
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本が「日本三大奇書」に入らないのはおかしいと感じてしまうほど難解で不気味な物語。しかし、読んでいくにつれて世界史のパロディが現れたり、作者が物語の中に入り込んできたりとわけのわからない展開にページをめくる手が止まらなくなってしまった。
0投稿日: 2025.12.30
powered by ブクログよく文房具にここまで個性を持たせられるよなぁ。頭の中どうなってんの?!? 第一章では狂気の文房具軍団のメンバーが次々に現れオモローと読み進めるものの、第二章に入ったところで鼬族の歴史が全然頭に入ってこなくて、第二章はほぼ読んでない。 鼬族の数が多すぎてうんざりしてね、誰が誰かもわからんくなるし、ここを読みきった人ほんとに尊敬する。でも正直、第二章を飛ばして第三章を読んでも全然大丈夫だった。(読んでないくせに言う〜) 第三章からはまた狂気の文房具軍団も登場するし、結末が気になるから読んだけど、まあ筒井康隆の小説なら他にもいっぱい面白いのあるし、あえてこれを勧めることはないかな。 でもね、狂気の文房具軍団の性格とか相関関係とかほんとに面白いの。何回声出して笑ったことか。お気に入りは輪ゴムが操縦席で”ドレニブツケヨーカナ”て言う場面なので、もし読む方がいたら注目してほしい。
0投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ狂った文房具たちが搭乗する文具船。 オオカマキリの卵たちが戦闘開始を待つ冷艦。 彼らが司令部から命じられたのは、鼬族の囚人が流刑に処せられ、その子孫たちが文明を築いている惑星クォールの殲滅。 その目的も意味も知らされないまま、文房具(とオオカマキリ)と鼬族は、長い長い闘いの幕を切って落とす・・・ 登場するのは、文房具とオオカマキリと鼬族。 人間はどこにも登場しません。 ・・・が、登場人物(?)たちは、徹底的に「人間的」に描かれます。コンパスや赤鉛筆や雲形定規や輪ゴムが、笑い、怒り、泣き、拳を振り上げ、失禁します。鼬族は地球人類の歴史をそのままなぞるかのような血塗られた歴史を繰り広げますが、混血したり放屁したり共食いしたりと、擬人化することが極めて困難です。 そう、この作品は、まさに「虚構」なのです。 鴨の持論、「SFとは絵である」が、全く通用しない作品です。虚構を絵にすることはできませんから。 第一章の文房具の描写、第二章の鼬族の歴史までは、なんとか読み進めることができます。が、第3章の戦闘描写に至っては、正直なところ、文字をなんとか目で追っているレベルになりました。途中から作家本人の愚痴も混じってきて、完全にメタフィクションです。 読了しての鴨の印象は、この作品は徹底的に読者を挑発している、ということです。筒井御大らしいな〜、とは思います。万人にオススメすることはできませんが、チャレンジする価値はあると思います。
1投稿日: 2025.05.13
powered by ブクログ『虚人たち』から段落落としと句読点極力排除という虚・構文で作品を作っていく著者。なかなか慣れない。全編で人物、時空間が入り乱れていることも、それに拍車をかける。第一章は狂気の文具船乗組員の紹介。第二章で鼬族の約千年に亘る歴史の叙述。この鼬族史は、流刑地・惑星クォールで、地球の世界史、科学史、文芸史の偉人、変人、独裁者などのパロディをもって文明を発達させ、果ては核爆弾による自滅を描く。第三章では、鼬族と文房具との闘いと、どさくさに紛れて著者の日常と不満がぶつけられてくる。長かった~、疲れた~
0投稿日: 2024.06.21
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摩訶不思議。滅茶苦茶やん。 そう思って、はじめの方は読み進めた。 さすが奇書と言われるだけある。 小説界のラーメン二郎と誰かが書いていたが、言い得て妙。それくらい濃厚。 心して読んで欲しい。 単なる読書ではなく、筒井康隆への挑戦となる。 執筆に6年をかけたらしく、終盤では他の創作の依頼は断ったらしい。筒井康隆の集大成的作品とも言われている。 ーーーあらすじと感想ーーー 第一章 文房具 宇宙船団の中のひとつに、山ほど文房具が乗っている文房具船があり、文房具たちは全員どこか狂っている。そしてP20までに大学ノートは死に、ダブルクリップが自殺する。 は? 自分は大事だと思うところや物語のキーになっているところに線を引きながら読むタイプだが、この本に関しては、見返してみると自分でも何故そこに線を引いたのか全くわからない。 少しだけ登場人物(文房具)とその性格を紹介すると 自意識過剰なコンパス 性欲が抑えきれない糊 誰彼構わず喧嘩して殴られるホチキス 精神崩壊を起こしている輪ゴム 自分を天皇と思っている消しゴム 初老ナルシストの下敷き 大作家である三角定規兄弟の兄 兄への嫉妬に狂う三角定規兄弟の弟。などなど。 文房具たちは、どこまで行くのか、いつ帰れるのかも分からない宇宙航海のせいで、一人残らずみな気が狂っていると書かれている。閉鎖的な文具船の中ではそれが増幅され、結果として狂っていることが正常という逆転現象さえ起こっている。 なんとか航海を続けていたが、ある時中央船団から『惑星クォールの全住民殲滅』の指令が届く。 第二章 鼬族十種 惑星クォールの歴史物語。これがまた重厚で、二章だけで世界史の教科書を読破した気分になる。参考書を読む時のように何度も何度も、前ページの地図や家系図を見直すことになる。 惑星クォールに住んでいるのは流刑されてきた鼬族の子孫で、原始的な状態から文明社会を築き上げていた。核兵器すら開発する。 血塗られた歴史は世界大戦へと行きつき、最終的には核戦争が起こってしまう。それはちょうど文房具船が住民殲滅に来襲したのと時を同じくしていた。 第三章 神話 文房具対鼬の戦争。 目線が何度も切り替わり、空間や時系列の移動も激しいのだが、読み応え抜群。バトル小説。 第1章、第2章を読み終えたご褒美だとも感じた。面白い。 そして賛否両論を引き起こした箇所が出てくる。僕は映画『大日本人』を思い出した。面白い人はここに行き着くのかとおもった。 最後のセリフも最高だった。 筒井さん曰く 「第一章でまず、SF嫌いと、主人公にしか感情移入できぬレベルの者と、物語の展開だけを求めて小説を読む読者が疎外される」 「第二章で、人間がひとりも登場しないことがはっきりし、人間以外の者に感情移入できないレベルの読者が排除される」 「第三章で、通常のエンターテインメントの如く漫然と読んでいても筋は追えるとたかをくくった読者は作品から拒否されてしまう。あたり前だ。そんなに気軽に消費されてたまるか」
0投稿日: 2023.11.08
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『萌え絵で読む虚航船団』は2019年頃に知り、数回読んで更新日付に気付き、続編は望み薄であると察した。 筒井康隆は、一冊だけ読んで通るのをやめた道である。やはり2019年頃、その一冊を読み直して評価が真逆に改まったので、なにか読んでもいいかなと思えるようになった。 かような縁で本書に至る。 『萌え絵で読む虚航船団』で見知っているので、登場人物が文房具である第一章に問題はない。また、現実の歴史をパロって架空の歴史の構築を試みている第二章については、哲学の貢献を省いているのだなとは思うものの、特に意見を持たない。ただ『シルマリルの物語』や『ペガーナの神々』が脳裏をよぎったのみ。 問題は第三章である。 この小説が発刊された1984年頃、この頃がどういう時期であったかしかと思い出すことはできないが、大雑把に当時とまとめることにして、漫画にせよ小説にせよ、作家が登場する楽屋オチや、内輪ネタともいえるようなものが散発的にだがわりとある頻度で見受けられたことを記憶している。よほど好きな作品作家でなければ読んで楽しいと思えたことはなく、好きな作家作品であってもときには生暖かい気持ちにさせられたものだ。「第三章 神話」は、そんな作品ではなかったのに、突如としてそんなものが押し寄せてきて台無しになった。そんなカンジ。第二章の半ばからそうではないかと察していたのだが、著者は飽きていたのだろう。 これまで書かれた作品に対して「ヤクでもやってたんじゃないのか」という感想を抱くことはあった。あくまで書かれた作品そのものに対してそう思った。 ところが今回の読書で、発刊されたことに対してそう感じたことが新しかった。関係各位、誰も止めることはできなかったのか。第一章、第二章はよく出来ているので、それを惜しんだのだろう、たぶん。
0投稿日: 2023.01.27
powered by ブクログ三度目の正直での読了。二回とも第一章での挫折。全体を通してみたら、第二章の鼬族十種が一番うんざりするところだ。延々と鼬族の歴史がつづられる。うんざりしたことも数しれずだ。世界史のパロディも笑えない。いちいち地図を参照した。見にくい地図だ。第三章は筒井本人も登場する。文具船員の文房具たちも全員死亡して殺戮者たちの末路ははかなない。文学の破壊に関して言えばソローキン『ロマン』が優れているが、こちらも破壊ではないが面白いかつ読みにくい。この世は文房具たちではないが、みな狂っているのが当たり前なのかもしれない。
1投稿日: 2019.03.22
powered by ブクログ一貫して狂気的。 途中から理解できなくなったので、取り敢えず文章を感じることにして、最後まで目を通すことができた。
1投稿日: 2019.02.07
powered by ブクログ作者は後にイタチ科惑星の“ファウナ”に、「ラッコ忘れた」と言ってゐるが、例へラッコもふもふが21世紀初頭に辛うじてあったやうな状態でも別にいいと思ふ。 メタフィクションとして、選挙カーががなる人の名前らしきものが出て来る他、ホチキスが放つ針をカタカナに見立て ココココココココココ といふ表現が出て来る。
2投稿日: 2018.02.13
powered by ブクログ筒井康隆作品の、妙に人間臭いモチーフと、軽々と死ぬこと、最後が読点の極端に少なく混沌に落ちていく感じがどうにも苦手で、煙に巻かれたような気がしてしまう。 パロディと比喩の境界、唐突な視点の切り替え、語句の繰り返し、年代がごちゃごちゃ、ページをまたぐ、作者の独白や思考が混入、、、手法としてはとても挑戦的で斬新。 文章などが小説らしくなくて読んでる最中は面白いと思えないんだけど、のちに構成やそれぞれの登場人物(登場文房具?)の意味を考えていくと、深いものがあるなーと気付かされる。 便箋と封筒の、他人から聞いたら何がなんだか分からない言葉の置き換え遊び、これがこの本全体にもあてはまって「違和感」を出していそう。なんでそんなもので喩えちゃうの!意味不明!みたいな。 あとは虚構歴史を一通り目で追っていたおかげで、第3部の鼬界の「歴史上の人物」への言及が( 上半身の鼬とか )あああれね、という感じで理解できたのが面白かった。 冒頭で意識過剰なコンパスが出てきて、これが最後まで印象に残る。最後はマリナクズリ視点で、「スマートで優しかった」と言われているのがこの本唯一の救いかしら。
1投稿日: 2016.12.22
powered by ブクログ筒井康隆の才気が爆発し、「全体小説」の如く、日本を含む現実世界をカリカチュアライズした傑作。 「私とは何か?」という問いを各人が持ち、不可思議な行動を取り続ける擬人化させた文房具の世界は、あたかも吉本隆明の詩作に出てくる以下の言葉を想起させる。 「ぼくが真実を口にすると ほとんど全世界を凍らせるだらうといふ妄想によつて ぼくは廃人であるさうだ」 (吉本隆明「廃人の歌」 「転位のための十篇」より) 何から何までが狂っていて、にも関わらずこれが架空の世界とも思えない現実性があるところが恐ろしい。
1投稿日: 2016.11.20
powered by ブクログ十数年ぶりに再読。今回はまだおぼろげな当時の記憶が残っていたので第三部のメタをまだなんとか読めなくもなかったけど、あと10年後くらいたったら、ダンテの神曲についてるような注釈がないと読めなくなりそう。
1投稿日: 2016.06.07
powered by ブクログ本書が単行本で出たときに買ったのだが、積ん読になったまま幾星霜。 宇宙を航行している大船団がある。その一宇宙船に船団司令部より指令が下る。使命は惑星クォール全居住民の殲滅。 鼬族の人口爆発により彼らによる犯罪が頻発。特に凶悪な鼬族約千名を3度にわたり惑星クォールに流刑にして約千年。鼬族は惑星クォールで文明を再び発展させ、刑紀九九九年に到り、「大空からの殺戮者」が襲来する。 そういう話なのだが…… なのだが…… まずコンパスが登場する。なぜなら、指令が下る船というが文具船だからである。船長は赤鉛筆で、副船長がメモ用紙、繊維じゃなくて船医は紙の楮(こうぞ)先生だったりする。文房具は生きているのか。生きているらしい。コンパスなら例の尖端に針のある両脚があると同時に、人間のような身体器官がある描写が何の説明もなく併存している。量子論で量子が波であると同時に粒子であるかのように、文房具たちは文具としての身体を持つと同時に人間の身体を持っているようなのだ。そしてそのことについては何ら説明がない。 第1章「文房具」はこの文具船の乗組員たちを次々に紹介していくのだが、みな狂っているか、狂う寸前なのである。一見正常そうな者は、実は妄想を持つがゆえに正常な行動をとっているなどというややこしいことも起こっている。ただし狂っているといってもおおむねそれは性格が極端に偏っているとか著しいこだわりを持っているとかいうだけのことに過ぎず、われわれの周囲にいる人々を少し極端にしただけともいえ、いわば「普通の人々」の戯画なのだ。文房具とは人間が人間自身の機能を拡張するために生み出したものであり、極めて人間的なものともいえる。 指令はクォールの居住民である鼬族二十四億の殲滅。しかも艦隊への復帰の指令はない。だいたいもう狂っているのだが船員たちは狂ったようになる。戦闘で死ぬかも知れない。二十四億の住民を皆殺しにするなどいつまでかかるかわからない。俺たちは捨て駒だ。 第2章「鼬族十種」はクォール一千年の歴史である。記述法は歴史書か歴史の教科書かといったもので、おおむね淡々と書かれている。歴史の教科書を読まされるのはうんざりだなあと思うが読んでみるとこれが面白い。つまり内容は淡々としてはおらず、さまざまな王朝が起こっては戦争し虐殺しといったもので、人類の歴史の戯画なのである。最後は二大国の対立と核戦争の危機というところにいたる。鼬だけに前王を喰ってしまったり、最後っ屁をかましたりするが、人間だって似たようなものだ。実は第3章でこのクォール史は文具船のある船員によって数十年の調査執筆によってなったものであることが明らかにされるのだが、千年の歴史の重みを描いた上でその歴史を破壊する文具船がやってくることで否が応でも黙示録的な雰囲気が高まるという仕掛けになっている。黙示録とは歴史の終焉だからである。 顕微鏡的に人間的なものをデフォルメした第1章に、望遠鏡的に俯瞰した人類史のパロディの第2章が激突すると、歴史の終焉のあとにあるのは第3章「神話」である。文具船侵攻直後やらその天空からの殺戮者の存在がもはや事実かどうかもわからなくなった未来までさまざまな時点の記述が文房具側も鼬側も次々に視点を変えて列挙され全貌はその断片から伺い知るしかなくなる。しかも、そこに雑音がはいってくる。作者の実生活の話題や、執筆中に聞こえてきたと思しき選挙カーの絶叫。 矮小ながら徹底的に細部をえぐっていく人物描写と長大ながらも殺伐とした歴史、いずれも内容は矮小なのにその叙述の形式によって壮大な黙示録的世界を生み出す。つまりカオスとしての神話がここに実現されるのだ、しかも人間的なあまりに人間的な。
1投稿日: 2016.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【1章】文房具が、自らの使用用途(ひとつの役割)に拘るあまり、おかしくなってゆく…僕らと同じね。【2章】鼬の文明史。自前の毛皮があるため毛織物業が発展せず、産業革命が興らないという設定は巧い!【3章】物語のラスト。コンパスイタチは「これから夢を見る」という。彼は、戦争描写で埋め尽くされ、閉じられてゆく物語の中で、自分の内側にあらたな虚構(夢)を建立しようとしている。完全にあきらめられた世界の中で見る夢は、明るい未来か?SF的な危険予知夢か?世界を虚構化(解釈して認識)し、切り開いてゆく営みは、この先もまだまだ続く。
2投稿日: 2014.05.19
powered by ブクログhttp://blog.goo.ne.jp/shirokuma_2007/e/15892f94fb167acdc52d1cc63557f93f
0投稿日: 2014.04.29
powered by ブクログ分厚かったなぁ。 読んだのは中学校時代。筒井康隆の本を片っ端から読んでいた時代でしたが、なかなか難易度が高かった。 3部構成。 1部、宇宙船内部 登場人物が全員キチガイww 2部、地球っぽい星の世界史 3部、一部と二部の融合 いやー、読み応えが凄い。 難易度が高いけど世界史が好きならついていける。
0投稿日: 2013.03.02
powered by ブクログ筒井裏ワールドに翻弄されました。 評価などつけることができません。 読了した自分を褒めてあげたい・・ 今さらですが・・今の職場状況に 似ている・・・
1投稿日: 2012.11.16
powered by ブクログまずは読みきった自分を褒めたい。 読書って、読者が本の世界に入り込むのがいわば暗黙のルールなのだが、この本に限っては本の世界が頭の中に押しかけてくる感じ。 それが新鮮だった。 二章は見ただけでうんざりしますが、地図を見ながら、鼬の勢力の変遷を想像したら楽しく読めました。
0投稿日: 2012.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
裏表紙の紹介文をまず読んでなんだこの小説は、いったいどんな小説なんだと思わされ手に取り、1行目を読んだときの衝撃が忘れられない。 しかし第1部はともかく、第2部、第3部とどんどんついていけなくなってゆく……。自分は歴史書を読みたいわけではなかったので第2部は半分ほど飛ばしたが、第3部もカオスとしか言いようがない、でも面白かった。 文房具はナンバリングが好き。
0投稿日: 2012.09.07
powered by ブクログ神話→歴史→SFという歴史的成立過程を倒置し、気狂いだらけの異様な文房具たち、迫力すら感じる歴史書・通史のカリカチュアを経て、"神話"と銘打たれたブンガクのジョイス的極地に至るまでの密度の濃さは類例を見ない。序盤の教会の件以降、宗教的要素のまるで現れない第三部は、しかし"荒唐無稽"という一点においてまぎれもなく神話そのものなのかもしれない。そしてラストに配された親子の会話からは、どんなに前衛や実験と称して迂回や破壊や冒涜を繰り返そうとも、小説として真っ当なオチをつけずにいられない物書きの性が垣間見える。
4投稿日: 2012.07.30
powered by ブクログうわー、読んで時間を無駄にした、という小説だった。 全く面白みが分からない。いまどきこんな小説も珍しい 何はともあれ書き上げた作者の狂気を感じる
0投稿日: 2012.06.17
powered by ブクログ大学生時代に読んで衝撃を受けた本。まだメタ的な仕掛けの有る本とかほとんど読んだことがなく、小説の自由さにフィクションの世界の広大さを感じました。
0投稿日: 2012.02.23
powered by ブクログなじ■ 登場人物は全員文房具、 何十年も宇宙船で暮らし続けている為に 一部を除き全員が気が狂っている。 それぞれの文房具の擬人化具合が面白かったんですが、 戦争に突入して以降とにかく文房具達が哀れで不憫で可哀想で 仕方なかったです… しかしほんと面白かった…何度も味わいたくなる文章。 ナンバリングが一番好きです!
1投稿日: 2012.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
宇宙を彷徨う文房具の乗った宇宙船、長旅に文房具たちは気が狂っている。そんな文房具たちが、イタチ文明の発達した惑星を侵略するという話。 気が狂った文房具も、侵略戦争を繰り返しながら発展していくイタチたちも、人間への皮肉なんでしょうね。 三部構成。二部は罠ですが、三部はもっと罠です。 筒井康隆御大にしか書けない名作。
1投稿日: 2012.01.04
powered by ブクログ登場文房具の心情を細かく描いているのが素晴らしいと思った。 小説を読んでこんなに圧倒されたのは初めて 筒井康隆さんの小説の中で一番好きです ココココココココココココココココココ
1投稿日: 2011.12.15
powered by ブクログ本でなければ味わえない楽しさがたっぷり。筒井作品のなかでも特に好きな一冊。漫画みたいな感じかな。ホチキスが印象的。ココココココココココココココ。
0投稿日: 2011.10.26
powered by ブクログ文房具VSイタチ。 病的な文房具こそ人間なのか。 侵略戦争を続けているイタチこそ人間なのか。 人間の内面のダークサイドを抉る。 これこそエログロナンセンス。より以上(異常)。 ヴォリュームがあるから一日で読めないかも……。 この世界こそ、ヤスタカツツイ大先生。 もう感動しかない。 なんなんだろう。 エヴァみたいといえるし、 丸尾末広ともいえる、 拡大版ハルヒとも、 占星術殺人事件ともいえる。 形容しきれない作品。 読む人読んでおくれ。 責任はとれないなあ。 セイギにはギセイは必要なんだ。 戦争ってこういうものなんだ。 世界ってこういう風にできたんだ。 これぞ、完全なる、フィクション。 これぞ、究極なる、ドラマツルギー。
0投稿日: 2011.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
豊穣で過剰な文学的冒険。文房具の物語が単体で面白すぎて、終盤のメタ化が蛇足とも、逆に外せないとも思える。どうあれ面白いんだけど。
1投稿日: 2011.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どんな小説を書いても、読者はそれを簡単に消費できてしまうわけで、この本だって文庫版で900円もせず、ページ数だって600ページもないわけだから、読める人なら一日で読めてしまう。分量的には。しかし、著者はこれを六年がかり、殆どかかりっきりで仕上げたわけであって、それをたった一日で消費していいのか。 勿論悪いとは誰にも言えない訳だけれども釈然としないのも当たり前なわけでそのように消費されることを拒む小説があっても良い。この小説は私の読んだ限りではそうした意図の元にまずは書かれていて、とはいっても第一章などはわりかし読みやすいというか、読みにくい文体を用いて文房具に感情移入を強いるという無茶苦茶を早速かましてくるのだがそれをクリアすれば一気に読んでいける。この章で印象的なのは文房具たちの神経症じみた行動や描写であってこの異常なまでのリアリティに文房具としての個性が重ねあわされていく様はどうしたって泣けてしまう。ナンバリングのカウントが行為を無機質化するが故にその悲劇性が一層強調されるダブルクリップの話などは、無機物への感情移入が有機物への憧憬すら喚起させるものにも感じられそれがどうしようもなく悲しい。ある意味これは文房具を通して人間を描く、というかそれぞれの存在の理由を追求するような話であってそこにコミットできるかどうかが鍵となるがコミットできれば書かれている内容はそれなりにオーソドックスとも言える。 第二章では様相ががらりと変わり世界史のパロディが始まる。鼬族クレオールの歴史の、延々数百ページにもわたる記述だ。これは文体からして歴史教科書のパロディになっているから読み進めるのは相当苦痛なのだが「読み進める」という感覚からして間違っているということに気づけば勝ちだ。「勝ち」というのは変な表現だが明らかに読者に対して勝負を仕掛けてきているからあえてこの表現を用いる。ここでは歴史教科書をじっくり頭に入れながら読むように、何度も反芻しつつ読んでいくのが正しい。そうして頭の中に壮大な一つの歴史が展開されていくその様を楽しむのである。人類史のパロディが随所に盛り込まれていてそれを解き明かしていくのも楽しいし、ひょっとしてこの歴史はわれわれの歴史と繋がっているのではないだろうかという妄想を介在させても面白い。私の場合は古代核戦争論について書かれたオカルトの小説を読んでいるような感覚で、あり得そうであり得なかった歴史のその虚構と現実との接線にぞくぞくしながら読んだ。まるで現実のことのように書かれることで生じるリアリティがたまらない。 第三章ではいよいよ第一章と第二章の虚構世界が接続され、虚実入り乱れての大洪水が起きる。記述は離散してはまた引き合わされ、空間も時間も主観も解体されやがて大きな渦のようにうねりを見せ始める。そのうねりの中には今これを書いている著者の現実、意識の流れ、あるいは「この小説に対してなされるであろう評論の先取り」までもがぶち込まれ、もはや批評の言葉すら寄せ付けない勢いになってくる。勿論根幹にあるテーマは存在の理由の追求、といったところにあるだろうし最終的にはそこに着地するからそれを元に批評の言葉をつむぐことは可能なのだが重層的に意味を見出そうとする作業がかなりの部分で撥ね付けられてしまって表層に漂う直感以外のものを足がかりにできない不安を感じさせる部分があまりに多すぎるのだ。もしこれは批評しようとすれば足場が絶えず取り払われる恐怖の中でなんとか言葉をつむぎだし、そのすべてが一言で全否定される可能性も甘んじて受け入れなければならないだろう。そんな気がする。 読み終えた時には五度、いや六度、人によっては十度以上の射精感にも似た疲労と快楽に襲われ、それというのもその長い「読みにくさ」と徹底的に対峙してその「読みにくさ」がかき回されていく感覚にやられてしまうからなのだが、結局それはそのように小説を消費することをわれわれはいったいどれほど経験しているのかという話にもなってくるのだ。著者は殆どかかりっきりで六年かけてこの小説を書いた。その苦労たるや実作者でない人間には想像を絶するものがある。想像を絶する苦労を、では絶するからといって一切考慮しなくてもいいのか。やはり不公平ではないのか。 とにかく全編に漂う「消費されてたまるか」という感覚が新鮮でもあり苦痛でもあったけれど、それがだんだん快楽にもなってくるという不思議な一冊でした。肝心なのはそれがしっかり快楽になるという点であって、そこに筒井さんの虚構に対する誠実さ、真摯さみたいなものを感じたかな。それは決して奇をてらったものというわけじゃない。「たかが虚構」をそのように読むということ自体に快楽が内包されていて、それを引き出す姿勢(それはつまり、『たかが虚構』に対して全身で没入して、それをフィードバックしなければいけない、ということでもある)が、何より誠実で、何より真摯に感じられる、ということです。 いや、本当に、へとへとになるぐらい疲れましたけど、面白かったです。
1投稿日: 2011.02.23
powered by ブクログ「コンパス」や「ホッチキス」などの文房具の名で呼ばれる登場人物たちが、船団の中でいかにして狂っていったのかを描いた第一章。「オコジョ」や「クズリ」たち鼬族が、人間の歴史をなぞるように滅びに向かっていく第二章。文房具たちと鼬族との戦い(と筒井御大の執筆時の状況)を描いた第三章。500ページを超える長い作品だが、文章から感じる狂気に魅せられる。人を選ぶ作品だが、ぜひ一度読んでいただきたい作品である。ちなみに私は消しゴムと糊が大好きだ。
1投稿日: 2011.02.09
powered by ブクログ人生を変えたといっても過言ではない本たちの一冊。中学の頃、小遣いをためて、純文学とかかれた赤い箱入り、黒い布張りの一冊を、「純文学ってなんや、SFやろ」とつぶやき、読みふけり、そこに描かれた世界にのたうちまわった。人は何を想像いや、創造してもよい。以降30年余、自分の思考の根幹をゆるぎないものにした至高の一冊。墓場まで持ってく本。
1投稿日: 2010.11.05
powered by ブクログもう何も言うことはありません。 上梓される前、冷艦かまきり丸とか、世界史とか、そういうキーワードだけが耳にはいって、なんだか想像もつきませんでしたけど・・・ やはり第一部が一番好きかな。
0投稿日: 2010.06.24
powered by ブクログ筒井康隆の作品の中では長いほうだと思いますが、わりと好きな作品。 ただし中身はあまり覚えていない。 表紙の通り、いろんな文房具が出てくるのですが、昔から物品に感情移入するタイプだった私には面白く思えました。
2投稿日: 2010.02.22
powered by ブクログ2009年10月27日読了。 ただただ圧倒された。特に最後のどしゃ降りのようなメタ。 狂っている乗務員ばかりの文房具船団、まるで地球のような歴史を辿る鼬の星、そして始まる大虐殺。 片方だけでも十分に面白い作品と言えるのだけれども、その二つが組み合わさって今まで構築されていた世界観をぶち壊していく様はとてもすがすがしかった。 読解力がないせいで、最後のメタと落ちがイマイチ理解しきれていないのが残念なところ。
0投稿日: 2009.10.27
powered by ブクログ章 キチガイなコンパス、常にゲシュタルト崩壊を起こす輪ゴム、殺人狂の硯、ヤリチンの糊、気弱なダブルクリップ、キチガイなナンバリング、芸術家の三角定規、などと言った船団員のメンバー紹介 2章 とある星の歴史の話。世界史が完璧に入ってればおもしろい。僕は最後の方でやっと世界史をモチーフにしてる。と気がつきました。頭に世界史が入ってなかったので、最後の方で気がついた(;´▽`A``。 3章 1章で紹介した船団員たちと2章の星の住人による戦争。まさしく‘カオス‘最後の方のカオスっぷりはヤバい。 とこんな感じ。1、2、3章の途中までは理解できた。3章の最後の方がカオスすぎて大変でした。 筒井康隆の全てが詰まっている本と言われてますが、すごすぎる。レベルたけーw
0投稿日: 2009.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「まずはコンパスが登場する。彼は気がくるっていた」 こんな一文で始まるこの小説は、あらすじにもある通り文房具たちがイタチの星を侵略する三章構成物語。 宇宙船の乗員である文具たちがどのように気が狂っているかを描写した第一章「文房具」。とある人物(?)の視点によって描かれた、イタチたちの星クォールの歴史を詳細に綴った第二章「鼬族十種」。そして戦争の様子が様々な視点によって描かれている第三章「神話」。 内容は圧倒的であり、質量を感じるほどに緻密。読み応えのある大作。常軌を逸する濃密さ。 文房具たちのキチガイっぷりと鼬たちの歴史、そして両者の歴史が、1ページの大半が文字で埋まるぐらいびっしりと。特に第二章にあたる「鼬族十種」は、実際の地球の歴史をなぞるような流れが延々と書かれているが、これがだいたい中世の封建制度の頃から第二次世界大戦ぐらいまで、実際の歴史とは微妙に形を変えて数百ページにわたって続いている。 各章、同じ物語であるというのに、まるで別種の小説を読んでいるような気分に。それだけのボリュームがある物語だった。 その上、色々な意味でやりたい放題。実験小説という表現に偽りはない。 句読点や改行が極端に少なかったり、画像が挿入されてたり、ホチキスが飛ぶシーンを文章のレイアウトで表現したり、改行なしで唐突に場面(視点)が変わったり、挙句の果てには著者自らが登場したり。本当にやりたい放題。 それだけに読む人を選ぶ。万人には受けいれがたい。 だがそれがいい。
1投稿日: 2009.05.28
powered by ブクログコンパス、はさみ、鉛筆、メモ用紙などの擬人化キャラクターたちが宇宙船に乗っているという奇抜な設定。 さらにすごいのは、この文房具船の乗組員はみんな気が狂っているのである。オール基地外。 いろんなタイプのキチガイが出てくるのでなんだか読んでると安心します。ああ、私なんてまだまだ普通よ。
0投稿日: 2009.04.08
powered by ブクログまず ここで 次に 登場する。 書き出しからして良作 ぶっちゃけ分かりにくいし読みづらいしこれを書いた奴はアホかと けどおもしろい カマキリ 誰もが精神疾患 けどそれでもなんとかやっていけるんだね 大宇宙と小宇宙 文房具 表紙の鼬かわいい
0投稿日: 2009.03.20
powered by ブクログWEB本の雑誌「作家の読書道」で貴志祐介さんが紹介されていたのを見て興味を持ち読んでみました。いや、もうすごいとしかいいようがない。「読む人をかなり選ぶ」という書評を大分見かけましたが、『今読んでる本、文房具とイタチの戦争の話なんだ!』と言われてあっけに取られない人はそういないと思います。しかも『文房具はみんな気が狂っていて、イタチの歴史は共食いと放屁で・・・』なんて言った日には、「…あんたそーゆーの好きよね」の一言で片付けてしまわれる悲しさに出会えます。いや、確かに大好物ですが。そんなんで中々人には勧めにくいのですが、我こそは大丈夫!むしろ好物だ!!と思う方は是非挑戦してみて下さい。久々に絶対映像化は出来ないぞとゆうか映像化してもこの面白さは絶対表現できないぞと思える純粋な「小説の面白さ」を存分に味わえる作品でした。・・・いや、これが「純粋な」小説かどうかはかなり疑問ではあるのですが。ただ、厚さ以上に時間がかかりますので(文字の量が半端ない)お時間のある時に。
0投稿日: 2008.05.12
powered by ブクログだめだ、挫折した! 初筒井康隆やのに……。 好きやけど私の貧相なおつむじゃ読みこなせない。さくさく読んでしまった方が良かったんかしら…。 せめて3章までは行きたかった。 08.04.20
0投稿日: 2008.04.21
powered by ブクログ確かこれが初めて読んだ筒井氏作品。 主人公陣が文房具とはこれいかに、と、当時中学生か高校生だったわたしの理解の範疇を超えていました。 でもはっきり覚えてるからよほど強烈だったんでしょう。 今読み直すとまた違う評価かも。
0投稿日: 2008.04.16
powered by ブクログなかなか突拍子もない素敵なSF。主人公である文房具たちのキャラクター造形はどいつもこいつもイカれてて最高である。また、クォールという架空の星の歴史は世界史のパロディになっていて面白い。日本人でもこれだけのホラが吹ける人がいるんだなあ、と感心した。
0投稿日: 2007.04.23
powered by ブクログ天才って言う言葉は筒井康隆のためにあるんではないだろうかと思う今日この頃です。 まず第一文目からノックアウトです。 すごく笑えて、すごく背筋が寒くなって、また見事に世界観を壊してくれる毒に満ちた作品です。 文房具編が一番好きv
0投稿日: 2007.03.30
powered by ブクログ筒井康隆2冊目。もはや空前絶後筒井康隆としか言いようがない、とことんオリジナルな天才的世界に感動、陥落。宇宙船団の一員である文具船の文房具たち、彼らにイタチ族24億が住む惑星クォールの殲滅指令が下されて…。言葉にするとシュールだが、読んでいると妙にリアル。
0投稿日: 2006.04.13
powered by ブクログ筒井の「超虚構」時代の作品の中でも、エンタテイメント性にもナラティヴにもすぐれた名作。 ホチキスが コ コ コ コ コ となるところが好きです。
0投稿日: 2004.11.05
