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14歳、明日の時間割
14歳、明日の時間割
鈴木るりか/小学館
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総合評価

87件)
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26
38
16
1
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    面白かった!鈴木るりかさん、天才!と率直に思った! 中学校を舞台にし、時間割に見立てた昼休みと放課後も入れた7つの短編集は、現役中学生の視点からいろんな感情をリアルに描写していて、笑いやうなずきや、時には泣かせ、深く考えさせられる内容だった。 彼女の書く本、これからも読み続けたい!そう思わせる小説でした!

    0
    投稿日: 2025.11.18
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    いろんな中学生が関わって、少しずつ変わろうとしているのに胸を打たれました。 茜ちゃんの話が個人的には一番感動しました。 大好きなおじいちゃんのために自分の苦手なことに挑戦するって、なかなかできないことだと思います。 あと、先生の話にも感動してしまいました。 人とは違う才能がないっていうことを今までは自分に隠していたけれど、それを周りから感じ取ってしまってへこむ。でも、そこからなぜ自分は小説を書き出したのかという原点に戻ってみると、案外単純だってことに気づいて、もう一度立ち上がれる。 一回挫折して、もう一度立ち上がれる人間は確実に強くなると思います。 2025.8.31

    4
    投稿日: 2025.08.31
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    さよなら田中さんを読んで面白い著者だなと思いこちらも読了。 まだ確か中学生くらいに書かれた作品というのも驚きで人生において起きる教訓をしっかりと感じ取れる著者なのだなと改めて驚いた次第です。 個人的には家庭科の話とマラソン大会に向けて頑張るシーンがとても共感できました。

    2
    投稿日: 2025.07.14
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    時間割をタイトルにした、主人公が変わる7つの連作短編集。全編に中原くんが登場して主人公たちをほぐしていく。14歳の6人と国語教師の矢崎先生の視点からの心温まるお話。 中学生が書いたとは思えないほど卓越した構成力、豊富な語彙力、巧みな心理描写に驚かされた。

    12
    投稿日: 2025.03.24
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    ずいぶん前にさよなら、田中さんを読んで、その時も泣いて笑ってすごい本だなと思ったが、今作も素晴らしい。 時間割という各章のタイトルにぴったりの中身。 特に自分自身にも憶えのある体育の時間にほろりときた。 実際にも中原君みたいな友達がいれば救われる事が沢山あるんじゃないだろうか。 最低なあの人の心まで軽くしちゃってるし。 こういう終わり方の物語いいなあ。 作者の鈴木るりかさん、もう大学生なんですね。 順番に追いかけてみたいと思います。

    24
    投稿日: 2025.03.16
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    3時間目、数学の章 ハイレベル模試で9点を取った もう東京の高校なんて受からないんじゃないかと 思った この話、読みながら私も高校の時の テストのことを思い出した。 200点満点の数学のテストで23点 を取った日。ほんと、絶望した。 クラスの平均点130点だったのに。 私が平均点下げてるんじゃん! ってなったし。 あのときは、人生終わったって思ったけど 今となってはネタみたいな話。 でも、学生の頃ってそれがすべてだから そこでうまくやれないと人生終わった感 でちゃう。 それだけ追い詰められた主人公を 助けてくれる友達の言葉がありがたい。 そんなに仲がいいわけでもないのに 高校生にして先見の明があるっていうか 包容力があるっていうか、 こんな男子と結婚するといいよね笑 とにかく、どの章も楽しく読めた。 また読もう!

    30
    投稿日: 2024.09.06
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    さよなら田中さんで号泣したので同じ作者のこの本を手に取りました。 教科ごとになぞらえてそれぞれの悩みに焦点をあてていきます。 運動も勉強も出来て性格も良い中原くんがそれぞれの話に出てきます。 その中原くんにも悩みがあって…。 とりあえず中原君のファンになりました。 好きなことは結果が出なくても誰がなんと言おうともやり続けたらいいよね。

    1
    投稿日: 2024.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校生のささいな日常をいろんな人の視点から書いている。 1時間目 国語 小説を書く三木さんの話。 2時間目 家庭科 全ての家事が苦手なお母さんをもつ伊藤さんと 卓球してたけどお母さんがガンになって家庭科に入った野間くん。 3時間目 数学 進学校に進めず親の期待に応えられず東京の高校に行くことにした坪田くん。 中原くんがうちから通えばって言ってたのが印象的。 4時間目 道徳 行き当たりばったりの夫婦から生まれた松尾くん。お母さんがミチを連れ込みお母さんもいなくなって2人生活してた。 昼休み 誰からも必要とされない山下さん。休み時間は本を読んでる。「人生を振り返ってみると 一点の曇りもなく最良の日と思えるのは生涯で4、5日」 5時間目 体育 末期のおじいちゃんと同居している運動神経悪い星野さん 友達のみおちゃんは親に容姿の評価ばかり受けてる おじいちゃんの言葉。少しずつ諦めていって死ぬ準備をしている。若い時と変わらなかったら人生が楽しくて死ぬのが嫌になる。命の砂時計の最後の一粒が落ちきる瞬間まで生きてる。亡くなったら自分のことは忘れていい忘れるくらいでいい。 中原くんのお兄さん 走ることが純粋に好きだった頃の自分に、少しずつもどってる。 放課後 小説家になりたかった先生。書くことをやめかけたけど小説家になりたくて書くんじゃなくて小説を書くのが好きだったと気づく。 人生は一瞬一瞬の積み重ね。いろんな人のいろんな思いがある。

    0
    投稿日: 2024.03.03
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    鈴木るりかの14歳、明日の時間割を読みました。 鈴木るりかが14歳高校受験の頃に書いた作品です、 国語、家庭科、数学、道徳、昼休み、体育、放課後と分けて書いてありますが、なかなか面白かったです 国語は、国語の先生が小説家志望で自分には才能があると思っていて主人公の受賞にびっくりして編集者に見てほしいと頼まれます。 家庭科は、お母さんの家庭科の話 一番面白かったのは体育です。 運動神経ゼロの主人公の視線からの文章が面白かったです。

    11
    投稿日: 2024.01.10
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    とてもよかったです! まず読み終わった一番の感想は、これが中学生が描いたものなのか!?でした。ほんとうに圧巻で収録されている7編もそれぞれタイプの違う人々の物語ですが、どの編もクスッと笑えて胸がじーんと温まる作品でした。 またカラテカ 矢部太郎さんのイラストとも作品の雰囲気が調和していてより一層温まりました☺️

    10
    投稿日: 2023.07.09
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    各話が教科の名前になってるのが素敵で内容にピッタリ。 もうめちゃくちゃ良い彼に毎話心が救われる。彼がいてくれて良かった。

    0
    投稿日: 2023.02.13
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    「国語」「家庭科」「数学」「道徳」「昼休み」「体育」「放課後」 中学校を舞台に、時間割に見立てた7編の短編が収録されています。 前作の『さよなら、田中さん』は未読なので著者初読みでしたが、テンポの良さ、知識と語彙の豊富さ、ユーモアセンス、感情の揺さぶり方、本当に中学生にして何たる才能!と素直に驚かされた。 特に印象深いのは五・六時間目の「体育」 死を目前にした祖父と、主人公のやり取りには涙が溢れる。 「忘れていい、っていうのは、いろんな事を許しているってこと」他、おじいちゃんの残した数々の言葉が胸を打つ。 感動の1冊。

    0
    投稿日: 2023.02.12
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     今三章まで読んだ。で、思った。予想だ。多分、この本のキーパーソンは〇〇君だ。ってのはほとんどの人が思っただろう。  主人公でもないけれど、彼が何らかの役目を果たしながら物語の中の問題は解決し話が進行していくのだ。残りは読み終えてから書きまする。  はい、読み終えました。3章ぐらいまでは中学生(高校生?)の書いたものだな。でも、とてもうまいな。なんて思ったけれども、6章(5,6時間め)では我を忘れて没頭した。大人でもこれだけのことが書けるだろうか?と思うくらいに驚かされた。それになんともみずみずしい。10代の女の子の感性のなせる業だろうか。感動し励まされた。もっと若いころに読んでおけばよかったなどとありえない後悔もした。素晴らしいストーリー性を描けるセンス。事前にプロットとかを組み立てるのではなく、筆が進む感じで書いているのだと思う。言葉が次の言葉を生み、放った言葉が次の映像を生んでいるといった気が、書き進むうちにどんどんとその指先に力が増していっている感じがする(Wikiに実際そうやって書いているとの紹介があった)。小説家にこそそんな才能があるのだろう。るりかさんのほかの本もぜひ読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2023.01.30
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    「さよなら田中さんシリーズ」「落花流水」も面白かったけど、本作も面白かった! タイトルを見てもわかる通り、まず学校の時間割になぞらえた章が懐かしい。 国語、家庭科、数学、道徳、体育。昼休みに放課後まである。 苦手な教科に対して「これがいつ役立つのか」という、いつの時代もみんなが抱く感想には思わずクスリ。わかるわかる~。 そして、心の突っ込みが面白い。 るりかさんの作品は、懐かしくて読むとほんわかした気持ちになれる。 健やかな笑いと共にしんみりした空気感もあって、読むと少し元気になれる読後感がいい♪

    3
    投稿日: 2022.11.17
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    本作もすごく面白かったです。 とある田舎の同じ中学校に通う14歳の少年少女たちによる短編集。連鎖と言えるほどではないけど、ところどころ繋がってる部分があったり。どのお話にも、つねに中原くんという男の子が出てきます。各話の主人公にはならないけどキーパーソンとして登場する彼にもいろいろあって…? それぞれの14歳たちの日々の生活や、悩み、感動に触れ合える。笑って泣ける、そして心に残しておきたいフレーズが必ずあるのはもう、るりか節ですね。 どのお話も好きだけど、一番共感し、励まされたのは「五・六時間目 体育」です。 このお話の主人公・星野茜は、運動神経が悪いどころではなく、もはや運動神経が「ない」レベルで、毎度の体育の時間が憂鬱。中学・高校・果ては大学にまで体育がつきまとうだと…!? そして個人競技なら本人が恥をかくだけですむが、球技などの団体競技になると迷惑をかけるしかなく、毎度申し訳なさを感じる彼女に共感。 なんせ私も運動神経が悪いので…まだ彼女と違ってマラソンで歩くほどではなかったけれども。私の場合球技などが散々なのが目立ったせいか、逆に冬に長距離走を普通に走ってクラスの平均くらいのタイム出したら周りに驚かれましたね。えっ、あなたそういうタイプだったの?って。どういうタイプだよ。とりあえず作中の彼女には、運動神経の悪さではいい勝負だな〜と勝手に心の中で声をかける笑 そして体育に対する気持ちも共感…体育以外の授業で居眠りしようがテストの点が悪かろうが周りに馬鹿にされることはそうないのに、なぜか体育だけは運動神経なし人間に対して公開処刑・罵詈雑言という仕打ちなんですよね。 まさに中学の時、体育のバレーの時間でボール取りに行くの間に合わないから見送ったら「最後まで諦めるな!」と叱責?激励?されたんですよね。その言葉を放った子は運動神経抜群。いやこれ授業で嫌々なんとかやってるだけだから勘弁してくれ…他の座学だとさして仲良くないクラスメイトに最後まで諦めるな!なんて言う機会ないのだけど…ペーパーテストの点が常にそんなに良くない子に成績良い子が「次も諦めるなよ!」って言ったら誰だお前嫌なやつになると思うんですけど…なんて思っちゃったりもして。なぜ体育やスポーツになると野次が合法になるんだろう??私には終わった話だがなんとかならんか。 いやそんな話は置いといて。 とにもかくにも、体育全般に対してもはややる気を奪われてしまって、今年のマラソンも歩いて終わらせようと思っていた茜。 しかし様々な事情からなんとしてもマラソンを最後まで走らなければならなくなった茜。この経緯が、最初は強制的なものだったのですが、最終的に、自宅療養をしているもう後が長くない大好きなお祖父ちゃんのために、嫌な体育と、マラソンと向き合う決意をしたのです。泣いてまうやろ。 またお祖父ちゃんのことや、体育が苦手なことに対して、茜は小さなことで悩んでしまうと思っているけど、そんなことないよ!と大声で言い張りたい。 大人になってもうじうじ悩むことはたくさんあるし、茜の悩みは決して小さなものではない。 そりゃ(作中にもあるように)発展途上国のゴミを拾ってなんとか生きている子どもたちに比べたら小さな悩みだと思えるけど。 その比較をプラスにとるかマイナスにとるかもその人次第だけど。 でも今の自分の悩みを些末事だなんて思わないで。 そう思ってしまった。悩まない人なんていないよ。 このお話には、たくさんのテーマが詰め込まれている。 それは生き方そのものについてだったり、生きること・死ぬことであったり。 茜14歳は、大嫌いで大の苦手な体育と向き合うという、彼女の人生の中で大きなチャレンジをした。 それはただ苦手を克服するというだけの単純なものではなく、彼女の生き方を、人生観を変えるほどのものであったと思う。 デッドゾーンを抜けた彼女の人生のその先は。 「西も東も、人から見たら間違っているかもしれないけど、私が走って目指すところが西。苦しくても、走り続けていれば、セカンドウィンドがやって来る。必ず来る。」 この物語の主人公たちは、みな14歳。 明日があるのです。少年少女たちの明日の時間割は、勝手に大人に決められて窮屈なものもあるでしょうが、自分で決めてもいけるのです。 彼ら彼女らの行く先に幸あれ。 他のお話にも言いたいことはあったけど、一番好きなこのお話について(余分な私の体験談?も書いてしまいましたが)感想を書きました。 他のお話については今回割愛。 備忘録がてら目次だけ載せます。 一時間目 国語 二時間目 家庭科 三時間目 数学 四時間目 道徳 昼休み 五・六時間目 体育 放課後

    9
    投稿日: 2022.11.02
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    中学生で小説家デビューした鈴木るりかさんの2作目。 「国語」「数学」「道徳」などの教科の名前がついている短編集だ。 舞台は中学校。登場人物は中学生とその家族、教師。 最初の「国語」の主人公が三木明日香という中学生で小説家デビューした女の子だったので、この後の話もこの子が主人公で話が進むものと思っていた。 あまり主人公が名前呼びされないこともあり、2作目(家庭科。家庭科が得意な女子が主人公)の主人公も三木明日香だと思って読んでいた・・・。 「あれ?家庭科の先生になるの?小説家は辞めるのか?」とか思いながら読んでしまったよ。 「体育」の、主人公とおじいさんとの交流が良かったなぁ。 おじいさんが孫に言う言葉、私もすごくよく分かるよ。私、もう40だからなぁ。 若い子はみんな健康的で美しい、みんなきれいで格好いいってことも。 渦中にいる10代の子たちが、そういう言葉を求めているんじゃないっていうのもわかるんだよ。私もかつてそういうことを気にしていたから。美形かどうか、異性を惹きつけるかどうか、そういうことが大事なときだからね、思春期は。 でも、その時期を過ぎて、若いって素晴らしかったな、と心から思うんだよね。 私の中に、もっと素直に、あのときの言葉を受け入れられる心があれば良かったのにな。 おじいさんが語った、おじいさんの父親は戦争で子供の顔を見ることもなく亡くなり、自分は十分長生きしたから思い残しはないということも、なんかわかるよ。 身近に若くして亡くなった人がいるが、私はきっとその人のことをずっと忘れないと思う。逆にいうと、年を取って亡くなった祖父のことは、「思い出す」ことがある(つまり、普段は忘れていられる)のだ。 死んでから、忘れてもらえるくらいがちょうどいい。と言うのは、生をまっとうした人だからこそだと思った。 だから、「どんな姿になっても、命の砂時計の最後のひと粒が落ちきる瞬間までは生きている」。こんな染みる言葉を孫に話して聞かせることができて、おじいさん、良かったよね。 「放課後」の主人公である先生は、ほぼ私と同じ年の大人(ただし男性)だ。 「国語」にも登場した、妙に拗ねてる先生。 でも、大人だからこそ、素直な気持ちを思い出すとか、初心にかえれることってあるのかも。 小説家は、人の作品を批評したり分析するより、読んでくれる人を思って書くことが大切なんだろう。 この先生の未来も、ちょっと明るい気がしてきた(まぁ、現実的には難しいんだろうけど、賞とか関係なく書きたいものを書くというのは良いことだと思う!)。 それにしても、この物語のすべてに登場する「中原くん」。彼はいいね。 私の中学生時代にも、スーパーマンがいた。彼を思い出したよ。 勉強とスポーツができるのはもちろん、人が照れてしまうようなことも素直にすっと言える、彼がいうと嫌味にならないし、大人・こどもどちらの懐にもすっと入っていくような。そんな男子がいたなぁ。 こう書いてて「そんな完璧な同級生は本当に存在したのか?幻では?」なんて思い出すくらい。中原くんも、幻感があったなぁ。 でも、きっと誰の心の中にも中原くんはいるのではないだろうか。 「中学生」って、誰でも通る道だから、この本を読んで多くの人が懐かしいセンチメンタルな気持ちになったり、登場人物の誰かに心を寄せたりすることができると思う。 いい本だった。

    4
    投稿日: 2022.10.31
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    凄く読みやすい文章だった。 自分も体育に授業が心の底から嫌いだったので、凄く共感した。 チャプターが時間割で区切られてて面白いなと思った。

    0
    投稿日: 2022.10.28
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     “セカンドウィンド”。二番めの風ということではない。持久走をするとき、初めのころに一時的に酸素が不足するために、呼吸が苦しくなって、足が重くなる。でもその“デッドゾーン”を我慢して走り続けると、呼吸(ウィンド)が楽になり、体も楽になって走り続けられるようになる。余談だが、実は私は最近リアルにこの“セカンドウィンド”を週4くらいで体験させてもらっているのだ(ドヤ顔)。今日は雨だから、無理だな。  星野茜にこの“セカンドウィンド”を教えてくれたのは同級生で、陸上部で活躍する中原君だった。星野茜は“運動神経が悪い”のでなく、そもそも“運動神経がない”くらい、体育が苦手で、毎年の持久走大会の時はさっさと諦めて、堂々と歩いてしまうくらいだったのだ。しかし、今年は、なんと持久走完走のタイムの平均をグループで競うという。今まで、断トツのビリでも誰にも迷惑をかけない個人競技だと思っていたのに!同じグループになる同級生たちが「星野が同じグループかよ」という目で見る。学校は「運動神経がない子もいる」と言うことが分からないのか?運動出来ないってことがそんなに罪なことなのか?と反発を感じながらも、星野茜は、少しは努力したほうがいいかもと思い、家の周りの農道を走り始める。そこで、ばったり会ったのが、陸上部の期待の星、中原君だった。中原君は自主トレ中で、こんな時に会うのはめちゃめちゃ気まずいのだが、「なに?徘徊?」とかギャグを言いながら、爽やかに走り去ってくれた。だけど、走っていて自主トレ中の中原君に出会うことは度々あった。「なに?ストーカー?」とか言われることもあったけど、中原君はそれこそ本当に裸で徘徊している近所の老人を見かけたりすると、自分の上着を掛けてあげて家まで送り届けてあげるという優しい心の持ち主なのだ。  もう、いっそのこと中原君に走り方を教えてもらおう。と茜は思った。茜には目標があった。同居している大好きなお祖父ちゃんの病状が悪く、もうどれだけ持つか分からない状態だった。「私がデッドゾーンを乗り越えたらお祖父ちゃんもきっと“デッドゾーン”を乗り越えてくれる。今度の持久走大会で、私が一度も歩かなかったら、お祖父ちゃんはあと2ヶ月は生きてくれる。」と願をかけて、頑張った。果たして、茜は中原君との自主トレ中には一度も“デッドゾーン”を乗り切ったことはなかったのに、地道な努力が功を奏して、持久走大会ではデッドゾーンを乗り切り、一度も歩かなかったし、ビリでもなかったのだ。それだけでも凄いことだった。お祖父ちゃんも喜んでくれた。  思えば、中学2年生なんて、人生のデッドゾーンみたいなものだ。どういうとこが?って。何もかもがだ。自我に目覚め、本当の自分と人から見た自分の狭間でしんどい時に、クラスの中の沢山の同級生と仲良くしなければならないような建前があって、勉強も難しくなるのに、教科も多い。部活だって、活躍出来る人とどんなに頑張っても目が出ずに、自分の居場所を見つけることさえ、難しい子も少なくないだろう。  この本は、中学校の時間割に見立てて、一時間目から昼休みを挟んで、放課後までと全部で7つの章で構成されている。どの章にもそれぞれ中学2年生の主人公がいて、明るくはしているのだけれど、それぞれ“過酷”な状況は抱えていて、それをそれぞれのやり方で乗り切っている最中なのかな…と鈴木るりかさんが意識していたかどうかは分からないけれど、客観的に思った。紹介した話は「5.6時間目 体育」で、「昼休み」の主人公山下さんも、“友達が出来ない”ことを休み時間は本ばかり読み、“文学少女”の仮面を被って乗り切っていた。  他に特に印象に残ったのは、「4時間目 道徳」に出てきた、主人公のお母さんの“ヒモ男”の座右の銘、「息が出来るならまだ大丈夫だ」。この主人公、松尾君の両親は駆け落ちで結婚したが、父親が何回も家出したり、会社を辞めたりしているような家庭で、ある日とうとう父親が本気の家出をした。すると今度は母親がヒモ男を家に連れ込んで、その次に母親自身がいなくなり、ヒモ男と中2の松尾君の二人暮らしが始まったという話。ところが、そのヒモ男君、世話を焼いてくれる松尾君のお母さんがいなくなると、意外なことに家事が抜群に上手く、親が今まで見にきてくれなかった陸上大会まで見学に来てくれるなど、“ヒモ男”のプロであり、松尾君の保護者替わりとしても有り難い存在だったのだ。そんな“ヒモ男”に、中学のとき得意だった教科を聞いてみると“道徳”で、中でも印象残った教えが「息が出来るならまだ大丈夫」ということなのだそうだ。もしも、テロなどにあって、埋められたとしても「息が出来るなら大丈夫」、だから、どんな状況でも生きろ、ということ。  この本に出てくる大人たちは、松尾君の両親のようにある意味どうしようもなかったり、どことなくぬるま湯に浸かっていたり、子供っぽかったり、大人の都合ばかり尊重して子供の都合を考えなかったり、子供を傷つけたりして気づかない大人が多いが、それでも大人たちはみんなそれぞれのやり方で、「デッドゾーン」であった自分たちの思春期を乗り切ってきたのだ。スターのようなドラマチックな乗り切り方ではない。「息が出来るうちは大丈夫」という思いで、星野茜のように地道に走り続け、「持久走を歩かずに完走した」くらいの地味な乗り切り方だっただろう。だから、大人になっても欠陥はいっぱいあるし、ゆるゆるだったり、ちょっと神経太すぎたりと子供の目から見て立派な大人たちではないが、まさに“デッドゾーン”真っ只中にいるはずの鈴木るりかさんが、そんな自分たちのことも、それを通りすぎた大人たちのことも愛情をこめて書いてあるのが味わい深い。  全編を通して登場する中原君は、スポーツ万能で、成績も良くて、ルックスも性格も良くて、全編を通して、主人公達を助けてくれる。だけど、何でも持っているはずの彼がどうして、カッコ悪い主人公たちをそれぞれ助けてくれたかというと、実は長年デッドゾーン真っ只中の兄を身近に見ていたからだったのだ。中原君が、大好きな陸上を続けるかどうかも少し悩んだほどの兄の存在。だけど、やっぱり“好き”なものを続けることを選んだ。そのことが中原君を強くし、周りに対する思いやりも生まれた。  温かくて、いいお話だった。 「息が出来るうちは大丈夫」。私も頑張ろう。

    59
    投稿日: 2022.09.23
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    アマゾンの読了リストから発掘。 読後じんわり涙がにじんで、なんだかやられたなあという気持ちになったのを覚えている。 著者が当時12~14歳くらいだったはずなのでそれが念頭にある上で読んだものだから、やられたな、と思ったのだ。 今の自分がこんな風に書けるかと言われたら書けないので文才というのはあるのだろうな。 著者の情報は同年代にはどう映るのだろう。その情報が邪魔をするかもしれないので是非フラットな気持ちで読んでほしい。中学生にすすめたい一冊ではあった。

    0
    投稿日: 2022.08.28
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    前作に引き続き読んだので、文章の上達ぶりがよく分かった(上から目線でごめん!)。物事を理解する力って、年齢じゃないんだとつくづく思った。それこそ、何才になっても分からない人には分からない。作者の鋭さに脱帽するばかり。最後の章は中原くんかなと期待したが、違った。中原くん目線もいつか読んでみたい。

    0
    投稿日: 2022.08.26
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    面白かった!中学生がこれを書いただなんてびっくり。全てのチャプターに登場する中原くんがとてもいいです。鈴木るりかさんのデビュー作、「さよなら、田中さん」も是非読みたい。

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    あなたは、学校が好きだったでしょうか? 思えば私たちは一生を通じて好きなこと、得意なことだけに時間を費やすことができるわけではありません。大人のあなたの毎日を考えてみても、サラリーマンですという人は毎日の生活のためにやむなく与えられた仕事をこなしていく日々を過ごされていると思います。しかし、そんなあなたはその気にさえなれば転職という別の道が用意されています。しかし、子どもたちはそういうわけにはいきません。決して逃げることなどできずに目の前に提示された時間割を毎日必死にこなしていく他ありません。あなたも過去を思い返してみて、横軸に月曜から土曜まで、縦軸に一時間目から六時間目までのマス目に書かれた時間割の全ての教科が好きだったという方はいないと思います。  『学校の勉強なんか、大人になったらなんの役にも立たない』。 嫌いな、苦手な教科に苦しめられれば苦しめられるほどにそんな思いに苛まれた方もいらっしゃるかもしれません。そしてそんな思いは、 『自分はなぜこんなことで苦しめられなきゃいけないんだ』。 といった切実な思いにも繋がっていきます。そしてそれは、教室の中で行われる教科だけというわけではもちろんありません。 『みんな、体育の時間、私はなきものと思ってくれ。頭数に入れてくれるな。自分ひとりで醜態を晒し、恥をかいているだけならまだいいが、周囲に迷惑をかけていると思うといたたまれない。申し訳なさで、身が縮まる思いがする』。 それぞれの能力差が全員の前に隠しようもなく、残酷なまでに晒される体育という教科は特に、それを得意とする生徒の陰でこんな風に辛い思いをしている生徒も多いと思います。こんな風に改めて思うと学校の時間割というものは、十代の子どもたちにとって、なんて残酷な時間を強いているのだろう、といたたまれなくもなります。 さて、ここにそんな学校の教科の時間割の中でそれぞれの青春を過ごす中学生たちが主人公となる物語があります。『国語』、『家庭科』、『数学』…と過ぎ去ってみれば懐かしいと感じる教科の名前を時間割の中に見るこの作品。それは”学校の教科をテーマにした小説を書きたいと思っていた”と語る中学三年生の鈴木るりかさんが描く現在進行形の時間割の向こうに中学生たちのリアルな今の青春を見る物語です。 『明日香ちゃん、いいですね、脂が乗ってるって感じです』と『秀文社の片瀬さんから』電話があったことを母親から聞くのは主人公の三木明日香。そんな明日香は『出版社が主催する小説賞で、特別賞を受賞し』『史上最年少だそうで、小さな田舎町ではちょっとした騒ぎにな』りました。『主催した出版社から二作目を書かないか、と言われ』短編を送っていた明日香はそんな電話の内容にほっとします。一方、『私が小説を書いていることは、学校はもちろん、隣近所にも知れ渡っている』という中、『なんとなく風変わりな子と認定され』たと感じている明日香。そして、『受賞から数ヶ月がたった』ある日、明日香は『放課後に担任の矢崎先生から呼び出され』ます。『思い当たることがな』く、『多少訝りながら』向かった教員室で『銀縁眼鏡をかけた』矢崎は、『国語準備室に行こうか』と場所を移しました。そして、『読んだよ、「文苑」』と『受賞作が載った文芸誌』のことを切り出した矢崎は『作品も面白かったし。改めておめでとう』と握手を求めてきました。それに『あ、ありがとうございます』と対応する明日香に『実は僕も十代の頃からずっと小説家志望で、創作活動を続けているんだ』、『本当は作家になりたかったんだ』、『投稿歴も長いよ。学生時代からだからもう二十年になるかな』と続ける矢崎。そんな矢崎は『これは僕が今まで書き溜めてきた自信作が入っているんだけど、出版社の人に渡して欲しいんだ』と紙袋を差し出しました。『新人文学賞は』『下読みって呼ばれてる連中がやる』ため、『ものすごい才能に出合ったら』『嫉妬でわざと落と』すので『編集者には読んでもらえない』、だから明日香から編集者に渡して欲しいと懇願する矢崎。それに、『私だってまだプロの作家というのではないし』と戸惑う明日香は、『編集者さんもすごく忙しいですし、渡したとしても読んでくれるという保証はない』と断りますが、矢崎の熱意の強さに『なんとかしてみます』と紙袋を受け取ってしまいます。『三木さんも読んでみて』と言われ家に帰った明日香は『表紙に、蒼月彗斗』とある作品を読み始めました。『純文学系だろうと想像していたら、意外にも軽いタッチのラブコメだった』というその作品を読んで『どこかで聞いたようなものを、あちこちから切り取って、リミックスしたような話』だと感じ『読み進めるのがものすごく苦しい、キツい』と感じる明日香。『良い、悪いではなく、どうしよう』と思う明日香は、『次の日の昼休み』矢崎先生に呼び止められ感想を聞かれます。『編集者にはいつ頃渡せそう?』とせっつく矢崎に『本当にこれを、片瀬さんに渡していいものだろうか』と戸惑う中、担当編集者の片瀬と打ち合わせをする日がやってきました。そして明日香は…という最初の短編〈一時間目 国語〉。まるで作者の鈴木るりかさん = 主人公の三木明日香?と私小説を思わせるようなその内容に冒頭から一気に作品世界に没入させていただいた好編でした。 七つの短編が連作短編の形式を取るこの作品。書名にある通り、鈴木さんが14歳、中学三年生の時に書かれた作品です。そんな作品は、これまた書名の通り〈一時間目 国語〉、〈二時間目 家庭科〉…〈五・六時間目 体育〉、〈放課後〉というように、学校の一日の時間割のように短編タイトルが構成されているのが特徴です。鈴木さんといえばデビュー作の「さよなら、田中さん」が有名です。あの作品も連作短編として作られていますがその視点回しは最後の五編目のみそれまでの四編で視点の主を努めていた花実のクラスメイトの信也視点という不思議な構成をとっていました。それに対してこの作品では、連作短編の王道とも言える一短編一主人公という形で視点を移動させていく手法をとっています。では、そんな各短編の内容を視点の主と共に見てみたいと思います。 ・〈一時間目 国語〉: 『私は出版社が主催する小説賞で、特別賞を受賞し』たという三木明日香が主人公。担任の矢崎から、書いた小説を編集者に取り次いで欲しいと頼まれ困惑する明日香でしたが、迷った挙句編集者の片瀬に手渡します。 ・〈二時間目 家庭科〉: 家庭科が苦手な母親の願いにより逆に家庭科が得意な子に育った伊藤葵が主人公。そんな葵が所属する『家庭科クラブ』に、『同じクラスの男子、野間克己』が卓球部を突然辞めて入部。そこには隠された理由が…。 ・〈三時間目 数学〉: 『百点満点の九点』をとってしまって動揺する坪田修也が主人公。『父親の転勤で東京』の高校に進まねばならない中、成績に悩む修也は『同じクラスの中原』からある提案を持ちかけられます。 ・〈四時間目 道徳〉: 『まず初めに父さんがいなくなった』という松尾圭が主人公。そんな中『母さんが男の人を家に連れてき』て、『「誰?」という疑問』の中、今度はそんな母親がいなくなってしまいます。 ・〈昼休み〉: 『ひとりぼっちの休み時間を乗り切るために』『いつも本を読んでいる』という山下が主人公。図書委員として『ラベルのチェックしている』と、『同じクラス』の中原に『仕事中ごめんね』と声をかけられます。 ・〈五・六時間目 体育〉: 『私は体育が苦手だ』という星野茜が主人公。『全てを出し切ってこうなのだ』と周囲が『わかってくれない』ことに苦悩する中、近づいてくる『マラソン大会』に向けて陸上部の中原に声をかけられます。 ・〈放課後〉: 『本当は小説家になりたかった』、『なれなかったから国語教師をしている』という矢崎が主人公。そんな矢崎はクラスの三木明日香の文学賞受賞に驚く一方で『小説創作教室』で知り合った藤村からある連絡を受けます。 七つの短編はタイトルに含まれる教科の授業風景が描かれるわけではありません。あくまでその教科から連想される内容を主軸に展開していきます。そんな中で七つの短編全てに登場し、連作短編としての一体感を演出しているのが、中原の存在です。『陸上部の強化選手で勉強もできる中原君』、『中原君は、陸上部で足が速い。特に長距離は得意のようで、去年のマラソン大会で、学年一位だった』、そして『中原君は、上級生の女子にも人気があった』と各短編でそれぞれの視点の主によって語られる中原のイメージはほぼ同じです。運動ができて、勉強もできて、みんなに好かれる優等生、そんな人物を全編で登場させた鈴木るりかさん。そんな鈴木さんはその理由を”それぞれの章の主人公たちに、ささやかな光や癒やしや救いを与える”ためだと説明します。”花瓶には花を、人生には中原くんを!”と中原に大きな存在感を持たせる鈴木さんは”中原くんのような存在を心から欲しているのは、私自身かもしれない”と続けられます。その存在がちょっとスーパーマンすぎる気がしないわけではないですが、最初から最後まで全く嫌味なく登場し続けるその存在は、読者にもその登場を待望する気持ちが自然と生まれる絶対的な存在に感じられます。そして、そのことをもって見事に七つの短編が紡ぎ上がるのを感じるこの作品。二作目でこんな巧みな連作短編を組み立てる鈴木さんの凄さを改めて感じました。 そんな風に相変わらず巧みに組み立てられたこの作品ですが、デビュー作の「さよなら、田中さん」と比べて重厚感が増しているのがさらなる特徴だと思います。それは、全編の四割近い分量で描かれた〈五・六時間目 体育〉の存在が大きな意味をもって読者に迫ってきます。『私は体育が苦手だ』というこの短編の視点の主である星野茜は『この世に、体育なんてものがなければ、私の心はどんなに穏やかでいられることか』と『体育』の存在を強く意識し、『やりたい人だけやればいい』と感じてもいます。『運動会は地獄の行事だった』と、『市中引き回しの刑』の如く最下位になった者が晒される現状を『こんなことが許されていいのだろうか?どこかに訴えてやろうか?』とも思う茜。そんな風に『体育』に苦悩する茜の物語で鈴木さんは二つの視点を取り上げます。一つは『「運動・スポーツ嫌いの中学生を半減させる」という目標』を打ち出して誕生した『スポーツ庁』の存在です。『運動が好き嫌いの問題ではなく、体がそのように動かないのだ。気合や気持ちでどうにかなるものではない』と、国が掲げる極めて安易な発想、ノリで作ったとしか思えない安易な目標を、『体育』という授業科目の存在に苦悩する側の立場から一刀両断にしていくその切り込み方は、『スポーツ庁』に関係される方には是非読んでいただきたい、その政策のあり方をよくよく考えていただきたい、そんな風に思いました。そして、もう一つが『末期の腎不全で、もう手の施しようがな』く、『静かに最期を受け入れる選択をし』て、自宅で『その日を待つ日々』を送るという祖父と対峙していく茜の姿です。介護の場面が描かれる作品は多々あります。そんな中にあってこの作品では、中学三年生の茜が見る弱った祖父の姿が極めてリアルに描写されていくのに息を呑みます。『部屋に入ると独特の匂いがする。切干大根の煮たのと、柑橘系の芳香剤と、消毒液を薄く混ぜたような匂い』という祖父の部屋の描写。そんな部屋に横たわる祖父は『骨に皮がビロビロと垂れ下がっているだけの状態』に痩せ、『顔も髑髏に皮一枚で、幾重にもシミが浮いた手の甲は、ちょっと力を入れて拭いたら、ズルリと皮がむけそうで怖い』と描写されます。そして、そんな祖父はこんなことを茜に語りかけます。 『どんな姿になっても、命の砂時計の最後のひと粒が落ちきる瞬間までは生きているんだよ…いろいろなことにだんだん諦めがついて覚悟はできているけど、生きることを捨てたりはしないよ、最後まで』。 こんなことを祖父の言葉として語らせる鈴木さんは、そんな場面の描写を”今は遙か遠くにある老いや死に思いを馳せ、思春期の中学生が感じる死生観を描いた”とおっしゃいます。今まで見たこともない独特な表現が生むそのリアルさ、現役中学生が見る老いや介護に対峙する視点はこの作品の重厚感を確実に増しています。中学三年生にしてこんな表現を手に入れた鈴木さんの存在を改めて凄い!と思うと共に、今後の活躍がますます楽しみになりました。 “これからも私を「作家」にしてくれた読者に応えられるような小説を書きたいと思う。中学生が主人公の章がメインですが、是非大人の方にこそ読んでいただきたいです”とおっしゃる鈴木さんの二作目となるこの作品。そこには、一作目に比べてますます表現の幅が広がった鈴木さんが編み上げる巧みな連作短編の姿がありました。面白い!にプラスして、悲しかったり、苦しかったり、さまざまな感情に心が揺さぶられるのを感じるこの作品。このレビューを偶然にも読んで下さったあなたに是非ともおすすめしたい、読み味十分な傑作だと思いました。

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    投稿日: 2022.06.13
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    これを中学生が書いたなんて!とある中学校の生徒がかわるがわる主人公になる短編集です。グランドホテル形式っていうのかな?こんな物語が書ける中学生って、どんな経験をしてきた人なんだろう。

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    投稿日: 2022.01.16
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    長男が借りていて、ぱらっと読んだら予想以上におもしろかった マラソンを走る話が、特にこどもにはうけていたし、私もこの部分をこどもに読ませたかったのでよかった

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    投稿日: 2021.12.12
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    この本は田中さんシリーズではないですが、面白く読めます。短編をつなぐキーはどのお話の主人公でもない人物、というのも面白い。

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    投稿日: 2021.10.17
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    『さよなら、田中さん』に次ぐ、第2作。デビュー作が話題になって、それっきり続かないという作家が多くいるなか、この若さで意思をもってこちらの短編集を上梓した作者は小説家だ。これからも彼女ならではのペースと感性で物語を書いてほしいですね。

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    投稿日: 2021.10.11
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    母が娘(中3)にプレゼントしたいと教えてくれた作家さん。私が先に読了。この言葉を使いたかったのかなと感じてしまう文体もあるが、途中中学生が作者ということを忘れてしまうくらい引き込まれる箇所もあり。なんだか、自分と似てるなとも感じたり。娘もこんなこと考えてるのかなとも。ぼろぼろ泣けて笑いのツボにもはまった内容。親の立場でちょっと作者が心配になったりして。

    0
    投稿日: 2021.09.06
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    読みやすい本でした。 でも、中学生が書いているという先入観からか(ごめんなさい)、敢えて難しい言葉や言い回しを使ったり、作品を引用してきたり、少し背伸びしているのかな?とも思えてしまいました。 登場人物が、どの人もどことなく似ていて、サラッと読むと読み分けできず…(中原くんや国語の先生、美緒ちゃんは記憶に残りました!笑)多分著者さん自身の考え方が、どの人にも分身のように入ってしまっているのかなー?

    0
    投稿日: 2021.08.16
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    それぞれに悩みや事情を抱える中学生が、人との交流などを通して変化をとげる様子がさわやかに描かれる。向き合い方も変化の仕方も様々だけど、どのエピソードも最後には前向きな気持ちにさせてくれる本だった。登場する個性豊かなキャラクターを通して示される考え方にも共感するところが多かった。面白くて、小5の娘も一気読みしていた。

    0
    投稿日: 2021.06.28
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    中学生、作家デビュー。それだけでも話題性十分ですが、作品としても十分おもしろい。オムニバス形式で進むお話しに、中学生の本音が練り込まれています。鈴木センセイ、これからも楽しく書いてください!

    0
    投稿日: 2021.05.28
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    素晴らしい!鈴木るりかさん二冊目。中学校の各教科名に見立てた短編構成。「国語(著者がモデルと思われる)」と「道徳」、「体育」、そして矢崎先生の「放課後」が特に好き。各章で必ずキーマンとして登場する中原くんもいい。しかしこの年齢でこの完成度。昭和の出来事やアレンジした古歌、青春だけでなく死生観まで描く著者の筆力は見事。共感する人多いんじゃないかな。鈴木さんが年齢重ねた未来はどんな作風になるんだろう。すごい楽しみだ。

    0
    投稿日: 2021.03.09
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    2021年2月 『さよなら、田中さん』がめちゃくちゃ面白くて、これを小学生で書いてしまうなんてすごい才能だー…と思っていたから、この本の最初のお話の明日香ちゃんはやはり著者と結びつけて読んでしまう。 鈴木るりかさん、普通にしていたら経験し得なかったことをたくさん経験したんだろうなぁ、なんて。 個人的には「体育」の茜ちゃんの話が好きだ。わたしもとてつもない運動音痴だったので中学時代の自分を思い出す。そして同時に今のわたしには茜ちゃんのお祖父さんの言葉に惹かれる。 だからやっぱり鈴木るりかさんは天才だーーーーー

    0
    投稿日: 2021.02.24
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    2021年1冊目。 1時間目・国語、2時間目・家庭科、3時間目・数学、4時間目・道徳、昼休み、5、6時間目・体育、そして放課後と、教科に沿って語られる連作短編集。 出版社主催の小説賞で特別賞を受賞した中学生女子の父親は国語が大の苦手、 中学校家庭科クラブ副部長の女子の母親は家庭科一般が大の苦手、 東京の進学校を受験しなければならない中学生男子は数学が大の苦手、 「気をつけ」「前にならえ」「休め」などの整列さえもうまくできぬ中学生女子は体育が大の苦手 で、その苦手っぷりを長々と説明される導入部分が少々しんどかった。 それが終わると、するする読み進められました。 家庭科教師になりたい野間くんが母親思い、妹思いで、泣けた。 プロ作家としてデビューできる文学賞ばかりに応募していた中学校の国語の教師が、小説を書くのが好きだから小説家になりたかったんだと気づく。 小説を書いている人は皆、小説家。 書き続けられる人が小説家。 鈴木さんの全作品、いずれ読みたい。読みます。

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    14歳が書いたと言われると構成や表現もしっかりしていて驚くが、1冊の小説として読むと、割とありそうな青春ものではある。 それにしても中原君すごいな。完全無欠にみえて深刻な悩みを抱えているあたりもそつがない。

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    投稿日: 2021.02.09
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    体育の時間の話もすごく良かったけど、家庭科の時間の話が爆笑しちゃいました!笑 お母さんが裁縫苦手で幼稚園のバザーに出す品物を手作りしたティッシュケースがずっと売れ残っていて久し振りに幼稚園の前を通りお祭りをやっていたから寄ってみると自分が作ったティッシュケースが毎年売れ残ってたらしく友達のお母さんにタダであげるから良かったら持っていってと言われた。ここ凄い爆笑してしまった

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    投稿日: 2021.01.31
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    るりかちゃんの本、2冊目、表紙の絵は矢部太郎さん。7つの短編の主人公は、同じ中学に通う2年生、それぞれ違う主人公がコンプレックスや家庭の問題で悩みを抱えている。 そして、どの話にも登場する中原くん。陸上部のエースで足が速い!成績も良くて、気さくで誰にでも自然と打ち解ける。だからヴァレンタインのチョコレートはザクザク!!彼はこの本全体の主役ではないけどヒーローだ。 友達が悩んでいたらどうするだろう? たいてい、見て見ぬフリをするか、やみくもに頑張れなんて励ましてしまうのがオチだろう。 中原くんは励まさない。あれこれ聴き込んだりもしない。 だけど、中原くんがさり気なく添えたことばや行動で、主人公達は何故かほっとして救われたような気分になる。解決には至らないけど、気持ちがラクになる。どこのクラスにも、どこの町にも、中原くんが1人いるといいな。

    0
    投稿日: 2021.01.17
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    デビュー作である「さよなら、田中さん」がとてもよかったので、2作目が気になっていました。 中学生が書く小説、しかも2冊目、ってことでなんとなく今回も値踏みをするような読み方になってしまい申し訳なかったのですが・・・ うーん。正直デビュー作の方がよかったですね。 中学生が書いたと思えば本作もスゴイと思えるし、実際体育の章では死というものの受け入れ方など、彼女の感性が光る素晴らしい作品でした。 が、全体を通して読むとなんだか背伸びをしているところが目についてしまった・・・ 章ごとに主人公が入れ替わる連作短編集だったのに、私は1.2章が同じ主人公だと思いながら読み進めてしまいました。 なので同世代の女の子の書き分けはまだ早いなあと思ったり、難し気な熟語や詩などを乱用して浮いてるよと思ったり、偉人や文学者をムダに挟むところもなんだかなあ・・・と。 頑張って勉強しているのは分かるんですけどね。 才能はあるのだからゆっくりでいいよ、と言ってあげたい気持ち。

    0
    投稿日: 2020.09.16
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    面白かった。この本を中学生が書いたとは!! 連作みたいになってて、いろんな悩みを抱えた中学生が出てきて、時には先生も…。 ちょいちょい登場する中原くんがいい味出してて、爽やか。そんな中原くんにも事情はあって。 中学生ならではの繊細さや、逆にささいな出来事や、そういうのがすごくよかった。 他の本も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2020.07.01
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    図書館で借りた本。 時間割に沿って、主人公を変えながら話が進んで行く。よく見ると同じ人が登場していて、同じ学校の話だとわかる。小説が上手にかけたり、運動や家庭科が苦手だったり、色々な人の目線になって、話が進んで行く。

    2
    投稿日: 2020.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読書記録です。まだの人は読まないでね。 「一時間目」国語、「二時間目」家庭科。作中の三木明日香と著者を重ねながら、オイオイこんなこと暴露していいのか?と思ってしまった。フィクションだとわかっちゃいるけど、著者の年齢を考えるとまったくのフェイクだとは思えないほど的確な表現過ぎて唸らされる…特に国語教師や母親に対する冷静な分析と、編集者に丸投げしたりマフラー交換したりする中学生らしい行動のアンバランスさがカワイイ。「三時間目」数学。数学がわからないのと受験期に転校という苦悩、昼休みの読書少女もどき(転校が続いて必然的に)そのまんま私やん!って身悶えしました。そっか~あの当時のもやもや感を言葉にするとこうなるのか~って。もう「五,六時間目」の体育なんて、私自身に重ねた映像がそのまま出てくるほど秀逸!何度も声出して笑った!あの当時はマラソンの時期が来るたびに憂鬱すぎて黒歴史…もちろん私には助言をしてくれる人もいなくて、セカンドウインドも感じる事なく終わりましたが。「放課後」で小説に対する気持ちをあとがきではなく、先生の心の切り替えで語らせるってすごいわ。めっちゃいい読後感でした。

    0
    投稿日: 2020.05.17
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    栄養ドリンクのような中原君が、全部の話に出てくる連作短編集。 しんどいなー、って思うときに現れて、少し息がしやすくなる。 それぞれの話の主人公と関わって、ふわっと支えるけど、ずっと一緒にいる感じがしないのが不思議で、心地よい。

    0
    投稿日: 2020.05.11
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    中学生作家の第二弾! 楽に読めて楽しめる。中学の頃、こんな事考えたりしてたかなー?と思うけど、もうイッパシの大人気取りだったから、本物の大人が思うより色んなことを考えてるんだろうなぁ。 でも前回も思ったけど、文章は平易なのにこんなに楽しませる事ができるんだ。 どうしても中学生が!?と頭に浮かんで来るけど、そんな事関係なく、いい作家さんだなと思う。 大人になってからの鈴木るりかさんの描く世界も楽しみ

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    投稿日: 2020.03.18
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    「本を読むのが好き」と「おもしろい本を書ける」ということは、イコールじゃないと思う。どんなにたくさん本を読んでも、こんな楽しい本は書けない。楽しい本を書いてくれる作家さんを発見するとありがとうー!って心から思う。

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    投稿日: 2020.02.24
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    作者は、史上初、小学4.5.6年生時に3年連続で小学館主催「12歳の文学賞」大賞を受賞しています。現在、中学校3年生。この本は15歳の誕生日に発売され、科目をテーマにした短編小説です。舞台は、中学校。思わず笑ったり、泣いたり、現役中学生だから描けるみずみずしさがあります。同世代が描く小説を読んでみてください。

    0
    投稿日: 2020.02.10
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    ・さよなら、田中さんを読んでおもしろかったので、この本を手に取った。 ・時間割にした短編集。 ・身近なテーマにしているのか、あの学生独特の雰囲気とか空気感がリアルでよい。 ・矢部太郎さんの挿絵もいいかんじ

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    投稿日: 2019.12.22
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    「中学生が書いた」って事は最早関係なく、面白かった。自分の中学時代を思い出す。 そして、「中学生」に刺激されて『樅ノ木はのこった』も読もうとしてる私。

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    投稿日: 2019.12.16
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    中学生作家・鈴木るりかさんの2作目。 図書館の分類では利用対象;中学生になっています。だからいい年をしたオッサンが借りるのはちょっと気恥ずかしい。 でも、読み始めると何も問題なく。笑わされ、泣かされ、見事なエンターテインメントです。う~~ん、ますます上手いな。 「中学生にしては・・・」では無いですね。むしろ「中学生だから・・・」書ける。等身大というか素直。そこがちょっと眩しい。 良い子なんだろうな。 それにしても余白の見事さ。どのくらい編集者の手が入っているのか。 さらに最後に本編の中で最も違和感を感じさせた作家志望の中年教師を再登場させた構成。見事でした。

    0
    投稿日: 2019.12.03
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    中2の悶々がリアルで、フツーに面白くて、他の作品も読みたいな なんて思いながら読んだ。 恐ろしい子。 って月影先生なら言うだろな。 光が当たり明るいところと、暗くて影になるところが際立ってくる14歳シーズンの続きは 高校編かなー。

    0
    投稿日: 2019.11.13
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    14歳の頃の感じ方がユーモアたっぷりに描かれていて楽しめました。自分自身も、沢山の経験(良いものも嫌なものも)をして、それを自分の栄養にできるように生きていきたい。経験全部が自分を作っているんだから。

    0
    投稿日: 2019.10.13
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    始めは14歳の作者がモデルの少女が国語担当の教師に困らせられる話で自伝的な話?と思っていたら時間割の教科に合わせて幼馴染みの完璧男子、中川君が軸になってクラスメイトの様々な模様が描かれ出す。高校受験の勉強上手くいかないとか運動神経ゼロだからマラソン大会嫌だなーとかの中学生らしい悩みから大人でも解決出来ない普遍的悩みにシフトするのがとても自然でびっくりした。容姿に拘る女の子の裏とか。体育の章の祖父の話は色々心に来る。しかし各章の悩みに対して中川君が示す解決作がイケメン過ぎ!惚れてしまうやろー。

    3
    投稿日: 2019.10.12
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    中学3年生の作品。 みんなそれぞれ悩んでる。 中学時代の私にもそれがわかっていればもう少し生きやすかったかもしれない。

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    投稿日: 2019.09.28
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    「さよなら田中さん」に続く二作目。相変わらず素直な視点で等身大の世界を描いてくれています。もうとっくに中学生じゃないのに、私の時代とは違うのに、不思議と共感できる世界観に脱帽です。

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    投稿日: 2019.08.20
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    体育が良かった。 この歳で死別について書けるのが凄い。 そして人格者なおじいちゃんに対して 矢崎先生の小ささがな・・ 私が大人に期待もってたのって何歳までだっただろう。

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    投稿日: 2019.07.26
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    残酷なまでに青々しい緑の匂いがした。 萌え出でた、やわらかな草の緑が眩しい。 中学生作家とは思えない言葉の数々。素晴らしい。 また次作も持たず読みたい。

    0
    投稿日: 2019.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学2年生、14歳の少年少女の心の中がよくわかった。たぶん自分もこんなふうだったと思う。 一番せつなかったのは『家庭科』。部活で仲良くなった友達と手編みのマフラーを交換。自分は当たり前のようにまた会えると思っていたけれど、その友達は母親の看取りというあまりにも大きな運命と向き合っていて、突然転校してしまった。ほろ苦く、胸が痛むお話だった。 一番うなったのは『体育』。家で最期を迎えるおじいちゃん。いつかやってくるおじいちゃんの死を受け入れたくない私。おじいちゃんの達観したいろいろな言葉が胸にしみた。 前作「さよなら、田中さん」よりも全体に少し読み進みにくかった。なんでかな?

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    投稿日: 2019.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さよなら田中さんがおもしろかったのでこれも読んでみた。 これも大変おもしろかった。 電車の中で笑うのをこらえながら読んでいたら、途中でぐっとくる話がきてリアルに涙が出てしまった。 本当に楽しみな作家さんだ。

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    投稿日: 2019.06.14
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    2019/6/10 3階日本の小説類 (913.6||スズ) 時間割に見立てた7編の短編で、鮮やかに現代人の苦悩、笑い、絆、友情、想いを描写しています。現役中学生の目を通して「生きる」ことについて大いに考えさせられます。笑って笑って、ホロッと泣かせる、胸に迫る作品です。 この文章中学生が書いたとは・・・ 驚きです!! ぜひ読んでみてください。

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    投稿日: 2019.06.11
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    デビュー作「さよなら、田中さん」程の衝撃はなかったが、14歳とは思えない語彙力、手法。全章に登場する中原君がよかった。最後に国語の先生を持ってきたところも。体育の章のおじいちゃんの言葉も沁みた。

    0
    投稿日: 2019.05.24
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    相変わらず、あざといくらいに上手いなー。 ラストの締め方がいいんだよね。 今後が、ホント楽しみ♪

    0
    投稿日: 2019.05.12
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    ついつい作者の年齢を意識して読んじゃうので、感想もそこに引きずられてしまいます。 きっとフラットに読んでも面白い。中原くんいいやつ。 それにしても語彙豊富。 その知識はどこから仕入れてきたのって思うけど、きっと各方面にアンテナ張り巡らせてるんだろうな。 面白い!って思うことがたくさんあるのだろうか。

    0
    投稿日: 2019.04.11
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    短編ごとの主人公と作者の境遇が似ており、実体験を元にしているのかなと感じるエピソードが多く、作者の人となりを想像させられて楽しかった。 中学生を主人公にした短編集 それぞれが日常を過ごしながら違った悩みを抱え、そこから成長していく 全体的にユーモアに溢れた文体ながらも、時折鋭い描写を見せる

    0
    投稿日: 2019.04.06
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    15歳になったるりかさん 歳をとって死ぬことをそんな風にとらえるのね。 随所にきらりと光る言葉が有ってはっとさせられる。 中原君の出し方もうまいな~ 将来が楽しみ ずっとフォローしていきましょう。

    0
    投稿日: 2019.04.01
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    デビュー作もすごかったが、これも面白い! 1話目は本人?なの?と思わせるのも又すごい。祖父の命に願掛けするのも、祖父の言葉も胸にささる。中原くん…かっこいいねぇ。登場人物一人ひとりに個性も考えもちゃんとある。15歳でこんなにも、想いを言葉に紡げるなんて…感動する。

    0
    投稿日: 2019.02.28
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    とっっっても良かった!デビュー作もそうだけど、やっぱり14歳が書いたとは思えない。でも中学生ってだけあってやっぱり10代の心がよくわかってると思う。リアリティーもあった。しかも名言っぽいのが色々あって、一つ一つが胸に染み込んでいった。しかも最初の章、国語では、学校に聞く途中で降ってきた…とインタビューで言っていてとても驚いた。あんな内容が学校に行く途中で思いつくとは思えない。凄すぎる。 やっぱりあの人には才能があるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2019.02.28
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    天才中学生の中学生小説は、塩っからい。大人が書くふわふわ感ゼロ。リアルだよなぁ。すごいですね。 2019/1/24読了

    0
    投稿日: 2019.02.23
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    小学生、中高生、大人、誰でも楽しめる物語だと思う。読みやすい文章だけど、心の動きも風景の描写も丁寧に描かれていて、一気に読了。次作も楽しみです。

    0
    投稿日: 2019.02.11
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    久しぶりのおススメ本でした。 中学生ということで注目されている著者ですが、かなり良いのでこれからが楽しみです。 さて、章ごとに主人公が相対している人物が変わり、でも全体に繋がっている形式で、涙あり笑いあり。そして読者への生きていく力を応援するものになっているところは、著者の最初の作品「さよなら、田中さん」と同じ。こちらの方が、小学生でも共感しやすいと思いました。 読んでいない方は、是非!

    1
    投稿日: 2019.02.03
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    「息ができればまだ大丈夫」か。14歳から教わることは多い。るりかさん、輪廻で何世代か生きてきたみたいに感性が幅広い!中山くんを生み出せるるりかさん、やっぱり凄い。

    0
    投稿日: 2019.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    間違いない、彼女は堂々たる小説家だ。 2作目となる今作を読んで、あのデビュー作の出来がまぐれではなかったことを確信した。 またもや泣かされることになろうとは… 生きることについて教わることになろうとは… 今作は現代の中学生が日頃抱える問題に寄り添った連作短編集。 いつまでも無邪気な子供ではいられない。 けれどいくら煙たがれても、大人が差しのべる手は絶対に必要。 思春期の不安定な心情を描く同級生ならではのリアルさと、俯瞰した眼差しで彼らを冷静に見つめる落ち着き。 この両方でもって描かれた、ちょっと不器用な14歳達はみな抱き締めたくなる位愛しい。 全ての短編に登場して悩める主人公達をナイスアシストする中原君がいい味出している。 彼を要所要所に登場させ物語を引き締めまとめる辺りがとても巧くてニクい。 次回作を読むのが待ち遠しい。 作中に出てきたオススメ本、山本周五郎作『樅ノ木は残った』もいつか読んでみたい。

    7
    投稿日: 2019.01.24
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    中学生作家の第2弾小説!5つの教科に話を絡めて時間割に見立てた連作短編集。国語では、作家になりたい国語の先生の話。家庭科では、家庭科の好きな少年の抱えている家庭の事情…。道徳では、家庭崩壊の中での少年の成長。体育では、運動音痴の少女の決意と祖父の話…。特に、死を目前にした祖父の心理や、売れない作家志望の中年教師の気持ちを的確に描き切っているのには驚かされる。今が青春という若い人から中学時代が遠い昔の大人・熟年世代まで、誰もが共感できて、笑えて、そしてホロッと泣かせるステキな小説です。

    0
    投稿日: 2019.01.23
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    天才が現れてしまった。彼女はこの説得力を一体どこで身に付けたんだ!?登場人物がいちいち説得力があるのでたまげた。「俺は孤独だ」とか「あいつは人気者だ」って説明しちゃう小説家だらけのなか、ルリカさんは違うのである。読んでみれば、「この人はこういう人なんだろうな」というのがわかる。国語の先生とおじいちゃんのキャラは本当に秀逸。 この子、絶対同い年で「小説書いてるんだ」って子たちの自信をへし折ってると思うのです。 そもそも将来の夢がシナリオにも挑戦したいって、見てるスケールがちげえや!

    0
    投稿日: 2019.01.17
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    語彙力が豊富でそれをひけらかない文章 表現力 言葉を紡ぐ人はやはり違うのだなと思いました まだ中学生 これからの作品に期待です 私が額田王、西行の和歌と出会ったのは中学生の頃、大和和紀先生の漫画の中でした いまだ心に残る歌にまたこうして出会えるとは

    0
    投稿日: 2019.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分が14歳だった頃はこんなに毎日いろいろ考えていたのかな?と振り返ってみたが、もっと単純に生きていたようにも思う。 登場人物の心情を良く表してある。14歳でこの文才は脱帽。 「いつか振り返った時、くだらないと思えるような事で日々悩んでいる。」そんなに気が沈む位悩まなくていいんだ、と少し気が楽になる。 そして中原くんはかっこいい!

    0
    投稿日: 2019.01.15
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     14歳の彼女の著書は2作目で、前作は「さようなら、田中さん」が十万部を突破したという。調べてみると、小学館が主催する「12歳の文学賞」史上初の3年連続大賞を受賞したと書いていた。  短編を学校の時間割に嵌めて物語を繋いで一時間目 国語から家庭科と続き五・六時間目は体育、放課後になっている。勿論、14歳なりの目線で書かれていますが、時々「ハッ」とするような事や涙を誘うこともありました。僕自身は、頁数や文字の大きさを考慮すると半日もあれば読めてしまいそうな量なのに読書中に、過去の自分を思い出し妄想に引き込まれ時間がかかりました。  余談ですが、小説家山本周五郎の作品「樅の木は残った」は歴史時代小説で、山本氏の長編三部作の一つと言われ名著です。これは本書の中で紹介されています。 「恐るべし、14歳!」  しかし、一年ぶりの出版がこのまま続くとは限らない。次回作の期待はあるけれど、暖かく見守りたいですね。

    2
    投稿日: 2019.01.13
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    「さよなら、田中さん」に続く第二弾。やっぱりうまいよねえ。語り口が自然で、すーっとお話に引きこまれていく。笑ったり、ホロッとしたり、楽しんで読んだ。 妙に背伸びした感じがないところが、実に大したもんだなあと思う。だって中学生だよ。なかなかここまでこなれた観察眼と描写の力は持てないのじゃなかろうか。特に突飛な設定のない話を、説得力たっぷりに語るのは、ベテラン作家でもたやすくないはずだ。 才能、と言ってしまえばそれまでかもしれないが、そう言うしかない気がする。他の分野はともかく、こと文才に限っては、もともと高いレベルで持ってる人というのが間違いなくいると思う。作者もその一人。 「さよなら~」でもそう思ったが、連作短篇のなかでも、ユーモラスな話が特にいい。何気ない描写に笑わせられる。どんどん書いて、また読ませて欲しいです。

    1
    投稿日: 2019.01.12
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    時間割風連作短編集.7編 それぞれ主人公(語り手)が代わっているが,代わらず登場する中原くん.優等生ともちょっと違うのだけど,中学生にして自分の核となるものがブレない自然体で,こういう人を描けるのがとても素敵だ.もしかして本当にモデルがいるのかな?特に気に入ったのは「道徳」.ミチさんのことが知りたいです.

    0
    投稿日: 2019.01.11
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    天才、出現!前作も傑作でしたが、本作も傑作。笑えるとこと悲しいところの描写、バランスがいい。人間観察が深いのもいい…というか、中学生でこれはある意味コワい。 それはそれとして。作中で出てきた、ゴミの中で暮らしている女の子のドキュメンタリーって、 BS世界のドキュメンタリー プラスチックチャイナ ではなかろうかと…私も見ました。

    0
    投稿日: 2019.01.11
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    中学生という年齢の作家が書く文章として大人びているのかと言われれば、相応のみずみずしさが有って、変に大人ぶっていない所がとてもいい所だと思います。 難しい所や言い回しに頼る事無く、分かりやすく身近なテーマで書ける所が、精神的に成熟していると感じます。自信が有るからこそ小細工しなくても書けるのでしょう。 面白さとしては今回及第点という所でしたが、読んでいて楽しい気持ちや、悲しい気持ちが素直に引き出されて気持ちいいです。

    3
    投稿日: 2019.01.09
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    星4つなのは、前作への思い入れが強すぎたからかな。 恐れ入るのは、オムニパス形式でありながら毎回登場する中原くんを主人公にさせないで終わらせた手法。これができそうでなかなか我慢できずにやっちまうところだと思うんだな。おじいちゃんがよかった。この話は実話なのかな。14歳でこの熟成した人生観を語ることができるのは、周りにそういった素晴らしい大人がいたのかなと想像するのでした。 ど真ん中ストレートでありながら嫌味がない。これは作者の人間性でしょうねえ。 るりかさん、どうかこのままお体を大切にして書き続けてください。

    0
    投稿日: 2018.12.23
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    大人と子供の狭間で、色々思い描くことはあるけれど、時に冷静に大人を観察したりして面白かった。 自分が中学生で、登場人物のような、こんなステキな男のコがいたら絶対好きになる。女子の理想は昔も今も変わらない⁉︎

    0
    投稿日: 2018.12.18
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    「14歳、明日の時間割」鈴木るりか著、小学館、2018.10.17 286p¥1,404C0093(2018.12.07読了)(2018.12.06拝借) かみさんが知人から借りてきたのを読ませてもらいました。 どこかの中学校の二年生のクラスと担任の先生の物語です。悩みを抱えながら仲間や周りの人達に見守られて生きてゆく姿が描かれています。どうしてこんな話が描けるのか?びっくりしてしまいます。 色んな本や映画の題名が出てきますが、僕が読もうと思いながら読んでいない本なので、著者に負けないように(すでに負けている状態ですが)読んでいきたいと思ってます。 本の題名を拾うと、以下のようです。 『お目出たき人』武者小路実篤著(7頁) 『羊たちに沈黙』トマス・ハリス著(10頁) 『時計じかけのオレンジ』アントニイ・バージェス著(11頁) 『花岡青洲の妻』有吉佐和子著(14頁) 『見るまえに跳べ』大江健三郎著(42頁) 『樅ノ木は残った』山本周五郎著(153頁) 「道程」高村光太郎著(244頁) 151頁に「別にハブられているというわけではない。」というのが出てきます。「ハブる」という言葉を知りませんでした。 153頁には、「歴史小説と時代小説って違うんだ。」というセリフが出てきます。分類は、難しいですよね。明確にこれは歴史小説、これは時代小説、と分けられるのもあるけど、どっちか分からないのも出てきますよね。 なんども推敲したため削除し忘れたのではないかと思われるものが、184頁に残っています。具体的には以下の通りです。 「星野さん家も大変なの?」 「ううん、そういうんじゃないんだけど」 声が自分でもわかるくらいに沈んでいた。中原君は何か言いたかったようだが、チャイムが鳴ったので、自分の席に戻っていった。 星野さん家も大変なの? 大変といえば大変なんだろうな。 あのおじいさんとは、また違った大変さだけれど。 「星野さん家も大変なの?」という文章が二度出てきます。二度目の文章から後三行は、削除し忘れと思われます。もちろん、一度目が削除で、二度目が生きということもあると思います。(もしそうなら、編集者・校正係の責任です。) 和歌も二首、引用されています。恐れ入ります。  茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る  額田王  願わくは花の下にて春死なむその如月の望月のころ 西行 長距離走で「デッドゾーン、セカンドウィンド」と言う言葉があるのは知りませんでした。そんな事は知らなくてもマラソン大会では走ってました。(200頁) 【目次】 一時間目 国語 見る前に跳べ! 二時間目 家庭科 空色のマフラー 三時間目 数学 誰かと違う夜 四時間目 道徳 深く息を吸って 昼休み 孤独の友 五・六時間目 体育 花の下にて 放課後 アフタースクール ●年寄り(191頁) (老人がいつまでも若くて綺麗なままだったら) 「年寄りが、異性を惹きつけるような容姿のままでいたら、あっちこっちで揉め事が起こる。若い人が間違えて、年寄りを好きになってしまって、不倫があちこちで起きて大変なことになるぞ。世の中大混乱だ。」 ☆関連図書(既読) 「さよなら、田中さん」鈴木るりか著、小学館、2017.10.17 (2018年12月8日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 今回の舞台は、中学校。時間割に見立てた7編の短編で、鮮やかに現代人の苦悩、笑い、絆、友情、想いを描写。現役中学生の目を通して「生きる」ことについて大いに考えさせられます。笑って笑って、ホロッと泣かせる、胸に迫る青春群像小説です。

    1
    投稿日: 2018.12.08
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    目次が時間割+サブタイトルで 中学生を主人公にかかれてたり どの話にもある生徒がでてきてその子が軸になってたり 中学生作家さんらしい! 面白い~!って思いました

    0
    投稿日: 2018.11.15
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    前作ほどではないが恐るべき才能が随所に垣間見える。中原くんを仲介にそれぞれの時間割がすすみ、国語教師の回収で幕となるが、それこそ「樅ノ木は残った」のような出来映え。国語教師が少し好きになるような清々しいエンディング。やはり末恐ろしい。高校生になって学校が絡まない小説も是非読んでみたい、時代ものとか。

    0
    投稿日: 2018.11.12
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    14歳が書いたとは思えないくらい読みやすく、ストーリー設定もしっかりしていると感じた。 個人的には、「家庭科」と「体育」の章が良かった。

    0
    投稿日: 2018.11.04
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    デビュー作よりパワーアップして帰ってきた感がありと感じる良い作品だと思います。 なんと言っても表現力が豊富でスラスラと読めるんです。 特に体育の章での運動音痴の克服は感動しました。 ますます力をつけて大作家の道を歩み続けるのが楽しみです。

    0
    投稿日: 2018.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『さよなら、田中さん』の衝撃が、単なるビギナーズラックじゃなかったことを証明してくれる第二弾。これまたすごい。 田中さん、大好きだったから、あの母子超えるキャラなんてそうそう生まれてこないだろうなんて思っていたのだが、いやはや、るりかちゃん、さすが。 14歳のころって、それぞれがなにかしら悩みを持っていて、その悩みっていうのは大人になれば「そんなことで悩まなくても」って思っちゃうくらいの者だったりもするのだけど。だけど、その悩みのひとつひとつにつまずいたり立ち竦んだり後ずさりしたり、しているわけだね、14歳。 そのリアル14歳の渦中にいるるりかちゃんだから、その悩みを内側から描くことができたんですよね、あたりまえだけど、これってある意味とても勇気のいること。自分の「今」を描くのってとても恥ずかしかったり苦しかったりするはず。それを物語にするためにどこか少し離れたところから「今」を見る眼が必要なわけで、その眼をもっているるりかちゃん、本当にすごいなと思った。 そして今作では、中原君という「間違いなくいい子」(だけどやはり悩みを抱えている)をピンポイントで登場させることで過剰に渦中に巻き込まれることなく第三者として彼らを見守ることができる。その立ち位置も心地よくて。 14歳だったころの自分の、毎日の滑稽なほどの悩みっぷりを思い出してしまった。

    6
    投稿日: 2018.10.27
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    すごい…まじでぜんぜん14歳とは思えない… それぞれの章が同じ学校の生徒とか先生のお話になってて、 思春期ならではの悩み〜〜って、くぅ〜〜っと懐かしくなりつつも この子本当に相当読んで書いて来てるんだろうなっていうのがわかる文章でした。 おっきなぶっ飛んだ設定があって〜とかではなく、 日常を丁寧に書いてあって、 最後はどこか希望が残るさっぱりした読了感は、私の大好物です! 全部の章を通して、運動神経抜群、眉目秀麗、すごい良いヤツな 中原くんときめく!!!中原くんクラスにいたらもうみんな好きになっちゃうわ! 14歳の若い輝きに目を潰されるかと思いましたが、 ふっつ〜〜に良い本だったので、心が洗われました。 あ、一個だけ気になったのは挿絵…が気が散る… 表紙は別にだれが書いてようが、映画の写真になってようが、カバーしちゃったり、読んでる時に目に入らないから全然気にしないんだけど、挿絵って絶対読んでると目に入る分、重要だよね… 私のイメージとぜんぜん違う挿絵が各章の最後に入るからその度になんか読了感に水を差された。 文庫とかになった時には挿絵抜かれるかな? 個人的には挿絵描いてる人と感性が合わなかったので挿絵なしでいい。

    3
    投稿日: 2018.10.23