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赤い館の秘密
赤い館の秘密
A・A・ミルン、山田順子/東京創元社
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総合評価

21件)
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    『赤い館の秘密』は、アガサ・クリスティやドロシー・L・セイヤーズのような作家に比べると知名度はやや劣るかもしれませんが、クラシックミステリーの入門としても非常におすすめの一冊です。何より、「くまのプーさん」の作者が、これほどまでにしっかりとした推理小説を描いていたことに驚かされます。

    1
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    A.A.ミルンのもうひとつのマスターピース。 赤い館で銃声が響き、男の死体が発見される。それはオーストラリアから帰ってきたロバート、この赤い館の主マークの兄だという。しかし肝心のマークも行方不明になっている。マークの従兄弟で遺体を発見したケイリーが何かしたのか? たまたま赤い館を訪れて事件に遭遇したギリンガムは、年下の友人ベヴァリーをワトソン役に私立探偵をやってみようとするのだった。 推理自体はそんなに難しくなくてミステリをよく読む人なら遺体のすり替えだと早いうちに気付いてしまうかもしれない。しかしそんなことが気にならないほど、このミステリは読んで楽しい。まず素人探偵のギリンガムは優れた記憶力を持ちながらも探偵は初めてで雷光が走るように事件を解決するわけではない。思考を整理するために友人にワトソン役を頼み、ディスカッションをしながら徐々にありえない可能性を潰し、確たる証拠を得る方法を考えていくのだ。年下の友人ベヴァリーを可愛がる様子も好ましいし、犯人だったケイリーへの配慮もよい。ワトソン役を務めるベヴァリーもよい。前向きな性格で雰囲気を明るくするし、ギリンガムに友情と敬意を持っているのが伝わるし、探偵の頭脳を引き立たせるための馬鹿でないところがとてもいい。ときにギリンガムが熟考に沈んで置いてきぼりにされるが、それに対する不満もさらりと伝えるにとどめ、ギリンガムの思考を尊重しているのがいい。こんな名コンビを今まで知らなかったことが悔しいし、出会えて嬉しい。 ミルンの「『赤い館の秘密』に寄せて」も収録されている。ミルンの理想とする探偵小説の条件はどれも頷くことばかりで、理想を体現したことに驚く。そしてそんなこの作品が探偵小説を愛した父に捧げるものであることがさらりと書かれている。ここを読んでミルンの大きな愛情を感じた。とても素敵な名作だ。 訳者が自分の生涯の愛読書であるアーモンド『肩胛骨は翼のなごり』の訳者でもある山田順子氏である。それでさらに好きだと感じたのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    くまのプーさんの作者の唯一の推理小説だそう。何でもお父上がミステリ小説が少ないと嘆いていたので書いたそう。もうこの時点で作者の優しさが溢れてる。探偵役が登場するまでやや退屈だけど、殺人が始まってからはぐいぐい読める。本編もそこまで大きないざこざは起こらないものの、ちょっとした誤解から謎が増していき、そして綺麗にラストまで繋がっていく。良くあるおかしな言い争いもなく、探偵役と友人の二人が終始和やかな雰囲気でほっこりする。かなり昔に書かれた作品らしいけれど、それを感じないくらい面白かった。

    0
    投稿日: 2025.03.21
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    この本を選んだきっかけは『8つの完璧な殺人』を読みたいから。 これはおもしろい。本当におもしろい。 読みながらなんとなく察しがついたけど(詳しくは言えない)、そこにいたるまでがおもしろい。 作者であるミルンが終わりに“『赤い館の秘密』に寄せて”を書いているけど、ここまで読んでほしい。 探偵小説とは何かを書いてある。いちいち納得してしまう。 本当におもしろかった。

    0
    投稿日: 2025.03.08
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    クマのプーさんの作者が書いたミステリー小説とは知らずに読み始めたけど、何と100年ほど前の作品だそう。古さは全く感じず、ぐいぐいと内容に引き込まれた。別の作品もあるのかな。あるならぜひ読んでみたい。

    1
    投稿日: 2024.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    プーさんの作者がミステリを書いてるとは知らなかった!まんまと釣られた。 古典作品という事もあって変なややこしさは無く、途中で何となくトリックはわかると思う。 ホームズ役とワトスン役のキャラクターが良い。軽快な会話をしながらしっかり連携して情報収集したりと読みやすい。 瞬間記憶持ちは強い。些細な違和感を紐解いてじわじわ真相に近づくやり方。 金田一耕助のモデルっていうのちょっとわかる。 訳者のあとがきでちょっと微妙な気持ちになった。

    0
    投稿日: 2024.11.20
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    『クマのプーさん』は子どもの時に読んだけど、同じ作者が推理小説を書いてるなんて知らなかった。 しかもその作品は、乱歩ベスト10の堂々8位。 裏表紙からあらすじ少し。 赤い館で銃声が轟いた。死んだのは15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄だった…。 推理小説なのにずっと優しい。 クマのプーさんがいつ登場しても違和感ないんじゃないか?ってくらい全部ほんわかしてる。 A・A・ミルンさんという人は、上品で優しい紳士なんだろうなと読んでてずっと感じた。 この作品は、ホームズのような超人的な名探偵とへっぽこワトソンではない。 素人探偵のギリンガムは、性格が良くて優しくて、ワトソン役を褒めて伸ばすタイプ。 ワトソン役のベヴァリーは、よく気が付くし、役に立つし、こちらも性格がすこぶる良い。 とにかく2人の仲が良くて楽しそう♪ 古典なのでトリックが古いなどは考えないようにしてるけど、さすがに素直でストレートに感じる。そこが良さかもしれないけど。 これ以上優しさ溢れるほんわかした推理小説は他にはないじゃないかと思う。 私は絵本や児童文学はほんわか系が好きだけど、推理小説はクセ強めが好きというワガママな好み(^_^;) 推理小説ではもう少しブラックなミルンさんを期待してしまった。

    93
    投稿日: 2024.10.19
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    「くまのプーさん」を書いた人がこんなに本格的なミステリーを書くんだ!という驚きを常に抱きながら楽しめた。

    0
    投稿日: 2024.01.29
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    くまのプーさんの作者が書いた探偵小説。ふむふむ。面白そうだ。そんな軽い気持ちで読み進めていたが、これがズバリ、ミステリ黄金期の作品そのもの。こういう度直球を求めていた。そう感じた一冊。

    0
    投稿日: 2024.01.14
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    物語の最後、「そうか、では、そこで殺人が起ったら、わたしに知らせてくれたまえ。探偵仕事にも慣れてきたからね」というギリンガムの台詞があり、この先、ギリンガム&ベヴァリーのコンビでシリーズ化される雰囲気満々なのだが、実際にはミルンは、この1作しかミステリを書いてない(残念!)。

    0
    投稿日: 2023.09.09
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    本書の作者は、言うまでもなく「クマのプーさん」でおなじみのA.A.ミルン。 本書は文庫サイズで330ページほど。 結構文字もぎっちり詰まっていて、ちょっと読み終わるのに時間かかるかなあ…と思ったら、いざ読み始めると軽妙でスイスイ読めてしまう。 そしてシンプルで面白い! 探偵役のギリンガムは、母の遺産のおかげで働く必要がないほどお金に困っておらず職を転々とし、つい最近また仕事をやめたばかり。友人であるベヴァリーが訪れているときいていた赤い館にぷらっと顔を出したら、たまたま殺人事件に出くわした。 そこで思い立つ。探偵業、結構自分に向いてるんじゃね?(意訳) 素人探偵発足!である。 そして探偵にはもちろん、優秀な助手が必要だよね! 私があまりミステリをたくさん読んでないからだとは思うけど、主人公探偵が熟練のそれではなく素人だなんて新鮮ですごく面白い!とわくわくしながら読み進めた。 話の展開も子気味よく、新しい発見があった!と思えばすぐに新たな疑問に直面したり。 そして、自らたちをホームズとワトソンになぞらえながら、共に謎を解いていくギリンガムとベヴァリーのやりとりが見ていて楽しいというか和むというか。 えっ、一応人死んでるミステリなのにこんなに和んだり二人のやりとりを楽しんでいていいのか?ってくらい二人がかわいい。 どちらも大の男で紳士的な側面もあるのに、なんだか少年が探検をしているようなかわいらしさ。 いや、人死んでるのに、こんな感想もなんだけど。 あとがきではミルンの探偵小説かくあるべき!な熱い語りが読めるのでぜひ。 私はてっきりプーさんのあとに本書(探偵小説)を書いたのかと思いきや、逆だったんですね。 この赤い館の秘密で好評を博し、次もぜひ探偵小説を!と所望されていたところにプーさんを書いたと。 その経緯もなんだか面白い。

    5
    投稿日: 2022.05.26
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    くまのプーさんで知られる作者による探偵小説。密室のもで、江戸川乱歩の探偵小説黄金時代のベストテンにも含まれている作品。おもしろかった!探偵役ギリンガムの品の良さ好きだし、ワトスン役ベヴァリーとのやり取りも殺人事件にあわないほのぼのさで好き。ラスト、手紙で明かされた真相にびっくりでした。いなかったのか…。

    0
    投稿日: 2022.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この作品は、クマのプーさんとは何の関係もなく読まれるべきだと思います(自戒)。 古典なので、後世のミステリをそれなりに読んできてしまうと、さすがに冒頭の数章で、ああ、これはあのトリックかと分かってしまいます。 現代の作家だったら、それを逆手にとって、もう1回転か2回転くらいさせちゃうかもしれません。 そういう意味では、加納朋子氏の解説で「フィギュアスケートや体操」で最初に「くるくると回って」みせたパイオニアに例えているのは正鵠を射ていると思います。

    0
    投稿日: 2021.09.23
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    ミルンの『赤い館の秘密』くまのプーさんで有名な作家さんですが、今回はミステリーに挑戦しました! ホームズとワトソンと呼び合う相棒とのやりとりが殺人事件解決へと導きます。 私はアガサクリスティーが好きですが、イギリスの郊外って素敵ですよね。 #ミステリー

    0
    投稿日: 2021.09.07
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    初ミルン。クマのプーさんで有名な著者。こんなミステリィも描いていたのね。古典ではありますが、新訳なので読みやすかった(^^ ワトスン役のベヴァリーが有能すぎやしないかw 素人探偵ギリンガムのキャラがユーモアもあって良い。事件の真相にはアッと驚いた!まあまあ楽しめたので、星三つ半・・と言いたいとこですが、あとがきがとっても良かったので星四つにしましょう。

    0
    投稿日: 2021.01.17
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    A・A・ミルン『赤い館の秘密【新訳版】』シャカミス読書会課題本として読了。 犯人の特定よりも、捜査描写の巧みさに真価がある。 謎自体はシンプルだがそれを紐解くギリンガムとベヴァリーの探偵行為の描写はわくわくさせるし、小冒険的で楽しい。どこか長閑で呑気なところもこの場合魅力であり長所だろう。ギリンガム最初の事件として考えると、捜査の緩さもそう悪くない。 また、ギリンガムが小さな違和感から論理的に謎を突き崩す過程は世界観の柔らかさに反してしっかりとしていてアクセントになっている。 現代から見ると薄味だが、捨て置け無い面白さがあるのは間違いないだろう。

    0
    投稿日: 2020.07.26
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    若い頃、赤川次郎さんの作品が好きで、赤川さんが好きな推理小説ということで、当時読んだ別の訳のものは判りづらくて挫折したが、今回の新訳版は何が素晴らしいのか、はっきり理解できた。 「クマのプーさん」でお馴染みの、ユーモア作家「アラン・アレキサンダー・ミルン」が唯一書いた、この推理小説(1921年の作品)が、日本の江戸川乱歩の探偵小説黄金時代のベストテンにも選ばれていたのは初耳だったが、シンプルながら見事な伏線と、意外なところからストンと気持ちよくオチるトリックは素晴らしく思えたし、タイトルもある意味上手く、私もすっかり惑わされた一人です。 また、この作品の特徴的なところはドロドロした感じがなく、すごく爽やかに物語が展開されるところと、弱者に対する優しい視線であり、探偵役のギリンガムと助手のベヴァリーの楽しささえ感じさせる描写には、嫌味な感じは全く無く、ラストのさりげない思いやりに心動かされたのは、赤川次郎さんの作品に近いものを感じたりもしました。

    1
    投稿日: 2020.06.04
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    新訳出てたので読んでみた。やっぱり圧倒的に読みやすい。言葉が時代で変化するためか、英語や英語文化の理解度の向上のためか。

    0
    投稿日: 2020.03.15
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    クマのプーさんの存在を知ったのは、幼少の頃、ディズニーのアニメ絵本だったかと思う。 それから後に原作があることを知り、ミルン著のプーさんを手に取ってみたのだが、あまり好みではなく、早々に読むのをやめてしまった。 登場人物(動物)との距離の置き方が、望むものではなかったのだ。 食い入るように読んだ、あのプーさんではなく、いかにも第三者的な、他人行儀なものに感じたのである。 『赤い館の秘密』を読み始めたら、そんなとうに忘れていた記憶を思い出してしまった。 その世界にどっぷりはまり込んで、登場人物の心と一体になって読んでいく話ではない。 嗜み深い大人の読むべき本とでも言おうか。 それもそのはず、著者A・A・.ミルンは、英国紳士なのだ。 写真を見れば、絵に描いたような、端正で理知的な容姿がそこにある。 巻頭言に父に贈る言葉があるが、呼びかけはなんと「父上」だ。 学歴はといえば、名門ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ卒。 知性・理性・品性のトリニティ(三位一体)である。 この、登場人物との距離の置き方は、英国紳士の儀礼を反映したものであろうか、などと思考を巡らせながら、 子供じみた熱狂とともに作品世界に没入するのではなく、 教養と嗜みを備えた大人として、紳士ミルンの筆による探偵小説を、味わい深く愉しんだのである。 そうして、一杯の紅茶とともに作品を読み終えた私の目の前に、次なる一筆が映った。 『赤い館の秘密』に寄せて 著者自身による随筆である。 彼のその自作への思いはいかばかりか、いかに趣のある文章かとページをめくれば、 『どこぞに消えてしまえ!』 『おもしろくもなんともない』 『だからそれがなんなんだ』 『くたばってしまえ!』  (324~325頁) 探偵小説への厚い思い入れ、年期の入った情熱を、一気にぶちまける紳士の姿があった。 おかげで私は大爆笑。A・A・ミルンのことが一瞬にして大好きになった。 (大丈夫、幸い紅茶はこぼさなかった。) 今ならあのクマのプーさんも、読んで好きになれるかもしれない。 そして、ミルンのこの「対象との距離を保った描写」は、まるでカメラのように思えるのだ。 ということは、彼の作品は非常に映画にしやすいのではないか。 20世紀初頭の英国らしい映像で、ぜひ、この『赤い館の秘密』を見てみたい。

    0
    投稿日: 2019.04.19
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    遂に出ました新訳版! クマのプーさんで有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説。百年前に書かれた素人探偵二人組のホームズとワトソンっぷりを堪能あれ。 この作品が大好きで、旧訳も何度も読み返してますが、新訳の方もとても読みやすく仕上がっていて良いですね。この話が好きなのは、ワトソンがちゃんと役に立つ。機転が利いて仕事ができて、それでいてホームズ役との揺るぎない友情に溢れていて、そして文章の端々から匂い立つミルンらしいユーモア、作家自身が推理小説好きだから伝わってくる「英国黄金期」の良いミステリの空気感……とどこを読んでてとても心地よいのです。 加納朋子さんの巻末解説がこれまた素晴らしかったです。 旧訳版で入ってた見取り図がなくなったのでちょっと屋敷の構造が分かりにくいかもしれません。それと、はしがき(『赤い館の秘密』によせて)は、旧訳版では文庫頭に入ってました(現在手に入る英語の原書も、イントロダクションとして冒頭に入ってます)が、この新訳では末尾に持っていっちゃいましたね。理想の探偵小説とは、ワトスン役について…と熱く語ってるこのミルンのイントロダクションは、これまたとても好きな文章です。

    0
    投稿日: 2019.04.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『くまのプーさん』で知られる作家、A・A・ミルンが残した唯一の探偵小説。 『赤毛のレドメイン家』と並んで乱歩が絶賛した通り、本書は古き良き時代のストレートな探偵小説。昨今のトリッキーなミステリに慣れているとどうしても薄味に感じてしまうが、矢張りこういう奇を衒わない謎解きものも良い。 登場人物が探偵小説らしからぬ好人物ばかりだったのも逆に新鮮だった。『探偵=奇矯なキャラクター』というのも、ひょっとすると偏見なのかもしれないなぁ。 因みに著者が残した探偵小説はこの1編のみ。続編も容易に書けそうなラストだっただけに、惜しい……。シリーズ化されていれば、未だに読み継がれていたことは間違いないのに……。

    1
    投稿日: 2019.03.27