
総合評価
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powered by ブクログ流石のデュ・モーリア、裏切らない。スピード感、余韻の深さ。レベッカも凄かったが、色々考えてしまう。あれはどうだったのか、、、これは一体何というかジャンルなんだ。モーリアの世界。イーデン・フィルポッツにも似た感じを受けなくもない。コーンウォール小説とでも言おうか。
0投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ時代は19世紀後半か、自動車は無く移動は馬車。部屋に電気は無いようだ。舞台はイギリス・コーンウォル地方。幼くして両親を亡くしたフィリップを育ててくれた従兄のアンブローズが、冬の療養先のイタリアでレイチェルと結婚した。最初は幸せそうだったが、「レイチェルに殺される」という手紙を最後に、イタリアで本当に死んでしまった。従兄との親密な生活を壊したレイチェルに敵愾心を持つフィリップだったが、イギリスにやってきたレイチェルをみるなり、心を奪われてしまう。やがて結婚したいと思うようになるフィリップだが、フィリップもまた体調が悪くなってゆき・・ 解説には「レベッカ」の姉妹作品とも書いてある。レベッカはかなり前に読んで、とても面白かった。レベッカもレイチェルも、主人公をおびやかす存在としての女性。レベッカは夫の死んだ前妻の幻影で、女性が女性に、レイチェルは生きた実体で、男性が女性に、という関係。しかしレイチェルも、「親のように親しんだ亡くなった従兄の愛した女性」の幻影なのだ。 大半が主人公フィリップの心理を描いている。レベッカもレイチェルも幻影が崩れさる、という点で最後は同じだが、レベッカのほうが緊張感があるかな。だんだん体調が悪くなる時も、きっとそうかな? という感じがして、なによりレイチェルがあまり魅力的には感じられなかったからか。でも映画にしたらおもしろそう。フィリップを 好きだった幼馴染のルイーズとは、その後どうなるんだろう? などと思ってしまう。 1951発表 2004.6.30初版 図書館
3投稿日: 2022.07.21
powered by ブクログ1951年作。 とても充実した、良い小説だった。 なにしろこのところ『聊斎志異』や江戸時代の草双紙集を読んでシンプルな「物語」の楽しさを味わい、次いで西村京太郎さんの今風のスカスカな小説世界を『スーパー北斗殺人事件』でざっくりと走り抜けてきた私は、本書のページをめくりたちまちにして<西洋近代小説>の重厚で濃密な文学世界に放り込まれたのだった。 主にサスペンス系、すなわちエンタメ・サイドの作家と思われるだろうが、このダフネ・デュ・モーリアの文学作品は恐ろしく緻密に描き込まれた心情や情景が鮮やかな、エモーショナルに充実した作品世界なのである。この音調は、西欧19世紀後半の後期ロマン派の調性音楽を思わせる。さらに言えば、このほとんど過度なまでに書き込まれた描写の重さ・そしてある意味「まどろっこしさ」は、セザール・フランクの交響曲のそれに似ている。もちろん20世紀半ばの本作なので、「遅れてきたロマン主義者」「頑なな伝統主義者」に分類されることだろうが。 本作のような濃密な情緒性と「まどろっこしさ」は、現代の、スピードを至上のものと据える情報消費社会の読者には「重苦しくてつまらない」「読むのに時間がかかりすぎる」等といった不評の種となることだろう。どこまでもgraveなこの文学世界を味わい尽くすには、現代人の心は多忙に過ぎることだろう。 本作は20代男性の「わたし」の1人称として、その眼前に現れる謎の女性(絶対他者としての異性)レイチェルの実体を掌握しようともがくその焦燥感の物語である。女性の作家が男性の視点を通して、女性という謎を追究するという倒錯したこの構図は、素晴らしく上手くいっている。ナイーブなタイプの主人公男性をよく捉えており、その心理描写は濃やかで実にリアルだ。 圧倒的な心理描写のストリームに「他者」レイチェルの像がちらつき、近づき、遠ざかり、やがて破局へと向かう。本当に後期ロマン派音楽の圧倒的クライマックスを思わせる。 ここでは肉も情感も過剰であり、その過剰さによる息苦しさがそのまま、この文学世界の価値となっている。かけがえのない値打ちのある小説と思う。
2投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログ親代わりの従兄アンブローズがイタリアで結婚した相手、レイチェル。おかしな手紙を最後に急逝した従兄の死にレイチェルへの恨みは募るもの、会った瞬間から惹かれていくフィリップ。女に慣れない男の激しい恋の行方とは。ゾクゾクする面白さ。
1投稿日: 2022.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
英国のコーンウォールの田舎領主の暮らしぶりが 覗えて面白かった。 主人公が従兄の二の舞にならなくて 良かった。
0投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログ19世紀半ば、イギリスはコーンウォールの領地にある古い館で、両親を亡くした主人公フィリップ(わたし)は従兄アンブローズに育てられた。 教育を授けてくれ、領地の管理、小作人達の面倒をみながら暮らす領主の生活を身に付けていった。ゆくゆくは領主という肩書きと莫大な財産を受け継ぐ身の坊ちゃまとして。 ところが40代になった従兄アンブローズは転地療養のためイタリアに度々出かけるようになり、ある年、レイチェルという女性と結婚してしまい、急逝してしまった。 わたしは従兄アンブローズを父と思い兄と思い、愛し愛されて穏やかに暮らし誰にも邪魔されずにいたのだったから、彼の妻となったレイチェルに猛烈な恨みを抱く。 レイチェルがフィレンツェからコーンウォールの館に訪ねてきた。 田舎くさい一途な青年と、洗練された魅力的な女性。 従兄アンブローズの疑惑に満ちた手紙と、必然的にやってきた恋のせめぎあい。『わたしが恋した女性は従兄を殺したのか?』(帯) もうひとつの「レベッカ」と帯にある。同じようにそくそくと迫ってくるようなミステリの醍醐味、やはり一気に読ませる。 「レベッカ」もそうなのだが、冒頭のうまさ。結末の以外さ。 『人生はあともどりできない。引き返すことは出来ない。やり直しはきかない。』余韻が残る。
1投稿日: 2021.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
レイチェルは悪女だったのか、それとも女性特有の衝動的で気分がコロコロ変わる気質を持った普通の女性だったのか、はたまた彼女も狂わされていたのか。 真実が分からない中の唐突な幕切れは深い余韻を残す。でも、最期に呼んだのがアンブローズの名だったのはどういう意味があるのだろう。誰にも見抜けなかった真実の愛が存在していたのか、それともかつて自分が裏切った男への贖罪か。
4投稿日: 2020.10.18
powered by ブクログ亡くなったいとこの妻への恋に囚われていくフィリップ。どんどん深みにはまっていく様子はある意味ベタで長々しく、正直途中で読むのが嫌になりかけた。ので、最後の数十ページには素直に驚いた。読み終わったあと、思わず最初の章に戻ってしまった。 イギリスの領主は素敵だな、生まれ変わったらなってみたいかも。
1投稿日: 2020.10.08
powered by ブクログすごく読みたくてとっておいた本を、いよいよ読み始める時の気分が好きだ。買ってもすぐにはよまず、その前にこっちの本から…などとわざと自分をじらしてみたりする。そうすると「その前」に読んでいる本を早く片付けなければならないようなおかしな心理状態になったりして、本一冊でなんとドラマチックなことよ。 この本表紙がいまいち、電子書籍の方がかっこいいな。
3投稿日: 2020.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後のオチが「え、そっち!?」だった。 レイチェルの趣味が『園芸』と聞けば、ミステリー好きにはピンと来そう。 レイチェルの人物描写が実に見事。読みながらうっかり私も恋しちゃった。 主人公フィリップのウブさもまた見事!こういう男性いる!作者はいつもどんな風に他者を観察してるんだろう。 実は、ルイーズにもう少し頑張って欲しかった。これからリベンジが始まるか!という時に物語が終わってしまって、少し物足りなかった。でも人によっては「語り過ぎないからこそ」なのかな。 でもさ、彼女は毒婦なのかそれとも…ってあったんだけど、普通の常識と礼儀貞節を知る女性なら亡き夫の実家に何ヶ月も居座らんだろう。愛だからとかでなく、亡き夫の育てた男の子狙うって毒婦中の毒婦でしょう。こわやこわや…
0投稿日: 2019.11.23
powered by ブクログ普段あんまり翻訳ものは読まないんですが、久々に読んだら結構楽しかったです。結局レイチェルはかなりグレーっぽいところでその真相がはっきりとは書かかれなかったのがまた秀逸だなーと。なんともいえない素敵な読後感。 ただまあ、同じ男性としてフィリップの「好きな人に対して暴走してしまう行為」が(あそこまでではないにせよ)自分の過去の行いにもそれなりに思い当たりことがないでもないので、なんともこう、「愚かしい」と笑うに笑えないものが。みんなそういう愚挙を経て大人になっていくんだよ、きっと。恋愛経験のない童貞青年と魔性感漂う妙齢未亡人じゃあなあ。
0投稿日: 2019.06.17
powered by ブクログ東京創元推理文庫・その7 コメントは「東京創元推理文庫・その1」でご覧下さい。 2019/05/10 更新
0投稿日: 2019.05.02
powered by ブクログ17/12/30 (98) よく読みきったがんばったわたし。結婚の申し込みをOKしてもらえたと勘違いして暴走するフィリップ憐れ…。500日のサマーの主人公を見ているような気持ちになりました。
0投稿日: 2017.12.30
powered by ブクログ謎めいた美女を書かせたらデュ・モーリアの右に出る人物はいないんじゃなかろうか。「彼女が何を考えてるのか知りたくてたまらん!」と読者に思わせられたら作家の勝ち。レイチェルの頭の中を暴きたくて仕方がない私は、デュ・モーリアに全面降伏です。でも本を読み返せど、やっぱり理解出来た気がしない。一体どっちだったんだよレイチェル…。
0投稿日: 2017.09.08
powered by ブクログつくづく、物語の真髄は「語り」だなあと思う。「レベッカ」ほど世評が高くないこともあり、なんとなく未読だった本書、いやあ堪能しました。ブクログで紹介してくださった方々、ありがとうございます。 「レベッカ」と同じ一人称の語り。語り手の心のうちが、繊細に、かつダイナミックに語られて引き込まれていく。と同時に、ただ一人の語る言葉で、さまざまな登場人物の姿をくっきりと描き出していく巧みさに感嘆する。一人だけ「くっきりと」とはならないのがヒロインのレイチェルで、稀代の悪女なのか、可憐な享楽家なのか。その謎に語り手とともに翻弄される快感があった。 また、これも「レベッカ」と共通するのだが、語り始めの時点で、すべては終わっている。語り手は、それでも続いていく人生と生活の中に、深くのぞき込んでしまった闇とともに取り残されている。その消えることのない痛苦が全篇に漂っているが、それでもなお叙情的な美しさに満ちているところが、デュ・モーリアらしい素晴らしさだと思う。
1投稿日: 2016.02.24
powered by ブクログ美しいレイチェルに心奪われていくフィリップ青年の揺れが如実に表され、時に同情、同意しながらもゾクゾクとさむけを感じるようなところも。
0投稿日: 2016.02.17
powered by ブクログデュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。 今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。 両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。 アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわたしは、彼の妻であるレイチェルを憎む。 そんな折、レイチェルがわたしの暮らす屋敷にやって来る。 「レベッカ」と同じくイギリスの上流家庭と言える裕福な家族の物語。 タイトルともなっているレイチェルは、魅力溢れる女性だが、それだけではないように思わせる謎を秘めている。そういうところも「レベッカ」に似ている。 設定は似ているが、「レベッカ」の方が個性の強い登場人物が多いように感じる。 本書のわたしは若い男性。 このわたし、フィリップが何とも言えない。 レイチェルを毛嫌いしていたのに、会ってすぐに心酔してしまう心変わりの早さ、身勝手で我儘、衝動的というか軽率に思うまま行動してしまう思慮の浅い男。 ここまで愚かな人物だと、読みながらイライラとして楽しい。 意外とも言えるラストが唐突にやってくる。 「レベッカ」のときと同じように突然終わってしまう物語に茫然とする。まさに糸がプツンと切れるように終わる。 レイチェルは結局、悪女だったのか聖女だったのか。答えがはっきりと書かれていない。 こういった終わり方は好き嫌いの別れるところだと思う。 わたしは「レベッカ」のときと同じく、想像を膨らませ、読み終わるとじんわり余韻を感じられるところが良かった。 まだまだ他の作品も読んでみたくなる。
0投稿日: 2015.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリ。イングランド。イタリア。遺言。毒。「ばっかだなぁ!見事に手玉に取られちゃってさぁもう」と思いながら読み進めて行くうち、むしろ思った通りの悪い人であってくれ、でないと救われない、という気持ちになっていった。怖かった。
2投稿日: 2015.08.31
powered by ブクログヒッチコックの映画「レベッカ」の原作者として有名なデュモーリア。 「レベッカ」と双璧をなすといわれる作品です。 フィリップは、幼くして両親を失い、年の離れた従兄アンブローズに育てられます。 時代は19世紀。ひろびろとした荘園で、独身男ばかりの気楽な暮らし。 フィリップも成人した後、イタリア旅行に出かけたアンブローズはかの地で出会った女性レイチェルと結婚。 ほどなく病で世を去ります。 衝撃を受けたフィリップは、レイチェルを恨み、怪しむ。 訪ねてきたレイチェルを迎え撃とうという勢いでしたが、小柄でおとなしやかな美しいレイチェルに、あっという間に魅了されてしまいます。 微妙に態度を変えるレイチェルに翻弄されるフィリップ。世間知らずですからねえ‥ レイチェルは果たして悪女なのか‥? クリスチアナ・ブランドの「領主館の花嫁たち」を読んだ後、似たテイストのものをもっと読みたくてたまらなくなって。 こういう話の大御所ともいうべきデュモーリアならいいかな、と。 堪能しました。 雰囲気たっぷりで、レイチェルの姿が目に浮かぶよう。 引き込まれて、あっという間に読めます。 いまや古典的な作品なので、ある意味ではシンプルなのですが、レイチェルの態度とフィリップがそれをどう解釈していくかというあたりが、何とも上手い。 じわじわと盛り上がっていく~そして、最後のスリリングな展開、この集中させっぷり、さすがです。
4投稿日: 2015.08.06
powered by ブクログ静かに淡々と、そして徐々に高まっていくこの緊迫感。 主人公フィリップの初心さが間抜けに感じられるほど。レイチェルを受け入れる隙間があったことは、1章2章で充分知らされる。 最後まで読んでから1章を読み返すと、背筋が凍る。
4投稿日: 2013.10.08
powered by ブクログレベッカほどじゃないけど面白かった。 アンブローズの分身として育った青年の悲しい運命というか・・・。 もし、あのまま最初の乳母に育てられてたら・・・っておもってしまう。 レベッカみたいに、もうちょっと、お城での優雅な生活が描かれてたらよかったなー。主人公が男だからしょうがないか。ラストは大好き。よかった!
1投稿日: 2012.03.30
powered by ブクログ『レベッカ』と同じくらいすばらしい作品です。 読み進めていく内に、主人公の視点によって周囲の人物に対する評印象が二転三転することになります。結局レイチェルは善人だったのか悪人だったのか……。
1投稿日: 2012.02.23
powered by ブクログ早くに両親を亡くし、従兄に育てられた主人公。その従兄はイタリアで結婚し、そこで急逝する。その妻レイチェルを激しく憎悪するが、彼女に会ったとたん…。 前半、つか、かなりよくあるパターンだよねって思うんだが、これがあまりによく出来てるのでどんどん引き込まれる。ホント、デュ・モーリアは天才だ。 でもって、最後に…。こーいうオチをもってくることが出来るのは、モーリアだけだと強く思う。 面白かった。でもこれって新訳だから、「このミス」とかの対象にはならないのかしら? いや今年出版されたっていうのは全部対象なのかな。私なら、間違いなく1位にするぞ。
2投稿日: 2009.11.22
powered by ブクログ最後の数十ページを息を詰めて読みました。 私も狭い世界しか知らないから、レイチェルには抗えないだろうな。 「十一時前の女は見られたものじゃない」…肝に銘じます。
1投稿日: 2008.12.21
powered by ブクログ「レベッカ」の作者デュ・モーリアの作品で、「レベッカ」とは 姉妹作と言う評判のようです。 レベッカでは主人公「わたし」は身寄りの無い若い女性でしたが 本作の「わたし」は、異国で亡くなった従兄の後を継いで 領主になった青年フィリップです。 その彼の所に、亡くなる前に従兄と結婚した女性「レイチェル」が現れて、 「フィリップ」は段々と恋に落ちていく事になります。 しかしレイチェルにはよくない噂もあり、フィリップは 次第に追い込まれていって…という話です。 余り劇的な展開が無く、どちらかと言うと独りよがりに 暴走していくフィリップが、はた迷惑だなぁと言う感想を持ちました。 その暴走していく様こそ、この話の見せ場なのだとしたら、 それは成功しているかもしれません。 ミステリやサスペンスと言うより、恋愛ドラマとして読む方がいいと思いました。
1投稿日: 2008.06.22
