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夢の木坂分岐点(新潮文庫)
夢の木坂分岐点(新潮文庫)
筒井康隆/新潮社
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総合評価

22件)
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    請求記号:913.6-TSU https://opac.iuhw.ac.jp/Akasaka/opac/Holding_list?rgtn=2M025584 <小野寺敦志先生コメント> 著者は日本を代表する前衛作家です。本書は、フロイトの精神分析の夢分析とモレノのサイコドラマをアイディアに盛り込みつつ、主人公の深層心理を描いています。精神分析とサイコドラマに興味関心を持つきっかけになるかもしれません。他の著作でも精神分析をアイディアにした作品がありますので、著者に興味関心をもつきっかけになればとおもいます。

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    投稿日: 2025.09.22
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    またとんでもない筒井の実験小説に出会ってしまった。主人公は現実を跳躍し、ある時は夢、ある時は自身の執筆している小説、ある時は映画の中の主人公自身となって、本来文学にあるべきはずの、終幕までの作品内世界の同一性を否定していく。今読んでいる行が、さっきまでの行と同じ世界、同じ人物によって進行しなければいけないと誰が決めたのか。移りゆく虚構の深層に、思わず読み手としても今自分がいる現実の確かさが解けていくような感覚がした。人によっては、これを読んでしまうと発狂するかもしれない(大袈裟)。

    0
    投稿日: 2023.03.17
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    内容紹介 サラリーマンか作家か? 夢と虚構と現実を自在に流転し、一人の人間に与えられた、ありうべき幾つもの生を重層的に描いた話題作。

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    投稿日: 2019.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    52歳のプラスチック会社の課長の主人公は夢を見るたびに、侍に切られる。しかし目覚めると少しずつ違う男の人生に(分岐した様々な人生)入り混んでいる。夢で逃げれば逃げるほど逃げた先の世界は落ちぶれた惨めなものになっていく。主人公は自分の深層心理の世界を探求する。そして、バラバラだったはずの分岐したはずの夢の世界が繋がって・・・ 主人公は、夢の木でヤクザに殺される。

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    投稿日: 2019.02.09
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    虚構の中の夢、夢の中の虚構 入れ子になった世界に迷い込んだ意識は深く進むことはあっても遂に基底的な現実に戻ることはない仮にそこが現実だとしても とにかくメタメタメタ 唯一の救いは夢の中の秩序だろうか 巻末の解説が非常にわかりやすかった

    0
    投稿日: 2017.11.12
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    世界に存在していると確認できるのは「私」という存在の精神だけである。これは独我論の基本認識であるが、しかしその「私」が唯一の存在であるということまでを独我論は示すものではない。もし仮に「私」という精神を表象する人間が複数人存在し、それぞれ固有の世界で生きているとしたら? 本書はそうした一種の思考実験を、虚構の小説世界における「虚構内存在」である主人公の意識を複数に分散させることで示そうとする。読んでいるうちに、「なぜ私という存在が唯一しか居ないと言い切れるのか」という不安を感じながら、作品世界を楽しむことができる。 小説の主要なテクニカルタームである心理学的ロールプレイについては、初期作品に見られるようなブラックユーモアが満載で、そのあたりだけはつい笑いながら読んでしまう。

    0
    投稿日: 2016.11.12
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    メタメタで発狂しそうになる(つまりは至福の読書経験)。こういう小説を書けるのは日本では筒井康隆くらいのものであろう。直木賞をもらえなかった彼に、ノーベル文学賞をぜひ(^^;

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    投稿日: 2015.08.04
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    筒井康隆に狂った高校〜大学時代。しかしこの本は全く理解出来ず諦めた。20数年経ち40半ばを過ぎ再び手に入れ読了。今なら分かる世界、学生時代に理解出来なくて当然。 この頃よく思う、現実に虚構があり虚構の中に現実を見る。この世は夢で夢がまた現実化する不思議。自分自身、自分の容れ物を借りた虚構なのでは、とさえ思える。科学を超えたユングの世界を表現された作品です。

    0
    投稿日: 2015.07.07
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    イッキ読みがよろしいのではないかと。 細切れに読んでいると、記憶が錯綜するんです~ 「え?あれ?ここってもう読んだ?この人出てきた?ん?違う人か・・・?私、素面よね・・・?」と何度か思いましたよ~ *^^* まったく人騒がせな・・・ 飲み会の帰りに車内で立ち読みしていると、 確実に悪酔いしそうですね・・・

    0
    投稿日: 2014.09.29
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    文章の軽快さが著者の魅力だ。しかしついていけなかった。敷居が高いように思える。 中学生の頃、背伸びして大江健三郎を読んだことを思い出した。 軽快すぎて置いていかれた本書にいつかリベンジしたい。

    0
    投稿日: 2012.04.13
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    平行世界。 シャドウ。 無彊の理。 人間はあるべき姿はなく、 それはたくさんある内の、 ひとつにすぎなくて。

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    投稿日: 2011.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本人も言うとおり、この小説は「ラストがうまくいってない」かもしれないけど、そんなことは気にせず最期まで休み休み読みました。これを読んだのは確かまだ義務教育を受けていた頃だと思うので、その頃の僕には一気に読むほどの理解力がなく、「え、どうなってるの」と読み返しながら読み進めたのを覚えています。 だからこそ、よく最後まで読んだとも思うし、そのぐらい面白かったんですね。

    0
    投稿日: 2011.08.16
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    夢をはさんで主人公の名前や肩書きが変わる…。それが収拾つかなくなるかと思いきや、意外としっかり着地する。

    0
    投稿日: 2011.08.08
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    出版当時に購入して読んだ小説であるが、二十数年ぶりに読み返した。現実と虚構と夢が目まぐるしく行き来し、登場人物や設定が微妙にずれていくので、読んでて気持ち悪い。でも面白い。

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    投稿日: 2011.02.27
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    筒井康隆、本領発揮の虚構世界。ときには夢の中、ときには心理劇(サイコドラマ)の中、小説の中、講演の中、白昼夢の中と、虚構の中に虚構が形作られて、現実をも飲み込んでしまう。そう、もちろん「現実」もこうした数ある虚構の一つに過ぎないのだ。 残念ながら、虚構世界のそれぞれの描かれ方と、流転する主人公のキャラクター造詣が今一綺麗に描き分けられておらず(もちろん、連続する虚構の中にあってそれらが描き分けられていることが正しいとは限らないのだが)、物語的なエンターテイメント性は低かった。世間的には評価が高く、筒井康隆の代表作に一つとして数えられる作品ではあるが、個人的には実験の域を出ていないという印象。

    1
    投稿日: 2011.02.20
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    夢が現か現が夢か。難解で暗ーい深ーい雰囲気。 面白いか面白くないかで言えば面白いんだけど、読んでてすごく消耗します。人にはお勧めしにくいね。

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    投稿日: 2009.11.08
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    [novel][SF] 面白かった。 現代日本でもっともスキルの高い作家の一人である筒井康隆の実力を愉しむことができる一冊。 こういう読んでいると頭がクラクラしてくる話、大好き。

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    投稿日: 2009.05.16
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    “夢”、つまり“意識”をテーマにした心理学的作品。 例えば、今生きてるこの瞬間。これが夢ではなくて本当の現実だという証拠は一体どこにあるのだろうか。 そんな考えに取り憑かれたことはありませんか? たくさんの意識が重なり合う手法で、一体どれが主人公が生きる本物の“現実のとき”なのか分からなくなってしまう。読んでてとても不安にさせる本です。

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    投稿日: 2009.05.02
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    夢の木坂分岐点 電車 サラリーマン 兼業サラリーマン 専業作家 意識だけが人間であるならば、夢や妄想も実体験の一部 とりあえず作中に出てくる喫茶店のイメージは断固としてルノアール 1990年って20年前なんだね!

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    投稿日: 2009.03.20
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     筒井康隆らしい作品である。読み終わった後にきっとそう思うだろう。主人公をはじめとする登場人物の名前が微妙に変化していく。「あれは誰であったかな? 浜中? 中浜? 大浜?」と言った人間の曖昧さをよく表していると思われる。  どこから、夢なのか? どこまでが現実だったのか? そもそも現実などあったのか? そんな作品である。初めて読む人にはお薦めできないという欠点はある。

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    投稿日: 2008.05.03
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    おっさんになって読み返したら読破できなかったけど、確実に読書傾向に影響を与えた作品。 そして怖い。

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    投稿日: 2007.07.03
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    筒井康隆初体験。独特の文体、独特の世界。一人の主人公がいつの間にか違う名前・違う環境の人物へと「変容」していく、重層的なような単一的なような摩訶不思議な世界に、あっという間に引き込まれた。筒井康隆、強烈なオンリー・ワン。

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    投稿日: 2006.04.13