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レイモンド・チャンドラー、村上春樹/早川書房
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総合評価

21件)
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    特に印象に残った箇所は以下の通り ・「どこの誰かは知らないが、そういう台詞を思いつくには、うんと苦労したことだろう」と私は言った。「しかし苦労には才能の代理はつとまらない」(p.129) ・失敗の可能性なきところに成功はあり得ないし、凡庸なるものの抵抗なくして芸術はあり得ない(p.219〜220) ・「厳しい心を持たずには生きのびていけない。優しくなれないようなら、生きるには値しない」(p.293)

    0
    投稿日: 2025.09.24
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    マーロウ最後の一作。もうこれでマーロウに会えないかとおむと寂しい。リンダが出てくるのが少し驚きである。 村上春樹が7作の翻訳をやっている。改めて、なぜ彼がチャンドラーが好きなのか考えてみた。彼はバイオレンスも銃も私立探偵も好きとは思えないし、ハリウッドの金持ちライフにも興味はないと思う。でもエッセンスで共通点はある。主人公の男は、自分のルールを持ち、他人の価値観や世間体や慣習には関係なく、あくまでも自分のルールに従ってとことん行動する。ここは共通。あとは一つ一つの文章が簡潔で短い。でも主人公の話し方は少しひねくれていて、回りくどいしきどっているし余計な比喩や修飾語がやたらと多い。ここらへんは共通である。 その意味でハードボイルド小説のエッセンスが、自分のルールを第一に、他人の迷惑など顧みずに予定調和も無視しして突き進み、結局誰も幸せにはならないということにあるとすれば自分もその解釈に同感である。

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    ▼(本文より) 常識というのは、決して計算間違いなぞしない、グレーの背広を着たちっぽけな男だ。しかしその男が計算しているのは常に他人の金だ。 ▼(本文より) この街の売りのひとつは、ここで働いている人間にはここに住むような経済的余裕はないということです。 ▼フィリップ・マーロウ長編を発表順に再読しよう計画の最終章。第1作「大いなる眠り」は作者49歳くらい。最後の「プレイバック」は作者69歳くらい。マーロウの年齢は言及されずにあまり老けていない印象ですが、小説そのものは、より練られて、より枯れてきて、そしてややタガが緩んでいる印象。それはそれで滋味深いのですが、やはり「ロング・グッドバイ」が他をよせつけない強靭さと分厚さとオモシロさであることは確かですね。

    6
    投稿日: 2025.04.20
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    「優しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」あの有名なセリフの村上春樹訳である。「プレイバック」の小説そのものよりもこのセリフの方が有名である。 「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という有名な訳は生島治郎によるもののようだ。 田口俊樹訳だと「タフじゃなければここまで 生きてはこられなかった。」になる。 こんな話だ。朝の6時半、マーロウは知らない弁護士からの電話で起こされる。列車で到着する若い女性を尾行してくれという依頼だった。マーロウは駅へ行き、女性を見つけ尾行するが、彼女の周りにはおかしな男たちがまとわりつき…。前半は事件らしい事件は起こらない。依頼してきた弁護士は何者か?この女性は?彼女にまとわりつく男たちは?何が起きているのか、わからないことだらけである。 途中で死体が出てくるがすぐ消えてしまい、今ひとつ盛り上がらない。最後にはすべてが明らかになるのだが、依頼主になるベティーにマーロウは言う。「私が求めているのは金なんかじゃない。自分がいったい何をしているのか、なぜそんなことをしなくちゃならないのか、それが知りたいだけだ」なんだこの理屈。何がしたいんだ? この作品では事件は派手には起きない。その点では地味だ。そして何よりいつものマーロウと違う点は、簡単に女性に言い寄られ、簡単に一緒に寝てしまう点だ。これまでのマーロウは悪漢から女性を守るなどの流れがあって女性から何か言われてもさらりと断るのだ。しかしこの話では女性は脈絡なくマーロウに惚れて、マーロウも今までの我慢の反動のように女性を受け入れる。あまりオススメしたくないマーロウである。 翻訳では創元推理文庫の田口俊樹版も良いと言われるが、ハヤカワ文庫の村上春樹版が読みやすいのは確か。どうぞフィリップ・マーロウが崩れ始めるチャンドラー晩年の長編小説を愉しみましょう。

    1
    投稿日: 2024.09.21
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    19冊目『プレイバック』(レイモンド・チャンドラー 著、村上春樹 訳、2018年9月、早川書房) 私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編小説としては7作目であり、チャンドラーの遺作でもある。村上春樹が翻訳するマーロウシリーズとしてはこれが6作目。 「優しくなければ…」のセリフで有名な作品ではあるが、内容そのものの評価は芳しくないらしい。 なぜそこで?と首を傾げたくなるベッドシーンがあるのだが、その理由は翻訳者のあとがきを読む事で理解する事が出来た。 〈優しくなれないようなら、生きるに値しない〉

    13
    投稿日: 2024.02.19
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    ほとんど何も起きない。 マーロウがテンポよく喋り続けるだけ。 駄作とは思わないけれど、個人的にはどうなんだろうと思ってしまう。 ヒロインもラスボスもピリッとしないし。

    1
    投稿日: 2024.01.22
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    チャンドラー作品六作目。あの有名な台詞はこちらに収録されていました。終始なにが起きているのかわからず…(中・終盤あたりでわかってくるので安心してくださいw)。しかし、独特な描写で読者を離さないチャンドラーはさすがだなと。訳もマッチしててとても好きだ。

    4
    投稿日: 2023.02.13
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    ある程度は理解できた。 これが私にとってのチャンドラー長編の最後の一作。 最後に出てきたリンダ・ローリングがわからなかったが、あとがきで、長いお別れに出てきた登場人物だと書いてあった。 全く覚えていない。

    1
    投稿日: 2022.01.05
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    文学ラジオ空飛び猫たち第29回紹介本。 「ロング・グッドバイ」の続編、「プレイバック」を取り上げました。 今作には有名なセリフが登場します。 「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きてる資格はない」 このセリフも訳者によって訳し方は様々。ラジオでは清水俊二訳と村上春樹訳の違いを話しています。表現が違うと印象も変わってくるのがおもしろいです。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/29-epnjs1

    0
    投稿日: 2021.12.31
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    私が知らないだけでフィリップ・マーロウの有名な台詞が登場する作品。 内容はミステリー要素ありつつどうも煮え切らず、登場人物のマーロウを除く全員が好き勝手にやってる感じでまとまりがない。 尾行する対象の女性の過去ももう少し深掘りしてほしいところだし、追う側の背景ももっと描写があってもよかった。 この回もマーロウがただただ振り回されて、それでも何とかハンドルを握ってマーロウの道に戻してる感じだった。

    0
    投稿日: 2021.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館に行って適当に借りようと思っていたのに、チャンドラーにひきつけられて、続けて借りてしまった。3冊目。あとがきにもあったが、あまり評判は良くない作品のよう。終盤に行くまで何の事件なのか、依頼もされていないのにマーロウがどうして動いているのか、モヤモヤした。それでも、やっぱり楽しめた。脇役の登場人物の描写がいい、きちんとそこに存在している様子がわかる。

    0
    投稿日: 2021.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ロング・グッドバイを読んだ直後に手に取った。 それがあまりに良すぎて、何だかちょっと物足りない感じがした。 が!マーロウは相変わらずマーロウで、やっぱりタフで、だけど殴られて。そして優しい。そう、タフでなければ生きていけないし、優しくなければ生きている資格がないのだ。それを体現しているかのようだった。 ただ、今までとちょっと違うのが…誰かとくっ付くことはなかったマーロウだったが、今回はラストで…あれれ?どうなるのかな。 これで、私のマーロウを眺める旅は終わったけれど、もう少し、もう少し、あのタフでどこか優しい探偵さんのお話を読みたかったなと思う。

    0
    投稿日: 2021.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    プレイバック 著者:レイモンド・チャンドラー 訳者:村上春樹 発行:2018年9月15日(単行本は2016.12) 早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫) 「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」 小説そのものより、この下りの方がずっと有名かもしれない。チャンドラーの小説に出てくることを知っていても、「長いお別れ」や「さらば愛しき女よ」あたりに出てくると思っている人もいるかもしれない。僕の印象では、この言葉は有名だけど、プレイバックの小説そのものはそんなに面白くない、と評する人が多いように思う。 ともあれ、この有名な言葉を村上春樹が果たしてどう訳しているのか。なんといっても興味はそこにつきる。現に、今回の訳者あとがきでも最初からその話題になっている。大抵の人は同じ質問をしてきたそうだ。「あの部分はどう訳すんですか?」 この言葉、冒頭に「男は」をつけて角川映画が70年代後半にコピーに使って一躍有名になった。訳者あとがきによると、これは1960年代に小説家の生島治郎が訳した「タフじゃなくは生きてはいけない。やさしくなくては、生きている資格はない」がもとになっているという。 もちろん、この他にもいろいろ訳があり、 「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」(清水俊二訳) 「ハードでなければ生きていけない。ジェントルでなければ生き行く気にもなれない」(矢作俊彦) 僕自身は、清水訳で若い頃に読んだ記憶がかすかにある。 さて、問題の村上訳。とても楽しみに読み進んだが、見当たらなかった。あれ?どこだろう??と訳者あとがきを読んでいたら、「あまり自信はないけど、『まあ、これくらいが妥当ではないか』というあたりで僕なりになんとかまとめた」と書かれていて、25章にあるとあった。 読み返してみると、確かにあった。僕は原文英語に対してその訳が適切かどうかは分からない。でも、見事に過去のどの翻訳のイメージをも彷彿とさせずに訳している。あれだけ固まったイメージを、まったく連想させない訳はおそらくとても見事だし、僕のように「あれ?出てこなかった」と思わせるのは、訳者村上春樹本人の最も本意ではなかったかとも思う。 見事にやられた。 (原文) If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive. チャンドラーが、唯一昼間から酒を飲みながら書いた小説。元々、映画のシナリオとして書かれたものを小説化。完成した最後の小説。 (設定) ある朝、知らない弁護士から電話で依頼。ロサンゼルスのユニオンステーションから、ある女を尾行し、彼女がどこで腰を落ち着けるかを調べて欲しい、と。 尾行すると、彼女はサンディエゴで降り、海辺の高級地のホテルに入った。しかし、マーロウはちょっとした隙に彼女を逃し、チェックアウトされてしまった。調べると、再び鉄道に乗るはずだった彼女の計画は邪魔され、再びその地で滞在していることが分かった。 彼女は、一人の男にゆすられている様子だった。 マーロウは、一旦、ロサンゼルスに戻って弁護士に彼女を尾行する理由などを詰問するが、弁護士は答えない。マーロウはサンディエゴへと戻る。 ***(個人的メモ、読書予定の人は読まないでね)*** エリザベス(ベティ)・メイフィールド(尾行対象の女) ラリー・ミッチェル(ゆすり屋、ベティにつきまとう男) クラーク・ブランドン(ホテルのオーナー) ロス・ゴーブル(私立探偵) クライド・アムニー(依頼してきた弁護士) アムニーからベティの尾行を依頼されたマーロウ。LAのユニオン・ステーションからサンディエゴの「エスメラルダ」という街へ。LAでベティはラリーに脅されていた。後に分かるが、列車の中で知り合ったという。ラリーはエスメラルダに住むたかりで生きているろくでなし。高級ホテルに滞在。 マーロウは、いったんは彼女を見失うが、再び見つけて依頼主弁護士のアムニーに報告。なぜ彼女を尾行するのか聞くが、なにも言わない。しかし、段々とワシントンDCの別の弁護士からの依頼であることを告白。どうやらベティは嫁ぎ先から大金を持ちだし、名前を変えて転々としているらしい。 あるとき、ベティがマーロウの滞在する部屋に訪ねてきた。自分の部屋のバルコニーでラリーが死んでいるから死体を始末してほしいとの依頼だった。彼女は大金を持っていた。 そこに行くが、死体はなかった。しかも、ラリーは翌日に荷物を持って旅立ったと駐車場係が証言した。1週間分の滞在費を前払いして。おかしいと感じるマーロウ。やっぱり死んでいるのでは? ラリーはホテルオーナーのブランドンと知り合い。ラリーのベティに対するからみ方を見かねて助ける。一体、ラリーは彼女のどんな弱みを握っているのか? ロス・ゴーブルという私立探偵が接近してきて、マーロウを尾行などする。ラリーを探しているともいう。その彼が、マーロウが滞在する部屋で半殺しの目にあった。マーロウもあやうく殺されかけたが、察知して殺し屋と格闘し勝つ。どういうことか? ノース・カロライナから、ベティの死んだ夫の父親が警察署長のところに来た。ベティについて、自分の息子を殺したと主張している。息子は戦争でのけがで首にギプスをして生きていたが、それをベティが外して殺したと主張。彼は大金持ちの有力者だった。しかし、裁判で彼女は陪審員からは有罪とされたものの、判事の判断で無罪となった。父親はそれが許せず、俺の力を持ってすれば、ベティがどこに逃げようと徹底的に懲らしめられるんだと大口を叩いた。 ラリーは、そんなベティの過去を知っていたので、彼女を脅して大金をせしめようとしていたのだった。しかし、ベティと愛し合っていたホテルオーナーのブランドンは、ラリーを殺し、死体を持ち出し、ラリーの車を30キロ離れた渓谷に置き去りにしておいた。死体はヘリで海に捨てた。 これが真相だった。 私立探偵も、大金を狙ってきていたようで、だからラリーを探していた。彼らは元々知り合いで、金をゆすりに来ていたが、ラリーが先に死んだため一人でブランドンからお金をかすめ取ろうとした。だからブランドンに雇われた殺し屋に半殺しにされた。 (名言) 常識というのは、今週車をどこかにぶっつけた人に向かって「君は先週のうちにブレーキの調整をしておくべきだったね」と忠告するようなやつだ。常識というのは、自分がチームに加わっていたら、週末のゲームなんて楽勝だったのにと言う、月曜日のクォーターバックのようなやつだ。(152) 「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」(293)

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    投稿日: 2021.03.30
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    プレイバックがあまり好評ではなかったとの事で別作品の期待度があがった。 次はロンググッドバイ読んでみよう

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    投稿日: 2021.03.06
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    「プレイバック」(レイモンド・チャンドラー :村上春樹 訳)を読んだ。 やはり清水俊二版で育った世代なので、村上春樹版の例のセリフはちと堅苦しい感じがしてまだ馴染めずにいる。 この作品はさ、矜持こそ失ってはいないもののかなりお疲れ気味のマーロウがいてちょっと違和感があるよ。 やれやれ。

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    投稿日: 2021.01.08
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    "タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない"というセリフが有名な作品。ややプロットが強引で納得しかねる部分とかあるんだけど、全般ハードボイルドなカッコいい感じ

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    投稿日: 2021.01.02
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    私立探偵フィリップ・マーロウの物語も遺作となった今作を以て一旦その幕をを閉じる。死体消失トリックのおざなり感に加え、女性たちと脈絡なく一夜を共にするマーロウは過去作で築き上げたストイックな人物造形が揺らぐ程に通俗的。それを『今回も(良くも悪くも)“らしい"作品だな』と受け入れられる私も随分とチャンドラー節にこなれてきたようだ。ロマンスを成就させたマーロウが次作(遺稿を別作家が加筆)にて如何なる変化を遂げるのか興味はあるが、私はここで読み納め。波乱万丈な作家の生涯に作品を通して触れる事が出来たのも感慨深い。

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    投稿日: 2020.09.20
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    マーロウものの事実上、最後の作品。午前六時半に態度のでかい弁護士の依頼の電話がマーロウの目を覚まさせる。依頼内容はある女の尾行ということで物語は始まる。ド派手なアクションはないものの、マーロウの生き方、哲学は健在で十分楽しめた。

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    投稿日: 2019.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チャンドラーの小説は、省略が多くて、途中でストーリーについていけなくなる事が多いんだけれど、これは話がそんなに長くないせいか、最後まで迷子にならずに済みました。しかしあの有名な台詞、角川春樹のせいで私たちの世代(アラフィフ)にはすっかりお馴染みなんですが、日本以外ではそんなに知られていなかったとは・・・。広告代理店の力、恐るべしですね。

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    投稿日: 2018.12.08
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    いつも楽しみにしてるフィリップ・マーロウシリーズの村上春樹翻訳、6作目。ロング・グッドバイや高い窓には劣るけども、楽しめます。次の7作目で最後か。 52 「銃ではなにごとも解決しない」と私は言った。「銃というのは、出来の悪い第二幕を早く切り上げるためのカーテンのようなものだ」 293 「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」

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    投稿日: 2018.11.06
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    同じ小説なのですが、清水さん訳とは全然違った印象で読ませていただきました。どちらかといえば、しっかりとした筋で、読みやすい印象でした。読後の感想としても、どこで何が起こったのかがよく分かりました。ただそれ故に、この作品の独特の分からなさ、不気味さが減ってしまっている印象があり残念でした。もちろん残っていますし、その中で十分面白かったのですが。 主人公が、面識の無い弁護士からの電話で急に事件に巻き込まれていきます。そこからその背景を知りたいという主人公の悪い性格が出てきて、事件が進んでいく。それだけでは陳腐な物語ですが、そうさせない、それぞれの場面があり、それを楽しむのがチャンドラーを楽しむということなのだと、改めて感じました。

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    投稿日: 2018.10.12