
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
素晴らしい本に出会った 私はまだ特攻隊の勉強中最中ですが、9回出撃し帰還した佐々木さんの人生 それから9回の出撃がどういったものだったのか 内容がとても興味深く、あっという間に読み終わりました。 筆者の鴻上さんという方はシナリオライターされてることもあって文章がうまく、誰しもに情景を想像させるような とても文才に溢れた素晴らしい言葉で私達を当時に連れて行ってくれます。 佐々木さんの幼少期 飛行機に憧れてパイロットを夢見ていた頃や どんな時でも、戦争のさなかであっても 空が飛ぶことが好きだという佐々木さんの まっすぐな気持ちは 微笑ましいと感じるほどで、心が暖かくなる事が多々ありました。 何より感動したのは離陸シーンの描写です。まるで共に空を飛んでるかのような、思わず没入してしまう程の鴻上さんの文章に 拍手を禁じ得ませんでした。 そして終盤 読者と現代人に語りかけるような問いかけに胸を打たれました。 この本は特攻隊とはなんだったのか、根本的な所を考えるきっかけをくれるものだと思います。 『昔は特攻隊について、真実を言うと叱られた事も ようやく話せるようになってきたのではないか』そう書かれていたのを拝見して、そうであってほしいと強く願います。 特攻隊とは何だったのか そして今私達にできることはなんなのか 日本人はどうあるべきで、どう変わっていくべきなのか。彼らの想いや今に繋がれたものを途切れさせないためにできることとは?とても考えさせられます。 特に民俗学について触れている部分では、現代社会に通ずる部分が多く、とても参考になりました 日本人が何故反対意見を述べないのか、社会においての過ごし方、命令される方とされた側の責任の所在等 今を生きる社会人にとても読んでもらいたい1冊です
0投稿日: 2025.12.21
powered by ブクログ何気なく、本当にただ何気なく図書館の棚から手に取った一冊にここまで感動を与えられるとは思いもしなかった。特攻隊に関する記述は涙無しには読めない。戦争に関することを教科書程度でしか理解していないので、今後も関連書籍を多く読みたいと思った。
0投稿日: 2025.12.13
powered by ブクログ特別攻撃隊、多くの勇敢な若者が戦った 特攻飛行なのか処刑飛行なのか 悔しい気持ち 「命令する側」「命令される側」どちらの立場もわからない僕は、日本のために戦った全ての人に感謝します 感謝という言葉でいいのかもわからない
0投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ「9回出撃して、体当たりしろという上官の命令に抗い、爆弾を落として、9回生きて帰ってきた人」佐々木友次さん。 鴻上さんの凄さは、特攻の真実を明らかにするために、消え入りそうな声に耳を傾けて丹念に取材したところ。 佐々木さんは、生きて帰ったことは寿命だと語る。軍神になったことになっている佐々木さんは、「今度こそ死んでこい」と処刑飛行?を命じられるが九死に一生をえたりして生き延びる。仲間が台湾に渡った時は、死んだことになってるからとフィリピンに残されて飢えと闘って生き抜く。戦争が続いていたら日本兵に殺されていたかもしれない。 佐々木さんは、反骨の人ではない。飛ぶことを愛し、飛ぶことに誇りをもって、生きたいという本心と本能に忠実であった人だ。 鴻上さんは、「命令した側」と「命令された側」の違いを明確にして、「命令する側」の責任を追及する。「当事者」にしかわからない真実を掘り続ける。 「哀調の切々たる望郷の念と 片道切符を携え散っていった 特攻という名の戦友たち 帰還兵である私は今日まで 命の尊さを噛みしめ 亡き精霊と共に悲惨なまでの 戦争を語りつぐ 平和よ永遠なれ」佐々木友次 上からの命令や理不尽な慣例に従順な構図は確かにある。少なくとも私の仕事にはそれは存在していた。 ひとりひとりが、あれ?を飲み込まず声をあげていくことが何かを変えていくことにつながるのではないか。 佐々木さんの存在は戦争の理不尽さを改めて教えてくれる。それに屈することなく生き抜いた佐々木さん。ネガティブをポジティブに変えていくエネルギーをいただいた気がする。
79投稿日: 2025.09.16
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実在の特攻兵、佐々木友次氏が9回の出撃から生還した生涯を、本人へのインタビューをもとに描いたノンフィクション。絶対命令に逆らい、なぜ命を守り抜けたのか、命を消費する日本型組織の問題に迫る。 ・・・ 本作、公正は概ね3パートに分かれます。 先ずは、特攻兵佐々木友次氏の生い立ちと9回の出撃および生還の過程。次に筆者鴻上氏と佐々木氏の対談内容、そして最後に所謂日本論のようなもの。 類書を幾つか読んできたため、戦争の悲惨なところ、とりわけ若くて優秀な兵隊が価値のない死に追いやられるシーンは多く読んできました。それは本作でも散見されます。 しかし、今回本作を読んで非常に印象にあるのは佐々木氏の寡黙さです。 これは無口というわけではありません。むしろ敢えて語らず、否、むしろ語りたくないという種類の寡黙であります。 ではなぜ語りたくないかといえば、畢竟それは理解されないからでしょう。というよりも体験者にしか分からない雰囲気というものがあるのだと思います。 当時、日本は、そして軍部はかなりおかしかったとは思います。 爾後、その異常さ声高に叫ぶでもなく、淡々と、たまたま生き残ったと語る佐々木氏の姿勢に、当時の異常さ・彼我の違いの大きさを感じずにはいられません。 それは被災・被害の体験者と周囲との圧倒的な違いに似ているのかもしれません。 ・・・ 他方、この古傷に塩を塗るかのようにインタビューを行う鴻上氏は、ある意味ちょっと悪者にも見えなくもありません。 でも、氏の考えもやはり分かる気もします。 異常な雰囲気のなか、上官に立てつき、筋を通すことがどうして可能なのか。 日本という国で、雰囲気・気合、精神論が跋扈する。この手のものは、今でもやはり亡霊のごとくあまねく世間に通底していると昭和生まれの私は感じます。その雰囲気・精神論がより明示的だった昭和初期、しかも国家総動員と全体主義が盛り上がるなか、その中でも筋を通す・理を通すということが可能である個人を発見した。その心の持ちようは、日本において、新たな可能性なのでは、と筆者は考えているのかな、と感じました。 因みに最後のパートは鴻上氏による日本文化論の雰囲気が大いにありました。『失敗の本質』や『一下級将校の見た帝国陸軍』もそうでしたが、原因追及を行うと、このあたりの話になりますよね。 ・・・ ということで鴻上氏の戦争関連本でした。 これまで幾つか戦争本を読んできました。上官を拒否し、かつ無事に日本に生還したという方は初めて見ました。あるいは戦争末期だったから可能な姿勢だったのかもしれませんが、戦争関連本としてはちょっと新しいテイストであったと思います。
1投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ「特攻」というものの愚かさを論理的に説明してくれて、当事者では無いのに感謝したくなる。 2章が大事だったんだけど、3章以降の方が楽しめた 鴻上さん心、鴻上さんの書く文が好き
0投稿日: 2025.06.09
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秀作。力作。 作者の反体制感を感じる。武骨の人。 一貫して命令した人の責任を訴えている。全くその通りだ。現在でもまだ残っている。当事者の自己責任で逃れようとする組織の責任者たち。嫌なことはいやだと言えないといけない。
0投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログ他の戦記で、そういう人がいたという噂が書かれていたのだが、実際にこの人なんだな。 実在するとは思っていませんでした。
0投稿日: 2024.12.20
powered by ブクログ特攻隊として9度出撃し、帰還した元兵士へのインタビューを元に、あまり一般には語られることのない作戦の本質・真実について述べられている。 直接本人の口から語られる言葉には、伝聞にはないリアリティと重みがあり、とかく美化されがちな特攻という作戦を、客観的に事実を積み重ねて解説していく。 精神論を振りかざす上官、若者や現場に最も負担を強いるやり方、志願という名の強制など、程度の差こそあれ現代社会においても、いまだに当然のようにこのような不合理が残っていると感じる。 歴史を変えることはできない。後の世代である我々にできることは事実を正確に把握し、学ぶことだ。 歴史を学べば学ぶほど、人間の愚かさや浅はかさも見えてしまうが、そういった負の側面から逃げずに思考していくことが大事だと感じた。 今を生きる我々も、いずれ過去の歴史の一部となるのだから。
8投稿日: 2024.10.10
powered by ブクログ後半が特に興味深かった。 ・精神を語るのは容易だけれどリーダーがすべきことは分析と具体性を持たせること ・メディアの在り方 ・日本人の集団我 ・貴重な肉声が失われていくが、同時に冷静に「特攻」を考えられる時期が来た 佐々木さんの気持ちの強さに尊敬の念を抱き、特攻隊員のないがしろにされた本当の気持ちに胸が痛み、命令する側・傍観する側に腹が立った。どうか同じことを繰り返したくない...南スーダンと自衛隊に関する記載で終わりハッとした。周りを見渡しても多方面で繰り返しているよう。
0投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ特攻隊がなぜ美談として取り上げられるのか、なかなか語られてこなかった戦争の真実に迫っている。また、日本人の「世間」に流されやすいメンタリティについて語ってくれている。 東條英機が、敵機を「精神で撃ち落とすんだ」と言ったエピソード(p259)には驚いた。が、今もこのような考え方がちょこちょこ見られる日本の社会の現実。精神論に逆らえず命を落とすようなことのない社会であってほしい。
0投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ「人間は、容易なことで死ぬもんじゃないぞ」日露戦争を生き延びた父親の言葉が生きる道を選んだ。時代背景や軍隊という特殊な世界と現代とでは比べ物にならないが、周りに流されることなく、意思を貫き通した人がいたことが信じられなかった。偏った戦争観が染みついていたことを実感した。後半のなぜ特攻がなされたのか、「命令する側」と「命令される側」にわけた考察は核心を突いているように感じた。
15投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログ特攻隊とは、戦時中の上からの命令が絶対という軍隊の異常な状況の中で、若者達がお国の為にと自らの命を捧げて自爆攻撃をしたものというような漠然としたイメージを持っていたが、9回出撃して9回生還した人がいたという事実に、そんなことが可能だったのかとすごく驚いた。 この本によると、特攻による自爆攻撃で相手の艦隊を撃破するということは実際には難しく、特に作戦の末期には攻撃に相応しい飛行機もなくなっており、飛行訓練の足りていない若者が、効果がなく絶対に生きて帰れない攻撃を、訳の分からない精神論のもと実行し、犬死にさせられていたような状況だったようだ。 それでも、当時の新聞は戦争や特攻隊のことをエモーショナルに何度も記事にして、それを読んだ人々は感動して、こんなに若い人が命をかけてお国の為にと頑張っているんだからと戦争を続ける意志を強くした。戦争反対の新聞は部数がどんどん落ちるのに対し、賛成派の新聞はどんどん伸びたそう。メディアにとっては戦争は儲かるものだったのだ。 この戦争時の状況がコロナ禍の日本とそっくりに感じてゾッとした。毎日のように感染者数を報じ、新しいウイルスの株が出たと騒ぎ立て、本当に検証がされているか不明なのに"基本的な'感染症対策としてマスクやアクリル板や予防接種を人々に半ば強要。散々騒いだわりに、今となっては当時の対応が正しかったのかどうか誰も検証していない。 戦争中から何も変わっていないじゃないかと絶望的な気持ちになってしまうが、特攻隊として出撃し、9回も生還した佐々木さんという存在がかつて日本にいたんだと知ることは、希望になると思った。
0投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログ特攻とは何だったのか 9回出撃して9回帰還した特攻兵の実話を通じてこの問題に取り組んでいる。 冷静・客観的な筆致においても、強い怒りが伝わってくる。 特攻に関する漠然とした認識を改めて考えなおさせられる本
1投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ「永遠のゼロ」に胸のどこかで抗う気持ちに気づく。 命令した側への追求がまるでなっていないのだ。 カミカゼや特攻が声高に語られるときは、それが誰によって語られるのか用心が必要だ。
0投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
9回特攻に出撃して生き残った特攻兵のインタビューとその物語。戦争をする以前に戦わない選択をすることによって落とさなくてもいい命がある。先の大戦の時、闘うことを選んだ日本が結果的にどうなったか、戦争を経験した人たちは少なくても戦争は絶対してはならないと思ったはず。いつの時代でも犠牲になるのは末端の庶民で、命令する人間は(国民のためと言いながら)自分のことだけを考える。
0投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログ酒と紅白餅で必勝祈願 し死地へ送り出される。 死のツノと積載量超過 の八百㌔爆弾を抱える 離陸直後の緊張の時間。 高度五千メートルの空。 雲が割れて目標の湾が 見える。 そして爆弾の安全装置 を解除して・・・ 当事者にしか語れない 鮮やかな光景が眼前に 広がりました。 体当たりの命令に背き けれども逃げずに戦い、 何度でも何度でも生還 を果たした八十年前の 一人の若者に、 大概のことは乗り越え られるはずだよと、 生きる勇気を与えられ ました。 一方で、精神論の末路 というべき特攻という 愚かな作戦を、 エモーショナルに語る べきでないと学びとり ました。 故郷の北海道当別町に 眠る佐々木友次さんに 哀悼の意を捧げます。
93投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログ今現在もこの地球上で、人が人を殺める行為を必然とした戦争が起きています。 この日本でもそう遠くない過去には戦争がありました。しかし、既に戦争を体験した方が少なくなった現在、私も含め戦争を知らない人々も、学校の授業や終戦記念日など何かのきっかけで、その実態を知り、考えることも大切なのではないかと思います。 私は年に一度くらいは戦争について真剣に考えようと思っています。本を読んだり映画を観たり、その方法は様々ですが、本作はそんな思いで手に取った一冊です。 <作品紹介> 太平洋戦争末期に実施された“特別攻撃隊”により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏に鴻上尚史氏がインタビュー。 飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。 「第一章:帰ってきた特攻兵」「第二章:戦争のリアル」「第三章:2015年のインタビュー」「第四章:特攻の実像」の4部構成になっているのですが、私は第二章を読み終えるまでに4ヶ月かかりました。辛くてなかなか読み進められなかったのです。 攻撃をして帰還した部下に対して、「次は死んでこい」という上司って何?目的が「死ぬこと」になってしまっている。 現代の自分が生きていく上でも、会社であったり人との関係であったりのなかで、目的達成のための方法はいくつもありますが、私はそれを取り違えてはいけない。といつも思っています。当時の日本軍の上層部においては、まさにその方法を間違えてしまったのだと思うのです。 劣勢になったときに、勝つためには国民を鼓舞しなければならない。そのためには、優秀な操縦士が先陣を切って特攻することに意味がある。と・・・。 冷静に考えれば、優秀な操縦士は貴重であり、先陣を切って後のものを率いて攻撃し、生還させることが重要だと思うのですが。生きていればまた出撃できますし、後に続くものを育成することもできます。 そもそも、生きて帰ることを前提としない攻撃なんてありえない。そんなことを考えた人もそれに同意した人も許可した人も、どうかしているとしか思えない。 ですが、時として人間は過ちを犯すのです。それは多かれ少なかれ自分も含めすべての人に言えることです。 当時の状況から、特攻兵でありながら、9回の出撃から生還するということがどれほど特異であることかは想像に難しくありません。 とにかく怒りを抱きながら、胃が痛くなるような辛さを抱えながら第二章までを読み終えました。 第三章では、それを成し遂げた佐々木友次(ともじ)さんへの、鴻上さんによるインタビューです。佐々木さんがお亡くなりになる数ヶ月前だったようです。体調もよくないなか淡々と鴻上さんの質問に答えられている様子でした。会話から、お人柄の良さが伝わってくる内容でした。 そして、佐々木さんは、ただただ純粋に飛行機を操縦することが大好きで、その操縦にも自信を持っていた。だからこその抵抗だったのかもしれないと思いました。 第四章では、特攻隊の実像について鴻上さんの見解が綴られていました。 また、後書きには佐々木さんのお墓に刻まれた文章が記されています。 21歳の時に9回の出撃にも関わらず生還し、92歳まで生き抜いた彼の言葉は、とても重く心に響きました。 佐々木友次さんのことや特攻隊の話については沢山の書物がありますが、それぞれ見解が違います。命令をする側と受ける側では見えている現実が違うのです。 また、誰かの思惑によって事実が湾曲されていることもあります。 それは遠い過去のことばかりではありません。現在でもそれを感じることが沢山あります。それに踊らされ振り回されてはいけないと心にとめたいと思います。 過去のことを変えることは出来ませんが、未来は変えられるはず。何かを判断する際は一度立ち止まってよく考えることが大切だなと思います。
4投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ特攻命令を9回受けるも、生還した佐々木友次氏に関する本です。 佐々木氏は、死んでこいと発狂して命令してくる参謀長へも毅然と、死んできます、と答えるも生還。 次々と軍人が特攻で死んでいく中、そんなことがどういう精神状態で可能だったのか、本人へのインタビューも含め解説しています。 寿命がまだ来ていなかった、という言葉が印象的でした。 また、終盤は鴻上氏が当時の社会情勢なども鋭く分析しており、日本人特有の空気感で大本営発表を信じ国全体が狂ってしまったと言っています。 しかし、この時から何も日本人は成長していません。戦時下のようなことがここ数年前にありました。 コロナ禍による自粛警察、マスク警察、ワクチン警察です。 結局、アホみたいに一生懸命だったパーテーションは意味があったのか? とっくの昔に検査などを辞め、社会を正常化させた外国はコロナで全滅したのか? 何故もう誰もワクチンを打たないで良いのか? などなど、ほぼ誰も振り返っていません。 今振り返っている人は、やれ陰謀論者だなんだとレッテル貼りをされていますね。 恐らくは数十年したら学者などが、あの時の狂気を振り返って批判を行うでしょうが、その時は一緒になって自粛警察に協力していたマスコミも、日本人の国民性を手のひらを返し叩くでしょう。 そう、何も変わっていません。そして変わっていないことすら把握できていないので、未来永劫日本は変わることはないでしょう。
0投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログ戦後72年たってようやく特攻のことを書けるということ、渦中の命令した側が亡くなったからこそ…というのが、戦争を美化する人々や傍観者側の罪が深いと思った。。
0投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログテレビから流れる都合よく編集された戦争しか知らなかったことを改めて思い知らされた。この先、真実はもっと消されて行くのかもしれない。どうかたくさんの人に知ってもらいたい。 「命令する側」「命令を受ける側」、「世間」と「社会」。
0投稿日: 2023.08.26
powered by ブクログ天皇の描写は間違っている。 天皇は戦争の最高責任者だけど、戦争を始めようやめようなど決定権はない。 ただ、自分が大臣から上がってくる話を聞いているだけ。 天皇が皇統を何よりも大切にしたというのはウソ。 開戦をせずに済まないのか、何度も大臣に問いただしたのは天皇陛下だった。
0投稿日: 2023.08.25
powered by ブクログ鴻上さんの別の本で紹介されていて、興味がわいたので読みました。 今まで知らなかったことがたくさん書かれていて、本当に興味深い本でした。戦争の辛い内容だけど、読んで良かったです。日本人として、知っておくべきことがたくさん書かれていると感じました。 丁寧に取材して伝えてくださってありがとう、という気持ちでいっぱいです。
0投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログ戦争があったということはもちろん知っている。ただ、そこでなにがあったかまでは知らない。40代の私がこの状態なら、さらに若い人たちはもっと知らない。知ろうとしなければ得られない。「死ぬことが使命」だなんて世の中、絶対に嫌だ。今は戦争は日本では起こっていないけど、周りの雰囲気に対する違和感に声をあげられない、そのことが凶器を孕んでどうなっていくのか、ある意味今も戦時中なのではないか、なんてことも考えた。 生きる、生き残ると決めきった佐々木さんの想い。こんな想いを自分のこどもたちにはさせたくない、もらった命をどう使うか、死ぬことが使命だなんて、絶対にさせない。
0投稿日: 2023.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝撃だった。 まさかただでさえ致死率が高い特攻で、9回出撃し、生きて帰ってこられた方がいらしたとは! まず「「特攻」が全くの犬死であることは、当事者は全員わかっていた。 1)日本の戦闘機がまったくアメリカの操縦機に叶わなくなっていた。最高速度が違う。 2)第一目的目標である空母にたどり着く前に、アメリカのレーダー網により察知され、VT信管により撃墜される。(アメリカ軍はすぐに対策をとった。) 3)日本の飛行機、特に零戦は、安全性能を犠牲にして性能を上げたので、特攻するにしても、護衛機の援助なしにたどり着くことはまず不可能。すぐに引火する。 4)動く船に、重い爆弾で当てるのは、機銃照射がある中、ほぼ不可能。仮に当たっても効果が薄い。アメリカ軍が発見したように、急降下爆撃による一撃離脱が効果的。 5)最初の特攻こそ、その時点での腕利きが選ばれたが、以降は若年者が選ばれた。 6)とても難しい操縦が要求されるにも関わらず、特攻に選ばれる兵士は、圧倒的に飛行訓練時間が足りない者が選ばれた。 7)末期になるほど、明らかに劣る戦闘機。かつ、護衛機も付けず、行け!となった。 従って、この命令は、全く戦理を逸脱している。目的は、あくまで銃後にある。こうまでして敵と戦うという、やがて本土にいる我々も同じように後に続くという決意を表した。
0投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログあらすじを見てみると、あの狂信的だったであろう太平洋戦争の戦時下、上司の命令や周囲の圧力に屈さず特攻を9回も生き延びた方のお話らしい。 ざっくりと3部構成で、 ・9回の特攻について ・ご本人へのインタビュー内容 ・特攻の始まりと描かれ方の批判と考察 となっていた。 (読んだ本人が勝手に分けてるので違う読み取り方の方もいらっしゃるかも) 読んでみると、9回のうち実際に飛び立たれたのは2,3回のようだった。とはいえ、特攻という死ありきの出陣を前にしても冷静でいらっしゃったようで、敬服した。そしてやはり、ちょっとやそっとでは揺るがない信念をお持ちのようだった。悪く言うと、頑固。当時はさんざん虐められたようですけど、時が変われば本になってるのを見ると、世間の評価なんてテキトーだし頑固も一計よね、と思ったりした。
0投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログ特攻に関する本(近代日本の戦争も含めて)を初めて読みました。若い兵士が天皇陛下万歳と突っ込んで行ったと聞いていたが、実際はこんなに理不尽なことが行われていたのかと。鴻上尚史氏の丁寧な取材、考察もとてもわかりやすく良かった。 現代も当時と構造が全然変わってないのではないかと思う。
0投稿日: 2023.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ほとんどの戦争の資料を読んだ中で、まさか佐々木さんのような方がいらっしゃったなんて…本当に嬉しかった。生きて還ってくれた…。 あの時代それが許されなかったのに何回も帰還する強さ。日露から帰還した父の言葉の支えは本当に大きかったんだな。 それから彼の表現性に心を突かれました。 二度の戦死報告後、母に生きてることを伝える。 ーーーーーー マニラに行って春が来た。
0投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ鴻上尚史氏の執念で奇跡的に実現できたインタビューが貴重。劇団や人気番組クールジャパンのホストを経験した視点か、特攻兵ということの成り立ちや本質をわかりやすく説明した内容。 指示する立場とされる立場の責任分担が曖昧な対応は日本だけで考えると、日本人にはなんとなく受け入れられている面もあるのかもしれないが、ノットクールジャパンな部分かもしれない。 書籍の最後を締めくくる、報道ステーションにある内容(ネタバレになるので詳細は伏せます)には、はっとさせられた。 私達は何か戦前に起きたことに対して学べているのだろうか?佐々木氏の行動が広く知られ希望となりますように。
0投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログ特攻隊の真実、本質をしっかりと書いています。 命令する側とされる側…どちらの視点で特攻を語るかで全く見方が変わります。また、命令する側の人の証言は自己弁護から真実を語っていない、あるいは誤魔化している可能性が高いです。そのことをしっかり頭に入れて文献は読まないといけませんね。
0投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログある特攻隊員へのインタビューをベースとして、戦争及び特攻隊員のリアルを描いている。これを書いているのが「空気と世間」を書いている著者・鴻上尚史さんと同じとのこと。この方は演出家の一面も持っているということで、その多彩な活躍ぶりに驚かされる。 さて、話は「9回特攻に出撃して、9回生きて帰ってきた」という佐々木友次さんのインタビューから始まる。これまでの「お国のために華々しく突撃してまいります!」的な美談?話が多い中で、このような方の話は貴重とも言える。 その中でも、特攻の効果についてわかりやすく伝えている言葉が印象に残っている。 「卵をコンクリートにたたきつけるようなもの。卵は壊れるが、コンクリートは汚れるだけ」 非常にわかりやすく、かつ特攻というのものがどれだけ効果の期待できない作戦だったかがうかがえる。 太平洋戦争末期、戦況の悪化により、最終的には「勝つ」ことではなく「死ぬ」ことが目的になってしまっていた。またそういった思想に対して誰も意見が言えない状況になるまでの、教育という名の洗脳、マスコミでの報道内容等のリアルについても書かれていたが、本当に恐ろしいなと改めて感じた。 現在も世界を見渡せば戦争は行われているわけだが、日本で二度と戦争が起きないことを切に願うばかりである。
3投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログ著者の小説「青空に飛ぶ」のなかに出てきた、佐々木友次さんの話。彼は陸軍からの初めての特攻隊「万朶隊」のメンバー。本作には、友次さんの特攻隊としてどのような生活を送ったか、また著者が生前の佐々木さんご本人にインタビューする場面が描かれている。難しい話もあったけど、面白かった。 連合国がフィリピンを侵略後、沖縄を襲撃。その前後で特攻隊の戦果が低下している。それなのに、どうして特攻隊の出動をやめなかったのか?疑問が残る。しかも、飛行練習時間がまだ少ない若い兵士をどんどんつぎこんで…他にも本当のリーダーとはなにか、その本質は?など、考えさせられることが多かった。
0投稿日: 2022.11.28
powered by ブクログ鴻上尚史(1958年~)氏は、早大法学部卒(在学中は早大演劇研究会に所属)の劇作家・演出家で、日本劇作家協会会長(代表理事)、日本劇団協議会・日本演出者協会理事、桐朋学園芸術短大演劇専攻特別招聘教授等。岸田國士戯曲賞(1995年)、読売文学賞(2009年)等を受賞。TV・ラジオ等への出演、幅広いテーマでの執筆活動等も行っている。 本書は、太平洋戦争末期に行われた特別攻撃(生還を前提としない、航空機や魚雷による体当たり攻撃)について、9回出撃して9回生還した特攻隊員・佐々木友次伍長の体験と、本人へのインタビューをもとに、その実態を明らかにしようとしたものである。 体験は、『陸軍特別攻撃隊』(高木俊朗著、文藝春秋)に準拠して書かれ、インタビューは、2015年に92歳で存命だった佐々木氏(翌年逝去)に直に行った内容が記されている。 特攻と言えば、まず、映画化もされた百田尚樹のベストセラー『永遠の0』(同書については、坂井三郎の『大空のサムライ』からの盗作疑惑など否定的な意見を含め、様々な議論があるが)が思い浮かぶし、私は、神坂次郎の『今日われ生きてあり』や『きけわだつみのこえ』も読んでいるが、本書を読んで、9回出撃して生還することを可能にした特攻隊員がいたことに、率直に驚いた。 私は戦後生まれで、特攻を含む戦争の実態、その渦中にいた人々の本音というのは、残された記録・記憶から推測するしかないのだが、特攻として出撃して生還することは、環境的に難しく、多くの特攻隊員が無念の思いを抱きつつ散っていったのだと思うし、よって、命令された側にいた、命令に従って戦死した若者と、命令に抗いながら生き延びた佐々木氏のような若者(どれほどいたのかわからないが)の、どちらが正しかったのかという議論は全く意味をなさないものと考える。因みに、佐々木氏はインタビューで、なぜ生還した/できたのかという問いに対し、「寿命」という言葉を何度も繰り返している。(おそらく「運命」というような意味合いだろう) 一方で、この特攻に関して問われなければいけないこと、我々が学ばなければいけないことは、命令する側の方にあるだろう。その一つは、特攻の作戦決定に至ったプロセスの問題であり、もう一つは、事後の責任の取り方である。これらのことは、特攻に留まらない太平洋戦争の問題点として、戸部良一・野中郁次郎らの『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』ほか様々な分析があるが、現在の日本の政治、官僚機構、企業組織にも残る致命的な欠陥であり(特に、何か事案が起こったときのトップの責任逃れは目に余る)、その欠陥の認識と改善にこそ特攻の教訓を生かさなければならないのだ。 これまであまり明るみに出ることのなかった特攻の一面を知ることによって、様々なことを考えさせてくれる一冊と言えるだろう。 (2022年8月了)
3投稿日: 2022.08.23
powered by ブクログ太平洋戦争時の特攻について1人の帰還兵である佐々木友次さんを中心に理解できた。佐々木さんの生い立ちや特攻での出来事に関する動画を視聴していたので基礎知識はあったが、8度もの出撃後に台湾に飛ぶ権利も与えられず、フィリピンで過ごしていた事実は初めて知った。今後特攻を経験した人は激減し、生の語り手が減る中、このような貴重な話を綴った本を世に出してくれることに本当に感謝する。戦時中や戦後のことをもっと知りたいと思うきっかけを与えてくれた。
1投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終戦記念日の昨日から読みはじめた一冊を読み終えました。 「出口のない海(横山秀夫)」を読み終えた時に以下のように記した。 〜〜〜 死を覚悟して決死隊とし出陣された方と、必ず死ぬ必死隊として出陣された特別攻撃隊の方の想いとは祖国の為という鉄の仮面に包まれ、ただ愛する人を守る為という想い。 そこだけは同じような気がする。 しかし、決死と必死の差は大きく、まさにその人の運命を左右する。 〜〜〜 本書の約半分は9回の特攻作戦から生還した元特攻隊員・佐々木友次さんの体験記。 「必ず死んでこい!」と言われながら、「死ななくてもいいと思います。死ぬまで何度でも行って、爆弾を命中させます」と上官の命令に背き、生還した佐々木さん。 当時の状況を考えればそれがどれだけ勇気の必要な発言だったかを想像することは容易いように感じます。 個人的には最終章である第4章「特攻の実像」は私に大切なことを気づかせてくれました。 それは「命令した側」と「命令された側」の違い。 特攻という状況であれば命令する側(上官)と命令された側(特攻兵)。 多くの書籍や映像などで若者達が「お国のため」「愛する者を守るため」喜んで死んで参ります!的に語られ、特攻兵は自ら志願したかの如く伝えられている事実は、ある意味で日本人的な美談と化している... あの当時、「生きたい」という人間の生存欲求すら認められなかった時代に本当に全ての特攻兵の方々が心から喜んで死地に飛び立ったとは私には思えない。 立場は違えど、私も中間管理職として部下を持つ身。 部下に対して指示(命令)をする側にいるということの重みを実感すると共に、安易に「現状維持が目的」とならぬように正しい判断をし、指示を出していくことの大切さを痛感することが出来ました。 そして著者は巻末で反発を恐れずに私見の記されています。 それは今まさに行われている真夏の甲子園大会についてです。 真夏の炎天下、組織として強制的に運動を命令しているのは、世界中で見ても、日本の高校野球だけだと思います。 〜〜 僕は「命令された側」の高校球児を尊敬し、感動します。 もちろん、大変だなあと同情しますが、けなしたり、悪口を言うつもりはまったくありません。 問題にしたいのは「命令した側」です。 ですが、怒る人は、「命令した側」と「命令された側」を混同するのです。 「命令した側」への批判を、「命令された側」への攻撃だと思うのです。 すごくわかりやすい例えだと思いますし、私自身も大切にしていきたい。 先の大戦で何があったのか、何が事実なのか、自分なりに知りたいと思い、そんな中で手にした一冊でしたが、学び多き一冊でした。 説明 メディア掲載レビューほか 日本軍の真実 12月8日は日米開戦があった日。沖縄をはじめ全国に米軍の基地や施設があり、不平等な日米地位協定や航空管制など、“戦後"はまだ続いている。76年前に無謀な戦争をしなければ、そして、その前に愚劣な中国侵略を始めていなければ、こんなことにはならなかっただろうに。 戦争の始め方もばかげていたが、終わり方も悲惨だった。面目にこだわった軍部は負けを受け入れようとせず、一般国民はひどい目にあった。 日本軍の戦術でもっとも愚劣なものが特攻だろう。飛行機だけでなく操縦者の生命も失われる。日本軍が人命を軽視したことを象徴している。 だが、出撃しても生きて帰ってきた特攻兵がいた。それも9回も。昨年の2月、92歳で亡くなった佐々木友次氏がその人である。鴻上尚史の『不死身の特攻兵』は、佐々木氏や特攻について調べたこと、佐々木氏へのインタビュー、そして、それらからこの劇作家が考えたことの三つの要素からなる。 なるほどと思ったのは、特攻は兵士の誇りを傷つける作戦だったという話。体当たりせよという命令は、それまで訓練してきた急降下爆撃などの技術を否定するものだ。だから佐々木氏らは、命令に逆らって米軍の戦艦に爆弾を投下して帰還した。 だが、軍は生還した兵士をねぎらうどころか冷遇する。早く再出撃して、こんどこそ死ねと迫る。体当たりして戦果を上げたと、天皇にも報告してしまったのだから、というのが軍幹部のいいぶんだ。しかも命令した上官は、米軍が迫ると台湾に逃げ出す始末。これが戦争の現実、日本軍の真実だ。 評者:永江朗 (週刊朝日 掲載) 内容紹介 太平洋戦争末期に実施された”特別攻撃隊”により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏に鴻上尚史氏がインタビュー。飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。命を消費する日本型組織から抜け出すには。 太平洋戦争の末期に実施された”特別攻撃隊”。戦死を前提とする攻撃によって、若者たちが命を落としていった。 だが、陸軍第一回の特攻から計9回の出撃をし、9回生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏は、戦後の日本を生き抜き2016年2月に亡くなった。 鴻上尚史氏が生前の佐々木氏本人へインタビュー。 飛行機がただ好きだった男が、なぜ、軍では絶対である上官の命令に背き、命の尊厳を守りぬけたのか。 我々も同じ状況になったとき、佐々木氏と同じことができるだろうか。 戦後72年。実は本質的には日本社会は変わっていないのではないか。 本当に特攻は志願だったのか、そして、なぜあんなにも賛美されたのか。 命を消費する日本型組織から、一人の人間として抜け出す強さの源に迫る。 内容(「BOOK」データベースより) 1944年11月の第一回の特攻作戦から、9回の出撃。陸軍参謀に「必ず死んでこい!」と言われながら、命令に背き、生還を果たした特攻兵がいた。 著者について 鴻上 尚史 作家・演出家。1958年愛媛県生まれ。早稲田大学在学中の81年に劇団「第三舞台」を結成。87年「朝日のような夕日をつれて87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞。97年に渡英し、俳優教育法を学ぶ。11年に第三舞台封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」を上演。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に活動。10年に戯曲集「グローブ・ジャングル」で第61回読売文学賞受賞。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソリナティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動。「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」「クール・ジャパン!?」「八月の犬は二度吠える」「青空に飛ぶ」(以上講談社)「発声と身体のレッスン」「演技と演出のレッスン」(白水社)「孤独と不安のレッスン」「幸福のレッスン」(だいわ文庫)他著書多数。日本劇作家協会会長。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 鴻上/尚史 作家・演出家。1958年愛媛県生まれ。早稲田大学在学中の81年に劇団「第三舞台」を結成。87年「朝日のような夕日をつれて’87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞。97年に渡英し、俳優教育法を学ぶ。10年に戯曲集「グローブ・ジャングル」で第61回読売文学賞戯曲・シナリオ賞受賞。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビ番組の司会、映画監督など幅広く活動。日本劇作家協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
22投稿日: 2022.08.16
powered by ブクログ学校で教科書でしか特攻隊を学ばない、歴史や戦争に興味が無い人こそ読むべき本。 徹底的な縦社会で上官に対する絶対服従という構図がなければ軍隊というものは機能しない。 その構図を叩き込まれた一兵卒らが上官に意見したり反抗するというのは、私たち一般人が考えるよりずっと大変なものだ。 命を預け合い、時に殺人という罪を一緒に背負った戦友に対する責任感というものも並大抵のものではない。そんな戦友らが特攻で散っていく中自分だけが何度も生き残る罪悪感というのも相当なものである。 そして戦時下でない現代ですら感じる同調圧力が、戦時下となれば想像を絶する強さだ。 そんな状況下でも「体当りでは死なない」という意志を貫き通した佐々木さんの強さに驚かされた。 しかし今回のメインテーマとなっている「9回特攻に出撃して9回生還」というような、歴史に残るようなことをやった元兵士といえば、自伝を残しているイメージがあったが、佐々木さんはインタビューの中で「大ごとにしたくない」と何度もおっしゃっているのが印象的だった。 だからこそこのように実際のインタビューもある本作はとても貴重なものだと思った。 また、記録上の特攻一番機とされる関大尉は菅野直大尉に関する資料でよく目にはしていたが、出撃前に新聞記者に語ったという本音を拝見したのは初めてだった。 作中で特に印象的だったのが芙蓉部隊隊長であった美濃部少佐が私的回想録の中で語ったという次の言葉だ。 「戦後よく特攻戦法を批判する人があります。それは戦いの勝ち負けを度外視した、戦後の迎合的統率理念にすぎません。当時軍籍に身を置いた者には、負けてよい戦法は論外と言わればなりません。私は不可能を可能とすべき代案なきかぎり、特攻またやむをえず、と今でも考えています。戦いのきびしさは、ヒューマニズムで批判できるほど生易しいものではありません」 この部分だけ読むと特攻容認派の意見に取られるかもしれないが、美濃部少佐は徹底して特攻を拒否し部下を1人も特攻に行かせなかった人物だ。 美濃部少佐にとって「不可能を可能とすべき代案」とは芙蓉部隊のことであろう。美濃部少佐はあくまで一飛行長であり、作戦・用兵は仕事ではない。 この「不可能を可能とすべき代案」を考えるのは、特攻が有効な作戦ではないとされてからも特攻の命令を出し続けた参謀の役割だったはずなのだ。 それを放棄し精神論で戦争をした上層部に心底呆れた。 しかし、この精神論で物事を決めそれを強行し途中で論理的に見直したり間違っているところを直したりしない、というのは現代社会でもよく見られることだ。 臭いものには蓋を …ではなく、過去にしっかりと向き合い問題点を洗い出し改善策を見つける、という流れが日本社会には著しく欠如しているのかもしれない。 最終章終盤の日本の集団我に関する話はかなり興味深かった。
1投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ特攻隊と言うよりも極限状態の組織のあり方を考えさせた。個人より組織を優先させることに対しては抵抗がない。 ただし、組織を優先させることを論理的に正しく評価するべきだと強く感じた。 世の中はお気持ち先行しているが、絶えず冷静に評価することをしなければならない。
1投稿日: 2022.04.20
powered by ブクログ2019年11月12日 いわゆる「特攻」について。今まで知られていなかったことが分かった。9回出撃してすべて生還して最近亡くなられた人がいたとは驚き。 また、昨今の自爆テロと同じと言う人もいるが、全く次元が違うということが分かる。
0投稿日: 2022.03.23
powered by ブクログ劇作家の鴻上尚史による、インタビュー・歴史叙述と考察から成る新書。いわゆる「特攻隊」として自爆攻撃を9回命じられ、9回生還した実在の人物、佐々木友次のインタビューや歴史的背景の調査を書いている。「特攻」が行われた背景を、「命令する側」「命令される側」と「命令を横で見ていた側」とに分解し、それぞれがどんな状況に置かれていたのか、そして戦後それぞれの立場の人たちが特攻をどんなふうに描いてきたのかを様々な文献にあたりながら描いている。本書は、特攻に参加した人のことばを、現代の価値観で問いかけながら読むことができるという点で価値がある。また本書を読むことで、特攻を賛美するロジックとそれに対する反論を一通り学ぶこともできる。 ウクライナーロシアの戦争が起きて、日本が第三次世界大戦に巻き込まれるかもという話もでてきた中で、自分は逃げるのか戦うのかほかの形で参加するのかなど苦しく感じつつ悩んだ(悩むのは早すぎるけど)。 鴻上が日本の世間を特に強調するけれども、少なくとも戦時の同調圧力、運命への諦観、集団意識というのは欧米でも同様なのではとも思った。ティムオブライエンの『本当の戦争の話をしよう(The things they carried)』でも、「良心的兵役拒否」を理由にベトナム戦争への徴兵から逃げようと考えるも周囲からどう受け止められるか、そして自分自身が逃げたという事実を受け止められずに苦しむアメリカの若者を描いている。いわゆるナショナリズム(国/民族一丸となって...!系の社会意識)の高まりが、論理的な議論を踏み潰して、プライドや怒りなどに任せて無理を通してしまうというのは、日本に限らないのではないかと思う。 作中に出てくる、別の特攻拒否をしたことで有名な「美濃部少佐」の発言で「戦後よく特攻戦法を批判する人があります。それは戦いの勝ち負けを度外視した、戦後の迎合的統率理念に過ぎません。...戦いのきびしさは、ヒューマニズムで批判できるほど生易しいものではありません」とあった。大前提としてヒューマニズムの観点から特攻や戦争はありえない。しかしそのありえないが通ってしまう有事において、それでも特攻を拒否する理屈は、美濃部としては「もっと効果的な戦法(夜襲)」である。佐々木友次も同じである。 ......色々想像を働かせてみたのだが、佐々木さんやそのほかの人たちの状況には本当のところ想像がつかない。なんとなく、権威主義的な力はやばそうだし、南スーダンへの駆けつけ敬語に関して自衛隊内部で同様の動きがあったことなどにも危機感を覚える。メディアが戦争を煽って行ったのは、戦争を煽った方が儲かったから=読者がそちらを好んだから、というのにも、今後警戒していこうと思った。でも今自分にできること(戦争を予防すること)はなんだかわからない。何を受け止めたらいいのかわからないというのが正直なところだった。こういう、戦争やばい、権力やばいという言説を時折読んだり人に伝えたりすることくらいしかないのだろうか。
1投稿日: 2022.03.20
powered by ブクログ理不尽な体当たり攻撃の命令に背いて、最後まで「敵艦船に爆弾に落とす」という信念を貫いた佐々木友次さんの物語とインタビュー。 著者の鴻上尚史さんは、「自分のやっていることが正しいと信じて上官の命令に逆らい続けることができたのはなぜか?」という観点から、佐々木友次さんにインタビューしている。パイロットしての長い時間飛び続けたからこそ、自分のパイロットとしての腕に自信があるだけでなく、体当たり攻撃の難しさと効果の低さをわかっていることがあった。それでも生還するたびに罵倒され続けるのだから、自暴自棄になってもおかしくなかっただろう。その中で自分を保てたのは、そんな極限の状態でも、佐々木さんは飛ぶことが好きだったということも一因だということに驚く。 本書は著者、鴻上尚史さんの考察で結ばれる。なかでも↓このくだりは、日本人の本質的特性を表している。 -- 「命令した側」からすれば、「世間」の「所与性」とは、「現状維持が目的」ということになります。ずっと続いていることを、無理に止める事はない。自分はそれを止める立場にはない。そもそも続いていることは、止めることより、続けることの方が価値があるのだ、という思い込みが「所与性」の現れです。 -- 鴻上さんは、高校野球を炎天下の時期から見直そうとしないことも、自衛隊が隊員に行った南スーダンへの駆けつけ警護への参加意思アンケートで「行かない」と回答した隊員への詰問も、特攻を命令した側の論理と同じだと説いている。 戦中と同様の不条理・不合理なことの所与性が、戦後の今も日本中の至る所に残っている怖さと、いつの時代でも不条理・不合理こそが本当の戦うべき敵だということを痛感する。
0投稿日: 2021.12.30
powered by ブクログ特攻で死なずに帰還した21歳の伍長は特に人権意識が高かった訳ではなかった。戦後70年経ったインタビューでも「一伍長がそんな立場にない」と司令官への批判をしない。しょうがないと受け入れている。 それでも戻ってきたのは本人も明確には言わないが、飛ぶこと自体が好きだったからではないか。好きがあることが即ち自分を大事にすることなのか。自分以上にお国やらを上位に置かなくて済むのではないか。
0投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログ太平洋戦争末期に特攻に9回も出撃して帰ってきた特攻兵がいた。 しかもなんと最近まで生存していたというのだ。 戦争という異常な状況で繰り返される愚かな戦術「特攻隊」のリアルな声が聞ける。 特攻で戦神となり、天皇陛下にも報告済みであるため生きていては都合が悪い。最後の方には暗殺命令まで出ていたというのだから、時代が狂っているとしか言いようがない。 戦争はよくないことではあるが、その時代に生きて、巻き込まれるしかなかった人達の生き様や悔しさが思い起こされる。 いつの時代も命令をする側は命をかける覚悟もなく、戦後も長生きしてたりする。 若者たちが「無駄に」命を散らすしかなかった時代。そのリアルな声を記録した貴重な本だと思う。 劇作家である鴻上尚史氏が書いているので、非常に読みやすく、とても面白かった。良書。
0投稿日: 2021.10.07
powered by ブクログ前から気になっていた本だが、ドキドキするほど心を打たれながら、一気に読み進めた。 ■理不尽な権力に反抗するということ。 ○岩本がツノを3本から1本にし、また、爆弾を投下できるよう改造した点(p.68)。これを機に、着陸への希望、生への希望が少し現実味を帯びた。 ○佐々木の反論「私は必中攻撃でも死ななくてもいいと思います。その代わり、死ぬまで何度でも行って、爆弾を命中させます」(p.109)。 ○末尾には、美濃部少佐の反抗も出てきたが、これもまた凄い(P.264)。 ■夫婦というもの、命というもの ○岩本の、妻・和子との別れや、その後の和子の悲しみや日記は、読んでいて辛いものがある(p.37,49)。妻を大切にし、そして妻のためにも自分の命を大切にしないと。 ○「人間は容易なことで死ぬもんじゃないぞ」という父の言葉(p.81)。 ■理不尽な体制 出丸中尉の処刑飛行(p.142)、「年齢も学歴も低い者ほど積極的であった」(p.227)、軍部の批判回避の『神風特別攻撃隊』@1951年、、、。 ※逆に、今後読みたいと思ったのは、 『陸軍特別攻撃隊』、『青空に飛ぶ』、『特攻隊振武寮』・・・ (本書自体は特攻の様子を伝える大部分が他の著作からの引用なのだよな、、という点も一応書き留めておく)
0投稿日: 2021.09.19
powered by ブクログメチャクチャいい本だった。考えることたくさん。 まず佐々木さんの話に衝撃。あの時代に「何度でも命中させて帰ってきます」と公言して戻ってくる男がいたこと。決してそれが綺麗事てま終わらない時世に。 そして4章の実像で語られることがかなり響いた。あの時代の空気感。そしてそれが現代でも続いていること。なんとなくおかしいと思いながらも誰も言い出さないから「続けること」が目的になってしまうこと。当事者の声こそ歴史の闇に光を当てる。
0投稿日: 2021.07.20
powered by ブクログ英霊と讃えられ、あたかも日本のために志願して若き命を亡くした多くの特攻隊の中に、こんな「勇敢な」人がいたことは日本人の多くが知っておくべきことだと思う。
0投稿日: 2021.05.10
powered by ブクログ過去に読んで印象に残っているのは、阿川弘之の「雲の墓標」。学徒の持って行き場のない、どうしようもなくやるせない気持ちが、少しドラマチックに描かれていたという記憶です。 この作品は、知らなかった現実がリアルに語られていたように思いました。(戦争ものは好きではないので、ちゃんとした比較になっていないですが。) 世の中にこんな理不尽が存在していたなんて知らなかった。戦争は酷い事と思っていたけど、敵国ではなく軍の中がこんなに酷いとは知らなかったです。 日本軍は自国民をこんな扱いするなら、皆ではないにしろ、さぞや他国には酷い事をしたのだろう、と思ってしまいました。 勝つことでもなく、敵を倒すでもなく、もはや死ぬことが命令。目的を見失った上層部。なんとなく、他のしがらみや思惑に引きずられて本質からズレていくのは、今の日本にも面影があるような気がします。 話が逸れましたが、日本の戦争へのイメージを補強してくれた作品でした。 鴻上尚史がこういう真面目な作品を書く人とは知りませんでした。。
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実際に特攻兵として9回の出撃命令をうけた人物について、前半は終戦を向かえるまでの歩みを、後半は筆者との対談を載せるという内容だが、当時の縦社会の様子や、特攻兵として生きた人たちの生の声 、自分の信念を曲げなければならないやるせなさなどが描かれており、ただ戦争反対を述べている作品とは一線を画していると感じた。
0投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ特攻の精神は決して過去のものでなく現代にもつながる、日本人の気質。 陸軍最初の特攻隊に選ばれながら、上司の命に反し9回出撃し帰還した一人のパイロットの72年を描いたベストセラー作品。 特攻ネタの本としては異例のヒット、「永遠の0」以来だろう。こちらは実際にあった話で内容は比べようもない。 海軍の神風特攻隊に続き陸軍の万朶隊。その一員に選ばれた佐々木友次伍長。9回出撃し9回とも帰還。そのうちの2回は爆弾を投下し敵艦に命中させている。 死んだはずの特攻兵の帰還。すでに天皇陛下の上聞に達しているとの理由から再度出撃を命じられる。 口先だけは立派でいざとなると真っ先に逃げ出す上官が実在したことに驚かされる。 そしてそんな上官の命に従って命を失った多くの若者たち。 筆者は多くの特攻に関する本を調べていく。特攻隊員は自発的になったとの内容は生き残った上官が書いたもの。実際には強制であったことは間違いない。 そして筆者は驚くべき事実を知る。既に過去の人物と思われた佐々木伍長は存命。92歳で入院中。筆者のインタビューが本書の大きな柱。インタビューの2か月後に亡くなる。 戦後70年、長い沈黙を破り元特攻パイロットが閉ざした口を開くまでに必要だった長い期間。奇跡のような偶然がなければ本書は実現しなかっただろう。 日本人の精神に触れる最終章はさらに圧巻の出来。 特攻、日本人として忘れてはならない出来事だろう。過去の日本人、洗脳されていたり騙されていた訳ではない何かがある。 日本人として過去を冷静に見つめなくては、いつかまた同じような集団ヒステリーというか、間違った方向に国民が熱狂する時代が来るだろう。 多くの日本人に読んでほしい1冊です。
1投稿日: 2021.03.14
powered by ブクログ不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書) 前回読んだ本、『日本軍兵士』(中公新書、吉田裕)で、私は特別攻撃隊が無意味であったこと、上の判断に抗う兵士がいたことを知った。 本書は、陸軍特攻隊の第一回「万朶隊」に選ばれた佐々木友次さんの、9回に渡る特攻隊出撃の経緯と、著者独自のインタビューと考えが書かれている。(第二章は、『陸軍特別攻撃隊』(文藝春秋、高木俊朗)に準拠して記述されたもので、新書というよりも小説に近いような感じがしました。) 戦後70年以上経っても、ドラマや映画で描かれる兵士は死をも恐れない勇ましい姿である。 しかし、実際の特攻兵は、体当たり攻撃に疑問を持ち、当時上層部に逆らうことが絶対にできない状況であったにも関わらず、抵抗したり、独断で爆弾と爆撃機を切り離せるように改造したりした。 出撃した特攻兵は、その死を軍神として崇められ、若者が自ら志願して国を守ったと、国民の戦意を高揚させた。 生きていたとしても、軍部が天皇に戦死してしまったと奏上してしまったがために、 何度も特攻へ出撃され、無駄死にしてしまった。 (天皇に嘘の報告をしてしまったことになるので、どうにかして殺さなくてはならないから…) 軍の異常な行為の背景の1つは、リアルを無視した精神論にある。 日本軍の兵器が120%連合軍に劣っていても、負けてしまえば、それは精神の弱さだと。 日本人の異常な精神論は、今もなお令和時代に引き継がれている。(部活動、ブラック企業等) チームを引っ張るリーダーは、精神論を語ってはいけない。 現実を見て、最善の選択をとること。 教員になったら、気をつけようと思う。
0投稿日: 2021.02.22
powered by ブクログ特攻を命じられたが9度生還した飛行士。 戦争当時のものを言えない空気、死ねと命じられる不合理さ。精神力を美化する者が指導層にいると本当に悲劇だと感じる。 だが、今の日本人にはその傾向がある。大勢の意見に迎合し、少数派を弾圧するような空気。たとえば嫌煙とか。民族性といえばそれまでだが危ういと感じる。
0投稿日: 2021.02.08
powered by ブクログわたしは小さい頃に祖父から何度か戦争時の話を聞いたことがある。祖父は満州にいっており、「死ぬのが怖いから1番後ろの方で鉄砲の手入れに忙しいふりをしていた」とよく笑って話してくれた。祖母か戦争の話を嫌った為にあまり詳しくは聞くことができなかったが、今にしてもっと聞きたかったと悔やんでいる。 祖父が亡くなったときに遺品を整理していたら、あるノートが出てきた。そこには、"喜んで死ににいった者などいない。みんな、「死にたくないよ」「おかあちゃん」と言って死んでいった"と書かれていた。 本書は特攻隊として9度の出撃をしながら生還した佐々木さんの体験をインタビューし、また当時のことを調べて書かれたノンフィクションである。そこにもまた、軍人として大切なひとたちを守るために仕方がなければ命を捧ぐことは厭わないが、死ぬことは良しと思わない人々がたくさんいた。 特攻隊のことを特別知りたいと思ったのは百田尚樹さんの「永遠の0」を読んで、かつてアメリカでは特攻機である「桜花」をBaka Bombと呼んでいたと知り、てっきり特攻とはアメリカからは恐れられていたと信じきっていたから驚いたことがきっかけだった。 本書にも書かれているが、最初こそ恐れられはしたのだろうけど、あっという間に対策も練られ、また一中必殺などという確実性もなく火力も決して十分でない特攻はまさに命懸けならばなんとかなると思考停止した戦略だったのだろう。 すでに起きてしまった歴史は変えることはできず今更何を言っても仕方の無いことだけど、戦争とはなんの罪もないひとたちが命を落とす意味の無い行為であり、同じ轍を踏まないよう各国国を動かすような仕事をしているひとには過去の声に耳を傾けてほしいと願うばかりである。 また、自分もどんな状況であっても絶対に思考停止はせずに生きていきたいと強く思った。
0投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログ特攻兵として9回出陣。 陸軍参謀の命令に背き、生還した特攻兵の話です。 ぜひぜひ読んでみてください。
3投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ「"いのち"を消費する日本型組織に立ち向かうには」という帯の言葉が気になり、読みました。副題の「軍神はなぜ上官に反抗したか」という問題提起にもアンサーがなされる本ではないと思います。しかし、現代の日本でも脈々と同じ構造が繰り返されているのではないかと、ハッとさせられる文章の連続でした。 特攻隊そのものについて関心があって読み始めたものではありませんでしたが、当事者が生きているうちには議論できなかった、ようやく特攻について冷静に考えられるようになったのだ、という箇所がとても印象に残りました。
1投稿日: 2020.12.20
powered by ブクログ陸軍の第一回の特攻隊、万朶隊に選ばれた若きパイロット佐々木。 出撃を前に、日露戦争を生き延びた父の「人間は、容易なことで死ぬもんじゃない」という口癖と、上官の岩本大尉の命を賭けた抗命を目の当たりにして、生きて帰ることを決意する。 持ち前の操縦技術と強運により、9回出撃してなお生還した特攻隊員を追いながら、特攻という愚行の真実を紐解く。 末期の戦闘の中にあって、軍部の各階級の人物たちがそれぞれどのように特攻を捉えていたのか、佐々木はなぜ命令に背きながら生還できたのか。 特攻隊について初めて知ることが多く、文中に引用された他の書もぜひ読んでみたいと思った。
1投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ「飛行機に乗ったら何もかも忘れる」 佐々木友次さんの、空を飛ぶことが好きだという気持ちが、9回の出撃からの帰還につながったのでは、とする鴻上尚史の文章(朝日新聞2020.8.10朝刊)を目にして読んでみた。戦争物はほとんど手にしてこなかった自分に、もっともらしいことを言う資格はないので、覚書のみ。 「万朶隊は5人の将校さんが、攻撃に出る前に戦死したんです。佐々木は将校5名分の船を沈めるまでは、死なないつもりです。」(p127) 「(友次さんの言った)「寿命」という言葉は強く響きました。それ(9回の生還)は「寿命」で、寿命は自分で決めるものじゃない」(p207) 「「特攻はムダ死にだったのか?」という問いをたてることそのものが、亡くなった人への冒涜だと思っています。死は厳粛なものであり、ムダかムダでないかという「効率性」で考えるものではない~けれど「命令した側」の問題点を追及することは別です。」(p227) 「いかに戦争であっても、生還の見込みがゼロの作戦を、組織として採用すべきではない。どんなに不利な戦いでも、どんなに負け戦でも、指導者として踏みとどまる限界があるのではないか。それが人類の英知」(p239) 特攻兵として飛び立った空の上で、信じられないことに、飛ぶことの楽しさを感じていた友次さん。 その自由な、若者らしいキラキラした感覚に、人間の強さを見る気がする。戦争のなんて虚しいことかと思う。
0投稿日: 2020.09.03
powered by ブクログいわゆる「神風特攻隊」というものに対するイメージが、がらりと変わる一冊。これまでそのイメージを形作ってきたのは、「命令する側」が作った物語でした。「命令される側」から見た戦場のリアルがここにあります。
0投稿日: 2020.08.05
powered by ブクログこの本は、特攻の出撃を9回命じられても、上官に逆らい生き残った男の話だ。 こう書くと英雄のように受け取れるが、話はそういうことだけではない。 英雄の話というよりも、バカな上官の話なのだ。 これは日本人の避けられない特徴なのだろうか? あまりにも現代の会社の経営陣と酷似していて、辟易してしまう。 日本軍はなぜあんなバカな作戦を遂行したのか? なぜその悪行を止められないのか? そして今でも会社組織の中で歴史を繰り返すのか? 問題点は非常に沢山ある。 単純な一つの原因だけはないのだろう。 あまりにも不思議だ。 なぜこんなことが、戦争終了から何十年経ってもまかり通っているのか? つまり日本ではリーダーを育てていない。 現場で優秀な人員をリーダーにすることが多いのだが、現場で優秀な人材と、マネジメントが出来る人材は根本的に違う。 「リーダーはこうあるべき」で最初から育てないと、不向きな人が上官になったときの部下の不幸さはない。 特攻というバカな作戦がまかり通り、止めらなれかった原因の一端である。 それと「戦略的思考」をあまりにも学んでいない。 これも単純な勉強不足の部分と、「答えの出ない質問に対して、議論して、今の段階の答えを出す」の部分がある。 後者の方が圧倒的にスキル不足だ。 これは多様性を受け入れない体制にも等しい。 他人に違う意見を言われると、議論を深めるのではなく、そこで意見を遮断してしまう。 プライドの高い人ほど、そういう傾向にある。 本来は地位の高い人ほど、部下の意見を聞いて、その場での最適な答えを選択していく必要があるはずだ。 戦争の悲惨さという観点だけでなく、「優秀な現場と無能な上司」という視点で、今のビジネスマンにこそ是非読んでほしい一冊。 (2018/6/5)
0投稿日: 2020.08.03
powered by ブクログ9度の出撃から生還した特攻兵・佐々木友次氏の体験談・インタビューを軸に「特攻」の真実を記した一冊。 美談になりがちな特攻隊の背景に触れて驚きを隠せなかった。同時に隊員たちの思いにやるせなさを感じ、人命を軽んじる上層部に憤りを禁じ得ない。 後半の考察部も含めて非常に考えさせられる。軍部の異様さ・愚かさは現代の組織にも十分に当てはまる。 戦争の語り部が少なくなる中でこういう著書を通じて歴史としてではなく真実として認識し、しっかりと考え向き合うことの大切さを改めて実感した。
6投稿日: 2020.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
腕のある操縦士ほど特攻に対してバカげていると考えているのに真っ先に投入されてしまうのがつらい。そんな中最初の特攻兵だったにもかかわらず何度もしれっと生還する佐々木さんがすごい。次第に上官もあきれ果ててしまうし、地元では2回も葬式をされてしまい、戦後も肩身を狭くして生き続ける。存在が奇跡そのもの。今現在の政府によるコロナへの失策ぶりととても似た状況が描かれていて、過去の出来事として切り離せない。
0投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログ戦争のこと、特攻兵のこと、全く知らなかったが、勉強したいと思えるほど衝撃的な内容。 特攻隊は勇敢であると思っていたが、それだけではなかった。背景には彼らの葛藤や上司の圧力など、、 この本を読んで今平和な日本にいられることの幸せをとても感じられる
0投稿日: 2020.05.09
powered by ブクログ第二次世界大戦で、日本軍は色々な愚行を繰り広げましたが、最も愚かで痛ましい事の一つが特攻隊でしょう。様々な媒体で取り上げられて、無数の作品のモチーフになっていますが、昔であればあるほど特攻隊というものは美化されていたと思います。 実際自分が直面するとしたら死にたくないに決まっているし、こんなに馬鹿らしい事に付き合っていられるか。という気持ちが本当の所だと思います。 この特攻隊という命を投げ出すことで相手に「気合が入っている」と思わせ、それによって起死回生を狙ったのでしょうが、発想からその効果を測れない精神からしておかしくなっていたとしか思えない事です。 しかし、これは今の世の中の常識が有ればこそ分かる事で、同調圧力と世間体と上意下達が基本であった世の中では、道を外れる位であれば死んだ方がいいと考えてもおかしくはないと思います。 おかしいとは思いつつも、皆が命を投げ出しているのだからと、個々の命が軽く扱われる時代の中で、生きる事を一番に考えて特攻命令から9回生還した方からのインタビューを基にしています。 皆が皆特攻して散って行ったというイメージでしたが、実際は飛行機が飛ばなかったり、故障で引き返したりした事もあったようです。 生き残った事というよりも、同調圧力や強権に負ける事無く自分の意思を貫き通した事に価値が有ります。上司が死ね死ねと言っている中で、意味の無い死を拒否する強さというのは、時代を超えて必要な考え方だと思います。 特にネットで不特定多数の人が「世間」を構築している今、無数の同調圧力にさらされているという事が出来ると思います。 自分が実際にどう思うのか、を大事にしていかないと、どんどん自分の意思と違う場所に流されていくのではないかと感じます。
2投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ特攻隊というものに抱いている幻想(良くも悪くも)を打ち砕くような著作である. 基本的に特攻といわれる戦術に初めこそ敵を驚かし多少は損害も与えたろうが,アメリカの対策が施されたあとはほとんど効果がない悪手であり,むしろ国内向けの「命を捨てて頑張ろう日本キャンペーン」にすぎなかったわけです. そのようなキャンペーンのなかでも命を捨てず9回出撃して9回帰還した男の話です. とても読みやすい一冊になっており,鴻上尚史がここにいてくれて本当によかったと思わされます.
0投稿日: 2020.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭から自分の知識が間違っていたという指摘。 鉄板に卵を打ち付けるようなもの、というが 漫画や映像シーンでは飛行機1機が大きな艦隊の甲板を突き破るような描写を観たことがある。 イメージ戦略にまんまとハマっていたのだな、と。 後半はただでさえお粗末な機体だったわけで。 写真があると、一気に身近に感じるのは何故だろう。 (司令官はナンカやな感じ、と思ってしまうが。。 無能な上司をうまいこと配置換えして、現場が苦しむのは昔も一緒か。。。 イベント好きで、それで有望な岩本大尉が亡くなるとか。。) 美濃部少佐が自分一人で赤トンボ?30機を打ち落とせる、と説き伏せたのは本当に凄い。 他にも気になる本の紹介があったし じっくり読んでみたい。 本作も大変参考になったが、多分触れられていない事も沢山あって 違う箇所について詳しく書かれていたりしそうだから。
0投稿日: 2020.03.18
powered by ブクログ作者(同年、同県)が「9回特攻に出撃して、体当たりしろという上官の命令に反抗し爆弾を落として9回生きて帰ってきた人」のことを知り、第1部でそのフィクションを紹介、2部で同人にインタビュー、3部で特攻の実像ご述べられます。 特攻のことが非常によく判りましたし込み上げる所も有ります。名著です。 例えとして真夏の炎天下の高校野球が出ていました。長くなるので止めますが特攻隊の構図と似ていると…
0投稿日: 2020.01.04
powered by ブクログ太平洋戦争で、9回出撃して9回生きて帰った特攻兵、佐々木友次さんの人生を描いたノンフィクション。彼は特攻兵でありながら特攻を行わず生還を繰り返した。軍から特攻で死んで軍神になることを強要されるが、最後まで自分の信念を貫いて生還する。兵隊の役割は、戦果を挙げることであり、国のために死ぬことではないという考え方だ。当時の世相、軍の対する厳しい見方を考えると、自分のモチベーションを維持するのは大変だったと思う。命令する側とされる側では見方が違う。もし自分が同じ立場だったら上官の命令をどう受け止めるのか、特攻とは何だったのか、いろいろ考えさせられることも多かった。 佐々木さんの上官の美濃部少佐、岩本大尉の話がとても印象に残った。彼らの苦悩がよく描かれた好著だと思う。
0投稿日: 2019.12.29
powered by ブクログ入手したもののずっと積読で長らく手に取れずにいたけれど、ほぼ日のインタビューなどを読んで、やはり読んでおかねば、とやっと読み始めたら、あっというまに読めた。読み進むほどに、特攻で死んだことにされて、つじつま合わせのために何度も出撃を命じられて、それでも生還した佐々木友次さんの顛末・人生を知ること、そして「特攻」について考えることは現代に生きるわたしたちにとってだいじなことだと思った。 特攻隊については賛否あるが、命令した側と命令された側を混同して論じるのはおかしいという著者の意見は尤もだと思った。
0投稿日: 2019.12.09
powered by ブクログ鴻上(こうかみ)尚史(しょうじ) 万朶隊(ばんだたい) 陸軍の第1回の特攻隊 佐々木友次ともじ1923年6月北海道当別村生まれ☆おばあさんの4つ下 2015年10月札幌の病院でインタビュー 福岡市に特攻隊振武寮(しんぶりょう) 生還した者を集めた寮→上官から罵声 戦死と公表した以上、人目にさらせない 逓信省航空局 同期に1970年よど号ハイジャック事件に遭遇した石田機長/テレビ見て驚いた! 鉾田飛行場へ 死のツノ飛行機/軽量化した機体 卵をコンクリート(鋼鉄の空母)に叩きつけるようなもの→汚れるだけ 関大尉 天皇陛下とか日本帝国のために行くんじゃない。最愛のKA(海軍の隠語でKAKAつまり妻のこと)のために行くんだ。 1944年11月12日新聞発表 戦死 地元では葬儀、万歳 … 12月18日 9回目の出撃命令 マラリア 1月にやっと回復 処刑飛行・無意味な上官の命令→上官も冷静な判断は不能 ☆今の日本の過労死問題・どうやったって単純物品の製造業では中国に勝てない→何をすべきか?高度システム化された手法で仕事できないか… 敗戦 1946年1月6日 マニラ港からアメリカの輸送船へ・15か月ぶり帰国→9日後、三浦半島へ 収容所では将校下士官に復讐・袋叩き→それを見て虚しい気持ち☆この状況はあり得ることを忘れるなR020524 市ヶ谷の第一復員省で猿渡参謀長と遭遇 自分をいくたびも殺そうとした男・よく見れば、別人のようにしわが深くなっていた。…自分が戦い、抵抗した相手の本性が意外なほど見すぼらしいものだと思うと、佐々木は怒りが急にしぼんでいくのを感じた。 上野から北海道へ 日本女性がアメリカ兵とふざけあいの場面に遭遇→「なんのための体当たり攻撃だったのか」 母イマ「お前、帰ってきたんかいや」大粒の涙 1946年1月21日生家へ 1968年 陸上自衛隊へかつてフィリピンで隊長だった人を訪問→曖昧な答えに終始・日本軍の不名誉を隠す→佐々木も特攻を語ることはなくなった。 ☆終戦直後、軍の不名誉の情報隠ぺい工作・紙ベースの情報しかないから歴史の修正も可能か・慰霊の形で情報収集/資料を回収/口止め→命令者が都合の悪いことを変更 特攻 志願→実際はウソ すり替えと責任逃れ 命令した人が戦後「私は、神風特攻隊に対する批判はどうであろうとも、いさぎよく散った彼ら自身だけは救われてくれと祈念してやまないものである」→命令した側ではなく特攻隊と同じ立場に立っているふりをしている。悪く言えば自分に対する批判を、特攻隊員への批判にすり替えることでなくそうとしている。英霊を批判できないから、自分も批判できないという理論。 命令した側の責任が曖昧 「なぜ私が選ばれ、エリートの士官は選ばれないのか?」と苦悩 大西中尉「万世一系仁慈をもって国を統治され給う天皇陛下は、このことを聞かれたならば、必ず戦争を止めろ、と仰せられるだろう」「日本民族が将に亡びんとする時に当たって、身をもってこれを防いだ若者たちがいたという事実と、これをお聞きになって陛下御自らの御仁心によって戦さを止めさせられたという歴史の残る限り、500年後、1000年後の世に、必ずや日本民族は再興するであろう」 2014年保阪正康 昭和天皇が何より大切にしていたのは皇統の継続、それがあらゆる判断に優先した。☆多くの人が死ぬことより優先することがあるか…天皇の立場での考え 皇位継承問題は?悠仁様結婚・男児で忘れ去られるか?R020524 国民の熱狂 戦時中 戦争賛成の記事→部数がのびる 精神主義の末路・精神論で敵機を落とせ!→今の日本の状況と同じ ☆本中で朝日新聞紹介多い・朝日の報道自体が多かったのか?今の平和ボケはその反動か? 日本のムラ社会・水利が村人の死活問題→世間の中でしか生きていけない 終身雇用→新たな世間・ムラのルール☆水〇〇〇所ムラにいることを意識 将棋の団体戦、駅伝…日本で人気だが、外国では団体でやる意味不明☆駅伝もよく考えれば非効率・お涙感あり 島国 他国からの侵略はなかったが何度も台風、地震の自然災害→多数だから「神の試練」とは受け止められず 炎天下の甲子園で球児の身体へ悪影響・根性論で中止にできない現実→☆R011100/次の選抜から投球制限・現在は過渡期か?六大学野球は季節のいい時期にやっている・華やかさ・優雅さあり ☆R020524コロナで甲子園中止大人騒ぐ現在/収束すればまた同じことするのは明らか
0投稿日: 2019.12.07
powered by ブクログ戦況の不利により挽回困難な状況に追い込まれると、前線に投入される兵隊は消耗品のごとく扱われるのは、かっての日本軍ばかりではないにしろ、「九死に一生」ではなく「十死零生」と言われれる〝特別攻撃隊〟を命じた側と命じられた側の存在をどの様に理解すればよいのか。この命題に対して、九回特攻出撃して九回生還した飛行兵の取材をとおして得た著者の胸の内は、不条理な戦争下での人間の愚かさを訴えて、読者の共感を得る。
0投稿日: 2019.12.06
powered by ブクログ2019年11月30日読了。 日本陸軍がクソすぎること、戦争時代には「負けない」という精神さえあれば「負けない」という空気が蔓延していたこと。 特攻については今の時代の常識で考えれば、あってはならないこと。 映画などである自分を犠牲にして、みんなを助けるとか、敵を倒すという状況とは全く違うこと。 特攻は熟練した操縦士にはプライドを深く傷つけるものであったが、当時の日本では国民向けに必要であったこと。 特攻に9度出撃して帰還した佐々木さんも話ももちろんだが、後半でエピソードが紹介される美濃部少佐もたいへん興味深い
0投稿日: 2019.11.30
powered by ブクログ引き込まれた。いつか死ぬこと自体が目的となってしまった特攻隊について、一人の人物を中心に書いている。生きている人が語らなければ、残らなかった話。(折田)
0投稿日: 2019.11.08
powered by ブクログ良い話だった、特攻に選ばれた人のドキュメント 戦争体験者の話はやはりすごい そして、特攻を企てた軍部幹部や、戦争に突っ走った政治家の愚かさ マスコミがどのような役割を果たしかもよく理解できる 永遠のゼロで、主人公は「強い人だった」という言葉が印象に残っているが 当時、生を諦めない姿はまさに強い人。それは愚かなことでも、、卑怯なことでもない
0投稿日: 2019.10.19
powered by ブクログ特攻ものは心動かされるよね。その当時の上層部は頭おかしいけど、誰も言い返せない感じも悔しいな。けど、そんな時代だったんだよね。悲しいよなー、めちゃくちゃ悲しい。特攻を考えたあいつらは本当死んでも許されないわ。 陸軍の特攻兵の話。陸軍のな。
0投稿日: 2019.10.01
powered by ブクログ絶対に絶対に戦争は起こしてはいけない。 目的を見失った根性論も不幸しか産まない。 いかに当時、戦争という状況や天皇や軍部が最高権力者という思考停止ワードが、国民を蝕んでいったかがよくわかる。 そしてそんな状況に飲み込まれずに生還した彼も、結局、帰るべき故郷がそんな状況に飲み込まれていたから、自分だけ抗っても、孤立せざるを得なかった。 理不尽な暴力には全員で抗わなければいけない。 多くは、敵軍に「特攻」することすらかなわず、病死、飢餓、途中での墜落、行方不明、となっている。 こんな理不尽な状況におかれる人間があってはならない。
0投稿日: 2019.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2019.8.20読了 海軍の零戦特攻は有名だが、陸軍の航空機特攻もあったことを初めて知る。必ず死んでこい、と圧をかけてくる参謀長に反抗する精神力に感心する。その理由が使い捨てに納得しない航空兵の誇り、飛ぶのを終わらせたくない、好きな航空機を壊したくないという純粋な心に裏打ちされていることに心を打たれる。
0投稿日: 2019.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
特攻隊はみな自分から志願して嬉々として大空へ飛び立って行った、とかは特攻に自らは出ていかず、命令者側からの真実を曲げたものであり、命令を受ける側は、特攻は技術的にも意味はなく、爆弾を落とし、生還し、人も飛行機も無事戻ってこさせ、次の攻撃に備えることがもっとも大切だと言ったのだ。 しかし、仕官たちはただ精神論を述べるだけで、生還するという、そんな気持ちだから、敵艦の一隻も撃沈できないのだ、と、命令者として、実をともなわない空論をいうのだった。 そんな中、初めの特攻隊に選ばれた佐々木友次は、上官に、平然と、敵を倒せないことがわかれば、帰還します、そして、また、出撃します、と言い切って、上官に激怒されつつも、8度も出撃し、二度、船を沈め、生き通したひとでした。 本書で何度も上官と、そんなやり取りをするのですが、悲劇を通り越して、喜劇とも取れるような呆れた問答(もちろん、佐々木さんが正しいと私は思うが)に、不謹慎ながらにやけてしまった。上官の猿渡参謀長が地団駄踏んで悔しがる描かまざまざと見えるからだ。釣りバカ日誌の浜ちゃんと課長のやりとりみたいに。 でも、茶化してはいけない。戦後、特攻隊は美化され、批判すると、特攻隊を汚すようにとられたが、本書は命令を受けた側を批判しているのではなく、あくまで、命令者、体制を批判し、二度とこのようなことを起こさないよう、いましめている。 ただ、近年の南スーダンへの駆け付け警護に関しての自衛隊参加について、志願とは名ばかりの強制のようなことも見受けられたという。
0投稿日: 2019.07.28
powered by ブクログ特攻という戦術は、いかに効果が乏しいにも拘らず、続けられたのか!特攻で死んでいく若者たちを称賛することが、またそれを送り出す上司たちを称賛することにもなっていたという仕組み。命じられた兵たちは熟練兵が多かったが故の淋しさ、悔しさがよく分かる。普通に攻撃した方が成果はあるのに!特攻に9度出撃したにも関わらず、生き延びた佐々木友次伍長。2度名誉の戦士をしたと報じられ、地元では盛大な2度の葬儀があったが、実は生きていた。そして「次は必ず死んで来いと送り出された!」という悲惨な世界。そして送り出した側が責任を取らずに日本に戻っていったことに対して、「特に怒りはない」という佐々木の冷静な反応が印象に残る。92歳の佐々木からのヒアリングの情熱も凄い。
0投稿日: 2019.07.25
powered by ブクログ特攻兵として出撃したものの、無事に生還した佐々木さんの話とインタビューを中心とした新書。 命令する側の無能さに憤りを感じた。 特攻の生みの親、大西中将の真意?について 初めて読んだ。仮に本当だとしても、何の慰めにもならないが、興味深い話だった。
1投稿日: 2019.06.29
powered by ブクログ一度読み始めるととまらなくなる内容でした。 タイトルの由来は、この本の主人公とも言える人物が特攻隊として9回出撃し、敵船に爆弾を命中させて帰還してきたという武勇伝です。 第2章は初めて知ることばかりの内容でした。 特攻のリアルや「命令された側」の人たちの苦悩、 表向きは志願者として召集された特攻兵たちは絶えず死の恐怖と隣り合わせに生きていたのだということをリアルに実感した。 第4章は、特攻にたいする作者の熱を感じました。 「命令する側」、「命令される側」、そして「傍観者」。 饒舌な傍観者と閉ざされてゆく当事者の言葉。徐々に捻じ曲げられていく真実をみて、立場を分けて物事を論じることの必要性に胸を刺される内容でした。 極限状態にある人が、どのような状況の中でどのような選択をし、そしてどのような結果を引き起こしてきたかが作者の軽快なタッチで描かれています。 できることなら目をそらしたいけれど、日本人は全員知っておかなければならない内容がたくさん入っていると思います。 ハンドルネーム しんじ 本館2階学習室(新書) 080||Ko||2451
0投稿日: 2019.06.26
powered by ブクログ特攻隊として出撃し死なずに生還すること9回。死んで来いとの命令に背いてなぜ9回の出撃命令を受けて生きて帰れたのか、若干21歳の青年がなぜ上官に背いてそのようなことができたのか、実在する(最近まで生きていた)人物へのインタビューも交えたドキュメンタリーでした。 特攻隊の話ってわりとテレビやドラマでも美談でお涙誘う系に落ちるんだけど、本当にリアルなところが書かれてるように思う。主人公(?)も、完全に反戦主義で上巻と戦ったとかそういうヒーロー的なことでもなく、戦争は是認しつつもどうせ死ぬなら意味のある死に方がいい、特攻は効率が悪いからあくまで爆撃で敵艦を沈めるべきだ、という理論。これはリアルなところに感じましたね。 特攻って4,000人近い若者が死んでるんだね。不時着したり生還したりの人も相当数いると考えるといったい軍は何人の若者を殺そうとしていたのだろうとゾッとします。しかも4分の一くらいは大学を出た若者たちだそうで、本当に日本の将来をしょってたつ若者をモノのように殺している。まじ恐ろしい歴史。 あと怖いのは「敵を倒す」目的にも勝る目的があったこと。それは戦争を続ける理由をつくるためまた国民に戦意を持たせ続けるため、だから優秀なパイロットから突撃させ戦果をあげさせ、あげく戦果は誇張され大々的に日本中に報じられる。国民は若者が死をとして自分たちを守ってくれていると勇み立ち敵国への憎悪を募らせていく、、、。ちょっと怖いなと思ったのは国民側にも。特攻で若者が死に敵艦を沈めた、こういった記事は好まれ新聞の部数が跳ね上がったという。逆に特攻は続けるべきではないのではという方針の新聞社は部数が減り廃刊に追い込まれたとか。新聞社も大衆が好むセンセーショナルな英雄物語に仕上げ、これが国全体で特攻を是とし続ける大きな流れになったと。人ってこわいねという。 なので隊員たちは「特攻は敵艦を沈めるためではなく死ににいくことに意味がある」と言われたという。こわ。 日本人は集団で自我を持つ、集団我の文化だと何かの本を引用して書いている。まあそうだよね。 あと、現代でも程度は全く違うが(死ぬとかではないから)、同じようなことがあると書かれていて、それがまず1つは高校野球。 年々猛暑が厳しくなる中、真夏の真っ昼間の炎天下でスポーツをさせる愚行。これを「高校野球ってそういうもんだよね」と疑問を持たずに続けるバカさ。うん、たしかにそうだね。秋にやるかナイターすればいいのに。これ、高校球児もそういうもんだと思ってるから、誰も異論出さないのかもね表に。これって特攻隊も同じだね、とかね。 あともう一つは、2016年の自衛隊の南スーダンへの駆けつけ警護について報道ステーションで報道されてた内容によると、参加について隊員に「1,熱望する 2,命令とあれば行く 3,行かない」とアンケートがとられたのだとか。で、インタビューに匿名で応じてた自衛隊員は「3」に丸をして提出、しかしその後個人的に上司に呼ばれ「なんで行けないんだ?」と延々と問い詰められたのだとか。で、最終的に「2」に訂正、、。 まったくもって「特攻隊」と同じなんですよねこれ。 背中に寒いものを感じるエピソードでした。。。 もう2度と戦争は起きないと思いたいけど、その時にまた日本人がどうできるか、自分がどうできるか、ちょっと考えちゃいます。。。 特攻隊もだし戦死者たちのことは本当に悲しいし、特に10代20代で死んだ若者たちには本当に言葉が出ないくらい無念を感じますね。。 生まれるのがあと10年でも20年でも遅かったら、戦後の高度成長期の楽しい日本に生きることができたのに、、とないことを思わずにいられませんでした。
0投稿日: 2019.06.23
powered by ブクログお悩み相談の記事で鴻上さんに興味を持ち、戦争についての書籍を執筆されていることを知りました。 戦争というテーマは過激になりやすいので、フラットな感覚をお持ちの方の著書を探していたこともあり、拝読いたしました。 9回の出撃命令から生還した元特攻兵の佐々木友次さんの証言を通して、特攻がなぜ生まれたのかを著者の考えとともに、現代まで続く日本の問題として提起しています。 日本の組織は「世間」であり、欧米の「社会」とはそもそもの成り立ちが違うという論は、日本の社会問題の核心に触れる考え方だと思います。 武士の時代であれば、相手も同じ価値観ですから、問題はなかったのだと思います。欧米の組織の枠組みを日本の組織に無理矢理押し込めてしまったがための、軍部の暴走だったのではないでしょうか。 「特攻」についての議論がなぜ複雑になってしまうのかについても言及されています。複数の観点から読み解いており、非常に丁寧な内容になっています。 なぜ日本人は過労死をし、ブラック企業が生まれ、パワハラと叫ばれ、犯罪者をメディアがこれほどまで叩くのか、日本の問題を考える上で大いに参考になります。 そして佐々木友次さんの体験を知ることで、今の社会で生きる勇気をもらえるような気がします。佐々木さんたちの意志を継いで、戦争のない平和な社会を作らなければなりません。
1投稿日: 2019.06.13
powered by ブクログ爆弾を登載した飛行機でそのまま敵艦に体当たりする帰り道無しのはずの特攻隊に,9回出撃して9回生きて帰ってきたパイロットがいた。本書のおよそ半分を占める第2章「戦争のリアル」は,このパイロットが経験した特攻という史実の記載(『陸軍特別攻撃隊』(絶版)に準拠),第3章は存命であったこのパイロットを鴻上が訪れて行ったインタビュー,第4章「特攻の実像」は特攻の意義についての考察。特攻はうわべは志願というかたちをとった命令だった。特攻を存在させた体質は現在の日本にも通じるという結び。
0投稿日: 2019.06.10
powered by ブクログ2018年の年間ベスト1。この本は全ての中学や高校の図書館に所蔵すべき。特に「戦争しなきゃどうしようもなくないですか」発言の議員は10回くらい読むと良い。 大義名分や正義の為にのみ戦争は起こるのではない。「なんか旨味がありそうだから」と始められる戦争もあり、それでいて一度始めてしまえば「引っ込みがつかないから」「止めるとメンツが立たないから」「本拠地攻撃を少しでも遅らせるため」と終わらせる事が困難になってしまうのが戦争。つまりメンツの為に、若い無辜の命を使い捨てられてしまうのが戦争なんですよ、わかってます?と、この本を読んだら件の議員に言いたくなった。
0投稿日: 2019.06.03
powered by ブクログ劇団第三舞台、演出家、劇作家鴻上尚史氏が書いた特攻機操縦者についての本。若者向け(?)小説「青空に飛ぶ」とセットで書かなければならなかった一冊。読む方はどちらか一方でも良し、両方読んでも良し。 軍用機による軍艦に対する体当たり攻撃という全く無意味な命令を出した上層部。 無意味な命令に抵抗する部隊長と軍隊という組織の中で無意味と分かっても従うしかない部下。そしてその家族。 現実を知らない上層部が無意味な指示を出し、効果判定をせず、責任を取らないという構図は現代まで脈々と受け継がれている。 鴻上尚史氏は、命令した側と命令され側を区別して考えることや、社会と世間の違いについて言及しており興味深い。 日本を、戦争を、軍隊を、特攻をいろいろな角度から考える上で読んでみて損はない本だと思われる。
0投稿日: 2019.05.25
powered by ブクログひとり、エンジン音の中、空の青さと向き合う張りつめた緊張と孤独、飛ぶことへの心からの喜び、まっすぐな責任感。 組織論の考察と史実を知る目的で読み始めたが、青春小説として感動的でもあった。 知識はどこかに置きっ放しになる。私の特攻隊は埃をかぶったままだった。知っている自覚は当てにならない。私は知らないんだ何も。学ぶことができて良かった。
1投稿日: 2019.05.07
powered by ブクログ第4章で、本書の価値が集約される。 特に、リーダーとしての器、思考の放棄と集団我、所与性についての論述は、これまでの無意識を目覚めさせる指摘であった。 鴻上氏が伝えたいことを受け取り、これからの世代に受け継いでいくことが大切と感じる一方で、本書で指摘されているように、リーダーが現状を維持することに注力する思考の愚かな点も十分に認識しておかねばなるまい。
0投稿日: 2019.04.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良い本なのだけどときどき感じる違和感は読み流さないようにしたい。 特攻をヒューマニズムで語ってはだめだということ。雰囲気で安易に意思決定しないこと。自分の「価値観」は絶対?ではきっとない。 何がなんでも、よいように生きること。 「平和よ永遠なれ」
0投稿日: 2019.04.27
powered by ブクログ何故か戦争を題材にした書籍は、数年おきに読んでいる。時々発作的に手に取り、読んで憤慨し、今の自分や社会に置き換え、変わらないなとちょっと絶望し、またボーッとした日常に戻るというサイクル。 9回も出撃し生還と謳われた佐々木さんの当時の心境や状況に、純粋に興味があった。取材当時まだご存命だったことは鴻上さん同様驚きだったし、貴重なことだと思った一方で、やっぱり、戦後の私たちにとっては、過ぎた過去の歴史的なものなのだと意識させられた。 プライドだけが高い無能な上司によって散った命たち。現代だって変わらない。 人間って、なんだろうな。
1投稿日: 2019.04.26
powered by ブクログ特攻隊の概念を根底から覆された本だった。戦争から月日が流れて言えなかったことも言えるようになって見えてきた現実。特攻自体がとてもやるせない作戦であったにも関わらず政府や新聞、軍の中での思惑に憤りを感じた。 命令される側の生の声、を丁寧に拾って作品にしてくれた鴻上さんはすごい。演劇という舞台で生の声を日々拾っているお仕事に携わっているだけに。 こういった戦争ものはホント読んでいて辛くなる。絶対に繰り返すべきではない。
0投稿日: 2019.04.17
powered by ブクログ命令した側と命令された側を混同して責任を追及することは間違っていて、リーダーと部下の構造においては責任は指示をしたリーダーにある。リーダーは精神論ではなく、現状を分析して戦略を立てることが必要。リーダーとしてのあり方を学んだ。一方、佐々木友次さんや岩本隊長、美濃部正少佐のように、上の命令に対して自分の信念を貫く意志の強さはどうやったら持てるんだろうと考えたり。組織の中での振る舞いについて、考えさせられる本でした。
0投稿日: 2019.04.13
powered by ブクログ特攻兵を作り出した日本がいかにいびつであったか、がよくわかる。読んでいて馬鹿らしくなるような信じ難い話が多い。命じられた特攻兵のどうしようもない不条理を強く感じた。▼一方、第3章の佐々木友次さんへのインタビュー記事は、佐々木さんが淡々と自分の特攻兵としての運命を受け入れたこと、下級兵士は上級兵士の理不尽に対して憤りなど思いもつかないことを話す。9回も生還できた理由は「寿命」という言葉で応えている。あくまで自分の意志ではなく、生かされる運命だったということか。佐々木さんの話のイメージは、筆者の日本軍隊への憤りとは異次元ののように感じた。
0投稿日: 2019.04.07
powered by ブクログ前半は、陸軍パイロットであり、組織の嫌がらせからも、生き残った佐々木友次伍長のノンフィクション。 後半は、特攻を命令した側と、命令を受けた側の特攻隊員を明確に分けて、分析し、論理的に特攻を美化する風潮に反対を唱える。
0投稿日: 2019.03.21
powered by ブクログあの時代こんな人がいたのだな。私だったらまかれているな。現代でも巻かれているもの。。。 いろいろな立場から戦争を考えることができ勉強になった。これは現代、会社でもあてはめて考えることができるなあ。ざっくり読んでしまった。また時間を見てじっくり読みたい。小説も!
0投稿日: 2019.02.08
powered by ブクログ美化されがちな特攻… その実態を生の声で描いた作品。 命令するとされる、どちらの視点で見るか?今まで命令される側の作品は読んだことがなく新たな認識を持った。 不条理の一言…学ぶ点は多い
0投稿日: 2019.01.28
powered by ブクログつい最近まで特攻隊の方が生きていたことに驚きました。 軍事にはリアリズムしかなく、精神論に頼りだしたらそれだけで負けるということが良く分かりました。
0投稿日: 2019.01.27
powered by ブクログ俺にとって、鴻上尚史といえば、学生時代に聞いた金曜オールナイトの下品なおっさん。TV番組の企画として知った、特攻隊から生きて帰ってきた男の存在を「青空に飛ぶ」という小説と本作のノンフィクションにまとめたもの。 勝つため、国を守るための戦争だったのに、メンツを守るためだけの攻撃に成り下がっていった日本軍。勝てなかったのは必然です。 「軍神」とありますが、飛行機乗りとしてのプライドだけですよね、きっと本人は。
0投稿日: 2019.01.20
powered by ブクログ太平洋戦争における軍部の愚かさを示す特攻隊について、我々は基本的に出撃した兵士が生の世界に帰還することはなかった、と認識している。しかし、本書は9回出撃しながらも、命令に背き生還を果たした一人の特攻兵がいたことを語るノンフィクションである。 件の特攻兵である札幌の北に位置する当別で生まれた佐々木友次氏は、陸軍の特攻兵として特攻を命じられるも、上官の命令に背き9回の生還を果たす。その理由は極めて当たり前のものであった。それは「特攻という一か八かの攻撃に出るよりも、自らの爆撃の腕を生かして攻撃を仕掛け、貴重な飛行機をムダにせずに生還した方が、戦果は大きい」という至極真っ当なものであった。にも関わらずそうした”理”が歪められ、特攻兵は美しく戦場で散るべきという”情”に支配された軍部のいびつさを、本書は淡々と描く。 太平洋戦争が終結して73年が過ぎたが、まだまだ我々が知るべき歴史的事実がある、という真っ当な点を改めて思い知らされた。
0投稿日: 2019.01.14
powered by ブクログ自我は集団我を含んで拡大強化される。そうして集団の持つ決定力を、自己の決定力と思い込み、集団の実行力を自分の実行力と見なすようになり、自我は集団我によって強化されることで、個人の決定不安を一応解消することができる
0投稿日: 2019.01.03
powered by ブクログ佐々木友次伍長の過酷な経験が綴られた箇所に引き込まれたのだが、それ以上に「“特攻”というのは何故発生した?何だった?」という論考や、「日本の人達の性格、性質?」のようなことや、「リーダー?指導者?」というようなテーマに踏み込んでいる部分が酷く考えさせられた。偶々“平成”をテーマに、人々の性格や性質に関するようなことを論じている別な本を読んだところでもあったが…「特攻が組織的に敢行された時代」の思考様式のようなモノが、実は現在も「健在?!」というようにさえ見受けられ、驚愕する。 「色々な意味」で考えさせられる、新書のヴォリュームを大きく超える読み応えの一冊。広く薦めたい!!
0投稿日: 2018.12.23
powered by ブクログ特攻兵だったが帰還した兵士がいた。その人の証言から見えてくる、当時の現場の気概。そして参謀本部の気狂いぐあい 組織の頭が悪いと組織は崩壊するというけれど、どうして大日本帝国軍は崩壊できなかったのか。それをさせてしまった優秀な現場の軍人の存在がよく見えてくる。 現代の日本のブラック企業もそうだ。経営者がおかしいのだから崩壊すべき組織、がなぜか存続してしまう。それはブラック企業の経営者も悪いけれど、会社を存続させてしまう社員も悪い。悪い会社は人手不足で潰れなくてはいけないのである。 読んでて気になったポイント。 ● 特攻隊は敵艦の撃沈力が高いという幻想。これは自分も飛行機で突っ込むのは攻撃力高いと思っていた。そしたら、装甲板を貫通しないと戦艦は沈められないとあった。確かに、肉を切らせて骨を断つの真逆を行く作戦だ。しかも爆弾投下も800kgの爆弾を高度3000mの上空から落とさないと米軍戦艦の装甲板は貫けないというのだから、相当だな。 ● 特攻作戦の初期メンバーは優秀なパイロットが選出された。特攻作戦の失敗はその作戦立案の間違いのエビデンスになるからである。作戦参謀は自分たちの立てた無謀な作戦の責任を取りたくないから優秀な軍人を犠牲にした。やばいやばい。組織のやばいやつの見本である。どうしてそれを否定せず受理してしまうのか。これは言い方悪いけど、上司の命令をきいたパイロットも悪いと言える。決して可哀そうだからといって同情でその責任を見過ごしてはいけない。 ● 特攻隊の帰還兵だった佐々木友次さんは、終戦間際には殺害命令が出されていた。大本営発表で見事に特攻による戦果を挙げて散っていったという新聞発表がされたのに、何度も生還した兵士が生きているということは不都合だったからである。特攻の成果報告が嘘だったということもだし、特攻しなくても戦艦は撃沈できるし、そのほうが良いんじゃないかという現実が国民に知られるからである。作戦立案者の建前を守るために、死んでもらわなきゃいけなかったのである。 ● 特攻兵は志願制だったという嘘。「熱望する/希望する/希望せず」という三択で、その場の空気で否定できないようにしたという。日本人らしく真ん中に印をつけると、結局希望することになる。これは心理学を悪用した悪いやつである。 ● 作戦効果の逓減。軍事作戦は必ず効果が薄れていく。なぜなら相手が対策を立ててくるからである。シンプル。 日本軍の特攻攻撃に対しても米軍はすぐ対策した。レーダー艦の配備、護衛戦闘機の配備、船上の機銃掃射の増配。この結果、特攻作戦の成功率は激減した。敵戦艦に接近する前に撃墜されるようになってしまったのである。しかも、特攻兵に選ばれるのは未熟なパイロットで、しかも訓練機や旧式戦闘機や鈍足の爆撃機で特攻させられたもんだから、戦果はみるみる落ちた。 それでも続けた日本軍ヤバイ ● 国民の熱狂が特攻を継続させた。新聞社が届ける日本軍の軍勇に国民は熱狂して楽しんだ。新聞社は派手な内容の方が売れるから、特攻隊のことを劇的に記事にした。戦争を金目にしていたのはマスメディアだからひどい。 ● パイロットの気概。優秀な戦闘機乗りほど特攻を嫌った。プライドに抵触した。自分たちの戦闘技術を信頼しないから特攻させる。爆弾投下の技術を信頼されてないから、特攻しろと言われる。死ぬほどの訓練を積んだ優秀なパイロットほど、その気持ちは強いだろう。 ● 「所与性」という思考回路が日本人には強い。世の中は与えられたものだから、自分たちが手を加えるべきではない。自然を大事にする感情が拡大解釈を生んでしまった。だから現状維持が目的化する現象が日本ではよくあるという。 甲子園をやめられないのもそうだし、相撲の古いしきたりもそうだし、お客様は神様という思考もそうだ。 この所与性は適用範囲をきちんと定めて、人々の総意にしないと、いつまでも日本人は「現代版特攻兵」を礼賛し続けるだろう…。 一番怖いのは、熱狂した傍観者である。いじめと同じ。空気が人を殺すのである。
1投稿日: 2018.12.18
powered by ブクログ特攻を命令した側の語る物語と命令された側の実態の乖離 命令した側の責任逃れと命令された側の命の尊さの混同 命令した側への批判を命令された側への批判と混同して怒る当事者以外の存在 集団的自我の形成されやすい豊かな自然と度重なる自然災害 夏の高校野球を命令する側と命令される側 自衛隊南スーダン駆け付け警護参加に対しての三択
0投稿日: 2018.12.12
