
総合評価
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powered by ブクログ翔太さんと刑部老婆さんのあり得ないけど、ほっこりする良い話。 そもそも東京都知事選挙2024開票速報番組で更に名を上げた?著者がどんな小説を書くのだろうと思いながら読みました。 新調したボクサーパンツから察する美咲さんの感の鋭さで、女性は侮れないと痛感しました。
1投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ社会学者である著者の一冊。 窓の清掃員をしながら老婆との約束の為にあることを密かにやっていた。 内容は新鮮な気持ちで飲み込めた。 デビュー作の『平成くん、さようなら』も読みたい。
0投稿日: 2025.06.20
powered by ブクログはじめは同僚の「美咲さん」がなにを考えているのかわからなかった。最後までよくわからなかったけど。悪い人じゃないみたい。 老婆とのやりとりが好きでした。 表紙の絵も古市さんが描かれていると読み終わる頃に気づきました。とても素敵だと思います。 思ったよりレビューが低いけど、私はこの終わり方とても好きです。
0投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ百の夜は跳ねてという題名と中身の繋がりが今ひとつピンとこなかった。文章の中の表現は前作の「平成くん、さようなら」に似ていたが、今回は面白みにかけていたと感じる。 内容は外窓清掃をしている主人公があるお婆さんと出会い、窓からの風景を撮影して届ける物語。
0投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高層ビルやマンションの窓拭きが主人公なんて、新しい。 その窓拭きのマンションで知り合った老婆の部屋に訪れ、今後建物の部屋の写真を撮ってきてほしいと依頼される。 老婆の部屋は箱がたくさん置いてあり、その箱に部屋の写真を貼って町を作っていく場面は想像するとわくわくする。
0投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログ窓の清掃員のお話。 都内の高層ビルとかを どうせすぐに汚れ、 人々は大して関心も持たないのに どうして、無数にある窓を清掃するのか 無くても良いから自分に丁度いいと言い聞かせ 虚無感を抱えながら、日々清掃する男。 生きているからこそ、 今日が明けたことを感じるため あるんじゃないかなと思えた。
0投稿日: 2024.08.17
powered by ブクログテレビでのコメントは人を逆撫でしたいのか、ただ天然なのかどちらなんだろう?そんな人はどんな文章を書くんだろう?そう思って手に取った本。 最初読み進めるうちは、主人公から自分の人生はこんなはずじゃなかったと、滲み出る暗さと投げやりにも似た諦めを感じたけど、途中からはそれらを抱えつつも心に変化が見られる様子。最後は少しだけ前向きに歩み出す様子。人間すぐには変わらないけど一歩ずつ、というか、むしろ大人になり隠れてしまっていた素にもつ人間性が少しずつ少しずつほぐれて、また見えてきた、という感じかな。 人間てこんな感じだよね、となんだか共感と安心感を覚えた本でした。
0投稿日: 2023.10.23
powered by ブクログおばあちゃんはどこにいったんだろう 急に会えなくなるなんて寂しいですね 難しい感想は書けませんが、好きな小説でした!
0投稿日: 2022.11.12
powered by ブクログ図書館で借りて読んだ。 テレビでのコメンテーターとして見せる著者の雰囲気とは違い、作風は優しい。不可解な話ではあるが、登場人物への愛情が感じられる。ラスト2ページが好き。そこに著者の思いが凝縮していると感じた。
0投稿日: 2022.10.29
powered by ブクログ主人公の職業が高層ビルの窓掃除。 今まで見ていなかったり 見えていなかった人たちの話。 人との出会いも一生も儚いものだと感じた。
0投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私の独断と偏見の考察 ・老婆と翔太は、時代は違えど同じような境遇である(死者の声が聞こえる、島の話を知っている、漠然とした思考で生きている) ・物語のキーワード"格差"は老婆と翔太のこと。同じような境遇で同じように悩んでいる(だから引かれあい需要と供給を満たしていたのでは)のに、高価なタワーマンションに住む老婆と一般的な家の翔太、という格差。 タワーマンションという高さも高くて価格も高い老婆、高所という高いところで作業する翔太。同じ高さに居るのにここにも格差が生じている。
0投稿日: 2022.07.01
powered by ブクログ翔太は就職試験にことごとく失敗し、死んでもいい、と思った時に、ビルの窓拭き清掃の仕事に出会い、深い考えもなく、仕事に就く。 窓拭き作業中に、タワーマンションに暮らす一人暮らしの老女と出会い、そこから不思議な交流が始まる。 格差社会での身分の違う人たちの出会い、交流は日常的にはあまり見られないだろう。 住む世界の違いからの暮らし方、ものの捉え方の違いがある一方、心の中のどこかで、通じ合う部分もある。 表現するのが難しいが、現実味もみせながらも、幻想的、空想的な、もやがかかったようなくすんだ色味のある、不思議な話だった。 なぜ、老女は姿を消したのか。なぜ、交流をもちながらも二人ともお互いの名前を明かさなかったのか。 最後に一気に現実に引き戻された翔太の行く末も気になる。
0投稿日: 2022.06.09
powered by ブクログ高層ビルのガラス拭きの青年。ガラスの内側の景色とそこに映る自分の顔。格差、など問いたいことが多々あるのはわかるけれど、イマイチしっくりこない。主人公と老婆以外の登場人物、必要?と思えるほどうすい。 なおかつ、老婆との出会いから突然母との邂逅に至る展開も謎。冒頭の文章もお洒落感だけが漂って心に残らなかった。
0投稿日: 2022.05.25
powered by ブクログ書評が酷かったので、どうなのかと思っていたけど面白かった。参考文献になっている「天空の絵描きたち」を読んでみたいが手に入らないもどかしさ。 自殺した人も死ぬための場所を探すときに空を見上げたのかな、というようなことが書かれていて優しい視点だなと思った。 平成くんと百の夜は〜の2冊しかまだ読んでないけど、古市さんの小説は主人公が古市さんで脳内再生される。
0投稿日: 2022.02.14
powered by ブクログおばあちゃんが影ある人だし、主人公も色んな人にされるがままで断れない人なんだろうな。 でも、いろんな景色をみたくなるおばあちゃんの気持ちもわかるで。
0投稿日: 2021.11.17
powered by ブクログ「格差ってのは上と下にだけあるんじゃない。同じ高さにもあるんだ」。高度200メートル。僕はビルの窓を拭く。頭の中で響く声を聞きながら。ある日、ふとガラスの向こうの老婆と目が合い……。境界を越えた出逢いは何をもたらすのか。無機質な都市に光を灯す「生」の姿を切々と描き切った、まったく新しい青春小説。 ビルの窓清掃員が謎のお婆さんから大金を受け取って窓から部屋を盗撮する話。大人しそうに見える主人公なんだけど、高層ビルの清掃中に性行為に及んだりと大胆な一面も。こんな主人公やイカれた同僚が出てくるのだから、ド派手な物語になるのかと期待したのだけど、そのような場面は出てくることはなく静かに淡々と物語は進み、気がついたら終わってしまっていた…。感心したのは主人公が手土産を持っていったシーン。お婆さんが手土産に一切手をつけないという描写は、主人公とお婆さんの関係をよく表していると思った。盗撮犯に心は許さないよな。
0投稿日: 2021.09.20
powered by ブクログ「この世界でも会えなかった人がたくさんいたように、死んでから会えるとは限らないでしょ。」 印象的だったセリフ。 死について書かれることが多い古市さんらしい言葉だった。
0投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夜空をかっぱいでいく。無数の光が降り注いでいた。その光は、誰が生きている証でもあるし、誰かの終わりを弔っているようでもあった。どちらにしても、ひどく眩しい夜だと思った。
1投稿日: 2021.05.06
powered by ブクログ色んな人がいて、色んな生き方がある。同じ世界なんだけど、ちょっと見方をずらした世界。なんとなく、全てを肯定しているように思えた本。
0投稿日: 2021.04.26
powered by ブクログもう少し盛り上がりがほしかったけど、淡々とした感じが古市さんっぽいなあと。 前作同様、固有名詞の使い方もグッとくるところが多くてさすがです。デサントの水沢ダウンとか。 主人公と同年代として共感できる部分も多かった。
2投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
近年の、貧困と虚無感に溢れた若者に、わずかばかりの光を当ててくれるような作品であるのかな…と感じた。
0投稿日: 2021.02.18
powered by ブクログ地球が丸いワケを「僕たちがあんまり遠くを見ないようにするため」と言ったところが好き。 最後に出てきた言葉だから印象に残ったのかも。淡々としていて、読むのは一瞬だったけど読みづらかった…
0投稿日: 2021.01.19
powered by ブクログ図書館で借りたもの。 就活が全滅し、ビルのガラス清掃員になった翔太。ある日、窓を拭いていると、高層に住む老婆と目が合った。彼女がガラスに書き記した部屋番号を訪ねると、奇妙な依頼をされ…。 老婆との不思議な交流。 装画も古市さんとは、、すごいなー。
0投稿日: 2020.12.25
powered by ブクログさすが、古市くん! 視点が良いですね。実際やってしまうと犯罪だろうけど、現代社会においてはみんな興味津々でしょう。
0投稿日: 2020.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私たちは多くの生に囲まれて生きているが、その生を深く意識することはない。周りの皆は「当たり前のように」生きている。それを「生きているもの」として真面目に意識するとどこか不安な(不快な)気持ちになる。ビルを模した箱にビルで生きる人の写真を貼り付けて眺めることもまさに生を真面目に見るような行為で、老婆はある意味一種の自傷行為をしているように感じられた。鏡が怖いのも、鏡をまじまじと見ると似たような感情になるんだろうなーと一人で勝手に考えてしまった。 このようなファンタジーっぽい展開の物語は苦手だったが、ビルの清掃という死と隣り合わせの環境、北にある島の話、箱に貼られた写真がどれも「生きること」とは何かを伝えようとしている感じがして一気に読み進めてしまった。 「平成くん〜」もそうだったが、現代文化が随所に含まれている。10年後、20年後また読み返すと懐かしい気分に浸れるだろう。「平成くん〜」と本書ですっかり古市さんのファンになってしまった。
1投稿日: 2020.10.28
powered by ブクログ長いこと待って来た本ですが、チョットしんどかったなぁ。 何度も挫折し掛けたけど、並んだ人数を想って、頑張りました
0投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ最後まで一気に読んだ。が、特に感動もなく、強いメッセージとかも感じられず、なんてことはない話なので、忘れてしまいそう。著者が有名でなかったら出版されてただろうか。でも冒頭美咲さんのゴンドラのシーンはインパクトあった。ここがこの小説の最大の山場!
0投稿日: 2020.08.10
powered by ブクログうーん… 老婆が生きてきた世の中を俯瞰するごとく箱で街を作ったっていう世界観は面白かったが、それ迄って感じ。まあ作家が描く作品の方が好きかな。この人が好きじゃないっていうのもあるのかな。
0投稿日: 2020.06.30
powered by ブクログ社会学者の古市さんらしいと言えばそれらしく、社会格差だったりがみえますが、登場人物の醸し出す不思議な雰囲気で現実感のない(いい意味で)不思議な感じのお話でした。 読後感も悪くなく、前作より、作者を意識することなく小説として読みました。
0投稿日: 2020.05.31
powered by ブクログ作者がどんなものを書いているのか、単なる好奇心で読んだ。理窟だらけだったり、 文体が合わなかったら 無理せずやめようと思ったが 完読した。 本を読むとき、白紙で読むーそれでも100%白紙は難しいけど。 前評判とか、レビューとか知らずにー タワービルの清掃をしている主人公とひょんなことからのその住人との出会い 設定は面白い、 面白かった、文体にも抵抗無く 裏の参考文献を読むとさすが勉強されてる。 確かに現代を映し出している 格差、劣等感 幅広く言えば生きるということ 題名の意味も理解できたし、 「独断と偏見だけど」 終わりに希望はあった。 何度か、芥川賞「?」直木賞「?」候補だよね。 取れたらいいね。精進を祈ります。 着眼点は面白い。 これを機会に他の作品「古市憲寿氏の」もよんでみたい。
5投稿日: 2020.04.25
powered by ブクログ木村友祐さんの『天空の絵描きたち』のパクリと言われていたけど全然違う。同じくビルの窓清掃員が主人公だけど、大きな要素ではあるもののどちらかというと物語の背景として扱われていて、本筋は老婆との交流だ。とても奇妙な話で面白かった。おばあさんが、痴呆症なのかコミュニケーションが成立しているのか定かでない感じが生々しい。 ただ、一人称の話なのにお婆さんのことをずっと「老婆」と記述していたことが引っ掛かる。一人称にしては突き放しすぎな感じがする。
0投稿日: 2020.04.24
powered by ブクログこれが芥川賞候補作かぁ。 帯にあるように、確かに「青春小説」な感じがする。 何者にもなれない自分から旅立ち。 ただ、「これ、結局、何のために・・・?」が残る。 途中で、「ふーん、そういうことか」と分かるけど、 「で、何のために?」がどうしても残る。
0投稿日: 2020.03.15
powered by ブクログこれは美しい物語だ。 暗がりの中で光る『街』とそれぞれの『窓』が、くっきりと映像として心に残った。 都会でも田舎でも、自分と関わりが無くても、ひとつひとつの灯りの中に人の暮らしや人生が詰まっている。 バックで流れるクラシックピアノが跳ねる音も良い。タイトルはここからかな。 私としては、主人公が作ろうとしていた動画モニターを映画館に仕立てたものも見てみたかった。 この知的な老婆を見ていると母のことが思い浮かんだ。今の時代、テレビに出てくるような幸せな老人はそうはいない。人との関係性をおおらかに捉えられる人でないと生きていくのが難しいと思う。 作中にあるように、美しいものを醜く、醜いものをさらに醜く映す悪魔の鏡が自分の心に刺さっていないか、自分に問いかけたい。 中村くんはこれだな。 どこかにある命のホテル•島、と表現されていたスヴァールバル諸島のことも調べてみた。 まだまだ自分の知らないことがあるんだなぁー!ビザ無しで行けるとは。死んではいけない、生者だけの国、というのはちょっと語弊あるけど。 地球は丸い。それは私達が余り遠くを見られないようにするため。 →それなら、自分で遠くまで出かけるしかないのね。 といった美咲さんの言葉が突き抜けてて爽快だった。 この作家のテレビ番組でのナナメな発言が好きでいつか小説を読みたいと思っていた。社会学者、というのも面白い。 読後、ロマンティストな人だと思った。食べ物、お酒の記述もあり、五感にうったえてくる作品。手元に置いて読み返したくなる。
0投稿日: 2020.02.18
powered by ブクログ『平成くんさようなら』に続く古市さんの第二弾。高層ビル窓ガラス清掃員の翔太は、ある日清掃していたマンションの住民の老婆から、盗撮の依頼を受ける。??抽象画を見ているような...わかる人には面白いのか?というような芥川賞候補っぽい物語。私は『平成くん』の方が好きだな。テーマがハッキリしているから。共通しているのは「これが今のTOKYOっしょ」てのが全開なところ。やたらブランド名固有名詞の連発されるところ。ラストはなんだか感傷的になって悪くないところ。そんなに面白いとは思わないのだが、嫌いではないところ。
0投稿日: 2020.02.15
powered by ブクログ図書館で借りた本。 窓を掃除することを仕事とする主人公。ある日仕事中に部屋の中の老婆と目があった。拭き残しチェックの時、さっきの窓ガラスに口紅で数字が書かれているのを発見する。どうやら部屋番号のようで、後日訪れた時に、掃除中に部屋の中の写真を撮って来て欲しいとお願いされた。
0投稿日: 2020.02.14
powered by ブクログ都心を埋め尽くす、高層ビルやタワーマンション。清掃用のゴンドラに乗り、日々窓を清掃する若者が、ふと目に入った数字をきっかけに、不思議な老婆と出会う。 物語性は殆ど無いと言っていい。 作品を通して何かを伝えたいというよりかは、東京に住む人が抱えている孤独を表現した、ある種のドキュメンタリーを提示しているという感覚の方が近いかもしれない。 面白くない訳ではないのだが、登場人物全員の存在感が希薄で、どのように楽しんだら良いのかが分からない、故に評価が難しい作品だと感じた。
1投稿日: 2020.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人生失敗せずに生きてきた主人公の翔大、就職ではじめての挫折をして、高層ビルの清掃員になる そこで窓ふきしてるときに出会った老婆。s窓ふきしながら部屋の中の写真を撮るように依頼があり大金を受けとる。 老婆は部屋に街を作る そして翔大も少しずつ変化していく 老婆の身元もわからず交流は絶ってしまうか 美咲さんそして翔大にとっては何かしら人生の刺激と新しい未来が見える気がする。 最後の一文がそう語ってる気がした
0投稿日: 2020.01.24
powered by ブクログタワーマンションの窓拭きをする就職浪人の若者 住人の老婆から窓越しに部屋番号を教えてもらう 部屋を訪問。他の部屋の写真がみたいと言われ盗撮開始。 謝礼が約100万円。 部屋にたくさんあったダンボールに写真を貼り付け箱庭を 老婆は作った。 盗撮がばれた?撮影がきないくなった。久しぶりに訪問すると部屋はがらあき。
0投稿日: 2020.01.15
powered by ブクログ芥川賞選考騒動があったのでミーハー心から興味が湧き、読んでみました。 と言いながら盗作疑惑渦中の本は書籍化されていないので読むことができず、自分でジャッジは出来なかった・・・残念。 騒動が勃発したタイミングで単行本化すればそこそこ売れたんじゃないかという気がしたけれど、そこまで話題じゃなかったかな。 就活に失敗した主人公が高層ビル窓清掃会社に就職し、怪しげな金持ち老婆と出会い交流するお話です。 芥川賞作品ぽいつくりで、狙って書いたな、という臭いがプンプン。 その割には主題があまり見えてこなくて、よくわからない作品でした。
1投稿日: 2020.01.08
powered by ブクログ今回も芥川賞候補ということで、読んでみた。 前回の作品は、富裕層の若者の話で、知らない世界、知らないメンタリティを経験して興味深かった。 この作品の主人公は就職に失敗した若者と、高層マンションに住む富裕層の高齢女性との交流の話で、前回と同じく人物描写は面白い。 しかし、高齢女性を「老婆」と名付けてしまったのは残念。 いくら裕福でも、賢くても、お洒落をしていても「老婆」と呼ばれてしまうわけね。 せめて高齢のマダムとか、愛称で呼ぶとかあったろう。 この呼称に、作家のセンスが出ているような気がする。 若い女性でも想像力があれば、ゆくゆくはそういう扱いを受けるのだということを感じてうんざりするだろう。 女性を敵に回して、いいことは一つもないと思うけどねぇ。
0投稿日: 2019.12.19
powered by ブクログ老女の依頼は 部屋の盗撮なんですが 犯罪や好奇心というよりは 記録のためというのが 現代の気分によく合ってる気がします インスタの切り取りみたいでしょ さらっと飄々としてでも明るさもある なかなか面白い小説でした
0投稿日: 2019.12.18
powered by ブクログ初めての古市さん作品。 いやぁ、面白かった。 まず、展開が超絶気になる。 それから、主人公翔太の一人称が、説明臭さを感じる事もなく静かで好ましい。そこに先輩の声が加わった時の屈強な男性が浮かんでくる感に不思議と惹かれてしまった。 その声に対する老婆の言葉にあたしは救われたような気になったけれど、翔太はどうだったのだろうか。 知らない世界を知ることが出来たのも楽しい。 掃除嫌いだけど、かっぱぎたいからスクイジー欲しくなる。 あと、筆記体Rのつく高級チョコレートの正体を知りたいー。
0投稿日: 2019.12.14
powered by ブクログ「平成くん、さようなら」がとても面白かったので期待したが少々残念。古市さん作の装画は素敵。 窓をかっぱぐ。掻いて剥ぐからきた言葉 天使の溜息←シャンパンの炭酸が抜ける音 天使の拍手←シャンパンの泡がグラスの中で弾け、小さな音が重なり合う音
1投稿日: 2019.12.04
powered by ブクログ全体的に内容が薄いように感じた。 展開があまりなく、画竜点睛も粗雑である。 しかし、自分の心の中で聞こえる声とを折り重ねながら書いていたのは新鮮であった。
2投稿日: 2019.12.02
powered by ブクログ古市さんは嫌いではない。むしろどちらかと言えば好きかもしれない。古市さんを見ているとなぜかピエロを思い出す。意識的にか無意識的にか、いつもピエロ的な立ち位置にいるような気がしてならない。 さて、ビルの窓拭きが偶然窓のあちら側の老婆と出会って人生観を変えていくようなお話なのだが、途中いかにも芥川賞っぽいエピソードはあるものの、最後は意外にもけっこう爽やかに着地してしまった。うーん、なんかちょっと物足りない。僕の好みとしては、あのまま老婆の世界へ行ってしまってほしかった。少なくても、もうちょっとのめり込んでほしかった。現代風な感覚もあり、つまらなくはなかったが、取り立てて共感するところもなかった。まあ、普通。
0投稿日: 2019.11.26
powered by ブクログスラスラ読めてとても読みやすい なんだろう 刺激は無かった 特に決まった楽しみの無かった青年が もしかしたらこれから楽しくなるかも、、 と思えるものが老婆との関わりで 見つけることができた のかな。
0投稿日: 2019.11.24
powered by ブクログ働くこと、生きること、命の価値、物質の価値を考える一冊。主人公が社会的価値観に疑問や不安を感じる中、老婆に安心感や親しみを抱く気持ちにとても共感した。 私も、電球と箱でできた街の一つの箱に住んでいる。私の箱は幸せの箱です。
0投稿日: 2019.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文中に出てくる、脳内会話みたいのが多くて、ちょっと分かりにくいところがあった。ギリ、話についていけた感じ。 最後の文章は好き。 「地球が丸いのってどうしてか知ってますか」 「僕たちがあんまり遠くを見ないようにらしいですよ」 「遠くまで見たかったら、自分でどこかに出かけるしかないってことね」
0投稿日: 2019.11.21
powered by ブクログ初めて一眼レフカメラを買って、写真を撮り始めたとき 『自分は今まで何を見ていたんだろう?』と考え込んでしまうくらい 世の中が違って見えました。 『自分が生きている世界はこんなに美しい場所だったのか・・・』なんてちょっと感動したりもして。 自分の目の前にあるものがいつも見えているとは限らない。 いつも見ているものが、何かをきっかけに全く違うものに見えることだってある。 生のすぐ隣にある死を受け入れることで『生』は輝き ビルの窓ひとつひとつに人の営みがあることを知ることで 無機質な街は優しい景色になる。 見ないように、見えないようにしてきたものを 受け入れることで、体温を取り戻していくかのような主人公の姿に 少しだけ明るい未来を感じ、安心して本を読み終えることができました。
1投稿日: 2019.11.18
powered by ブクログ東京の高層ビルの窓清掃員が、不思議な老婆から依頼された仕事を通して。。。前作の『平成くん、さようなら』は、文化系トークラジオLifeで速水健朗が絶賛していたので、手にとってみた。ハハハ、東京のイケてる人たちをモチーフにした話ね、としゃらくせーやと思って読み進めたが、そこで描かれている空気感は十分共感できたし、読み終えた時点、何か心にひっかかりのようなものができたので、好きな作品だと思っている。更に今回の作品も都会を舞台に、なんだかなぁ〜な世界観で進んでいく嫌いなタイプの小説なのに、結局最後まで読み切ってしまった。
0投稿日: 2019.11.15
powered by ブクログ最初読みづらいなという印象の(個人的に)文章でしたが、中盤以降は老婆とのやり取りが引き込まれる部分があったのですが、最後がフーンという感じで読了。文章とクライマックスがもう少し抑揚があればよかったのかなー個人的には星2つ。 次回作に期待。
0投稿日: 2019.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3.5 就活に疲れ思わず飛び込んだビル窓清掃の仕事 目のあった老婆の部屋を訪ねそして依頼されたミッションとは 同時進行で読んでる又吉君の「人間」より大分読みやすい 最初の美咲さんの大胆な行動が気になってどんな展開になるんだろうと読み急いだ 最後は薄々感じてた通りおばあさんは幻だった 子供への電話・・・出ない その後のSMS・・・取り敢えずは読む 暫くしての長文メール・・・未開封で即削除される
0投稿日: 2019.10.22
powered by ブクログビルやマンションの窓拭をふく(かっぱぐ)清掃員。勤務中、窓の中にいる老婆と目が合うことで、その後、老婆を訪ねる。そこで、老婆より部屋の写真を撮って欲しいと頼まれる。 不思議なおばあさん。おばあさんの言動は興味深かった、しかし、あまり心の響くものはなかったな。格差社会とか人との繋がりとか今を切り取ったものがあるんでしょうが。おかしなものもなく深いものもなく。私には合わなかっただけかな。
5投稿日: 2019.10.08
powered by ブクログ初、古市くんでしたが、テレビで拝見する顔と作家としての顔はやはり違うんですね! ミステリー好きとしては、青春ものになかなか手がいかないけど、古市くんということで読んでみたら… 確かに、キュンキュンくる感じではなかったけど、主人公の生き様や無機質的な思考に惹かれた。もう一度、じっくり読んでみたい作品でした。
1投稿日: 2019.10.03
powered by ブクログ芥川賞候補ということで購入。 「平成くん、さようなら」では、「安楽死」をテーマにしていましたが、こちらは無いように感じました。 ただ、テーマがない分、現実の中でもがきながら、答えがわからず、淡々と生きている姿には、現代を反映しているようにも感じました。 古市さんの小説には、表現のレパートリーが独特で、凄いなと思いました。ただ、様々な表現を数多く哲学的に描かれている分、蛇足に感じることもありました。そんなに回りくどく書かなくても…と思ってしまいました。 特に盛り上がりがあるわけでなく、淡々と進行しています。あまり段落がなく、読みづらい部分もありました。 でも古市さんの主張なのかわかりませんが、現代に対する不満や内に込められた思いなどが垣間見れて、今が表れているように感じました。 主人公が幸せを目指して、一歩一歩頑張ってほしいなと思ってしまいました。
0投稿日: 2019.10.03
powered by ブクログ本作品は、(おそらく)貧困の中の幸せを見つける若者の話ではないかと思う。ビルの窓ガラス掃除をする主人公は、ガラスを隔てて自分がいる場所と建物の中の幸せそうな世界を対立させながら、ガラスの中にいる謎のお金持ちの老婆と知り合いになる。ビル掃除中の盗撮写真を老婆に渡すことで大金を手に入れられるのだが、そのお金の回し方も若者世代と老人世代の財産継承のように思えなくもない。ここまでは自分の解釈。本当のところはどうだろうか。 どうしても前作の「平成くん、さようなら」と比べてしまうのだが、本作品からは著者の主張が見えにくかった。
1投稿日: 2019.09.25
powered by ブクログあの古市さんの作とはと思うほど良かった。当たり前に見えている世界が、本当の世界かどうかなんて、誰にもわからない。せっかくなら、自分にとって心地よいものがいい。
0投稿日: 2019.09.22
powered by ブクログ主人公が就活を失敗した青年という設定に強く惹かれ、人に教えてもらってすぐに購入し、その日のうちに読み終えました。 まず読み終えて思ったことは、本筋と逸れた感想にはなりますが、「共感」というものはとても大きなエネルギーを生み出すんだなぁということです。というのも、私は普段あまり本を読まないのですが、そんな私が一気読みしてしまうくらいの(それも純文学を)エネルギーを共感は生み出してしまいました。主人公の生活状況や、物語の時代背景、就活時の心境などが、丁寧に描写されていることによって、それを可能にしたんだと思います。現代の若者について研究をしてらっしゃる方の小説は一味違うなと思いました。 最後に、内容の方の感想ですが、「過ぎていったはずの一瞬を記録し、後で振り返ることは大切なのかもしれない」と最後の方に主人公は気付きますが、もしそうだとしたら、あまり記録をしたりする人生を歩んできてこなかったので損をしてるのかもなと思いました。ので、ブクログをインストールして読書記録を残すことに決めました。読書体験も一瞬のものに近いと思います。読み終えた今の感情をここに残し、あとで振り返る時に、その重要性に気づければと思います。
7投稿日: 2019.09.11
powered by ブクログ芥川賞ノミネート作というとやはり純文学寄りなイメージが有るので、エンタメ小説のように素直に楽しむというよりは、少々深読みして読もうと思って読み進めます。 タワーマンションの中に垂れこめる老女、タワーマンションの外で窓を清掃する若者。どういうメッセージなのかなと思って読んでいましたが実は意図が全く分かりませんでした。色々分からないなりに、青年と老女の交流は胸温かく楽しめました。 もう少し何か胸に差し込むような物が有るかと思いきや淡々と進み淡々と終わります。あまり深読みせず素直に読んで楽しむのが吉だと思います。僕も最初から素直に読んでおけばよかった。
1投稿日: 2019.09.10
powered by ブクログ二度目の芥川賞挑戦もダメだったようであるが悪い出来ではなく受賞していればそんなものかという感じの作ではあった。就活に失敗した翔太とタワーマンションにひとりで住むハイソな老婆との交流の話である。マンションの窓の清掃を生業として始めた主人公が同僚のシングルマザー美咲さんとの仕事中の情事を見られたことが縁で高額な報酬で仕事中の写真を撮ってくることを依頼されてしまう。そのことによって世間と断絶した二人が外の世界に関心を取り戻していく。二人の交流が「メタモルフォーゼの縁側」の二人のようにも感じられた。
1投稿日: 2019.08.28
powered by ブクログ表紙の画も古市さんが描いたんだと知って、へ~となる。 前作より好きかも。 高層ビルの窓の清掃員と、あるマンションの住民の老婆との交流。 と書けば何の事はないが、 老婆から、ある事をお願いされての交流。 突然その交流は終わってしまうけど、主人公には何か希望が残ったように感じる。
3投稿日: 2019.08.26
powered by ブクログ前から手元にはあったが、なかなかタイミングがなくて読みきれていなかった。 が、芥川賞の選評が興味深くて、気になっなら一気に読みきれた。 視点や言葉や切り口は作者っぽいなと感じた。 社会の見方なんかはやっぱり惹きつけられる。 またいろんな視点で社会を語って欲しい。 その手段に小説っていうのは面白いし読みやすい。 いっそのこと、小説と社会学的な解説本みたいなのだしたら面白そう。 また続編が読みたいです。
0投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログ老婆老婆と繰り返される度、腰の曲がったノーメイクノーブラでブカブカの服を着た白髪頭の、本作で描写されているのと真逆のおばあさんが頭に浮かんできて、老婆という言葉ばかりが気になってしまった。
1投稿日: 2019.07.26
powered by ブクログビルの窓拭き中に窓を挟んで知り合った金持ちの老婆との交流.犯罪まがいの窓からの盗撮とその写真を待つ老婆の何か寂しさを覆うような段ボール群.都会の中で危ういバランスで生きている人たちの出会いと別れをさらりと描いて,そして深い.死んでしまった先輩の語りかけが寂しさを際立たせていて.彼の行きたかった世界中の種子の貯蔵庫のある北の島はいい選択だ.私も興味があってちょっと行ってみたい.
0投稿日: 2019.07.24
powered by ブクログ平成くんさようなら、が好きだったのでとても期待していた。 平成くんとの比較になってしまうが、あっちは平成くんという主人公が魅力的で平成くんに引っ張られて楽しく読めたけれど、こちらはいまいち登場人物に魅力を感じず、ストーリーにも魅力を感じず、最後までただ字面を追うだけになってしまった。 この小説を書きたいと思った理由が知りたい。 前作で魅力だと感じた今どきワードが控え気味だったのも残念だった。 次回作に期待。
0投稿日: 2019.07.21
powered by ブクログビルのガラス清掃員翔太は高層ビルに住む老婆に頼まれ、隠しカメラで清掃中に部屋の写真を撮る。孤独を抱えた若者と老婆の不思議な交流が始まる。
0投稿日: 2019.07.13
powered by ブクログ高層ビルの清掃員が仕事中に出会った老婆。 ガラスの向こうの彼女が口紅で残した部屋番号。 孤独を抱える二人の奇妙な関係が始まる。 前作は高層ビルに住む人が主人公で、今作は高層ビルの清掃員が主人公。 なんとなく社会の格差を感じてしまったせいか、序盤から哀しさのような色を感じ。 人間として見られないことより、それに慣れてしまうことが悲しいと思う。 彼は何を求めて何を見つけたんだろう。
0投稿日: 2019.06.27
