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カッコウはコンピュータに卵を産む 上
カッコウはコンピュータに卵を産む 上
クリフォード・ストール、池央耿/草思社
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総合評価

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    【ネットワークは人間の相互信頼と協調のうえにかろうじて成り立っているひ弱な共同体である。信頼が損なわれれば、共同体はもろくも崩壊してしまう】(文中より引用) 大学の研究所に務めていた著者は、ある日ネットワーク・システムに75セント分の課金齟齬が発生していることに気づく。その原因を突き止めようとして彼がのめり込むようになったのは、政府機関を巻き込む国際的なハッカーの追跡劇だった......。著者は、ハーバード・スミソニアン天体物理学研究所での勤務などを歴任したクリフォード・ストール。訳者は、翻訳家として活躍する池央耿。原題は、『The Cuckoo's Egg: Tracking a Spy through the Maze of Computer Espionage』。 嘘のような本当の話を地で行く展開に驚かされっぱなしの読書体験でした。技術的な知識がなくとも軽快なミステリー小説のようにサクサクと読み進めていくことができる快作。サイバー・セキュリティの古典として名高いのも宜なるかなといった装いでした。 バークレー、住み良さそうだな☆5つ ※本レビューは上下巻を通してのものです。

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    投稿日: 2020.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が読んだのは1991年刊の初版の方ですが、今の若い方にもお薦めしたいので再版された文庫版を登録しました。 丁度コンピュータと出会ってその面白さにハマっていた頃でしたので、夢中になって読み耽った事を覚えています。 当時、一般人はまだフロッピーディスクや光磁気ディスクでデータをやり取りしていた時代でしたので、ウイルスもフロッピー等のメディア媒体で感染するものしか目にしたことがありませんでした。それも、現代のそれとは違ってただ増殖するだけであったり、ちょっとしたイタズラを仕掛ける程度の愉快犯的なものばかりだったのです。 自身の痕跡を消しながら回線上を移動するワームの存在は、話にこそ聞いていましたが、それが異国の研究所に入り込み、人知れずスパイ活動を行う様子にはただ目を見張るばかりでした。 原文は読んでいないのですが、翻訳も良かったのではないかと想像します。「F的」「C的」等の訳にはさぞ苦労されたことでしょう。著者=主人公の「F的? 何それフーリエ変換?」といういかにも科学者らしい発想に笑いました。

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    投稿日: 2018.09.18
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    堂島のジュンク堂のコンピュータコーナーをふらふらしてたら発見。他の本で紹介されているのは見たことがあったが、復刻したとは知らなかった。しかも文庫で読みやすい。 1986年、ネット黎明期に実際にあったハッキング事件を、当事者書き上げている。当時はデジタルとアナログの境界が曖昧だったり、逆に30年経っても変わっていないこともあったり、生々しくてすごく面白い。下巻も楽しみ。

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    投稿日: 2018.01.28