
総合評価
(10件)| 0 | ||
| 8 | ||
| 1 | ||
| 1 | ||
| 0 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
■どんな過去でも自分を生きろ テセウスの船の矛盾とは、当初の部品が全て無くなった船は最初の船と外見は同じだが部品は同じではない。この船は最初の船と同じと言えるのか、というもの。そして、これが人間だったらどうだろうという問いかけがこの本の主題だ。 主人公の田村心は、殺人犯(収監されている)の父親を持つ息子として肩身の狭い思いしながら生活をしており、やりたかった教員に就くのも諦めていた。又、妻の由紀は子どもを出産して死んでしまう。そんな時、心は殺人事件が起こった音臼町を訪れ過去へタイムスリップしてしまう。 心は過去で自分が生まれる前の家族や音臼町の人々と苦闘しながら、真犯人を突き止め未来を変えることになる。 未来の心は教員となり、同じく教員となっている由紀を家族(父母兄姉全員が生存)に紹介する姿は幸せそうだ。 自分の境遇から無力感に囚われ、生き方を狭めていた主人公が過去をやり直せるという偶然を活かし、向き合ったことで人生を取り戻した。 当然父親は冤罪であり、別に真犯人がいたから心にとっては理不尽でしかない。しかし、心は数えきれない部品(今ここ)を選択することで未来の自分自身を作り直すことに成功した。最終巻の主人公は外見は1巻と同じ人物だが、当初の主人公ではない。 テセウスの船は、当初の部品が全て入れ替わった時にこの船は最初の船と同じかという問いが生じたがこの本を読んだ後では、私は最初の船と同じだと思っている。英雄の船を後世に残すことが目的だった民衆にとって、同じかどうかはその船にまつわるテセウスの英雄性を思い出せるかどうかが重要だったはずで、その物語性は同じだ。 では人間は当初から部品(中身)が入れ替わったからといって矛盾と言うだろうか。いや言わないだろう。 一方で過去と向き合わなかったことで、自分も周りも不幸にしてしまったのがみきおだ。自分が手に入れた鈴が当初の鈴と違う(それも自分が原因)と、更に間違った方法で自分も周りをも不幸に巻き込んでいく。 心の父親の言葉「どんな過去があろうとも過去に逃げず今を生きろ」。これは、過去と向き合い今を積み重ねることで別人のようになることもある。でも、人はそう生きるべきだというのがこの本の主張だと思っている。
0投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ【あらすじ】 お泊り会当日。21人が毒殺される未来を変えるために、警戒を強める心と文吾は、持ち物検査を実施。さらに、飲食も禁止にする。そして行方不明の和子と鈴を探して音臼岳の小屋に行った心は、殺人鬼と対峙。一連の事件の異様な動機を知ることに。時を超え揺れ動いてきた佐野家の未来が、ついに決まる――衝撃のタイムスリップ・サスペンス、ここに完結。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 登場人物はそれほど多くないのに最後まで誰が犯人なのかわからず、すごくハラハラさせられました。また、タイトルである『テセウスの船』という言葉の意味から、この物語の終着点が果たしてハッピーエンドだったのだろうか、と考えさせられた。家族の幸せを取り戻すために搬送した心はこの世におらず、別の人生を歩んだ心がいる幸せな佐野家…それは本物だけど偽物の「佐野家」なのでは?と感じました。
7投稿日: 2023.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全10巻読み終えました。 タイムリープ系サスペンスの秀作だと思います。 その中心には家族愛があり、過去に戻った心と父文吾との関係も、お互いの不信から友情へ、そして、親子愛へと昇華しており、悲しいながらも、清々しい最後だったと思います。 タイトルのテセウスの船は、部品が全て新しくなっても、最初の船と同じと言えるかの投げかけですが、私は同じだと思います。 大切なのは部品ではなく、作り手の想いやコンセプトにあると考えるためです。 過去に戻った心の体は亡くなりましたが、 心が残した大切な人を守るという強い想いは 文吾や家族に引き継がれており、 それがまた、未来の心や岸田由紀、 そしてこれから生まれてくる未来にも 繋がっていきます。 それこそが、佐野家の理想の家族像であり、 人が変わっても、 変わらずに続いていくものだと思います。
0投稿日: 2022.06.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心は学校できつねのお面を2つみつける.例年1月7日に開催しているイベントで使うものが,その年は天皇崩御により開催できなかったため,このお泊り会で使うとのこと. さつき先生がいなくなったことが判明.心が佐野に連絡を取る.学校入り口で手荷物検査をすることに.ようやく検査をするぞというタイミングでスピーカーからみきお(過去)の声.手荷物検査を拒否するみきお. みきおは児童に札幌土産と称した何かを渡す.水に溶かすとジュースになると説明しているが,どう考えても『ぺろり,これは青酸カリ』. 食事のタイミングで佐野と心が飲食を止める.みきおが毒なんてないとパフォーマンスをして佐野と心を追い詰める. そこで佐々木紀子が慎吾(心の兄)をおんぶして登場.母親と鈴が知らない男に連れて行かれたと逃げてきた慎吾と遭遇した佐々木紀子.これでお泊り会は中止.みきおをどこかの教室に監禁.佐野か心かどちらか分からないけどみきおが描いた絵を持ってくる.18時30分に母親と鈴を殺すような内容.佐野は学校に残り警察と一緒にいることを,心は風車小屋に行くことになる. 山小屋に目を奪われているところを襲われ心は手錠で山小屋に繋がれる.しおり先生も山小屋の中.みきおは山小屋に火を点ける. ここからみきおが心に話をする. みきおは転校初日に鈴に声をかけられ鈴を好きになる.鈴は佐野に憧れていることを知り,みきおはネジ曲がった感情から佐野を殺人犯に仕立て上げることを計画する. みきおは事件後も鈴の動向を探っており,整形したこと,名前を変えたことも知っていた.ただ,みきおが好きになった鈴とは別人のようで,そこが不満らしい. 過去にタイムスリップしたみきおはみきお(過去)と話し,みきお(未来)を殺す?ことでみきお(過去)を正義の人に仕立て上げ鈴をモノにする算段.とことんくず. 鈴と母親は学校の旧体育館に換金されており,みきお(過去)が鈴を助けたようにみせかけヒーローのふり.救急車も到着した所で佐野は山小屋に向かおうとする.そこでみきお(未来)が佐野を刺殺しようとするも,心が割って入る.佐野がみきお(過去)を撃つ.心死亡. そして歴史が変わった現代.全員で心の墓参りをした後,タイムカプセルを掘り起こす.この時点で心に相当する人がいないけど,佐野一家は明るい.鈴は妊娠.心がタイムカプセルに入れたのは,心の家系図. みきお(過去)は少年Aとして消息を絶っているが,怪しいやつとして週刊誌で報道されている.結局佐野家に生まれた子供に心から名前をもらって心と名付けたみたい. 心(過去)は先生になったみたいで,そこで由紀と出会い結婚するっぽい.紆余曲折を経て収まるところに収まった.これがテセウスの船という意味.
0投稿日: 2021.08.03
powered by ブクログなかなか面白かった 終わり方も胸糞悪くなくて良い 続きもあるなら気になるが多分クソだから ここで終わるのがよし
0投稿日: 2021.04.07
powered by ブクログ衝撃のタイムスリップ・サスペンス、第10巻。 いよいよクライマックスへ。 一連の事件の犯人は、あの人物で、その動機は何と...そんなことで... テレビドラマとは、エンディングが違うようですが、こちらのエンディングの方が良いかしら。
3投稿日: 2020.11.29
powered by ブクログドラマでハマって、マンガを一気読み。 原作とドラマ、違ったラストで2度楽しめた。 心さんは、どちらもちょっとドジで交換が持てる。
0投稿日: 2020.04.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドラマで話題になってたので休みで一気に読んでみた。 結末は結構予想できる展開だったのと、犯行理由がすごく単純。 もうちょっとタイムリープ上手く使って欲しかったかもなぁ。
0投稿日: 2020.03.11
powered by ブクログドラマ化を機に無料の一巻から読み始め、一気に読了。そのテンションに任せこれを書いてる。 テイストは「僕だけがいない街」に近い。北海道の寒村が舞台であり、住民が「したっけ」など方言を話すのもその印象を助長してる。ただこちらの方がよりリアル寄り。「僕だけがいない街」は割と頻繁に過去と行き来してたが、本作は二回のみ。それも最後は主人公が刺されてギリギリで……というきわどさ。 佐野が警察官として人として、非常に好感がもてる人物なのがよかった。「悲しいことを見て見ぬふりしないこと」が正義。深い言葉だ……。 全体通した印象としては心が序盤で比較的あっさり協力者を得てしまうので、そこまで差し迫ってはない。犯人は中盤過ぎの再登場までわからなかった。犯罪加害者家族への迫害や差別、苦悩などが割と詳細に描かれている為、読んでいて辛くなる。鈴、めっちゃいい人なのに…… みきおは転校当初から病んでたっぽいが、死んだ母親に虐待されていたのだろうか。雑誌の取材でも特に言及されてないが、あの年齢であそこまで歪んでしまった背景が気になる。 結末が賛否両論分かれてるが、自分はアリだと思った。というかタイムパラドックスものではよくある結末。心が死んだ時はああそんな……となったが、胎児の心は存命だったので、時間軸Cパートで生きているのは合理的に納得。 もちろん元の心を生きて帰してあげたかった、未来と再会させてあげたかった思いはあるが…… そもそも未来の為に過去へ戻ったのに、途中から未来のいない現代を受け入れ始め矛盾が生じる。家族への思い入れはわかるけど、残された娘の事はどうでもいいの……?そりゃ過ごした時間の長さじゃ前者に軍配上がるけど。 卵子と精子のパターンは数億数兆あって、タイミングによって全然違う子供になるので、時間軸Cの心と由紀が結婚しても未来が生まれてくるかは未知数。でもそれはご都合主義な展開に頼って、同じ未来だと信じたい。じゃないとあんまり報われない。 かなうことなら心と由紀の2ショットだけじゃなく、産まれてきた未来も見たかった。元の時間軸と同じ未来の微笑みで〆たら、後味はもっとよくなってたはず。後味うんぬんするなら時間軸Bの由紀の息子もいなかったことにされた訳で、この手の不条理を挙げはじめるときりがない。 個人的には変に引き延ばしせず10巻ですっきりまとまったのも好感触。みきおは実質野放しだが、最後のカットを見ると決して幸せにはなってないし、欲しかった物は永遠に絶たれたので、もう心たち一家に危害は加えないはず。 心とさつき先生がいい感じになり、由紀との間で揺れるんじゃないかと思ったのだが、そっちの展開に流れなかったのはちょっと意外。あえてお約束を外してきたのか。 鈴の同級生が変質者に狙われたり、「僕だけがいない街」と細部が似通ってるのはご愛敬。犯人の実験にしてもデジャビュがする。 事件前の佐野一家が非常に気立てよく愛すべき人たちとして描かれているので、ホームドラマパートではホッと一息つける。
0投稿日: 2020.01.13
powered by ブクログ過去を変えていくことでパラドックスが生まれていく。 犯人は逮捕され、小学生だった加藤くん、そしてタイムスリップしてきた加藤が犯人だった。 結果、タイムスリップしてきた加藤は死に、平穏が訪れたように思えた。 心も幸せなストーリーを歩み始め、家族もそれぞれが幸せに暮らしている。 ただ、加藤少年が出所していた。新たなパラドックスを残しながら、完結。 一気読みしてしまうが、僕だけがいない町と同種のサスペンスと同系と言っても良いだろう。何度も過去にトリップしながら、事実が少しずつ変わっていく感覚と、それによって今、つまり現代が変わってしまっているということ。これをどの時代から捉えるかによって変わってくるという難しさを、テセウスの話で表している。
1投稿日: 2020.01.01
