様々な妖怪との出会いを通じて、主人公の恵留くんも自身と向き合って成長していく物語。 誰かを愛するというのは、相手のことを理解したいと思う気持ちから始まるのだなと感じた。 これは恋愛に限らず、他者理解の全てのスタートラインとも言えるかもしれない。 そのとき、他者を通じて、自分が何を求めているのか、何を嫌だと拒否しているのか、ということを改めて深く知ることで、相手に対して優しくなれるのだと思う。 縁で結ばれた相手だけでなく、自らもまた、そこに幸福感を見出せたとき、さらに縁は別の場所に繋がっていくのだと感じた。

お仕事小説…でもないんだけど、妖怪専門の結婚相談所のお話。 主人公はお寺の三男で、将来は僧侶になりたいんだけど父親に反対されて悶々としている大学生。ある日、父親がギックリ腰になり、その妖怪専門結婚相談所を期間限定で任されるってお話。 もちろん最後は大団円なんだけど、出てくる妖怪がちょっと可愛い☆特にアシスタントというか父の弟子である、白澤の子供のシロが可愛い！ 妖怪の化け猫のたまさんも可愛い！ それだけでもう読んで良かった作品☆

「縁結び事始め 慌てふためき手探り縁組み」 手元の書類だけでなく話をし相手を知る。 妖怪の知識無しにこの仕事をするのは厳しいだろうし、相手の言う言葉の意味や住む場所なども一から調べなきゃならないから大変だろうな。 彼女のサポートがあったからこそ繋がった縁ではあるが、彼がしっかりと二人と向き合ったからこそ結ばれた縁でもあるのだろうな。 「縁結びまた候 臆病者の隠し事」 核心を突く一言に逃げ出した相手。 人間と妖怪は違うといえど、ここまで大切な事を簡単に決めようとしたら仲介という立場に立つ者ならば誰しもが一言言いたくなっていたのではないだろうか。 互いに素を見せる事が出来ず隠し続ける日々だとしたら、いつかどこかで破綻していた可能性もあるだろうからな。 「縁結び一段落 縛り付けるのは愛ゆえに？」 自分では抑えられない気持ちと特性。 彼女の不安は分からなくもないが、あそこまでしつこくやられたら誰でも逃げ出したくなるだろうし戻りたいとも思わないだろうな。 種族の違いという大きな壁はあるが、互いに特性を理解し合い今後を考えれるようになったのは彼が一人一人に向き合い話をしたからだろうな。