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したがるオスと嫌がるメスの生物学 昆虫学者が明かす「愛」の限界
したがるオスと嫌がるメスの生物学 昆虫学者が明かす「愛」の限界
宮竹貴久/集英社
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総合評価

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    著者の本はこれで3冊目。 ようやく図書館にラインナップされたので即借りてきた。 しょっぱなから面白いんですが中盤あたりからの「性的対立と思いきや実はwin win かも」「新しいオスのにおいを嗅いだら流産」「体内時計のズレによる生殖隔離」「(体内時計による1日の時間が短く)早熟な個体は交尾時期も早く数多くの子孫を残すが早く死ぬ」あたりがピークか。 特に最後のトピックは表向きそれ以上のことは何も触れないけれど、なにか言いたげな。 7章冒頭はメスのみで繁殖に成功しているサンショウウオやマムシ、ザリガニ(増え過ぎて困っている程)、ゾウムシなどを紹介し「昆虫、甲殻類、魚、鳥類、両生類、爬虫類でオスが消滅した生物がいる」としている。(んでこっから哺乳類は?となって例のY遺伝子のないネズミの話) 著者はおそらく心の中では全く思ってないだろうが、男性読者からの攻撃を避けるために「オスがいないなんて寂しいなぁ」みたいな感想をちょいちょい入れてくるが、不要ならそりゃいなくなるでしょうし完全にオスがいなくなるなら悲しむ人もいないからいいじゃん。そもそも自分で出産出来ない個体が遺伝子を残すもへったくれもないというか。ね。 最終章(8章)をまとめると 「生物はDNAを残すためだけのゲームとして進化したんだから全て損か得か。それだけ。え?味気ない?じゃあ(性的)対立を避けるために相手の気持ちを推しはかりなさい、自分自身を与えなさい。え?出来ない?じゃあ逃げるしかないね。 まぁ全ての生き物は生存競争に勝った勝者なのだから、遺伝したその個性に自信を持って対立なり共生なりしていこうぜ。」みたいな? まとめも「我々は昆虫とは違うのだから」などと綺麗事のみでまとめるのではなく「所詮生物だから」と立ち位置を変えていないところが好印象。 今更言うようなことでもないんですが、生き物の基本形はメス。オスはただのバリエーション。 別にこの本じゃなくてもいいんだけど、日本の(出来れば世界の)小中高で生物の授業を必須として欲しいですね。 肋から云々とか、例え話にしても扱いが酷すぎるでしょ。アダムにもヘソがあるんじゃないの?

    6
    投稿日: 2024.12.11
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    虫から様々な生存戦略を学べた。 共通してたのは短所を伸ばして勝負するのでなく、長所または戦略を練って行動すること。 大顎が発達しているファイタータイプのオスは、戦うことで縄張りを確保しメスと交尾をする。 逆に大顎が小さいスレンダータイプのオスは大顎が小さいことで腹部が長く精巣や前翅が発達しており 、分散してたくさんの精子を送り込むことができる。また前者のオスが闘ってるときにメスと交尾をしたりもする。(=スニーキング) 自分が持っているものに目を向けてそれを活かしたり、逆に持っていないものは戦略でカバーしたりと虫から学ぶことがたくさんあった。

    2
    投稿日: 2023.10.10
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    昆虫の交尾を研究する学者による、昆虫の(またそこから敷衍して人間の)性行動とオスメスの性対立についての本。 個々の昆虫の性行動の例は面白いものの、全体的に自分の研究成果とそこに至るまでの苦労話が多く、普遍性のないエッセイ的なものになってしまっていると感じた。 自分の研究テーマを熱心に話す教授の授業を受けている感覚に陥ったので、後半は飛ばし読みしてしまった。

    0
    投稿日: 2021.12.24
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    <目次> はじめに 第1章ドーパミンが生き方と求愛を決める 第2章がんばるオス 第3章オスががんばるとメスはどうなってしまうのか? 第4章そして性的対立が生じる 第5章愛の最終決定権を握っているのはメスである 第6章愛はタイミングで決まる 第7章オスとメスの決別 終章性的対立とは何か おわりに p226 生きている虫の個性は、遺伝子をつないできた 進化の勝者である。今、生きていることは、進化生物学 的には。すでに勝者なのだ。だから、臆することなく 個性を際立たせて対立や共存の道を生きている虫に 思いをはせ、明日からの毎日を生きてほしい。 虫のことと描きながら、いつも人に置き換える イメージを持たす文章を書く、著者。

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    投稿日: 2021.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の記述もあって、オルガスムスがないと、精液が体外に流れ出てしまうという説が面白かった。 エロマンガでは、イっても、逆流する描写があるが、あれは嘘であり、オルガを感じると精液は奥に流れ込む。 月野定規先生が比較的正しい。 昆虫の方はいろいろ面白かった。 メスの生殖器官を閉じる方法論がいろいろあってこれは、SFにおいて応用がきく内容ではないかなと思った。

    4
    投稿日: 2020.07.07
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    進化生物学的な個体の努力と遺伝子の戦略が多くのケースで紹介されていて、知的好奇心をくすぐられる。 からの結論付近の「僕らはみんな生きている」ってのがスッと入ってくる。進化生物学的には今現世に生を得ている個体は勝者であり、一見劣等感を覚えるような特徴でさえ、進化生物学的にはパートナーを見つけるための戦略であるという、ややこしい自己肯定感が生まれる

    1
    投稿日: 2020.05.15
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    したがるオスと嫌がるメスの生物学。宮竹貴久先生の著書。男と女、オスとメスとの闘いや生存競争は、人間でも昆虫でも同じなのかも。宮竹貴久先生の研究者としての昆虫の生殖行動の研究にかける情熱が伝わってくる良書です。宮竹貴久先生の素敵な研究者が子供向けに講義をしてくれたら、理科好きの子供がきっと増えるのではと思います。

    1
    投稿日: 2018.07.29
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    ■「性的対立」とは「セクシャル・コンフリクト」の訳であり,オスとメスの利害が一致しないことを説明するために提唱された概念。「性的葛藤」や「雌雄の対立」と訳される場合もある。 ・生物学的に説明すると,より多くの遺伝子を残すという同じ目的に対し有利となるどちらかの性の性質が,他方の性では不利に働く状態を指す。 ・ファイタータイプの家系では息子に戦に勝ってメスを獲得でき,子を残すために有利となるが,娘では残せる卵数が少なくなってしまった。 ・スレンダータイプの家系では娘は卵巣が大きく発達し多くの子供を残せたが,息子は戦いに勝てないので縄張りを持てず残せるこの数が少なくなってしまった。

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    投稿日: 2018.07.28
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    帯には「精子はたくらみ、ヴァギナは出し抜く」ともある。あらためてタイトルを見ると、本当にそうなのかなあ、と思ってしまう。でも、そう見えるんだろうなあ、とも思う。まあ、擬人化した解釈の仕方がどうであれ、おもしろいのはおもしろい。実験のデザインがおもしろい。よくまあ、いろいろと思いつくもんだ。いままでに何冊かの昆虫学者の本を読んできたけれど、どれもこれもおもしろい。そして、読みやすい。電車の中で読める。そして、電車の中で何度もニヤリとしてしまう。ところで、「はじめに」に外骨格を持つ虫に表情はないとある。表情を見分けることができればさぞやおもしろかろうと一瞬思ったが、よく考えると、人間以外の動物にどれだけ表情があるのだろうか。歯をむき出しにするサルくらいしか思い描けないのは、私が動物と合い対峙していないからだろうか。表情が見えないのは毛や羽毛やウロコに包まれているからか。ウミガメが流す涙は、人間の勝手な思い込みか。「生物の表情」の研究はあるのか。(きっとあるだろう)などと関係ない方に思いを巡らせてしまった。精子競争の話は他でも読んで知っていたが、ペニスの先のくびれの部分は、別のオスの精子をかき出すためにあるというのは納得!? そしてまた、それを模型を作って研究したグループがあるというのはおどろき。

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    投稿日: 2018.03.08