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アリスマ王の愛した魔物
アリスマ王の愛した魔物
小川 一水/早川書房
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総合評価

29件)
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    SF短編集 全5編 表題のアリスマ王は弱小国に生まれた醜悪な第6王子がその醜悪から武芸を必要とされず、ひたすらと算術を極め上り詰めていく話 SF、算術となると最近だと「三体」のアレが鮮烈な場面と思うがこれは短編で語り手から むかしむかし と語り手パターンで始まる体なのでもっとライトで読みやすい そしてそれはあくまで刺身のツマでオチがいい 最後に書き下ろしで リグ.ライト 機械が愛する権利について という作品がある。「チクタク」より分かりやすくロボットの権利について描かれている 全部そこそこ面白いのだけれど天冥の標の箸休め感が

    17
    投稿日: 2025.09.29
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    異文化コミュニケーションか、未知との遭遇か。既存の概念と、それ以外と出会った出会ってしまった人間の、悲喜交々を描いた短編集。 「ろーどそうるず」はちょっと意味合いが違うか。 自立する人工知能の葛藤や成長、という点だけ抜き出した時、どうしても『火の鳥』のロビタを思い出さずにはいられない。あちらは人間の脳が移植されて、なので人工知能とは違うのですが、「リグ・ライト」のラストは瞬間に、整然と溶鉱炉へ進むロビタの行列が浮かんでしまいました。AIの独立の結果、反旗を翻す結果になってしまった。 あれのオマージュだったりするのかな。悲劇的な終わり方であったロビタとは違う形のAIの行き着いた先、という点で。 「アリスマ王の愛した魔物」寝物語に語られた、偏執の先にある光景の一つ。そして、もう一つが新たに生まれようとする瞬間。 数字の天才アリスマ王がたどった覇道に付き従った魔物。彼?彼女?が次にこの世に作り出そうとしている光景はいかがなものか。 ただただ、アリスマ王と魔物が作りだした異様な光景に、圧倒されるばかりの物語でした。怖い、のだけど怖いだけではなくて、滑稽さも当事者でないので感じます。その二つが共存するので、余計に怖くなり、滑稽さはあるのだけど笑えなくなる。 変なお話ですよ。 「星のみなとのオペレーター」なんでもない一般人が、なんやかんやあれよあれよと世界の危機の矢面に立つことになってしまってどうしよう。 久しぶりにこういう文脈の小川一水作品を読んだ気がする。『フリーランチの時代』の空気感に似ているかな。職責以上の仕事量だけど、やるしかないならやるしかないね、という苦労性な主人公という意味合いで『ポプラパレス』にも通じているかなぁ。 世界の行末を背負っている、という『天命の標』タイプの小川一水作品も好きですが、日常から半歩ぐらいはみだしたトラブルに巻き込まれてしまったどうしよう、のタイプも好きです。苦労背負い込んでも、気風の良さがあるんだよね。気風の良いヒロイン好きですね。

    0
    投稿日: 2024.11.09
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    どれも面白いんだけど会話が多いというか一水さんの短編集にしてはピンと来なかった。「アリスマ王の〜」もアマチュアの人が書いたファンタジあやかし系小説のような。 一番好きだったのは最後のアサカと車の人を愛する機械の話。

    0
    投稿日: 2024.08.16
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    SF短編集。人間くさいAIの話がおもしろい。 ■ろーどそうるず バイクの制御AIと指令センターとのやりとり。ライダーや所有者ののとをあれこれ言う様子がおもしろい。AIの一生みたいな話でちょっとほっこり。 ■星のみなとのオペレーター 宇宙港に出入りする船を管制するオペレーターの話。ラブコメっぽい。宇宙ウニってなんだ? ■リグ・ライト 自動運転AIの話。責任を負わないはずのAIが運転手をかばうために責任を負おうとするのか?AIに罰則を課したらAIの判断ロジックが変わるのか?いろんな想像をさせる。

    0
    投稿日: 2023.09.06
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    小川一水さんこんなのも書けるんだ、イヤ書けるだろうけども。 素晴らしいです、最後のAIのやつ。 車か、そうきたかって。 いろんな意味でもこれまでのくびきから解放されてる世界かー。来るかなー。来るかなー。バイクとかもっと愛着湧くんじゃない。

    0
    投稿日: 2022.06.18
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    「ろーどそうるず」はバイク搭載の制御AI視点の話。直接運転はできないので状況を淡々を中央のAIに報告するだけなのですが、搭乗者を思う気持ちに泣かされます。「リグ・ライト」もAIによる自動運転時の責任の所在がこれからどうなっていくのか、現実でも気になるところです。

    0
    投稿日: 2021.11.18
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    全5篇の短編集です。 「ろーどそうるず」「ゴールデンブレッド」「アリスマ王の愛した魔物」 「星のみなとのオペレーター」「リグ・ライト」 好きなのは、最初の「ろーどそうるず」 バイク搭載のAIと、サポートAIのやり取りの話なんだけど 思わずウルッとしてしまいました。 「星のみなとのオペレーター」は、ラブコメみたいで楽しい。 「リグ・ライト」もAIの話なんだけど、 人間と共存する上で、必ず問題になるであろう「責任」問題に 焦点を当てていて、別の意味で好きです。

    0
    投稿日: 2020.07.29
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    ろーどそうるず。やばかったです。バイクAIもので会話で話が続いていくのですが、…ちょっと泣ける話です。いやかなり…。ゴールデンブレッド。食がテーマのSF。日本人の食の欧米化と欧米での日本食ブームへの皮肉かなと。アリスマ王。初出でも一気読みでしたが再読でも一気読み。悪夢のようなお伽噺。星のみなとの~はほのぼのしたSFで、やっぱり地球外生命体書かせたら天下一品ですね。リグ・ライト。ライトな口調でテーマは重いなと。品揃え豊富で読みごたえのある短編集だと思います。

    0
    投稿日: 2020.03.18
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    読書会で勧めていただいた一冊。 バイクとオペレータとのお話 ろーどそうるず 西洋と東洋があべこべのやつ ゴールデンブレッド 醜い数学が得意な王様のお話 アリスマ王の愛した魔物 ちいさな宇宙の港町 星のみなとのオペレーター じいちゃんの形見の車と美人ロボット リグ・ライト 全部よかった。評判とおりのろーどそうるずもよかったですが星のみなとのオペレーターが可愛くて。AIが好きになるお話たちでした。

    4
    投稿日: 2019.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    意思、であるとか 意志、であるとか。 ひとが作り出したものに、それが宿るのかというのは、ひとつの大きなテーマだろう。 そこには、宿って欲しいと、思う場合と、宿られてはたまらない、と思う場合があるような。 宿って欲しい、と思うのはどこか、 愛着、や信頼感みたいなものを、作られたもの、と共有したいと云うか、 それぐらい出来てもいいんじゃない? と云うか、どうせやるならここまでやってやろう、みたいな思いがそうさせていて、 宿られてはたまらない、というのは、 そういう感情の機微、みたいなものを大事にしたいから、 或いはそれすらひとの手で造られてしまったらと思うとゾッとするから、本能的に反対しているのか。 でも結局それってもしかしてどちらも、 ひとの意地、なのかもしれない。 …ふむ? よしその意気だ! あれ登録漏れてるじゃん! というわけで今更。 短篇集、と云うには各話ボリュームが多いので、作品集と云うのがいいのかしら。 星雲賞受賞の表題をはじめ、どれも骨太なSF、なのだけれどどうにもおちゃらけてるのが魅力的。そのへん表題以外の作品にほんとうの魅力があるように思います。 イチオシは書き下ろしのリグ・ライト。 どれもこれも粒揃いなので☆4.2

    1
    投稿日: 2019.11.08
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    おすすめしてもらった、ろーどそうるずも良し。 一番は、最後の短編かな。 権利とか、資格とか決めてるのは人間で、 時が経つにつれて捉え方も変化して だから何だって自分次第なのよきっと(飛躍?)

    1
    投稿日: 2019.11.06
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    車載AIから太陽系内に人類が広がっているような世界まで、いろいろなタイプのSFが詰まってます。表題作の「アリスマ王の愛した魔物」は数学、統計、コンピューターあたりがテーマですが、こちらはファンタジー色が強いかな。 個人的には「星のみなとのオペレーター」が一番好きかな。

    0
    投稿日: 2019.07.27
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    SF短編集 SFとしては他のが面白いんだろうけど個人的には1作目が良かった 最後のと比較するとアイデアは最後が優れてそうだけど、それだけじゃなくて登場するキャラクターに共感できるかが大事な気がする ファンタジーもそうだけどSFも世界観やアイデアとキャラクターがマッチすると爽快と言って良いような感覚になる

    1
    投稿日: 2019.06.25
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    星雲賞受賞の表題作『アリスマ王のー』ほか、全5篇収録の短編集。 『アリスマ王』は、何もかもを数字で予測しコントロールしようという装置"算廠"が不気味。 はじめ、アリスマ王子は数字に取り憑かれた、「ただの天才」だった。ほかに理解者がいないとあきらめた時に魔物が現れ、王子が狂気の力をふるいはじめるくだり、今まさに私たちの日々もデータとして集められ続けている不気味さに通じるようで。 個人的には、『ゴールデンブレッド』や、『星のみなとのオペレーター』『ろーどそうるず』の方が好み。 異文化間であったり、AIと人間であったりしても、きっと理解しあえる、信頼しあえる…というSFらしい愛と希望と夢がいい。

    1
    投稿日: 2019.02.27
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    ここの作品紹介を読んで気付いたが、一水先生の短編集は『青い星まで飛んでいけ』を除いて全部読んでいることになるらしい。相変わらず、重厚かつ綿密な設定と軽い読み口の取り合わせが好感する。すごく読みやすかった。最初の作品からして少し意外性があって、最高じゃんこれ、ってなる。 表題作はオチがよかった。これは自分が電子計算機でご飯を食べているというのもあると思うが、本来的に過程に過ぎないはずのものが「目的」足り得るという逆転する価値観が好き。『星のみなとのオペレーター』がかわいかった。ご都合主義的ハッピーエンド、嫌いじゃないし、このままドタバタ劇を追加してアニメ化でもしてほしくなる可愛さ。『リグ・ライト』が白眉。

    0
    投稿日: 2019.01.28
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    今後のAIとヒトの関係性はどうなっていくのか、名付けることも難しい偏執・主体、優しい少し不思議なできごと、いろいろなテーマが綺羅星のように散りばめられて素晴らしい体験をさせてくれました。ありがとうございます。 今後も楽しみにしてますので、何卒お体をお大事に。

    0
    投稿日: 2018.12.28
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    29:収録作のうち「ろーどそうるず」「アリスマ王の愛した魔物」「星のみなとのオペレーター」は既読だったけど、新鮮な気持ちで読めた。「星の〜」は自作「宙の渚のローレライ」の元ネタでもあり、ライトでポップなSFに憧れて書いたものなので、文庫になって嬉しい。 書き下ろしの「リグ・ライト」が壮絶かつ力作かつ問題作で、「未知のもの・わからないもの」に対する近寄り難さ、きもちわるさ、得体の知れなさがひしひし感じられた。人に似たボディを持つAI、そうでないAI、両者ともに人間にとっては「考え方がわからない」ブラックボックスと化してゆく薄ら寒さと、それを超えてAIが一歩を踏み出す結末が「エクス・マキナ」を思い出させて、語彙が吹っ飛んだ。プロって凄い。 これまで、小川作品の導入として「老ヴォールの惑星」を挙げていたけど、それに代わる代表作になりそう。

    1
    投稿日: 2018.10.08
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    機械からの、あるいは実在しない・データ上の存在からの、愛にあふれた短編5編。 ノイズを吐きまくるバイクとオペレーターの「ろーどそうるず」、近未来若干ヘンテコジャパニーズ(そこまで変ではない)「ゴールデンブレッド」、超のつくほどファンタジーだがよく考えれば人力SFの表題作、どったんばったんの宇宙ウニvs人類の「星のみなとのオペレーター」、人からの愛・人への愛・機械の愛があふれまくる「リグ・ライト ――機械が愛する権利について」を収録している。(「ゴールデンブレッド」のみ機械からの愛というより、人対人の愛である感じか。) 話筋はそこまで難しくはなく、シンプルな物語に収斂してゆく。シンプルゆえに愛が前に出た印象。また読み口がかなりライトなのでとっつきやすい。

    0
    投稿日: 2018.09.24
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    SF。短編集。 「ろーどそうるず」のみ既読。 5作品、それぞれが違ったテーマ・雰囲気、なおかつ全てが面白い。 短編集はこうであって欲しい。

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    投稿日: 2018.04.02
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    短編5作。 AI。実際どうなんだろう。わかんないけど、実体を伴ってしまうと感情移入しちゃうんだろうな。 「ろーどそうるず」なんて特にね。

    0
    投稿日: 2018.03.12
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    最近AIって言葉があまりにも広義に使われててちょっとついていけないのですが、SFとして読むと楽しい。 書き下ろしのリグ・ライトは、機械を愛してしまった人の話だと思ってよんでたら、愛してしまったのは機械のほうだったってとこがよかった。 ハヤカワJAは買うのが比較的恥ずかしくないラノベで助かるなぁ(ラノベじゃないとは言わせない)

    0
    投稿日: 2018.03.04
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    短編集。久しぶり。らしいといえばらしい、人外の存在が アピールしまくりのSF。 アイデア勝負な部分がSFにあったりするけど、アリスマ王の作ったのっていってしまえばコンピューターだよなぁ。 ありとあらゆる数字をいれているのであらゆる事象についても計算できるって理屈が意味不明だけど。 数字崇拝者にはわかるのかなぁ?

    0
    投稿日: 2018.03.03
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    粒ぞろいの短編集。「アリスマ王」が一番好みだけど、ラストは好みが分かれるところか? 書き下ろしのリグ・ライトも良い。自動運転の法制度整備が盛り上がる中、非常にタイムリーな一編では。

    0
    投稿日: 2018.01.31
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    車、バイク×AIの話が多かったなー。完全に作者の趣味が出てる気がする。全編通して、軽い読後感。「星のみなとのオペレーター」が可愛くて一番好き。

    0
    投稿日: 2018.01.19
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    5編ともどれもアタリな短編集。もともと自分的には短編はあっさりとして読みごたえが感じられず好みではないけれど、これは全部良かった。初っ端の『ろーどそうるず』から掴まれた。ついホロリと来てしまったよ。

    0
    投稿日: 2018.01.14
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    短編集でてるんだ、と購入。 ろーどそうるず なんか、泣かせる話。型破りな彼?を一番認めて支持していたサポートって構図が泣かせる。バイク冥利に尽きるって感じのラストでしたね。 ゴールデンブレッド 少年戦闘員が農耕部落に落ちて生活するって話。ガルガンチュアだかそんな名前のアニメは船に落ちたな~なんて思いだしました。米が美味しく感じられるのに必要な要素があるんだなぁなんてぼんやり思いました。 アリスマ王の愛した魔物 最後の願いましてが反則(笑)。愉快愉快。 演算を機械ではなく人間が行うとしたらそれぐらい大掛かりな規模の施設が必要なのかなぁ? 星のみなとのオペレーター すみれがスマイルってなんか可愛い。これもなんとなくですが士郎正宗のOrionをふっと思いだしました。いや、お話じゃ無くてヒロインが片思いしてる感じが。 リグ・ライト 人間が機械に愛着を持つことはあるけれども機械の方が人間に好意を持つことはあるのだろうか?打算ではなく?でも人間だって打算的に人や物事を好きになることはあるのだし…と考えると難しい。とりあえず祖父と女の好みが似ていたってのは愉快。遺伝するのか?そんな事まで(笑)

    0
    投稿日: 2018.01.05
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    久しぶりの小川一水。 表題作が読みたくて買ったのだが、他の短編も面白かった。正直、熱心な読者ではなかったのだが、たまに読んでみるといいなぁ。

    1
    投稿日: 2018.01.02
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    AIが頑張ってる近未来もの、スペースオペラもの、そしてズ~ンと表題作のカウントファンタジーw 小川一水の色々が楽しめる作品集でした。 バイクのAIが頑張るのはNOVAで既読だったけど、一番好き。

    0
    投稿日: 2018.01.01
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    一編目「ろーどそうるず」 あるバイクの制御知能とその一生の話。 秋山瑞人の陸海空3部作に「漂った男」テイストが混ざったSF。 人工知能の一途さに感情移入する系の話。 面白いのは、全編制御AIと管理AIの通信だけで成り立っていることと、カメラもマイクもなく加速度・傾き・荷重などの車両ステータスだけで周囲を把握して(44kgの荷物を荷台に載せた→デートだな)進むこと。 健気なAIモノ好きですよ。 しかもちょうど「プラネタリアン」をAmazonプライムで観たとこ…。 第二編目「ゴールデンブレッド」 小惑星国家(住人500人)に墜落した戦闘機パイロットの異文化コミュニケーション。 純和風文化の住人たちはカリフォルニアっぽい白人で、侵略者たる西洋文明至上主義者が黒髪黒目。 でかドラム缶をくるくる回して遠心田んぼでコメを作る。 異邦者が受け入れられていく感じガルガンティアっぽい雰囲気。 語られない歴史の中で、文化がどんな風に変遷してこの小惑星にたどり着いたのかなー、と想像させてくれる。 第三編目「アリスマ王の愛した魔物」 おとぎ話として語り部が語る、数に憑りつかれた醜悪で天才の王様の話。 王は算廠という人力コンピュータ(大量の人がCPUの代わりに単純計算をあっちからこっちへ受け渡すという気の遠くなる壮大な建物。パーツたる人は脳の使い過ぎで熱を持ち死ぬ(!))。 モーニングの「はじめアルゴリズム」みたいな話ではなく怖い昔話みたいな雰囲気。 国中のあらゆる数字を集めて計算すると、世界戦略が出てくるというところがお伽噺っぽさを増している。 第四編「星のみなとのオペレーター」 小説と音楽のハイブリッドなイメージアルバムの片割れ?の再録、のようです。 小惑星都市の宇宙港オペレーターが、「太陽の簒奪者」っぽい系外侵略自動機械の脅威に立ち向かうお話。 今はやりの太陽系開拓と言えば小惑星帯ですよ。 ページ数(80P)に反してボリューム感あり。 第五編「リグ・ライト-機械が愛する権利について」 AIが発展して、レベル4~5の自動運転車が販売されている未来。 人間にしか見えないし会話もかなりのところ通じるAIとひたすら対話して、知的生命への第1歩の予備動作の神経信号を発しそうなAIを描いた中編。 話の発展先が、まさか、というセンスオブワンダーで素晴らしい。 勝手に「AIの遺電子」前日譚くらいの気持ちになっている。 どれも甲乙つけがたく好きだけど、最後のが一番好きかな。

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    投稿日: 2017.12.23