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ニセモノの妻(新潮文庫)
ニセモノの妻(新潮文庫)
三崎亜記/新潮社
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総合評価

19件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々三崎さん。 主張が違う人、理解できない現象とやっていくために、自分の心とどうやって折り合いをつけるか…難しい問題です。 ここで描かれる主張はいやちょっと無理筋、みたいなものもありましたが。でも現実に「そうはならんやろ」みたいな説も目にするので、あまり変わらないのかも。 「坂」の主義主張大バトル面白かった。頓知か詭弁か。 お役所が杓子定規なところは、元公務員の三崎さんならではのリアリティあります。イラッとさせられる。 ラストを教訓めいた文言で締めてしまうんだな相変わらず…と思っていましたが、「ニセモノの妻」のブラックな終わり方は好きでした。「断層」は切ない。

    2
    投稿日: 2025.04.15
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    ある日、妻が「私はニセモノかもしれない」と言い始めた。世間では知らぬ間にニセモノの人物が本人と入れ替わる事件が相次いでいた。私はニセモノと言い張る妻とホンモノの妻を探す旅に出る。 三崎亜記の短編集。三崎亜記の本はタイトルだけ見て買ってしまう。前に読んだ本でもSFがかった話だったが、本作は小松左京や筒井康隆の様な「入りの」SF短編。 マンションに住み始めたが、他の部屋には誰もいなさそうだが、ある日突然現れたり、妻がニセモノになる世界になったりと、アイデアと入りは良い。 そう、入りは良いのだ。ただ、途中からどれもこれも微妙な感じになるんだな。SF的な設定だが、その設定の掘り下げがなされないままあるところで元に戻ったり、結局掘り下げられずにふわっと終わったりという作風が続く。せいぜいSF要素のない『坂道』は納得できたものの、結局どうするんだよ?という余韻もなにもなくぼやっと終わってしまうのだ。 前に読んだ作品も、結局何が何だったのかというところを説明せずに日常に戻るが…という話だったので、この人のスタイルなのだろう。 初期の作品群なのかもしれないが、SF読みとしては納得の行かない1冊である。『断層』も終わりはそれでいいのか?

    0
    投稿日: 2023.07.25
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    ファンタジーとはならないけど、ビミョーな何かが起こる世界。これは読む人を選ぶ本かなぁ?と思います。人によって面白いと思ったり違ったり…自分にはちょっと合わないかも?と思いました。

    2
    投稿日: 2021.09.17
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    今回も三崎さん独特の不思議な世界観が満載です。 購入したマンション「ルミナス野分浜」はとても静かで人の気配が全く感じられない 駐車場にはたくさんの車が止まっているが灯りが灯っているのは我が家だけと言うホラー的な要素を含んだ「終の筈の住処」 ホンモノの妻捜しを始める奇妙な物語の「ニセモノの妻」 「坂」では階段主義者の登場にクスっと笑え、「断層」は少し切ない 4作とも現実には起こりえない物語ですが不思議な世界観を味わいたい方にはオススメの1冊です。

    0
    投稿日: 2021.03.04
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    ファンタジーほどまで飛ばない 日常をズラす三崎ワードの短編集 「終の筈の住処」 「ニセモノの妻」 「坂」「断層」の四篇 「終の〜」実は、これに似たような現象 (同建物内で周辺に一切居住者が居なくなる)に遭遇し、なんだか怖さが強まる。 なにより主人公の職場の先輩の立ち位置が怖かった。 「静かな戦争」であるマンション建設反対運動が出てくる。 「ニセモノの妻」自分がニセモノなんじゃないかと言い出した妻と本当の妻を探す話。 何がニセモノでホンモノなのか曖昧なところをどう捉えるか? 読み終えて、いつ入れ替わっているのかも分からない自分の妻を観察する。 「坂」坂ブームという三崎作品ぽい 「ないないあるある話」そして夫婦間の戦争…詰め込んできた感がある。 「断層」ある日を境に次元の狭間に囚われ、1日の数分間を何日かに分けて生活する妻と、それを維持するために妻との生活を続ける夫 二人の時間と、夫の時間にだけ流れる深刻さの対比が際立ち、切なくて泣きそうになりました。 「失われた町」で起こる「消失」よりも急ではない分、酷ですね。 夫のつぶやいた言葉が心に残る。 「お好み焼きを作って、余った青のりを磯辺揚げに使って食べる」場面から ぐっと感情移入しました。(よくやる人)

    19
    投稿日: 2021.02.10
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    「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」妻と思ってきた女の衝撃的な一言で始まったホンモノの妻捜し。けれど僕はいったい誰を愛してきたのだろう(「ニセモノの妻」)。ある日、仲睦まじい夫婦の妻だけが時間のひずみに囚われてしまった。共に明日を迎えられない彼女のために夫がとった行動は―(「断層」)。その他、非日常に巻き込まれた4組の夫婦の、不思議で時に切なく温かな短編集。

    0
    投稿日: 2021.02.06
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    いつも不思議な世界を見せてくれる三崎氏ですが、表題作のような人間そのものが変わってしまう作品はあまり記憶に無い。 断層もややその雰囲気があるし、ちょっと怖くなる一方で切なくもなるので、いつもの作風の方が好みかな。

    0
    投稿日: 2020.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    テーマが面白いです! ただ、これで終わり?と少し物足りなく感じてしまう気持ちもありました…。 断層が1番面白かったです! 明るいテンポなのに、とても切なくて悲しくなりました…

    0
    投稿日: 2020.10.21
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    表題作のニセモノの妻、がやっぱり一番おもしろかった。姿形も記憶でさえも何もかも同じもう一人の自分、、それってもはやニセモノって言えるんかな?ある日突然自分の妻がニセモノに変わってても私も気づかんやろうなと思う。自己申告がなければ。だって記憶もDNAも同じやから確かめる術がない。そんなぞっとする状況が描かれてて面白かった。

    1
    投稿日: 2020.07.20
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    あっという間に読み進めていける本。 最後の断層がバカップル丸出しだけど、幸せな夫婦の切ない話。 あり得ない日常だけど、全部の作品が夫婦のあり方を書いていて考えさせられる。 となり町戦争は受け入れられなかったけど、これは面白かった。

    0
    投稿日: 2020.05.10
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    三崎ワールド全開(^ ^; 基本、すべて荒唐無稽な話なので 「SF」に分類はしてみましたが...(^ ^; これはもう「三崎亜紀というジャンル」としか(^ ^; よくもまぁ、こういう変なことを思い付くもんだ(^ ^; いや、思い付くだけならできるかも知れんが、 それを掘り下げて突き詰めて異世界を構築して、 その中で破綻なくストーリーを織り上げるのみならず、 うっかりすると「感動させられてしまう」(^ ^; 荒唐無稽なのに(^ ^; 三崎氏の一連の作品は、読まなければ絶対伝わらない。 伝わった人は、あっさりと「三崎菌」に感染し、 次の作品、また次の作品と、追い求めずにはいられない。 ...そういう「危険な作品」です(^ ^;

    0
    投稿日: 2019.07.01
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    日常の隣にある非日常なんてのは、割とその辺にゴロゴロと転がっているものの、一歩外を歩けば反対運動に出くわしたり、目の前にある坂が今日から坂とは認めない。なんて理不尽かつ、奇妙な世界だろう。そんな奇妙奇天烈な世界は三崎印で、奇妙奇天烈ながら今ある当たり前のこと、ものがどんだけ幸せを構成する一部であるかをつくづくしみじみと。一歩間違えればサスペンス仕立てをあえてサスペンス仕立てにしないのも三崎印。「断層」の起きている事実と夫さんと妻さんのイチャラブさ加減との間にあるものの振り幅が大きくて恐怖すら感じた次第。

    0
    投稿日: 2019.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作をはじめ、夫婦をテーマにした4つの短編を納める 相変わらず、ぞわっとするように現実が揺らぐ三崎ワールドが全開。4編いずれもはずれはないですが、「あなたとは傾きが違う」という名言?が良かった「坂」と、バカップルさが切なさと喪失感を一層際立たせる「断層」が好みでした 日常は奇跡的に維持されているもので、一瞬一瞬が貴重な瞬間であるということ。そしてそれはもしかしたら突然終了し、暗転してしまうことを否応なく認識させられ、それゆえ日々の大切さを忘れてはならない、ということを、あらためて実感させられます。

    2
    投稿日: 2019.03.25
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    三崎亜記のニセモノの妻を読みました。 不条理な事件に巻き込まれてしまう人々を描いた短編集でした。 印象に残ったのは「断層」という短編でした。 突然、住んでいる場所に断層と呼ばれる異変が起きて妻がその断層に飲み込まれてしまいます。 夫はその妻との接触を続けていくのですが、タイムリミットが来て妻は失われてしまいます。 三崎亜記の小説では、突然家族や仲間が異変に飲み込まれてしまうという設定の物語が多いですが、この短編もせつない余韻を残す物語でした。

    1
    投稿日: 2019.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    星3つは、最初の話の「終の筈の棲家」が星3つ。「ニセモノの妻」が2つ。「坂」が1つ。「断層」が4つということで、その平均(笑) 三崎亜紀は以前『鼓笛隊の襲来』というのを読んで、話のなんとも珍妙な設定がよくって。この『ニセモノの妻』もそれを期待したのだが、どの話も『鼓笛隊』ほどには珍妙さが足りなかった…、かな?(笑) 「終の筈の棲家」の星3つは、「最初だからこんなものか?」と評価はかなり甘くなっていると思う。 雰囲気は悪くないのだが、途中で出てくるエントランスの監視映像の少女のエピソードが投げっ放しで終わっちゃうところとか、かなり不満。 そこいくと、「ニセモノの妻」は最初の話より話が完成されているのだが、何か話が好きになれなかった。 たぶん、最初の話の不満が尾を引いたんじゃないかと思う(笑) ていうか、この話。女性からするとどう思うのだろう。 消えなきゃならない運命にある、(女性である)“ニセモノの妻”が主人公の旦那(当然男)に対し、あまりにも従順、かつしっかりしているように思うのだ。 それは、まるで世の男どもが理想とする(かつての)日本女性のようで、妙に違和感があった(ありがちなフェミニスト的なつっかかりじゃなくってねw)。 もしかしたら作者はこの話を、(なんとなくのイメージとして)消えゆく、かつての日本女性像へのレクイエムとして書いたんじゃないか?なんて思ったり。 いや、最後に現れたホンモノがいいとかよくないとか、そういう意味では全然ないですのであしからず(笑) ていうか、ここに出てくる“従順でしっかりしたニセモノ”が妻ではなく旦那の方だったら、女性はどう読むのだろう?また、男は「ニセモノの妻」と同じ気持ちで読めるんだろうか?とも思った。 「坂道」はつまんない(笑) 最後、やたらと話をいい方向にまとめちゃうところなんか、「くっだらねー!」のひと言(笑) 今の日本(人)って、いい話に飢えているようで、その反面いい話に辟易しているようなとこがあると思うんです。 それは、いい話やきれいごとじゃなきゃダメみたいな空気があるから生き辛くなっちゃうということを、みんな薄々気づいているからじゃないですかね(笑) というわけで、著者にはぜひそんな話を書いてもらいたいな。 「断層」は上手い!のひとこと。 人間の幸せなんてものは、大好きな人(たち)とのバカ丸出しのコミュニケーションをいっぱいすることにある!ということなんでしょう。 特に男と女のコミュニケーションは、(親と小さい子供の関係を除けば)唯一バカを全身全霊でさらけ出せる関係なわけで、ま、なんだ。深読みするなら、作者は現代の恋愛事情について何か言いたかったのかな?なんて思ったり(笑) 全部、「断層」くらいの話だったらなーと、つくづく残念。

    1
    投稿日: 2019.01.14
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    うーん、うーん。 今回もまた「構想はすっっごく面白いんだけど、小説としてはイマイチ...」でした。デビュー作からずっとずっと同じ感想で、何度か「お、描写が良くなった、これは期待できるかも」と思ったもののあまり良くならず期待を裏切られ続けて12年。流石にもう決心がつきました。 三崎さんは、おそらく監督であって、俳優ではないんだろうと思います。小説家はどうしても監督兼俳優になってしまうけど、漫画のように原作と作画担当で分業したり、映画のように監督と脚本と俳優とその他たくさんの専門家の協業になったっていい。 名監督は名監督として素晴らしい作品を作って欲しい。 だって、今でも三崎亜記ほど素晴らしい着眼点の小説ってなかなかないから。『となり町戦争』を読んだ時の衝撃は今でも私の「本を読む喜び」のトップ10に入るんだもの。 表題作の「ニセモノの妻」だって、「本物と区別のつかない偽物は果たしてニセモノなのか」というすごく面白いところを攻めていて、読みながら何度も「お、そこにツッコむのか、いいね、先が読みたい!」と思ったのに、棒読みのセリフにしらけてしまうような経験が繰り返された。少しミステリーっぽい展開にも胸躍らせたけど、ガッツポーズの途中で握った拳の持って行き先に困ってかゆくもない耳の後ろをかいてみたり、ということが複数回あった。 原作(作詞作曲)三崎亜記で他の作家による演奏(歌唱)を見てみたい、と言ったら伝わるでしょうか。 三崎亜記の魅力を三崎亜記がスポイルしているような読書感でした。

    2
    投稿日: 2019.01.10
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    4編からなる短編集。どれも荒唐無稽な物語ながら,結末が知りたくなり止まらず一気読み。面白い!!中でも表題作が一番好き。 あらすじ(背表紙より) 「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」妻と思ってきた女の衝撃的な一言で始まったホンモノの妻捜し。けれど僕はいったい誰を愛してきたのだろう(「ニセモノの妻」)。ある日、仲睦まじい夫婦の妻だけが時間のひずみに囚われてしまった。共に明日を迎えられない彼女のために夫がとった行動は―(「断層」)。その他、非日常に巻き込まれた4組の夫婦の、不思議で時に切なく温かな短編集。

    1
    投稿日: 2019.01.09
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    三崎亜記の短編集。 収録作の中では『終の筈の住処』が一番好きなのだが、この短編集のタイトルは矢張り『ニセモノの妻』がだと思う。『ニセモノ』が漢字でなく片仮名なのがいいんだよなぁ。

    0
    投稿日: 2018.12.31
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     「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」  ある日突然、妻は私に疑問を投げかけた。  見た目、癖、記憶、そして遺伝子までも全く同じニセモノが突然出現する「突発性真偽体分離症」は、ニセモノがホンモノに抱く劣等感だけが違いを分ける。  ホンモノを探さなくては。  ニセモノの妻は全力でホンモノを探そうとする。  そしてたどり着いたのは、ニセモノを保護すると偽る収容施設だった(「ニセモノの妻」)。  短編四編、ほか 「終の筈の住処」  300戸超のマンションを終の住処とした夫婦。  夜、夫がジョギングから戻ってくると、自分たちの部屋だけにしか明かりがついていない異様な光景を目にする。  近所で起こるマンション建設反対運動。  夫の仕事の先輩が反対運動の地区に住んでいるが、その理由も分からない。  このマンションは、何かがおかしい。 「坂」  ある日、家の前の坂がバリケードに囲まれて通行できなくなっていた。  居座る団体は、坂を大地のもとに戻すと主張し、その団体に妻が加担している。  坂が趣味として認知される世界。  元通りの生活を取り戻せるか。  そして、三崎亜記の真骨頂だと思ったのが最終話「断層」だった。  ある激甘ラブラブ夫婦のイチャイチャっぷりが描かれる。なんだこのバカップルは。  しかし、ある災害による被害者という暗い日常とが交互に描かれる。  2つの世界はだんだんと時間が乖離していく。  どうしてなのか。  この4話目が、特に印象的だった。  「海に沈んだ町」「刻まれない明日」など、町が突然に消滅する世界が、いくつか書かれている。  その中でも、この短編「断層」が一番切ない。  今までの日常が、突然に終わりを告げるのではなく、消える日が来るのが迫っていながらも、どうしようもできない。  それを、筆者は災害として描く。  狂ってしまいそうな悲しみを隠して、日常を振る舞う。  どうして、なぜ。    筆者らしい短編集だった。

    0
    投稿日: 2018.12.31