
総合評価
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- 桜餅"powered by"
「山人が語る不思議な話」なので怖さだけを求めて読むと物足りない。ただ、山で暮らす人々が「実話だ」と言っていることを踏まえると、山に入るのが少し怖くなるような話が多々あった。 著者の体験談が1番怖いかもしれない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本の山には「何か」がいる。 シリーズ累計20万部突破! ! 山の怪談ブームの火付け役。 秋田・阿仁のマタギたちや各地の猟師、山で働き暮らす人びとから実話として聞いた、山の奇妙で怖ろしい体験談。現代版遠野物語。
0投稿日: 2025.04.19 - 鯛"powered by"
「現代版遠野物語」という前評判というか事前情報がすごく的を射てる。 昔話とか不思議な話、実話怪談のような不条理な雰囲気の話が好きな私には大満足でした。 山で生活する人々の間で語り継がれたり、ちょっと噂になったりした「不思議な話」をまとめている本。 怪談本というにはあっさりテイストで、淡々とした語り口。心霊現象というよりは狐狸妖怪(特に狐や狸)の仕業じゃないかという噂、のような内容。「遠野物語」のイメージが掴めなくて、怪談本のような怖い話を期待して読むと期待外れかもしれない。 評価は完全に主観・好みで星5
0投稿日: 2024.04.13 - カムラ"powered by"
もっと追求してほしいというレビューもあったけど、これは伝承や昔話ではなく、マタギや集落の人が過去にこんなことがあったけどあれはなんだったんだろうというリアルな話だからこれはこれでありだと思った。
0投稿日: 2023.09.25 - towa"powered by"
単行本既読。文庫書き下ろしあり。 タイトルにもあるように「不思議な話」が収集されています。 読む人によっては恐ろしくも感じるでしょうし、全く訳が分からないとも思うかもしれません。 似たような体験をした人は共感したり、「あのときのあれはそうだったのかもしれないな」と思い出したりするかもしれません。 「現代」に、「実在の人物」に聞いているというのが本書の最大の特徴です。 淡々とした語り口は、脚色をなるべく排しているんだろうなと思います。 現代でも不思議な話って集められるもんなんだな〜と、改めて感心しました。
6投稿日: 2023.08.01 - カイ"powered by"
山怖話。遠野物語の現代版のようなもの。 ウチは山が近いのだが、夜窓を開けたまま寝るのが怖くなった。
0投稿日: 2023.07.11 - onoono"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
核家族では伝わらない、山の不思議な話がぎっしり詰まっている。 自分は田舎育ちだと思っていたけど、こういう話を直接誰からも聞いたことないからこの本は貴重だ。
0投稿日: 2023.05.04 - bauasano"powered by"
狐火があふれる地、マタギの臨死体験、山塊に蠢くもの…。山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験を紹介する。現代版遠野物語。書き下ろしの「山怪後日談」を加えて文庫化。
0投稿日: 2023.04.20 - Tsuzuki203sw"powered by"
狸と狐に化かされる事が多い山。 一見爺婆の昔話と一蹴されそうだが、そういう伝承こそが自然に対し畏怖を抱き、SDGsに繋がるのではないだろうか?
0投稿日: 2022.11.19 - コルベット"powered by"
ホラー映画のように、これでもかとけたたましく人を怖がらせる何かは山に存在しない。そこには、じわじわと湧き起こる恐れがある
13投稿日: 2022.10.01 - dai-4"powered by"
初ヤマケイ。でこれは、ブックオフ・ホラー特集から。そこまで山に思い入れがあるでなく、何となく予想は出来たことだったけど、ほとんどピンとこず。いかにもありそうな話が多く、翻ってリアルには思えるんだけど、ホラーと考えると肩透かし。実際の山を知ると、もっと背筋凍る感じなんでしょうか。
0投稿日: 2022.09.05 - クークー"powered by"
山に暮らす現代の人たちの不思議な体験談を聴き集めた物語集だ。帯にある通りまさに現代版遠野物語。起きた不思議をそのまま語る。理屈をつけたり、下手に怖がらせようとしないから話の真実味が増している。さらに訛りが入ってて盛り上がる。 猟師や木こりが山で出会うもの、山男を惑わすもの、土地の老人が教えてくれること、山の学校で起きること。 こういう話はいいよねえ。夕飯の後に、田舎の爺ちゃん婆ちゃんやおじさんたちの話を聞くようだ。死霊とか悪魔とかそんな野暮な相手ではない。相手は山の神、狐、狸、蛇…狐火、小豆研ぎ、ベトベトさん…。そして何より何が起きたかわからないような体験談。ほとんどが21世紀の話なのだ。
1投稿日: 2022.06.30 - 志村蓉子"powered by"
怖すぎず、でも不思議…ひとつのエピソードもちょうどいい長さです。こういう話を聞いた…と淡々と記してるのが、逆に本当にあったんだろうなと信用できる気がします。2巻、3巻もあるようなのでぜひ訓みたいです。
0投稿日: 2022.04.01 - risarisa"powered by"
山の中で不思議体験をした方々のお話をまとめた本。怖いというよりも、奇妙なお話が多い。読んでいると、本当にそんなことがあったような気がしてくる。山の奥では今でも狸や狐が人間を化かしているのかもしれない。迷惑だな、ちょっと怖いなと思う一方で、昔話の向こう側の、神様や妖怪の世界と繋がっているような、民俗の絆のような物を自分の中に感じた。
0投稿日: 2022.03.12 - ちぃ"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
怖い話は苦手だけど、こういう山であった不思議な話系はわくわくした思いすら抱いて読めてしまう不思議。疲労や恐怖心が生み出すものか、動物によるものか、科学で説明できるものか、とかなんだかそれがなんだかよくわからないけど起こる不思議なことってあると思うんですよ。やっぱり山も深くなればなるほど、そこは人間の領域(生活圏)じゃなくなるから、私たちの物差しで測れない出来事も起こるのかなって。今では登山道も整備されて領域が広がってるし、人も山に頼って生きることが少なくなったから、こういう話も生まれにくくなるだろうけど。
0投稿日: 2021.06.26 - tchov"powered by"
山の話は面白い。古来から、山は日本人の日常でありながら、その厳しさゆえに人を非日常へと簡単に誘うものであった。本書で紹介されるのは、山にまつわる民話の原石となる「怪しい」話である。 山が開かれ、娯楽が充実した現代では、代々口伝で伝わってきた山の話は絶滅寸前だ。民話にならなかった話の数々をテキストに起こした筆者の功績は非常に大きいだろう。 山でよくある話は「狐に化かされる」というものだ。山に慣れた人が集落の近くの何でもないような道で左右を間違え、遭難する。そういった時に、人は「狐に化かされた」と言う。 もちろん、実際にそんなことはないだろう。低山での遭難記録をいくつか読めば、遭難は何でもないようなところで道を一つ間違えるだけで起こることがよく分かる。山は一つ道を間違えるだけで全く違うところに出てしまう世界なのだ。 航空の世界では空間識失調(ヴァーティゴ)というものがある。雲の中などに長くいることや疲れが原因となり、航空機のパイロットが平衡感覚が喪失するものである。しばしば航空機事故の原因ともなる。ヴァーティゴは、パイロットの経験の長さに関係なく起こる。人間の性質上、仕方のないことなのだ。慣れた山道での遭難メカニズムというのは、おおむねヴァーティゴに近いものだろう。 ヴァーティゴでは計器を信じることで墜落を回避できる場合があるが、コンパスや地形図のない時代の山ではそういうわけにはいかない。ゆえに、経験の長いマタギですら迷うこともある。そこで「狐に化かされた」というのは、経験の量を問わず遭難が誰にでも起こりうるゆえに、捜索の労力を当人の責に帰さないための方便である、という解釈がなされる。生活の知恵である。 そんなわけで、大抵の「怪しい」話は論理的に説明できてしまう。しかし、それでも説明できないことが残る。だから面白いのだ。 たとえば幻覚。遭難記録を読むと、遭難者は極度のストレスからよく幻覚を見ることが知られている。私は遭難したことはなくとも、極度のストレスで幻覚を見たことがあるので「人間はけっこう簡単に幻覚を見る位に追い込まれる」という認識がある。 ところが幻覚を見たことがない人間からしたらそれは想像できない。というより、幻覚を見慣れなければ「それが幻覚である」ことには気付けない。ゆえに、山で人は様々なストレスから幻覚を見るが、それが幻覚であることに気付かない。 大抵の「見た」話は幻覚で片付けられる。だが、複数の人間が同じものを見た話はどうだろう。幻覚は似通うのか? それとも本当に何かあるのか? 「説明できるもの」を省いていった先にある「わからないもの」に惹かれるタイプのオカルト好きには是非とも勧めたい一冊である。
2投稿日: 2021.04.17 - tomom"powered by"
民俗学という見方ではなく、あくまで地元の方から聞いた話が淡々とつづられている。そういうものなんだろうなと、自然とスッと話が胸に入ってくる。最近では「都市伝説」なんて形で都会版不思議な話が語られることがあるけれど、これからもずっと本著のような「山の不思議」が語り継がれるといいなと思う。
0投稿日: 2021.02.11 - ちょ"powered by"
山の怖い話というより、タイトルの通り山の怪しいお話し。 昔聞いた民話のような、遠野物語のような、そんな不思議なお話がいくつも書かれている。語り手や場所によって差はあれど、似たような出来事も多く、1話1話も短いため、間を置いて読み返すと「もしかして前に読んだ?」「もしかしてまだ読んでいない?」が繰り返され、何度も読む内に楽しくなってくる。 また、知っている山の話があるとそれだけで楽しい。 全国というわけではなく、ある特定の地域方から聞いた話が多いが、後書きを読むと納得する。 「この本で探し求めていたのは、決して怖い話や体験の類いではない。言い伝えや昔話、そして民話でもない。はっきりとはしないが、何か妙である、または不思議であるという出来事だ」 そうしてそんな話はすぐに聞けるものではなく、著者はまず自分が語ることで呼び水として、この本に集められたような話たちを聞くことが出来たのだそうな。だからこそ特定の地域の人とかかわることでしか聞くことができない話なのだろう。 すごいなぁ。 続編が出ているようなのでまたそれも楽しみ。
0投稿日: 2020.09.19 - はるぽんぽん"powered by"
聞き取り話。 取材がとても大変だったと思いました。 どの話も、静かにゾッとする感覚で、私好みの怪談でした。続編も読みたいですね。
1投稿日: 2020.04.26 - 虹雲"powered by"
うーん、興味深い話がなくて退屈でした。 『おわりに』以降は読まなかった。 シリーズの他の本も読まないと思う。
0投稿日: 2020.04.25 - こまいぬ"powered by"
タイトル通り怖さよりは不思議な話。 その不思議な話は日本昔話感が溢れてどこかほのぼの。 UMA好きには巨大な蛇の話は心躍る。 もうちょっと怖い話を読みたかったかな。 ちょい不思議な体験するために一人で山に入りたくなった。
0投稿日: 2020.03.17 - megazone"powered by"
山を仕事場とする猟師や、山里に暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な出来事。深い親交を持つ著者だからこそ聞き得た阿仁マタギの体験談をはじめ、時代の流れとともに消えつつある「語り遺産」を丹念に集めた現在形のフィールドワーク。
1投稿日: 2019.12.25 - toca"powered by"
ヤマケイ文庫の棚に行くと、つい、何かしら買ってしまう。本書もそんな1冊。 山で起きた不思議な話、怖い話を聞き書きしたもの。取材した著者も『いずれ消える運命にある』と記していたが、今では語る人も少なくなったのだろうか。確かに趣向を凝らしたエンタテインメントではないが、こういう素朴な怪談も面白いと思うのだが、フィールドワーク的に纏める人もなかなかいないだろうなぁ……。
1投稿日: 2019.08.22 - ことぶきジロー"powered by"
田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』ヤマケイ文庫。 山や里山で暮らし、山を仕事場にするマタギや猟師などの山人が語る摩訶不思議な体験を集めたノンフィクション。既に続巻が刊行されているが、本作は第1弾の文庫化である。文庫化にあたり、書き下ろしの『山怪後日談』を収録。 こうした山や里山で起きる不可思議は先人たちの戒めだったり、自然への畏怖によるものかと思われる。また、所謂田舎ではこうした不可思議が口伝により伝達されるうちにデフォルメされて、物語が形成されるのだと思う。しかし、山や里山には全く理由が解らない不可思議が存在することは事実なのである。 田舎に行くと、①近所の家でしこたま酒を飲んだおんちゃんが帰り道にタヌキに化かされて、田んぼの中で泥まんじゅうを食べていたとか、②気のふれた農家の嫁が我が子を殺害し、カレーにして近所に振舞ったとか、③長らく入院していた親戚が亡くなる間際にお知らせに来たとか、④狐の憑いたかのように、おかしな振る舞いを始めたばあ様を家族が煙で燻し、木の枝で叩いたなど、未だにそういう類いの話を耳にするのだ。 本体価格800円 ★★★★★
8投稿日: 2019.07.16