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ケイトが恐れるすべて
ケイトが恐れるすべて
ピーター・スワンソン、務台夏子/東京創元社
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総合評価

69件)
3.7
10
32
18
3
1
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったー! ずっと曇り空のようなもやもやした雰囲気で、主人公もなんだか影のある感じ。 一体誰が嘘をついているのか、話がどう進むのかわくわくしながら読み進めた。 ピーター・スワンソン好みかも。

    6
    投稿日: 2025.09.26
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    まさか!と唸る「ウッチャリ」感はないものの、スリルを、終始与えてもらえた。登場人物も少なく読みやすい。 猫ですら、良いアクセント。

    0
    投稿日: 2025.08.21
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    面白かった。 いろいろ重なりすぎるのもあって、あり得ない、けど、でも、そこまであり得ない設定でもない。ラストも私は良かったかな。

    11
    投稿日: 2025.07.28
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    江戸川乱歩の人間椅子を彷彿させる変質者。そいつが強烈な殺意、と言うか殺して切り裂くことに喜びを感じるから始末に負えない。更にはそいつは初対面では好印象。 不気味な人物描かせたらこの作者は天下一品。

    1
    投稿日: 2025.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    解説の言葉につきる一冊。 『そしてミランダを殺す』からの快進撃は横目で捉えていた。 『そしてミランダを殺す』は読んでいたが、その後は手付かずで、『8つの完璧な殺人』を読んでから俄然興味が湧いていた過去作の一つ。 「サスペンス・ルネサンス」とはよく言ったもの。 ここ数年のピーター・スワンソンとアリス・フィーニーの新世代サスペンスは正にルネサンス。 不穏さを軸にしつつも読みやすさ、視点切り替えの巧みさによる疾走感があり、めくるめく展開に翻弄されながらゾクゾクとドキドキが止まらない。 過去のトラウマもあって何につけ悪い方への妄想が膨らむ不安神経症のロンドンに住むケイトは、ボストンに住む従兄弟のコービンのロンドンへの期限付き転勤に端を発した半年間の住居の交換の誘いに乗る。 コービンの豪華で瀟洒なアパートに着いた矢先、隣室の女性が殺される事件が発生。 従兄弟は関係しているのか。。。 関係していないわけがない。 でもその関係性を明かしていく道程がサスペンスとして一級品。 ロンドンのコービンだけでなく、ボストン側にも何やら怪しげな人物を配置しつつ徐々に全体像が見えてくる。 解説の「一にアイディア、二に視点。(中略)物語とは、内容そのものと同じくらい、誰に、いかに語らせるかという点が重要なのだ。」に呼応する語り。 ただ、終盤もう一捻りくらい入れてくるかなと思っていたけど案外普通に終わった。 どんでん返しすればいいってものでもないけど、整えただけのエンディングだとちょっと物足りない。中盤までの引き込みは申し分ないので畳み方が課題かなと上から目線な全体的な感想。 ケイトが読む本、意識を寄せる本を通じて『8つの完璧な殺人』に見たミステリ愛を随所にちらつかせていて、あぁなるほどこの頃からあそこに至る気質は出していたのねと実感。 『ゴーン・ガール』、『ガール・オン・ザ・トレイン』読みたい。 次は『アリスが語らないことは』。

    49
    投稿日: 2025.06.22
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    面白かった。ヒッチコックの『裏窓』の要素を入れたミステリだけど、真相を明かすのが早すぎるような。とはいえ同性同士の犯人たちの罪の共有はクィア的で興味深かったし、主人公が最後まで事件の真相を知り得ないのは面白い終わり方だった。精神が不安定な女性主人公はアイラ・レヴィンの小説 『ローズマリーの赤ちゃん』を思わせる。古典ミステリ小説のオマージュがありながら、ちゃんとオリジナリティがあるからこの作家さんは好きだな

    3
    投稿日: 2025.04.20
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    ロンドンに住むケイトは、又従兄のアメリカのボストンに住むコービンと、半年間、それぞれのアパートを交換し暮らすことになる しかし、ケイトがコービンのアパートに到着した翌日、隣室の女性の死体が発見される… ケイトは彼女の死にコービンが関係しているのではないかと疑い始めるが… 複数視点で物語は進み、その度に新しい事実が判明するが、見え方も違っていく… しかし何よりも、登場人物が誰とて信用できず、読者は常に不安を感じる… しかしそれがこの作品の面白さ! そしてちょいちょい登場する猫のサンダースがいい仕事をしている…(笑) でも謎解きとしては消化不良な感じかな… なので帯にある『真相が明かされた瞬間、驚愕で震える!』というのは大げさかしらん… でもケイトが味わう『ケイトが恐れるすべて』を現実には味わうことになったら、それはもう驚愕で震えあがるどころじゃないと思う… しかし、ラストのケイトの選択には疑問が残る… あの男、どうなん??…(笑)

    2
    投稿日: 2025.03.18
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    サイコパス、変態が多すぎて世の中ってこんな人間ばかりなのか?って思ってしまう。 本来は安らぎの与えられる自宅が恐怖の場所になってしまう。知らない間に誰かが家の中に侵入してたとなるとゾッとする。

    6
    投稿日: 2025.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ご同情申し上げます。っていうぐらいに変な男を引き寄せ、事件に巻き込まれるケイト。 『ケイトが恐れるすべて』そう、まさしく外の世界の全てを恐れているケイト。 「これはわたしのせいなんです。彼らはわたしに寄ってくる。異常者はみんな。私は磁石みたいなものなの。」 嫉妬深く、狂気的な元彼はクレアを暗いクローゼットに閉じ込め、ライフルで自分の頭を吹き飛ばして自殺する。又従兄弟は殺人犯かも?の展開の中、どうやら又従兄弟の友達はサイコパス。クレアの新しい彼氏は覗き魔。 私は不幸を呼ぶ、、、と、生まれてからずっと不安障害に悩まされ続け、心理的にも身体的にも追い詰められていく事件が、距離と時間の巧妙な筋立ての中で、複雑に絡み合ってストーリーが展開されていく。 うらすじに「想像を絶する衝撃作!」とあるが、ほんと最高!! ミステリ、スリラー、サスペンスの大ファンであるスワンソンの作品の設定や場面に、彼の愛読書が顔を出すのもスワンソン作品の魅力だ。

    15
    投稿日: 2024.10.22
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    ピーター・スワンソンを読んだ2作目。 大のお気に入り作家というのではないので、立て続けに読んではいないのですが、広く振り返ってみて、けっこういいなと感じている今日この頃(笑) ロンドンに住む若い女性ケイトは、ボストンに住む又従兄のコービンがロンドンに来る機会に、半年間、部屋を交換することにした。 ケイトはなぜか子供の頃から不安感が強い少女だったのだが、恐怖に取りつかれるのも無理のない事件にも遭遇していた。 訪れたアパートメントは凝った造りで、新たな地でしばらく平穏に暮らせると思ったのも束の間、隣室に住んでいた女性オードリーが殺される事件が起きる。 知り合ったばかりの人たちはそう悪い人に見えないが、言っていることが本当なのかどうかはわからない。 この中の誰かが犯人ではないのか。 ヒッチコックのスリラー映画を思わせるような、たたみかけるような恐怖。 こんな感じ易いヒロインはどれほど生きづらい事だろう。 「そしてミランダを殺す」は誰にも共感できない話だったので、それに比べると、ヒロインにも同情するし、いい人も存在する(笑) ひととき、夢中になって楽しめました☆

    22
    投稿日: 2024.09.06
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    サイコサスペンス過ぎて、後半は面白さよりも恐怖を感じていた。犯人気味が悪すぎるぞ。 前作同様、物語に吸い込まれてスラスラ読めたのもよかった。

    0
    投稿日: 2024.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! ピータースワンソンはカメレオンみたいな作家さんだなあって思ってる。 昔、音大とか正規に学んだ人の方がバラエティに飛んだ曲を作れるものだ、なんて聞いたことがあって、それが正しいのかはわからないけど、この作家さんの作品を読むたびにそれを思い出す。 硬質で精緻な文章に、ピリッと効いた思いがけないアイデア。最後の着地があっちかな?それともこっち?と、最後まで予測できずにでも、読み終えてものすごく満足感があった。(特にその前にミランダを再読してたので、出てくる人の善人率の高さに少しほっとしたり) それぞれ癖のある登場人物たちをうまく組み合わせての物語はほんとうに丁寧で、そつがないのに飽きさせない。いやー、いい読書だったなあ。 個人的にはコービンがすこし不憫だなあって。特に母親と兄に対しては少し、なんらかの懲らしめがあればいいのにって思ってしまった。しかも同じ結末のヘンリーがそこそこ満足して笑って幕を閉じてない?ちょっと悔しい。

    0
    投稿日: 2024.06.06
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    想像したら怖いシーンも。でも文体自体は凄く読みやすかった。ケイトって弱いと思ってたら、最後読み終わった時には強いという真逆に。

    3
    投稿日: 2024.04.10
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    緊迫感のあるサイコサスペンス・ミステリーで面白かったです!従兄弟としばらくの間、住居を交換して住むことになった主人公。交換した住居の隣人が亡くなったことを知りますが、なぜか被害者との関係を隠す怪しげな従兄弟。そして被害者の部屋を監視していた、これまた怪しげな隣人の存在。そして読み進めるに従って何かがおかしいと思わせるこの不安感、最後の展開に至るまでの緊迫感とすごく良かったです。

    0
    投稿日: 2024.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「そしてミランダを殺す」を読んでから、この作品を読む。そして~は最初から犯人の視点から物語が進むので、あまり面白く無かったが、今回は犯行には、まったく係わっていない人物の視点から語り始めたので、多少は面白いと感じたが、途中で早々に犯人が分かってしまう。これはそして~を読んでいるので、作者のワンパターンなトリックで、直ぐに気が付いてしまい興ざめする。 主人公を始め、精神的に問題の有る人ばかりが出てくるので、少し現実味が無い様にも思えるのだが、逆に世の中、本当はおかしな人ばかりなのかもしれない(笑) 前作同様、ミステリー初心者の方が読むのに丁度よい小説ですね。

    1
    投稿日: 2024.03.14
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    導入はよかったのに、読み進むにつれて入れ替わり立ち替わり視点が変わり、同じ場面が何度も繰り返されるとさすがにまどろっこしく感じてしまった。 別の視点から見たら実は…という手法は好きだけど、今作ではあまりうまく活かせていなかったように思う。ただ冗長なだけというか説明過多というか。ケイトともう一人くらいに絞ったほうがよかったのでは。 ケイトはいつも最悪の事態を想像をしてはパニックを起こしそうになっている。それなのにホラーやサイコ作品が好きというのが不思議。

    1
    投稿日: 2023.09.06
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    読みはじめて、、、あれ、なんかどこかで、、、と、思ったら、 そして、ミランダを殺すの著者と同じ人だった。 失敗したなぁ、、、、 あの、なかなかミランダ殺さない本と同じ人かぁ、、、、と、思ったら、案の定進みの遅いミステリーでした。笑 海外がこういうのが多いのかもかぁ? 近隣情報をモリモリ盛ってもって、やっぱり犯人はこの人。みたいな。笑 いや知ってたし、そうだよね。 伏線のような伏線じゃないような。 帯に、真相が明かされた瞬間驚愕で震える! って書いてあったけど、これは誇大広告で訴えられるわ。 淡々と始まって、だよねーで、終わった。 ただ、一つ言えるのは。 こんな淡々と始まって終わるのに、読める!!!!伏線みたいな顔した日常の描写はとっても臨場感があって、まるでわたしが住んでるようでした!笑 ミステリーとしてはイマイチだけど、読み物としては楽しめる!そんな一冊!

    0
    投稿日: 2023.07.03
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    怖かった...夜中に家族が寝てから1人でリビングで読んでたから余計に。怖いけど、どうなるの?どうなるの?と気になりどんどん読み進んでしまった。

    2
    投稿日: 2023.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    心配性の女、又従兄と部屋交換、引越し直後に隣人女死亡 被害者との関係隠す又従兄、向かいの覗き趣味の男、近所うろつく怪しい男 死体はんぶんこ、パラサイト

    1
    投稿日: 2023.05.06
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    「そしてミランダを殺す」に続き読んでみた。いやはやこれはちょっと・・・頭の中で想像するとなあ。。 レクター博士みたいな。殺人を重ねる殺人者はおぞましいかぎりだ。ヒッチコックの「ロープ」なんかもちょっと思い浮かべた。 2017発表 2019.7.31初版 図書館

    6
    投稿日: 2023.04.12
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    ミステリーよりもサイコホラー色が強い! 登場人物それぞれの視点から事件を見ていく展開です 本の半ばから、あれ?この人怪しい……?? と、何となく感じますが、この本は犯人の異常さなどのホラー?要素を楽しむ形になってます 犯人視点から書かれてる描写は本当に怖い…… ゾクゾクとする感覚を味わえます おもしろかった! 役者さんも読みやすく書いてくれているのも良い

    0
    投稿日: 2023.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    顔も合わせたことのない親戚同士で部屋を交換。 心機一転を胸に引越すも、すぐ隣の部屋で殺人事件勃発!かわいそうなケイト。 序盤はケイトの妄想癖・心配性のせいでみんなが不審に思えたけれど、終わってみればほんとうに不審人物だらけだった 笑 ヘンリーの偽名は偏屈な映画好きならピンとくるはず。 それにしても家主がいるにもかかわらず部屋に忍び込む、なんなら食事やお酒もいただくってすごい度胸だ。見つかったら殺せばいいやくらいに思っていたのかな? 優等生コービンの家族はもっと深堀りしてほしかった。兄と母の怪しい関係はさらっとしか触れず終わってしまった感じ。 閉所恐怖症のケイト、ラストのクローゼットの中はつらかっただろうな…トラウマを乗り越え、助けてくれたコービンのために意を決した姿がかっこよかった。 常に不穏な空気のなか、猫のサンダースがよい清涼剤になっていた。ひっかき傷、みみず腫れ、なるほどね。 ピーター・スワンソン作品は2冊目の読了ですが、今のところ大好きな作家です。

    0
    投稿日: 2022.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ピーター・スワンソン二作目。 誰が本当のことを言っているか、本当に起こっていることは何か、語られていることは真実か。 相変わらずこの作者の登場人物はみんな怪しい笑 ぐいぐい引き寄せられる感じは前作「ミランダ…」の方が上か。後半の展開は面白かったが、序盤が退屈すぎて…少し残念。 犯人のヤバさは前作を軽く超える。 一緒に暮らすスリルが好きなサイコキラーとか、ド変態すぎてどうしたらいいのかわからない笑 前作も今作も、呼吸するように人を殺める人物が多すぎる…外国こえー。 最後は一見ハッピーエンドか?と思ったけど、よくよく考えると窓の向かいから生活を監視していたやつですよ、その人。

    2
    投稿日: 2022.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公のわりにケイトがあまりストーリーの役に立ってないというか関係ないというかただそこにいただけというか。 信用できない語り手ばかりでどういう展開になるのか気になって読み進めるも意外と普通で衝撃度は低め。 中盤で大体の真相がわかって後半は答え合わせみたいな感じだけど、猫がいいアクセントになってたりケイトが病んでるせいだと思われた不可解な出来事が実はヘンリーの仕業だったりと退屈せずに最後まで読めた。

    0
    投稿日: 2022.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    え、え!どうなる? の連続で寝る間も惜しんで読みふけった本。 こういう本に出会える幸せを噛み締めつつ、 主人公の不幸せさに怖気を震わせながら。 ケイトは普通の女の子のはずだったのに何故か変な男を呼び寄せてしまうという磁力もある(本人が言うのだから間違いない) 又従兄のコービンという、殆ど見ず知らずの男性と半年間住まいを交換するなどと、住宅事情の悪い日本では考えられない、イギリス人とアメリカ人。この件については、まあ、不問とすることにしたとしても! 次々に判明する、(作者が案内してくれる)過去の事件の諸々。いちいち驚いていたのでは追いつかない変態たち… 「ミランダ」も「アリス」も読んだので、是非ともこれを読まねば!と思い。 変態たちの仕様も桁違い。 それにしてもスケールが違うのは私は普通に過ごしてるから?日本人だから?

    5
    投稿日: 2022.09.10
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    ピーター・スワンソン。又従兄弟と住居を交換したケイトの隣の部屋で殺人が起こる。同じアパートの住人に話を聞くと又従兄弟と被害者は深い関係だったと知るが、又従兄弟本人は否定する。疑惑のなかでケイトは新しい生活を始める。視点が複数の登場人物を行き来するので、生まれた疑惑があっさり解決し、サスペンスの緊張感が薄く。後半は登場人物の行動を追いかけるだけになり、退屈な一冊だった

    0
    投稿日: 2022.07.31
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    短編を積みあげながら最後は一気に。それでも登場人物や物語の流れを振り返ることなく読み進めることの出来る技量に感嘆。

    0
    投稿日: 2022.06.17
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    気が付いたら怒涛の務台夏子さんヘビーローテーションだったw そして次はダフネ・デュ・モーリアの『鳥』なんて読んでみようかなと思ったりしてこれじゃあまるで「僕って結構海外ミステリを訳者さんで選んでるみたいなところあるじゃない?(知るか)だって重要じゃない?誰が訳してるかで物語の雰囲気って変わってくるし」みたいな鼻につくタイプの海外ミステリファンみたいだ もしフォローして下さってる人の中に海外ミステリを訳者さんで選んでる方がいらした場合はここまでのことは全て忘れて下さい(フォロー外さないで!) でも訳者さんが重要だというのは激しく同意したい 鼻にはつくが同意したい 同じ作家さんでも訳者さんが違うとやはりちょっと違うな〜と思う と同時に原書で読んだらどんな風に感じるのかなって思ったりもする 思ったりもするが実現に向けて努力するようなことはしない ただぼんやりと思うだけ なりたかったなぁ『英語が話せる人へ』なんちて さて『ケイトが恐れるすべて』です いやぁ面白かった 面白かったし良く出来てるなぁと思いました そして、そうか『ミランダ…』も推理小説として読んじゃったからいまいちに感じたんだなと思いました これ推理小説じゃないですね 犯人は誰?みたいなスタンスで読む話じゃないですきっと 不思議な違和感をケイトと一緒に恐怖し不安を募らせて行くのが正しい気がしました

    37
    投稿日: 2022.06.12
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    そしてミランダを殺す、読んだことある気がしたけど覚えていないまま本作を。犯人は早めの段階で勘づいてしまったけど、全体としてよくまとまっていて、さくさく読み進められた。

    0
    投稿日: 2022.05.21
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    怖い怖い怖いっ 不安と疑念と差し迫る恐怖がリアル!超良作サスペンスミステリー #ケイトが恐れるすべて ロンドンに住む主人公ケイトが、アメリカに住む従兄と部屋を交換するところから物語は始まる。チャレンジングな新しい生活を求めつつも、もともと不安症持ちの彼女は憂いでいた。 そんな中、交換した部屋に到着した翌日に隣に住む女性が死体で発見されてしまう。誰が殺したのか… 同じアパートに住む人々、訪ねてくる人々、従兄、警察官たちが、さらにケイトを不安にさせていく。 強烈な登場人物たちが暗躍する描写がお見事、ズバリ面白い! どんだけ変態なんだと。 ストーリーの組み立ても素晴らしく、少しずつ見えてくる事実が読み手すら不安にさせてくる。そして衝撃的な真相、殺るか殺られるか… こ、怖いっ 海外ミステリーですが決して読みづらくなく、サスペンスな展開にぐいぐい飲み込まれてしまいます。また重厚感がたまらないですね。海外文化や世界観にも触れられるところも最高です。洋画もいいですが、海外小説もおすすめですよ。 最後にケイトには優しく誠実な男性と幸せになってほしいと思いました。がんばってね。 「そしてミランダを殺す」も傑作ですが、自分はこちらの方が迫りくる感じが好きでした。最新作も読もうと思います。ミステリー好きには鬼おすすめの作品です!

    47
    投稿日: 2022.03.27
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    登場人物みんなどっか精神的にやられてて、怖かった。 コービンのアパートメントがどんな感じなのか、あんまりイメージできなかった。豪華で広くて部屋数多くて・・・。 地下につながる階段は、名探偵ポワロでそういうのが出てきたのでイメージできた。海外では普通なのかな?あの構造はけっこう危険だよね。

    5
    投稿日: 2022.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3部作の第2弾。前作でストーカーと化したキンポール刑事は当然ながら退場。今回は、相棒だったロバータ・ジェイムズ刑事がボストン市警からは参戦です。冒頭の、オードリーの部屋の扉をノックしていた顎のない女性は、〈プロポジション〉のバーテンダー、サマンサなんでしょうか?なんか未回収で、気になる。 あと、ネコのサンダースは意外に活躍していましたが、結局、この(引きこもりらしき)いわくありげな飼い主はブラフだったのね。 ずっとヘンリーの見えない影に怯えていたコービンが、チョロっと検索するだけで「ついにやつを見つけた」となるのは、ボリューム感のバランスが悪過ぎ。キューブリック好きだったってだけで、え?見開きページで到達できちゃうの?ちょっと安直。シラけた。

    0
    投稿日: 2022.03.03
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    怖!こわいこわい。 ケイトは、そりゃトラウマになるわ…という過去の事件から、アメリカでもまた事件に巻き込まれていくのだが、犯人が異常者すぎて本当に可哀想だった。 ピーター・スワンソンは多視点もののサスペンスが上手いんだな、と、『アリス』『ミランダ』そして本書と読んできて感じた。 本書は驚きという点では他著にはやや劣るものの、各登場人物の心理描写や過去のエピソード、そして「現在」に進行している事件にどう関わっているかというパズルのような構成の確かさ。 このようなミステリ(サスペンス)は特に、物語のほんの些細な瑕疵によって、読み手はその没入感や勢いを殺がれてしまうものだけれど、そういったものもなく(たぶん)、終盤ではすっかりケイトの幸せを願うまでになっていた。 大丈夫、ケイトはきっと幸せになれる。 最後の手紙が泣かせた。

    3
    投稿日: 2022.02.19
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    ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住居を交換し、半年間ボストンのアパートメントで暮らすことにする。だが新居に到着した翌日、隣室の女性の死体が発見される。女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人は、彼女とコービンは恋人同士だが周囲には秘密にしていたといい、コービンはケイトに女性との関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 上質なサスペンス、ここにあり。ロバータ・ジェイムズ刑事が、一作目にも登場していたとは気づかず。

    5
    投稿日: 2022.02.08
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    ケイトの恐怖は正しかった。 妄想でも幻想でもなく そぐ側で起きていた。 見えない何かの存在と、 自分の頭の中の声の存在。 一度生まれた恐怖を脱ぐのは簡単な事じゃない。 真犯人が誰なのか、序盤から早々に 予想させておいて、徐々に真の恐怖の内訳が 紐解かれ、読み始めたら止められない。 映像化必須! 映画になっても楽しめるはず。

    4
    投稿日: 2022.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こういうミステリーとサスペンス両方の側面を持つ小説大好き。出てくる登場人物次から次へとヤバいやつばっかで草。それぞれの視点から物語が紡がれていきストーリーが進んでいくのも◎メンタル抉られそうなくらいシリアスでサイコパス。先の展開がどうなるのか気になりすごく楽しくあっという間に読み終わってしまった… この作家さんは初見でしたが他の作品も評価が高いので読んで見ようと思う。

    5
    投稿日: 2022.01.20
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    ロンドンに住んでいるケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことになった。しかし、ボストンでの新しい生活が始まって早々に、同じアパートメントに住むオードリーという若い女性が殺されるという事件が起きてしまう。 過去に恐ろしい経験をしたケイトは極端に怖がりで、悲観的なものの考え方をしてしまう傾向がある。でも今起きていることが果たして、彼女の勘違いなのか、それとも実際に起こっていることなのか、読んでいるわたしたちにはもちろん判断がつかない。 コービンはどうやらオードリーと関係があったようだが、なぜかそれを周りに隠していたらしい。そして、オードリーの向かいの部屋に住んでいる、覗きが趣味のちょっと異常者のように描かれている男性の存在も怪しい(でもケイトは彼にちょっと惹かれちゃってる)。 物語の語り手はくるくると変わる。これがまた面白い。彼らが語る自身の過去が、非常に壮絶で恐ろしいから。 誰もが心の中に、または過去に、様々な秘密を抱えているのだ。まともな人は一人もいないように見えるため、全員が怪しく感じられる。 果たして本当の犯人は誰なのだろうか。 その犯人の魔の手はケイトにも届こうとしている。 ラストに近づくにつれて緊張感は加速していき、息も詰まるくらい。 なかなか読み応えのあるサスペンスだったと思う。 『そしてミランダを殺す』も面白いみたいなので、ぜひこちらも読んでみたいと思った。 しかし、外国ではおうちを交換して暮らすというのは日常的に行われていることなのだろうか。 昔『the Holiday』という他人同士(確かそうだったと思う)の女性が、住んでいる家を交換してしばらく生活するという映画を観た。 自分の家に他人が暮らすなんてねえ。。。 移り住んだ先に、若き頃のジュード・ロウがいるならそれも悪くないけど。

    4
    投稿日: 2021.12.09
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     小説が始まってほどなく主要な登場人物はすべて登場するが、出てくる人物すべてのクセがすごい。サイコパスな犯人による猟奇殺人が絡んでいるが、どこまでが犯人サイドで、どこまでが被害者になり得る側なのか、ストーリー展開はスピーディーで先を読み急がせる。鳥肌モノの最後のあと、もうひと展開期待したが、そこまではそこは抜けていなかった。

    4
    投稿日: 2021.07.24
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    ミランダ〜から早数ヶ月。無駄な寄り道が多いイメージの作家だが、今回は最後まで楽しく読む事が出来た。 又従兄弟のコービンと住居交換をしたケイト。 過去の男ジョージの黒い影に苦しみ、自分を変えるために踏み出した一歩のはずがーー。 翌日隣人オードリーが不審死を遂げる。彼女を取り巻くアランやジャック 悲劇の定番スパイス複数メンズの存在。このスリーメンズの発言はどれも興味深く、まるで「ダウト」をしているかのよう。 誰が真実を語り、誰が嘘を吐いているのか...主にこちらが読者の興味をそそるメインストリートとなるのだが、この侵食していくようなジワジワと進む前半とは打って変わって、終盤に入っての突如のギア変。THE サスペンスなスピード感は読者の休息を許してくれない。言ってくれればその前に睡眠を挟んだものを...寝不足だ... 酷いトラウマから抜け出そうとするケイト。 消して熱意や根性がある訳ではなくどこか「あわよくば...」な彼女の姿勢に第三者として不快な気持ちは持てど、そんなグラグラのメンタルに「リアル」を感じとても好感的なキャラクターとなった。 星の欠けた部分は、スリーメンズ達の行動だ。恋愛の仕方が嫌!!!ヒーローな自分に酔いしれてる感が堪らなく嫌!!!!でもこの嫌悪もまた楽しいから困った物だ。 ーーーーーーーーーーー サスペンスが主食の貴方。是非、オードリーの不審死の真実とケイトの行く末にドキマギしながらこの作品を楽しんで下さいませ。

    78
    投稿日: 2021.07.16
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    主人公のケイトが又従兄のコービンと住居を交換した直後、隣人の死体が発見される所から始まるサスペンス。描写が非常に緻密で序盤は頁を捲る手が滞ったものの、話が動き出してからは俄然捗る。伏線を全て回収し、収まるべき所にきっちり収まる非常に懇切丁寧な作品ではあるが、筋書きの割に遠回りした印象は否めないし、犯人視点の第二部が冗長ゆえに第一部のラストをピークに物語も盛り下がっていく。犯人が典型的なサイコパスだと意外性がなさ過ぎてどうしても興醒めしてしまう。食事の描写は「そしてミランダを殺す」と同様に秀逸だったけれど。

    1
    投稿日: 2021.06.24
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    二股恋愛で遊び半分が殺害事件となった。アリバイトリックで即座には逮捕されなかったが犯罪は繰り返された。人間は一度上手くいくとうまく逃れると思ってしまうのか。

    0
    投稿日: 2021.04.15
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    ミステリー。 ロンドンに住むケイトは、ボストンに住む又従兄のコービンと住居を半年交換する事になる。 ケイトがボストンの交換した住居に到着した翌日に、隣人が死体で発見される。 疑わしい人物が複数出てくるが、物語に出てくる男達が、全て変だった(笑)。 ケイト自身も過去に壮絶な体験をしている。 ケイトの過去と、コービンの過去が語られていくが、ストーリーが進むにつれて、想像の上をいく狂気が展開されていく。 凄いストーリーだった。

    4
    投稿日: 2021.01.11
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    他の人が誉めている程、感激はしなかった。 多分和訳の文章を読みづらいと感じたせいかも。 本の中で一番気に入っているのはサンダースの描写。もしくは誰かが語るサンダースの性質。彼は建物全体を自分の住みかだと思っているし、住人全員を彼のスタッフだと思っている。可愛い。彼はこの建物に属している事は明らか。

    1
    投稿日: 2020.09.13
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    「そしてミランダを殺す」でもそうだったが、読者は早めに犯人を知ることになる。そこから物語がどう収束していくか。 ミランダの時は完全犯罪に成功したと思わせて、最後の最後でどんでん返しがあった。 今回は、意外にも普通に対決して終わる。 それに犯人が行き当たりばったり感満載で、前作に比べて少々物足りなさも残った。

    7
    投稿日: 2020.07.24
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    ロンドンに住むケイトは、又従妹のコービンと半年間住まいを交換し、ボストンで生活することにする。到着翌日に隣人女性の遺体が発見され…。悲惨な過去によるパニック障害を抱え、自分自身の記憶にも自信がなく、不相応に豪華なアパートメントの一室で他人の侵入した気配に怯えるケイト。ミステリというよりはサイコサスペンスに近いでしょう。ミランダ同様視点が変わるたびに畳みかけてくるように伝わってくる状況と真相に一気に読みました。途中の衝撃やラストの余韻はミランダの方が好みですが、それでも十分楽しみました。

    0
    投稿日: 2020.05.21
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    読みやすい訳文、ひねりの効いた展開、思った以上に良い作品でした。ただ途中の殺人の場面の陰惨さに比べると、ラストが予定調和的なのではないかと…。もっと嫌ミス的な終わり方にして欲しかったというのは望みすぎでしょうか。

    0
    投稿日: 2020.05.10
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    面白かったー。ドキドキする!これ映像化したら怖くて早送りしたくなる! 犯人はこの人かなとわかってしまったけどそれをわかったとしても面白く読めました。

    1
    投稿日: 2020.04.24
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    主人公ケイトは常に頭の中で最悪の事態を想像してビクビクし時にはパニックに陥ったりもする。それは過去のトラウマのせいなのだが、同情よりもイライラさせられる。物語に出てくる男性はどれもこれもクズばっかりだし、ハッキリ言って疲れる作品だ。同じ出来事を語り手を変えて明らかにしていく手法は、気を付けないとまんまと作者の罠にハマってしまう。でも読まずにはいられない、ケイトはどうなるのか、男たちはどうなるのか、気になってラストまで一直線、まんまと罠にハマったようだ。

    0
    投稿日: 2020.02.29
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    ロンドンに住むケイトは又従兄のコービンと住居を交換し、半年間ボストンのアパートメントで暮らすことにする。だが新居に到着した翌日、隣室の女性の死体が発見される。女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人は、彼女とコービンは恋人同士だが周囲には秘密にしていたといい、コービンはケイトに女性との関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか?想像を絶する衝撃作!(文庫うらすじより) 作者のピータースワンソンの作品は昨年の『そしてミランダを殺す』に続き2作目でしたが、『ミランダ』も恐かったけれど、これも相当恐くて、読んでいて本当に心臓がドキドキしました。 川出正樹さんの解説によると「自分の家が、恐怖を感じさせる安心できない場所に変容していく」ゴシック・スリラーというジャンルだそうです。 それにしても、またもや恋人を何人も殺していく設定は大変恐ろしく、恐くて、恐くて、途中で何度も投げ出したくなりましたが、結末がわからないのが一番怖いので頑張って437ページ読みました。希望の持てるラストだったのは救いでした。そして、これだけ怖いというのは、作品としては大成功なのだろうと思います。 私は、この作者の数回に渡って視点の変わるところなど、話づくりは巧みで上手いと思いましたが、これ以上恐ろしい作品には耐えられそうもないので、次回作以降はやめておいた方が無難かと思いました。 心臓の強い方には大変お薦めの作品です。

    31
    投稿日: 2020.01.12
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    これも面白かった!! 前作『そしてミランダを殺す』では、語り手の視点がどんどんと入れ替わり『狩られる者が狩る者となり、そして狩る者が狩られる者となる』というジェットコースターサスペンスミステリーとして非常に楽しめたが、本作『ケイトが恐れるすべて』も前作『そしてミランダを殺す』と同等、いやそれ以上のサスペンスミステリーを著者ピーター・スワンソンは読者に楽しませてくれる。 随所にヒッチコックをオマージュしているシーンもあり、往年のミステリファンも唸らせることだろう。 ストーリーは、アメリカ・ボストンに住む、実際には会ったことのない又従兄のコービンから、彼がイギリスで半年間の仕事をする必要が生じたことからその間、ロンドンで一人暮らしをするケイトと住居を交換しようという提案がある。 ケイトはその提案に応じ、ボストンのアパートメントに引っ越すのだが、その日の翌日、コービンの部屋の隣室の女性が殺されているのが発覚した。 殺された女性とコービンとは恋人同士だったのか? コービンがその女性を殺してイギリスに逃げたのではないだろうか? ケイトは過去のとある事件から極度の被害妄想を患っており、すべての減少が自分を陥れる悪夢ではなのかと想像する。 そしてさらにケイトを混乱させる出来事が次々と起こっていくのだった…。 本書は、ヒッチコックの上質な古典名作ミステリー映画を見ているかのような雰囲気の心地よさから一転、激しいサイコ・スリラーに変貌していく。 誰もが本当のことを言っているようで、絶対に誰かが嘘をついている。 そしてケイトの目には、目に映る誰もが『殺人鬼』に見えてきてしまう。 本作も前作『そしてミランダを殺す』ほどではないが、同じ出来事を別の登場人物の視点から描くという「別視点による繰り返し描写」が多用されている。 まさに3歩進んで2歩下がるような物語の進み具合なのだが、これが冗長に感じられず、むしろ小気味よい。 これは筆者の筆力の素晴らしさによるものだろう。 そして特筆すべきは著者ビーター・スワンソンが登場させるキャラクターがどれも一癖も二癖もある個性的なキャラの持ち主ばかりなので、目の肥えたミステリー好きの読者たちを全く飽きさせないところがミソなのだ。 例えば、被害妄想の持ち主である主人公のケイトや過去に隠された秘密を持つコービン、そしてケイトと同じアパートメントN住む覗き趣味を持った隣人、そして謎のシリアルキラーなど本書に登場するキャラクターの誰もが「もしかしたら現実にいそうでありながらも、やはりフィクション的な性格を持っている者」という「リアルとフィクション」のギリギリの線を攻めたキャラ作りが秀逸なのだ。 このキャラ作りは前作『そしてミランダを殺す』で完全なサイコパスなのだが、読者の共感を得てしまうという主人公の美女リリーにも当てはまる。 人間の性格は、単純ではなく、多層構造をもった非常に複雑なものであるが、それを全部小説のキャラクターに書き落としてしまうと、読者はキャラクターの性格を把握しきれず混乱してしまう。 だからこそ小説に限らず、いわゆる『物語』に登場するキャラクターはその性格をある程度、単純化させているのであるが、著者ピーター・スワンソンは、読者が混乱しない程度に登場するキャラクターの誰もに「多重的な性格」を持たせている。 このさじ加減が絶妙であるからこそ読者は、そういった意味において、主人公のケイトもコービンにも、そして覗き趣味の隣人にもすら魅了されてしまうのだ。 本書のストーリーは「あっ!」と驚く大どんでん返しとまではいかないが、最近のミステリーの中では秀逸な面白さである。 前作『そしてミランダを殺す」、そして本書「ケイトが恐れるすべて」と連続してスマッシュヒットをたたき出すピーター・スワンソン。 僕の中で「今後も必ず新作が出たら読もうと思うミステリー作家リスト」に彼が入ったのは言うまでもない。

    26
    投稿日: 2019.12.28
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    2019.12.18読了 そしてミランダを殺すが衝撃的な面白さだったので、今回はかなりの期待をもって読み始めてしまった。 ミランダの時の衝撃感とまでは言わずとも、よく計算された面白さでかなり楽しむことができた。 最後にどんでん返しがあるわけでもなく、よくあるシリアルキラー系の話がピーターの手に掛かるとこんなにもドキドキするのかと、今回も高評価

    0
    投稿日: 2019.12.18
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    過去の恋人の被害から恐怖症かかえるケイトが自分のロンドンの部屋と又従兄のボストンの部屋を交換し、移り住むが、すぐに隣人の殺人事件が発生する。事件の被害者と又従兄の親密な関係があり、事件は恐るべき他の事件とかかわりがあることが次第に明らかになる。主要登場人物が病んだ人たちの小説。

    0
    投稿日: 2019.12.16
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    人物描写が深くて丁寧。登場人物が目の前で動いているように思えたほど。翻訳作品を読んでる感覚がありませんでした。実に気持ち悪い奴が登場しますが、展開が見事で目が離せなくなり後半は一気読みでした。面白かったです。羊たち、、を思い起こさせるショッキングさ。次の作品が早く読みたいです。

    0
    投稿日: 2019.11.17
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    前作、「そしてミランダを殺す」を読んだ時のドキドキ感&面白さは、ヒッチコックの映画を見てる時と同じ感覚なのだなと再認識した。『裏窓』。 作者がミステリーの古典を敬愛していることがわかる。

    6
    投稿日: 2019.11.04
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     この作家を一躍有名にした『そしてミランダを殺す』を読んでいない。昨年の『このミス』2位となったことで気にしているのだが、ぼくの側の環境が変化した。現在の新刊を追うことで手いっぱいの多忙な日々となり、いろいろと遅れを取っている。  しかしこの作家の凄みは、本作でも十分に味わえる。とても完成度の高い、幻惑に満ちたスリラーである。主人公がケイトというヒロインであるのは間違いないが、実はケイト以外の視点にストーリーはダイナミックに移動する。ロンドン在住のケイトが、会ったことのないロンドン在住の又従兄弟コービンと、半年間住居を交換し合うという経緯からすべては始まる。最初からタクシーでトンネルに入り込んだケイトが暗闇に対しパニック障害を起こすというイントロも、どこかヒッチコック映画を思い起こさせる伏線のように思える。  そして新居に着いた途端、隣室でその住人女性の遺体が発見される。完全な巻き込まれ方殺人事件と単純に思われるが、ストーリーテリングは空間と時間の歪みを自在に辿りつつ、視点と時制を変えて、物事が見た通りでは決してないということを読者に知らしめる。  真犯人しか知り得ない真実への経路は、時空の視点を変化させつつ、語られる作者の作品展開であり、実は何よりもそれこそが本書の優れた離れ業とも言える。凡百のホラーやサイコに陥ることを嫌い、ある異常な真犯人による凝りに凝った執着と異様なる性癖を、語り口によるスリリングな解き明かしによって描いてゆくのだが、これがむしろストレートなホラーよりもずっと怖い。背筋に何かが這い回りそうな、脂汗ものの嫌な種類の恐怖を感じさせるのだ。  視覚や聴覚、嗅覚や触覚にまで訴えてくる感覚的な怖さ、なのである。それでいて構成の妙で読者はぐいぐいと引き込まれてしまう。主要登場人物は多くはないのだが、それぞれに個性的であり、謎に満ちた疑わしい人物たちが、ケイトも読者をも幻惑させるかのように入れ代わり立ち代わり出現する。誰が誰であるのか? そんな足元さえぐらつきかねない懐疑は、やはり皮膚感覚的に怖い。  虚実入り乱れるとは、本書のような作品展開を言うのだろう。驚愕のスリラーであることを請け合いたい。個人的には『そしてミランダを殺す』も射程に収めておくことにしよう。

    3
    投稿日: 2019.10.30
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    『そしてミランダを殺す』の著者の新作。 今回はひょんなことからボストンに住むことになった ケイトというイギリス人の女性の周りで起こる不可解な事件の数々。 読み終わった後の感覚で言うと、どこかスッキリはしなかったなと。 それが狙いなのかもしれないが。 とは言え、物語のケイトの抱える情緒不安定な部分が 最後まで読んでいる我々にも与えてきたのは確か。 読み進めていくうちに、思わぬ斜め上からの展開が待っていて ミランダの時とは別の驚きが待っていた。

    0
    投稿日: 2019.10.18
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     不安症で過敏なケイトは、過去に陰惨な事件の被害者となった。  イギリスに住む彼女が、アメリカに住む従兄弟と部屋を交換することとなった。  環境を変えて過ごそうと思うその時に、隣の部屋の住人が遺体で発見される。  だれが隣人を殺したのか。どうしてなのか。ケイトの不安は過剰なのか、などなど読み応えのある展開なのだが……。  この話に出てくる男性陣がものの見事に癖のある人間しかいないことが一番驚き。  ケイトにはたくましく幸せになってほしい。

    0
    投稿日: 2019.10.13
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    ロンドンで一人暮らしをしているケイト。会ったことのない又従兄弟のコービンが仕事でロンドンに行くので、半年住まいを交換しようと提案され、ボストンに行くことにした。コービンの住まいは三階建てのドアマンがいるような豪華なアパートメント。何人かの住人と知り合いになった。すると、隣人のオードリーが殺されてしまった。住人によるとコービンとオードリーは恋愛関係にあるはずなのに、コービンはそれを否定する。なぜ?殺したのは彼なのか? ケイトは強迫神経症気味で、周囲に対していつもビビっている。この不安定な語り手の存在がユニーク。それと章を替えて、コービンが語り手になるのだが、真相(なぜ交際を隠したのか)(誰が殺したのか)について明らかになると、思わず、そう来たかっ、とつぶやいてしまった。ちょっと長いかなーとは思ったけれど、なかなかの秀作だった。

    0
    投稿日: 2019.10.11
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    親戚のコービンと半年間お互いの住居を交換することになったケイトは、イギリスからアメリカへ初めて暮らすことに。再出発の人生の足掛かりになるはずだったその生活は、隣室で女性が死体で発見される事件によって、思いがけない方向へ転がっていく…… 序盤からどこか不安定な女性の視点から始まって、やがてほかの視点からも物語が綴られて、意外さに意外さを重ねて最後は綺麗に収束を迎えていく。その視点のスイッチングの鮮やかさと、飽きさせない意外な展開な連続に読ませてくれました。 個人的には某日本古典ミステリの要素を勝手に感じて、視点のひとりの持つとある「性癖」が実は物語全体をも覆っていたのだと気づく終盤はなかなかの気持ち悪さでした(褒めています)。 そもそもの設定、「親戚とはいえ顔も知らない、しかも男女間での住居交換」がどれほどリアリティがあるのか欧米の習慣を知らないので、そこが話のミソかと思ってたりしたのですが、それは普通にそういう流れで……こういうことって実際にあるんかなあというのは、ちょっと思ったところでした。

    1
    投稿日: 2019.09.29
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    面白かったなぁー。 前作同様、中盤までの、え?え?そうなの!?そうなんだ!という展開はすごい。そのあとはどうなるのかとはらはら。最後まですごく楽しめた。ケイトよく頑張ったよ…。 今回はちょっとほっとする終わりかた。

    0
    投稿日: 2019.09.29
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    過去の事件のトラウマでパニック障害を抱えるケイトが、異国の地ボストンで再び事件に巻き込まれる。でも絵が上手で肖像画を描くのが得意という彼女の一芸が事件解決の糸口になるところが良かった!読後感すっきりでひと安心でした。 気さくに話しかけてくるイケメンには注意ですね!

    0
    投稿日: 2019.09.26
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    物語はロンドンに住むケイトと、ボストンに住む又従兄のコービンが半年間だけ住居を交換する場面から始まる。ケイトは初めて米国を訪れるが、女性の死体が発見された日から、恐怖の世界へと導かれる。物語を複雑にしているのは、ケイトが過去の恋愛において悲惨な事件を体験してトラウマを抱えている設定で、これがサスペンスを高めている。 ​ 誰にいかに語らせるかという点が重要で、それぞれの語り手が読者に対して嘘をつかず、隠し事をしていないにも関わらず、じわじわと不穏な雰囲気に支配され、予想外のクライマックスへと流れていく。どうしても『ミランダ~』と比べてしまうが、完成度では前作の方が上回っているが、ぞわぞわくる雰囲気は本作品の方が好みかな。​ ​ 不埒な悪が浮き彫りになるイヤミス風なのに、後味は悪くない巧さが気に入って、やや甘めの評価。なーんか好きだわ、この作者。

    0
    投稿日: 2019.09.21
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    『ケイトが恐れるすべて』 秀逸なタイトルである。 『そしてミランダを殺す』もよかったが、こちらも素晴らしい。 しかし、読了後の印象を言うならば、 『ミランダはケイトを殺す』 『実はミランダより恐ろしい』 だろうか? 『そしてミランダを殺す』の、あのピーター・スワンソンの新作である。 人は『ミランダ~』級の恐怖を期待してしまうではないか。 知らず知らず呼吸が浅くなり、脳神経をビリビリと電流が駆け抜け、ある瞬間、「えー!」「ひー!」などと声をあげてしまう恐怖! 興奮! そんな『ミランダ~』と同質の恐怖を期待したむきには、残念としか言いようがない。 この本に、あれと同質の恐怖はない。 あちこちの評判を見るに、つい『ミランダ~』を望んでしまった人が、辛い点数をつけているようだ。 無理もない。「思っていた恐怖と違う」のだから。 しかし、この『ケイト~』には、違う種類の恐怖があるのだ。 『ミランダ~』より怖いものが。 人は空港や列車で初めて出会った人と、その後の人生を変えてしまうような"プラン"を練ることはめったにない。 しかし、住む場所を変えることはある。 向かいに誰がいるか知らない、隣になにがあるか知らない、そんな新しい環境に身をおくことはある。 気の合う人と友達になったり、親友になったり、いいなと思う人とデートを経てつきあうこともある。 人として当然の営みである。 相手がどんな人かもわからないのに。 そう、考えてみれば、『ケイト~』には、『ミランダ~』よりよほど身近で現実的な恐怖があるのだ。 なのに、さすが『ミランダ~』は強烈だ。『ケイト~』の面白さを潰してしまった。 人はいざ知らず、私はうすら寒い恐怖に息のとまる心地がした。 今夜から戸締まりを念入りにすることにする。 そつなく、確実にだ。

    1
    投稿日: 2019.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    サスペンス強めで、謎的要素があまりなくて、見せ方に工夫系はあまり好みではないのでこの評価。 今回はその工夫もあまり効いていない。 サイコパスがひとり強烈だけど、周りの人もみんなおかしいと思うし、読んでいて楽しくない。

    0
    投稿日: 2019.09.05
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    期間限定で又従兄弟とアパートを交換した女性が、引っ越し早々に殺人事件に巻き込まれる。過去のトラウマもあり疑心暗鬼になった主人公は、精神的に徐々に追い詰められていく。 前作の『そしてミランダを殺す』がおもしろかったので手に取ったのだが、犯人の正体は早々に目星がつく。 でも、不安障害もあって精神的にもろい主人公が、誰を信じればいいのかわからず、危険だらけのなかで追い込まれていく緊迫感あふれる描写は巧みで、上質なサスペンスを味わえた。 真相が明らかになってからの説明は冗長で、まだ意外な何かが起こるのかと勘ぐってしまうほど。犯人の異様さを強調したかったのだろうが、もう少しさらりと終わらせてもいい。

    0
    投稿日: 2019.09.01
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    誰を信じていいのか、なにが本当で嘘をついているのは誰か。自分が知っていること、知らないこと。他人が知っていること、知らないこと。そこの駆け引きが面白い。思いもよらない出来事、展開に目がいくけれど登場人物たちの心の動き、自分すら疑ってしまうような混乱や焦り、読者にはフェアに伝えられているけれどそれでも先が読めない。前作も今作も満足度はすごく高くもっといろんな作品を読んでみたくなる。

    3
    投稿日: 2019.08.18
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    読み進めさせる力は強いのだけど 「カササギ殺人事件」の時にも感じたけど こういうちょっと古めの造りって 流行ってるのだろうか? 「驚愕の真相が」「衝撃の〜」とかは弱く 前作のインパクトが強くて、驚きが少なかった… 期待し過ぎたというだけなので 「そしてミランダを殺す」を未読の方には オススメ

    2
    投稿日: 2019.08.18
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    サスペンス王道なんだろうなって作品だけど、やられたー!的なカタルシスは特になく淡々とストーリーが進み終わる。 本格派と言えばそうだけど、アクロバット決めてくるサスペンスが最近多い中ちょっと弱いんじゃ無い?と思ってしまう。 惜しい。

    1
    投稿日: 2019.08.14
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    サスペンスとして面白かった。ちょっと『レベッカ』やパトリシア・ハイスミスを連想させられるような。 ただ惜しむらくは、「そうかアレはコレだったのか〜」という答えが幾分丁寧過ぎるかなあというのと、哀切が少なめ。 いろんな本が出てくるのが付録的に面白い。

    0
    投稿日: 2019.08.06