
総合評価
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powered by ブクログ無条件降伏をし戦争は終わった8月15日。その後の7日間戦闘が継続した樺太の地上戦を取材した記録。 地上戦というものの、戦闘の記録でなく逃走の記録。どんな残酷なものを見てきたのかを、思い出したくはなく話したくもないが、語らないことで歴史から消えてしまうわけには、忘れさせてしまうわけにはいかないという思いで取材に応じてくれた方々には、何を思えばいいのか。 感謝ではある。誰かが語らなければ残らないことでもある。平和安全な時代の日本を生きてきた身として、かつて起こった戦争、今でも起きている戦争の中で、言葉では言い表せない残虐な行為が行われていることを伝えるというのは、残していかなければいけないことだと思うから。 感謝だけでいいのか、良いわけはないのだけど、苦衷の記憶に寄り添うなんて綺麗事を並べては意味がないと思う。 後世のために語り残すことを選んでくれたことに対して、同じことを起こさないという思いを持ち続けることで応えたいと思います。 停戦命令がなかったから起きてしまった必要のない7日間。 無駄死に、というしかないのか。軍人でもない民間人が、死ぬ必要のない人たちがただただ無惨に死んでいった記録。勝利とか敗北とか関係なく、無意味に人が死んでゆくというだけで戦争はおかしい。
0投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ終戦の宣言は何なのか。条約とは何なのか。 条約の一方的な破棄は、何なのか。 一方に集中するための一時的な停戦という見せかけの条約。狡猾な戦略ではないか。 樺太から出られなかった人達の、その後の暮らしに関する本は読んでたけれど、当時の樺太にいた軍の動きも知ることができた。 国境の島の緊張感。
0投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
写真や図も豊富でわかりやすい! 恥ずかしながら、北海道庁にも行ったことがあるし、北のひめゆりにも興味があったのに、 「樺太地上戦」の意味をきちんと理解できたのはこの本を読んで初めてな気がする… 地上戦、と言うと確かに沖縄が唯一の舞台と言われることが多い中、 8/15の終戦を迎えても日ソ中立条約を破って侵攻してきたソ連と戦った樺太。 本書の通り、今までは本当に日本の歴史で見過ごされてきたんじゃないか。 教科書にも一行載ってるか載ってないか… でも伝えないといけない歴史ってこういうものな気がする。 幕末の戊辰戦争といい、こういう 「本当は戦わなくてよかった戦争」が一番悲しいし辛い。 誰かが正しい判断決断をしてれば避けれた戦が、一番人間を不幸にする。 樺太のなるべく北で停戦させて、南の人民や財産を守ろうと「自衛戦線だけは続けろ」となったらしいが、停戦出来なければ意味がないし、 結局それにより8/20の真岡上陸という悲劇が生まれてるわけで。 戦争という極限状態がどれだけ人を狂わせ、判断力を鈍らせるか。その縮図が樺太地上戦なのかもしれない。 それにしてもソ連って北海道北側も取ろうとしてたのか。トルーマンが止めたらしいが、その辺りの事情もまた勉強してみたい。 そして樺太が北海道から飛行機で1時間半くらいで行けるという衝撃。 遠いようで近いような…。 機会あれば行ってみたい地ではあるなぁ。
1投稿日: 2022.11.27
