「真の仲間」読了。 設定がまず面白く、内容も丁寧で先が気になる展開で、とても面白かったです。 本作の面白かった点に主人公の境遇が挙げられます。主人公レッドは勇者パーティーに所属していたが、段々と戦闘力に差が出て、遂には追放されてしまいます。 主人公が持つスキルは「初期レベル+30」という早熟型のスキルで、パーティー内では戦闘要員ではなく、戦略を立てたり、交渉したり、道中で料理をしたりと痒い所に手が届くような唯一無二の働きをしていたのが独特な設定で面白く、すごく好感を持てました。 もう一つ面白いと思ったのが、ストーリーの展開の仕方です。現在のスローライフをしている主人公視点と過去の勇者パーティー時代の主人公視点、そして現在の勇者パーティー視点と３つの場面を切り替えながらストーリーが進行していくので、ヒロインがなぜ主人公のことが好きなのかなど、キャラクターの言動に納得感があるのがストレスを感じずに読めました。 また、現在の勇者パーティーはレッドが抜けたことで、続くようにヤランドララも抜けたりと、しっかりと今後の展開を匂わせているのが、すごく良かったです。 最後に、ヒロインのリットの魅力が素晴らしかったです。お姫様でありながら単独で冒険をし、偶然出会ったレッドにはいきなり同棲を持ちかけるなど積極性を見せてくれる一方で、レッドの直球の好意には照れるのがすごく可愛かったです。 また、リットは考える時の視野が広く、感心させられる言動が多くて愛着が湧きました。 スローライフ系が読みたくて偶然手に取った本作ですが、タイトルが長くて損をしていると感じるくらい中身はとてもしっかりしていて読み応えがあったので、非常に満足しています。 スローライフ系なのにストーリーに緩急があり、今後が気になるストーリーだったので、早く続きを読もうと思います。