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「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)
「鬼畜」の家―わが子を殺す親たち―(新潮文庫)
石井光太/新潮社
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総合評価

42件)
3.7
4
21
10
1
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    ネグレクトや児童虐待の裏には、連鎖する劣悪な家庭環境があることを知った。 今後世の中がそういった家庭へのアプローチを深く取っていけるように変われば、救われる子供、そして母親も増えると思う。

    1
    投稿日: 2025.08.06
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    自分は親という立場はまだ経験していない。その事を前提に感じた事を。 決して他人事では無い。関心領域。 子供の立場にせよ親の立場になっていたとしても、これは「もしも」の自分達では無いかと思いました。 本書での親達はどこも劣悪な環境で育っており、そのまま大人になり子を成した親達は、子の育て方、愛し方が世間一般から見て常軌を逸してはいるが歪んでいるだけ話。きっと彼等なりに「本当に愛している」と、ある種の自己暗示に掛かっていたのではないだろうか。 自分自身も物心つく前から母と祖母、兄弟3名で暮らしていたが、裕福な訳では無くむしろ困窮していた筈なのに、まともな環境で不自由なく生活を送り、一般的な家庭として成り立ったのは、もはや偶然の産物であり奇跡なのでは無いかと考えた。 しかし、こうしている間にも何処かの家庭では虐待が行われているし、残念な事に普通に暮らしていても、隣の部屋で起きていようが余程確信めいた出来事が無いと誰も察知出来ない。きっとこの悪意の塊はこの世から無くなることはない。 綺麗事を言うようだけれど、だからこそ関心を向けたい。 親になって知ってからでは遅い。全ての青少年にこうした事件に関心を向け、自分自身も含め、いつか親になるその時まででいいから心の片隅に仕舞っていてほしい。

    4
    投稿日: 2025.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子どもを殺した親たちの事件のルポタージュ。 3つの事件のことが書かれている。どれも大きく報道されていたので、私も覚えている。 と思ったけど、二つ目の事件は記憶の中ではかなり曖昧だった。子殺しの事件は他にもありすぎて覚えきれてない。 Case1:厚木市幼児餓死白骨化事件 3つの事件の中でも、この事件は私の中で一番印象が強い。というのも、私も厚木市に住んでいたことがあるからだ。現場近くの様子や厚木市内の様子などの描写は、私の知っているものと重なってしまった。 そして、それとは別でもう一つこの事件を印象付けたのは『逮捕されたのは父親』という点だった。それまでは子供へのネグレクトでの死亡は母親逮捕のニュースしか見たことがなかった。父親が逮捕される場合は暴力による虐待が多く、ネグレクトで父親が逮捕されたことも珍しかったように思う。 事件の大まかな概要は『母親が育児放棄をして家を出る。その後、父親が5歳の理玖(りく)くんをネグレクトして餓死させた』というもの。 私は事件が最初に報道された時、『母親が死んで父親一人で育児をした結果なのだろうか』と思っていたけれど、蓋を開けるとそうではなかったことに驚いた。でも、詳しく追っていたわけではないので、この本でさらに詳しく両親の話が掘り下げられている。 父親の幸裕(ゆきひろ)の家庭環境は母親が統合失調症。父親が放任主義で、病気の母親を幸裕が支えつつ、弟、妹の面倒も見ていた。母親の状態はかなり酷く、火に執着して蝋燭をあちこちに並べるようになる。 ……幸裕の家庭環境は劣悪で、『記憶できない』状態になっていたともあった。虐待環境にいる子どもたちにはよくある「忘れることで自分を保つ状態」になっていて、裁判でも多くのことを「忘れた」と答えているとあった。 対して理玖君の母親である愛美佳(あみか)(仮)の家庭環境は老舗旅館経営一族の三姉妹の二女。これだけみると、安定した家庭環境に見えるけれど、内実は祖父、父親の女癖が酷く、それに対抗するように母親は三姉妹に勉強を強いて、愛美佳はそれについていけなかった落ちこぼれだった。 長女が上手く順応してしまった分、二女の負担は増えた。そして、家から逃げるように街をうろつくようになり、幸裕と出会い理玖君を産む。 理玖君は家の外に出て警察に保護され、児童相談所に繋がっている。そこで発達の遅れが記載されている。 『理玖君は三歳になっても「会話をすることができない」で、「職員にかけられた言葉をおうむ返しに答えるだけ」、言葉も「日本語かどうかもわからないような奇声を上げ」ることしかできなかった。さらに、「耳の中は垢」だらけで、「爪は伸びて」いて、食事を与えると「左手で手づかみで食べ」ていたらしい。理玖君は左利きだった。』42p この状態でも支援の手が入らなかった。…児相側の意見みたいなのも本には書いてあった。当時はこの案件は虐待とはされなかったと。時代の隙間と言うか、そういうものの間に理玖君はストンと落ちてしまっている感じもする。 理玖くんの死が明らかになったのは死んでから7年後の2014年。その間、子供一人学校に通ってこないことを疑問視する大人がいなかった。でも、同時にそれは子育て夫婦を気にかけていた大人がいなかったということ。 そして、事件とは別で、私は男たちの言葉にうんざりしながら読んでしまった。 『――では、なんで理玖君は亡くなったのだと? 「そんなの俺が知りたいっすよ。俺はちゃんとかわいがって、やることやってましたから。誰より一番理玖の世話してましたから!」』72p 父親の幸裕の言葉がこれだけど、愛情だけでは子供は育たないというのがここからも分かる。必要なのは知識で、『かわいがる』『やることやる』という個人的基準ではない。でもこれ、悲惨なのは男だから子育てをする必要がないとして社会も男に子育て知識を与えようとはしてない現実もあるんだよな。2000年代ならまだ男は子育てしない方が多かったと思う。それが、いきなり押しつけられて頑張ったのに『なんで俺だけのせいなんだ』という不貞腐れになる。そして、怖いことに社会も同じということが、愛美佳の働いていた風俗店の元店長の 『でも、最初に捨てたのはあの女の方だろ。男が働きながら一人で育てるなんて、できるわけねぇじゃん。』100p この言葉にも表れているなぁと思う。この事件のニュースのコメントにもこういうのがごろごろ沸いてたと思う。気持ち悪すぎて、私は見ないようにするのが大変だった。 同じ言葉をそっくりそのまま男たちに返したい。 Case2:下田市嬰児連続殺害事件 読みながら、ファミレスで働いていた女性が赤ん坊を隠していた事件を脳内から引っ張り出した。たぶん、この事件も私は見ていたと思う。類似事件が多すぎて、記憶に残っている部分が小さいだけ。 この本で明らかになっている部分は確かに私の知らない情報ではあるのだけど、類似事件でよく見聞きする範囲内のものが多いなと思ってしまった。 事件の概要はいたって簡単で、『母親や親族に搾取されている女性が、断り切れずに身体を男性たちに明け渡し、妊娠。中絶費用を貯めることも出来ずに出産後にその遺体を隠した』というもの。 こんな事を言うのは吐き気がするけど、本当にありふれた事件で私もこれらの事件は覚えられない。 『育児は両親の責任であって、どちらかだけがすべてを負うべきものではない。』75p となってるけど、育児だけではなくて妊娠出産も同じだから。男女がいないと子供は出来ないのよ。なんで妊娠出産だけ女性側の問題をことさらにあげつらうのか。なぜ『この女性から生まれた子供は自分の子どもではないのかもしれない』と思う相手と性行為をするのか。そういう疑問を持ってほしかったなと思ってしまった。 Case3:足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件 これも覚えてたつもりだったけど、遺体はでていなかったと書いてあった。細部の情報までは覚えてなかった。 事件の概要は『3歳次男をウサギ用ゲージに入れて監禁して殺した。二女は虐待されていたのを保護された。しかし、次男の死体は見つかっていない』というもの。 両親の生い立ちが5人兄弟の長子で親の気まぐれに振り回される環境だったという事が書いてあった。先を考えることができず、行き当たりばったりの傾向があることも書かれていて、それらが合わさって次男は死を迎えることになった。 『取材をここまで進めたうえでこれらを見ると、二人は二人なりに家族を愛していたと認めざるをえなくなった。その方法も感覚も根本からまちがってはいたが、夫婦なりに精いっぱい、子供たちの笑い声が絶えない温かな家庭を築き上げようとしていたのだ。』301p これは合っているようで間違っている。人は『機嫌のいい時があれば、悪い時もある』そして、虐待家庭はこの振り幅が大きいというだけなのだと思う。 機嫌のいい時に子供をかわいがり、機嫌が悪ければ暴力暴言の限りを尽くす。それだけの話で、『機嫌のいい時の子どもたちと親の笑顔』を愛というのも違うと思う。それを『愛』と言ってしまうのは、殺された子供たちがあまりにも救われない。そして、殺されずに生き残ってしまった子供たちにとっても救われない。 機嫌のよさを愛と呼ばないでほしい。 ただし、親たちもまた虐待された子供であり、生き延びてしまった子供であることには違いがない。親たちが殺した子供を愛せなかったように、親たちもまた自分の親には愛されていなかった。それが虐待の連鎖を産むというだけの話。 事件をただの『消費』として使ってはいけないと書いてあるのだから、相談窓口、支援機関etcの一覧を最後に載せるくらいはしてほしい。というか、この先の未来ではこういう本にはそう言う一覧が載っている本がたくさん出てると良いと思う。 ごちそうさまでした。

    2
    投稿日: 2025.04.19
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    著者の平凡な価値観と感傷をベースにした、物語調のノンフィクション。 明らかに創作ではないかと思うセリフや、異常者に仕立て上げるような印象操作が垣間見えて、真実がどこまでなのかがわからない。おそらく事実も含んでいるはずなので、より悪質な惨劇ポルノになっている。 また、エピローグやあとがきも酷く、生い立ちの環境が酷悪だから、親から悪の根を断つべき、とステレオタイプな結論になっているが、結局どうやって?という疑問しか残らない。 興味本気で理解したつもりになりたい人などの、感情や同情を煽って楽しませるような内容なので、ノンフィクションをうたっている分、読者に害を与えるレベルだと思います。 ウシジマくん読んだ方がマシ。

    1
    投稿日: 2025.03.04
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    酷くて目を背けたくなるが、現実に起こったことなのだ。悪意で人を傷つけるというより、愛し方/生き方を知らない。深く考えられない。 ヒトの生き方、倫理にもとるけれどもそういう大人をいわゆるフツウの大人に近づけなければならないのか?ヒトはケモノなのでは?等々、考えることが多い。 「境界」と思う。 あとがき(エピローグ)で本当に救われた。

    1
    投稿日: 2025.02.17
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    audible27冊目。 我が子を虐待し殺害してしまう事件はよく覚えているつもりでしたが、この本に取り上げられた事件については、すべて記憶にありませんでした。 どれも、詳しい経緯や実態を知れば知るほど「鬼畜」だと感じ、忘れられないような事件なのに… もしかすると、その凄惨さから、テレビでは詳しい内容まで報道されなかったのかもしれないし、あるいはわたし自身が、「またこんな事件があったのか」と感じただけですぐに忘れてしまったのかもしれない。 いずれにしても恐ろしく、悲しいことです。 幼い子どもを死なせてしまった責任をなすりつけ合う親の言動に怒りを覚えましたが、その親たちの生育環境を辿ると、さらにその親に大きな問題があったことにも気付かされます。 事件の真相を追うだけでなく、このような悲しい事件をなくすためにはどうしたらいいのか、を考える機会を与えてくれます。 特に、救済を求める母子を支援する団体の活動が取り上げられていたところがとても印象的でした。 このような活動をしてくださっている方々のおかげで、親も子も救われていくんだなと思いました。 こういった活動を充実させるための助成金の支給や、さまざまな体制の整備や周知などの必要性を痛感しました。

    0
    投稿日: 2025.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    虐待という言葉が広く認知されるようになったきっかけとも言える 「厚木市幼児餓死白骨化事件」 「下田市嬰児連続殺害事件」「足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件」 の3つの事件を掘り下げたドキュメンタリー。 こどもに罪はなく亡くなるまでどんな気持ちだったのだろうと思うと胸が痛かったが、結果として虐待をしてしまった親たちもちゃんと育てられた経験がない被害者だったことも悲しかった。 こういう事件の被害に合うこどもが1人でもいなくなる世界になりますように。

    0
    投稿日: 2024.11.20
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    正直、オススメして良いのか迷う本だ。 著者は行動力も取材力も高く、この本を書こうと思い立った動機は裁判に納得いかないという正義感なのだから、内容としても素晴らしい。冒頭の所感は、そうではなくて、本の題材と取り扱われる人たちだ。次元が違う。視野を広げておくには良いが、残酷で救いがなさ過ぎて気持ち悪くなる。人間の多様性とは、こういう人たちが存在する、という事も意味するのだろう。 こういうことを書いてよいのかわからないが、恐らく、境界領域なのだろう。求められれば直ぐに身体を許してしまう女性。避妊しないことも許容し、その度に懐妊するが、一人で産んでは殺してしまう。それを隠して、日常を送る。他にも、ゲージの中で子供を飼育する親。部屋に閉じ込めてそのまま外出したきり、帰宅すると亡くなっていたわが子をそのまま放置。信じられないような世界がここにある。 境界領域では、という若干タブーっぽいことを書いた。しかし、それ以上に、これは私はとても残酷な記述だと思うが、著者が述べたことを引く。 ー いずれも犯人を育てた親が大きな問題を抱え、子供たちを虐待、もしくはそれに近い環境に置いていた。犯人たちは生まれつきのモンスターだったわけではなく、彼らの親こそがモンスターだったのだ。そういう意味では、犯人たちは幼少期からモンスターである親の言動に翻弄され、悩み苦しみ、人格から常識までをねじ曲げられたまま成人したと言えるだろう。愛情が何なのか、家族が何なのか、命の重みが何なのかを考える機会さえ与えられてこなかった。だからこそ、彼らが親となった時、「愛している」と言いながら、わが子を虐待し、命を奪ってしまうことになる。 残酷だと思うのは、この代名詞の「親」と「子供たち」とは誰かである。殺人犯としての親は、自分自身も家族に虐待されて育ったというのだ。だから人格も常識もねじ曲がって成人したのだと。ここで言っているのは、結局、虐待は連鎖する、という事。罪のない子供が殺される事に嫌悪感を覚える自分がいるが、殺されなくても、その子が虐待のサイクルを繰り返しかねないという極めて危うい発言である。つまり、その子供は既に詰んでいる。犯罪者の子供は犯罪者だ、と切って捨てる、行き場のない世の中なのだろうか。綺麗ごとばかり言ってられないが、考えなければならない。

    63
    投稿日: 2024.10.29
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    「鬼畜」にも鬼畜なりの生い立ちや人生がある。自分の子の命を奪うことは許されることではないが、そこに至った経緯などは丁寧に聞いていかないと、鬼畜という言葉だけで片付けてはいけない。

    1
    投稿日: 2024.06.01
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    鬼畜っていうか、当の本人らは、子を愛してるとの認識か… 何か、ゴソッと何かが抜けてる… 常識というか、ごく普通に思える事がそう思えない… ここでは、3件の事件を追っているけど、共通してるのが、それ。 作者は、その原因を事件を起こした親達の育てられ方が、このような子育て出来ない親達(多分、子育てだけやないんやろうな)を生んだと考えてそう。(あくまで、私が読んで思った事なんで、本当かどうか分かりません。) 劣悪な環境で、生まれた時から、育って来たら、表面上は普通でも、何かが抜けるもんなんかな… それは、親から自分を守る為の防衛本能みたいな… だからと言って、そんな事を理由に事件を正当化出来る訳やないし、親ガチャとかで安易に片付けられる問題やないし… こういうのって、個人とかやなく、もっと大きなもので防いでいかなあかんものなのは分かる。社会全体として。 でも、それには時間がかかるし、今今、こういう事件が増えてる中、それを待ってられんのも確かなんやけど… 難しい… せめて、自身は、そういう事を起こさないように自戒するしかないのか… 難しい…

    77
    投稿日: 2023.12.22
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    読むのがただただ辛かった ケーキを切れない非行少年たちと一緒に読むと思うところがより大きいと感じました。 このような家庭で育った子供も、もしかしたら将来こういったレベルではなくともうまく家庭関係を作れないという事態は起こりうるわけで、万が一そうなったときには責められる側にいつのまにか変わってしまうわけで。そうならないことを祈り、そうならないための公助が必要と切に思いました。 親自体は如何ともしがたいというのが率直な印象ですが、言い方は難しいですし冷たいようですが親と引き離して適切な環境を提供できる制度は必要な気がしている。共助の範囲で力になれることがあればしたいと思いました。

    7
    投稿日: 2023.12.11
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    ものすごい情報量。私には受け止めきれないようなことも沢山あって、著者が取材にかけた労力たるや、相当なものだと思う。 虐待の連鎖については既に広く知られるところではあるけれど、ここまで畳みかけられると、もはや子供の虐待死は、現代社会における自然淘汰なのではないかとさえ考えそうになってしまう。 どんなに子供が欲しくても授からない人だっているのに、どうしてこんなにままならないのだろう。 養子縁組の仕組みがもっと機能的に働くようになればいいと思うんだけど、戸籍制度と親和性が低いので道のりは遠そうですね…

    3
    投稿日: 2023.09.24
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    読み進めるのがとにかく辛い。 虐待や貧困、ネグレクトのあまりにも残酷な連鎖。一番弱くて脆い所へしわ寄せがいく社会の現実。数分のニュースをたまたま見て「酷いな、こんな奴ら人間じゃないよ」と一言呟いて懲罰感情を発露させるのは簡単だが、その事件の背後に隠れている悲惨で辛い物語に直面させられると、もうまったく他人事とは思えなくなる。私がいわゆる“普通の家庭”に生まれて虐待とは無縁に育ってきたのはたまたま幸運だっただけではないか。 加害者の人生を丁寧に辿りながらも、決して過度に寄り添わず距離を保つ書きぶりが余計に読者の感情に「あなたはどう感じるか?」と問いかけてくるようで良かった。

    1
    投稿日: 2023.05.16
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    これまでに読んだ虐待のルポの中では、読みやすい部類に入った。なぜなら、著者が事実を述べながらも、そこに変な感情移入や考えの押し付けがなかったからだと感じる。私がこれまでに読んできた類書には、正義感があるがゆえに視野が偏重かつ偏狭になっているのでは? と感じるものが多々あった。それが、この本にはほとんどなかった。 こういうルポライターが、精神医学をもっと深く理解したら、色々なものが見えてくるのではないだろうか。 とても読みやすかった。 いい本だと思う。

    1
    投稿日: 2023.03.04
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    実際に起こった3件の幼児殺害事件を追ったノンフィクション。メディアでは、幼児殺害や虐待は親の管理不足などと短絡的に片付けがちだが、その背景には精神的問題と貧困の連鎖など様々であることが本書を読んでわかった。

    0
    投稿日: 2023.03.02
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    「愛していた」「私なりに」 3つの実親による子供の虐待事件につき、筆者なりにあらゆる角度から調査。 通常であればメディアを通してしか知れない事件を、加害者の生い立ちや証言を通じて別面から知れる。いつもながら新しい一面を見せてくれる著書でした。 社会の価値観からすれば異常とも思える行為は、加害者からすれば大したことではなく、このズレが事件や犯罪性を産む。 なぜこのズレが生じたかは、本によれば加害者の育てられ方の影響がかなり出ていると思われ、それが社会のルールと合わないがために裁かれる。 そういう意味では彼らも一種の被害者だと思いました。

    0
    投稿日: 2023.02.22
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    その幼さはどこから?結局はその親の幼少期に遡る。外部の支援者は被虐待者であり虐待者である精神発達の未熟な方に何ができる…

    0
    投稿日: 2023.01.07
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    「私なりに」子育てをやってきた。 この言葉がとても印象的。 子どもを暗い部屋に閉じ込めて餓死させた事件、生まれたばかりの子を天井裏と押し入れの中に遺棄した事件、ウサギ小屋に閉じ込めたり首輪を着けたりして殺した事件…信じられないけれど、どれも本当にあった話なのだ。 自分には子供を虐待するなんて全く考えられないし、この親達には全く共感出来ることもないのだけれど、それは自分がとても平和な家庭に育ったからなのだろう。

    0
    投稿日: 2022.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【殺すならなぜ産んだ】 実際にあった以下3件の虐待による殺人事件を追ったルポルタージュ。 ※実際にあった事件なので、事件の内容ではなく、全体の構成の読みやすさ、著者のこの事件を通して読者に訴えたい事が伝わったかどうかで評価 『厚木市幼児餓死白骨化事件』 『下田市嬰児連続殺害事件』 『足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件』 小説ではなく、事実なので読了感はかなり胸クソ悪いうえ重い。 ニュースで事件の概要は軽く知っていた程度だったのだが、実際に詳細を読んでみると衝撃的な内容だった。 著者の取材力と根気よく事件と向き合った熱意に感謝したい。 どの事件も背景や犯人に共通するのは、劣悪な家庭環境(ゴミ屋敷など)、犯人も親から虐待を受けている、性に奔放、倫理観が欠如、普通に会話が出来ない(感情の起伏が激しい、論点がズレる等)などである。 状況証拠や証言を元に事件の背景を想像してみるものの、やはり犯人やその親の行動には理解に苦しんだ。 どこか他人事なのである。 育てられないのになぜ作るんだとまず思う。 第一そこまで想像が出来ない事と、どうにかなると思っている事が不思議でたまらない。 障害があるのではと思うが、児童手当だったり、児相から逃げる為の作為には事欠かない。そういう事には機転をきかせたりできるのだ。 そんな親は愛情が欠如したさぞ鬼畜な人間なのだろうと思ったのだが、中には児童手当や生活保護目的で子供を作った事件もあったが、本人達なりに子供を愛していたし、育てていたのだそう。 その証拠に家族仲睦まじい写真や証言もあったのだ。 それはプロローグに出てくる手紙が物語っている。 この衝撃は実際に読んで体験してほしい。 このように悲しい事件が起こるたびに思う事は、そういう事件を起こしてしまう親の元には子供はできるのに、切実に子供を望んでいる人の元には子供ができない理不尽さだ。 この本で得られるものは何もないかもしれない。 自分と違う側の人達が起こした事件を知ることが何になるのかとも思う。 しかし同時に、実際に起きたりこれからも起こるであろう悲しい現実に目を背けてはいけないとも思う。 やはり知る事は大切で、そして何を感じどのように生きていくのか重要だと考えさせられた一冊だった。 こんなひとにおすすめ .ᐟ.ᐟ ・ルポルタージュが好きなひと ・全ての大人

    1
    投稿日: 2022.11.27
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    こういうのを読むと「明日は我が身」と思う。子育てしていると、些細なことでイライラし、つい強く叱ってしまうことが時々ある。普通はすぐに我に返って落ち着くが、エスカレートして自分でコントロールできなくなると、虐待になる。特に配偶者が同じタイプだと、加虐性が増長してしまうような気がする。全く他人事と思えない。

    0
    投稿日: 2022.11.24
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    衝撃、ではあるがやはりヒトゴトのような だいたいお下品地区か、低学歴からの下層職で保育園やらを使いこなせずここにいたる印象です (専門中退からの非正規とか 児童虐待 虐待死 三つの事件 ・厚木市幼児餓死白骨化事件 ・下田市嬰児連続殺害事件 ・足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件 ● 厚木市の幼児餓死白骨化事件 妻が出て行ったあと、26歳の父には3歳児の世話が出来なかった。 仕事に出る時は和室の入り口を粘着テープで封鎖。食事はパンがおにぎりを与えるのみ。 やがて外に恋人を作り父は家に帰らなくなった。 「めんどくささ」の少し先。わからんでもない。

    1
    投稿日: 2022.11.06
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    これは日本での子供の出来事。 読後は、悲しすぎて辛すぎて、熟睡出来ない。何か自分に出来る事は無いのか。 虐待の連鎖とは言いたく無い。 深く考える日が続く。

    0
    投稿日: 2022.08.30
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    3件の児童虐待死事件のドキュメンタリー。虐待の生々しい描写に精神を抉られる。 断ち切れない虐待の連鎖はあるのだな、と思わずにはいられない。

    0
    投稿日: 2022.08.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼児餓死白骨化事件/嬰児連続殺人事件/ウサギ用ケージ監禁虐待事件。 これらの凄惨な事件はどうして起こってしまったのか。 筆者の取材により明らかになる、加害者である親自体の問題。 抑圧された環境で育った結果、思考を止めてやり過ごすことを覚え、誰かに相談するという発想を持てなかったりする。 さらに問題を認識することもできなかったり、出来ても今までのように時間が経つに任せ、やがて問題を忘れてしまう。 子どもの育て方というか、人間に必要なものが分かっていないから、過酷な環境に子どもを置いていても本人たちはきちんと育児をしているという認識になる。 ケージ監禁虐待事件は上の子たちはきょうだいの虐待を見て育っている。 事件は他の場所から発覚しているが、学校で喋ったりはしなかったのだろうか。 上の子たちにとっては可愛がってくれた親であり、幸せな家庭だったのかもしれない。 だがそれが歪なものだと理解し、虐待の連鎖を断ち切ってくれるよう願う。

    1
    投稿日: 2022.03.06
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    読み進めながら、なんとか命は助かってほしい、、と祈ってしまうたび、もうこの世にいない子どもたちのノンフィクションだと思い直し、辛くなる。 鬼畜な悪魔のような親の虐待の話ではなく、いわゆる「普通」「常識」とかけ離れた状況で育てられた者が親となることのリスクを考えさせられた。 妊娠や出産を制限することは、人権の問題でできないけれど、負の連鎖を断ち切るためにはどうしたら良いのか、今後の課題である。

    1
    投稿日: 2021.12.01
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    はあちゅうが紹介されていたので読み始めたノンフィクション。 現在、半ばまで既読。 読んでいて怖くなることもあるが、人って一歩間違えると加害者と同じような道に反れる、迷い混む可能性って誰もが秘めているなぁと、感じるこの頃。 題名の通り、特に参考になる訳でもないが、目を背けてはならないことから積読本溜まっているのに続きが気になり完読。 生活保護額を増やすために毎年出産する家庭等々、有り得なそうで有りそうな発想にも触れ、現代社会問題から目を背けられないナ、と感じるし、負のサイクルに陥る人たちの生きる知恵でも有るのだろうなぁと察する。

    0
    投稿日: 2021.10.21
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    子供が可哀想すぎるし  親は幼稚すぎるし  その親がモンスターすぎるし。。 愛情を注がれず育ったりしても  ちゃんと生きてる人はたくさんいると思うけど、   この本に出てくる人達みたいに  幼稚で何も考えれない人間になる人もいるよね、、  この作者の川崎のルポの時も思ったけど、  誰か愛情もって育ててくれたらこんな事にはならなかったんじゃないかなーと。。    こういう虐待が減ってくといいな。 

    1
    投稿日: 2021.10.13
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    幼少期に諦めた方が、思考停止した方が、生きやすいことを学んでしまうと想像力が低下して目の前を何とかすれば良いという思考になってしまうのかなと思いました。 可哀想だとか酷いだとかの感情を生むコンテンツで終わらせずにどうすればこのようなことがなくなるのかを考えるきっかけになる本となるならばこのような本の意義があると思いました。 誰か、人を責めるよりもその現象に原因を見出したいです。

    0
    投稿日: 2021.05.03
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    次男をウサギ用ケージに監禁、窒息死させ、次女は首輪で拘束した夫婦。 電気も水も止まった一室で餓死させた父親。 奔放な性生活の末に嬰児2人を殺し、遺体は屋根裏へ隠す母親。 「愛していたのに殺した」という親たち、その3代前まで 生育歴をさかのぼることで見えて来た真実とは?(引用) ・ ・ 虐待やネグレクトなどの連鎖は断ち切る事は出来ないのだろうか

    0
    投稿日: 2021.01.24
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    親の親が問題あるならその親も問題あってまたその親もってなっていくとしたら一体いつまで遡ると最初の問題の人が出てくるんだろう。 日本は色んなところでカウンセラーがもっと必要なんだと思う。 あと、一生懸命働くより生活保護の方が収入多いって問題じゃないの?

    1
    投稿日: 2020.10.28
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    石井光太さんのルポは、見つけたら必ず読んじゃう。これはずっと読みたかったやつ。 仕事柄色々な親を見るけど、一貫して言えることは生物学的な愛情は必ずあるということ。 そこに生活力や育児能力が複雑に絡み合うから、子供の問題行動は親に起因するところも少なくないということ。 虐待も同じように考えるべきで、多面的に見ないと全体像が見えないという点が共感できた。 まぁでも普通はここまでにならないわな…まさに鬼畜…と思える話ばかり。詳細な描写には背筋が寒くなった。我が子に手をあげるなんて、やっぱり信じられない。

    0
    投稿日: 2020.03.09
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    つらすぎる事件の数々。「私なりに」愛していた。「私なりに」精一杯やっていた。「私なりに」「私なりに」…。身勝手に子供たちを殺してしまう親がいること。家という密室で助けを求められず亡くなってゆく子供がいること。悲しくてつらい、真実のルポ。

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    投稿日: 2020.03.07
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    読み初めは、読むのをやめようかなと思う悲惨な事件だと思った。もちろん事件そのものはひどい話だが、それを表面だけでなく、取材して、掘り下げているのに、感心した。虐待だと自分では思っていない父親がいる事がわかった

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    投稿日: 2020.01.28
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    毎月のように何らかの児童虐待が報道され、その量の多さが逆にこの悲惨なことどもを「アタリマエ」化してしまうようで、この本に取り上げられた3つの事件も、タイトルだけではすぐにどれだかはわからないほどに、感覚が鈍麻してしまっている。それこそが怖い。 タイトルが「『鬼畜』の家」とあるように、これは子どもを死に至らしめた親たち個人というよりは、彼らを生み出した「家」、つまり家庭環境を取材し、問い直したルポルタージュだ。 3つの事件で罪を問われることになった親たち、そのいずれもが一般的な「サザエさん」的なイメージもしくはそれが内包する基準からは、はるかにかけ離れた環境で育っている。 それは貧困であったり、本人もしくは家族の疾病であったり、何らかの人格障害めいた行動であったり、単純にひとつの要因で語られるようなものではない。 「歪んだ」家庭環境からは、社会的多数が容認、同調できるような常識的感覚を身につけた人間は生まれてこないのだ。そして当然、その人間は「社会的生物」つまり権利を守られ、義務を果たすべく道徳や倫理観を持った人間を「育てる」ことはできない。彼らが育てている「つもり」の人間は、そういったものが欠損した存在で、当然のように自分が家庭を持ったときに、正常に機能できないのだろう。 とても気になったのは、ここで取り上げられた「鬼畜」を生み出した家庭の主が、ほぼ自分と同世代だということ。「家」制度が事実上解体はしたものの、「個人」の権利と義務に対しては、全くというほど躾も教育もなされて来なかった自分たちの世代。個性とは自己主張すること、権利とは言いたいことを言えること、義務とは罰せられない限り果たす意味合いを見いだせないもの。 そんな育ち方をしてしまった世代であることには十分以上に自覚も同調もできてしまう。悔しいけど。 そしてそれが社会的に連鎖していくものであることを、この本は十分過ぎるほどに語っている。 児童虐待は未熟な個人がつくる歪んだ家庭が生み出すものだとしたら、それはそこら中に広がっている。それが事実だ。

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    投稿日: 2019.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    記憶に新しい三つの凄惨な虐待死亡事件。それら一件一件を丁寧に取材した石井光太氏のノンフィクション。 「文庫版あとがき」に記載されているが、どの事件の背景にも共通する真実があった。それは、「虐待親たちが生まれ育った環境の劣悪さ(338頁)」と「ゆがんだ親子関係(338頁)」。つまり、「犯人を育てた親が大きな問題を抱え、子供たちを虐待、もしくはそれに近い環境に置いていた。犯人たちは生まれつきのモンスターだったわけではなく、彼らの親こそがモンスターだったのだ。そういう意味では、犯人たちは幼少期からモンスターである親の言動に翻弄され、悩み苦しみ、人格から常識までをねじ曲げられたまま成人したと言えるだろう。愛情が何なのか、家族が何なのか、命の重みが何なのかを考える機会さえ与えられてこなかった。だからこそ、彼らが親となった時、「愛している」と言いながら、わが子を虐待し、命を奪ってしまうことになる(339頁)」。 だからこそ、石井氏は虐待問題への対策の困難さを訴える。それはつまり、「親が育児をする前から家庭の支援をはじめなければならない(340頁)」ということだ。「まっとうな子育てができない親がいることを認めた上で、出産直後、いや出産の前からそうした親の生活を支え、適切な育児が何かを教え、困難にぶつかればすぐに専門家が手を差し伸べられるような環境づくり(340頁)」がないと「虐待の萌芽を摘みとることは難しい(340頁)」と語る。だが、現実問題として、その実現は難しい。それでも、こうして本書として問題提起することで、我々一人一人が虐待事件の犯人をただ「鬼畜」という一言で終わらせるのではなく、その正体を正しい目で見据える必要性を訴えている。 本書は確かに、面白半分で読み進められるような内容ではない。だが、マスコミに報道される「鬼畜」虐待親という一辺倒な見方にメスを入れ、虐待事件の闇に眠る深層に迫ったものだった。読み終わった後に受ける衝撃を、我々は忘れてはならない。

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    投稿日: 2019.08.21
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    つらくてなかなか読み進められなかった。しかし終わり近くなってようやく著者の意図がわかって、少し明かりが見えてきた。NPO法人「babyぽけっと」のようなきちんと問題が捉えた人々の温かい働きしかないのだ。人間らしい温かい育ちを経験していない者には、次の世代を育てることはできないのではとずっと思い続けてきた。今更大人を育ち直せるわけがない。親になるのに資格が必要なのだと言って見せることしかできなかった。しかし、こんな方法があったんだね。すばらしい。赤ちゃんポストではない。人の優しさに触れていない人間にはなにが人としての,親としての暖かさなのかがわからないのだから。

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    投稿日: 2019.07.19
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    最近読んだ小説と同タイトルのルポ。実際に起きた事件の裁判傍聴、関係者への取材等により事件を浮き彫りにする。願わくば親になるべきではなかった親達が起こした悲劇。だが親になる権利の有無など判断できないのが現実。事実は小説より奇なり。「厚木市幼児餓死白骨化事件」「下田市嬰児連続殺害事件」「足立区ウサギ用ゲージ監禁虐待死事件」

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    投稿日: 2019.07.15
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    テーマが重くて、自分なりにも解決方法が見つからずに気持ちが沈んだ。ある程度の年齢になれば自分を取り巻く環境を変えることができるけれど、小さな子供や赤ん坊にはそれができない。そして子供は親を選んで生まれてくることができない。だから子供に危害をくわえるようなことは私は絶対に許せない、罪は罪である。それはおいておいて、負の連鎖はどこかでとめなければならないと思うし、本来は公的にするべきことだけれどきっと小回りがきかないのだろう。本書の最後の章のBabyぽけっとのようなNPOの活動は賛否両論あるにしても少なくても赤ん坊の命を救っている。親は子供に育てられて親になるものだとずっと思っていたけれど、子供がうまれても親という役割を受け入れられない人間がいるのが現実のようだ。

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    投稿日: 2019.03.02
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    自らの子どもを虐待して死に至らしめた親たちが、どのような経緯でそのような悲劇に至ったのかを追究するルポルタージュ。3つのケースが取り上げられているが、そのどれにも共通するのは、子どもを殺した親たち自身がその親から虐待を受けていたり劣悪な生活環境で育っていたりして、その帰結として悲劇が起きたということ。親たち自身に罪や責任があるのは当然だが、それは決して彼ら個人だけを糾弾すれば済む問題ではない…そのことが石井光太な丹念な取材によって明らかになっていく。事件を一過的に「消費」してしまいがちな新聞やテレビと違う、ルポルタージュの真骨頂だ。 ただ少し気になったのは、石井光太自身の個人的主観と言うか、感想のようなものがしばしば顔を出すこと。それが文章に人間味を出しているとも言えるのだが、この題材に関して言えば、もう少しそういう部分は抑えて、できるだけ客観的な記述だけを積み重ねていった方が良かったのでは。その点だけマイナス。

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    投稿日: 2019.02.27
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    親が子供を虐待死させるというニュースはセンセーショナルなのでメディアを賑わす。本書が取り上げているのは、3件の事件。「厚木市幼児餓死白骨化事件」「下田市嬰児連続殺害事件」「足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件」。 著者は裁判の傍聴だけでなく、子どもを殺すことになった親たちの暮らしていた街や生まれ育った街をたずねて、隣人・友人・同僚・家族への丹念なインタビューを行い、彼らの人となりを書き出す。 ここで書かれるのは、繁殖力や性欲はやたらと強いのに、知能が足りないとしか思えない行動を取る人たちの姿。登場する人物たちの行動規範がとにかく訳がわからない。暴力・貧困・無知が世代を越えて受け付けがれていく様子にやるせなくなる。 ただし、エピローグで登場する「Babyポケット」という土浦の施設の話で少し救われた。

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    投稿日: 2019.02.20
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    わが子を殺してしまう親の心理が理解できなかったが、またその親の教育によるものも大きいと、この本を読んで感じた。

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    投稿日: 2019.02.10
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    石井光太『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』新潮文庫。 3つの幼児虐待事件の深層に迫ったルポルタージュ。石井光太は信用できるノンフィクション作家である。その理由は客観的な視点による取材結果を極めてフェアに記録している点にある。全ての事実には必ず表と裏の二面があるが、石井光太の描くルポルタージュはそのどちらも公平に伝えてくれているように感じるのだ。 本書に描かれるのは怒りとやるせなさを感じる『厚木市幼児餓死白骨化事件』『下田市嬰児連続殺害事件』『足立区ウサギ用ゲージ監禁虐待死事件』の3つの事件。いずれの事件も未熟な親が、親としての責任を果たさずに子供を死に至らしめた哀しい事件ばかりである。 『厚木市幼児餓死白骨化事件』。人間としても親としても未熟なカップルが育児放棄の果てに自分たちの子供を餓死させる。恐ろしいのは自分たちはまともでそれほど悪いことはしていないと主張している点である。 『下田市嬰児連続殺害事件』。恐ろしいまでの狂気にまみれた事件の全貌。余りにも堕落した身勝手な人間ばかりが事件に関わっており、吐き気がした。狂気とエゴは連鎖し、不幸の上に不幸を塗り重ねていく。とても人間が取るべき行動とは思えない。 『足立区ウサギ用ゲージ監禁虐待死事件』。普通の人間とは思えないモンスター夫婦による幼児虐待と殺人。この事件もまた狂気とエゴの連鎖の果て……

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    投稿日: 2019.02.01