なんて恐ろしい勢いで展開していく漫画なんだ…… 序盤は古い先入観バリバリで女性蔑視を行う小山田部長がBL同人誌作家の岡磯辺の術中にハマっていく展開かと思いきや、徐々に乙女ゲームにハマっていきそれどころかあまりに深い沼に堕ちていく様子が非常に勢いよく展開されていく……！ と言うか、小山田部長のキャラがとても良いんだよね 序盤では確かに女性への偏見やら決めつけを持っている。痴漢されるのはスカート履いてるからだとか、休日の過ごし方に難癖つけたり、若い部下の仕事に情熱を求めたりといったテンプレのような発言が目立った。 それが岡磯辺によって少しずつ変わっていく様子があまりに面白すぎる！乙女ゲームに夢中になり、応援上演回の熱狂にも飲まれてしまう小山田部長。そうそう居ないよ、こんなピュアに乙女ゲームやら応援上映に感動する人！ 本作は小山田部長が沼に堕ちていく様子が描かれる作品なんだけど、一方で小山田部長が様々な出会いに対して純粋に感動していく様子に読者は嵌っていく いつの間にか読者が小山田部長に堕ちていくという恐ろしい構成。作中で電柱×部長なんて意味不明な同人誌が人気になっている描写が有る。最初こそ「そんなのありえないだろ……」と呆れていたが、読みすすめる内に「こんな部長なら有りかも……」と変わっていく不思議 そんなピュアな小山田部長だから、作中でも小山田部長に堕ちていく人が何人も… 特に声優の山田孝作が酷いね(笑) 自分の演技が評価されず、ただ自分が演技するオッドアイキャラが欲されているだけなんじゃないかと悩みを抱えていた山田 そんな彼の前に現れ、彼の演技を評価するに留まらず演技プランの奥底に有ったものすら感じ取ってしまう 小山田に褒められた途端に饒舌になった挙げ句、スタッフに羽交い締めにされる山田の様子が面白いね それはそれとして一つの乙女ゲームを200週以上クリアしてしまう小山田部長の熱意ってどうなってるんだ……？ 普通に職場でもプレイしてますよね……。問題にならないの……？あ、そういえば職場で乗務や専務を交えて1クールアニメの鑑賞会が開かれるくらいだからそもそもまともな会社じゃないのかもしれないや……

部長が堕ちていく。そして、部長にオチていく面々。執事はいいものだ。推しが父というのもなかなかだよ、お嬢さん。山田くん、ドラマCD出られたらいいね。