のあり方からも実感させられた、凜が傷ついたということは、両親も傷ついたことでもあるといった、家族とは、縦ではなく横の繋がりであることに、改めて「親と子の関係とは何か?」ということも考えさせられて、そこには、三姉妹も両親も対等に描ききった、綿矢さんの、京都の家族の物語へのこだわりを感じさせられ、それはきっと、表紙の「今日マチ子」さんの絵のように、時には怖さを感じさせる時もあるけれど、こうして穏やかで、思わずゆったりと座って眺めたくなる、他には無い、京都ならではの屈託のない、取って置きの美しい景色のようなものなんだろうなと思うと、何だか見ていて愛おしくなってきます。
51投稿日: 2023.06.23
powered by ブクログ綿矢りささんってこんな特定の土地にフォーカスした本も書いてるんだ〜と新鮮な気持ちで読む 京都で学生時代を過ごした人は身の回りにいても、京都で生まれ育った人は知り合いにもいないので、こんなふうに思ってるんだと興味深かった。 三姉妹それぞれ性格は異なるけどみな好感が持てる。 そんな彼女たちの日常に、京都のよく聞いた地名が織り込まれている。 長女が結婚妊娠に焦る様子は、妊娠に焦る今のわたしと重なるところがあったなあ。 友人の結婚報告に、焦りのうさぎが片耳をぴょこんともたげ、今となっては巨大なうさぎとなって彼女を押し潰しかねない様子はとてもリアルだった。 綿矢りささんのこういった心情描写って、独自の表現でピタッと言い当てていて面白い。 わたしのうさぎはいま心臓くらいの大きさ。
1投稿日: 2023.05.31
powered by ブクログ京都には15の時に修学旅行でしか行ったことがないので守り・囲われている京都の本質をわたしは知らない。この土地柄はどこの家族とも似てるのかなぁ、とおもった。タイプの異なる三姉妹 ひとりひとりが皆新しい自分を見つけて成長していく過程を代わる代わる追えておもしろく一気に読んでしまった! 特にパワハラ上司(元彼)を撃退するのは清々した、失うものはあったけれど…
2投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログ京都そのものと、そこに住む人間の心情に対する解像度が高い 観光地としての京都じゃなくて、日常としての京都を思う存分楽しめる物語 浮き足立った京都じゃなくて、地に足ついた京都 良く言えば守られていて、悪く言えば囲まれてる そんな京都の土地柄を、繊細な言葉で紡いでいく文章に魅了されながらの一気読みでした
3投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログすごい好きだった。毒のある綿谷りささんの小説とはちょっと変わってすごく温かみのある小説だった。三姉妹のそれぞれの良さが滲み出ていたし家族の絆に泣いた。綾香と宮尾さんのデートのシーンキュンキュンした。お父さんとお母さんのいつでも味方でいてくれそうなそういう太陽みたいな温かさが好き。
3投稿日: 2023.03.29
powered by ブクログ京都の大学院生という点が同じの凜にとても感情移入してしまった。京都から出たいという思いも大学進学当時の自分に重なる。綾香が幸せになりそうな予感を漂わせているのが鬱屈した物語の中の唯一の救いだった
1投稿日: 2023.02.17
powered by ブクログ『背中』以来、綿矢作品二作目。九年振りくらいか…。四季の変化に合わせるように、三姉妹の日常も少しずつ変わっていく…。そんな彼女らに思いを重ね——視覚、聴覚等…あらゆる感覚に心地よく響く素敵な描写。日本語、そして四季の美しさを胸いっぱいに感じた一作。読み心地が抜群に良かった。星四つ半。
4投稿日: 2023.01.30
powered by ブクログ読んでいる途中で「これ京都の人じゃないと書けない内容なのでは?」 と思う内容だった。 作者の出身地とか調べることなんてめったにないのに調べたら京都出身だった。 ただ京都の町を描くんじゃなくて、住んでいた人にしかわからないような特別な空気感がずっと漂うような小説に感じた。 ところどころにクスっとくるような場面も度々あったりして 「分別ある大人同士の会話として、ところどころ相手を褒めながら和やかに会話は進むが、その一方で綾香は、自分たちはまるでお互いのお尻の匂いを嗅ぎあってる、散歩の道でばったりでくわした犬同士みたいだ、という思いもあり、気恥ずかしさを抑えるのが大変だった」 こういう感覚を持てるなんてすごいなあと思ってしまった。
4投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログ姉妹3人のそれぞれの物語が展開される。 うーん、なんというか感想が書きづらい。でも読み始めると止まらなくなる。綿矢りささんの本はこうなりますね。
2投稿日: 2022.12.03
powered by ブクログ久々の小説。 3姉妹の話で一人一人焦点を当てて書かれており、普段小説を読まない私でも読みやすかった。 読んだ感想として3姉妹だなぁと感じることもあれば、姉妹の個性が出ており、1人の人間だなと思った。 読んでいると3姉妹の日常を書かれているので、最後泣くとは思わなかった。 お勧めしたい本。
1投稿日: 2022.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
京都の知り合いはいないのですが、方言も町並みもすんなり入ってきました。解説にもあったように、伝統芸能「いけず」のくだりがおもしろかった! 好きなのは羽依ちゃんだな〜。自由奔放にふるまっているようでいて、冷静に観察している。きっとさらに素敵な女性になる、はず。もしくは、案外恋多き女性としてそのまま結婚しないかも。 「こうなるよね」の既定路線をいきつつ、梅川さんと別れたり、父親のガンが発覚したところで終わったり、なんともリアルでした。せめて病気は決着を見せてほしかったけど、まあでもそれが現実だよね。
1投稿日: 2022.10.10
powered by ブクログ綿矢りささんの本は読んだことはなかった。もちろん名前も経歴もニュースで知っていたけれど、読んでみようかな、と思ったのはこれが初めて。 読みどき、というのがあったのだと思う。厚い本ではなかったのもあってすらすらと読み進めた。同居する姉妹たちの話、ということで海街diaryとイメージが重なるところもあるけれど、旅や仕事で何度か訪ねた京都の町の映像が目の前に浮かぶような描写たち。なぜか忘れられないテレビCMの歌は自分も覚えていた。 「大文字焼き」なんてのはよそもんの言い方や、というのを京都のひとに聞いたことがあったので、おや、と思うところもあったけれど、あの日たしかに自分が嗅いだ送り火の煙の匂いは、京都にいなければ体験できないもの。そういう京都の「あの場所の空気」みたいなものが、どのページでも借り物ではない綿矢さんの言葉で表現されていた。
1投稿日: 2022.09.22
powered by ブクログ京都に住む三姉妹が主人公のお話です。 京都は何回か旅行で訪れているので鴨川や嵐山などの情景が丁寧に書かれていたので風景を頭の中で思い出しながら読むことができた。
1投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ういちゃんの啖呵を切るシーンが気持ちよくて好きだった。消化不良な部分はあるが、やっぱり京都って素敵だよなと思った。
1投稿日: 2022.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ゆったりとした京都の風景と日常、歴史ある文化と行事が目に浮かぶように鮮やかに描かれていて。河原で、心地よい風に吹かれているような爽やかさを感じた。三姉妹の悩みはとても共感できる部分が多い。アラサー長女は結婚に悩み、新卒の次女は職場での恋愛と人間関係、大学生の三女は京都を飛び出すこと…。三人ともきちんと自分で考え、自分の道をしっかり切り開いていく力強さに、しなやかさも感じられて、とても癒された。
3投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ『蹴りたいお腹』・・・ではなく『蹴りたい背中』で、18歳にして芥川賞を受賞した著者も、もう38歳(たまたまだが、自身と全く同年齢であるため、芥川賞受賞からもう20年かと感慨深い)。 本書は著者自身が生まれ育ち、今も暮らし続ける京都を舞台に成人した3姉妹の三女を主人公として紡がれる小品である。祇園祭、五山の送り火などの行事を舞台としつつ、恋愛や就職など、揺れ動く3姉妹の心の機微を美しく描いている。 にしても著者の特徴ともいえる”性格の悪さ”は本作の人物造形にもクリアに現れていて、著者の作品を読むたびにうすら恐ろしくも愉快でもある。二女が新卒で入社した会社で先輩風を吹かす先輩社員の造形など、誰もが必ず出会ったことがある厭らしさを表現しつつ、その厭らしさを徹底的かつ偽悪的に描くあたり、なかなか性格が悪くないとここまで書けないだろう、という気にさせられ、この着眼点が著者の作品の大きな魅力の一つであると私自身は感じている。
1投稿日: 2022.08.06
powered by ブクログこのご時世になる前は、毎年夏には京都旅行に行っていて、細かい描写を目で追うごとにまた行きたいなと思わせてくれた!家族一人一人が違う優しさで温かくて、自分も家族に会いたくなった。 三姉妹それぞれが、うちに抱えているそれぞれの悩みと向き合って、一歩一歩進んでいく姿が印象的。
1投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログ京都を舞台に、ええとこの三姉妹の物語。 ええとこというのは、お金持ちとか名家ってことではなく、家族同士のつながりが自然にあるってこと。 三姉妹、それぞれの性格の違いが面白く、でも、三人とも身の回りにいそうな感じがいい。表れる問題も、本人や家族内では大問題でも、身の回りにありそうな感じなのもいい。 自立した子どもとして親を見つめるきっかけとなる大事件で物語が終わるのもいい。とても苦い展開ではあるけど、多くの人が経験することでもあって、家族それぞれがそこに向かい合ってる姿は印象的でした。
1投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログ三姉妹それぞれ性格が違うけれど、ぶつかる問題には共感しかなかった。 祇園祭の時のじめっとした暑さや、冬の痛くなるような寒さが文章から伝わってくる。
1投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログ『蹴りたい背中』『勝手にふるえてろ』に続く3作目として読了した綿矢りさ作品。 女性ならではの同性同士の関係性、結婚へのプレッシャー等の誰もが共感することを、キレのある綿矢りさ節で読者に語りかけてくる文章がスカッとするし心地良い。 本作は、女三姉妹の仕事・恋愛・結婚等の日常をそれぞれの視点で語られていくストーリー。おっとりとした長女、ちゃっかりとした次女等、性格は似ていないが生まれ順序的にあるあるな性格だなと共感することもあり、すんなり世界観に入れてしまった。
3投稿日: 2022.07.28
powered by ブクログ当初はそこまで期待していなかったが、読み始めたらページを捲る手が止まらなかった。京都住みor京都好きな人には絶対に読んでもらいたい一冊。 三姉妹は全く似ていないけれど、それぞれが人に言いづらい悩みや葛藤を抱えている。彼女たちの物思いに関する記述と共に、長くて複雑な歴史を持つ京都に関する繊細な描写が綴られている。
3投稿日: 2022.07.20
powered by ブクログ面白くて、あっという間に読めました。 三姉妹それぞれの、性格、本音、悩み。それを支える「実家」の存在と、親の考え方や生き方がバランスよく描かれていて、色々な場面で共感できました。 京都の名所や風物詩も出てきますが、何より「京都」いう土地に住んでいなければわからないことが主人公の気持ちを通して描かれていて、観光地としてだけではない京都の魅力を改めて感じました。
2投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
当たり前だけど京都にも普通の家庭があるんだなー。我々が知っているあの京都で暮らすとは、どういうことか…たぶん奥沢家自体が京都なんだなってなんだか感じた。 それぞれの幸せと奥沢家の幸せを願う。
3投稿日: 2022.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三姉妹の話が交互に書かれている。 三姉妹それぞれ同じ環境の元育ってきたのに全然性格が違ってだからバランスもとれていて面白い。 姉は真面目な図書館勤め、次女の会社の人を紹介され最初はすごく消極的でネガティブだけど最後はきちんと結ばれて幸せになる。 次女は自信満々な強気な美女。負けん気も強いけど、結構言った後は不安になったらやらかしたーと反省する。それでもその反省もすぐ終了なところが清々しくて気持ちいい。結局恋人とはその強気が見られて振られてしまうが1番良い恋をした感じで得るものも沢山あったみたいでよかった。 三女は自分の好きな研究に直向きで恋仲一切ない。でもそれを別段気に留めてない。むしろずっと京都にいて何もかもに囲まれてる状況に悩み、就職は東京にいくと決断。かっこいい。自分の好きなもの心の強さ魅力的。 物語の最後は三女に父からの電話で、父の癌宣告を受ける。なんだか心がざわざわした終盤にハラハラするが結局この家族の絆は強いし乗り越えていくんだろうなという終わり方だった。
1投稿日: 2022.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
母の、今後食事を作らない宣言からの、三姉妹それぞれの料理の傾向、中でも凛の科学実験のような料理の説明は面白かった。 前原は実に面倒臭い男だが、梅川も優しすぎるし、かといって羽依は強すぎる。後者と半年で別れたのは遅かれ早かれ、当然の流れだろう。 時間の経過で大人になり、皆の生活も少しずつ変化し、旅立ちはその1つだが、切ないものがある。
0投稿日: 2022.07.05
powered by ブクログ京都に生まれ育った三姉妹。 生い立ちは同じでも 三人それぞれの 性格・生き方・考え方。彼女達の年相応の悩み揺れる想いを 京都の景勝地と四季を贅沢に織り交ぜて書かれている。 京都の日常を小説にするとは ちょっといけずやわ。京都のこと好きなんだわ感も漂っているし。 「若草物語」や「細雪」など姉妹を取り上げた小説は 各時代ありますが、現代の姉妹像として惹かれるものがありました。
30投稿日: 2022.05.05
powered by ブクログ京都植物園へ行った日にたまたま読み始めて少し運命を感じた本。 読み出すと止まりません、、なんで女姉妹ってこんな惹かれるんでしょう。 京都の空気を纏っても疎外感がなく、物語に没入できて嬉しかった。
3投稿日: 2022.04.16
powered by ブクログそれぞれの三姉妹が、現状の目の前の問題と向き合い、支え合ってゆく姿が愛しく、心温まるような物語です。 物語の中に、四季折々の京都が描かれているのが印象的で、京都好きな僕からすると、この点も楽しめた部分だった。一般的な京都から少し視点をズラして描かれている部分もあるので、その点もあって、京都の魅力がさらに伝わってきた。のんびり京都旅行に行きたくなった。 三姉妹と家族と周りの登場人物のかけあいが楽しく、イメージしやすいので、読むページがどんどん進んで、気づいたら夢中になってあっという間に読み終わった。 凛が上京した後の部分は泣けたし、少し勇気がもらえた。 全体的には、心温まる作品で、爽やかな気持ちになれるようなイメージで読み終えました。
1投稿日: 2022.04.01
powered by ブクログリタイアしたやつを読んでみたら好きだった 境遇が似てるのか、凛の気持ちがよくわかって応援しちゃった 3人とも全然違うのに、3人とも好きだった。あと、主人公か3人なのもよかった、普通の本だと、主人公目線とかしかわかんないから色んな人の気持ちがわかってお得感
1投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ私もこの春、「違う世界で働ける切符」を手に入れ、京都から東京へ旅立ってゆく。もっとも私は京都の出身ではないけれど、それでも大学時代の6年間を京都の真ん中にどっぷり浸かって暮らした身としては、綿矢さんの描く京都は、そこに住んだものにしか描けない京都であることがよくわかる。 京都の「陰」の面、ダークな面がよく表れていた。深夜の京都御所を歩いた時に感じた畏怖のようなものを思い出す。あの空気は京都にしかないし、京都に住まないとその存在にすら気づけないだろう。
2投稿日: 2022.03.07
powered by ブクログ2022,01 2022初読書 京都の景色が浮かぶ。 三姉妹それぞれが皆違うけど話をきいたり、尊敬する描写が良い 凜の「京都を一度外から見て良さを再確認したい」というのは作者の重ね合わせもあるんやろうか 解説にもあるように、鴨川の東岸やクリスマスの京都の描写に、住む“リアルな”京都を感じた 次々に読みたくなるし気付けば読み終えてた 京都舞台小説のマイブームが、きてる
2投稿日: 2022.01.05
powered by ブクログそう、生活としての京都なんよ僕が好きなのは こういうことなんよね、京都マジック(or 呪い) 建物が低くて空が広いこととか、盆地やとか、歴史あるや街とか、その土地の特徴に住む人の雰囲気も結構影響されるんやねぇ あれもこれも解決させてみたいな話の進み方じゃなかったけど最後も割とスッキリ読めたと思う 奥沢家みんなカッコイイ あとは、単純に出てくる場所とか行事とか知ってるのばかりで嬉しかったねぇ
2投稿日: 2021.11.05
powered by ブクログ他県から来て、京都で生活してるものからしたらとても読んでいて京都人を理解できる話だった。 京都をより気にいるきっかけになるかもしれない。
1投稿日: 2021.10.30
powered by ブクログ京都らしさを感じることができた。 やはり、一筋縄ではいかない?独特なんだろうか? 三姉妹もそれぞれ個性があり、不思議とどの女性にも共感できた。
1投稿日: 2021.10.25
powered by ブクログあなたは、『京都』にどんなイメージを持っているでしょうか? “古都”、”世界遺産”、そして”伝統文化”と、『京都』という都市が持つイメージは他の都道府県以上に集約されてくるようなところがあるように思います。このレビューを読んでくださっている皆さんの中にはもちろん『京都』で生まれ育ってという方もいらっしゃるでしょう。しかし、多くの方は修学旅行で行った、旅行でよく行く、といったようにいっ時の滞在場所という位置付けの方が多いのではないかと思います。 しかし、旅でいっ時滞在するのと、長くその街に暮らすということではそこに見えるものも違ってくると思います。『一つ通りが変わるだけでがらりと変わる町の雰囲気、きっと他の都道府県にはない複雑な京の歴史が絡んだ、なんともいえない閉塞感』、そんな感覚が、そこで生まれ育った者には感じられるという『京都』。それは、『確かに京都は、よく言えば守られてるし、悪く言えば囲まれてる土地』という感覚にも繋がってくるのだと思います。 この作品は、そんな『京都』で生まれ育ち、今も一つ屋根の下に暮らす三人姉妹の物語。そんな三人姉妹を通して『京都』という街の魅力に触れることのできる物語。そして一方で、『旅行でなら他の土地に行けても、いざ完全に出て行くって決めたときは、簡単にはここから出られへん』という『京都』の街を三人姉妹の姿の向こうに垣間見る物語です。 『京都の空はどうも柔らかい。頭上に広がる淡い水色に、綿菓子をちぎった雲の一片がふわふわと浮いている』という空を鴨川から見上げるのは主人公の奥沢凛。『春の花の季節が終わったいま、鴨川からすぐ近くの京都府立植物園では』何が見られるのだろうと思い、携帯で『薔薇だ!洋風庭園には約三百種類の薔薇が咲く』と調べて『姉たちを誘って植物園へ行こう』と計画する凛は、『腰の重い綾香姉』と『すぐ忙しぶる羽依ちゃん』のことを思います。そんな時『ハヤシライスの材料、買ってくれた?』とメールが届き、買い物をして帰ると姉の綾香が調理を始めていました。『夕食番は三姉妹で交替制』という奥沢家。『私も主婦として定年を迎えます』と、『父の定年のタイミングでおごそかに切り出した』のが『二度と食事は作らないという母の宣言』でした。そして、『自宅での手料理が当たり前の家庭で育った凜は、外食に憧れて』いたものの、『半年も経たないうちに外食の濃い味に辟易した』という凛と同様に姉たちも同じに考え『当番制の夕食作りがスタートし』ました。しかし、結局長女の綾香に一回三百円の『夕食税』を払って『晩ご飯の用意を代わって』もらうことの多い羽依と凛。そんな凛が自室へと入ると『凜、ちょっと聞いてよ』と、羽依が入ってきました。『ありえなくない?』と付き合っている前原のメールを見せる羽依。『入社式後の新人研修でさっそく彼氏ができた』と喜んで話をしてきたのは『まだ凜の記憶にも新しい三週間前』のこと。相手はなんと『上司の前原智也』で、彼からは『付き合っていることを絶対に社内の人間にもらさないでね』と念を押されたという羽依。『情が無いならさっさと別れたら』と言う凛に『このまま別れたら羽依の名前がすたるわ』と返す羽依。そんな時『凜、羽依、ご飯よぉ』と綾香の声がし、父も一緒の夕食が始まりました。『祇園の歌舞練場に都をどりを観に行ってる』と今日も夕食に不在の母。そんな中、『姉やん、羽依ちゃん、植物園に薔薇を見に行かへん?』と誘う凛に『よろしくない反応』を見せる姉たち。『父さんはさそってくれへんのか?』といきなり訊いてきた父も結局予定が合わず『一人で見てきたらええやないの』と言われた凛は、『みんなに断られて色を失ってしまった』薔薇園ツアーのことを思います。そんな凛は自室に戻って寝転びました。『ここにずっと住み続けたら、私は三十を過ぎても、四十を過ぎても”子ども部屋”にいることになる』と思う凛。『飛び出すきっかけは、自分で作るしかない』と思う凛。そんな凛は大学院を間もなく修了し進路をどうするかに思い悩んでいました。しかし、姉の綾香も羽依もそれぞれの人生でそれぞれの悩みを抱えています。そんな三人姉妹の一年が京都の街の季節感溢れる描写とともに活き活きと描かれていきます。 『「手のひらの京」は、「細雪」を読んで感動して、その影響を受けて書き始めた作品です』とおっしゃる綿矢りささん。そのお話を伺って私の頭にピン!ときたのは少し前に読んだ三浦しをんさん「あの家に暮らす四人の女」でした。”ざんねんな女たちの、現代版「細雪」”と帯に書かれたその作品。それは、谷崎さんはこんなコミカルな作品は絶対に書かないでしょう!と突っ込みを入れたくなる三浦さんのエッセイの世界と一体化したような独特な世界観の物語でした。一方でこの綿矢さんの作品は、『”姉妹もの”で大阪や東京といった色々な都市を振り返るという手法が素敵』という点から、ご自身の出身地でもある京都を舞台とした三人姉妹の物語が綿矢さんらしさに溢れる比喩の表現を背景に描かれていきます。 ということで、上記で触れた観点の中から三つを取り上げてみたいと思います。まずは比喩の表現です。綿矢さんというと、「蹴りたい背中」の冒頭の『さびしさは鳴る』という圧巻の表現に、いきなり感じ入ってしまったのが未だに強く印象に残っています。芥川賞作家さんとしての綿矢さんの凄さを垣間見ることができるのがこの独特な比喩表現。そんなこの作品の冒頭は『京都の空はどうも柔らかい』と始まります。『頭上に広がる淡い水色に、綿菓子をちぎった雲の一片がふわふわと浮いている』と続くそんな空を『清々しくも甘い気配に満ちている』と、主人公の凛は鴨川から見上げます。空を形容する時どんな言葉が思い浮かぶでしょうか?”よく晴れ渡った空”、”澄み渡った空”、そして”高い空”といった表現は思い浮かびますが『柔らかい』という感覚は独特です。そんな『空』に対する表現は、その時々の凛の心の有り様を描写するかのように『どこまでも広がる空』、『のんびりした薄い空』といったように幾度か登場します。そんな空のことを『どの土地で見上げようとも、空は世界じゅうで一つにつながっているはずだが、やっぱり周りの景色が違うと、同じ空には見えない』と思う凛。京都から見える空を『柔らかい』と冒頭に語った凛の京都への想い、この比喩表現には、そんな彼女が育った京都という故郷に対する愛着の強さが感じられるようにも思いました。 次は、この物語の舞台ともなる京都についてです。「細雪」と同じ時期に川端康成さんの「古都」も読んで、『現代の京都で暮らす姉妹ならどんな話になるんだろうと思った』という綿矢さん。そんな綿矢さんはこの作品にこれでもか!という位に、魅力溢れる京都の街の風景を描いていきます。それは、京都に住んでいない人間でも良く知っているようなメジャーなものでもその光と影の部分を必ず対にして登場します。まずは、京都最大の祭りである『祇園祭』です。『だれか連れといっしょに行ってこそ楽しいもの』というその祭りは逆に『運悪くあぶれたら大人しく家に引きこもる』という側面があると書く綿矢さん。そんな場に『なぜいま私はたった一人で祇園祭を目指しているんだろう』と『四条目指して足早に歩』く綾香。単なる背景ではなく物語と一体化した京都が上手く描かれます。また、幾度も登場するのが、京都と言ったら、という有名な川・鴨川です。美しい描写の一方で『夜はやはり恐ろしい』という側面が描かれます。『かつて合戦場であり、死体置き場であり、処刑場であった歴史を、ふとした瞬間に肌で感じ、戦慄する』というその描写。京都に長く暮らす者だからこその長い歴史に基づく感覚が物語に深みを与えてもいきます。そして、そんな京都の描写は、言葉にも登場します。京都出身の綿矢さんだからこその自然な京言葉で満たされた作品ですが、特徴的にこんな言葉も登場します。『母親は語尾に”知らんけど”とつけるのが口ぐせだ』というその言葉。『断定した物言いを避けたがる、いかにも関西風の口ぐせ』というそんな背景を説明した上で以降の母親の会話にこの言葉が度々登場する巧みな演出は、母親の性格が言葉を通じて上手く伝わってきます。そして、最後にご紹介するのが『京都の伝統芸能』と皮肉をもって紹介される『いけず』です。『ほとんど無視に近い反応の薄さや含み笑い、数人でのターゲットをちらちら見ながらの内緒話』によって『ターゲット』を芸術的なほど鮮やかに傷つけるというその行為。『いけずは黙って背中で耐えるものという暗黙のマナーがある』というそんな行為の標的にされる羽依。そんな場面でまさかの行動を取る羽依が描かれていく物語中盤。イベント事だけでなく、こういった人間関係の描写など、この作品が兎にも角にも京都と切っても切り離せない、京都を舞台にしか描けない作品に仕上がっていると感じました。 そして最後は、この作品が三人姉妹を描いた作品であるということです。姉妹を描いた作品は多々ありますがこの作品では、その三人にランダムに視点を移動させ、その思いの違い、見えている相手と内面の姿を上手く対比させながら描いていきます。『私は、自分のなかにある現代の姉妹像、今を生きる20代初め、20代半ば、30代初めの三人姉妹を書きました』と綿矢さんがおっしゃる通り、同じ一つ屋根の下に暮らす姉妹であっても、その年代によって見えてくるものが違ってくる、そんな視点が上手く描かれていきます。『それぞれ悩みを抱えつつ和気藹々として、本音でぶつかってるけどあまり喧嘩しないという』三人姉妹。その一方で、どこか京都という街に閉塞感を感じ『飛び出すきっかけは、自分で作るしかない』と東京での就職にこだわる凛。『自分のモテに対して自信があ』り強気で鳴らす一方で『学校よりも複雑な力関係、上下関係が働いている』会社の中で『いけず』の対象ともなってしまう羽依。そして、長女として頼り甲斐のある側面を見せながらも『子どもを作らなきゃ、でもその前に結婚しなきゃ』と焦りを隠さない綾香、と三者三様の姉妹の描写は、物語の中から飛び出してリアル世界にその姿を感じるほどに活き活きと描かれていきます。そんな姉妹のやりとりを追っていくのもこの作品の読みどころです。お互いのことを深いところで想いあっている、仲の良い姉妹ならではの気遣いの妙を見せる三人姉妹。そんな”姉妹もの”の面白さを存分に楽しめる、そんな物語でもあるように思いました。 『少し高いところから見ると本当に街全体が山に埋もれているみたい』という京都の街。そんなイメージが『手のひらに乗っているよう』とおっしゃる綿矢さんならではの比喩表現の魅力満載なこの作品。京都の街、言葉、そして習慣についての描写が単なる物語の背景でなく物語と一体化して雰囲気感豊かに伝わってくるこの作品。そして、年代の微妙に離れた三人姉妹がそれぞれに思い悩む一方で、お互いのことを深く思いやる、そんな姉妹の細やかな感情の機微を感じることのできるこの作品。 三人姉妹それぞれの目から見える京都の街を通して、京都に始まり京都に終わるという位に、京都を、そして綿矢さんの京都愛を強く感じた、そんな作品でした。
102投稿日: 2021.10.02
powered by ブクログ京都出身の作者さんだからこその本だな、という感じ。3姉妹、皆愛しい。登場人物それぞれが完璧なハッピーエンドじゃないのも綿矢りささんらしくて好き。リアル。これから先も続いていくであろうそれぞれの人生が想像できる。
1投稿日: 2021.09.16
powered by ブクログ好きやからこそ一旦離れたいっていうのかな、盆地の中から抜け出して、外側から京都を眺めて改めて良さに気づきたいねん
1投稿日: 2021.09.07
powered by ブクログ京都に住む3姉妹が主人公。 早く結婚しなきゃと焦る綾香、就職を機にどうしても京都から出て行きたい凜、モテるし次々と彼氏が出来るけどなかなか恋がうまくいかない羽依。年齢も近かったりでそれぞれに共感したりして。あ~ わかるわぁ~!となりながら、読んでいました。 家族皆仲良いのはなんか、うらやましかったなぁ。。わたしは妹とはすごく距離があるので。姉妹仲いいとかは理想。昔は仲良かったんだけど。このお話は京都が舞台になってるのも良かったな。趣深かったです。登場する皆が人間くさくて愛らしくて、読んでるあいだこの世界にいれるのがすこし幸せだったな。
1投稿日: 2021.07.07
powered by ブクログ三人の女性の機微を丁寧に描いている。すらすら読めた。個人的には綾香さんよかったよ。京都の人というより女性は難しい。
1投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ういちゃん最高! 京都で暮らしたことはないし、主人公たちは閉塞感を抱いてたりしたけれど、そんな求心的な地元が少し羨ましかったりもした
2投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
綿矢版「細雪」、京都に住む3姉妹を主人公にした日常を描く。 書かれていることは誰にでも普通にあるような日常の描写、仕事や恋、家族の交流。ちょっと恋愛密度が高い、ちびまる子ちゃん、サザエさんだという感じ。 ただし、この物語の背景というか、後ろにどっしり控えているのが「京都」という地名以上の存在。朝起きてから仕事に行き飯を食いデートして帰ってきて風呂入って屁こいて(失礼)寝るまで、ずっーっと彼女らには京都がつきまとう。 その京都との対峙がこの本のメインテーマ。三女が就職を決め東京で働くと決めた時の騒動に、それが如実に表れるが、実は三女以外、その場面以外にも物語にはずっと京都が付きまとう。恐るべし千年の都…である。 夜の鴨川、祇園祭、桜の名所やクリスマスの風景など、京都に生活基盤を置く人ならではの玄人描写はさすが…なのになんで「大文字焼き」なん?東条甚つの広島出身の友人にそう言わせるならわかるが、ベタ京都人が「大文字焼き」って言うか?「五山の送り火」って書かないところに何かあるんだろうか?それこそ、京都人のいけずをここに仕掛けてきてるとか?
1投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログとても良かった。 私自身、大学時代は京都で過ごしたのでそれぞれの風景を鮮明に想像できた。 3姉妹、みんな違う性格で、違った困難に立ち向かっていて、それぞれ頑張っている姿が良かった。 読み終わってから「あ〜良い本だったな」と思えた。
1投稿日: 2021.02.21
powered by ブクログ河原町の街並みや京都の行事など、京都で生きてきた身として共感する事が多く面白かったが、京都に限らず、地元に対する一言で表現出来ない想いが詰まった物語でした
2投稿日: 2021.02.12
powered by ブクログ一気読みした! 読み終わって「あぁ、いい本読んだなぁ」と素直に思えた。 三人姉妹に仮託して描かれたのは、それぞれ綿矢さんの「現在」「恋愛」「過去」なのかな?と感じた。綾香は今までの綿矢作品だったら主人公の攻撃対象になりそうなタイプ。来るものに身を任せて、波風立てずにゆったり流れていく。次女の羽依はthe綿矢作品の主人公。はすっぱで自意識過剰で攻撃的な不器用さん。三女の凛は感受性豊かなマイペースさん。見えないはずのものが見える子。うーん。あまりこういう言い方が文芸批評的にはよろしくないのを知りつつ言うと、三人とも綿矢さんの分身なんじゃないのかなぁ、と思った。自分自身の複雑な心のあやを描くのには一人じゃ足りなくて、三人必要だったんじゃないかと。だからこそ、三人の名前には何の共通点も見当たらない。現実世界ではむしろ三人も子どもがいたら、そのうち二人くらいには共通した字やイメージをもたせるもんだろうけれど、この三人は見事にバラバラ。ちょっとクラシックな響きのある綾香は料理上手で着物の着付けも達者。キラキラネームの羽依(これは『長恨歌』の「霓裳羽衣」からとってるのかな?)は、キラキラな自分を演出するのに余念がなく、計算高い、いわゆる同性の敵。凛は、綿矢さんが「凛と生きたい」という願いを託したのだとしか思えない。 ある程度、年齢を重ねたから綿矢さんも振り返れたのかなぁ。初期作品のヒリヒリが影を潜めて、ご自分の故郷を本当に愛おしむように描いている。その視線に引っ張られて、こちらも京が愛おしくなる。さらに愛おしいのが登場人物たち。とても繊細に心の襞が描かれているから、もう、みんなみんな可愛らしくて。特に、見えないものが見えちゃう凛の心象風景として描かれる京の美しさったらない。 「山は複雑な色合いで紅葉の錦を織り、ふと遠く を眺めた人間にだけ、美しさを披露していた。ふさふさと柔らかく、どこかおいしそうなこんもりとしたまま山を眺めていると、凛の胸は締めつけられた。 なんて小さな都だろう。まるで川に浮いていたのを手のひらでそっと掬いあげたかのような、低い山々に囲まれた私の京。古い歴史が絡みついたこの土地は、時間が動いているようで動いていない。」 ため息が出る。 そしてやっぱりこれは、綿矢さん自身の感慨なのだろうと思う。 作中で、三姉妹の隣家はかつて機屋だったという設定になっている。そのことはそのまま、ここに描き込まれた三姉妹の、あるいは綿矢さん自身の心の綾が、絹糸を一本一本丁寧に織り込んだ織物のように丁寧に描かれていることに重なってくる。 何にしても、非常によい作品だった。色んな人に勧めようと思う。
6投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ初読み作家さん。京都で生まれ育った奥沢家の三姉妹綾香、羽依、凛の視点でそれぞれの人生観を描かれている。はんなりとした京都弁と四季折々の優しい京都の名所も織り混ぜられていた情景が浮かぶ。その反面「いけず」はそら恐ろしい伝統文化。封建的な京都人が多いなか、凛が言う「好きやから一旦離れて外から京都を眺めてみたい」と東京に出るが、タイトルの「手のひらの京」に繋がると思った。京都の酷暑と寒さがよく伝わっている。五山の送り火は大文字焼きとも言うが、両方が混在されて表現されていたのが気になった。
1投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ京都を舞台にした三姉妹の物語。京都の街の雰囲気、京都弁などが四季を通じてしみじみと描かれており京都を多少知っている自分にはよく表現されていると感じた。 三姉妹それぞれを主役としての連作短篇集となっており読みやすい。姉妹たちの社会や家族との関わりでの心の襞をとても繊細に描いており薄めの本ではあるが読み応えがある。確かに嵐山は夜行ったら凄く静かだろうなぁと感じた。知らんけど。
1投稿日: 2020.12.19
powered by ブクログ3人の女性の成長が語られるなか、一人一人の心情が語られていて面白かった。 また京都の地名も出てきて親近感が湧いた。
2投稿日: 2020.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
京都に生まれ育った3姉妹のお話。 祇園祭の行列が現代京都の百鬼夜行なんて在住じゃないとなかなか言えない気がする。 次女の羽衣ちゃんが好きなキャラ。 女に嫌われる典型的な女子なんだけどいけずするお局やストーカー化した先輩に啖呵を切った結果彼氏にフラれてしまう。 自分のことは自分で始末する性格で嫌いじゃない。 京都は何度も訪れるぐらい好きな街なんだけど京都に進学した子は遊びに行くには良いが住む所じゃないと就職で地元に戻ってきたな。 彼女も凛の様に地元のしがらみを感じ取っていたのかな。
1投稿日: 2020.11.20
powered by ブクログ買って数ページ読んだきりになっていたけれど、ふと手に取って読み進めてみたら、すいすいと読めた。 やっぱり本には、読むタイミングというものがあるなと実感する。 又吉さんが、つまらない本はない、ただタイミングが来ていないだけ、というようなことを言っていたけどほんとにその通りだ。 羽依ちゃんて名前かわいいよなー。 爆発してタンカきる場面最高だった。息の根止めてやる、と決意して爆発するところ、なんかわかる。 1番関心もって読んだのはやはり綾香。宮尾さんいい人でよかった。
1投稿日: 2020.10.18
powered by ブクログ佳作。 3人の様子や感情がよく伝わりいい作品、って感じ。 3姉妹って物語的にバランスいいし、少し閉塞感のある感じが京都を舞台にすることでいい塩梅にててたと感じた 2020.10.8 98
1投稿日: 2020.10.09
