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4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還した
4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還した
マイケル・ボーンスタイン、デビー・ボーンスタイン・ホリンスタート、森内薫/NHK出版
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総合評価

23件)
4.2
10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホロコーストに関する本は何冊も読んできているけど、4歳の子どもがアウシュヴィッツで生き残ったという話は聞いたことがないし、信じられない話だと最初は思った でもこれは、著者自身の記憶と親族らによる証言を元に書かれたノンフィクションであり、綿密なインタビューと歴史資料によって裏付けられた話だそうだ 当時4歳だったマイケル少年が母親や祖母と共にアウシュヴィッツで生き延びられたことは、本当に奇跡的な出来事だったに違いない 彼らはいくつもの幸運と機転によって死を逃れることができた。チフスに罹って入院したことさえも幸運に繋がったのだから かれらはホロコーストを生き延び、生き残った親族たちと再会し、その後アメリカに渡って暮らした 残念ながら父親と兄はガス室に送られたが、叔母も日本経由でアメリカに渡ることができた それは杉原千畝によって発行されたビザのお陰だったという ゲットーやユダヤ人狩りの場面は読んでいて辛くなる出来事が多かったけれど、なかにはこうして生き延びた人々もいたことはわずかな救いだ 中学生から

    10
    投稿日: 2025.07.28
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    何度も泣きました。。 人々が殺戮される描写がリアルです。 読みやすい文章でした。最後まで読むと希望もあります、途中で怖すぎて辛過ぎて読むのをやめたくなるけど、、でもやめなくてよかった。

    2
    投稿日: 2025.04.11
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    4歳の子どもでは仕方がないのだが、当時の本人の記憶はほとんどなく一番知りたい部分は僅かでその後日談が大半を占める。その点は残念に思う。人類史上最悪の悪事も最近は否定論者が増加してきており、つくづく人間というのは最低の生き物だ思う。戦時中日本軍もアジア各地で同様の虐殺を行ってきたはずだが、反省のないこの国の国民は隠蔽するどころか記憶から消してしまっている。国の責務としてその悪事の全てを調査し、全世界に明らかにして、国民の総意として反省し謝罪しなければ戦後など来ない。このままではいつまで経っても世界から貶まれる国でいるしかないのかと思う。

    4
    投稿日: 2025.01.30
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    とても読みやすいが、とてつもなく重たい話だった。ユダヤ人というだけで気まぐれに殺されていく描写。人は人に対してここまで残酷になれるのか。奇跡、運、金、コネに恵まれアウシュヴィッツを生き抜いた4才のマイケル。アウシュヴィッツを出ても幸せにはならない。なぜユダヤ人というだけでこれほど憎まれるのか純粋に分からない。が、読めて良かった。

    1
    投稿日: 2023.01.20
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    アウシュビッツ関連の本は小中学生のときに読み漁ったが、収容所からの生還後の話を書いているものがなかったので、当時の惨状に驚いた。 少し文体が読みにくかったが、読む価値はあると思う。

    0
    投稿日: 2021.07.11
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    アウシュビッツ関連の本はいろいろ読んだが、この本はその中でもかなり衝撃を受けた本だ。 主人公が4歳だったこと。 過酷なアウシュビッツで生き延びたこと。 その理由が偶然のできごとだったこと。 この本は「ホロコーストは嘘だ」と主張する人たちへの反論として書かれた。「ホロコーストは嘘だ」と主張する人がいることが私にとっては信じられないことだ。 一点気になったことは、ジャルキに戻ってきたユダヤ人の大半が著者の親族だったことだ。著者の親族は金持ちが多かったのか? それとも。。。いろいろ考えさせられた。

    0
    投稿日: 2021.06.14
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    ユダヤ人の主人公ボーンスタイは、4歳の時に「死の収容所」と呼ばれるアウシュヴィッツから奇跡的に生還した。過去を語ることを避けていたが、ホロコースト否定論者たちに幼少期の写真が使われていると知り、証言を残そうと決意する。本書は、彼の断片的な記憶を、家族・親戚の証言や歴史資料で補強しながら、一つの物語として展開していく。 彼はナチス支配下のポーランドのゲットーで誕生した。父がユダヤ人社会の有力者であったことから、当初は収容を免れていたが、終戦近くに収容所に移送された。子どもや女性たちが移送後すぐに命を奪われる中、祖母が彼を守り抜き、奇跡が重なったことで命をつなぐことになる。 戦争の意味さえ知らない純粋な子どもの目線で、収容所生活の戸惑いや悲しみ、ひもじさが語られており、より胸に迫るものがあった。戦争がいかに弱者を傷つけ翻弄するのかを痛感させられた。 深い傷を抱えた収容者たちにとって、収容所からの解放は、新たな試練の始まりを意味していた。生活を立て直す過程で、さらなる迫害や困難に直面した。ホロコーストの悲しい歴史を綴るとともに、第二の人生を力強く築いていったボーンスタイ家の人々の意志の強さに心を動かされた。杉原千畝との関係も記されており、日本とのつながりも感じられた。

    1
    投稿日: 2021.05.24
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    当時の状況がよくわかった。途中読んでいてとてもしんどくなくようなシーンも度々出てきたが、その分アウシュヴィッツから出た後の本の後半部分は感動的だった。 主人公の父親が絶望の中起こした行動、収容所での母親や祖母の勇気ある行動、ヒルダおばさんの、常に前向きでありなさいという言葉、などから状況が絶望的ななかでも最善のことをして未来を切り拓いていけるんだと希望をもらえた。とても良い本に出会えた。

    0
    投稿日: 2021.04.03
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    本当に面白かった。 アウシュビッツで生還した収容者の物語。ホロコーストはなかったとか信じる奴らに対しリアルな経験を物語る。まあでも普通文明人が一つの民族を根絶やしにしようと考えるなんてありえないって考えてもおかしくないよな。事実は小説より奇なり。 ゲットーの物語、アウシュビッツでの苦痛など現実味が溢れていて、ノンフィクションの惨劇にめまいがする。ユダヤ人嫌い嫌いになるぞ。わずか4歳でアウシュビッツ入りする子供に同情するし、そこで子供を守るために全力を尽くした母と祖母に涙が出る。父は賄賂という方法で同胞を救ったが、言うなればこれは救えない人間を選ぶということでもあるから心が傷んだろうと感じた。キツイな。ナチのクズめ。 ジャルキでの苦悩の日々から、ピョンキでの多少マシな日々を経てアウシュビッツに行ったのは本当に幸運だったと思う。ピョンキでのまともな(それでも健康で文化的とは言えないだろうが)生活のおかけでアウシュビッツを乗り越えられたという面はあるだろう。「死の行進」を避けたのは本当に幸運で驚嘆する。 母子の再会が最高。これは涙が出る。生きててよかったねえ。父と兄がなくなったのは悲劇だが、母、子、祖母が生き残ったのは20世紀最大の奇跡だろう。隠れん坊の世界チャンピオンに幸あれ。 ユダヤ人を石鹸にするクズどもに対し、母の「それなら私はとびきり上等の石鹼になるわ、イズラエル。ラベンダーの石鹼、それともライラックやローズヒップ?」好き。 たまーにだがまともなドイツ人がおり、それを描写している点も評価できる。流れには逆らえないけど自分のやり方で差別と戦う姿は良い。こういう人を描いたノンフィクション本も読みたいね。 オーウェルのエッセイを読むと感じるが、ヨーロッパ人のユダヤ人嫌いって根拠がない上に根深いよなあ。

    0
    投稿日: 2021.02.18
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    1940年にドイツ占領下のポーランドに生まれたマイケルは、ゲットーや収容所暮らしを余儀なくされたのち、わずか4歳でアウシュヴィッツに送られた。なぜ、子どもが次々に殺されていった収容所で、彼は6か月も生き延びられたのか?悪や絶望がうずまく世界の中で、ひたむきに前を向いて生きたマイケル一族の姿が胸を打つとともに、家族の絆や、希望を失わずに生きることの大切さをあらためて教えてくれる良質なノンフィクション。

    1
    投稿日: 2021.01.30
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    以前に一度読んだことがあったことを、読み始めてから気がついた。 ただ、『アウシュビッツの図書係』の後に読んだことで、重なる部分を違う視点で見ることができて、より立体的なユダヤ人迫害像に迫ることができた。 この本の前半は住んでいた街でのゲットーの始まりからアウシュビッツでの生活に至るまでを描き、後半ではアウシュビッツを出てからの生活を描いている。 アウシュビッツを出てからの生活についてはあまり読んだことがなかったので、興味深かった。 また、この本の冒頭で述べられていたように、すでにこの経験から長い年月が経っており、記憶していることが、本当のことなのか、そのように想像していたのか定かではないため、あまり話したくなかったという点では実に誠実な対応に感心する。この本はそれが思い込みでないことを証明するため、さまざまな資料に当たりながら書かれたものだ。信頼に値する立派な体験記である。

    13
    投稿日: 2020.09.09
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    ポ-ランド生まれの4歳の男の子(マイケル)は、ユダヤ人であるが故にアウシュヴィッツ強制収容所に送られました。解放されるまでの過酷な体験を語るにも、幼児期の記憶には確証がありませんでした。40数年後、当時のソ連軍が解放後に撮影した映像を見て、生存していた子どもたち中の自分を発見します。やがて〝ホロコ-ストはなかった〟と主張する輩が出現するにおよび、実娘の協力を得て調査が重ねられ、悲愴な事実が表れたのでした。マイケルの母ソフィ-の帰還、ソフィ—の姉(オラ)と杉原千畝など、次々と明かされる真相に驚かされます。

    2
    投稿日: 2020.07.31
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    1940年にドイツ占領下のポーランドに生まれたマイケルは、家族の愛を一身に受けながら成長するも、状況は悪化し、わずか4歳でアウシュビッツに送られた。 労働力にならない子供や老人は真っ先に殺されていったなかで、彼は6ヶ月後、奇跡的に生還を果たした。運もさることながら、母親や祖母、まわりの大人たちの、必死な努力での生還。 幼子の目に映った収容所でのむごい出来事、生還できたとはいえ、そのすさまじい体験は一生背負って生きることとなる。 今年もまた、もうすぐ敗戦の記念日がやってくる。 余所事とか、他人事ではなく、ひとりひとりが考えていただきたい。

    1
    投稿日: 2019.08.11
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    世界一受けたい授業11/10著者出演 最年少の生還者が「事実を捻じ曲げられてはいけない」と決意。放送後、大反響!

    0
    投稿日: 2019.06.19
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    長くかかってしまいましたが、読んでよかったです。やっぱり時々でも、歴史を振り返るのは大事。 2019/3/1読了

    0
    投稿日: 2019.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アウシュビッツを生き抜いた、というだけでなく、その後が長く描かれているのがとても興味深かった。 自分たちの家を奪われたり、故郷に戻っても差別が続いたり、ホロコーストから帰還したからといって彼らの生活がすぐに好転したわけではなく長く不遇の時代が続いたことが切々と伝わってきた。 そして何より母は強い。絶対に生き抜いて、子供を探し出してみせるという信念を貫いていた。

    0
    投稿日: 2019.02.07
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    時々、戦争関係の本を読んだり、知識を入れたりする必要があるな、と思う それにしても「水から茹でた蛙は飛び出せない」という言葉を思い出す

    0
    投稿日: 2018.11.27
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    テレビで紹介され、興味を持った本(オープニングしか見ていないが)。わずか4歳でアウシュヴィッツを経験した著者が、「ホロコーストは存在しない」と言う言葉を聞いた事が、本書の出版のきっかけとなったという。私自身、小学生の時に読んだ数冊の本でしか知らないその悲劇。でも、実際はアウシュヴィッツの前後にも想像を絶する迫害を受けていた事をこの本で知った。著者の経験した年齢が4歳のため、確実な記憶が少ないとされつつも、奥様、娘さんによる調査や、同じく生還した親類達の証言により、とても生々しく、細かく綴られています。次の世代にも語り継がれるようにと、非常に分かりやすく、物語形式で書かれた本書。著者がこの本に込めた想いは、確実に広く伝わっている。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    もう10年前くらいにアウシュビッツの強制収容所を訪れたことがある。有名なArbeit macht frei の看板も見たし、大量のユダヤ人の髪の毛とかシューズの山の展示物も見たことがある。 どこか他人事になっちゃうけど、当時4歳の子どもが体験した経験としてはあまりにも悲惨。周りの家族、大人たちの執念と奇跡によって生き延びることができた、無事でほんと良かったあって思った。 アウシュビッツからの生還がクライマックスかと思ったらその後の再起の物語と戦後にもはびこるユダヤ人差別の実情が暗澹とした気持ちと希望に燃える輝かしさを感じ取れて寧ろ後半わくわく読み進めることができた。 しかし、家族の別れと再会の物語は涙を誘うわ。感動。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    アウシュビッツの女たちの間には、暗黙のルールがあった。それは、子供を見かけたら守ってやることだ。畑仕事を割り当てられた女たちは、収穫した野菜のいくつかをかすめ取っていた。それはもちろん自分のためでもあったが、彼女たちはいつも、収容所の中で栄養が極端に足りない子供を探して食べ物を与えていた。カナダで働く女性たちは、盗みが見つかれば死刑になると知りながら、子供たちのために下着やセーターをこっそりかすめ取っていた。縫製の仕事をしていた女たちは、シーツと毛布をひそかに上着や肌着に変身させていた。ユダヤ人の囚人に比べると、カトリックの囚人は、子供の棟に使づいても怪しまれにくかった。彼女らもそうした立場を利用して、子供たちを助けようとした。子供がユダヤ人かどうかは気にしていなかった。

    0
    投稿日: 2018.07.27
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    ホロコースト生存者のノンフィクション。 本物にしかない迫力がある。 アウシュビッツから解放された後にも たくさんの困難があったことが 興味深い。 奇跡の物語。

    0
    投稿日: 2018.07.08
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    アウシュヴィッツを奇跡的に生き抜いたマイケル。戦後、同じく生き抜いた母親と移住した米国で結婚したが、長くアウシュヴィッツのことは語らなかった。しかし、上映されていた映画のドキュメンタリー部分にアウシュヴィッツから解放された自分を見て驚く。そして、ネットで検索するとその写真はすぐに見つかり、その子どもたちの健康そうな姿に、アウシュヴィッツはユダヤ人のでっち上げだ、という書き込みまで見つけてしまう。その写真は、アウシュヴィッツを解放したソ連軍が、数日後に記録のためにもう一度解放時の服装をさせて撮ったもので、連合軍の手厚い保護のおかげで健康を取り戻した後の写真だったのだ。マイケルは、娘のデビーの協力のもと、一家や親戚のたどった苦難の道を書き残すことにしたのが本書である。 当時のポーランドのユダヤ人社会の実力者であった父親の判断と、たくさんの幸運に恵まれ生き延びたマイケルと祖母。戦後亡くなっていたと思っていた母親との再会。調べあげた事実を淡々と記していることがより考えさせる。

    0
    投稿日: 2018.06.11
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    若い世代向けに書かれているが、すべての世代におすすめできる心揺さぶるノンフィクション。 著者の1人、マイケルはごく幼いころにアウシュヴィッツに送られ、奇跡的に生き延びた過去を持つ。マイケルがサバイバーとなれたのは、いくつかの偶然の所産だが、その陰には、一族の強い絆と、家族の深い情愛があった。 長年、過去について沈黙を守ってきた彼だが、1枚の写真との出会いをきっかけに、アウシュヴィッツの証言者となることを決意する。 当時4歳と幼かったマイケルのおぼろげな記憶を掘り起こし、裏付けたのは、同じ苦難を乗り越えた同胞のユダヤ人や家族の証言、そして丹念な文献調査だった。 ジャーナリストであるマイケルの娘、デビーは、マイケルの話や他の人々のエピソードを再構成し、読みやすく、心打つ物語にまとめている。 ユダヤ人コミュニティに迫るナチスの手、アウシュヴィッツでの残酷な出来事ももちろん胸に迫る。 だが、それらに加えて、この物語を力強いものにしているのは、帰還後のマイケル一家の姿だ。何もかもを失い、ゼロから、いやマイナスから始めることになった彼らは、手を取り合い、挫けずに生き延びていく。 「これもいつかは過ぎていく(ガム・ゼ・ヤ・ヴォール)」 父の口癖であったこの言葉は、一家を支える灯となる。 全員が命を長らえることはかなわなかった。けれど、亡き人々の思いもまた、次の世代につながれていく。 これは、ユダヤ人としての民族の歴史にとどまらず、すべての人に響く普遍的な物語だ。 理不尽な運命に負けず、毅然として立ち向かった庶民の歴史を生き生きと描く本書は、多くの人の心を捉えることだろう。 * NetGalley(ネットギャリー)https://www.netgalley.jp/という、出版前の本のデジタル版ゲラが読めるサイトでいただいた本です。Amazonの書誌事項が登録されたようなので、こちらにも投稿します。

    2
    投稿日: 2018.04.16