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卵をめぐる祖父の戦争
卵をめぐる祖父の戦争
デイヴィッド ベニオフ、田口 俊樹/早川書房
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総合評価

92件)
4.4
42
33
6
1
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ナイフの使い手だった祖父は18歳になるまでにドイツ兵を2人殺している」 一体どんな経緯があってそんなことを? 祖父が語る昔話は、第二次世界大戦下のロシア・レニングラードを舞台にした、卵をめぐる特別な1週間だった――。 味方軍の大佐の娘の結婚式のために卵を1ダース探すのかふんふんと、あらすじから気軽に読めるコメディ小説かなと思って購入しました。 そんわけあるか、戦争中の話やぞ。 その上、舞台はレニングラード。ドイツ軍に囲まれ味方からの供給の途絶えたこの都市で、人々を苦しめるのは戦火だけではありません。冬の過酷な寒さと飢餓です。 人肉、地雷、生きるために性的暴行を受け入れる人々……徐々に明らかになっていく戦争の本来の姿と犠牲となっている人々の登場に何度も胸が苦しくなりました。 それでもね、やっぱりコメディ要素は十分に感じられるんですよ。 臆病な17歳の少年・レフに、嘘と冗談が得意なおしゃべり脱走兵・コーリャ。 常に緊迫した状況が続きますが、彼らの下半身だって常に正直で下ネタのオンパレード。さらにコーリャは本当によく喋るし、なんだかんだでレフだって心の中がずっとおしゃべりです。 友情だってどんどん育まれ絆が強くなっていく。 等身大の彼らの明るさが愛おしく、だからこそ戦争中という苛烈な描写のギャップが辛くなる。 できることならもっと平和な時に小競り合いでキャッキャしてほしかった。 翻訳や解説の方々が述べてらっしゃいましたが、二人の会話こそが戦時下の自由の象徴でもあるんですよ。 そんな彼らが次々と遭遇する過酷な試練、コーリャの話術や人脈でなんとか切り抜ける姿はまさに冒険。 物語への感想とは別にして、展開の妙と言いますか、本当に流れが上手いし熱いなぁ~と唸ったのがやはり最後の対アーベントロート少佐戦。 卵を探して人々と出会い道を進んでいくうちに、どんどんとドイツ軍包囲網内に近づいていくレフたち。試練も惨忍さが極まっていきます。いつしか目的は一人の無辜の少女を酷く扱った、ドイツ軍のアーベントロート少佐への復讐に代わり……。 いや君たち卵はどうした、そしてレフはいつナイフで活躍するんだ。 この疑問が対アーベントロート少佐戦で一気に解消されるのが、物語の展開として非情に熱かった。 レフが一人立ち向かうことになる展開も一切無理がなく、カタルシスが全てここに詰まっていました。 憎むべき相手であるはずのアーベントロート少佐のキャラも強い。できれば平和な世でもう一度レフと戦ってほしかった。 果たしてレフとコーリャはどうやって目的を達成するのか。 次々と出てくる女の子たちに祖母はいるのか。 下ネタ混じりに過酷な戦時下を進んでいく青年たちの友情と冒険譚、ぜひお楽しみください。

    1
    投稿日: 2025.11.08
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    ナチスドイツ軍のレニングラード包囲戦中にソ連で脱走兵として捕まり、国民全体が飢餓の最中、軍の大佐の娘の結婚式用の卵1ダースの調達を命じられる少年二人の話。 下ネタばかり言う憎めない美少年コーリャとチェスは得意で自信がない少年レフのロードノベルです。 卵を探し歩く中での戦争の地獄が強烈です。なかなかキツいです。 でも人物の魅力でぐいぐい読まされました。二人が喋ってばかりいて、辛い状況なのに不思議と前向きになれます。

    19
    投稿日: 2025.11.08
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    昔読んだときにはfeelしない気がして途中で挫折してしまっていたデイヴィッド・ベニオフの長編小説を改めて読み直した。きっかけはあるPodcastの影響。わたしは読書に関してもかなり影響を受けやすいのだけれど、そんな自分のことも、影響からはじまる読書のチャンスも、わりと愛おしく思っている。 さて。これは祖父が孫に語る戦時中の特別だった7日間の物語。卵はひとつのきっかけで、それよりも残酷で凄惨で愚かな戦争のなかにも、あるいはだからこそ(であれ戦争は絶対に肯定しないけれど)あった青春の、友情と恋をめぐる物語。 祖父が孫に語る、ということは若き日の彼はこの戦争に生き残るということでもあって、つまりは傷付き苦しみ疲弊しながらもある種のハッピーエンド(解決と言ってもいい)に向かうことが“わかっている”物語。それでも読み進めていけば、そのなかには幾つものドラマがあって、冷めることなくのめり込んで、悲しんだり憤ったり喜びを感じたり、ときにニヤつきながらあらゆる角度から感動していた。ああ、物語を読むというのはこういうことでもあったのだった、と改めて思ったりもして。寄り添うように読んでいけば、しっかりとfeelしてくれる素晴らしい小説だった、と今回は納得できた。 それとこれは、もうひとつの書かれることのなかった小説にまつわる物語でもあって。『中庭の猟犬』というタイトルのその小説は、もし読むことができたならきっと大好きになっていたような気もしている。引きこもりの男と犬にまつわる物語。ああ、そうだデイヴィッド・ベニオフはあのピットブルブルを救うことからはじまる傑作、『25時』を書いた作家だものな、と少し本編から離れたところでも納得していたのだった。

    6
    投稿日: 2025.06.19
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    【あらすじ】 独ソ戦下のレニングラード。ドイツ軍に完全包囲された中で人々は飢餓に苦しんでいた。 ユダヤ人で皮肉屋のレフと長身の美青年だがお調子者のコーリャ。デコボココンビの2人は大佐の命令で1ダースの卵を1週間以内に探す羽目になってしまった。 荒廃したレニングラードを舞台に2人の冒険が始まる。 【感想】 冒頭から最後の最後までずっと面白い傑作小説。 主人公レフのひねくれ者で小心者な所が等身大でとても良い。一方、コーリャの完璧超人でありながら好色でお調子者な所はアメリカンヒーロー的だ。 2人の掛け合いの面白さで盛り上げつつも、冒険の中身はえげつない。 人肉食夫婦に地雷犬、慰み者にされている少女など、戦争の悲惨さを容赦なく叩きつけてくる。 戦争というものは辛く苦しく、そしてこの上なく滑稽で可笑しい。

    1
    投稿日: 2025.03.18
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    煉瓦本に近い、頁数、2段組み。 読み応えありすぎ。 だが、本人はもとより、当初から相棒としてメインキャストになっているコーリャのキャラの濃さ、下ネタ満載の語りが引っ張る。 全米30万部を超える大ベストセラーだそうな・・日本人としてはそう面白いとは思えなかったのが正直なところ。やっぱり、国民性の違いだろうね。 とはいえ、舞台となっている時代背景が独ソ攻防で歴史に名を遺すレニングラードである。 映画で見た事しか知識がない私に取り、底流に流れるユダヤ系ロシア人の考え、生活、周囲を取り巻く「他」民族と摩擦などは面白い。 巻末の解説を読まなくあ分からないのが「当作品は全くのフィクション」という事。 もっとも史的事実を踏まえての事だが、筆者の祖父はアメリカ生まれだし、筆者と語り合う前に早逝しているとか・・笑えるとはいえ、ノベライズの才能は認めてしまう。 伝えんとしたメッセは【戦争の愚かさ】 そして若さの持つ無限の可能性・・悪へも善へも走り得る存在。 ナチスもソ連(のちのロシアも)大義名分を掲げ、理想に邁進する姿は「虚構」であるのかもしれないが、多くの命が踏み砕かれて行ったのは事実だもの。

    5
    投稿日: 2024.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「心配するな、友よ。きみを死なせはしない」 まだ十七だった。愚かだった。だから彼を信じた。 ナチス包囲下のレニングラード。ドイツ兵の死体からナイフを盗んで捕まったレフは、脱走兵コーリャとともに大佐の娘のために卵の調達を命じられる。 美形で饒舌なコーリャと、神経質なレフのコンビが面白いものの、あまりにも下ネタが多すぎるのと、17歳主人公の一人称が“わし”なのが気になる。パルチザンと行動を共にしてドイツ兵に捕まる展開はわくわくしたし、卵も無事手に入れたけど、コーリャとの別れがあっさりしていて残念。もう会えないと思っていたヴィカと再会し、冒頭に出てくるパワフルな祖母だとわかるラストはとても良い。

    1
    投稿日: 2023.10.14
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    悲惨な戦争の描写もあるが比較的読みやすい。 過酷な状況の中で生きていく当時の人々の様子が思い浮かぶような作品でした。

    0
    投稿日: 2023.06.22
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    祖父の戦時中の体験を取材し回想として語られる。 第二次世界大戦の戦時下。 ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた17歳の頃の祖父。 ことの発端はある日、撃墜されたドイツ爆撃機から落下傘で脱出したドイツ兵が落ちてくるのを発見する。 しかし、ドイツ兵は既に死んでいた。 そのドイツ兵が身に付けているものを漁っているとソ連軍に捕まる。 秘密警察の大佐に呼び出されると、翌週に控えた娘の結婚式で作るウェディングケーキを作るために卵が足りないという。 飢餓が続く状況下で卵を探す旅が始まると。 戦時中の狂った地獄の描写が実に惨たらしいが、陰鬱さよりも淡々とした印象が強い。 戦争の愚かさが行間から滲み出る一冊でした。

    0
    投稿日: 2023.04.02
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    読んでよかった。タイトルはダサいがピッタリとハマったタイトルでもある。詩的な部分も感じるがとても読みやすい

    0
    投稿日: 2023.01.16
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    語り手のレフが17歳の時、独ソ戦の最中に親友と出会い、卵を調達する特別任務を大佐から与えられ、その先で彼女に出会った時の話。 独ソ戦という悲惨な戦争の描写の中にも、ユーモアや生命力(下ネタ)をふんだんにちりばめ、人間の愚かさと強さという真逆の要素がストーリのコントラストになっている。

    0
    投稿日: 2022.05.18
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    第二次世界大戦中のロシアで、 おしゃべりな脱走兵と卵1ダースを探す話。 あらかじめ言っておくんだけど、 これは褒め言葉なんだけど、理解に苦しむ。 想像を絶する飢餓や残酷な仕打ちも、 娘の結婚式のために卵を調達せよという任務も、 たった数ヶ月で何もかも変わってしまうのも、 1秒で、右手の人差し指だけで、 ひとつの未来が永遠に失われてしまうのも、 とんでもない不平等も、 そんな状況下でかわされる軽口も、 平和な日本で暮らしている我々には 意味がわからない。 でも、理屈で説明できない不条理の集合体、 それが戦争なのかもしれない。 でも、決して暗い話ではないのだ。 読者みんなが求めていたあたたかい結末のおかげで 失ったものは大きかったけど脅威は去って、 ほっとする読了感。 そして、登場人物が“被害者”ではなく“人間”として 描かれているからというのもあると思った。 恋したり、喜んだり、どうでもいいこと考えたり。 主人公レフの考え事は、なんていうか平凡で、 ちょっと、かなり、チェスがうまいけど、 特別なThe主人公じゃないから、 同じ人間だって強く感じる。 少年と青年の狭間の、等身大の悩みとか、 背伸びしたい気持ちとか、戦争っての抜きにして、 年下の男の子をみるほほえましさを感じる。 コミカルな相棒、魅力的な狙撃手、 登場人物みんな素敵だ。 個人的には読書って、 何も得られなくってもよくって、 楽しければそれでよくって、 そういうエンターテイメントの目線でも 十二分に楽しめた。 戦争の話って、 「こんな可哀想な目にあってる哀れな被害者がいるんです」 「国家や軍人って酷いですね、悪ですね」みたいな 政治的立場(?)を明確にしたものが 多い気がするんだけど、 この作品ではもっとドライに、 ひとりの人間の人生の一部分(たった1週間)を シンプルで個人的な事実として書いているから、 ましてリアルだと感じた。 飢餓も恐怖も死もただ一種類の日常で、 そういう日常が事実存在してて、 その種類の日常に身を置いている 同じ人間がいましたって、 たんたんと書くからなおのことささった。 この本を今読んだのは全くの偶然なんだけど、 意味があるように感じた。 ひとつのありうる出来事として ニュートラルに戦争を考えてみても、 やっぱり喜ばしくないよなあ。 勝ったって負けたって関係なく嫌だよなあ。 明日、いや、今日この瞬間、 自分や大事な人が死ぬかもしれないなんて。 世界のみんなの幸せの総量が多くなる方がいい。 だとしたら戦争は悪手だ。 みんながそうやって選択してくれればいいのに。 難しいのかな。そうであればいいのにな。

    1
    投稿日: 2022.03.17
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    レニングラード、スターリングラード、「ソビエト連邦」を作った「革命家と独裁者」の名前を付けた二つの町と、革命、その後の戦争。 レニングラードはロシア帝国時代ピョートル大帝(一世)により建設された帝都で文学や音楽の豊かな文化都市。 大帝にちなんでサンクトペテルブルグと呼ばれていたが、革命時に首都のモスクワ移転とともに革命家レーニンの名がつけられた。 第2次世界大戦では2年半にわたるドイツ軍による徹底した包囲網と砲撃でロシア市民を含めた死者は100万人ともいわれるが、その大半が“餓死”という。 「市を消滅せよ」というヒトラーの命令と、市民を「人間の盾」として監視し弾圧を強める赤軍とのはざまで、なすすべもなくさまよう人々。 作中でも、市民の悲惨な状態がストレートに描かれている。 戦争をじかに体験した世代から薄れゆく世代への語り継ぎの物語として、こうした“聞くもおぞましい”現実を、若者二人の「ロードムービー」として描くことでバランスよく読者に語りかけてくる。 そこで「卵をめぐる祖父の戦争」というタイトル……優れた邦題である。 いっぽうのスターリングラード、ロシア帝国時代は南のタタールに備える要塞都市のひとつであったが革命戦争時に大きな戦いがあり、その後社会主義の象徴として工業化を進めた都市で、当時の独裁者の名がつけられている。 1942年8月から約6か月にわたる激しい攻防戦が繰り広げられ、同名の映画にもなっているが、この物語には関係ない。 ソビエト崩壊後の現在、スターリングラードは消滅(一部ヴォルゴグラードとして残る)し、レニングラードはふたたび「サンクトペテルブルグ」として生き残った。 ……文明は滅びても文化は残る。

    1
    投稿日: 2022.02.14
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    どういうわけか、タイトルだけ見て遺伝子操作に絡むSFだと勝手に思い込んでいて、数ページ読んでビックリ!全く違うお話みたい。 ただお話し自体はストレートで分かりやすく、類型的ではあるが楽しめます。 もっともらしく書けば戦争の悲惨さやら、人間の業の深さやらとシリアスなことも書けると思うが、レフとコーリャとヴィカの個性満載3人組の青春ロードノベルとして正に一気読みの楽しさでした。

    2
    投稿日: 2021.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史が苦手な私が第一次世界大戦から第二次世界大戦の背景をちょっぴり齧った状態で読むのにちょうど良い具合の本でした。 ストーリー自体に複雑な点はないからです。司令を受けて、道行く先で色んな体験をする。ラストもきっちり収まります。 そのシンプルな展開の中に順番に陳列されているかのようなエピソードたちが、戦争の残忍さ、愚かさ、理不尽さを伝えています。 それが全編とおして生活感や肌感覚を用いた表現で描かれている点が重要だったと思います。 戦争中に軍の司令を受けたところから始まる話とはいえ、主人公が戦闘経験がほぼゼロの思春期の少年なので、人種やイデオロギーの話も出てくるけどほとんど下ネタとか生活の目線だからめちゃくちゃ気持ちがわかる。敵のホクロを見て、こいつ普段どんな感じなんやろ?って想像してるとことか。 人物や風景の細かい描写が随所にシンプルに折り込まれてて脳内の映像化が気持ち良く出来、一本映画を見たようなかんじでした。 著者の祖父へのインタビューという形で始まったのでノンフィクションかと思いきやまったくのフィクションということで、映画っぽい収まりには後書きを読んで納得。 不満な点は、翻訳に関して。ほぼ全部おじいちゃんの回想なんですが17歳の少年なのに一人称が「わし」だったことです。回想という設定に忠実だったからなのか、何か狙いがあったのか分からないけど、「私」でよくないかなぁ、、

    0
    投稿日: 2021.05.05
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    映像化にピッタリの非常に面白いお話だった。 コメディとアクションとシリアスとヒューマンドラマの配分が抜群で、どれもしびれるほど良い。 残酷描写と下ネタに抵抗のない人なら100%お勧め。

    2
    投稿日: 2021.04.20
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    とても面白かった。 痛快でいながら、戦争の悲惨さと意味のなさをよく伝えている。 卵をめぐる冒険の仲間がどうでも良いようなことでなくなったときは 悲しくて本当に残念だった。 冒険の道中で出会った人々、 その後も主人公のように生き抜いてほしいと願わずにいられない (ほど一人ひとりをユーモアと愛情をこめてよく表現していると思う)。

    1
    投稿日: 2020.05.07
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    ロシアとドイツの戦時下の人々がどのような暮らしを送っていたかについて、初めて目の当たりにした。しかしシリアスな時代背景ながら、主人公レフと、コーリャが交わす会話から滲み出るユーモアや、戦時下においても人としての尊厳を保つ姿に感銘を受けた。

    0
    投稿日: 2020.04.06
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    レニングラード包囲戦という凄惨な戦争が舞台の小説。 ユーモアに溢れるコーリャと、彼に振り回されるレフとの掛け合いに笑いつつも、戦乱による悲惨な情景描写に圧倒された。 何よりも、作者のバランス感覚が素晴らしい。 ユーモアの明るさと戦争の暗さを絶妙な塩梅で配分し、展開に飽きさせない構成。 最後、読み終えてからプロローグを読み返しに戻った人が何人居るだろう? 自分もその一人だ。

    3
    投稿日: 2020.02.06
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    明日には飢餓で死ぬか爆撃で死ぬか。ドイツ軍に包囲されたレニングラードで言い渡された処刑を免れるたったひとつの命令は、1ダースの卵を調達すること。 かくして二人の青年が卵調達隊として飢えに喘ぐ戦時のロシアを彷徨うことになる。 当然行き合う出来事は悲惨なものばかりなのに、妙に軽快な雰囲気は卵の捜索というちぐはぐな設定のせいか、下ネタにまみれた凸凹コンビの会話のせいか。 戦争という特別な状況でも、何も特別でない人達が必死に、そして普通に生きている。そんな事を思わせる二人だから、戦争と卵と読者という奇妙なピースを繋いで読み手の深い所にまで届けてくれる。 クソが出ただけで笑ったのは某金塊漫画以来だけれど、血塗れの大立ち回りの後でも笑えるのが、なんだか滑稽で温かでそして切ない。 にしてもこの小説、軍人やらイケメンやらも出るのにヒロインが一番かっこいいのはどういうわけか。

    3
    投稿日: 2020.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下品で笑えて切なくて辛くて怖くて爽やかな話だった。 人肉食、地雷犬、足を切断される少女など、あまりにもひどい場面にばかり出くわすものの、コーリャの明るさとおちゃらけた物言いにだいぶ救われていると思う。 下ネタが思ったよりすごい多かった。 娘の結婚式で使いたいというそんな理由のために命懸けで卵を調達させにいくのもそもそもやばい。 戦争の理不尽さや怖さがいろんなところから滲み出てた。 コーリャのことを私も読んでるうちにどんどん気に入っていたので最期は唐突で悲しかった。 けど、コーリャらしいといえばとても彼らしかった。 名狙撃主のヴィカもいいキャラしてたし、終わり方は爽やかで読んでいてこちらも微笑んでしまった。

    0
    投稿日: 2020.01.19
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    お祖父ちゃんの物語。17歳、ドイツ軍によるレニングラード包囲戦のさなか、脱走兵として捕まっていた男とともに、1週間の卵探しの旅。祖母に出会い、親友ができ、ドイツ人をふたり殺した週。 戦時下、統制下にある一般市民にとっての厳しい状況。短期間の特定個人的状況を克明に描くことで、見えてくるもの。

    0
    投稿日: 2019.12.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大傑作である. コソ泥として捕まったレニングラードの少年が,お調子者の脱走兵とペアを組まされ,卵を1ダース手に入れてくることを命令されるのだが,折しも900日にもわたった「レニングラード包囲戦」のさなかである.飢えに苦しむレニングラード市からドイツ軍の包囲網を突破し,どこかから期限までに卵を入手してこないと処刑されてしまうのである. 青春小説で,冒険小説で,かつ,戦争小説であり,この世の地獄とも言える光景が何度も展開されるのだが,この二人のペアが対照的なキャラクターで,軽妙なやり取りが話にスパイスを利かせているおかげで,重苦しい雰囲気にはならない. 人食い夫婦との対決,4人の囚われの少女との出会い,パルチザンとの同行を経て,最後のクライマックスまでストーリーはテンポよく展開して行き,感動のラスト50ページに雪崩れ込む. 最後の1行で冒頭の伏線が回収されるところまで見事だった.

    1
    投稿日: 2019.09.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    他のレビューにもあるとおり、起きていることの悲惨さを跳ね返す道中掛け合いの明るさが、読者に希望を失わせず読み進めさせる原動力になっていると感じた。だからこそコーリャと卵をめぐる結末には切なさ、味気なさ、歯がゆさを感じた(いい意味で)。 あとがきで気づいたが、ノンフィクションのような形をとりながらフィクションであることにも驚いた。まあ確かにドイツ軍と対峙する場面やヴィカとの再会(アメリカ的!!)は事実っぽくはなかったな。

    0
    投稿日: 2019.08.17
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    良いとは聞きながら何となく読んでなかったのよね。たまたま古本で見かけたのでこれも何かの縁かと思って。 岩波新書の「独ソ戦」読んだ直後に読むと何というか同じ時代、同じ場所をテーマにしてるのに視点の縮み方がスゴい。 まぁ「900日包囲されたが、陥落することなく解放された」って一文の裏にはいろんなことがあるんやろうけど、これまた濃いわ。そしてオッさんは恋物語にすなおにキュンキュンするのである。いや、このラブストーリーはええよ。

    0
    投稿日: 2019.08.16
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    http://kariabookdiary.jp/2019/08/09/cityofthieves/ ブログに詳しく感想かきました。 とにかく大傑作! あっという間に読了。

    1
    投稿日: 2019.08.09
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    ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している 作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。 饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が? 逆境に抗って逞しく生きる若者たちの友情と冒険を描く、傑作長篇 (あらすじより) かなり重厚な読み応え 気合入れて読むタイプの本です! 帯を書いた人はこの本を読んだか疑わしい。 胸キュン要素より戦争の悲惨さ要素のほうが多いぞ。 共産党政権下のソ連で略奪で逮捕と脱走兵という肩書は死を意味する。 主人公の二人は飢えに苦しむ中、秘密警察の大佐から命と引き換えに卵の調達を強要される。 彼らのいるレニングラードはナチス・ドイツに包囲され、食べ物は無く、猫、犬、家畜(一部は人肉)の全てを食料にして暮らしている。 その状況下で卵(しかも1ダース)を手に入れることは、まるでミッション・インポッシブルな命令なのだ。 街中になければ農場に行くしかない。 しかし、そのためにはナチスの包囲網を抜けなければならない。 さらに、季節は真冬である。 しかも、主人公レフはユダヤ人の血が入っている。 ついでに、武器は拾ったナイフ一本。 ちなみに、レフはナイフに不慣れだ。 どんだけ無理ゲーなんだ! ハラハラ、鬱々して読み進まなかった。

    0
    投稿日: 2019.08.07
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    ナチス包囲下のレニングラード。死んだドイツ兵の持ち物を持っていこうとして捕まったソ連の少年レフはイケメン脱走兵コーリャとペアを組まされ、ソ連軍の大佐の娘の結婚式のために、卵を調達するよう命令される。食料が全くない中で、二人は卵を探す旅へ…という物語。戦争の悲惨さも描かれながら、二人の下ネタ、猥談を行いながらの旅は読んでいて面白い。ひたすら下ネタを話すことによって、正気を保っているようにも感じられる。ラストはニヤッとできる。

    0
    投稿日: 2019.07.17
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    まるで凸凹コンビの卵をめぐる戦争の話。辛いこと苦しいこと、残酷な描写は当然あるけれど、友情や恋、そして全体を包むユーモアが決して悲壮なものにしていない。戦争の愚かさをやさしく訴え読後感はさわやかでもある。多くの人に読んで欲しい。

    0
    投稿日: 2019.07.08
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    ミステリーかと思ったら、回想形式をとる、第二次大戦中のレニングラード包囲戦の史実に基づいた話だった。 包囲下で食料がなくなり、謎の肉や図書館キャンディやおが屑パンしかなく、それでも食べられるだけでもラッキー。夜に軍に捕まれば即射殺だし人喰いもいて、冬のロシアなのに燃料も乏しく、街が死と寒さと飢餓で満ちている。 それでも楽天的で女の子が大好きで口八丁な金髪碧眼の脱走兵コーリャに振り回されながら、卵を探し回る、どうしてこうなった、自分は何をしてるんだ、という感じのレフ。コーリャのしょうもないロシアンジョークやセックスの話に絶望的な状況の気分を追いやられ、小説の力である話の展開と若い2人のやりとりで、暗い内容なのに読後感は爽やか。訳者あとがきに「一番の読みどころは笑いとペーソス」とあり、ユーモアでも面白いさでも悲惨さでも反戦でもなく、まさにその言葉がしっくりくるなと思った。

    0
    投稿日: 2018.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    米国人気TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の共同プロデューサーで脚本家・小説家でもあるデイヴィッド・ベニオフが書いたベストセラー小説。 ベニオフが自分の祖父から聞いた戦時中の体験談という体裁になっているがフィクションだそうである。 ドイツの包囲攻撃を受けているレニングラードに住む17才の少年レフ・ベニオフ(デイヴィッド・ベニオフの祖父)は、仲間と共に街に落ちたドイツ軍パイロットの死体から備品をとっているところを軍に見つかり捕まってしまう。 彼は収監された刑務所で背の高い金髪碧眼の脱走赤軍兵士コーリャと出会う。 軍の大佐が娘の結婚式の料理に使うからという理由で、レフと コーリャは免罪(死刑)と引き換えに卵1ダースを見つけてくるという任務を与えられる。 レフとコーリャが下ネタ満載のトークを交わしながら卵を求めて極限の物資欠乏状態のレニングラード市内からドイツ軍の占領下の村や町を旅していくロードムービーの様な内容で、コミカルな雰囲気をまとっているが、彼らの目にしたり体験する戦争の現実は凄惨なものばかりで恐ろしさがよけい引き立つ。 けれども戦争の恐ろしい状況下にあっても正気を失わず前向きに生きていく人たちの物語でもあるので暗さや陰鬱さは無い。 登場人物達が本当に魅力的である。 特に主人公レフの相棒となる青年脱走赤軍兵コーリャは、下ネタ満載のトークが面白すぎてまったく飽きさせない。 個人的には話中の会話が面白い作品は、成功する作品だと思っているがこの作品も例に漏れない。 コーリャの設定がまた面白い。 金髪碧眼の長身で整った容貌をしており、文学に造詣が深いが性欲が強すぎて我慢できなくなり脱走してしまったという人物。 性格めちゃくちゃだが、勇敢であり友人の為であれば危険も冒す。 もう一人は、パルチザンの女性スナイパー ”ヴィカ” 最初は、非常に冷静で冷徹なプロフェッショナルな雰囲気で登場する。 この物語はレフとヴィカのボーイ・ミーツ・ガールの物語でもあり、レフとヴィカの親密度が増すにつれ彼女の魅力がだんだん出てくるところが素晴らしい。

    1
    投稿日: 2018.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    傑作!この小説はいい。 舞台は近代戦最長の900日に及ぶ包囲戦下のレニングラード。飢えと戦争被害に苦しむレニングラードの描写、その戦下日々を必死に生きる主人公が、ひょんなことからイケメンで下品で饒舌な脱走兵とコンビを組み、赤軍士官の命令で玉子1ダースを探すことになる。 人間ってほんま愚かで、その骨頂が戦争だと思う。生産性も幸せも食べ物すらない悲惨な状態を、人間は凝りもせず何度も何度も繰り返す。この本でも戦争の悲惨さ愚かさは繰り返し描写される。ただでさえ気候条件が厳しい冬のレニングラードで、なんでこんなバカな行為を…。 主人公レフと相棒コーリャのタマゴを探す冒険も実に愚かである。支配者の欲を満たすだけの目的、命の危機にも関わらず続く下品な会話…、アホやなぁ人間て…。でもこの愚かさは戦争のそれと違い愛すべき愚かさ。 許されざる愚かさと愛すべき愚かさ、愚かな人間の極端な両面を描くこの小説。しかしラスト1文を読めば、人間だって愚かであっても悲劇に至らない生き方はできると分かる。そう、きっと悲しい歴史を刻まないことだってできるはずなんだ!

    2
    投稿日: 2018.01.24
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    本の雑誌オススメの中から。なるほど、卵をめぐる戦争ってそういうことでしたか。内容的には結構シリアスな戦争描写がいっぱい出てくるけど、タイトルからもうかがえるように、のどかな(に感じられる、か)言動も頻出する。ただ、茶化して誤魔化している訳じゃなく、物語を通じて訴えかけてくるのはあくまで、愚かな戦争に対する辛辣な諷刺。そのあたりのバランス感覚の甲斐あって、非常にリーダビリティの高い、小説として面白いものに仕上がっております。今年の一発目、滑り出しは良好です。

    0
    投稿日: 2018.01.04
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    二人の少年が卵を探す話 タイトルだけで古い本かと勘違いしてました。 卵を探す道中で起こる出来事一つ一つが 印象的なのと、下ネタと悲惨な環境の組み合わせ 奇妙な感覚で読み進めたけど、 キャラクター達も面白くて 読ませる。

    2
    投稿日: 2017.08.11
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    "That's four dozen now" あるとこにはあるねんなぁ この脱力感… "或る「小倉日記」伝" の読後感とかぶった ”No wonder your hand's on my ass?” いや、この訳し方…ウ、ウマイ  うん、レフならきっとこういう言い方するよな 邦題がいい、でも表紙は原書の方が好き City of Thieves

    0
    投稿日: 2017.06.07
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    1942年、第二次世界大戦中のソ連、レニングラード。900日間にわたってナチスドイツに包囲され、市内は爆撃と飢餓のために悲惨きわまりない状況にありました。そんなレニングラードを生きた祖父に、映画の脚本家である男が話を聴くという形で物語は始まり、以降は祖父レフの「わし」という一人称で語られます。 17歳のレフは、ある夜、ドイツ兵がパラシュートで舞い降りてくるのを目撃。外出禁止令を破って仲間とともに駆けつけると、すでにドイツ兵は凍死している模様。所持品を物色しているところを自国の秘密警察に見つかってしまう。捕まれば略奪の罪で公開処刑される。必死で逃げようとするが、仲間のうちの女性が転んでしまう。彼女を助けに行けば、秘密警察に捕まってしまうだろう。どうせ人の彼女だ、放って逃げよう。しかし、そうはできず、彼女を助けに戻った結果、案の定、自分だけが捕まってしまう。 牢獄に放り込まれ、翌朝の死を待つことに。そこへもうひとり、やけに美しい男コーリャが放り込まれてくる。彼は脱走兵らしく、やはりいましがた捕らえられたとのこと。まったく動揺している様子がないが、処刑されることはわかっているらしい。 翌朝、なぜかふたりは秘密警察の大佐の自宅へと連れていかれる。大佐によれば、彼の愛娘がその週の金曜日に結婚する。結婚式にケーキがないのはひどく不吉なことなのだと妻が言う。ケーキに必要な材料のほとんどは調達できたが、卵だけがどうしても、ない。泥棒と脱走兵、きみたちならなんとかできるだろう。木曜日の夜明けまでに卵1ダースを用意できたら、待遇を万全にして放免してやると。こうしてレフとコーリャは卵を求めて、1942年1月、極寒のソ連をさまよい歩くことになるのだが……。 著者のデイヴィッド・ベニオフは、物語中の祖父の姓をベニオフとし、まるで祖父の話を聴く男を自分自身のように私たちに思わせますが、本当はニューヨーク出身、まったくのフィクションだそうな。 1963年生まれの京極夏彦が描く昭和初期の光景に驚いたものですが、デイヴィッド・ベニオフも1970年生まれ、なぜに当時のレニングラードをこんなに描写できるのかと思うほど、その惨状たるや目を覆いたくなるばかり。しかし、こんな状況下で卵を探しに歩きまわるという、言うちゃ悪いが「あほか」と言いたくなる設定と、ずいぶん後になってから明らかにされるコーリャの脱走理由など、フィクションならではのユーモアで惹きつけられます。ちょっとしつこいぐらい出てくる下ネタ、特にう○こネタも、まともに食べていないゆえのこと、ネタにでもしなきゃ卵探しなんてやってられんだろうと思えます。最後のシーンでは涙目、読み終えてみればとても心に残る物語。 ちなみにこんな奇抜な設定を生み出したデイヴィッド・ベニオフは、あるときから映画の脚色を手がけるようになりました。『君のためなら千回でも』(2007)も彼の手によるもの。奥様は『“アイデンティティー”』(2003)が印象に残っているアマンダ・ピートですと。 「あの笑みはわしへの贈り物だったんだ」。じわじわ余韻が上がってきます。

    0
    投稿日: 2017.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    卵探しの設定は面白く 期待が膨らんだけれど 好みでなかったかな。 ミステリーとして紹介されてたけど これミステリーなのかな?

    0
    投稿日: 2016.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次大戦中の1942年、ナチスドイツに包囲され、空襲と飢餓に苦しむレニングラード(ピーテル)が舞台。 ロシアが舞台で、そこにドイツ軍が絡んでくるとなると 簡単に人が殺されるすさまじく凄惨な状景が容易に想像でき、最後まで読み切れるか不安になる。 実際、途中で、人食い夫婦に襲われたり、爆弾の囮に犬が利用されていたり、ドイツ兵のもとから脱走した少女が鋸で足首を切られたりなど、生々しい狂気にぞっとする壮絶極まる場面が多かったが、 「秘密警察の大佐から密命を受け、た卵を12個探す旅に出る」という冒険物語であるという設定と 主人公のユダヤ少年レフの相棒、「金髪で碧眼の美男子、ロシア人脱走兵コーリャ」がひたすら陽気で下ネタまじりの冗談ばかり言っていたのにレフ同様引っ張ってもらい読破。 昔見た映画「ライフ イズ ビューティフル」を思い出した。 何不自由なく食べられ、快適な家で安心して体を休められる当たり前の日常が、ありがたいことなんだ、何のために生きているのだろうと思い悩むなんて贅沢だと思え、生かされていることに感謝できる。

    0
    投稿日: 2016.08.16
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    2015年9月20日に開催された第1回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表された本です。予選A会場チャンプ本!

    0
    投稿日: 2016.06.21
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    ちびででか鼻、少しも見栄えはしないがチェスの腕は抜群のユダヤ人の少年レフと、党の宣伝ポスターから抜け出してきたような美青年にして口八丁のロシア人コーリャ。対象的な2人をつなぐものは、ドイツ軍に包囲され餓死者が続出しているなかで軍のお偉いさんのために卵を持ち帰るという不条理な任務と、文学への愛だ。 著者の生き生きした語り口によって、読む者は、まるで対独戦争のさなかのロシアに放りこまれたような気分を味わうことになる。戦争のすさまじい悲惨さと不条理に翻弄されながら、そのなかでも人生への愛を捨てず活路を見出そうとするレフと冒険をともにし、コーリャやヴィカを心から愛さずにはいられなくなるだろう。涙したあとににやりとさせるラストも見事。

    0
    投稿日: 2016.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても良かったです。 第二次大戦下のドイツとロシアが舞台なので、暗く悲しい話ではあるのですが、物語としてとても良かった。 訳者あとがきで改めて思ったのですが、このお話は1週間の出来事だったんですね。 戦争は、結局、弱者が悲惨な思いをするということを改めて認識するためにも、多くの方に読んで欲しいと思いました。 冒頭の祖母の説明から推し量ると、あの女性とは違う人なのかな…。

    0
    投稿日: 2016.04.27
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    変わったタイトルの小説だな、人を食ったような内容なのかな、と思いながらページをめくると、まさかタイトル通りの話でした。 舞台は1942年のレニングラード。まさにナチスの猛攻を受け長い長い包囲戦の最中。 女子供の多くは疎開し、市民が自衛組織として駆り出され、物資は乏しく闇市が幅を利かせるようなそんな時期。 主人公の少年はたまたま見かけたドイツ兵の死骸から酒とナイフを盗んでいたところを憲兵につかまり、略奪罪で刑務所にぶち込まれる。 そのまま銃殺、かと思いきやなぜか解放され、秘密警察の大佐から一つの密命を受ける。 ・・・来週の金曜日までに、卵を1ダース調達すること。 そしてともに刑務所にぶち込まれていた、陽気でちょっとズレた脱走兵とコンビを組んで、絶望的物資不足の中、戦場を横断して卵を探す旅に出るのである。 リアルな戦争描写と、奇妙なミッション。 むっつりと少しひねくれたユダヤ人少年と、戦時中にもかかわらず調子っぱずれに陽気なロシア人脱走兵との、ユーモラスで時にペーソスのきいた掛け合い。 このギャップがうまくかみ合い、明らかに奇妙でドラマティックすぎる筋書きの中にしっかり地に足ついたリアリティをもたせて、最後まで読み手を引き込んで離さない。 話としては冒険譚の類で、飛びぬけた目新しさもないし激しい感動もない。 それでも小説世界にどっぷり没入できる、良質なエンターテインメント。

    0
    投稿日: 2016.04.09
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    物語が持つ力を感じさせてくれる小説だ。 ナチスドイツに包囲され、極端に食料が無くなったレニングラードでは、屍はもちろん、生きている者まで殺して食肉として喰らうような状況にある。 秘密警察の大佐から、娘の結婚式に出すケーキのための卵1ダースを調達する命令を受け、探しに出かける2人組。少々荒唐無稽な設定だが、物語の中にぐいぐい引き込まれる。一人はタイトルにもある、主人公である現在の”祖父”。もう一人は”祖父”と同房に収監されていた陽気な脱走兵。”祖父”の戦争記であり、青春記でもある。 ナチスドイツが支配的な戦線を、卵を求め2人は様々な戦場を歩き、パルチザンの一人の少女と出会い、恋心を抱き、さらに卵探しは続く。 21章の、収容所での少女との時間はちょっと切なく、大好きなシーン。 無事卵を調達し、終戦を迎えた主人公のもとに現れた少女。最後の一行を読み終えると、すぐに小説の冒頭を読み返えさずにはいられない。 第2次世界大戦のロシア戦線で、それぞれの置かれた悲惨な状況で懸命に生きる人々を描きながら、最後は映画のワンシーンのような台詞を残し、人生の醍醐味や暖かいものを感じさせてくれ、生き長らえなければならないというメッセージも感じさせられました。

    0
    投稿日: 2016.02.05
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    邦題は暗喩なのだろうと漠然と思っていた。だが冒頭を読み進めた段階で、捻りも無く物語をそのままに表したものだと判る。日常から卵が消えた街。つまりは人間社会が存続するために不可欠な家畜などの生き物が失われた世界である。1942年、ナチス・ドイツによって包囲されたレニングラード(ピーテル)では、空襲と飢餓によって市民100万人近くが死亡したとされている。本作には、その地獄の中でこそ一瞬の輝きを放つ絶望へのアンチテーゼが描かれている。 補給を絶たれ配給も削減された極限的状況下で、下層階級の人々は餓死寸前まで追い詰められ、非人間的所業が横行する。17歳の少年レフは、死亡したドイツ兵士からナイフを盗んだところを捕まるが、軍の大佐から放免の条件として「卵1ダース」を調達することを命じられる。その使い道とは、娘の結婚式でケーキの材料にしたいという理不尽極まりないなものだった。卵探しの相棒となるのは、時同じくして脱走兵として捕らえられた青年コーリャ。如何にもユダヤ人的な容貌のレフは、金髪碧眼の陽気な美男子であるコーリャに対して劣等感を抱くが、何事にも屈せず道を切り拓いていくその姿勢に触れるうち精神的な成長を遂げ、二人は固い友情で結ばれていく。 戦争がもたらす生々しい狂気を、敢えてシニカルな展開に潜り込ませることで、その愚劣と残虐性が冷徹に抉り出されていく。この世の地獄巡りの果てに手にした「卵」が、最終的にどんな意味を持つかのかは、読者一人一人の思いに委ねられている。

    0
    投稿日: 2015.10.21
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    本については好きじゃなかったり面白くなかったり、お店とかだと美味しくなかったりしたところについては感想を書かないことにしています。その意味でこの本は微妙だった...ドイツ軍に包囲されたレニングラードで秘密警察のエライさんから、娘の結婚式のために卵を探してこい、と言われ、結果的にナチスを二人殺すことになった青年の話。作者はその青年の孫という設定。ストーリー展開も面白かったのですが、いかんせん途中の残虐描写が酷すぎて、読後しばらく気分が悪かった...もう少しマイルドだったら面白かったのだけど。

    0
    投稿日: 2015.09.21
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    第二次大戦、ドイツによるレニングラード包囲戦中のロシアの話。ノンフィクションの中に織り込まれたフィクション。次々凄惨な状況が描かれる中、主人公二人がまったく少年らしい下ネタの冗談を展開しつつ、過酷な飢えと寒さと恐怖の「卵探し」任務…泣いたら良いのか笑えば良いのかちっともわからないが、こんな状況もあんな恐怖も存在していいものじゃないことははっきりわかった。主人公たちの行く手に多少のご都合主義展開が与えられていてさえ理不尽に感じるんだから、つらい…。読んで良かった。

    0
    投稿日: 2014.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半冗長に感じ、頁がなかなか進まず読むのに何日もかかったが、後半街を出たあたりからはいっきにラストまで読んでしまった。残酷なファンタジーではあるが、読後感は悪くなかった。ハッピーエンド好きとしては、冒頭に続いている2人の幸せな生活はお約束どおりで満足だが、見た目のかっこ良さとやっている事やその結果のかっこ悪さが魅力でもあり悲しいコーリャとの別れが少しだけ辛かった。一見何のこともないようなプロローグがラストになってがぜん輝いてくる。これが無かったら物語の面白さは半減してしまっただろう。重要な場面のモデルとしてインスピレーションをもらった 実在の祖父母(?)アマンダ(ヴィカ)とフランキー(レフ)に贈るということかな。

    0
    投稿日: 2014.08.12
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    ちょうど便秘に悩んでてコーリャの言うことがいちいちもっともだと思った。グロい描写もコーリャの軽快さに救われて、ありがとうコーリャ。

    0
    投稿日: 2014.05.05
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     ナチスによる包囲網が敷かれたロシアのレニングラードを舞台に、卵の調達を命令された二人の青年兵の姿を描いた小説。  戦争ものは本では横山秀夫さんの『出口のない海』や吉村昭さんの作品、他にも映画やドラマなどいろいろ触れてきましたが、その中でもこの作品はかなりの異色作です。  青年兵レフの相棒となるコーリャの女好きっぷりがまず面食らいました。二人のどこかずれたやり取りがコミカルで、戦争ものらしくない面白さがあります。  それなのにきちんと戦争の悲惨さを描いているあたりがなんとも不思議。作中では、飢餓にあえぐ人々、囮にされた犬、空襲、慰安婦の存在なども描かれます。それなのに二人に与えられた指令が”卵の調達”ですから、なんともシュールな印象です。  きっとこのシュールさが他の作品と違った描き方で戦争の愚かさを伝えているように思います。二人とも卵の調達の過程で、こうした悲惨な場面に出会っていくわけですが、吉村昭さんの記録文学のような完全な第三者目線でなく、かといって戦闘中の兵士のような一人称でもなく、戦争色の薄い指令で、戦争を描いたからこそ、こういう絶妙な距離感、空気感の作品ができたのだと思います。戦争小説の新しい形ともいえそうな作品です。  そして青春小説としての完成度も高い! 徐々に深まっていく二人の絆、思わぬ出会い、切なさと温かさの残るクライマックス……。文庫化当初から興味のあった作品でしたが、設定が突飛なだけにシリアスでもユーモアでもない中途半端な作品になっているのではないかと心配して、なかな手を出しませんでした。でもそんな心配をしていた昔の自分を叱りつけたいくらい、良い小説でした。 2011年版このミステリーがすごい!海外部門3位

    1
    投稿日: 2014.02.13
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    結婚式のケーキのために、大佐から卵を用意するよう命令されたレフとコーリャ。包囲戦で飢餓状態のなか、卵探しの旅に出る。 戦争時の理不尽さや悲惨さと、陽気さをなくさないコーリャの存在との対比から、他にはない戦争のリアルさを感じた。 卵をめぐる祖父の戦争というタイトルの秀逸さに脱帽。

    0
    投稿日: 2014.01.12
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    特に飢餓についてリアリティを感じた。全体的に暗い雰囲気で展開されるが、ラストに救いを感じる。海外小説が苦手な人にも勧められる読みやすい本。

    0
    投稿日: 2013.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時はWWⅡのドイツとソビエトの戦争の時代。 場所はバルト三国ちかくのサンクトペテルブルグ。 その時、サンクトペテルブルグはドイツ軍により包囲され、兵糧攻めにあっていた。 そんな困窮を極めるなか主人公の少年、レフは夜間に死んだドイツ兵から盗みをしたため憲兵隊に捕まってしまう。 命がいとも簡単に奪われる社会だったため、レフは死を覚悟するが、奇跡的にチャンスを与えられる。それは同じ拘置所にいた青年兵士、コーリャと共に 卵を探してくること。 かくして困窮極まる世界の中で到底見つかりっこない卵探しが始まる。 いとも容易く人が死ぬので、ちょっとエグいですが、ストーリーとアクションの描写はすばらしいものでした!

    0
    投稿日: 2013.08.31
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    タイトルから、アンドレイ・クルコフ『ペンギンの憂鬱』のような、可愛い不条理系の話を勝手に想像してたのですが(舞台もロシアだし)、とても暗く重い、でも一つの青春小説とも言える、読み応えもあって読後感も良い一冊でした。 主人公2人の噛み合わなさと、そんなことをいってられない状況の深刻さ(第2次大戦中)が絶妙に絡み合っていて、仲が良いわけでも馴れあいでもなく、でも、こういう感じで男子って腐れ縁としての友情を成り立たせるんだろうな、という印象を持ちました。 巻末の解説にもありますが、これは確かに、ラストからもう一度最初に戻りたくなります。長閑さにはやや欠ける、ロシア版スタンド・バイ・ミー。

    0
    投稿日: 2013.08.10
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    奇妙な本のタイトルに惹かれて読んだ。 戦争の残酷さを描きながら、青春と友情と冒険の物語。 最後の一言がよかった。

    1
    投稿日: 2013.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    レニングラード包囲戦さなかで生きる少年の青春冒険物語。 その日に食べるものさえないレニングラードでなんの頼りもないまま卵を探す、という絶望的な状況に追い込まれた割にレフとコーリャの話はひたすら女・女・女。 現実逃避の意味もあるのですがそのギャップがまだ未成年の2人らしくシリアスだけにならず読み進める手助けになりました。 人食い夫婦、餓死寸前の少年とニワトリ、図書館スティック、ソーニャ、ドイツ兵に囲われた少女たち、パルチザン… 一つ一つのエピソードが印象的でレフとコーリャと共に冒険している気分になります。 話が進むにつれて最初の目的からはずれつつもラスボス的人物がみえてくる展開は熱いです。 ”ドイツ人を二人を殺している”という最初の一文が重要な意味を持ってくるところもちょっとしたアハ体験でした。 また主人公レフの一人称で語られる部分がいかにも思春期17歳って感じで面白いな~と思う文章が多かったです。 ”まだ十七だった。愚かだった。だから彼を信じた”とか”この世で一番淋しい音はほかの男女が愛を交わす音だ”は思わず笑いました。ヒロインであるヴィカと出会ったあとのかっこつけようと精一杯な感じもかわいかったです。 すべてがハッピーエンドで終わってほっとしたあとにあの展開は悲しすぎますが、最後の場面で救われました。

    2
    投稿日: 2013.07.15
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    ミステリじゃないのに早川ミステリで出ちゃったのね。新潮クレストとか白水社エクスリブリスでも良かった感じ。上品な本が好きな人は眉をひそめるだろうけど、読み物として面白い。傑作青春小説。 映画化されないのが不思議なくらい。 あとがき読んだら、映画の脚本家なのね。納得。映像が目に浮かぶし、エピソードの繋ぎ方が上手いと思った。 私は祖父役は若いころのダスティン・ホフマンで。 しかし、ドイツ優勢だったころのロシアの実情って、ほんとにこうだったの? 図書館スティックとか、犬爆弾とか、人肉ソーセージとか驚くばかり。 主人公は書き手の祖父と言う設定だけど、あくまでフィクションらしいので、これらの描写のもとになった本を読んでみたいと思った。

    0
    投稿日: 2013.07.01
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    タイトルと装丁に惹かれて購入。 レニングラード包囲戦の時のお話で、主人公のレフと脱走兵のコーリャが『卵』を探すお話。 神経質なレフと陽気なコーリャの2人の会話がとても面白く、戦時中の悲惨な状況が軽減されたような気がする。 とはいっても、戦争はやはり悲惨なもので街の人の飢餓の様子や、娼婦とか、爆弾をつけられ躾された犬とか、温室育ちの自分には辛い現実を味わされた。 主題は青春小説であり、主人公の恋愛小説のように感じられたのでそういうのが好きな人は是非!!

    0
    投稿日: 2013.06.16
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    タイトルまんまの、卵をさがすため第二次世界大戦中のロシアを奔走する物語。 冒険小説でもあり、ボーイミーツガールものでもあり、何よりも徹底して残酷な現実を書き切った戦争小説でもある。 最後の伏線にニヤッとすること間違いないが、それまでの青年〜少年たちの乗り越えるべき壁の多さにハラハラさせられてしまう。 久し振りに手に汗握った小説。

    0
    投稿日: 2013.06.13
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    これは中々の秀作。 小説ってこういう読後の爽やかさがいいんだよなって感じる。 もっとも、前半はなんだか薄暗くじめじめとして寒い印象のまま物語が進んで行くので、案外退屈になる。 表題の通り卵探しの話なのだが、本当はじいさんの長い長ーい、おのろけ話なのかもね。 面白い、一読をおすすめする。

    0
    投稿日: 2013.04.12
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    書評か何かで読もうと思ったのか、そのあたりは全然おぼえていないけれど自分じゃまず手に取らないハヤカワ。戦時中にたまご1ダースを手に入れること。手に入れられなければ命はない。というめちゃくちゃな任務。 つらい描写もあったけれど面白くて読み応えもあって、読みおわって満足!一気に読めるような文章じゃないので、じっくりじっくり少しずつページを進める、でも先が気になる、という感じ。終わり方も良かったな。舞台は(現)ロシア。それもなんだか気にいった。わたしロシア好きだ。 同じ著者の「25時」は映画だけ観たことがあるけど、小説の方も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2013.03.24
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    よかった。 残酷な描写とレフとコーリャのユーモアなやり取りが絶妙のバランスで、どんどん物語に引き込まれた。

    0
    投稿日: 2013.03.20
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    最後の一文に、これほど感心した作品はありません。 それほど最後の一文にはやられました。 巧い、の一言。 お陰さまで、戦争の悲惨さ、理不尽さをことごとく感じさせる中盤~終盤の展開(しかし、饒舌な青年コーリャのおかげで意外と重苦しさはありません)を払拭してくれました。 物語は、第二次世界大戦下のソ連にて、主人公のレフ(著者の祖父の設定)が、ひょんなことから出会った青年コーリャと共に「卵」を探しに行くというもの。それも秘密警察の大佐の娘の結婚式で出されるケーキを作るために。 物語のプロットからして、理不尽さを感じさせますね。 戦争を扱う作品は、得てして戦争の理不尽さを訴えてきますが、本書もそれに違わず。ただし、前述したとおりコーリャのおかげで重苦しさはありません。その代わり、どこか滑稽さを覚えます。もしかすると、この滑稽さこそが本書が訴えたいことなのかもしれません。 そう考えると、確かに最後も滑稽ですね。 最高の滑稽さですが。

    2
    投稿日: 2013.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館の本 内容(「BOOK」データベースより) 「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が?逆境に抗って逞しく生きる若者達の友情と冒険を描く、傑作長篇。

    0
    投稿日: 2013.02.22
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    Amazonなどで絶賛されているのを見て、普段は読まない海外作品を。 忙しくて飛ばし飛ばしでしか読めなかったのが悔やまれる! でも、一気読みよりじっくり読みがオススメ。 下ネタジョークを飛ばしまくるコーリャと神経質なレフ。 戦争の悲惨さ、残酷さを目の当たりにする場面がいくつも出てくるけどこの2人は淡々としていて、それが日常となってしまっているのが伝わってきて切なかった。 でもこれは戦争小説などではなく、2人の青春の軌跡の記録であり、レフのラブストーリーと言い切れる。 いよいよ冒険が終わるというところでコーリャを襲う出来事には「こんなのってない!」と思ったけれど、ラストまで読み進めると「最高のラストだ!」と思ってしまう。 溜めこんでいたクソを出した時のコーリャが最高! またドイツ兵?!と思ったらそっちか! 高校生には読んだ欲しいけど女子中学生にはオススメしづらいかもw(下ネタ的に!) 2013/02/11-22

    3
    投稿日: 2013.02.22
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    すばらしい。 ドイツの包囲戦にあったレニングラードを舞台に 17歳の少年レフ(主人公)と20歳の脱走兵コーリャの2人が 1ダースの卵を持ち帰るという任務においての道中を描いている。 二人の掛け合いは、まるで『吾輩が猫である』の苦沙弥先生と迷亭君の様である。 レフは幾分神経質で真面目で賢く、痩せている。 コーリャは美青年だが口から生まれてきた様な人間で、いつもジョークや法螺を吹いている。「中庭の猟犬」という小説を常に頭の中で構成し、レフに話を聞かせている。大の女好きで脱走兵になってしまったのも、それが原因で笑える。 いつドイツ軍に見つかって殺されるか分からない道中で コーリャの冗談や冷やかしに、うんざりするレフであったが、飢餓と寒さの中でコーリャといなければ生きる気力を無くしていただろう。まるで映画「ライフ イズ ビューティフル」の中で、ナチス軍に捕まった親子の父親が、そんな状況下の中でも明るく振舞っている様子を思い出させる。 しかし、コーリャの能天気さ計算ではなく、本来の気質であるのも面白いし、詩人を父に持つレフの場面場面での想像力・妄想力が半端でなく、 楽しめる。 「戦争の悲惨さ」と「彼等のやり取りの滑稽さ」の対峙バランスが絶妙である。 2人の卵探しの中で出会った(出くわした)様々な人や状況で、当時の「レニングラード包囲戦」の悲惨さを知ることができる。 「卵探し」 というキーワードから様々な情勢が見えてくる。 訳者あとがき・・にもあるが、著者は祖父母もアメリカ人という生粋のアメリカ人であり、ロシアの血は入っていないようだ。しかも1970年生まれでまだ若く、小説家というより、映画の脚色もこなす映画人らしい。 彼もレフ同様、想像力豊かな人物なのだろう。

    4
    投稿日: 2013.02.20
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    数年前のコノミスの上位で見た覚えが、というだけで購入。 みすてりー? そういうんじゃなくってこれは深い。 ドイツ軍侵攻による飢餓状態のソビエト、レニングラードの庶民の様子がイタクて読み進めることができないほど。 凌辱されつつ拷問を受けた少女の話やら人肉の描写やら・・・ それでも読後感が切なくも一種爽快な感じがするのは 男同士の友情や日々の困難の中でもちょっとしたユーモアを 感じさせる登場人物のキャラが堪らなく愛おしいからでした。

    7
    投稿日: 2013.02.19
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     とても良かった! 久し振りに本にのめり込んだ。  話は、作家である孫が、現在は祖母と共にアメリカに暮らしているソヴィエト出身の祖父に、戦争の話を聞く所から始まる。  舞台は第二次世界大戦、包囲戦で飢餓に苦しむレニングラード。  物語は、コソ泥として軍に捕えられたレフ(祖父)が、脱走兵として捕えられたコーリャと共に、自分の娘の結婚式に必要な卵一ダースを探し出し持ち帰るよう、大佐から命令を受ける。その期限である一週間の出来事を、祖父が語って聞かせる形。  邦題がコミカルなので、軽めの話なのかと思っていたら、とても残酷で重い内容だった。  以前に、この包囲戦で餓死した少年の日記を読んだ事があったので、その内容も思い出されて、かなり辛かった。  でも邦題が内容に合っていないわけではなく、文章にはユーモアがふんだんに散りばめられていて、読んでいて楽しい部分も沢山あった。  というか、ユーモアの部分は全てコーリャ一人が引き受けている感じ。美形で体格もよく体力もあり、おしゃべりで下品で自信家で楽天家で、友達思いのコーリャ。コーリャ当人からは戦争の残酷さ、悲惨さ、愚かさは全く感じられない。  でもそういう彼がいるからこそ、却ってそれらが際立つような物語に仕上がっているんだと思う。  ラスト直前のシーンは、電車の中だったにも係わらず、ちょっと涙ぐんでしまった。  映画化したら、きっと私の想像した通りの映像が観られるんだろうなという描写だった。流石は映画界で活躍してる人が書いた本、という感想。  それから、本のラストが、祖父の昔語りでそのまま終わっており、孫の視点に戻ってこないところが、読者それぞれの読後感を大切にしてくれている感じで、とても気に入った。

    3
    投稿日: 2013.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コーリャとのかけあいがおもしろい 読む楽しさを味合わせてくれる ヴィカがよい なぞめいたヒロインだ ベニオフのコンプレックスがあるとこがよい とても感情移入できる コーリャが主人公ではこうはいかない そして ヴィカの最後の台詞 「あたし,料理はしないの」 アーベントロートとのチェスシーンなど 緊迫感のあるシーンはあるけど この小説のおもしろさは コーリャとの会話だろうから 映画化してもどうかな

    1
    投稿日: 2013.02.05
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    外人アレルギーなので心配しておったんですが、嬉しいことに杞憂でした。 第2次大戦時のレニングラード包囲戦を舞台に、卵1ダースを持ち帰るという密命(笑)を受けた17歳ユダヤ青年の冒険譚。 正直、ユーモアという部分でのズレは否めないものの、珍妙な設定も手伝ってか、物語としての魅力が素晴らしい。

    0
    投稿日: 2013.02.04
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    もともと興味が薄い戦争をテーマに書かれた感じのものだったので、読み進めるには何度も休憩が入って、気づけば数ヶ月ものあいだ図書館で狩り続けていた。 そういう事情から、途中返却したので、よくわからない。

    0
    投稿日: 2013.01.26
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    おもしろかったです。ミステリー枠のようですがそこまでミステリーじゃないと思います。第二次世界大戦中のロシアで少年期を過ごしたおじいちゃんの話を書きまとめたというスタイルです。なので主人公は少年なんですが一人称は「わし」です。違和感あるけどそこがなんだかいいんです。 ロシアで夜間に外に出ていたため捕まった主人公と、同じく何かしらの事情で捕まったよくしゃべる兵隊、コーリャの珍道中です。とにかくこのコーリャって男が状況も考えずよくしゃべる。なので、本来なら重苦しい戦争というテーマがなんだかバカな事と思えてきます。まー実際戦争なんてバカがやることなんでしょうが。。

    1
    投稿日: 2013.01.22
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    この小説、なかなかユニークな邦題だが、 時は1942年、舞台はナチス包囲下のレニングラード、そこでの僅か一週間足らずの出来事が描かれている。 歴史に明るい方なら、レニングラード包囲戦といえば、ああ、第二次世界大戦における独ソ戦か!とピンとくるだろう。 1941年から1944年にかけて、ドイツ軍は900日もの間、ソビエト連邦第二の都市・レニングラード(現・サンクトペテルブルク)を包囲した。 だが、私は歴史にも疎い。(苦笑) そして、それは歴史に疎い私でさえひき込まれてしまう、見事で素晴らしい作品だった。 一人称で語られるその歴史は、あの戦争から70年以上経っていても、それは歴史ではなく現実として読者に迫ってくる。 時にうざいとさえ思うほどの描写が、脳裏に小説をリアル化させる。 また、主役級の登場人物の一人、脱走兵のコーリャ(本人は脱走兵とは認めていない)のあっけらかんな態度といい、物言いといい、これが実に爽快である。 ちょっと根暗で悶々とした主人公レフとの掛け合いも非常に愉快だった。 ユーモアのあるリズミカルな文章に、らしさもきちんと描いている。 ロシアらしさ、ロシア人らしさ、ユダヤ人らしさ、それらをきちんと描き切ってる上に、 他愛無い、ちょぴり下品でさえあるユーモアで、あまりに残忍な内容さえも重くならず、それが逆に戦争の悲惨さや浅はかさ、愚かさをストレートに伝える辺り、作者の力量に脱帽した。 これは戦争物である上に、二人の青年の青春物語でもあったりする。 だから、飽きない。 あ、面白さのあまり、どんな内容かも書かないうちに、とりとめもなく記してしまったが、、、 17歳である主人公のレフは、作者ディビッドの祖父として描かれている。 夜間外出禁止令を破って捕まったレフと脱走兵のコーリャは、軍の大佐から大佐の娘の結婚式のために卵を一ダース手に入れるよう命じられる。 今日は土曜日、期限は木曜の夜明けまで、一週間もない。 だが、レニングラードには卵などどこにもない。 こんな飢餓の中、どこに卵があるというのか? 卵を求める二人の前には、信じられない残酷な場面が展開する。 が、そこはコーリャだ。 この愛すべきキャラクターのおかげで救われたのはレフだけでなく、一読者である私もだった。 それにしても、命令を下す大佐のこの言葉。 「娘は本物の結婚式を望んでる。 きちんとした結婚式をだ。 それはいいことだ。 人生は続くのだからな。 今、われわれは野蛮人と戦ってはいるが、だからといって、人間らしさを失っていいことにはならん。 ロシア人でありつづけなきゃならん。 だから、音楽もダンスもある結婚式になるだろう・・・・・それにケーキもある結婚式にな」 ナチスもナチスなら、こいつもこいつだな。(苦笑) だが、戦争というものはそんなものなのかもしれない。 大義名分なんて、はなっから存在しないのだ。

    6
    投稿日: 2013.01.13
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    「レニングラードには卵がないんだ…。」大佐の言葉で自分の命が卵にかかっている事を知る主人公。この本の題名が戦時下の人間の命がいかに儚く軽んじられているかを表している。 スターリン体制下かつナチスドイツ包囲下のレニングラード。その惨状は目を覆うばかりだが、そんな中でもユーモアを忘れず必死に生き延びようとする主人公レフとコーリャ。読みだすと続きが気になり、一気に読んでしまったほど引き込まれた作品。 戦争の愚かさや戦争がもたらす惨状と、どんな環境でも諦めない二人の青年の魅力とのコントラストが秀逸。

    1
    投稿日: 2013.01.08
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    これを年初の1冊にしようと思っていた。コーリャ!最初イヤな奴だしなんかラノベ的展開だしと思っていたのにあっという間に引き込まれた。そのかる~い展開の脇で垣間見える戦争描写が冷静で、皮肉がきいていて、でも最後一応ハッピーエンドなのに救われる。

    1
    投稿日: 2013.01.07
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    良い本だった。ロシアが舞台だが、サンクトペテルブルク包囲戦時の戦争の悲惨さを描きながらも、ユーモアが有るので全体として重みが少なくて済んでいる。その分、戦争の愚かさと、それに振り回される人達の悲哀が際立っている。オススメしたい。

    0
    投稿日: 2012.12.29
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    まさに傑作!! 2012年の最後に良い本が読めました。2012年読んだ本で一番面白いかも。 死と隣り合わせなスリリングな場面とユーモアが入り混じって、笑えて泣けてハラハラできて、という感じ。友達想いでユーモアたっぷりのコーリャがカッコいい。 とにかく作り方が上手すぎる! 最後の1行でやられます。 デイヴィッド・ベニオフの本は初めて読みましたが、他の本も読んでみたい。という訳で今日は本屋に行ってきます。

    0
    投稿日: 2012.12.29
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     俗っぽいけど敢えて言いたい。    「やべえ、ちょー、おもしれえ!」  出来ることなら、文字のサイズを倍にしたいくらい面白かった。  以下、ブクレポ。    主人公のレフはある日、落下傘で空から落ちてきたドイツ兵の死体を発見し、死体からナイフを盗んだことから、窃盗の罪で投獄される。そして時を同じくして、戦線離脱の脱走罪で投獄されてきた赤軍兵士コーリャに出会う。  人の命など屁とも思わないスターリン体制下のソ連では、二人は死刑が確実。しかし大佐から、ある条件をクリアできれば自由にしてやる、との思いがけない言葉をかけられた。  その条件とは… 「卵を一ダース手に入れる」こと。    ナチスに包囲されたレニングラードは極度の食糧難に陥り、赤軍幹部と言えども卵を手に入れることができなくなっていた。卵を手に入れるには、もはやドイツによって占拠された地域にまで、もぐりこまなければならない。  二人は問うた。 「なぜ、卵が必要なのですか」  大佐は窓の外から池の上で優雅にスケートに興じる美少女を目で示し言った。 「娘の結婚式にはケーキが必要だろ?」  かくして二人は、大義のかけらもない任務を負い、命をかけた冒険に出発する。  二人の性格は正反対。レフは内気で言葉も少ない。腕っ節には自信がなく、女性と恋愛をしたこともなく、存在感のない少年。  一方のコーリャは女性経験が豊富で、細身だけれど格闘術に長けている。そしてなにより饒舌だ。口八丁手八丁。劣悪な食糧事情のため一週間も糞が出ないという体調不良でもカラ元気。とにかくじっとしていることと、黙っていることができない。下ネタ大好き。童貞のレフをからかうときは輪をかけて舌も滑らかになる。  二人の掛け合い漫才(というかコーリャが一方的に話してレフがぼそっと言い返すだけだけど)を読んでいるだけでも、この小説は面白い。  この小説のメインテーマは友情だ。性格がまるで違う男同士が互いに励まし合い、困難を乗り越えていく冒険小説だ。また、主人公のレフがパルチザンの女兵士に恋をしてからは、青春小説のようにもなる。好きな女の子の前で、いい格好をしようとして下手を打ち、悩み、落ち込み、それをコーリャが冷やかしつつも、力になる。  しかし彼らは死と隣り合わせの状況下にある。  彼らの命は卵一ダースより軽い。そして彼らの行き先には、人肉を食う夫妻がいたり、鶏一羽のために命を落とす幼子がいたり、ベイクドポテト一皿のために敵兵に春を売る女性がいる。飢餓による刺すような痛痒をしくしくと感じる。  巻末の解説にあったが、実際に幼い子供を飢餓から救うために、さらに幼い赤子を殺して、その肉を与えたということもあったらしい。  ドイツによるレニングラードの包囲は900日に及んだ。本文中に起こる数々の悲劇に似た現実は、きっとたくさんあったことだろう。  コーリャが饒舌な理由も最後には明らかになり、読んでて、もう、なんだか泣けてきてしまった。レフもコーリャは奇異な巡り合いだったけど、本当の友情を結んだ。そしてラストにはかすかな希望が見えた。     もう一度、俗っぽく、  「まじ、感動した!」  どちらかと言えば男性向きの小説だが、銃後の悲劇を考える上でも、良い作品だと思う。        

    0
    投稿日: 2012.12.07
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    部屋に人肉を吊るしてるとか、犬に対戦車の地雷を背負わせてるとか、侵攻してきたドイツ兵の慰み者になってしまったロシアの女の子たちとか、これが戦場となった現実なんだろうなあ・・・と。とにかく当時のレニングラードに食べ物がなくて寒さと飢えで大変だったというのはよく読んだけれど、そんな中娘の結婚式のために卵を探してこいという大佐がなんとも・・・ホントにこんな人いたのかしらん。でもいても不思議なさそう。なんとなく、だけど。コーリャがいいな。訳文が滑らかでとても読みやすい。

    0
    投稿日: 2012.08.17
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    ナチスに包囲されたレニングラード攻防戦を生き延びた祖父。17歳だった祖父はロシアの大佐の命令で12個の卵を手に入れるために、お喋りな脱走兵コーリャと二人で、雪の中を探索の旅に出る。 時間がかかったけど、読み終わると面白かったと思わされる。

    5
    投稿日: 2012.08.14
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    戦時中の話。 頼れる悪友?のワルさが原因で、生かしてもらうために娘のケーキを作るためのタマゴを集めてくる、という話。 戦時中に栄養価の高いタマゴなんて、ほとんどないと知っているのにそんな命令を出す。不可能と思われることをさせようとする、いびりである。 走れメロスみたいな意味合い。 途中で出会うやたら強い少女も、いい味出してる。 雑誌ダヴィンチのオススメ本から、借りようと思った。

    0
    投稿日: 2012.07.15
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    二人の青年が包囲戦下のレニングラードで一ダースの卵を求める話。といってもすぐに街を出てそこからが本番。戦中の酸鼻する話がこれでもかとでてくる。 コーリャの便秘が何か伏線になってるのかと思ってたけど、そうでもなかったかな。

    0
    投稿日: 2012.04.25
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    すごく評判がよかったので読んでみたけれど、やっぱり悲惨で壮絶な場面が恐ろしすぎて読むのがつらかった。主人公たちのやりとりにはユーモアがあって、文章自体は重くなくて、青春小説の感じもあるんだけど、それでもつらかった。 わたしが当時のロシアやドイツの政治社会情勢に疎いせいで、よくわかってない皮肉やユーモアもたくさんあったような気が。それでいまひとつノレない気もした。後半、捕虜にまぎれこんだあたりから、チェスの勝負のあたりからやっと冒険モノっぽいスリルを感じたような。 ラスト、悲しいことと、ハッピーなことがあったので、結局プラスマイナスゼロかな。(大雑把すぎる)。でも、北上氏の解説のおかげで、あわてて冒頭部分を読み返したらうれしい気持ちになれたのでややプラスかな。

    0
    投稿日: 2012.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    近頃本屋さんが減っているという それはネット販売隆盛のせいらしい 僕はネットもよく利用するけれど、本屋さんも好きだ 目的もなく散歩していて、ふと健気に咲いている花を発見するような そんな出会いがあるから この本も書店で何となく目に入ってきて、タイトルが気になった 解説などを読んでもモヒトツどんな傾向の本なのか分からなかった 主人公の祖父の戦争体験らしい でも卵を探すってどうゆうこと? ハヤカワ文庫だから、ミステリなのかな でも文庫で900円だし、つまらなかったら・・・ など考えて結局購入には至らなかった その後も、次に読む本を物色するたびに、下位ノミネートとして手にとってはまた棚に戻したりした しかし、どうしても気になって、ある日思い切って買ってみた 失敗してもいいや、と覚悟を決めて 作家の祖父レフが少年の頃、ナチス包囲下のレニングラードで秘密警察の大佐から、脱走兵コーリャと共に卵の調達を命じられるという話 大佐の娘の結婚式の料理に使うためだ 期日までに持って行かないと銃殺される 封鎖されたレニングラードには当然卵などはなく、二人はやむなくナチスの封鎖線を越えて郊外の敵陣深く分け入っていく 何という奇想天外な設定だ 一種のドキュメントとして、戦時下のレニングラードの酷い生活がリアルに描かれている ナチスとロシア軍の知られざる実態も明晰に描写されている 戦争の悲惨さと馬鹿らしさがこれでもかと浮き彫りにされている そして、序章で少年の街に落下傘兵の屍体が舞い降りたところから、次々とエピソード(殆ど独立した短編小説)が積み重ねられて行く 人肉目当ての夫婦に襲われたり、祖父の生家が爆撃で消失したり、鶏を守る子供の死、雄鶏のスープ、ナチに拉致されている少女たちの寓話、パルチザンとの共闘、手に汗を握る攻防 どれ一つとっても目を離せない このような構成は古い名作の文学形式を想起させる さらに、コーリャという人物の魅力 饒舌で卑猥で高尚で勇敢で繊細 レフも高名な詩人の子であり、二人は次第に無二の親友となり兄弟のようになっていく この友情も一本の線だ レフの恋愛も大きなテーマとなっている 最後に、文章の素晴らしさ 比喩の巧みさ、詩的な叙情性、ばからしいユーモア、この作者の天性のものだろう ラストに大きな感動が待っている 思わず冒頭部分を読み返してしまった 多分、今年のベストワンに出会ってしまったのかも知れない

    1
    投稿日: 2012.03.26
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    マイアミに住む“著者”の祖父の回想録という形で進行する小説。舞台は、ドイツ軍に包囲されたレニングラード。空から落ちてきたドイツ兵士の遺体からナイフを盗むところから物語は始まる。窃盗罪で捕えられたレフは、塀の中で脱走兵コーリャと知り合う。命を奪わない代わりに大佐から出されたミッションは娘の結婚式でふるまうケーキのために、卵を1ダースを持ってくること。そこから2人の奇妙な体験が始まる。次から次へと巻き起こる、不思議で悲惨な事件。2人の下ネタ満載のトークのおかげでその残酷さは軽減される。中盤からの展開も圧巻。ラストは意外な展開で、泣けてしまう。ロシアを舞台にした戦争ものということで「チャイルド44」の世界観にもつながるが、語り口がユーモアに満ちていて、洒脱な印象の小説でした。

    0
    投稿日: 2012.03.16
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    最初、タイトルを見たときは「なんじゃこりゃ」と思い買いました。結果、買ってよかったと思いました。 厳しい状況の中で飛び交うユーモアな会話が物語を重いだけのものにならず、最後まで苦にならず読めました。

    0
    投稿日: 2012.02.27
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    「卵をめぐる祖父の戦争」  図書館から「リクエストした本が貸し出し可能になりました」と連絡があって借りてきた。だが、小説のタイトルにはうっすら憶えがあるのだが、何でこの小説のことを知ったのか、なんで読みたいと思ったのか、自分がリクエストしたことさえ、さっぱり思い出せない。  最近は殆どノンフィクションしか読んでなくて、小説を読むのは久しぶり。なんせ読もうと思ったきっかけすら思い出せないのだからどうかな、と思ったのだけど、すんなり小説の世界に入っていけた。  小説は「作者」が、「祖父」の17歳だった戦争時の体験を取材し、彼の「特別な1週間」が本人の口から語られる、という形で話は進み、メキシコ湾の眺められる気持ちの良い黄昏のフロリダから一気にの飢餓と極寒が押し寄せる1942年の、ドイツ軍に包囲されたレニングラードへといきなり突き飛ばされる。  正直に言って、次の展開がどうなるのか恐くて、ページを閉じたことが何度かあった。これは、私が(恐がりだというのもあるが)それくらいこの小説の世界にどっぷりだったことを物語っている。恐ろしい場面は腰が引けてしまうれくらいリアル感がある。。 このリアル感は、自意識と身体と歴史、この三つが支えていると思う。客観プロットとキャラクターだけ抽出すれば、あざとい、というか荒唐無稽なところがあると思う。しかしそれを先ほどの三要素のディティールを充満させることによって、その荒唐無稽さを感じさせないで、むしろ一種のリアルさを作り出している、と私は思った。 『が、恐怖心は長いこと姿を消していてはくれなかった。怯えていないときなぞ思い出せないくらいだが、あの夜の恐怖はそれまでになく強かった。あらゆる可能性がわしを怯えさせた。その中には恥の可能性もあった。- 』      反戦の思いが根底にあるという書評も見たが、私は、どちらかというと、戦争という極限状態の中で光り輝く人間のすばらしさだと思う

    0
    投稿日: 2012.02.26
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    いや、面白かった。 ナチ包囲下の飢餓の街で1ダースの卵の調達を命じられるという夢想的な設定。しかし、その探索途中で出会う戦争の断片は極めてリアルで残酷。その中での主人公レフと相方コーリャの掛け合いは妙にユーモラス。そうした相反する要素が見事に混じり合わせた作品です。 そしてラスト。 戦争の無意味さと、生きる事の希望を見事に描き出し、非常に気持ちの良い読後感です。 著者のベニオフさんは、むしろ映画の脚本を中心に活動しているようですが、そのせいか場面場面が非常に視覚的で、そのまま映画になりそうです(もっとも残酷過ぎて映せないシーンもありますが)。 『25時』も良い作品でしたし、もう少し小説の方にも力を入れて頂きたいものです。 ちなみに原題は“City of thieves”。直訳すれば「盗人の街」でしょうか。それを『卵をめぐる祖父の戦争』としたのも上手いと思います。

    0
    投稿日: 2012.02.24
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    饒舌なだけではなく、 大した勇気も持ち合わせてるとしか思えないコーリャのおかげで、 歴史的な事実だけではない世界を感じられました。 戦争の正義や道徳はその立ち位置で変わってしまい、 生と死殺す事と殺される事、 それを一時でも忘れさせてくれるものは 想像力や空想やユーモアなのかもしれないなあ。 戦争の重たい事実を突きつけられてしまうのに、 強引に笑いの世界に連れ戻される、 史実と小さなファンタジーで紡がれた「若者達の友情と冒険」 の素敵な物語でした。

    0
    投稿日: 2012.02.14
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    第二次世界大戦中、ナチス包囲下のレニングラードを舞台にした、少年の忘れられない数日間。 戦争という状況下で【卵1ダースを探せ】という冒険をする展開がおもしろいです。 動物も雑草も消え、人肉を食べる者がでてくるほど誰もが餓えている中で、卵1ダースというのはもはや幻の食材。 期間内に見つけられなければ死しかなく、戦いや飢餓が溢れている惨状の中、たった2人の平凡な少年達の道中は危険で残酷。 しかしこの重苦しい状況を、対照的な二人の少年が漫才のような掛け合いで和らげてくれています。 若さゆえに自分の力を試したい、誇示したいとやる気に満ち溢れていると同時に、臆病でコンプレックスを持った17才の等身大の少年であるレフ。 お調子者で自由人、常にしゃべっており内容の大半が下ネタの謎の美青年コーリャ。 コーリャの予測不可能の言動に振り回され、レフがぶつぶつと文句を言っている道中が戦争という状況でありながらおもしろおかしいです。 残酷な状況をユーモアたっぷりに描いているのが、読みやすくもあり深くもあります。 展開は分かりやすく、こういう話になるだろうという王道を行った感じはしますが、決して退屈せずに一気に読めました。 お下品なばかばかしさと、戦時下の緊迫した過酷な状況のギャップが良いです。 ロシアの冷たい空気をすぐそこに感じるような描写も迫力でした。

    0
    投稿日: 2012.02.06
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    「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が?逆境に抗って逞しく生きる若者達の友情と冒険を描く、傑作長篇(「BOOK」データベースより) うーん、なんというか、下ネタ大好き小学生が大きくなったような男と、それに振り回されるタイプの男の珍道中、みたくなっている気が・・・。 そーいうタイプの男子を冷たく見ていたクラスメイトの女子的視線で見ると、イマイチ感動もできず。 ラストも読めちゃうしな~。 レニングラード包囲戦を、一風変わった使い方をしている点は面白かったです。 戦争って馬鹿馬鹿しさの極致だよね、というメッセージは伝わりました。

    0
    投稿日: 2012.01.26
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    あっけらかんとしつつ、とてもしんみりする。突飛な話に見えて、レニングラードはこんなものだったんだろうと納得できるようでもある。

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    投稿日: 2012.01.22
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    だいぶ面白かった。第二次世界大戦中のレニングラードを舞台に繰り広げられるハチャメチャだけど静かで、残酷だけどなんか優しい、本当に不思議な小説。

    0
    投稿日: 2012.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルに惹かれた。 対独戦争中のソ連を描いた作品。国民は飢餓に苦しみ、売春・殺人は横行。くわえてカニバリズムまで描かれる。 しかし、作者はこの酸鼻を極めた戦争描写を、軽妙な会話とジョークでくるりと包み込み、ただの戦争小説には終わらせない。この筆力はさすが。 特にコーリャの存在は物語にいい味を出している。女好きで自信過剰でおしゃべりだけど、どこか憎めない愛すべきキャラクターだ。また、そんなコーリャと対照的な17歳の主人公「わし」の心理描写も細やかで感情移入してしまう。 ハラハラドキドキさせるストーリーと愛すべきキャラクターに出会える青春小説。いささか下品な会話に目をつむれば、ぜひ周りの人にお勧めしたい秀作であった。

    0
    投稿日: 2011.12.18