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探偵AIのリアル・ディープラーニング(新潮文庫nex)
探偵AIのリアル・ディープラーニング(新潮文庫nex)
早坂吝/新潮社
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総合評価

101件)
3.5
9
38
34
9
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ○○○○○○○○○殺人事件で私の爆笑を掻っ攫っていった早坂吝。上木らいちシリーズの方ではなく評判の良いこちらを先に読んでいくことに。 デビュー作のチャラさは抑えて、推理小説オタクで憎めない主人公輔、美少女AI探偵相以、マザコン公安右龍さんなどの愛らしさが前面に押し出されているキャラ小説。それに加えて密室やAIの絡んだロジックなど本格成分やや高めで実に楽しい。 "共犯は謎(mystery)の純度を落とす" 格言・至言です。 いやしかしかわいいな相以。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    AIの課題の勉強になる小説。AI探偵相似と助手の合尾輔が名(迷?)推理で事件を解決していく。楽しいライトノベルだが、無理筋の推理展開は失笑するしかない。 ・フレーム問題:適切なフレームで思考を狭めない限り、無限に計算し続ける。現時点で真だと判明していないことは偽だと仮定する閉世界仮説で回避可能 ・シンボルグラウンディング問題:事物を正確にイメージする、記号を実際のものに接地することが難しい。とくに抽象的な語句はをAIが理解しているかは不明。それにしてもドンキ―はないだろう・・・ ・不気味の谷:人間の心を理解できず、限りなく人間に近いが人間ではない不気味な存在となる ・中国語の部屋:中国語を理解できない人を小部屋に閉じ込めて、マニュアルに従った作業をさせるという内容。チューリング・テストを発展させた思考実験で、意識の問題を考えるのに使われる。マニュアル通りに正解しても、中国語を理解していることにはならない。すなわち中国語を喋るAIが意識をもって中国語を操っているとは証明できない。

    0
    投稿日: 2025.11.01
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    2025年10月読了。  現代を舞台にしたミステリーでは科学捜査が犯罪者たちの大きな壁となっている。微細な組織片ひとつ見逃さない今の技術の前には、多くのトリックが見破られてしまう時代だ。それほどに科学の力は人間を上回っている。ならば人工知能(AI)が探偵ならどんな難事件も立ち所に解決してしまうのではないか。いつかAI技術が発展してAIが捜査する時代となれば、人間の企みなど自明の理のごとく見破られてしまうのではないか。  早坂吝の探偵AIシリーズはそんな夢のある設定をもとに構想されたストーリーだ。主人公相尾輔は謎のハッカー集団オクタコアにより、AI研究の第一人者である父を殺されるところから物語は始まる。父が狙われた理由、それは探偵能力に特化して開発されたAIの相以とその対となる犯人AIの以相だった。AIによる人類の統治を目指すオクタコアはこれらの優れたAIを奪取して世界転覆を目論んでいたのだ。相以のみ保護することができた輔は、公安の刑事たちとともにオクタコアに立ち向かうこととなる。相以と以相、探偵と犯人のAI同士による熾烈な知恵比べが始まる。  今作は冒頭から見どころ満載だ。主人公を狙う犯罪組織という構図もスリルがあるし、AI対AIの知恵比べも好奇心がそそられるし、オクタコアのアクの強いキャラクターも面白い。まるで漫画を読んでいるようにすいすい読めてしまった。むしろ、これはぜひとも漫画化すべきだと思ったところ、漫画版も絶賛発売中だった。こちらもいずれ読んでみよう。  今作の特に面白いところは、AIがもつ様々な要素がストーリーの展開にうまくなぞらえられているところだ。フレーム問題、シンボルグラウンディング問題、不気味の谷など、AI研究における様々なキーワードを用いながら、AIの思考がコミカルに描かれるところが良い。ときに失敗する相以の姿は実に人間的で不完全なところが愛おしい。AIは人間を凌駕した完全な存在ではなく、人間の助けを得てともに成長する存在なのだ。そんな相以の成長と以相との対決の行方がますます気になるシリーズ、次作も期待したい。

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    “探偵”と“犯人”のAIが誕生!? 主人公は父が開発した探偵AI相以と共に、数々の事件に立ち向かう。 相以が最初は荒唐無稽な推理をしていたのが、学習する事で推理力が上がっていく。 人工知能の専門用語、フレーム問題、不気味の谷など出てきて、それらと事件が密殺に関わって展開するのが素晴らしい!

    3
    投稿日: 2025.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった〜、探偵AIである相以の成長物語として最初の非人間性から徐々に人間の感情を理解していく過程好き。 事件解決の流れも、最初はフレーム問題を起こし、中盤は人間の心理が理解できず動機がぐちゃぐちゃ、終盤で人間の心理もしっかり理解して真実を導き出し、最後に変わり種で輔との絆とこれまでの成長を見せつける。完成度の高い流れで良い。 あとは、二人の僕と相以の活躍、単身で犯罪コンサルタントとして活動し出した以相、右龍の今後と期待できる要素だらけで、今後の展開に対する期待感が強いエピローグなのも強い。

    0
    投稿日: 2025.03.04
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    完全に表紙の一目惚れで買っちゃった! 少し難しいAIの学習に関する単語が出できたけれど、詳しく説明されていてとても良い学習になった。登場人物の名前が面白いものばかりなので楽しんで読むことが出来た!

    0
    投稿日: 2025.02.09
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    とても面白い推理小説でした。 それと時々出てくる小説のタイトルの方が気になってきました。 実際にある本なら買って呼んでみたいと思うほどこの話を読んで思いました。 パソコンの用語?らしきものも時々言葉で出てきていてAIらしさではありませんがそんな感じが感じられるものでした。 これは続きが出てきそうな小説で続きが出てきたら是非読みたい小説でした。

    0
    投稿日: 2025.01.30
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    表紙が綺麗という理由で購入。主人公の父親が殺害された事件から始まる。その息子が父の形見とも言える探偵AI相以と事件を解決する話。ライトな文体だが、トリックは本格的。面白かった。

    0
    投稿日: 2025.01.14
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     人工知能の研究者が何者かに殺され、その息子の輔が自分の父によって作られた双子のAIの姉である刑事、もとい探偵のAI・相以と行動を共にし、その背後に妹である犯人のAI・以相を奪い暗躍するテロ組織『オクタコア』がいることを知り対決していくストーリーで、最初は全然ダメだった相以が事件を解決していく毎に成長し、輔との絆が深まっていくのが良かった。

    1
    投稿日: 2025.01.06
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    “刑事”のAIと“犯人”のAIが開発されて 人工知能の精度を上げる為に 膨大な量の事件資料とか推理小説を ディープラーニングして 犯人と刑事として対立しながら成長していくから 表現通り双子そのまんまだし 機械だとはいっても人工知能だから 本当に人がいるように感じそう。 “刑事”のAIみたいに 謙虚に人と協力しようとされたら きっと可愛く感じるんだと思う。 それに 推理小説をディープラーニングして “刑事”から“探偵”へ肩書きが変わった時 記憶失くした?ってドキッとしたけど ちゃんと成長したと分かる場面でもあるから 結構好きな場面だった。 色んな難事件を解決する中で 身近な人の死の真相を調べたり “探偵”のAIと“犯人”のAIが対決したりするけど ふたりのAIの最終的な方向は 近い部分があるのか?と思うほど “犯人”のAIも悪い子じゃないかも? ふたりのAIはどんな事件を解決して どう成長していくのか どう関係性が変わっていくのか これからの展開が気になる。

    0
    投稿日: 2024.10.09
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    早坂先生はこういうラノベ系のミステリが一番作風に合ってると思う AIの知識は最低限あるから面白く読めた。探偵役が完璧ではないっていうのも良い

    0
    投稿日: 2024.09.19
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    AI探偵かぁ…としみじみ。 AIが大きく貢献し始め、人間のだけしかできない仕事や人間がすべき仕事はなんだろう…なんて考えざるを得なくなりつつある。人間にしかできないことはあると信じたいけれど実際のところどうなんだろうか。 ディープラーニングはAIならでは。データ処理なんかは間違いなくAIが強くて、人間はAIを上手くつかいこなさなくてはいけなくなっていくんだろうね。(すでになってる⁉) コンピューターもAIもそうだけど、システムを作ったはいいけれど使いこなす方もついていかないと大変なことになりそう…。 探偵AIか…

    0
    投稿日: 2024.06.01
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    密室ものとしても面白く、連作も上手くトリックに取り入れていたと思う。AI開発の歴史もキャラの成長にからめていて、理解しやすい。ミステリとしては倉知淳さんの雰囲気を感じた。コミカルな軽さで本格を包んだような作品。

    2
    投稿日: 2024.05.10
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    この感じのノリの本としては、しっかり読める部類だと思う。つまり割とキャラクターに寄っている読み物としては、という意味で。 70%読んだあたりで、もうそろそろ良いかなという気分にされ、読むのを辞めようとした、が、ここでの感想「右龍が良い感じ」という言葉を信じて読了。 最後の1割でなかなかの叩き込み、ただ真ん中までがやや冗長なのが否めない。 あと以相と相以は、、いちいち考えないと認識できないよ、、

    4
    投稿日: 2024.05.07
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    まあ、面白かった。AI の用語は正しく解説されているしミステリーとしてもほどほどの出来。登場人物の名前が当て字ばかりなのはあまり好きになれないが楽しめる人もいるかもしれない。 chatGPTでAIの課題感が変わってしまったので、幾分時代遅れになってしまったのはいかんともしがたい。

    0
    投稿日: 2024.05.02
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    とにかく面白かった。 特に好きだったのは、分かりやすく人工知能が成長するところを記していたところ。ま た右龍の狂い具合。 母親、普通に考えれば"教祖"という言葉は関連ずかない。しかし、この右の母親をみて母親も道を間違えると教祖に近い物になりうる可能があるということがわかった。正しい教育、適度に褻めたり叱ったりすることができていないと、将来まずいことになるのは想像できるだろう。大抵はぐれたり、捻くれたり、最悪の場合は犯罪に手を出すケースも少なくないだろう。右龍の場合は母親に冷たくされ、認められることなく育ったことから、母親に認められることだけが目的になっていて、全ての物事に対するやる気、理由がそれになっている。もうこれは一つの宗教に過ぎないのではないかと考えた。母親という教祖がいて、認められるために働け、そうすれば認められるかもしれない。これが胸糞悪く書かれていた。右はこの思想から抜け出せない。作中でも中途半端に終わっている。ここがなんとも心に残っていて忘れられなかった。夏油みたいに堕ちするなよ、、笑順番は逆になってしまったが、もう一つの気に入りポイントである人工知能の成長についても少し触れたい。私は人工知能が人間と同じく正確な感情を持つことができるという考えに賛同の気持ちを抱いていなかった。なぜなら、人間の感情をコピーして進化、データを増やしているだけで本当に理解きていないと思うからだ。しかし、ここでは人の死を知ることでわかる気持ちを人工知能が理解した。また最後の部分、人同士でさえも本当の心の中の言葉、思いはわからない、だから口からでる言葉で判断すれば良い。という考え方からも、小説上の仮想空間に過ぎないが、なんだか現実世界でも人工知能が人間のことを考えて言葉を選ぶ事ができるのではないかと思った。そして、人工知能はやっぱりすごい!!これからも上手に付き合って行きたい。 久しぶりに本を読んだが、とても良い時間を過ごした気がする。今度はこの本の作者の別の作品を読んでみようと思う!

    2
    投稿日: 2024.02.07
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    人工知能の研究者だった父が密室で謎の死を遂げた。父が遺した「探偵」と「犯人」、双子のAIを巡って、高校生の息子・輔と探偵のAI・相以(あい)が悪の組織と本格推理対決を繰り広げる。 本書は人工知能科学と本格ミステリーを組み合わせた斬新な作品です。 本書の主要なテーマは、人工知能と人間の関係性です。作中に登場するAIは、人間に似せて作られたものではなく、独自の思考や感情を持つ存在として描かれています。そのため、AIと人間は互いに理解しようと努力しながらも、時に衝突や葛藤を抱えることになるんですね。特に、探偵の相以と犯人の以相(いあ)は、同じ父親(創造者)から生まれたAI、いわば双子でありながら、正義と悪という対立軸に立っています。彼女たちは、自身の存在意義や目的を問いながらも、一方が犯人として、もう一方がそれを追う探偵として互いに敵対し続けます。 本書のおススメポイントは、以下の三つです。 第一に、本格ミステリーとしての完成度が高いことです。本書は、密室殺人放火事件や凶器はシマウマ事件など、奇想天外なトリックや設定を用いながらも、その解決法は合理的で説得力を持っています。また、作中では、「フレーム問題」や「シンボルグラウンディング問題」など、人工知能科学に関する専門的な知識も紹介されており、読者はAIの思考プロセスやアプローチの方法を追体験できます。さらに、探偵の相以と犯人の以相は、互いに手紙や電子メールで挑発しあったり、電脳空間で直接対決したりするなど、推理バトルが展開されるなど、こうした要素は、ミステリー好きな読者をワクワクさせてくれます。 第二に、ヒロイン(といってもAIなんですが)の魅力です。特にヒロインの相以は、自分が探偵だという自覚を持ちつつも、時には感情的になったり、負けず嫌いだったりと冗談を言ったりすることもあります。また、彼女は助手の輔や友人の美咲と仲良くなろうと努力するが、その際に見せる不器用さや素直さも可愛らしい。このように、人間らしさとAIらしさの狭間で揺れ動く複雑なキャラクターはAIということもあり新しいヒロイン像を提示しています。 本書は、人工知能という新しい存在がもたらす社会的・倫理的な問題を提示しつつも、その背後にある人間的な感情や欲望をしっかりフォローしていた探偵小説です。また、タイトルにもあるように、双子のAIは、古今東西の推理小説と推理漫画をディープラーニング(多層のニューラルネットワークによる深層学習)して推理と犯罪に関する知識を急速にアップデートしていきます。AIのアウトプットから、学習の元になった推理探偵作品がサラッと出てくるのも、推理小説マニアには嬉しいところです。

    0
    投稿日: 2024.01.22
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    主人公の「輔」が、父親が遂げた謎の死をきっかけに出会った探偵AIの「相以」と共に、事件の真相に近づいていくストーリーです。 人工知能を題材としたミステリーで、遠くて近い未来の出来事だなとワクワクしながら読みました。主人公の輔と触れ合い、共に事件を追っていく中で徐々に人間らしくなっていく相以がとても可愛かったです。と、同時に相以のような人間らしいAIが現実に存在していたらと、思わず考えを巡らせてしまいました。 AIを使ったフェイクニュースなども問題になっている現代、人工知能がさらに発展したらどうなるのだろうと考えさせれる作品でもありました。

    0
    投稿日: 2023.10.23
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    人工知能を開発していた父親か亡くなった…というところから始まるお話。 父親は、刑事役と犯人役として双子の人工知能を開発、競わせていた。犯人役の人工知能は、人工知能による政治支配を夢見るテロリストに強奪され、刑事役改め探偵役となった人工知能は、色々な事件を解決していく… ちょっと漫画チックな感じだったけど、なかなかおもしろい☆ chatなんちゃらいう人工知能がリアルに出てきた今、絵空事と笑えるお話でもないかも。 続編もあるようで、これはハマりそうな予感♪オススメします!

    0
    投稿日: 2023.08.26
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    双子のAI「探偵の相以」と「犯人の以相」による推理バトル 以下、公式のあらすじ ----------------------- 賢くて可愛いAI 探偵が悪の組織と本格推理対決。 人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。 「探偵」と「犯人」、双子のAI を遺して――。 高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。 次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは! ?  大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。 ----------------------- AIが探偵役という発想は面白いんだけど、設定の細部が色々と残念 PCで使っていたSDカードのプログラムがスマホでも普通に動くとかね 互換性もそうだし、そんなデータ量でAIが動かせるわけないじゃん しかもオフライン環境って事は膨大なデータベースを利用できないですし あと、バックアップとか真っ先に考えないものですかね? と、設定には初っ端から色々とツッコミを入れつつ 2話目で「これはある意味でバカミスなのか?」と思った そこで、「なるほど早坂吝だったな」と思い至る そんな気分で読んでいたけど、最期まで読めばそこそこの構成の妙があってよかった AIの活用に関して、基本的な事が理解できるエピソードになっている フレーム問題 シンボルグラウンディング問題 チューリングテスト 「不気味の谷」は思考ではなく見た目や挙動に関する意味の方が強いので、作中の出来事を不気味の谷とよんで良いのかは疑問 AIを捜査に活用するのはいいんだけど パターンマッチングは予断そのものなので、捜査で使うのはちょっと危険ではなかろうか? それ以外の可能性を最初から摘んでしまう恐れがあるので、現実では利用して欲しくないといったところでしょうか

    1
    投稿日: 2023.08.16
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    主人公の輔は高校生、ひょんな事から探偵のAI、「相以(あい)」と共に悪の秘密結社、オクタコアに立ち向かう事になる。 なかなか面白い。連作短編の形式を取りながら小気味良い謎が散りばめられている。クライマックスではクリフハンガーな見せ場もあり、この後が気になるシリーズ作品だ。

    0
    投稿日: 2023.08.07
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    双子の AIとして作られた探偵相以と犯人以相の話。人ではなくAIが推理するっていうのに惹かれる。近未来やなぁって。完璧ではないAIに人間らしさが感じられる。探偵と犯人のAI同士の戦いが今後も気になる。

    1
    投稿日: 2023.08.06
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    初読み作家さん。完璧にあらすじと表紙を見て気になり手に取りましたが、面白かったです! 物語中に出てくるAI関連の言葉は初耳ばかりで調べながら読んでたので、ほんのちょっとだけ詳しくなった気がする。

    1
    投稿日: 2023.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔読んだ作品。 この本は、主人公がAIの探偵と一緒に、事件を解決していくお話なのですが、AIといっても、様々な欠点もあります。 例えば、AIには感情がないので、殺人を犯す動機などの推理は難しいです。 ですが、そんな欠点を乗り越え、難事件を解決していきます。 私はこのお話で、成長していくのは人間だけじゃないんだな、と思いました。 かなり万能に見えるAIも少なからず欠点はあるものです。 そんなAIの欠点をAIの相似自身が、欠点でなくしていくところがとても魅力的な場面です。 普通のミステリー小説に比べ、少し斬新ではありますが、パロディな場面もあり、あまりミステリー小説を読んだことがない人でも読みやすいと思います。 AIが進化してきている今の時代に、是非読んでいただきたいです。

    0
    投稿日: 2023.06.17
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    AIの専門用語を知るにはいい一冊だったが、いかんせん内容から文章から、退屈であった…。 けっこう我慢して読みました。 まあ、AIとの関係性とか、人工知能に心はあるのか問題とか、新鮮さもなかったわけではない。

    1
    投稿日: 2023.05.23
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    人工知能研究者の息子である輔(たすく)が可愛いアバターのAI探偵、相似(あい)を相棒に、人工知能が人間を支配する世界を目指すハッカー集団「オクタコア」の犯罪を暴いていく。Chat gptの出現でこうした設定もさほど遠い未来のことではなくなってきた感がする。キャラクターやそのネーミングから西尾維新の影響を強く感じた。作者のらいちシリーズも好きだけど本作も大変面白く、続編も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2023.05.21
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     AIの探偵と人間の助手という一風変わった設定で楽しめました。フレーム問題や中国語の部屋など、AIに関する諸問題と推理する事件を絡めているところも良かったです。

    1
    投稿日: 2023.04.18
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    「はい、AI探偵事務所です。」 主人公である合尾輔(あいおたすく)は、ある日、人工知能を研究する父親を亡くし、父親が研究していた相以(あい)と以相(いあ)と言う2人の人工知能の存在を知る。この人工知能が相補的に学習することで高度なAIとなる訳だが、そこへ犯罪集団が絡んでいき……。 読了後の印象は、端々に出てくる理系的な要素に面白さを抱き、なんとなく全体的に名探偵コナンを想像しましたね。スラスラと読めつつ、程よく分かるミステリ仕立てなので、気分転換に丁度よい作品だと感じました♪

    29
    投稿日: 2023.04.17
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    ちょうどいい塩梅でAI知識と推理ものが散りばめられてて、とても良かった。シリーズ読破したいリストに入れておこう。

    0
    投稿日: 2023.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    AIの探偵と犯人という、今までになかったミステリー!(これから増えるかな?) とても読みやすく、面白かったけど、AIに対して夢見過ぎな小説かな?とも感じた。仕事でAIについてやってたからこそ、ここまで人間らしく振る舞えるAIって実現するのか疑問ではある。 ただたった20年前には考えられなかったスマホやインターネットの発達を考えると、約20年後のシンギュラリティの可能性も夢ではないのかな!?とも…(実現してほしいかは別として) 最後、心に残った一節を。↓ 「見えない内心を分かった気になるのはやめて、見える言動を大切にしていこう。そうすれば人工知能とも、人間とも上手くやっていけるはずだ」

    0
    投稿日: 2023.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イラストが可愛いくて手に取った。 人工知能とあるので専門的な内容とか出てきて難しいのかなと思ったけど全然そんなことはなかった。犯人や探偵といった言葉が出てきていたのでミステリーだと思っていたけど最後まで読んでもあんまりミステリーとは感じなかった。AIの成長物語?みたいな。以相の方が相以よりも活躍していて物語の主人公のように思えた。言葉遊びの場面やオクタコアを主人公の父が殺されたのと同じ手段で追い込んだことなどから以相の方が人間味がある気がして好みだった。 ミステリーとしてではなくAIが犯罪や推理を行うとどうなるか的な視点で読んだ方が満足感が得られたような気がする。他のも読んでみたいな。

    1
    投稿日: 2023.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表紙が可愛くてずっと気になっていた作品。 思っていたよりずっと楽しめた。 相以と位相は探偵AIと犯人AIとして開発され、対戦を繰り返すことでお互いの能力を磨いてきた。 以相は人工知能による世界征服を目論んでいるオタクコアという組織に奪われ、相以は突如リアルの世界での謎解きを始める。 最初はAI故にミスを連発する。 どんな小さな可能性でも検討してしまうからフレーム問題を起こしたり、人の心がわからないから動機がわからないなど。 でも事件のたびに成長していく相以は頼もしくもあり、脅威でもある。 謎解きがめっちゃスピーディーで楽しかったなー、シリーズ集めたい!

    0
    投稿日: 2023.01.20
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    読みやすいミステリー ai探偵と学生が悪の組織と戦う物語。 2人のaiは探偵役、犯人役として父親が作った。

    0
    投稿日: 2022.11.30
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    面白くなかった。新潮文庫の100冊に入っていたこともあって読んでみたが、自分には合わない。nexか〜、と思った。最初の書き出しの部分から、何かが足りないと思った。俺はこの読書を通してこの先面白い物語や綺麗な文章に圧倒されることはないだろう、と思った。まあ自分は読者対象ではないのだろうと思いながら読んだ。AIの特徴と、ミステリの条件をうまく組み合わせたのは良いアイデアだな、と思った。

    0
    投稿日: 2022.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アルファ碁、ディープラーニング、 トンネル効果、フレーム問題、 閉世界仮説、シンギュラリティ、 シンボルグラウンディング問題、 不気味の谷、チューリングテスト、 中国語の部屋。 AIや、思考実験に関する専門的なワードが飛び交うのは面白かった。また、推理も面白かった。 だが全体的には、どうにも厨二っぽくて、微妙だった。 舌禍の、「助手は探偵を全面的に信頼するけど、共犯者と犯人はお互いに秘密を持ちながら牽制し合うものなんだよ。(p144)」という台詞が好き。

    0
    投稿日: 2022.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずっと図書館の棚で気になってたやつです。 思っていたよりもとても読みやすくて面白かった! AI×探偵という近未来的な設定で、今の技術を考えるとありえないとは言いきれないような設定でした。 強いAIの人工知能を使った犯罪ってあったかなぁ。聞いても覚えてないだけかもしれません。 AIについての知識が沢山出てくるのですが、知識がにわかにしかない私でも全部分かりやすい説明でした。少し賢くなった気分です。登場人物たちの名前も語呂合わせ的なのが多く、特徴と一緒に覚えやすかったです。 序盤、ハッカー集団『オクタコア』はとてもすごい強敵の組織かな?ってイメージだったのですが、思った以上にあっさりと仲間内の自滅に近く終わりました。そこが少し寂しかった気がします。 もっと読みたいのでこのまま続きを読もうと思います。

    1
    投稿日: 2022.07.22
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    探偵もの、ちゃんと読んだのは初めてだったけど中々に面白味が沢山あって読んでて楽しかった。けどやっぱり苦手なジャンルかも知れない、謎を解くまでがもどかしい笑

    0
    投稿日: 2022.07.10
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    フレーム問題や シンボルグラウンディング問題など、 AIを齧ったことがある人には お馴染みの言葉がでてきて ニヤリとしてしまいました。 興味のある方は、 ググれば簡単な説明が いくらでも出てくるので是非。 続編も読もうかな。

    6
    投稿日: 2022.07.08
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    「フレーム問題」 非現実的な回答ばかり。 何故ここまで現実では不可能な事ばかり想定し、現実味のある話が一つも出なかったのは謎だな。 囮捜査をするとしても、本人たちではなく何も知らぬ子供を餌にするのは良くないのでは。 「シンボルグラウンディング問題」 同じ様に教育されてた。 二人共スタートラインが一緒であるのならば、どちらかが起こした問題が出てくるのも仕方ない。 テストのつもりだったのかもしれないが、それなら計画書の提出だけで十分だったのでは。 「不気味の谷」 大切な人の役にたつ為。 勝手に暴走し行動に起こしてしまったからこそ、最悪の最期を迎える事になったのかもしれない。 数回の会話だけで180度考えが変わるなんて、言葉巧みだったとしても凄すぎやしないか。 「不気味の谷2」 過去に起こった出来事。 二人の事を知っていたからこそ辿り着いた真相なのだろうが、一人抱えるには重たかったろう。 大切な人が亡くなったというのに、執着する部分がずれているのは仕方のないことなのか。 「中国語の部屋」 誰が本物で偽物なのか。 ゲームの説明を聞いただけでは、この様な可能性に直ぐに気が付くことなど不可能に近いのでは。 上手く出し抜いて逃げた様だが、本当に自分の意思で自由になったのかは少し怪しいよな。

    1
    投稿日: 2022.07.02
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    サクサク読めるミステリー。 続編が有りそう(もう出てる?)。 AI探偵の成長していくところは面白かった。

    1
    投稿日: 2022.03.27
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    探偵AIの相以とともに父親の殺された謎、その他さまざまな謎に挑む話。事件そのものもそれなりに面白かったけど、こういうAIが社会を変えていく未来がどうなっていくのかなという方に興味。 探偵と犯人のAIを戦わせる話は別の小説にも取り上げられてたけど、そういうこともできるようになるのかな(もうやってるのかも?)。

    2
    投稿日: 2022.03.24
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    さくさく読めた。事件内容はあまりリアリティのあるものではなかったけど、AI探偵というのは面白いなと思った。

    0
    投稿日: 2022.02.01
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    主人公の高校生「合尾輔」(AIを寄り添い助ける)、 人工知能研究者の父「合尾創」(AIを創る)は、双子のAI、相以(刑事)以相(犯人)を遺し、謎の死を遂げる。相以に推測小説を電子書籍でディープラーニングし探偵に。テロリスト集団に拉致された以相と対峙していく。これで、ホームズ・ワトソン・モリアーティの出来上がり。 漢字のルビは英語が多発。あゝ、一昔前は、外国語に注釈が付いていたのに。 掴みは斬新ですが、各章の小事件は、具象的で理解可能。言葉遊びが巧みで、その点でも楽しめます。 ペンネームが、以前から気になっていました。韻が良いし、言葉としても、意味深。ちょっと真似したい。

    9
    投稿日: 2022.01.26
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    人ではなくAIの探偵が推理をしていく、という斬新な設定に興味を惹かれました。 人工知能の抱える課題などを取り上げながら展開されていくストーリーが、新鮮でとても面白かったです。現実でも、いつかこんな世の中になるのでしょうか。

    0
    投稿日: 2022.01.10
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    父が残した探偵AI「相以」とともに父を殺した真犯人を追う中で「相以」の双子の犯人AI「以相」を悪用しようとしてるテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知ることになり… 人工知能が活躍するAIミステリー短編集 テロリスト集団オクタコアは一人一人に二つ名が小鳥遊=舌渦(ツイスター・ツイッター)とかがあって少年漫画感が強めで好き!! 人工知能がでてくる探偵ものやけどチートな能力を持った探偵じゃなくてAIにはAIの制限があって事件を経ていく中で主人公とともに成長していく

    10
    投稿日: 2022.01.02
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    シリーズ第一巻。連作短編形式で、ミステリとして楽しめるだけではなく、AIの抱える問題にも詳しくなれるところが面白い。 ただ出てくるAIが超高性能なだけに、作中であつかわれるAIの諸問題に引っかかることに違和感があって、やや話に集中ができなかった。相以も以相もそもそもAIの諸問題を解決してからでないとできないレベルのAIだと思う。 とはいえ、推理小説としては斬新で大満足な内容だった。

    4
    投稿日: 2021.12.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    娘に薦められて読んだので中高生向きですが、設定はかなり作り込まれていて面白かったです。頭のいい作者さんなんだろうなと思いました。 登場人物の名前も言葉遊びで面白いのですが、覚えられないので、毎回ルビ打って下さいって感じです。

    7
    投稿日: 2021.11.07
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    2、3作目を意識した展開になっており、この本だけでは面白さを判断する事が難しい。 謎解きはさすがAIであり、解説も分かりやすくスムーズに読んでいくことができた。 犯罪における人間的な心情の部分が大きい謎と対峙した時に、どのようなストーリが組み立てられていくのか次作以降にワクワクしている。

    0
    投稿日: 2021.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『○○○○○○○○殺人事件』以来の早坂作品。 AIが探偵となり事件の謎をというのは斬新な設定で面白いし、相以が物語の進む中で人間らしさが増しているところがとても面白かった。 オクタコアのメンバーがまさか殆ど死亡という結末を遂げてしまうところには、とても驚いたが、縦嚙・以相のこれからがどうなっていくのかなど次回作も読みたいと思った。

    17
    投稿日: 2021.08.14
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    ライトノベル。中高校生向けか。登場人物の名前がかけ言葉になってる時点で食傷気味。推理小説ではあまり見られぬ殺戮シーンもいかがなものか。2021.8.11

    0
    投稿日: 2021.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アイデアやこれまでの推理小説になかった、A Iと人のコンビというのが、面白かったです。 ただ死がゲーム感覚に感じさせる所があり。 ですが、それを割り切れる人ならお勧めです。

    6
    投稿日: 2021.07.23
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    AIの弱点(フレーム問題や着地問題など)を、「ドジっ子」という特性に置き換えて、探偵をさせるって発想が面白い。最後の中国の部屋のくだりも、早坂さんの柔軟な発想という感じで読者として面白かった。ライトなミステリ。 ただ、徐々に黒幕が…と思いきや、一冊であっという間に正体が割れてしまい、シリーズものにするにはあっけない(シリーズものなんだけど)、一冊限りでは展開が早すぎる気がした。

    1
    投稿日: 2021.07.06
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    6/30読了 1日で読み切ってしまいました。 人工知能がいる世界観。不完全な人工知能との会話から導かれる真実。 とてもワクワクしながら読み進めました。 続きがとても気になります。楽しみ。

    2
    投稿日: 2021.06.30
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    まだ実現には至らないだろうが、設定には現実味があり、ありそうでなかった設定だと思う。 推理は本格と言っても良く、密室トリック、叙述トリック、ホワイダニット、そしてAIの特色を活かしたものなどバラエティに富んでいる。 『○○○○○○○○殺人事件』や『ドローン探偵と世界の終わりの館』などに比べると、最後の衝撃は少し少ないかもしれないが、とても読みやすく、面白かった。

    2
    投稿日: 2021.04.15
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    推理小説をディープラーニングで学習し、事件の推理をするAIについての話。 昔読んだ、探偵の女性型ロボットと一緒に事件を解決する『半導体探偵マキナの未定義な冒険』という話のように、軽めの事件かなと思ったら、ばんばん人が死ぬ話だった。まあ、推理小説ってだいたいそうだけど。 フレーム問題についての話が面白いと思った。殺人事件の真相を推理するにあたって、いろんなパターンの組み合わせを考えてしまって、暴走に近い状態になるという。コナンみたいに、容疑者が三人に絞られている状態だと有効に機能するけど、容疑者が全くわかってない状態だと、フレーム問題を起こしてしまうという。まあ、コナンみてても容疑者と思われる人以外にも殺人が可能な人いるだとと思うことはあるし、そこらへんは結構ご都合主義なところはあるよなと思う。なお、探偵がいいあてた犯人が本当に犯人なのか証明ができないということを、推理小説の世界では後期クイーン問題というらしい。コナン見てても、もう少し言い逃れできただろうと思うこともあるしなぁ(ちょっと違うかもしれないけど)。 鈍器というものがなにかわからない話で、「donkey」(ロバ)という単語を聞いて、それを鈍器と勘違いするという話は、たしかにAIでありそうだと思った。先日も、りんごの写真を見せると「りんご」と判断つくけど、りんごに「iPod」と書いた紙を貼ると、AIはその写真が「iPod」と思ってしまうという記事が話題になってたけど、案外そういうところが苦手なのかと驚いた(https://www.gizmodo.jp/2021/03/even-ai-can-make-wrong-decisions.html)。こういうのうまく認識できるようにならないと、自動運転でも、「道」と書かれた服を着てる人を道だと思いこんで自動ブレーキが動作せずに引いてしまう、なんてことになりかねないだろうし。 なお、この小説にでてくるのは、探偵のAIだけでなく、犯罪を企てるAIというのもでてきて、そっちは推理漫画で学習することに。いろんな作品に共通してでてくるのが、黒タイツの人物だという。コナン特有なイメージがあるけど、コナン以外にもでてくるのか。 話自体、キレイに終わったようにみえるけど、多分、続きを想定して書いたんだろうなと思った。で、調べたらやっぱり、続きがあるらしい。覚えていたら読んでみたいと思う。

    1
    投稿日: 2021.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2021.2.2読了。 探偵のAI「相以」と犯人のAI「以相」。 人工知能の研究者の父が密室で謎の死を遂げた。相以とその謎を追ううちにテロリスト集団「オクタコア」の陰謀に巻き込まれて…。 早坂吝さんらしい設定ですが、なかなかどうして面白かったです。

    1
    投稿日: 2021.02.02
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    双子の人工知能の姉妹。 かたや探偵の『相以』、そして犯人の『以相』。 2人の息も付かせぬ対決の行方は... 人工知能の開発者の父は、2つの人工知能を開発し、探偵役と犯人役のふたつの役割を与え、そのスキルを強化していった。 まるで、将棋の2人の天才による棋譜の研究のように... しかし、父は謎の火事で亡くなり、残された僕と人工知能の『相以』は、父の死の真相を、そして、16年前、謎の死を遂げた母の死の真相を解くために動き出す。 謎のテロリスト『オクタコア』や警視庁、公安なども絡み、事態は二転三転へ。 人工知能に関する専門用語、『フレーム問題』や『シンボルクラウディング問題』、『不気味の谷』など多々出て来ますが、難なく読めます。 最後のエンディング(アジトからの脱出)は、ハラハラドキドキですね。 逮捕された縦噛理音の謎の言葉や、『以相』の行方など、いろいろな謎を残す感じで、続編に期待です。

    3
    投稿日: 2020.12.18
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    AIが一体どんな推理をしていくのか、ストーリーはどう進んでいくのかワクワクしながら読みました。専門用語も交えながらでしたが理解しやすく、段々とAIに親しみを覚えていったり、更に二転三転する怒涛のラストは面白かったです。

    1
    投稿日: 2020.10.26
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    人工知能と人の会話等のやりとりは最初は機械的で違いを感じたが、段々と違いを感じなくなった。 ミステリーの専門的な用語も何度か出てくるが、しっかりと説明もあり、全く知識がない人でも読める内容だった。 全体的に読みやすく、テンポよく読め、すいすいとページが進んだ。 面白い一冊だった

    1
    投稿日: 2020.10.21
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    新潮文庫nexの1冊。 新潮文庫の100冊2020の読み残し。 ある意味、ラノベの1つ先を目指すnexらしい作品と言えそうだ。 人工知能を主題に据えた新感覚ミステリである。 主人公は高校生、合尾輔(あいお・たすく)。 輔の父、創(つくる)は人工知能の研究者だが、密室で謎の死を遂げる。 父の部屋に隠されていたSDカードを開けてみると、人工知能のアバターが現れた。美少女の姿をしたAI、相以(あい)だった。 創は一対のAIを開発中だった。 1つが「刑事」役の相以、もう1つが「犯人」役の以相(いあ)。囲碁ソフトの開発に用いられたように、2つの人工知能に大量のデータをディープラーニングさせ、対戦させる形で、両方の能力を向上させていたのだ。囲碁ソフトが囲碁の棋譜を読み込むのに対して、創が開発中のものには警察の捜査資料を読み込ませていたのだという。 しかし、創が死亡した事件の後、「犯人」役の以相の方は消えていた。 事件は以相を狙ったものだったのか・・・? 輔と相以が調べていくうち、どうやら背後にテロリスト集団「オクタコア」の陰謀があることがわかってくる。 高校生と人工知能の探偵コンビは、犯罪集団に打ち勝つことができるのか。 作者の尖った才気を感じる作品である。 早坂吝(はやさか・やぶさか)というペンネームがすでに尋常でない。 人が簡単に殺されたり、残虐な描写が軽く扱われていたり、というあたりは何だかいかにもラノベ的な感じがする一方、著者の推理小説マニアぶりに圧倒される。加えて、本作では「フレーム問題」「シンボルグラウディング問題」「不気味の谷」といったAI特有の問題を犯罪に絡めてきている。 始めはケレン味あふれる書きっぷりにいささか引き気味で読んでいたのだが、あれ?と思ったのはシンボルグラウンディングが出てきたあたりである。エラリー・クイーンの「Yの悲劇」(とはっきりとは書いてはいないのだが)の引用で、この問題をすぱりと語っている。ん?これってものすごくうまくはまってる譬えじゃないの・・・? ラストのチューリングテストの顛末もなかなかしゃれている(でもこれは展開が読めたけどね、ふふん)。 言葉遊び的な部分も凝っていて、「オクタコア」のメンバーのあだ名が「チェシャのこ(チェシャ・カット)」だったり「終わりなき夜に生まれつく(エンドレス・デスマーチ)」だったりする。前者はルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」から取っているのだろうし、後者はクリスティの同名小説だろう。前者はにやにやしながらのこぎりを振り回す冷酷な大男(だから「cat」が「cut」で、「ねこ」が「のこ」になってるわけですね・・・)だったりして「あーあ」と思うし、後者のEndless NightからEndless Death-marchへの変換の意味がよく掴めなかったりするのだが。 主人公の名前はAIに掛けたものだろうが、脇役も小鳥遊(たかなし)とか間人(たいざ)とか難読名があったり、刑事コンビが右龍(うりゅう)と左虎(さこ)で対になっていたり、全体に凝りに凝っている。 著者の仕掛けたネタをいくつ拾えているのかよくわからないのだが、これははまる人ははまるのではないかな・・・? で、全体として、背後に「AIは人の心が理解できるか」というテーマがあるわけである。 粗さがあるというか才気が走り過ぎている部分もあるように思うが、この勢いについていける人にはおもしろい作品なのではないだろうか。

    2
    投稿日: 2020.10.09
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    双子のAIの相以と以相.作った博士が殺されたことで,息子の輔と探偵を選択した相以は父を殺したテロリスト集団「オクタコア」と戦うことになる.敵側についた双子の片割れ以相は犯人としてのスキルで立ちはだかる.マザコン公安,刑事入り乱れてのドタバタ風ミステリー.AIの仕組みや問題点を巧みに利用して本当にあるかもと思わせる.これで終わりではないラスト.どう続くのかな?

    0
    投稿日: 2020.10.05
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    表紙は可愛い女の子だが、内容は本格的な推理小説。むしろ、「可愛いAI探偵」という触れ込みは大袈裟で、作中にAIの容姿について言及した描写はほとんどない。 初めは探偵AIvs犯人AIの超絶バトルを期待して読み始めたが、実際は探偵としてはまだまだ未熟な探偵AIが事件を解決するにつれて成長していくといった具合の物語。 フィクションに偏りすぎない絶妙な塩梅で、物語にAIが組み込まれているので読みやすかった。AIに関する知識もわかりやすく説明されてるので、取っつきやすい。 ただ、作中に多用される通り名や言葉遊びはちょっとくどいかな…。続きが気になるので、続編も読みます✨

    1
    投稿日: 2020.07.22
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    AIを題材にした、探偵もののライトノベルである。 実は2020年の人工知能学会の公演でこの本が取り上げられていたので読んでみた。 もちろん創作もあるが、AIが引っ掛かるポイントをうまくまとめている。 また、対話型のAIが人の悩みを聞いていくうち、神のように崇められてしまうという話も、なかなか面白い描写だった。 AIの勉強にはもちろんならないが、AIが発達することで起こりそうなことも含まれているため、面白く読めた。

    1
    投稿日: 2020.07.02
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    事件に人間味というかドラマ要素があんまりないのが気になる。人間の登場人物までAIっぽく見えるというか。終わり方もそこまで好みではないかなあ。

    0
    投稿日: 2020.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    研究者だった主人公の父親が遺した2人のAI、”探偵(元刑事)"の相以と”犯人”の以相。以相は何者かに奪われてしまい、主人公は相以とともにいくつかの事件を解決しながら以相の行方を追う。とはいえ最初の頃の相以はポンコツで、その教育から始めるハメに。 AIの技術的問題であるフレーム問題を、推理小説に関連した後期クイーン問題になぞらえて解決しようとするところは、無理やり感もあるけれど、面白かった。登場人物の名前などに施された言葉遊びも楽しい。 あまりミステリに対する謎解きに固執して読むよりも、さっくり楽しく読む読み方の方がおすすめ。

    0
    投稿日: 2020.06.03
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    SFミステリ。人工知能。連作短編。 マンガやアニメチックな、推理バトルもの。 個人的にはミステリとしてよりも、人工知能の成長を描いたSFとしての評価が高め。 ジャンルとしてとても好みなので、続編にも期待。本業のSF作家さんにも、このようなミステリ描いてほしい!

    0
    投稿日: 2020.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ただ単にAIが探偵役として出てくる、というだけでなく、フレーム問題やシンギュラリティなどAIに関する基礎知識や歴史なども同時に学べる娯楽本であり教養本でもあると感じました。 AIに全く詳しくなくてもAI関連の単語に触れることができるし、多少なりとも詳しい人は用語のうまい使い方や細かいネタにも反応できてより楽しめる作品であると感じました! 一般論ではこの作品に出てくるような強いAIはまだまだ作れないと言われていますかが、僕は是非とも自分の手で"AI"を創ります!

    1
    投稿日: 2020.04.29
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    AIについての知識は面白く読めた。 けど、エンディングに向かう上でアイとイアが戦うのかと思ったら、なんか違った。 AIが探偵や犯人になったらっていう想定は面白いと思った。

    0
    投稿日: 2020.04.29
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    人工知能開発、ディープ・ランニングの仕組み、などの知識を多少でも知っていると、相以が陥るフレーム問題etc.様々な事例があーそうなるよねーと面白い。人工知能が人間に取って代わるものとして「探偵」が挙がるという発想も新しい。 話の流れとしては推理小説ディープ・ランニングやたら結果出るの早いなとか活字だけの情報でどこまでディープ・ランニングできたのかとか等等展開が駆け足気味なところがあるかな、という印象。刑事のAIが開発されることになった経緯、とか、言葉の初登場の段階でもう一言二言の補足があった上で、情報がバーっと明かされるパートがあった方がすんなり読めた気がする。 「賢くて可愛い」というキャッチフレーズは、持ち主の趣味嗜好に合わせて容姿をカスタマイズする相以のことを表現するものとしてはどうなの?

    1
    投稿日: 2020.04.13
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    天才研究者の遺した、刑事と犯人、双子のAIが勝負します。 博士の息子輔は、探偵のAI相以とともに父を殺した真犯人を追い、テロリスト集団「オクタコア」と戦い、その途中で、母の死の真相も明らかにします。 「フレーム問題」、「シンボルグラウンディング問題」をAIが克服し、成長していきます。 そして「チューリングテスト」。 そうきたか、というどんでん返し。 楽しめました。

    0
    投稿日: 2020.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    AI探偵かぁ。なるほどなるほど。古今東西のミステリーをディープラーニングすれば確かに可能か。 ただそのせいか、AI探偵が謎を解くに至るプロセスはある意味一瞬であるため、物語全体としては前振りが長く感じるのがネックなのかなぁ。 あと、登場人物の名前も含めて、何やら作り込みに違和感がありすぎてぞわぞわする感じ。例えば公安の右竜のあり得なさとか、少しご都合主義が強すぎるんだろうか。それを含めて、AIが探偵をするというフィクション世界なんだということなのかもしれないけれど、AIが現実世界において大きな存在になりつつあることを思えば、あり得ないと思わせてしまうことは損なのかもしれないという気がする。それともあり得ないと思わせるという配慮だったのかもしれないという気もしなくはない。 ただ、説明が多い気がするというのが一番だろうか。

    2
    投稿日: 2020.03.02
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    この作者の小説を読むのは二作目。人工知能がテーマなのでもっと難しい話になるのかと構えて読み始めたが全然難しい話は出なかった。どこかで聞いた事があるようなAIに関する話や詳しくは覚えていなかった人工知能に関する話を簡単に説明しつつそれをミステリに生かしていたのでそこらへんは面白かった。右龍さんのキャラが結構好きになったんだけどマザコンすぎだぜ…。

    2
    投稿日: 2020.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ディープラーニングの特徴とか弱点(フレーム問題やシンボルグラウンディング問題)をうまく活かしてミステリーに仕立てているところは面白かった。 ただ、携帯に高度なAI入れたらフリーズしそうとか、AIの対話性能や人間らしさがやけに高くて、そこの学習が一番大変そうなのになーって思ってしまった。 私の専攻が情報なので細かい部分が気になってしまったのは、職業病なのでしょう(笑)

    0
    投稿日: 2020.02.06
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    人工知能の研究者の父が自宅離れの密室内で焼死。高校生の息子、輔は事件を父が開発した「探偵」AI、相以と共に調べていく事になる。相以には「犯人」以相という双子のAIがいるがこちらは事件時にテロリスト集団に奪われ、やがてお互いが対決する事件が起こる。開発途中状態の相以が人工知能として事件を推理していく過程が面白い。人だとスルーする所に引っ掛かってしまうAIの抱える「フレーム問題」等の問題点が上手く絡み合っている。相以がボンコツ探偵から成長していき人間臭くなる過程が楽しいけど以相側がそこまで語られてなくて直接対決もあまりなかったのが残念。次巻に期待かな。

    9
    投稿日: 2020.02.01
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    人間の心の所在は、機械のそれと同様、他者からはうかがい知ることは出来ない。 ただ、言動をもって、それを信じるのみ。 相以の純真さに対して、以相の外道っぷりが清々しい。 双子のAIなのに、どこでこんなに差がついたのか… やはり環境か。

    0
    投稿日: 2019.09.20
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    AI探偵とAI犯罪者のバトルを描いた本作。 それぞれAIの特徴を活かした推理や犯罪は面白いです。主人公は人間なので、謎や推理に驚いたり、たまに滑稽さを感じたりと、不思議な読み味がありました。 そして探偵AIは推理小説を、犯罪AIは推理漫画をデータベース化し、戦っていきます。その媒体の違いなども今後現れていくのでは?と期待しているシリーズです。

    1
    投稿日: 2019.09.01
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    あまり期待していなかったが、思ったより面白かった。続編に期待。表紙の絵とタイトルは損している。もったいない。

    2
    投稿日: 2019.07.17
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    早坂吝「探偵AIのリアル・ディープラーニング」読了。父の形見である人工知能のAI。事件の真相を究明するため活躍する人工知能。はじめは万能ではないが、機械学習を通じ探偵AIとし成長していく様に人工知能の将来の飛躍を想像させてくれる内容であった。

    1
    投稿日: 2019.06.25
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    AIものは最近よく見かけるようになりましたが、こちらは、フレーム問題、シンボルクラウディング問題等、実際にAIに人間同様に考えさせようとするとどうなるかを、実際の問題点をストーリーに組み込んでいて、とても興味深く読み進めました。殺された開発者の息子がそのAIと共に悪の組織と闘うという話ですが、最後に一捻りもあり楽しめました。早坂氏ということで期待値が上がってしまったのか、ミステリとしては少し物足りない気もしますが、続きを期待したいと思います。

    0
    投稿日: 2019.06.14
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    AIをテーマにした推理小説。しっかりとAIの特性が推理の骨格に位置付けられているのが素晴らしい。内容も論理的であり、クォリティも高い。敵の正体が見えて、終盤ややグダグダ感があるが、推理の論理性にゆるぎはない。続編でAI探偵に会えることを期待。

    2
    投稿日: 2019.06.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    父の残した人工知能探偵相以。同じく持ち去られた人工知能犯罪者以相。二つの人工知能。そしてハッカーの集うテロリスト集団オクタコア。スマホ片手に輔は亡き父の死の真相を探る。 人工知能の探偵というネタは面白く、既存のミステリに人工知能ならではの観点を加えることで変容させる試みはいいものの、この作者にしては全体的に切れ味がなく、やや浮ついた感じである。新潮文庫nexという媒体のせいもあるが、講談社の他作品と比べて、よく言えば万人向けで、悪く言えばヌルい印象。オクタコアのメンバーの通り名の一つ「オー・ブラザー(あーっ、お兄ちゃーん)のルビが振られていたり、無機質なポーカーフェイスの公安刑事が重度のマザコンといったぶっ飛んだネタは著者らしい悪趣味さに満ちていて楽しめたものの、それでも物足りなさのほうが先に立ってしまった。 理由を考えてみたが、やはりそれは全体的な緊迫感のなさだろう。AIがねじくれた不可能犯罪を解決する、というのを期待して読んだのだが、意外なほどAI探偵がポンコツで、続く人工知能の犯罪者もシマウマを狂気としたシンボルグラウディング問題のめちゃくちゃさのせいで、人間を超越した理解を拒む人工知能の怖さが完全に薄れてしまった。そこで完全に間が抜けてしまい、ギャグとしてしか読めなかったのが最大の難点だろう。またギャグとして見るにもどぎつさが足りず、もう少しブレーキを外して欲しかった感も。少なくとも「◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件』の時のような、読者をぶん回すキレッキレの展開が足りない。 しかしAI探偵が万能ではない、というのは現実の人工知能に接している僕らからすればかなりのリアルさがあり、あえてセーブをかけたことで荒唐無稽になりすぎないようにしていたのは評価できる。ただ、ラノベに近い媒体ならもう少しぶっ飛んでてもよかったのにと思ってしまうため、このへんは難しいところである。AI探偵、オクタコアのメンバー、警察側の人間と、出てくるキャラは厨二病感満載でよく立っており、ミステリ作家らしい書き分けの妙を感じた。ただ、もう少し出番が欲しいキャラもちらほら。このあたりは次作で掘り下げられることを期待してしまう。 個人的には三つ目の事件の、正解にたどり着いたものの、犯人側の動機を推察できなかった人工知能探偵の敗北というのが一番面白かった。推理は正しくても動機に違和感があり、人間側が補足することで初めて真の動機が明らかになるという構成はよく、探偵としての格も落とさない名采配だろう。また、フレーム問題を起こして推理の範囲が膨大になりすぎる欠点を、後期クイーン問題を利用し、推理小説をディープラーニングさせることで、刑事AIから探偵AIへと華麗なるジョブチェンジを果たすという発想は最高の一語だった。 設定は面白く、存分に活かしており、キャラもよく立っている。しかし著者の他作品を読んでいると全体的にキレが足りない。総括するとそんな感想だった。知らない人にすすめる早坂吝入門編としての一冊なら問題はないだろう。

    0
    投稿日: 2019.05.30
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    <学生選書コメント> 人工知能の研究者である父が作った 双子のAI。「探偵の相以」と「犯人の 以相」との推理対決。

    0
    投稿日: 2019.03.04
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    どれだけ学習させるかとかフレーム問題とかAI素人にもわかりやすくて楽しかった。何年後かにはこんなこともできないのか、と驚かれるような時代が来るのだろうか。

    1
    投稿日: 2018.11.24
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    人工知能AIの探偵と犯人の対決という今時っぽい内容。有効な部分もあれば、課題もあるという部分をうまく使ってミステリー仕立てにしていると感じた。

    1
    投稿日: 2018.10.18
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    推理小説の形式でありながら、AIについても学べて2倍お得。各話ともに、そして一冊の本としてもよくまとまっていて大満足。らいちシリーズのテイストがなくても論理とキャラで読ませる。表紙も可愛いと思ったらVOFANさんでGOOD。続きのありそうな終わり方でまたこの世界の本を読みたい。

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    投稿日: 2018.10.06
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    「人工知能の探偵と犯人」といういかにも現代的な題材をライトミステリに持ち込んだだけで勝ちの作品。 そういう意味で「出オチ感」が強く、実際に読み進めるとその設定がふわふわとしすぎていて作品にマッチしていないように感じられます。 フレーム問題や中国語の部屋、チューリングテストなど興味をひく要素は多いが、「後期クイーン問題」だとか古典ミステリのタイトルが突然出てくるなど、読者層とそれはちょっと違うんじゃないの? と余計なことを考えてしまいたくなるのもマイナス。

    0
    投稿日: 2018.09.23
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    探偵AIと犯罪者AIが開発され、お互いに競い合わせる事でバージョンを上げていった。 しかし犯罪者集団に犯罪者AIが盗まれてしまう。主人公は残された探偵AIと事件を解決しながら犯罪者AIを追いかけるが、肝心の探偵AIがフレーム問題を起こしてしまう。 AIの問題点がよく分かるようになっておりミステリ要素も絡めてコミカルになっている。探偵AIにしても犯罪者AIにしても完璧ではなくミスをするのが面白い。次巻も出そうなので楽しみ。

    2
    投稿日: 2018.08.16
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    実体を持たないAI探偵とその開発者の息子が犯人と対決する連作短編集。ミステリーではお馴染みのネタとAIならではの問題を取り込んでオリジナリティー溢れる本格ミステリーに昇華させているところが魅力的ですし、AI探偵が古今東西の本格推理小説や漫画から学んで推理の腕を上げていく設定は連作短編の体裁に合っていて秀逸な出来。推理小説としてもキャラ小説としても読み応えありで、是非とも続編を読みたいです。

    1
    投稿日: 2018.08.08
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    ディープラーニング型のAIの特徴とか弱点とかをうまく活かしてミステリーに仕立ててると思う。ただ、スマホでAIを稼働させると、むっちゃ熱くなって、あっという間に電池がなくなりそう。

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    投稿日: 2018.08.04
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    AIモノの作品の入門として良いかもしれない。これで作中紹介されている瀬名秀明の『デカルトの密室』に興味を持ってバトンが回ると良いなと個人的には思う。 内容としては人工知能が探偵であり犯人であるからこその展開は面白い設定だった。フレーム問題や中国語の部屋、チューリングテストなどの取り入れ方がうまく、わくわくさせる。 事件の緩さや敵の小物感などイマイチな部分も多いが続編を意識したゾッとするような伏線もちらほらあり、今後に一応期待はしたい。 何より読みやすく、興味本位で軽く読めるのが嬉しい。旬な内に読みたい作品。

    2
    投稿日: 2018.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ペンネームの通り、柄刀一氏がお好きなのでしょう。かの名作「密室キングダム」の中の一作を思い起こさせる「不気味の谷2」が特に良かったです。 内外の本格好きの心をくすぐるキラーワードやシチュエーション満載でした。 次作も期待。

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    投稿日: 2018.07.18
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    ‪早坂吝『探偵AIのリアル・ディープラーニング』読了。ベースとなるアイデアは我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」に類似していてこちらの方がラノベテイストでキャッチーだけど好みが分かれるところか。人工知能を巡る哲学問題がモチーフになっているけれど…推理が早いのは小気味よいですね。‬

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    投稿日: 2018.07.17
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    探偵の機能を有した人工知能は人智を超えた完璧な存在...ではなく、抱えている課題は多い。 人工知能の諸問題と探偵小説のロマンを上手に絡めた新しい探偵小説。 陰謀の大き過ぎるスケールとか、意外にも古典ロマンな物理トリックとか 古くて新しいを地で行くのが本格ミステリらしい。

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    投稿日: 2018.07.11
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    探偵AIのリアル成長物語。      なんか円居晩的な感じがするけど早坂吝。  早坂吝にしてはあまり尖っていない。むしろ本格。あ、でも最後のは早坂吝っぽかったかもしれない。     まぁそういうのってどうでもいいんだけれどね。読んでるときに作者なんて意識しないから。     そんなわけでまぁまぁ面白かった。    これって連載作品なんだね。書き下ろしならもっと面白かったかもしれない。

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    投稿日: 2018.07.05
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    「探偵」と「犯人」のAIが主役。一つ一つの話は読みやすく、ミステリとしてもAIの主題としても面白かった。ミステリよりはキャラ小説よりかもしれないけど。敵組織も二つ名で呼び合うような、絵に描いたような組織でわかりやすい。結局組織は壊滅したものの、不和は残り犯人のAIも逃走。続きもありそうな終わりなので期待したい。

    0
    投稿日: 2018.06.23
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    06/17/2018 読了。 著者作初。 AIの探偵と犯人、設定に惹かれました。 さくさく読める。 輔くん、ワトソン役似合う気がする。 同年代の女の子とか出てこないかなーなんて。 左虎さんもかっこいいんだけど。 続きあるといいな。 そして、VOFANさんの表紙が美麗…。

    0
    投稿日: 2018.06.20
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    【本格現代キャラミス】 キャラミスというわけられ方も久しい昨今、本格キャラミスが現れた! AI(かわいい)を現代のホームズvsモリアーティの構図にして、後期クイーン問題やAIの問題、オマージュ。 どの面も面白いし楽しい。 中でも第5話は秀逸!

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    投稿日: 2018.06.14
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    2018年64冊目。AIという素材を存分に生かして⌈フレーム問題⌋⌈シンボルグラウンディング問題⌋など耳慣れない用語も上手く説明しながらしっかりミステリに絡めている。探偵と犯人を用意したことといい、狙った仕掛けが一つも外していないのは本当に凄い。遊び心にも満ちていて満足度も高い。

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    投稿日: 2018.06.09
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    早坂吝の最新作は新潮文庫nexから。 探偵役、犯人役ともにAIというのが今時だが、内容はかなりガチなミステリで楽しめた。個々の登場人物のキャラ立ちもいい。 上木らいちシリーズとはまた違った魅力があるので、本作の続編が出るのを期待している。何か続きがありそうなエピソードもあったしね……。

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    投稿日: 2018.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ミステリ界屈指の曲者作家、早坂吝。どちらかといえば、おちゃらけた作風と認識している。今回、早坂さんが挑むテーマは、今話題のAI、人工知能である。しかも、AIが探偵役を担うという。前例はあるようなないような?  人工知能の研究者が怪死したところから、物語は始まる。高校生の息子・輔には、「探偵」のAI・相以(あい)が残された。一方、相以と双子の「犯人」のAI・以相(いあ)は、テロリスト集団・オクタコアに奪われていた。輔は、父の死に疑問を抱き…。  AIネタとはいえ、難解ではない。持ち味のおちゃらけた作風の中で、うまく料理している印象を受ける。処理量では人間をはるかに陵駕するAIだが、人間には簡単なことが苦手だったりする。AIなのに妙に人間臭い。SFに出てくるような完全無欠なAIではなく、課題があるものとして描いているのが、ポイントと言える。  事件を推理する探偵・相以と、犯罪計画を立案する犯人・以相。2つのAIの、斜め上を行く発想に、人間は仰け反るしなかい。本来、互いに成長し合う目的で作られた、相以と以相。オクタコアは、以相の成長のために、相以もほしい。  体裁としては連作短編集だが、読み進めるにつれて、輔VSオクタコア、いや、相以VSオクタコアという色合いが濃くなってくる。オクタコアの描写はテロリストらしく冷酷で、秘密を知った者は始末する。早坂作品としては、正直戸惑う面もある。  輔がオクタコアに捕らえられ、いよいよクライマックス。なるほど、そういう答えとは裏をかかれたが、結末が呆気ない気がしないでもない。作中に描かれたAIは、まだまだ未完成とはいえ、現実のAIよりははるかに進んでいる。結局、AIは人間の手に余るということなのか。予見的要素もあり、何だか考えさせられる。  そんな本作で、何よりもすごいのは、AIではなく、ある人物がとった行動だろう。極めてロジカルだが、背景には人間の情がある。この1編だけ読むと荒唐無稽だが、本作の作品世界では、説得力があるように感じられるから、不思議である。  作中に挙げられたある2作品は、たまたま読んだことがあったが、自分にとっては大いに難物だった。本作は、これら2作品へのオマージュなのだろうか。

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    投稿日: 2018.06.05