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星へ落ちる
星へ落ちる
金原ひとみ/集英社
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総合評価

34件)
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    金原作品は読む時点での自分自身の感情のあり方で、感じ方が全く違ってくる気がする。 今、この本をすべて受け入れられるような感情には無いが、そうなりそうだった頃に引きずり込まれる怖さはある。 誰もが持つ弱さ、強さ、貪欲さ、傲慢さ等をすべてさらけ出す特別な作家。 嵌る人はどっぷり出し、ダメな人は徹底的にダメだと思う。 僕自身は恐らく前者。 読むタイミングを気を付けないととんでもないことになりそうな作品。 こんな内容の本でも何故か読み易いのは筆力が高いため。

    2
    投稿日: 2025.06.24
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    情熱的な恋心。 自分と恋人以外要らない。それ以外は嫉妬の対象。それ以外は常識もなにもない。好きで好きでたまらなく好きで、削れていく精神。自分さえ敵に思えるくらい、消耗する熱烈な恋愛感情。刹那を生きている。青い未熟な不純な純愛。

    0
    投稿日: 2025.01.07
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    2組のカップルがWで浮気し、浮気した本人たちもまた、愛の模様に苦しんでいた。見捨てた側は愛の方向がお互いに向いていないことを自覚し、見捨てられた側は自分の中でどうにか合理化して足掻いていた。純愛とは正反対に位置するような小説。愛の複雑さを巧みに表現していて、読者にまで辛さやどうしようもなさが伝わってきた。

    0
    投稿日: 2024.11.26
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    あなたは、『ルームシェア』をしたことがあるでしょうか? 友人同士などで直接貸主から賃貸物件を借りて住むことを指す『ルームシェア』。本来借りることのできない物件を複数名でお金を出し合うことで結果的に割安に借りられることから、昨今、よく聞かれるようになりました。それを前提とした新築物件も増えつつある状況は、そのような考え方に違和感がなくなってきた今の時代を象徴するものであるとも言えます。 では、『ルームシェア』を始める時、住人同士の間には相手との関係性をどう考える中にスタートを切るのでしょうか?  『嫉妬も束縛も依存もしない関係でいよう』 なるほど、なんとも大人な宣言だと思います。これであれば長続きするようにも感じます。そんな関係性が続いていけば快適な生活が望めそうでもあります。 さてここに、上記したような宣言の先に二年が経過した『ルームメイト』の存在に光が当たる物語があります。そんな一人の『ルームメイト』の男性は、こんなことを思います。  『彼は怯えている。僕が浮気に気づいて、静かに怒りを燃やしているのに、気づいている。後を尾けて、彼が他の女といる現場を押さえたい気持ちをどうにか抑えつける』。 この作品は、『僕』から見た彼の女が主人公となる物語。『僕』と『彼』、そして女=『私』と、『私』の元同棲相手の四人の愛憎渦巻く様を見る物語。そしてそれは、”恋に落ちる時の不安定な感覚”を書名の「星へ落ちる」と形容する金原ひとみさんの繊細な筆致を見る物語です。 電気の消えた東京タワーを見上げていると、『さっさと背を向け』た『彼』に、手を引かれたのは主人公の『私』。『もっと見たかったのに』と呟く『私』に、『何か、急に恐くなって』と『困惑を浮かべ』る『彼』は『ああいう大きな建物見てると、恐くならない?』、『例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?』と続けます。そんな『彼』に『もう一回言って』、『僕は星を見ていると、星に落ちちゃいそうな気がするんだ、って』と言う『私』ですが、『彼』は『いくら頼んでももう言ってくれ』ませんでした。そんな時『彼の携帯が鳴』り、『私も携帯を開』くと、『帰って来て』というメールの『文字が目に入』ります。一方で、『参ったよ』、『倒れたって』、『何かの発作みたいだけど』と言う『彼』ですが、『行かなくていいの?』と訊く『私』に、『行かないよ』と答えると再び歩き始めます。そして、『マンションに戻り、『二時間ほどベッドの中でじゃれ合った』二人。『その間、彼の携帯は三回振動』するも『一度も出なかった』『彼』。『彼の恋人は、きっと私の存在に気づいている。私の影に怯えている。でもそれは私も同じだ。私は、彼の恋人の影に怯えている』と思う『私』は、『彼に同棲している恋人がいる。その事実だけで、私は自殺してもいいはずだった』とも思います。そして、『じゃあ、またね』と帰っていった『彼』のことを窓から見下ろす『私』。そんな『私』は、『ここはマンスリーマンションで、家具はどれも備え付けのため、私の物はほとんどない』と部屋を見回します。『一緒に住もう、いつか彼がそう言ってくれるのを』『期待している』『私』。 場面は変わり、翌日、外出先からの帰宅途中、 携帯が鳴り『非通知の表示を見つめ』る『私』は、『しばらく悩んだ挙げ句、通話ボタンを押し』ます。『俺だよ。何でずっと電話出てくれないんだよ』、『なあお願いだから会ってくれよ…無理に連れて帰ったりしないから。だから一度会ってくれよ』と続ける『男』に『二十分くらい』で家に着く旨返す『私』。そして、家に着くと再び『男』から電話がかかって来ました。『眠れないんだよ最近。やっぱり俺は一人じゃ駄目なんだよ』と言う『男』は、『…新しい、リニューアルした俺が待ってるぜ。ほんと。お前惚れ直すぞ…お願いだよ会いたいんだよ。なあどうしたらいいんだよ…』と続けます。ひたすらしゃべり続ける『男』の声を聞きながら『この男と暮らしていた部屋を出たのは、二ヶ月前。男は毎日電話とメールをしてくる』と思う『私』。そんな『私』は、『男の声を聞いていると、時々涙が出てくる。男が可哀想なのか。それとも愛する彼に彼氏がいて、毎日彼氏の元に帰っていく彼に翻弄されている自分が客観的に見えてしまうのが辛いのか。分からない』と思います。そんな『私』が『彼』のことを想う日常が描かれていきます。 “彼には同棲している男がいる。私は彼が来てくれた時に迎え入れればいいだけで、彼を望む権利などない”と内容紹介にうたわれるこの作品。そんな内容紹介には、続けて複雑な関係性を匂わせるこんな文章が続いています。  “彼の彼氏に嫉妬する『私』、彼に女の影を感じて怯える『僕』、出て行った彼女を待ち続ける『俺』” そうです。この作品は、冒頭の短編および全編通じての主人公となる『私』が『彼』と同棲している『僕』の存在を感じつつ『彼』への思いを深めていく、そのような前提において、五つの短編が連作短編を構成する中に描かれていきます。 そんなこの作品をまずは表現的な側面から見たいと思います。一つ面白いと思ったのは『ヒールのある靴』を演出道具として使っていくところです。  『歩く内、足の裏がじりじりと痛んでいく』 そんな風に足元へと読者の視点を向けさせる表現こそが、『彼とのデート用に買った』という『ヒールのある靴』です。『デート用』であるからには彼との歩きが念頭に置かれますが、一方で一人の時はそれが違う印象を持ちます。  『こうして一人で歩く時、それは拷問の道具に成り下がる』。 私は『ヒールのある靴』を履いたことがないのでよく分かりませんが『拷問』というような感覚になり得るものなのでしょうか?この辺りは女性の方がこのある意味で繊細な表現を理解いただけると思います。  ・『親指の付け根の辺りがぴりぴりと痛んでいる』  ・『足の痛みに耐えられなくなり、本屋にも寄らず、タクシーで帰宅した』 『ヒールのある靴』を履いていることをずっと読者の頭に意識させ続ける一連の表現。場面の一貫性と、他のさまざまなことが起こる中でも足が気になり続けるというリアルな感覚を上手く表現していると思いました。 そんなこの作品は、『ヒールのある靴』を履く主人公の『私』に関係する三人の人物が登場します。三人とも男性であり、女性は『私』ただ一人です。そして、興味深いのは、この作品では登場人物の名前が一人も記されないで代名詞だけで綴られていくところです。では、『私』含めた四人の人物をここに整理しておきましょう。  ・『私』: 〈1〉〈3〉〈4〉後半〈5〉の各短編で視点の主。小説家。1Kのマンスリーマンションでの一人暮らしから2LDKのマンションへと作中で引っ越す。  ・『彼』: 『私』が付き合う男。一方で、男性の『僕』と二年前から3LDKのマンションで『ルームシェア』。  ・『僕』: 〈2〉の短編で視点の主。『彼』とは『ルームメイト』。『ウェブデザインの仕事』、『自殺願望は収まらない』、『手首を切る』  ・『俺』or『男』: 〈4〉前半で視点の主。『私』の元同棲相手。『美容師』→『配管工』、『手首を切る』 この作品には上記の四人が登場します。『手首を切る』といった危うい人物が多いのが地味に金原さんらしさを暗示しています。一方で、上記した通り四人とも名前が明示的に明かされないこともあって、読者は上記した『 』の記述によって、その会話をしているのが誰か、その行動をしているのが誰か…を特定することになります。とは言え、とても上手く書き分けられているために混乱することはないと思います。そんな四人の関係性をもう少し分かりやすく整理しましょう。それぞれの人物から見た他の人物を整理してみます。  ・『私』: 『彼』と付き合っているが、そんな『彼』には、同性の『僕』という存在がいる。一方で、かつて同棲していた『男』を完全に無視できないでいる。  ・『彼』: 同性の『ルームメイト』の『僕』とは肉体関係にあった。現在は『私』という異性と付き合っている。そんな『私』に昔の『男』がいることは知っている。  ・『僕』: 同性の『ルームメイト』である『彼』のことを今も思い続けている一方で、そんな『彼』に『私』という異性がいることを知っている。  ・『俺』: 同棲していた『私』のことを今も思い続けており、頻繁にメール、電話をしてくる。そんな『私』に『彼』がいることは知っている。 いかがでしょうか?なんとも複雑な関係性の中に物語は始まり、その関係性が少しづつ変化していく様子が描かれていきます。一見、よくある物語にも見えますが、この作品のオリジナリティを示すのが、『彼』のルームメイトが同性であるところだと思います。では、『彼』のことを思う、『私』と『僕』のそれぞれの思いを見てみましょう。  ・『私』: 『男同士は、どこか違うんだろうか。異性の恋人と同性の恋人、それがどれだけの違いを持っているのか、私にはまだ分からない。分からなくて、分からない事を引け目に感じたりもする』。  ・『僕』: 『彼はもうすでに、僕とじゃなくて、あの女と生きている。僕はもう彼にとって邪魔者でしかない。これまで二年間僕たちが歩んできた道は絶たれた。それも、一人のブス女の出現によって』。 『彼』に同棲している彼女がいて、という前提の小説は他にもあると思います。さらに一歩進んで既婚男性となると不倫という言葉の先に数多の小説が思い浮かびます。しかし、この作品の前提はそれが異性であるというところです。『彼』の位置付けを単純にゲイとしてしまえばこう複雑に展開することはないはずです。しかし、相手を男性としたことで、そこには一人の男性を取り合う男と女という考えれば考えるほどに不思議なシチュエーションの物語が出来上がります。そして、そんな三角関係において、女性の『私』が視点の主を務めることで、今まで見たことのない斬新な世界観の物語が展開していくことになります。  『彼の恋人は、きっと私の存在に気づいている。私の影に怯えている。でもそれは私も同じだ。私は、彼の恋人の影に怯えている』。 そんなことを冒頭の短編〈星へ落ちる〉で思う『私』。物語のポイントは、その視点が『私』から『彼』のルームメイトである『僕』に移るところです。上記した通り、そこには『私』のことを『ブス女』と罵る『僕』の内面が描かれていきます。  『彼があの女と付き合い始めて、初めて僕は自分の気持ちを認めた。それまで押し殺していた気持ちが、噴き出した』。 『私』の存在が『僕』の『彼』への思いを自覚させることに繋がる現実がそこに描かれていきます。それが同性間の恨みではなく、異性間であることが、ことをさらに複雑に見せてもいきます。そんな物語には、もう一人の『男』の存在があります。『私』とかつて同棲していたという『俺』。そんな『俺』は、『私』のことを今も忘れられない中に狂おしい日々を過ごしています。そして、そんな『男』に視点が移るところもポイントです。  『帰ってくる。あいつは帰ってくる。絶対的な自信に、圧倒的な無力感が襲いかかる。いつもそうやって、俺はどっちの可能性も信じられない』。 そんな思いの中に『私』をいつまでも待ち続けている『男』。なんとも未練がましい存在ですが、そもそもそんな『男』のことを『私』が、バッサリと切って遠ざけてさまえば良いものを、電話もメールも変更しないどころか、さらには『非通知』の電話にさえ、もしやと分かった上で出てしまうという行為によって、かえって『男』に思いを継続させてしまってもいます。『私』のなんとも中途半端な行動がことを複雑にしていくことがよくわかります。 そして、そんな物語、最大のポイントが、『彼』には決して視点が移動しないことです。ある意味で一番罪作りな存在とも言える『彼』。同性の『僕』に非情な姿を見せつつ、『私』と付き合う『彼』は、『男』の存在も認識しています。私、さてさてから見ると、こんな『彼』のどこが良いのかさっぱり理解できませんが、異性にも同性にも好まれる魅力がある存在なのだと思います。しかし、そんな『彼』にだけは視点を移動させません。ここに金原さんの作品作りの上手さをとても感じさせます。そんな物語がどのような結末を迎え、四人の関係性はどうなるのか?そこには、複雑な関係性を描く中に、相手の一言ひと言、相手の行動の一つひとつに心悩ませる一人の女と三人の男の心の機微を鮮明に映し取っていく金原さんらしい繊細な物語が描かれていました。  『ねえどうして。どうして電話してくれないの?どうして私に会いに来てくれないの?』 そんな狂おしい思いを着信のない携帯に向ける主人公の『私』。この作品には、そんな『私』を中心とした四人の男女の戸惑いと心の叫びが描かれていました。ひりひりするような展開に、どこか島本理生さんっぽい雰囲気を感じさせるこの作品。そんな中に、『彼の恋人』を『僕』とした先に独特な世界観の物語を生み出していくこの作品。 極めて繊細な感情で綴られていく物語の中に、”夜空を見上げている時に感じる、足元がフワッとする落ちちゃいそうな感覚は、自分自身が恋に落ちる時の不安定な感覚と似ているような気がしました”と書名の由来を説明される金原さんの上手さを感じる、そんな作品でした。

    236
    投稿日: 2024.07.15
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    くるしくてつらい、だけどその中に潜む愛がこれまた残酷。まるで恋愛から甘いところをほとんど抜いてしまったよう。目を背けたいのにページを捲りつづけていた。 もどかしい気持ちでいっぱいになりますが、わたしはすごく好きでした。

    1
    投稿日: 2024.02.19
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    2021年最後のブックレビューです! 誰かを死ねって思うほど、自分が死ぬって思うほど、毎回誰かを好きになっていたら、わたしはこれから先、何人の命を奪ってしまうのだろう。 好きな人を忘れられないのは、そこにあるのが好きって感情だからなのか、もっとこうしたかったという後悔なのか、それともそれは執着や依存の類なのか。 自分が壊れてしまうほど、誰かを好きになるのなら、いっそのこと誰かを好きにならない方がいい、とすら思う。恋愛が素晴らしいことだ、って誰が決めたの? 誰かを好きでいることでこんなに壊れるくらいなら、いっそ死んだ方がマシだと思ってしまう人に、「そんなことないよ」って、「生きてればきっと、もっといい人に出会えるかもしれないから」って、誰が言える? だって、次に好きになる人だって、きっと同じようにわたしを壊すもの。 だけどそれでも、人はきっと、いや、わたしは絶対、誰かを好きになる。 嫉妬にまみれて苦しむよりも、苦しまずに平穏に過ごす方がいい。そんなことわかってるし、そんな風にわたしに平穏な生活をもたらしてくれる人がいることだって知っている。 なのに自ら自分が苦しむ道を選び、結局苦しむことになる。 安定を求めていたはずなのに、気づけばなぜか刺激を求めて不安定になっている。 刺激を求めて、気づいたその先にあるのは満足ではなく渇望だ。何をしても、決して満たされることのない、渇望。 結局、わたしが求めているのは、安定なんかじゃない。誰かを好きになっても満たされない、心の奥の奥の方から常に湧き上がってくる、欲望の塊だ。これは、わたしの命が尽きるまで、ずっとずっと、湧き上がってくるのだろうか。それとも、どこかで湧き上がるのをやめるのだろうか。それは、勝手にやんでくれるんだろうか、それとも、わたしが自らやめないと、湧き続けるのだろうか。苦しいよ。 金原さんが描くのは、恋愛小説と見せかけた、いのちの物語だ。 だからこそこんなにも苦しい。 生きることの苦しさを描く物語は数多存在するけれど、金原さんの描くその苦しみは唯一無二だ。誰かを好きになることと、それに付随する依存と不安と孤独と衝動。 わたしはいつも自分のことを貶めてしまうのだけれど、そんなわたしにも寄り添い、かつそれを否定も肯定もしない。そういう人がいる、そういう人がいたっていい、ということだ。 そういう種類の優しさっていうのも存在していて、自分自身が、作品によって包み込まれている感じがする。 いい意味でも悪い意味でも、自分を貶めちゃう時に読むと効果抜群。 金原ひとみさん。大好きな作家さんです。 こちらでも選んで頂き、大変嬉しく思います。 https://booklog.jp/hon/event/bestofbest-20211223 ブクログのみなさん、本年も大変お世話になりました。 こんなわたくしですが、来年もどうぞよろしくお願い致します!! よいお年を!!

    61
    投稿日: 2021.12.30
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    男性と女性とまた違うホモセクシャルの男性との決して交わることはあるけれど不安や恐怖、嫉妬、拭えない三者の暗闇を彷徨うような物語。果たして登場人物は愛を感じていて幸福なのだろうか。疑問を感じた。けれど登場人物の腐敗した感情は読者を魅了する。愛ってなんだ、そういう時に読まれる小説だと思う。

    1
    投稿日: 2020.05.05
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    それぞれの登場人物の視点からそれぞれの心理が深く表現されていて引き込まれた。 最後も下手なハッピーエンドではないところが良かった。

    0
    投稿日: 2020.02.24
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    連作短編っていうんでしょうかね。初出の雑誌やメディアがそれぞれ違う5編なんだけど、主人公らしき女性とその人が今好きな男性、元カレ、今好きな男性の恋人の男性という4人が登場する。 自分としては、元カレくんに感情移入。いいやつなんだよね。去ってしまった主人公に泣き落としの電話をかけたり未練タラタラだったんだけど、地道に工場勤めしながら借金返して生きている。未練を断ち切ったような最後の登場にすくわれた。 対して、幸せそうだった主人公は、疑ったり心配したりしてだんだん満たされなくなっていく。こじつけっぽいけど「星に落ちる」って、キラキラしたところへ昇っていくんじゃなくて落ちていくってこと? 好きになった今のカレ、優柔不断というか不実というか、一番姿を見せず本心がわからない彼がほかの3人を不幸にしてる。

    2
    投稿日: 2017.09.09
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    同僚に借りた本。この著者の作品は「蛇にピアス」しか読んだことなくてなんかものすごい重い恋愛の話だった印象で、まさかの本作もものすごい重い恋愛のお話だった。金原さんは重い恋愛書くのが好きなのかな? 今回は登場人物の名前が一切出てこない。「彼」の事が死ぬほど好きなルームメイトの男性「僕」、同じく「彼」のことが好きで浮気相手?の女性「私」、その「私」の元カレでストーカー並の執着心で電話かけまくる男「俺」の四人のお話なんだけど、「彼」目線のお話はないのよね。結局「彼」の本当の気持ちは不明。嘘つきでずるいっていう印象だなー。結局「彼」と結婚しても「私」は幸せにはなれないんじゃないのー?もっといい男いるんじゃないのー?と思うけど、どれだけ魅力的な男なんだろうか。。。 それと、「俺」「私」は3年同棲してたわけだけど、借金まみれでなんかダメなやつなのに大好きで何の不満もなかったってすごいな。いやぁわたしには絶対なありえないけど、いろんな恋愛があるんだねぇ!すごい!!! 夜な夜な彼が帰ってこない、、、とか泣きながら待ってたりとかスープ作って待ってたりとか怖すぎだし重すぎでしょう!もっと自分を大切にするべき!

    2
    投稿日: 2016.10.30
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    『彼』を巡って衛星のようにぐるぐる巡る不毛で息苦しくてもどかしい恋の行方。 東京の街の夜の空気がぎゅっと閉じ込められた作風だなぁと思いつつ、全編に行き渡った閉塞感と狂気がひりつく。 はてさて『彼』はどう思いどう生きるのか、本心が見えないのがなんともかんとも。 『彼女』に捨てられた男がなんのかんのと再生したかのように見える中、『彼女』は『彼』に捨てられまいと壊れていくのがなんとも物悲しい。 愛とはいつだってこんな風に紙一重の狂気の沙汰なのかもしれない。 いしいしんじの解説文が素晴らしい。

    1
    投稿日: 2016.01.31
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    金原ひとみの「星へ落ちる」って本読んだんだけど、会いたくて会いたくてマジで震える西野カナみたいな女と、お高くとまった感じ悪い上に自殺未遂繰り返すメンヘラなゲイとその2人を天秤にかける優柔不断な浮気男の話だった。 1章ごとにそれぞれの視点から描かれているんだけど、みんな思考回路がメンヘラすぎて、「彼から電話こない」→「鬱だマジ死ぬ…てか死ぬから!すぐ連絡くれないと死ぬからね!今手首切ったなう!」みたいな終止そんな感じ。

    0
    投稿日: 2015.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作を含む5つの連作短編集。普通の甘ったるい恋愛小説とは違い、狂気に満ちた恋愛小説である。そこがクセになる感じもする。それぞれの思いが交錯してちぐはぐな関係を作り出している風に思えた。

    1
    投稿日: 2015.04.14
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    連作短編。 金原さんの小説では珍しく、男性目線で書かれた話もあった。 見た感じまともな人たちが比較的綺麗に出てくる。 面白かったけれど、金原作品なら他の小説の方が好きだと思った。

    0
    投稿日: 2014.05.04
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    読まず嫌いだった作者。思いきって読んでみた。 もっと早く読めば良かった、という気持ちと読まなければ良かった(当作品に対する個人的感情として)、という気持ちと半々。 彼を中心に回り落ちていく人々の話。 惑星のような彼の存在感が非常に薄いのに、周りの衛星である人々によって、中心となる彼が描かれている。それぞれの衛星からの視点によって、惑星が異なって見えるため、様々な惑星を見ることができる。 そして、その惑星と衛星を結ぶかのような歩道橋の心許なさ。 作者の作品の中ではライトな部類の作品と聞いていたので、まだ読めたのかもしれない。もう一作品読んでみようと思う。 ここで、どなたかも書かれていたが、いしいしんじの解説が明瞭だった。 早く読んで、この作者・作品を好きな人と感想を話しあいたかった。本の話だけでもいいから話したくなった。

    0
    投稿日: 2014.04.23
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    わたしと、わたしが好きなあのひとと、わたしのことが好きなあのひとと、わたしが好きなひとがすきなひと。もうほんとうにわたし。不幸なわたし。恋愛がつらいわたし。不安なわたし。吐いてしまうわたし。わたししかないんだけれども、これ、分かる、と思わされるところが凄い。全部リアルだから。返信が帰ってこないと胃がキリキリしてしまってって、ものすごいリアル。こういうものを読んでいると、結局人間はほんとうにエゴイズムまみれで、自分のどうしようもない不安の穴を、他人で埋めているとしかおもえない。それをなんかいいものっぽく書くか、正直に書くか。このひとは正直すぎるだけだとおもう。その正直さにはとても好感がもてる。

    0
    投稿日: 2013.12.11
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    ストーリーはなんてことないのに、文章というか、行間の雰囲気が好きな感じ。 よしもとばなな氏とか、江國香織氏とか。 苦手感のある芥川賞受賞作家さんが楽しめた自分がうれしいw

    3
    投稿日: 2013.08.12
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    好きになった男には彼氏がいた話。 浮気されるのと 浮気相手になるのと どっちがツラいか。 「彼」はどういう心情だったのかな。

    0
    投稿日: 2013.03.17
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    様々な形、様々な段階の依存が描かれている作品。 他者に依存できる人、その状態を相手に伝えられる人ってすごく強いし人間らしいんだな、と。 いつか心を切り刻まれてしまう可能性に怯え、常に相手との間に薄い薄い膜を作ったり、常に複数の退路を用意しているような関係性ばかり築いていたような人には到底できないことですね、ほんとはしたいとしても。 解説はいしいしんじさん、「彼」の唯一の主体性を持った言葉をしっかり捉えて考察されています、素晴らしい。 私はそのシーンに違和感を覚えたくらいで、いしいさんほどに裏を読めませんでした、残念。

    1
    投稿日: 2012.11.20
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    続・ひとみ嬢。 相変わらずもってかれるズブズブはまっていくような文章。 恋愛もの・連作もの。男ふたり(ひとりはゲイ)と主人公。 初期作品を思い起こす。このままアミービックに繋がっていきそう。 どうしてかここに戻ってきてしまうという人間の本能を、星へ落ちる引力とかけてあるのだ。 惑星、夜空、ふたりの思い出。引力といってしまえばなんだか美しい思い出の夜なのに、 もちろん地上ではそうはいかないし、病んでいく様から墜落したところで終わるからなんともいえない。 元彼、いいひとっぽかった。ほんとうに人って、恋愛って、フカシギデスネ。

    0
    投稿日: 2012.11.14
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    金原さんの書かれる女性ってなんでこんなに妙な色気と病的なところを兼ね備えてるんだろう 彼、彼女、私、俺、僕・・・それぞれの立場からそれぞれの目線で話した連続短編集 人を愛するって、難しい 登場人物達は恋に愛にゆらゆらと支配されていて面白かった 主人公への元彼の思いも、恐ろしいモノを感じるけど、逆にここまで恋愛に一直線にのめり込めるなんてある意味才能だと思う

    0
    投稿日: 2012.08.14
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    自分を投影しやすい人物がいて、とてもあせった。ひやひやした。星へ落ちる、という表現はすぐ気に入った。

    0
    投稿日: 2012.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    金原ひとみの相変わらずの病的な男女関係。 「彼」をめぐる、「私」「僕」「俺」三人の関係性や感情を描いている。 依存性の物語で「彼」の行動ばかりが気になり、最後には頼る、依存よりも結合、一体化したいともとれるような表現が多く見られている。また自分を他人によって証明されたい、求められたいという願望も垣間見える。 この解説において、いしいしんじ氏が物語の中の関係性を宇宙の星や太陽、月を用いて示してあり、わかりやすく、タイトルにも結び付けてきて、やられたと思った。つか、ひとみ様もこれを踏まえて、当然書かれてますよね(汗)

    3
    投稿日: 2012.01.24
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    「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」 星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。 男と女と、男の彼氏と、女の元彼。 複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ 人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。 愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。 って読んでて思った。 描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。 とんとんとんとん。にんじんを刻んで、トマトを刻む。さくさくと切れていくトマト。立方体に切り揃えていく内、まな板にトマトの汁が滲んでいく。 スープ作りが一番印象的だった!

    1
    投稿日: 2012.01.07
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    彼には同棲している男がいる。私は彼が来てくれた時に迎え入れればいいだけで、彼を望む権利などない―(『星へ落ちる』)。彼の彼氏に嫉妬する『私』、彼に女の影を感じて怯える『僕』、出て行った彼女を待ち続ける『俺』。相手を愛おしいと思えば思うほど、不安で押し潰されそうになってやり場のない感情に苦しんでしまう男と女と男を、それぞの視点から描き出した切ない恋愛連作短編集。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 うーん……なんかよくわからんかった。 それぞれ関連する人の視点で短編が続いてくんだが、みんな恋愛に狂ってて怖かった笑

    0
    投稿日: 2011.12.26
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    そんなことないかも、と思いながらも 結局また引きずりこまれている。 どんなに好きだと一緒に居たいと不安に思っても それはつまり自分の中でしか理解されない 相手に愛されていようといまいと。 本当はあんまり考えすぎない方が上手に生きられるのかも知れないけれど、 やはり私もそういう風にしか生きられない。

    0
    投稿日: 2011.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これ自分の話じゃん!だんなさんとの出会いかよ! …と思った、最初は。 主人公がギャルの作家で、編集者と同棲する話って、実話だろって。 この人自分のことしか書けないんだろうなーって。 これがどこまで事実に基づいているのかはわからない。 私は数年前に週刊誌で、編集者と結婚したらしいという記事を読んだだけだから。 でもけっこう実話に基づいてるんじゃないかな、と私は推測している。 自分のことしか書けない作家でもいいと思う。 魅力は十分にあるから。 才能ある作家だと思う。 読みやすいし、読みやすいだけじゃなく、はっとする。 事実に基づいているから、人間をえぐりとれているんじゃないかと私は思っている。

    0
    投稿日: 2011.11.27
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    なかなかよかった。 男女ってのは救いようがないぐらいややこしいんだね。うん。分かるよ。がんじがらめだよ。がんじがらめではないですけど。

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    投稿日: 2011.10.28
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    「私」「僕」「俺」三人の主人公のなかで、愛する人を決定的に失い最も不幸なはずの「俺」が、最終的にいちばんマトモな人間でいられている、というところが印象的。 「俺」は「私」を失うことでアイデンティティを取り戻し、「私」や「僕」は「彼」を得たことで「彼」やその関係そのものに依存し、アイデンティティを喪失した(あるいはそう望んでいる)のではないか。 「私」も「僕」も「彼」との結合を強く求めるところも、そういう印象を補強している。 「オートフィクション」のときも思ったけど、物語の進行と主人公の内的描写のコントラストが面白かった。今作では複数の視点から謎を解き明かしていくような要素も含まれていて、最後まで楽しめた。

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    投稿日: 2011.10.07
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    4人の人物を軸に3人の視点から書いてる本。 めちゃめちゃ面白かった!!! 角度が違うだけで、3人の持ってる根本みたいなのは同じ事言ってんだろなって。でも、人間が違うと違うんだね。 とってもドロドロしてるようで、すごくストレートに伝わってきたかなぁ!

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    投稿日: 2011.10.06
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    男と男と女の三角関係。ひとりの”男”をめぐった心理状態が、違う目線から、短編集の形式で書かれていて、読みやすかったです。 金原ひとみが書く、みんな一生懸命なのに、誰も幸せにならない感じがリアリティがあっていいですね。 今回は全然ぶっ飛んでなかったので、物足りない感じもあったけど、暗いのに刺激的な文面がとても好きです。

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    投稿日: 2011.10.03
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    「彼」を中心に「私」と「僕」と「俺」の視点から描かれる連作短編集。 関心を引くための自傷行為など、人を好きになる意味を考えさせられました。 自分を愛してくれる「俺」を捨てて「彼」を選んだ「私」 同棲している「僕」から「彼」を奪ったけれど、その影に怯える「私」 「彼」を奪われて自暴自棄になる「僕」 「私」が出ていき、自暴自棄になる「俺」 登場人物の名前は決して出てこないし。 ほとんど、情報は与えられず、好きな人に対する感情のみ。 また、「彼」自身の感情は言葉では語られない。 あくまでも、「私」または「僕」からの強い想いのみが描かれる。 他人に依存するということがこれほどに脆いもので。 盲目的に誰かを愛するということは自分をも傷つけるものなのか。 激しさとか欲とか嫉妬とか歪な形のものが描かれていて。 決して目を背けてはいけないのだと思い知らされるだけでなく。 きっと誰にでもあるだろう、どろどろした感情は。 なぜか、今を生きているということを強く痛感させられた。

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    投稿日: 2011.10.01
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    不安な愛の重力的な重たさ 好きになった男には彼氏がいた・・・。 ボーイズラブ的な香ばしい恋愛小説かと手に取ったものの、 愛という見えないものの不安と恐怖に押しつぶされていく話。 バイセクシャルな彼を軸に、主人公の「私」と彼の彼氏である「僕」と彼女の元彼「俺」という三者の視点から描かれた連作短編集。 軸である「彼」の視点がないので、読みながら読者は「彼」というプレイボーイを勝手に妄想していくだろう。それぞれの視点で描かれている彼は、とても優しそうでクールで仕事ができそうな感じ。そんな彼を巡って、「私」と「僕」は見えない相手と見えない愛で不安で押しつぶされていく。 届かぬ愛、満たされない愛。 夜空を眺めているように、星に落ちていく。

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    投稿日: 2011.09.25
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    オートフィクション、amebic、ハイドラと同じ主題を描いてる(則ち、他人との間の越えられない壁、それを意識するほど壁を厚くしていく自分 的な)ように思うけど、これは一番誰にも勧めやすい感じがしますわな。

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    投稿日: 2011.09.23