
総合評価
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powered by ブクログ解説がひどかったが、めちゃくちゃな「メンヘル」の脳内モノローグとしては満点。『乱暴と待機』といい、転げ落ちていくようなリズム感がいい。
0投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
メンヘラの時(2018?! )に読みたいと思ってメモしたけど、結局7年くらい読んでなくて、当時のメモを発掘して購入。 もうメンヘラじゃないから主人公にあまり共感はできなかった。 なんで、生きてるだけで、愛ってタイトルなんだろうと思った。 最後に津奈木がなんで寧子と一緒にいるのか、って答えを聞いたときのセリフが印象に残った。 そうだよね、あたしは、あたしとは別れられないんだよね一生…。 あまり共感はできなかったけどまた読み返したいと思った。 本谷さんの別作品も読みたいと思った。 ******** でも俺はいろんなものを自分に近づけないようにしただけだったのに、寧子はゲロ吐いて頭から血流したまま意味もなく走ってて、すごいと思ったよ。土手をずっと後ろからついて走ってた時に、パルコ死ね、パルコ死ねって叫んでる寧子の青色のスカートの裾が揺れてきれいだったんだ、すごく。こういう意味がわかんなくてきれいなものがまたみたいと思ったから
0投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ寧子の躁と鬱の表現がリアルに書かれていて良かった。 「あたしはさあたしとは別れられないんだよね一生」 この言葉が1番刺さった
0投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラティーナから逃げ出したところからのシーンが、寧子が思って話してる言葉が、今の自分には刺さりすぎて。「あたしと別れられて、いいなあ」が個人的にはしんどいポイントだった。自分自身は別れられないもんなあって。 津奈木は津奈木で、こんなはちゃめちゃな寧子の出会った時の言葉とか、シーンをちゃんと覚えていて、ちゃんと理解しようとしてたんだなあ。 ちゃんと向き合おうとしてた。 でも寧子を全部理解するのなんて無理だった。 どうしようもなさが悲しい。
0投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ葛飾北斎の美術展のおともに。ピンクに染まった神奈川沖浪裏がとってもキュート。 ほぼ9年ぶりの再読だったけれど、当時読んだときのインパクトがそのまま蘇ったようでうれしかった。津名木〜! 寧子がしぶしぶ働き始めたアットホームイタリアンで大暴れするシーンが以前に増して痛快だった。優しくぬるま湯に浸けられてる宇宙人みたいな構図がおもしろくてしょうがなかった。 「あたしはもう一生、誰に分かられなくったっていいから、あんたにこの光景の五千分の一秒を覚えてもらいたい」 五千分の一秒。生きていて何度そうした機会があるだろうか。あまりにも刹那的だけど、でもそれに気づいてパッと捉えられるというのはものすごい奇跡。 北斎は、偶然ザッパーンの瞬間を目撃できたわけではなくて、目を見開いて富士山のことを何から何まで知ろうとした情熱でその一瞬を手繰り寄せたはずだ。 ほか、短編『あの明け方の』も収録。飛び出していったエキセントリックな彼女を彼氏が迎えにいく話。あとがきはなんかやだった。
11投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログ生を感じるために何度も読み返している。きっとそれは津奈木が寧子を想うことと似ているんじゃないかと思っている。好きな本も泣ける本もたくさんあるけれど、私はこの本があれば生きていける。
0投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もう、たまらない。最高です。今年一番の出会いかも。 文章の温度、速度、内容、その全てが今自分の求めていた小説そのもので、というよりそれを遥かに越えて胸をぐわしっと鷲掴みにされてて、息が上がってる。再読必至。 「ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?雨降っただけで死にたくなるって、生き物としてさ、たぶんすごく間違ってるよね?」
1投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログ久しぶりに没入したまま走り抜けた作品 勢いのある文体と独特のユーモア。 めちゃくちゃではあるけれどめちゃくちゃさが丁寧かつスピーディに描かれているので終始面白い。 それは、今全裸じゃなきゃ無理? むり 相手への返答が、質問の一部を繰り返す端的な返事は魅力的に思える 人間失格の、 あたしが稼ぐのじゃだめ? だめ に通ずる愉快さがある。 文字の詰め込まれたページの中に大きな余白を作り出すから面白いんだろうか?
0投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログ躁鬱気質で過眠症の25歳の寧子。うまく生きていけないことへの悔しさや、自分に対して嫌気がさしててうんざりしてる気持ちとかがすごく伝わってきた。寝て起きてご飯食べて、社会に出て人間関係構築して恋愛して…って普通なことに思えて一番難しいよねと思った。自分はこんなにも感情を剥き出しにしてぶつかってるのに、相手は無気力で楽されてるって思うと余計苛々するところにすごく共感した。「担任が正面から見た新幹線に似ていて勉学に励む気にならないという理由で高校を中退しかけるような、就職活動を尻が半分出そうな丈のスカートをはいて回って全滅しているような、どこにいっても浮いてしまう女であるあたし」がちょっと面白かった。
6投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ映画が好きなので、原作も読むべく購入した トイレをぶっ壊した寧子と、抑えてるものがときどき爆発してしまう自分が重なって見えて、私だけじゃないんだなと 寧子のことをわかろうとしていた津奈木がいたこと、それだけで生きていけるなって感じた
3投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ「私」のことを何も気負うことなく好きになれて嫌いにもなれて、簡単に捨てられる。そんな他人が羨ましくて仕方がない。 私が苦しんでいるのと同じようにあなたにも一緒に苦しんでほしいと思ってしまうのは傲慢なのかな。
1投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログストーリーとしては大きな物語はないが、文体の面白さと鬱のリアルな心情が描かれていて良い作品だと思った。この感じの女性に出会ったことがあり、記憶が呼び起されてしまう。あの時、彼女の内側で起こっていた波が理解できて学びが多い一冊だった。
2投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ私はBPD?を持っているんですがこの小説はすごい共感するところがところどころありました。 私はメンヘラって言葉じゃなくてもう障害だと思ってます。実際に障害だったし私も過眠症って自分で言ってたので序盤でドキッとしました。あと、私はまだ中学生なのですが小学一年生の頃から主人公と同じような行動してました。小1の頃にいきなり担任にブチギレて罵詈雑言を吐きクラスのみんなに「しね!」発言を連発。椅子を頑張って持ち上げて殴りつけようとしてたらしくて初めて親から聞いた時は驚きました。すごい似てると思います。後小3の頃に書道バッグを忘れて学校のトイレを全て回って消臭ビーズの丸いやつを蓋開けて一つのトイレに全て流し込んだりしたこともあり、やってることが一緒すぎて大人になったらもっと酷くなるのだろうか、と思うと背筋が凍りついた感触がして痛かったです。メンヘラーってかわいいってイメージを持たれがちだし自称する人には30人ほど出会ってきたけど正直全員かわいいもんだし全員ばっちりメイクしててかわいい人だったけど私はめんどくさいから、とメイクもせず肥えていき本当に他のメンヘラーの方々はどういう風に生きているのって思います。後男性でよく「メンヘラってかわいい」とか言うやつは死んで欲しいです。彼女にしたらどうせ嫌がるくせに何がメンヘラ好きだよ消えろ。三奈木か忘れたけどこの小説に出てくるような男と付き合いたいです。これにもう少し共感力強めのイケメンが欲しい。なんだかんだこの男と出会えた主人公はとてもいい女だと思います。普通にこの奇行を許してくれるのは奇跡だと思います。生涯大切にしましょう。あとメンヘラかわいいじゃなくて「メンヘラってきしょ」とか言ってる男も消えて欲しいです。こっちよ悩み全く分からないくせに偏見で物語るな、って思います。そこももう少し詳しく小説で書いていたら嬉しかったです
2投稿日: 2025.03.21
powered by ブクログ「あたし」は「あたし」と一生別れることができない。そうなんだよ、寧子、分かるよ、私もそれが悩みなんだよ。
1投稿日: 2025.03.01
powered by ブクログちょっと苦しくなったけどいい本。 こういう子と付き合うには白身な性格のこの男みたいじゃなきゃだめなのかも。 この人の本もっと読んでみたい。
1投稿日: 2025.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的には結構好きだった。 私は躁鬱じゃないけどヒステリックなので共感部分が多かった。 だいぶ今は落ち着いたけど昔の自分を見てるみたいだった。 私が必死な分同じ温度感で返してほしいのもわかる。楽しようとしないで。 ただ津奈木と寧子はいいバランスだったのかもしれないなと思う。味が濃い部分、薄い部分いい感じに調和できればよかったのかな。私は津奈木よりもう少し濃いけど自分より薄い人がいいんだろうな〜 あたしはあたしと別れられない。本当にこんな自分1番嫌なのに止められない。酷いこと言いながら泣いてしまったり…不器用すぎてハグ。 お互いを分かち合うことを富嶽三十六景の北斎と富士山に例えるの文学って感じで本当に好き。
1投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ躁鬱による不安定な女性とその彼氏の生活を繊細にリアルに描いていて、共感よりも温かく見守りたいという感情がわきました。愛の形は人それぞれで、男性の主人公に対する美しいと感じた瞬間のエピソードも独特だなと思いました。淡々とした日常と感情の起伏が激しい主人公との対比が読んでいて心を揺さぶられました。
1投稿日: 2024.12.10
powered by ブクログ今読みたい気分のジャンルではないのだけど、本屋として機能しすぎている下北のヴィレヴァンで表紙に一目惚れしてしまい購入。あまりにもかわいすぎる… 自分に対して嫌気がさしたり病んでる時に読んだ方が刺さりそう(映画は周りと自分を比べてばかりいた学生時代に観た)。ヤスコと心の距離を大分感じたまま読み切った。どう頑張っても自分のことを認められない時にツナキみたいに傍にいてくれる自分とは真反対の存在は最大の愛かも。
1投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログヤンキーのオーナーたちとの隔たりが切ないんだけどなんかギャグっぽくも思えてあまり深刻になりすぎずそれがよかった。寧子が自分と津奈木との関係を葛飾北斎の絵の奇跡的1秒に喩えたくだりが良かった。多分、ピカソ展のあとのラーラリラーとラーラリヒーのくだりがこの二人にとって富嶽三十六景的瞬間だったんじゃないかと思う。人間なんて基本的にわかり合えないものだし、その一瞬があっただけでも元は取ったのではないかな。 あの明け方のの時間軸は素直に生き愛の後日談と捉えてよいか?別れたものだと思ってたけど津奈木と寧子があんな感じで続いてるのが嬉しかったし愛しいな〜と思った。
3投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログ主人公の感じている生きづらさみたいなものに少し共感できた。 人はみんな多かれ少なかれ生きづらさを抱えており、その生きづらさは死ぬまで捨てられないんだなと感じた。 この主人公はその生きづらさが肥大化しすぎてしまい、一人では抱え込めなくなってしまったのだろう。
1投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ-あたしはさ、あたしと別れられない。 鬱病、過眠症、メンヘラな寧子と、寡黙にごめんを繰り返す津奈木。寧子の逸脱した行動は共感できないが、本人も頭おかしいと感じていて苦しんでいることは理解してあげたい。 嫌がらせに苛立つ前に、嫌がらせの中身を客観視して分析しながらも、ちゃんとキレところがなんだか面白かった。真っ直ぐに生きられない人がいる、そして本人も苦しんでいること。自分の知らなかった世界があると知れた。
3投稿日: 2024.09.26
powered by ブクログ鬱からくる過眠症で悩む寧子の毎日は、まるで"生きてるだけで、苦しい"状態。自己コントロールが出来なくて、恋人の津奈木に当たってしまう。自我をさらけだし、他者へ理解を求める主人公に少し引きながらも羨ましいと思った。
3投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログ半日で一気に読んでしまった 分かるようで分からないような難しい本 何もかも嫌になる 真っ先に自分が嫌になる 環境が嫌になる 周りの人が嫌になる でも残るのは愛 自分が嫌でもそんな自分を愛してくれる人がいる 嬉しいけれど… 「あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生」
2投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログ僕の寝床の、枕元に積み上げた文庫本の中から薄めの一冊を抜き取った。 『生きてるだけで、愛』 再読しました。 程度の差こそはあれ、僕自身、何もかも嫌になってしまうことがある。僕に限ったことではないな、誰しもが、そうだろうな。其方にも、そんなことがありましょう。 「いま、なんで苛々してたんだっけ?」さて。 顛末を、いちいち紐解いたりしているうちに治ってくる場合もあるけれど、堂々巡りに堂々巡り、持て余すことだって数えきれないほどにある。 「自分の機嫌は自分でとる」 言うだけなら何とでも言えるさ。 もはや、そんな言葉じゃ片付けられないし。 寧子の言葉には、時折り泣かされた。 わかります。わかります。わかりますとも。 読書を続けてきたことで“共感できる自分”に気づいた僕は、なんとかこの位置に留まり続けることができている。きっかけをくれた、かの人のことを、僕は恩人と呼びたい。大げさかな。大げさくらいが、ちょうどいいかな。
10投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ素敵な装画に惹かれて。 25歳の寧子は恋人の津奈木と同棲して三年。過眠症でメンヘルなので、家に閉じこもっている。そんなある日、津奈木の元恋人が家にやってきてー…。 寧子の少しトゲのある語り口調に惹き込まれ、あっという間に読了。 寧子の自分の体が思い通りにならない気持ち、津奈木に対しての気持ちなど、今の私には共感できるところがたくさんあった。 人と人が分かり合うことは難しい。だから一瞬でも分かり合えたならそれはとても幸せなことなんじゃないだろうか。 映画化されているようなので映画も観てみたい。 ✎︎____________ あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。(p.107) 振り回すから。お願いだから楽しないでよ。(p.107)
17投稿日: 2024.06.10
powered by ブクログ友人に薦められてこの本を買った。その友人は寧子の「津奈木はいいなあ、私と別れられて。私は私と別れられない」というセリフに共感するという。自分と別れたいというのはつらい。 僕はメンヘラの寧子よりも津奈木にシンパシーを感じる。会話が最短で終わるような受け答えをする津奈木。相手に関心を持たない代わりに、相手の関心も拒む津奈木。ただ、寧子の気持ちも理解できなくはない。虐待を受けた子供が大人になってからも暴力的なパートナーを選んでしまうように、寧子もきっと誰かに受け入れられると、むしろ不安になるのだ。だから、何を言っても怒らない津奈木に苛々してもっと理不尽なことを言ってしまうし、バイトも上手くいきそうだったからこそ自分でぶち壊してしまう。 寧子の言葉でいちばんわかりみが強かったのは、「みんなと同じフリして紛れている」だった。僕もいつも自分が場違いな存在のような気がして、借りてきた猫みたいに自分がここにいていいのか自信がない。そして、そのことをみんなに見抜かれないように、必死に隠しながら生きている。どうしてみんな、自分がここにいて当然という顔をしているのだろう。それともやはり、仮面の下では不安を抱えているのだろうか。だから寧子を見ていると、「なんだ自分だけじゃないんだ」という気持ちがして、少しほっとする。
9投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ共感はできないが、理解はしたい。私は寧子に腹が立ってしまったが、寧子のような感情や精神状態が、私に1ミリもないとは言えない。「生きづらい」だって感じるし、どうして皆んなは普通にできることが自分にはできないんだろう?と思う事柄だってある。人に自分を見透かされている気がする感覚だってわかるし、人の善意に逃げ出したくなる気持ちもわかる。なにより、たった1人でいいから、自分の全部を心から肯定して欲しい、この欲だけには激しく共感。って、書きながら思ってたより共感してたことに気づいた。 「あたし、楽されると苛つくんだよ。あたしがこんだけあんたに感情ぶつけてるのに楽されるとね、元取れてないなぁって思っちゃうんだよね。あんたの選んでる言葉って結局あんたの気持ちじゃなくて、あたしを納得させるための言葉でしょ?」 「あたしを怒らせない一番の方法はね、とりあえずうなずいてやり過ごすんじゃないから。あたしが頭使って言葉並べてんのと同じくらい謝罪の言葉考えて、あたしがエネルギー使ってんのと同じくらい振り回されろってことなんだよね」 「あたしと同じだけあたしに疲れてほしいってのはさ、やっぱ依存?」 「別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。いいなぁ津奈木。あたしと別れられて、いいなぁ」
27投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分のメンタルが比較的安定しているからか、主人公の気持ちはよくわからないし、津奈木は振り回されて大変だなと思った。 あとなんでそんなにすぐ同棲するんだ……
2投稿日: 2024.04.21
powered by ブクログ主人公はほぼ私である。 20の頃から鬱→躁鬱になり、不眠と過眠をさまよった自分。あと2週間で誕生日を迎え、25になるタイミングでこの本を完読するのはタイミングが良すぎた。 主人公ほど激しい躁状態は感じたことないけど、自分が頭おかしいって思ったり、いつ良くなるのか分からないのも、バイトが続かない時期があったのも全部分かる、でも1個だけ違うのは私にはこんな彼氏はいなかった。いても病気のことは隠していたし、ここまで感情をぶつけられる(ぶつけざるを得ないのかもしれないが)相手がいることは素直に羨ましい。
8投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みやすかった。 一日で読んだ。 自分とは全く違う性格かつ 周りにもいないタイプの人。 躁鬱に悩むと辛いだろうなと思う。 それを見守るつなきがすごい。 そしてつなぎがお金も全部出して養ってくれるモテもすごい。
2投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログこの本の主人公のような一面って、誰でも持ち合わせていると思う。その程度の差かなと。 (自分は津奈木さんタイプの人間です。) 余談だけど、本編じゃない「あの明け方の」の舞台は自分が今住んでる所に程近いところで情景が浮かんできて面白かった、、
10投稿日: 2024.03.26
powered by ブクログいまはちょっと距離を置いて読むことができない、ああそうじゃないんだと思いながらもままならない身体が苦しい、それから奈津木があまりにもフィクショナルな存在だと思った。
1投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブレーカーが落ちてボロボロ涙が出てくることとか、ウォシュレットの話でダメになっちゃうこととか、時計を見て時間に絶望することとか わたしってなんだったのかな わたしもこの先ずっと頭がおかしいのかな こわい 自分をもっとわかってほしいとか、わたしと同じ熱量を持ってほしいとか、そういうのを求めてしまう どんなにがんばって普通になりたくても、普通の人じゃない瞬間に心が崩れそうになる どうしたらいいんだろう
1投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログえぇ、最近好みの本引きすぎでは… とても好き…これに関しては主人公が同い年なのも少しあるかもしれない。 そして巻末の解説が詳しく、言いたいこともほぼ全て含まれてるから感想が書きづらい…笑 なんだか濃い小説だったなぁ。好きな表現目白押し。(時々会う、ずっと笑顔で話を聞けちゃう友達みたいな感じの) 劇作家の方の小説、と改めて言われるととても納得だった。 ひとにおすすめしたい、とはまた違うけど、大事にもう一度読みたい。
161投稿日: 2023.12.22
powered by ブクログすごいよかった。 過眠症で鬱と躁を繰り返す主人公。 彼の優しさで生き延びてる感じだけど、2人の世界がしっかりあるんだなあ。 2人が穏やかに暮らせますように。
10投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログ『ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?雨降っただけで死にたくなるって、生き物としてさ、たぶんすごく間違ってるよね?』 厚生労働省の調査によると、1999年に204万人だった”うつ病等の気分障害”の患者数は、2023年には320万人と大きく増えているようです。全世界では3億2000万人を超えるというその患者数。人口が増え続けていることを加味してもその疾患の多さには驚きます。 『鬱』の期間、外に出ることもままならず、二十日間以上も自室に閉じこもるという日々の中ではさまざまな感情も渦巻いてくるのだと思います。 さてここに、『最近は鬱なんて言葉じゃ重いってことで「メンヘル」なんてかわいい呼び方をされてるけど、早い話が精神的に浮き沈みの激しい毎日を送っていますというわけだ』と語る一人の女性が主人公となる物語があります。『そういえば母は雨が降ると一日中部屋から出てこない人だった』と振り返る女性は『あたしも今は雨が降ると、ベッドからどうしても動けない』と続けます。この作品は、そんな女性が『セックスに持ち込んでそのままずるずる転がり込んだ』先の男性と同棲する物語。そんな女性の危うい日常を見る物語。そしてそれは、『きっとあたしにはあたしの別の富士山がどこかにあるってことなんだろう』と北斎の「富嶽百景」に思いを馳せる物語です。 『女子高生の頃、なんとなく学校生活がかったるいという理由で体中に生えてるあらゆる毛を剃ってみたことがある。髪の毛、眉毛、脇毛、陰毛。まつげと鼻毛はさすがに無理だった』というのは主人公の板垣寧子(いたがき やすこ)。『親には泣かれたし、先生には怒られたし、友達には心配されたり見て見ぬふりをされたし、狂ってるとまで言われちゃった』という寧子は『浮きまくった女子高生』だった過去を振り返る中に『テレビの電源を切』ると『ここ二十日間で』観たテレビ番組を思い出します。そんな中に『唯一よく覚えているのはあれだ』と、『葛飾北斎の「富嶽三十六景」について追究する番組』を思い出す寧子は『五千分の一秒のシャッタースピードで撮った写真が画の構図と寸分違わなくて奇跡!』という内容に『きっと「ザッパーン!」の瞬間は北斎にとって脳細胞がしびれるくらい強烈で鮮烈な刺激だったのだ』と思います。そんな寧子は、『一ヶ月前、バイト先のスーパーで』『男に気安くデートに誘われて、「こんな冴えないやつにすらなんとかなるかもと思われてるんだ」と思った瞬間から、鬱に入』りました。一方で、『その男のことが好きだったとかいう総務部の獅子唐の素揚げみたいな女』から睨まれ、『何もかもが嫌に』なる中に怒鳴ったことで『バイトをクビにな』りました。そんな時、『寧子、起きてる?』と同棲相手の津奈木に声をかけられます。三年前、バイト先の『女子が開いたコンパ』で知り合い、『セックスに持ち込んでそのままずるずる転がり込んだ』津奈木のマンションで『精神的に浮き沈みの激しい毎日を送っている』寧子は、『枕元の時計』を見て、寝てから十七時間半が経過していることに気づきます。『過眠。メンヘル。二十五歳』という寧子は、『過眠症の人間達が集う掲示板に「今日も起きられませんでした。十七時間半爆睡!鬱継続中でーす。死にたいぴょん(^O^)/」と書き込んでから、ベッドを抜け出します。『こたつの上の至るところに何か食べ物のカスらしきものがこびりついているし、部屋のあちこちにこの二十日間で新しく増えた本が積み上げてある』という居間を見て『何。あんた、部屋片づける時間とかないの』と言う寧子に『うん、今ちょっと忙しくて』と返す津奈木。そんな津奈木に『「あたし、今鬱だから」と言うと、津奈木は「うん」とだけ返事をしてこっちを見』ません。そして、『どっち食べたい?』と津奈木が買ってきた『牛丼とやきそば』を見せられた寧子は牛丼を選び電子レンジに入れます。次の瞬間、『何かが弾けるような衝撃があって突然視界がまっくらにな』り『なんでコタツ消さないの?』と怒鳴る寧子に『ごめん』と謝る津奈木はブレーカーを入れました。再び『あたためキーを押』したものの途中で『まだ全然温まっていない牛丼を中から取り出』した寧子。『特にこれが食べたかったわけでもないので、まあいいや冷たくてもという妥協』を選ぶ寧子。『自分という女は、妥協におっぱいがついて歩いているみたいなところがあって、津奈木と付き合ったのも当然のように妥協だった』と今の生活を思う寧子。そんな寧子の『メンヘル』な日常が描かれていきます。 “あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが…誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい’愛’の姿”と内容紹介にうたわれるこの作品。第135回芥川賞の候補作となり、2018年には、趣里さん、菅田将暉さん主演で映画化もされています。 そんなこの作品は兎にも角にも”キョーレツ!”です。”強烈”ではなくて”キョーレツ!”という書き方そのまんまにかっ飛んでいます。その理由はこの作品は全編にわたって『過眠。メンヘル。二十五歳』と自分のことを説明する主人公・板垣寧子の完全一人称視点で展開していくからです。では、そんな”キョーレツ!”な表現を幾つかご紹介しましょう。 まずは、『寝過ぎたせいで頭痛が地味に辛い』という『過眠症』の寧子の『十七時間半爆睡』から起き掛けの心持ちを見てみましょう。 『うめきながらバファリンを炭酸の抜けたコーラで飲んだあと、グラスをよく見ると黒い液体の表面にはリップクリームから溶け出した脂がテラテラ光って浮いていて、それだけで真冬の川に飛び込みたくなるほど気が滅入った』。 寧子はそんな滅入る気分をこんな思いにぶつけます。 『ああ、あたしの鼻からはがした毛穴パックを誰かに突き付けて不快な思いをさせてやりたい』。 しかし、次の瞬間にはこんな風に納得します。 『でももう三日も風呂に入ってないのは誰に抱かれるわけじゃなし、まあいい』。 あくまでも寧子の内心であって寧子がこんなことを考えているなんて誰にも分かりませんし、誰に迷惑をかけているわけでもありません。しかし、作品は全編にわたってそんな寧子の内面が吐露され続けるわけで、それは読者の心に直に飛び込んでくるとも言えます。これは、”キョーレツ!”です。そんな寧子は『鬱』状態にあります。つまり、読者は『鬱』状態の寧子の心の内を見ることができるとも言えます。さまざまに思いを深める寧子の表現を抜き出してみます。そこには『死』を希求する寧子の危うい姿が垣間見えもします。 ・『みそ汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減死のうと思ったが、床に置いてあった段ボールの中にマロニーが入っていたのを発見し、ぎりぎりで持ち直した』。 ・『ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ?雨降っただけで死にたくなるって、生き物としてさ、たぶんすごく間違ってるよね?』 さらに次の表現では壊れていく寧子の内面が見えるようで思わず言葉を失います。『すでに溶けて凍結しつつあるスケートリンク状の道路を』一人歩く寧子…という場面です。 『ロマンチックな雪のイメージにはほど遠い、その野蛮で暴力的な音に合わせて、死ね、死ね、死ね、死ね、と一歩ずつ口の中で呟いてみる。なんで、自分が、こんなに、馬鹿みたいに、寝るのか、誰か、納得いく、説明を、しろ』。 独特な読点の打ち方によって、文章を読んでいても寧子の心の声が聞こえてくるようにリアルに文字を刻んでいきます。 『あれだけ、寝て、まだ、眠いって、あと、どれだけ、人生を、無駄に、することに、なるんだ』。 いかがでしょうか。私が読んできた作家さんの中では金原ひとみさんが描かれる世界に近いものを感じますが、自分ではどうにも抑えられないマイナス感情の渦巻きの中に読者を捉えて離さないこの作品世界。さまざまな思いが去来する作品でもあると思いました。 そして、この作品でもう一つ忘れてはならないのが、どこかで見たことがある、と言うより知らない人などいないであろう葛飾北斎さん「富嶽百景」の「神奈川沖浪裏」の有名な版画がピンク地で描かれているところです。よく見ると富士山の上空にハートのマークが二つ描かれているのがピンク地と合間ってなんだか可愛らしさを演出してもいます。どうしてこの版画がドーンと表紙になっているのか?それは、作品冒頭間もなくに寧子が見たテレビ番組の記憶として印象的に語られていくからです。寧子はその版画のイメージが現代科学で検証されていくのを耳にします。 『五千分の一秒のシャッタースピードで撮った写真が画の構図と寸分違わなくて奇跡!』 しかし、そんな説明を聞いても『ただの偶然って言葉で片付けてしまうにはあまりにも一致しすぎていて、とりあえずあたしはそこに説明できない何かがあったんだと思わずにはいられない』と考えいく寧子。そんな寧子は彼女らしい表現でこんな風にその感覚を描写します。 『きっと「ザッパーン!」の瞬間は北斎にとって脳細胞がしびれるくらい強烈で鮮烈な刺激だったのだ。ドーパミンがドバドバあふれてきちゃって、本当なら見えるはずのない光景がビガーッと脳裏に焼き付いたに違いない』。 この表現の独特さは『鬱』状態にある寧子の中に深く刻みつけられてもいます。そして、そんな場面を読む読者にも鮮烈に刻まれるものでもあります。そんな版画をピンク地で大胆に表紙に表現するこの作品。これはすごいです。 そして、そんなこの作品は上記した「富嶽百景」に付された二つのハートマークが象徴するように”恋愛物語”という側面でも見ることができます。三年前、コンパで『隣の席に偶然座ったのが眼鏡をかけてぼんやりしたこの男だった』という津奈木とある意味運命の出会いを果たした寧子は、当初『この男と付き合うことはねえな』と思い、二人の違いをこんな風に形容します。 『担任が正面から見た新幹線に似ていて勉学に励む気にならないという理由で高校を中退しかけるような、就職活動を尻が半分出そうな丈のスカートをはいて回って全滅しているような、どこにいっても浮いてしまう女』→ 寧子 『見るからに静かな場所を好むであろう草食動物』 → 津奈木 なんだか強烈至極な表現ですが、二人の違いがよくわかります。しかし、津奈木の部屋へと強引に上がり込み、『セックスを無理矢理迫った』先に『行くところがない』と寧子は居座り始めて三年が経過します。物語はそんな好対象な二人が同棲する日々を描いていきます。しかし、『恋愛っぽいことをしていたと思える時期は確かにあった』と寧子が過去を振り返る通り、そこに描かれていくのは、どうして津奈木が寧子のような”キョーレツ!”な女性との暮らしを捨てないのか、どこかお互いの存在を意識し合う関係性が継続していくのか、この不思議感が読者を物語に引きつけてやみません。そして、”キョーレツ!”な印象そのままに、物語はその勢いを一切失うことのない中に幕を下ろします。強烈な余韻を残すその結末に「生きてるだけで、愛」というインパクトある書名に込められた本谷さんの思いを強く感じました。 『地面を踏んでいるはずなのに足下には何もなくて、そもそもあたしの周りには触れるようなものが一切なくて、自分は何にもつながってないんじゃないかと甘っちょろい妄想で押しつぶされそうになるのだ』。 そんな不安感に苛まれ、『鬱』と共に生きる主人公・寧子の視点で描かれたこの作品。そこには、”恋愛物語”の一つの姿が見え隠れする中にさまざまに思いを深めていく寧子の姿が描かれていました。”キョーレツ!”な表現の頻出にインパクト最大級なこの作品。有名な「富嶽百景」のイメージが上書きされそうにもなるこの作品。 あまりにかっ飛んだ感覚世界の描写の中に、『鬱』という言葉がどこまでも重く響く、そんな作品でした。
191投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ鬱だー、とか簡単に言っちゃうのはとても怖い事だと。 雨の日はベットから起き上がれなかったり、人の話が人一倍気になってしまったり、 人の感情に敏感で、自分の感情に鈍感な主人公のお話だと思う。 「いいな私と別れられて」その言葉に全て詰まってる気がした 主人公が見えてる世界は何色なんだろうか、と読みながら考えた
8投稿日: 2023.08.14
powered by ブクログ躁鬱病のヒロインのままならない日常と葛藤を描く。 自分のことは自分が一番嫌いで知りたくもない、というメンヘラの根幹にある苦痛が鮮やかに描写されている。この作品が沁みてしまう自分もまたメンヘラなのだ。津奈木ぃ〜助けてくれ〜。
4投稿日: 2023.05.21
powered by ブクログなかなかに主人公が強烈で自分がこの主人公と知り合ったらなんだこいつってなってしまうかもしれない、けれど、イタリアンの人達の悪気のない言葉のナイフの気持ちはもの凄いわかるし、決めつけんなよと思う。 でも、悪気ないのは凄くわかるんだ。 主人公もそういう気持ちだったと思うんだけど、どうしたらいいんだろうって言葉がよぎりまくった。 自分は自分と別れられないって言葉が強烈で、あ、だから死を選ぶ人がいるのかもなと思いました。
4投稿日: 2023.05.05
powered by ブクログ普通の人と同じようにできない辛さとか、辞めるためにバイト始めてるわけじゃないみたいなところに共感して読んでた。 自分とは別れられないから、津奈木に対して「いいなぁ、私と別れられて」みたいな発言が出てくるのは苦しかった。 自分の中では当たり前の感情が他人に受け入れてもらえなくて、それは変だよって決めつけられるのすごい嫌。
6投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ言葉選びや比喩が最高におもしろいです。 よくあるようなの恋愛小説とは違う、不器用な愛の形に感動しました。 生きるって、愛だ。
19投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログ自分とは別れられないって言葉、すごくすごく痛かった。 自分で自分がおかしいとか自覚があるにもかかわらずどうしようも無い躁鬱の衝動に駆られるのってすごく可哀想になった。切なかった。
3投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログメンタルが不安定な主人公。 人間の感情なんて不安定で揺らぎがあって、急に沸点まで登って。そんなぐちゃぐちゃなもんだよな。 最後の文章が頭に残った。 『クビになるためにバイトするわけじゃないし、眠るために起きるわけじゃないし、別れるために恋愛するわけじゃないし、またあとで鬱になるために立ち直るわけじゃない。 そんな結果どうなるかなんて考えて行動して、生きてみて、やれることやってみたって結果はお察し。 でもその渦中にいるんだからなんとか動いてみるしかないんだよな。 「いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ」』 トイレを破壊するヒステリックな行動なんて客観視したらやべぇやつでしかないが、自分で考えてることがどれだけあって、どんな文脈でその行動を起こしたか。結局自己完結の渦にみんないるんだろうな。人は分かり合えない。そんなことを考えた。
1投稿日: 2022.12.26
powered by ブクログ何度読んでも20ページの「色気は生活に負ける」の一文の破壊力に圧倒される。わたしはこの文章を聞くためにこの本を定期的に読んでいるのかと思うほど。そう言えばしばらく前に映画も観たな。趣里が主演であまりにも適任だと思った。 たいして難しくもない献立を考えて材料を買いに行ったスーパーで突然どの種類の何を買えばいいかわからなくなってパニックに陥ったり、突然過去のことがフラッシュバックして詳細まで全部思い出して言葉にしないといけないような感覚になったり、帰宅後に味噌汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減もう死のうと思った直後にマロニーを発見してギリギリで持ち直したり、幸せそうな地に足のついた人々と交流してもしかして今回はここでいけるかもと思った直後に情緒が暴走して手に追えなくなってやっぱり無理と全部放り投げて逃げ出したり。酔っ払ってバイト先のトイレを破壊したことはないけど酔っ払って合宿所の風呂を破壊したことはあったな。同じように不安定で自滅的な生き方しかできない男と共依存的に付き合っていた時期もあった。寧子の奇行の数々は程度の差こそあれわたし自身も身に覚えにあることがあまりにも多くて苦しくなるから目をそらしたくなるんだけど、そらすわけにもいかず、なんでだろう、でも結局そらせず、毎回最後まで読んでしまう。 たったひとつ寧子とわたしを隔てるものがあるとするなら、そういう鬱的な状況に陥りそうになったときにどうしたら立て直せるかが今までの経験上なんとなくわかっていて、それを本当にやばくなる直前に「しよう」と毎回必ず思うということだけだと思う。可能ならそういう最終段階的なところまでは落ちたくないと根底では思っているからそうならないために重い腰を上げなきゃいけないという謎の使命感がわたしの中にはずっとある。過去を振り返ってみるとわたし以上に寧子に近い行動・思考パターンをする人間が身の回りにいたから、それを間近で見てきたからかもしれない。 『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』も近々読もうと思ったけど、やっぱりもう少し先でいいな。次はなんか現実的な本読もう。
6投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログ主人公に完全に共感した訳ではないがこの主人公を「ただのヤベー奴じゃん笑」としか言えない人は嫌いになる
2投稿日: 2022.09.26
powered by ブクログメンヘラではないけれど、共感できるところも。 自分が向き合いたい相手って、 相手も、必死に向き合ってくれることを望むんだよな。 以下、好きな部分。 上野の森美術館にピカソ展を観に行って「ラーラリラーって感じだね」ってコメントした時、「ラーラリヒーって感じだと思う」と真顔で返されて、あたしは死ぬほど嬉しかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだったけど、あれが恋愛じゃなかったらあたしは恋愛を知らない。
2投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ通販で注文して、気に留めていなかったページ数、本の薄さを見て愕然。(当人のミスだが…) そしてフォルムに比例するようにコンテンツも… 残念ながら、終始気に留まる点はなかった。
1投稿日: 2022.04.18
powered by ブクログ2022年4月1日読了。 ・ 鬱症状と多眠症を拗らせまくりの25歳『板垣寧子』 人数合わせとして参加した合コンで知り合った『津奈木景』のアパートに転がり込むようにして始まった同棲も3年。 寧子は家事も仕事も出来ず、寝てばかりで引きこもりの日々。 このままではいけないと焦りながらも、自分自身をコントロールする事が出来ずイライラが募り、毎度毎度何に対して怒っているのかも分からないまま津奈木に強く当たり散らしてしまう。 発行部数の少ないゴシップ雑誌ながらも編集長として働く津奈木は、多忙な日々の中でそんな寧子の言動を疎ましがる事も干渉する事もなく過ごしていた。 最早、お互いに何故一緒にいるのかも分からないような毎日を送る中で、突如、アパートに現れた津奈木の元カノ『安堂』 津奈木との復縁を望む安堂は、邪魔な寧子を追い出そうと執拗に迫ってくる。 寧子は出ていくにも金も仕事もないと抵抗するが、安堂に無理矢理にレストランでアルバイトをさせられる事に。 そこで出会った優しいスタッフ達となんとかやっていけると思った寧子だったが‥‥。 ・ ・ 初読みの作家、本谷有希子さん。 何がきっかけだったか忘れてしまったが、何冊か購入した中の一冊。 内容に関しては‥‥うーん、自分が読んでも共感出来る部分は無かった。 寧子ほど突拍子も無い症状の人がいるのかは分からないが、同じような症状で悩みを抱える人には考えさせられる作品なのかもしれない。 寧子はコントロールする事の出来ない自分の言動に悩んでいたが(思ってもいない事を言ってしまったり、全身の毛を全て剃ってしまったり、 トイレを破壊したり) やりたいと思っても自制心が働いて我慢する人間からすれば、捉え方によっては自分に素直に生きる良い生き方と言えなくもない気がした。 でも、やはり自分もその状態なら悩んでしまうとは思うが。 文章に関しては、何とも『ジャンクな感じ』 ジャンクと言っても悪い意味ではなく、荒々しいというか粗暴というか力強さを感じる。 きっと他の作品もこの感じの文章なんじゃないかと推測するけど、嫌いじゃないので何冊か待機している著者の本を楽しみにしたい。 ・ 映画化もされていたので鑑賞済み。 原作を読んでからの映像作品はガッカリする事が多いが、この作品に関しては映画の方が好きでした。 やはり文章だけでは感じ取りづらかった部分も、演技によって理解し易く感じた。 原作に忠実でありながら、オリジナル要素も含まれていて映画として楽しめた。 原作では我の一切無い男のように描かれていた津奈木だが、映画では菅田将暉が演じる津奈木の感情の起伏が描かれていて、そこには共感出来る部分もあった。 趣里が演じる寧子も鬼気迫るものがあり、狂気すら感じる演技だった。
5投稿日: 2022.04.05
powered by ブクログ知人に勧められて読んだ。初めて唯川恵を読んだときのような?これは男はあんまり好きじゃないような気がする。女の子のともすれば理不尽な部分を女の子の目線で男っぽく書いてるというか、なんかはなにつくような? んー、個人的には嫌いではないけど、何冊も読むほどではないな
1投稿日: 2022.01.12
powered by ブクログ映画がよかったので。映画の寧子よりもだいぶ饒舌な感じだったので(まあ一人称の文章だからそれはそうなのだが)違う雰囲気だった。映画が非常にうまく肉付けされてる作品であることがわかった。 本谷有希子の本はおそらく初めてだった。他のも読んでみよう。
1投稿日: 2021.12.23
powered by ブクログ今までに読んだことのない重く感じた話でした。 ものすごく主人公の感情に揺さぶられました。 映画観てみたいです。
1投稿日: 2021.11.28
powered by ブクログ「あんたのDNAはあんたの代で絶やした方がいい」 寧子の母親が寧子に対して言った言葉で、 毒親とかそういうのは置いといて、 自分が自分に対してよく思ってたことで、 他人がごく自然に子供を授かって それが3人とかだったりして 自分の遺伝子が受け継がれることに対して大きな 不安がない、それくらい基本的な能力のある人が 羨ましいと思っていて 寧子がウォシュレットの件で誰にも共感されなくて暴れてしまったことでもそうだけど、 自分が不安なことを他人は何も思ってない、 その寂しさというか、ひとりぼっち感に 共感しました。 主人公の主観でずっとお話が進められていて、 尚且つ主人公のまとまりのない思考回路が つらつらと書かれているところが好きです 津奈木へのモラハラ的行動もなんか 分かる気がする
3投稿日: 2021.11.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生きることが面倒臭い、生活も全て雑になる あ、自分周りに馴染めてるかも、って思っても 結局は馴染めてないし、理解してもらえない そんな主人公の息苦しさ生きづらさが押し付けられた 5千分の1秒しか分かり合えないそんな愛の形も素敵だと思った 「あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。」 「あたしと別れられていいなあ」
3投稿日: 2021.10.01
powered by ブクログルミネカードの審査が通らない件が大好き。 実はこういう生き方に憧れてるのかも。エキセントリックというか、自分の欲に忠実。 いや、忠実な方だけど、たぶん突き抜けたいのかも
1投稿日: 2021.08.27
powered by ブクログ津奈木くんのような、私が「手応えの無い人」と表現したくなる男性は、寧子のような女性と相性が悪いのか、はたまた良すぎるのか。 思い通りにいかない具合が絶妙で、すごくのめり込んでしまうの、わかる〜〜〜〜!! 映画を観てすごく好きだったので、原作を読んでみたけど、本当に面白かった。
1投稿日: 2021.08.10
powered by ブクログ人生って、テーマとか、やりがいとか、そんなものがなくったって別にいいんじゃないだろうか。あればなお、とってもいい。でも、必ずしも持ち合わせていなくても、いい。 特に現代は、だれもに何者かになれる可能性があって、だれもがうっすらとしたプレッシャーを感じているような気がする。 いいんだよ、別に。『生きてるだけで、愛。』だよ。 --------- 持病の過眠症のことを調べていて、この本にたどりつきました。それからずっと、お守りのような存在の作品です。 まず、冒頭からの畳み掛けるような語り口が良い。この間、映画も初めて観てみたけれど、揺れるブルーのスカートが「映像」としての美しさを引き立てていました。 「自分は自分と別れられない。あなたは私と別れられていいな」というような台詞が、このお話のすべてを内包している気がします。 大縄跳びに混ざるのが苦手な人に、おすすめです。
2投稿日: 2021.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
鬱病の寧子とその彼氏津奈木、そしてその元カノ安堂。 寧子ほどではないにしても、自分が想っているのと同じぐらい自分を想ってほしい気持ちとか、何を返されてもイライラが募ってしまう気持ちとか、すごくよくわかった。私の中に、確実に寧子はいる。 五千分の一秒をどうか心に刻んでね。
2投稿日: 2021.07.04
powered by ブクログとってもしんどい。先に映画を観てたのですが、原作は寧子のお話でした。 あたしと同じくらいあたしに疲れてほしい、とか、あたしはさ、あたしと別れられないんだよね一生。いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ、みたいな寧子の言葉は心にダイレクトに突き刺さってきます。 わたしも穏やかに生きていたいけれど、時折、どうにもよくわからないキレ方をする時があって、その後自己嫌悪で地の果てまで落ち込むので寧子の叫びが他人事じゃないです。 津奈木が寧子といた理由が、意味がわからないきれいなものがまた見たいと思ったから、というの素敵だなって思いました。よく分からないけどいい。 「でもお前のこと、ちゃんと分かりたかったよ」という津奈木の言葉、ここで終わりのようにも思えたので、次にあった短編『あの明け方の』で一緒にいたので嬉しくなりました。
4投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログ映画を観た後に読んだ。 あとがきに書いてあった演劇的な人物と小説的な人物っていう評価がなるほどなと思った。演劇をそこまで知らないからこそ新鮮な小説体験だったのはそういうことか、みたいな。
1投稿日: 2021.01.25
powered by ブクログドラマチックだった。 世間一般的な幸福な場所で全員が全員幸せになれるわけではなくて、その人にはその人の適する場所があるんだよな… こんな風に誰にも理解されない生き方がしたかった、理性や尊厳が微塵もない衝動だけの恋愛がしたかった
1投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログ再読。自分自身が鬱期に入ると読みたくなる。 自分とさよならしたい時に読むとさよならできないってことがちゃんと受け止められる気がして…。 自分にとってとても大切な本。 過眠、メンヘル、25歳の寧子はコンパで出会った男津奈木景と同棲して3年になる。そこへ景の元カノだと言う高飛車な女安堂が現れ寧子に自立を迫る。 一度は普通に生きていけるかもと思う寧子だったがちょっとしたことからまた壊れてしまう。 ねえ、あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ? あんたがさ別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。 いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ。
1投稿日: 2020.12.26
powered by ブクログ面白かった。私も味濃いから薄味の人といっしよになってちょうど良くなりたい。 私も鬱だから分かるけどここまでじゃないし、ここまでの人いるのかなともなっちゃうけど私もなりそうではあるので不安ですね
2投稿日: 2020.11.25
powered by ブクログ”「あたし」は「あたし」と一生別れることはできない。“ 自分に振り回される苦しみの感覚が手にとるように感じられ...共感できるものの救いはあまりないので、引きづられて、一筋に光は見えるとはいえ真っ暗な暗闇に取り残されたような暗い気持ちになってしまいました...
2投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログうーん、ようわからん。躁鬱で過眠症の女性の奇行の数々を綴った物語。著者の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の登場人物とちょっと似てる気もするが、『腑抜けども~』の方がシュールでブラックユーモア的なおかしみがあった。こちらは読んでても「どないせえっちゅうねん」としか思わない。自分で自分がコントロールできないもどかしさ、苦悩のようなものは伝わるけど、物語としてはあまり面白くない。しかし『生きてるだけで、愛』というタイトルは素敵。これも意味はよくわからないけど。
1投稿日: 2020.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分のことって実はなにもわかってない。そんな自分を他人に理解してもらうことっていうのは、ほとんど奇跡的なことで、「わかってもらえた」って思えるのもほんの一瞬。 生きてるだけで疲れてる主人公が、よくも悪くも味のない恋人に言った言葉。 あたしはあたしと別れられない。どんなに自分を生きることに疲弊しても、自分を生きていくしかない。自分から解放されることは、生きることを放棄することだ。だから、どんなに疲れても「あたし」は「あたし」と別れられない。そんな苦痛を、分かってほしい、理解されたい。だけど、自分自身のことさえ何もわからないんだから、誰かにわかってもらうなんて、無理な話。せいぜい、五千分の一秒。 自分自身を理解することも、それを言語化して誰かに理解してもらうことも、本来とんでもなく難しいことなんだと思う。誰かに分かってもらいたい、全部全部、理解してもらいたいけど、誰かとといういう関係性を築くことは、想像をはるかに上回るレベルで難しいんだと思う。
1投稿日: 2020.06.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画を見て死ぬほど感動したので原作を購入してみた。原作と映画だと細かいニュアンスが少し違っていて、私は映画の方が好きだったかな。 ほんと、人間失格と同じかそれ以上に私自身を表す小説はないんじゃないかってくらい、すとんと心に入ってくる表現ばかり。溢れる想いは映画のレビューに書いたからここでは省くけど。 ただ、映画では北斎の映画の件がなかった気がするんだけど、それがすごく残念。 「あたしがあんたとつながってたと思える瞬間五千分の一秒でいいよもう」
2投稿日: 2020.06.05
powered by ブクログ「腑抜けども悲しみの愛を見せろ」と比べて軽いタッチだなと思った。表題作では葛飾北斎の『富嶽三十六景』を引き合いにして寧子は「あたしがあんたとつながってたと思える瞬間、五千分の一秒でいいよもう」と言う。寧子も津奈木も本当なら五千分の一秒ではなくわかりあいたかったとお互いが思うのに、それは不可能なことですれ違うことの、愛。個人的に映画の方が好きかもしれない。寧子役の趣里が素晴らしかった。
1投稿日: 2020.04.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ただただ心が揺さぶられた作品。 恋愛小説?そんな事ない。 「いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ。」 人はは自分と別れることが出来ない、ずっと向き合わなきゃいけないんだ。 そんな現実をこの作品は教えてくれる。 人間の不器用さが溢れているこの作品は、賛否両論出てくるのかもしれない。 ただ一つ言えることは、私はこの作品が好きだってことだ。
3投稿日: 2020.03.19
powered by ブクログ鬱、仮眠。躁鬱、双極性障害。季節性感情障害。 主人公、寧子と同じような症状に悩まされていた私は、出会うべくしてこの本に出会った、気がする。 作者も鬱を経験したことがあるんじゃないかと思うほど、感情表現がリアルで、「わかる」の連鎖だった。しかし、主人公と自分を重ねて読めば読むほど、スッキリするエンディング、鬱は治る、社会復帰できる、恋人と上手くいく日々、なんてのを望んでしまう。そして思うままの結末でなくて絶望する、 私も五千分の一秒でいいから誰かとつながりたい。
1投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ本谷さんの書くものが思いの外はまったので。面倒臭い女をかかせたらピカイチじゃないかと勝手に思っているのだが。寧子の律儀に揚げ足をとるくせに、妙なところで雑な感じは鬱であろうとなかろうと、面倒な女だな。生きた年代というのがその作風ににじみ出るのであれば、確かに自分はこの人と同じ年代を生きている。だからこそわかる面倒臭さと投げやりさ。あの頃メンヘラなんて言葉は市民権を得ていなかっただろうし、鬱=ダメな人っぽいレッテルは貼られていたし。足掻こうとして蟻地獄にますますはまっていく間抜けさは心当たりがある。
1投稿日: 2019.10.27
powered by ブクログわかる、と言うのが憚れるくらいわかる。 これをここまで客観的に書けるなんて、 本谷有希子という人はどんだけ自分をフラットに見られるんだろう、すごい。 解説を読んでもっと分かる。 卵の黄身と黄身がぶつかるような人との交わりが欲しい、 分かる、それや。 そいでそれってほとんどできないから、辛いし悲しい。 でもしたい。 欲望は持つとツライ。 でもそれでも、今の私は持ってる方がいいって思ってる。 明るい努力ができるときばかりじゃないだろう。 欲望するだけで、欲望が自分ができることを追い越してしまうことばかりだ。 欲望を持った自分を責めたりもする。 そこまでしかできないお前には、そんな欲望は不相応だと。 あたしはこの解決方法を知らない。 楽になるには、振り切れるしかないのだ。
1投稿日: 2019.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
躁鬱病の女の子の話。すごい勢いで頭の中を吐き出している。テンポがはやく、展開は少ないのだけと、吐き出される頭の中がおもしろく、わかるわかるって気持ちもあり、あっと言う間に読み終えた。 対照的な津奈木の静けさが怖く感じたけど、本当に懐の深い人だったんだ。 (映画を見た)内容をほとんど忘れていたけど、確か暗い話だったよなーっていう印象だけ。でも、自分の感想見直すとそうでもなかった。そして、映画、すごくよかった!見終わって、なんだか心が救われた。趣里ちゃんと菅田君の演技が本当によい。二人のインタビューで、ラストは話し合って、脚本と変えた、セリフを減らした、とのことだった。もう一度原作読みたい。
1投稿日: 2019.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2019.5.31 脱衣所にあふれていた衣類を無理に押し込んで洗濯機を回したあと、みそ汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減死のうと思ったが、床に置いてあった段ボールの中にマロニーが入っていたのを発見し、ぎりぎりで持ち直した。 上野の森美術館にピカソ展を観に行って「ラーラリラーって感じだね」ってコメントした時、「ラーラーリヒーって感じだと思う」と真顔で返されて、私は死ぬほど嬉しかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだったけどらあれが恋愛じゃなかったからあたしは恋愛を知らない。 「あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。うちの母親は今でも多分雨降ったら寝てると思うし、あたしだってこんなふうに生まれちゃったんだから死ぬまでずっとこんな感じで、それはもうあきらめるしかないんだよね?あきらめなきゃ駄目なんだよね?いいなぁ津奈木。あたしと別れられて、いいなぁ。」
2投稿日: 2019.06.03
powered by ブクログかなり自分に投影しながら読んでしまった。 「そうか。あたしは一人で寂しかったのか。こうやってみんなでご飯食べたりしてるのが1番いいのか。そう考えてみると、津奈木との生活はだったらなんなんだろうな、と思えてくる。安堂の言う通りただの依存だとして、そんな関係だからお母さんの言う通り寂しくて鬱になっちゃったんだとしたら、あたしは自分のことが本当に何も分かってない。」 がグサリときた。
3投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログ寧子の「お前がみんなと同じふりをしてまぎれていることは分かっているぞ」と誰かに警告されているんじゃないか、という感覚、私も同じように感じる時がある。 私は津奈木と同じかもしれないと思った。他人と絶対的な距離を置くことで、自分の世界に他人を介入させないようにしてる感覚は、よくわかる。 私も常に自己完結して世界に対して閉じているから、二者完結ができないのかもと思った。
1投稿日: 2019.02.10
powered by ブクログうつからくる過眠症と奇行で社会に馴染めない女と、社会に何にも感じない男の恋愛?小説。一般的な恋愛小説は、男対女もしくは男女対社会という構図が多いと思うが、これは不思議と個人に閉じている。恋愛小説というには、鬱で過眠症で奇行に走ってしまう自分と対立がメインで、それらをまるっと受け入れる男は居てもいなくても良いのではとさえ思える。芥川賞ノミネート作品ということであるが、どうも芥川賞関係の本は馴染めない気がするなあ。
1投稿日: 2019.02.08
powered by ブクログ2019.2.7 「こんな自分に誰よりも疲れていることを津奈木に知ってもらいたい」 そうなのかもしれないなと思った
0投稿日: 2019.02.07
powered by ブクログ過眠、メンヘル、25歳。死にたいを連発。恋愛は生活に負ける。ってそうだなぁって心に残った。同棲してた津奈木の元カノの行動怖すぎる。芥川賞候補の表題作とその前の話しがおさめられている。葛飾北斎の富嶽三十六景ーその中でひときわ激しい神奈川沖浪裏をモチーフにしている。度を越した行動で驚かされるのは、悪くない。作者の本気が感じられた。ような。
2投稿日: 2019.02.03
powered by ブクログ感情移入はできないけど、 寧子のことも 津奈木のことも 少しだけ理解できた気がしたし 津奈木のいる空間は さぞ暖かいのだろうと思った。
1投稿日: 2018.11.24
powered by ブクログ2018.10.8 言い回しがメチャクチャすき! 「いいなぁ、わたしと別れられて」 死ねマンがよい、こういうものが書きたかったんだよなあ
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログずしりと響いた。 自分が自分のことをわかってないのに、それを全部分かってもらおうなんて無理な話。 葛飾北斎の波を描いた絵が、現代の技術を駆使して撮った写真とちょうどぴったり重なって見えるその確率5千分の1。 それがうまくこの話を盛り上げてくれてて、実際にどんなものか見てみたくなったし、知ってから絵を見ると見方もかわって今では絵まで好きな作品になった。 本当にぴたりと重なってるように見えて、小説の内容は勿論、絵と写真、2度楽しめました。
2投稿日: 2018.09.29
powered by ブクログメンヘラ!かなり酷いな〜と思いながら読んでたけど、どうしようもなくてどうしたら楽になれるのかわからなくなる感じ…わかる…ってなる、状況は酷いけど気持ちはまじでわかる…って。私と別れられる人まじで羨ましい。
1投稿日: 2018.09.12
powered by ブクログ躁鬱の激しい女の子と自分以外には無関心な男との同棲生活を描いた物語。 境界性パーソナリィ障害の女の子の思考が半端ない。 自分中心の思考パターンはこんな感覚なのだと肌で感じられる小説。 少し怖いが興味はある。 しかしとてもじゃないが一緒には暮らせない。 この自己の中に丸まって外の世界に向きあう女の子と、自己の中に潜り込んではいるが、それを無関心で乗り切ろうとする男、どちらもある意味社会不適合者。 この極端な対比を描くことで読み手の核を揺さぶるんだろうな。 どちらにしてもこんな作品を書いてみたいが、私には永遠に書けない作品だ。 これぐらい自己破壊しないとプロにはなれないのか。 しかし興味は深い。 この作者の他の作品も読んで見たい衝動にかられる。 作者23歳ころの作品だとか。 劇団主催、戯曲が本業らしいがやはり役者さんで文学もやってる人は確かに異人が多い。 ま、私もまともではないから、 多少は大成する可能性はあるのだろうか(笑)
1投稿日: 2018.06.26
powered by ブクログ疾走感が素晴らしい作品。人とは違うという姿をここまで描くかというところまで描き、それがラストの主張をより効果的に力強く訴えさせてくる。とにかく好きな作品。あと解説も面白く感じた。
1投稿日: 2018.06.15
powered by ブクログ本谷さんの本は、ささるポイントがいくつかあるのだけど、お腹いっぱいになってしまう。 これくらい短くてちょうど良いのかもしれない。 過眠症の主人公。 私が学生時代にグータラ過ごしていたことと少しダブってしまった…仕事辞めてダラダラしたいと思うこともよくあるけど、こんな暮らしは嫌だな。と思ったので、仕方ない。働こ。
0投稿日: 2018.06.09
powered by ブクログ(01) 自意識の在り処を抉るように探った作品で,女性の自意識という点では,町田庚の男の自意識を転がした一連の作品と対をなすようにも読める. 自分の発言と行動の裏には心裡があるとされ,心裡と言動の間には,通常,社会的な思弁(社会と自分との調節する弁)が働き,躊躇や深慮などがなされるべきとされているが,主人公の彼女にはその部分がまったくといっていいほど,この調節弁が不足していて,気持ちのよいぐらいでもある. そのとき,生身という身体性が露わになる.鬱とも指しされているが,行動に疲れ,発言に疲れた彼女を疲れさせる原因はこの生身,生きている自分であるのだけれど,この裸の自分はどうしても残ってしまう.それは寒さを感じてしまう,毛が生えてしまう,アルコールで酩酊すれば嘔吐してしまう(*02),彼女は,そんな生身と肉薄しなければならない. (02) それは「自然」の問題でもあるが,ウォシュレットの噴水は,自然の水が上から下に落ちるのに対し,下から上に噴き上がる,このことの違和感を主人公の彼女は告発し,訴追しているのである.
0投稿日: 2018.04.06
powered by ブクログ北斎の神奈川沖浪裏がピンクになっている表紙の文庫本。これに触れた部分もあるのですが…。終始破天荒な言動の主人公に最後まで感情移入出来ず、結果的に小説としても楽しめなかった。住むところを提供し鬱で引きこもってもそっと見守っているのに、いつも乱暴な言葉をかけられる同棲相手。病気の発露だとしてもためらいなく壊される物たち。相手側のの心の痛みを想像出来ないからやれることです。病気だから仕方がないとでもいうことでしょうか。こういう人は最後までこのままなんでしょう。ラストも、だから何?という感じでした。久しぶりに後味の悪い小説でした。なんで読んだんだろう。
0投稿日: 2018.02.03
powered by ブクログ17/05/31 (40) 決まった時間に起きて、決まった電車に乗り、決まったお仕事をする。自分では当たり前で普通なことでも、それをすごいって思ったり、そういう普通なことができないひともいるんだよなあ。生き辛いだろうなあ。 本谷さんのエッセイを読んだことがあるから、“お前らの安い恋のトライアングルに勝手に巻き込むんじゃねえよ”ていう序盤のことばに、うわー本谷さん日常でそういうこと思ってそうて想像できておかしかった笑。 ・「あたしはもう一生、誰にも分かられなくったっていいから、あんたにこの光景の五千分の一秒を覚えてもらいたい」(P110)
0投稿日: 2017.06.01
powered by ブクログ終始鬱の主人公だけど、一人称で語られるその姿や心情はわりと淡々とした文面。時にぷぷぷと笑える表現もあってとても好き。そのおかげか必要以上にこっちまで鬱々することもなく読めるところがよいですネ。 そして何より、「あたしのどこが好きだったか」の答えのくだり とても好き。泣けた。
0投稿日: 2017.04.24
powered by ブクログクビになるためにバイトするわけじゃないし、眠るために起きるわけじゃないし、別れるために恋愛するわけじゃないし、またあとで鬱になるために立ち直るわけじゃない。 p113
0投稿日: 2017.04.07
powered by ブクログふつうに生きたくても生きられない、葛藤。 繰り返す躁と鬱の中でもがく「わたし」の激しい湧き上がってくる感情が、恐ろしく悲しかった。 『あの明け方の』で二人の生活が清々しく描かれていて、一冊読み終えたときの読み応えと爽快感が残ったので、とても良い一冊だったと思います。
0投稿日: 2017.03.15
powered by ブクログだいぶ前に読んだ本谷さんの小説の印象は、極端過ぎたりダメ過ぎたりするけど何だか愛おしくなるような主人公が出てくる、ということで、久々に読んだ本作も同じく、だった。 「生きてるだけで何でこんなに疲れるんだろう」。そう感じながら怠惰に暮らす25歳の寧子は、津奈木の家に転がり込むかたちで同棲を始めてから3年になる。 美人だけど過去の経験から性格が破綻していて、同性の妬みも相まって何をしても続かない寧子。 鬱からくる過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人だった。 本当はただまっすぐに生きたいだけ。本当は普通の暮らしがしたいだけ。だけどその“普通”が上手く出来なくて、自分からは程遠い。 ダメなのは自覚しているけれど、そんな自分のことを誰かに解ってもらいたい。そして受け止めて欲しい。 そういう寧子の叫びが全開に溢れている。短い小説なのだけど、濃くて、とても痛々しい。そしてやはり、愛おしい。 生きるのが下手くそな寧子という人物の中に“自分”を投影してしまう人もいるかもしれない。そういう意味では、太宰の人間失格的な趣もあるのかも。 スルーされてるのかと思いきや本当は想われていたり(そうじゃなきゃ職なしの女を長く家に置くわけないし)きつく当たられることもある意味では愛情表現だったり。 本当は周りにけっこう構われていることを自覚できたら、もっと幸せなのかも。育ちによる傷があるから難しいのだろうけど。 表紙の絵にも深い意味あり。 ほんの一瞬の偶然を見つけてかたちに出来る、その奇跡。
2投稿日: 2017.02.23
powered by ブクログ触れないでほしいところに触れられてしまったというか、気づきたくなかった自分の嫌なところを見せつけられたというか、なんだかすごくしんどくて、なんだろ、ざりざりした。こころが。 あたしと別れられて、いいなあ。がもうすごくキツい一言である。 こんなにエキセントリックではないけれど、いつのまにかスイッチが切り替わったり、ブレーカーが落ちるような瞬間が自分にも確かにあるから、寧子の気持ちがわかってしまって、でもわかりたくもなくて、しんどかったー。
0投稿日: 2017.01.01
powered by ブクログ25歳の板垣寧子と、3年前から彼女と同棲している津奈木という男の生活を描いた中編小説「生きているだけで、愛。」と、その続編と思われる短編「あの明け方の」を収録しています。 津奈木の元カノ・安堂の逆恨みを買うことになった寧子は、引きこもり生活から強引にアルバイトをさせられます。彼女が働くことになったのは、「ラティーナ」というイタリアン・レストランで、オーナー夫妻をはじめ、そこで働く人びとの優しさに触れて心のこわばりを解きほぐされていく……のかと思いきや、けっきょく寧子はそこにもなじめず、津奈木と2人の、どこにも行きつくことのない、けれども彼女の心にぴったりとはまるような生活に、戻っていくことになります。 「メンヘラ」の寧子と人に心を開こうとしない津奈木の2人の生活が、きしむ音を立てているように感じられます。
0投稿日: 2016.11.06
powered by ブクログ生きにくさを抱えたメンヘラの女がもがき続ける様を、一人称で語った小説だ。 こんな風に生きにくさを抱えながら、自分と、世界と、いや、主に自分と闘っている人はこの現代にもたくさんいる。 いわゆるメンヘラという言葉でかたづけてしまえば簡単だけど、どうしてこんなにも生きにくい人をたくさん生んでしまったのだろうと、思いをはせた。 社会的動物として生まれた人間が、その社会との距離感をうまく取れなくなるような仕組みを、我々は知らず知らずつくりだしてしまった。 あるいは、みんなにとって都合がよかったはずの距離感は幾人かの人にとっては、とてつもなく苦痛であり、万能ではなかった。 主人公寧子の、自分で自分を生きにくくおいやってしまう不器用さは読んでいてとても歯がゆい。でも、そんな様が、とほうもなく生々しく、現実に実在する女の心を覗き込んでいる気分にさせられる。 猛烈にもがくその無様なすがたから、人間らしい息ずかいが感じられて愛おしくなる。「生きてるだけで、愛。」と表題が語りかける。きっとそうなのだ。5千分の1秒を僕たちは日々、生きているのだ。 ラストシーンの美しさは目をみはる。それは一人の人間が、誰かの中に必死に自分の存在を刻もうと願った儚さと、けなげさがありありと想像できるからだ。こんな風景が、日本中に溢れているんだろうと思うと、うまく言葉にできないけれど、むずむずする。もどかしさが、愛おしい。 この作品は現代の日本の若者の、ひとつの感情と風景をありありと切り取った作品として、社会が変わった数十年先に、歴史的古典なりうるだろう。
0投稿日: 2016.08.06
powered by ブクログ初本谷有希子。 分かってもらいたいんだけど、素直な自分を表現できない寧子。そして、一貫して無味な存在の津奈木が織りなす交流が面白い。 仲俣暁生の、「互いの領分を決して侵さない寧子と津奈木の関係は、卵二つでつくった目玉焼きのように、それぞれの核をしっかり守ったまま、白身であやふやに繋がっている状態と言えばいいだろうか」という解説は秀逸だった。
0投稿日: 2016.07.09
powered by ブクログ痛くて苦しくてなんだかなー 読みはじめて読みはじめたこと少し後悔した でも最後まで読むと好きだなって思った 残酷だなぁ つなきくんだっけ、、すごい好きだな あんな人いるのかな やすこが全裸になって話した言葉がすごい突き刺さってきて息苦しかった 苦手だな でも好きだな 私にはまだ難しいみたいにも思った 装丁がすき可愛い タイトルも良いよね 生きてるだけで、愛
0投稿日: 2016.07.03
powered by ブクログ”あたしはもう一生、誰にわかられなくったっていいから、あんたにこの光景の五千分の一秒を覚えてもらいたい。” 再読
0投稿日: 2016.06.18
powered by ブクログ頭のおかしさが半端なくて笑えてくる 寧子の行動はいちいち伝説だ それでも社会にどうにかして馴染もうとして 一方ではネットに鬱をぶちまけている もしかしたらこれは昔の私なのかも いや、今の私なのかもしれない(ここまでしないけど) それでもうんうんと受け止めてくれる津奈木がいるだけで生きてる意味がある たとえ社会に馴染めなくてもたった一人のかくこたる愛があれば生きていける
0投稿日: 2016.05.07
powered by ブクログ鬱と躁をくり返す寧子。自分で制御出来ない心の不安定さが苦しい。味のない男、津奈木との関係は愛というのかな。五千分の一秒繋がった感覚ってどんなだろう。
0投稿日: 2016.02.06
