
総合評価
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- akinohappa"powered by"
今作、アクションよりもミステリ度高め。 《敵》が何なのかも気になるけど、沖津部長、本当に何者なの⁈特捜部を作った真意って? 霧の中を進むうちに晴れてきたと思ったら、腐海の森かジャングルの入口に着いた感じ。次作もどうなるのか気になる…。 今作のヒーローは、個人的に柴田技官! 柴田技官、グッジョブ!! あと、短編集で(私の中で)一気に気になる存在となった宮近理事官。 今回も一瞬ですが、宮近理事官キュン!ポイントが!毎回入れて欲しい、こういう宮近理事官の姿。あれ?今ままで気付かなかっただけで、実はあったのか?宮近理事官キュンポイント…。え!読み返す?読み返すべき? そして、仁礼警部(「草介」って名前も警部っぽく無くてよき)。新たな推しになりそう。数字に愛された天然天才。ゴツゴツしたメンバー(イメージです。個人のイメージ)が多い中、貴重なキャラクターだと思ふ。 あー、気になる次が。 もうゲット済みの次作『白骨街道』の登場人物欄には仁礼警部の名前もあったし、早く読みたい…。しかし、コレを読んだらシリーズ最新作は連載中なんだよなぁ。と言いつつ読み始めました『白骨街道』。
16投稿日: 2025.05.22 - shinpapa"powered by"
一冊でも分厚いのを五冊も読むと結構頭も身体も疲れる。しかも〈敵〉がいて暗殺者がいて詐欺師と裏切者まで出てくるねんから、そりゃ疲れるわ。奮闘する特捜部メンバーが打ち上げで一杯やってる場面はいつか読めるのだろうか。
2投稿日: 2024.12.03 - borahina"powered by"
色々な秘密の一端が明かされると共に、 テキの直接攻撃もからんでくる長編5作目。 とても重厚で濃厚な作品。 今後、特捜は日本はどうなるか 続きが気になります。
1投稿日: 2024.10.18 - 夲子"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
なんてことだ…ミドリちゃん… ライザの再生に必要だったとは言え、エンジェルが地獄に突き落とされてしまった。 ライザよ…なんとか引き上げてあげて… てゆうか守って。あえて生かしたって事は次に拉致られるかもしれないリストのトップでそ… エンダ・オフィーニーはとことんまで不幸な人であった。 財務捜査官ニレさんの奇人ぷりが面白くてスキ。 はじめは難しすぎて理解できなかったが、要するに、クイアコンは新技術の開発に関わる多国籍事業で、既存のシステム設備を使わない為に参入できれば利益が大きく、その技術はドラグーンが一般化することに使われてしまう可能性が高いってことで良いのかな…? 利益が大きいからヤクザやマフィアや政治家がからみついたってこと? こういうのリアルに溢れてるんだろうな。 敵は…どいつなんだ… ドラグーンを開発した人はだれ? あるいは国、団体は? むしろそっちのが危険だと思うのだけれど。 オキツ部長の隠された私生活は垣間見えたけど、悪魔に仕上がるまでの経緯はまだ謎。
0投稿日: 2024.04.10 - bosch"powered by"
濃厚な警察&政治ドラマ。 本来、横糸として”ドラグーン”と三人の操縦者がおり、彼らのウェットなドラマが魅力の一つとなっている。 しかし、今作はそれなしでも成り立つほど完成度が高い。 ”ドラグーンの秘密”が核にはなっているが、利権に群がる産業界、政界、そしてその政治的駆け引き、チャイナマネーの還流と政治家との癒着、司法・行政府の癒着による機能不全…まさに現代日本が抱える病巣を娯楽小説と言う形で浮き彫りにしている。 読んでいて、特捜班がある世界より、何ら歯止めの無い現実世界の方が遥かに歪んでいるところが怖くなってくる。
0投稿日: 2024.03.14 - 本読みパンダ"powered by"
第一作を読む前のイメージは、「設定がハードめのパトレイバー」でしたが、ごめんなさい、かなりハードでした…からシリーズ第五作(+短編集が一作)。 龍機兵の出番は無いのか?と思っていたら、… (つづく)
0投稿日: 2024.01.30 - toradesukantia55"powered by"
んんんんん・・・あれ、ドラグーンの戦闘シーンは? 警察小説にドラグーンをいうSFを持ってきた無理をどうするんだろう・・・ と、ずっと思いつつシリーズを読み続けてきた。 今回の一大疑獄『クイアコン』。 ちょっと長かったけど、ま、いいか。 最終版、夏川さん由起谷を見てユーリが相棒を思い出すシーンは、ジーンときた。 結局、このシリーズの根底はここなんじゃないか。 緑とライザも想像がつくけど、じゃ、姿は? 姿=機甲兵装は、どういうオチになっていくのか。 やっぱ、白骨街道に行くしかないなあ。
0投稿日: 2023.12.25 - はると"powered by"
機龍警察シリーズ第5作。 今作は機甲兵装が登場せず、人間同士の戦闘が多く描かれた作品だった。 特に今作では敵の存在に迫っていくために、特捜部を嫌っている人たちとの協力関係を結び、事件の解決に向かっていくという物語。 敵に雇われたライザの元同志であるIRFの狼眼殺手と呼ばれるエンダが殺し屋として暗躍しており、ライザとの因縁や裏切りなども描かれており、最後まで楽しむことができた。 いよいよシリーズとしても敵に迫ってきて佳境を迎えつつあるのかなとも感じ、次作が楽しみになる作品だった。
0投稿日: 2023.09.23 - Ghost Rider"powered by"
機龍警察シリーズで1,2を争う秀作。 機甲兵装を用いた戦闘シーンは本作はほとんどない。(全くないといってもいい) ヴァチカンの護符をキーとした連続殺人と「敵」のかかわり。 沖津部長の身辺、ラードナーやIRFの殺し屋などサスペンス的な要素が満載で、ページを捲る手が止まらない。
0投稿日: 2023.08.25 - オールドファッションボーイ"powered by"
沖野部長かっこいよすぎ。警察、政治家の利権、I R A、中国の謀略、そして特捜部の活躍、機竜警察の中でもかなり上位に入るのでは。
0投稿日: 2023.07.23 - はるなお"powered by"
魑魅魍魎の跋扈する世界 それが現代の日本ということを実感させられる圧倒的な描写と、様々な登場人物の思惑が交差する思考が追いつかない程のスピーディーな展開。傑作です!
0投稿日: 2023.05.13 - katsuya"powered by"
今回は、経産省が進める国家プロジェクト、その推進役となる外資系インフラ会社と、その利権に群がる政治家、官僚、反社、中国などの暗躍、警察、検察、国税の戦い。内部の階層構造やそこで働く人々の思惑、機関同士の関係性などがとてもよく構築されていて、リアリティ十分。二転三転、伏線回収もアッパレな感じ。警察ミステリー的な小説が好きな人にはぜひオススメしたい。超人的な暗殺者の存在はともかく、期待を裏切らない面白さ。
2投稿日: 2023.03.05 - taka"powered by"
今回は、日本で推められているプロジェクト を巡って、関係者が殺害されていく。 警察組織にも、〈敵〉がいるのか。 殺害を請け負う暗殺者は何者なのか。 5作目にもなると、機龍警察の核心に触れる 部分がだいぶ描かれてきていて、次回作が、 楽しみ^_^ 今回、読んでいて、実写化しても面白いかな と感じた
3投稿日: 2023.02.16 - おもちたろう"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
龍機兵がほぼ出てこないのに、連続予告殺人の謎に、特捜部×中国人組織×「敵」の三つ巴ドンパチバトルと、シリーズ最多部署間のセクショナリズム闘争で一気に読ませる傑作長編。 今作一番のポイントはライザの虚無系女子卒業。鈴石とのいざこざも一定落ち着いて、死亡フラグか…と思いきや一命取り留めるので、まだまだ活躍が見たい! 一方で、絶対怒らせたらヤバいやつから激おこをくらってしまった由起谷は今後、どうなってしまうのか…そう易々と退場することはなさそうだけど、不穏。 初期はただの裏切り者だと思っていた宮近が、短編「勤行」でコメディ・リリーフにまわった後、どんどん等身大の愛されキャラになっていくのが不思議。 頼りになりそうなシン・強キャラも複数出てきて、ますますの盛り上がり。頼むから早く「敵」の実態を教えてほしい、けど、シリーズはもっと続いてほしい!
1投稿日: 2022.12.13 - おおきに!(smoneyb)"powered by"
久しぶりに読んだ機龍警察は、ハードボイルドで、複雑で、政治的で、暴力的で、目が離せなかった。 それは、モビルスーツのような、機龍を角にした警視庁特捜部。 だが、本作には機龍はほとんど登場しない。 機龍パイロットの警部、特捜部部長はじめとする警視庁とチャイナマフィア、テロリスト、政治家が複雑に絡み合う現場。 しかも、目を離せない展開。 面白かった。 やはり機龍警察は現在。
1投稿日: 2022.11.07 - マツ"powered by"
非常に面白かった!警察小説ファンは必読です。 読後の幸福感と同時に、残る龍機兵シリーズは白骨街道だけという寂寥感も感じています(202208) なので白骨街道は読みたいけど手をつけられません。 今回は冒頭から特捜批判急先鋒の捜ニ鳥居が「本事案は特捜と合同で」。龍機兵ファンには仰天発言から始まります。 事件もその通りにクイアコンを巡る汚職、脱税、殺人、マネロンに加えてフォングループ、IRF、ライザの過去、鈴石の過去が絡み、更に朧げながら見えてきた『敵』。この複雑で深い闇の事件に対峙するのは『悪魔』沖津。捜査が行き詰まる時に「考えがある」の言葉に希望を託し動き出す捜査員達。 龍機兵の登場はありませんが、特捜、捜ニ、国税等々の各メンバーの活躍を存分に堪能できます。 彼らの活躍をもっと見たい!もっと読みたい!沖津の言葉をもっと聞きたい。 こういう気待ちにさせてくれる本です。 また、短編集『火宅』を事前に読む事をお勧めします
1投稿日: 2022.09.01 - ひまわりめろん"powered by"
お盆休みどうでしたか? 行動制限なしといってもやはりここまでコロナ感染者数が増加の一途を辿っている中で家でおとなしくしているといった方も多かったのではないでしょうか フォローさせて頂いている方たちも家でおとなしく読書という方が多かったようで レビューがあがるあがる 読むのたいへんでしたw 私は実家がわりと近くにあるので戻っていたんですが客もなく、出かけもせず、ひまでひまでもう朝から飲んだくれておりました 『帰省退屈 朝晩飲酒』なんちて さて『機龍警察 狼眼殺手』です 今回は特定の誰かというよりは特捜部全体がメイン回という感じ 強いて挙げれば沖津部長回かな それにしてもとんでもないもの見せつけてきやがったぜ!! 経産省とフォン・コーポレーションが進める一大プロジェクト「クイアコン」に絡む疑獄がが浮上 特捜部は捜一、捜二と合同で捜査を開始する… 捜査が進むとともに組織犯罪対策部や公安部、地検や国税庁まで顔を出してきます これどういうことか分かりますか? 特捜部→近未来に開発される技術にまつわる捜査 捜一→殺人事件の捜査 捜二→経済犯の捜査 組対→暴力団の捜査 公安→スパイの捜査 地検→贈収賄の捜査 国税→脱税の捜査 簡単にざっくり言うとこういうことなんですが「クイアコン」にはこれらの事案が複雑に絡み合っているんですね ほんととんでもないです! どういうことかわかりますか? これだけの部署が合同で捜査するなんてすごい? いやいやそうじゃないんです これね… 一人で書いてるんですよ!!!! これだけの専門分野や捜査手法が違う組織を一つの物語の中で同時に走らせてるんです しかも特捜部の鈴石主任や仁礼財務捜査官、国税の魚住課長補佐などの超優秀なキャラも登場させて分かりやすくサラッと説明させたり、小さな点を繋ぎ合わせて謎の解明をさせてるんです とんでもない力量の持ち主です 月村了衛さん! またかなり世界が出来上がってる感じもします その力量を余すことなく見せつけてくれた本作 その上でいつもの重厚な人間ドラマも展開させてくれてるんだもの面白くないわけがないっしょ!
44投稿日: 2022.08.19 - 小寅"powered by"
面白すぎる。 沖津と姿が好きなんだけど、沖津には底が知れないままでいてほしいから、あまり出番が多くない方が良いし、私生活も見たくないと思ってて、今回ちょっとヒヤヒヤした。 終盤、いきなり沖津が死にそうな気配を醸して焦ったよ〜。 2024.5.30 Amazonオーディブルで聴き直した。 緒方恵美の朗読はセリフ部分がたまに演技過剰で聞き苦しい。 地の文や静かなセリフは良いんだけどねぇ(それでも鼻にかかった感じがイヤだけど)。
1投稿日: 2022.08.06 - たまこ"powered by"
事件が大きい程面白くなる。 人物描写も事象についても、文が多いのに説明臭くならずに面白い。 新たに出てきた登場人物も魅せながら、特捜部の面々も活躍する。 何より、前作までは無能の集まりのように描かれていた特捜部以外の警察も活躍して、味のある人物が出てきたのが良かった。
0投稿日: 2022.06.26 - コプ眠"powered by"
ラードナー警部がIRFで知っていた(けど交流殆どない)銀狼との戦い。前半は静かに背景が見えていく展開だが、姿、ユーリ、ラードナーが暗殺集団などと戦うシーンは圧巻。しかも、設定上何度かそういうシーンあって、興奮を感じながら読んだ。 ハニートラップ、ここでも出てきたんだな。こっちのは容赦ないけど。 仁礼捜査官がかなりキャラ立っていて良かったです。緑警部補も大変なご活躍でした。お父様の本がキリアン・クインの「鉄路」との比較でとても効果的な演出になってます。
1投稿日: 2022.05.14 - Seigo"powered by"
鈴石主任とラードナー警部の物語。 警察内、政界、経済界がクイアコンを中心に陰謀渦巻く世界を形作っている。 6人の連続殺人と最後の一人。 鈴石主任とラードナー警部の最後のシーンが泣ける。
0投稿日: 2022.04.26 - へぼ"powered by"
なじみのメンバーの過去が少しづつ明らかになっていく最近の流れですが、今回はとうとう機龍兵は登場しなかった。なんか大沢在昌の新宿鮫シリーズを読んでいるような感じがしました。 それと前から気になっているのが沖津部長がシガリロを所かまわずふかしまくって会議しているシーンが多く出て来るんだけど、今の日本でこんなことができるのはヤクザの事務所ぐらいじゃないですかね。時代錯誤の描写はリアルさを損なうので止めたほうがいいと思うな。(月村了衛はヘビースモーカーであえてやっているのかね。)これからはコロナについての描写も必須になってくると思うのでそろそろ卒業したほうがいいのではないか?あんなに聡明な沖津部長がタバコを吸っているなんて考えにくいでしょ。 機龍兵装の活躍を読みたいです。
0投稿日: 2021.09.04 - らばぴか"powered by"
キモノ戦こそ無いものの、相変わらず骨太なストーリー構成で満足度の高い一冊。緑とライザの心理描写パートで9割くらい相手のこと考えてるし、展開がそれを超えてきて更にびっくり……。あとバンシーの中で眠る緑、実質間接添い寝では???
0投稿日: 2021.07.28 - kun92"powered by"
すげえ、機甲兵装全く起動しないで話が進んだ。 んで、面白かった。 いよいよ話が複雑に絡んで来て、次が楽しみで仕方ない。 タイトルのセンスはあんまり好きじゃないけど。
0投稿日: 2020.03.14 - みかりん"powered by"
機龍警察シリーズ、5作目。 これまで存在さえも不明瞭であった特捜部の《敵》がより形となって現れてきた感じ。現代に置き換えれば5G通信システムといったところか、日中間の一大通信インフラ事業をめぐる経済疑獄に対して、特捜部を始め、捜査一課に捜査二課、組対、公安と、警察組織のオンパレード。そこに国税局なども加わって、協力と軋轢の綯い交ぜ状態。「至近未来」の物語とは言えど、現代に通ずる生々しいリアルを感じました。しかも、今回は龍機兵の戦闘シーンは一切無し。ライザと狼眼殺手の因縁の肉弾戦が今作のアクションシーンを飾り、それも見事でした。 最終的には龍機兵の特殊システムがカギとなり、シリーズとしてのストーリーが大きく動いていきそう。今後も楽しみ。
0投稿日: 2020.01.29 - 黒い☆安息日"powered by"
このレビューはネタバレを含みます。
まさかの龍騎兵戦闘シーンなしの巻。政治的駆け引きと警察官僚の活躍とテロリストとの肉弾戦で構成される異色の一編。 その特色が賛否両論を生んでいるが、俺は賛成側。良質な長編シリーズにはこういう回があっても良いと思うのだ…ただし面白ければ…。この本は十分に面白いし、今後のシリーズに大きなうねりをもたらす既設伏線の一部回収と、新たな伏線敷設をやってのけているし。 狼眼殺手のアクションシーンもオモロイ。ライザについてはもうちょっと強くあって欲しいと思う(あれじゃ、悪い意味で既存の女性ハードボイルド主人公みたい)が、彼女と狼との確執描写は良い。背景が良いからアクションシーンもドキドキ感たっぷりで良い。 龍騎兵シーンなしでもこのシリーズ世界でオモロい小説は駈けると証明された巻。だが、やっぱりそこも大きな醍醐味の一つなので、次回作では大いにそのシーンを期待したい。 次作以降、敵側もきっとすごいドラグーンを出してきそうな気配だし、期待は膨らむ一方である。
3投稿日: 2019.12.02 - inarix"powered by"
経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト「クイアコン」に絡む一大疑獄事件が浮上。特捜部は捜査一課(凶悪犯罪捜査を扱う)、二課(知能犯罪の捜査を扱う)と合同で捜査に着手する一方、最近方々で起きていた数件の殺人事件の被害者が「クイアコン」関係者であることが明らかになる。そして何者かによる「クイアコン」関係者を狙った連続殺人事件は、現在進行形で続いていた。 疑獄事件の捜査線上に浮かびあがるのは、政治・経済界の大物ばかり。そのため警視庁の捜査に検察庁が絡み、さらに巨大な利権が絡むプロジェクトの性質を嗅ぎつけた国税庁も大物の検挙に血道をあげる。 しかし特捜部捜査員たちは困惑する。果たして自分たちは、一体なんの事件を追っているのだろう。 贈収賄の疑獄事件。連続予告殺人事件。黒社会の抗争事件。ゼネコンの談合事件。中国情報機関によるスパイ事件――すべてが混然一体となって不条理の黒い靄を形成し、「クイアコン」の本質を覆い隠していた。 科学が人を救う時代はもう終わってしまった。なのに、科学に夢を見て現実から目を背け、変わってしまった世界を受け入れながら、人々は生きていかなければならないのだろうか? 「――おかしいのは俺の頭か。それとも日本という国の方か」 「どちらでもありません」 「おかしいのは世界のすべてです」 2019年1月8日、IBMはCESにおいて世界初の商用量子コンピューター(名称:IBM Q System One)を開発したと発表。10月23日、グーグルは世界最高速のスーパーコンピューターが1万年かかる計算問題を量子コンピューターは3分20秒で解くことに成功して量子超越性を世界で初めて実証したと発表した。 前作である短編集『化生』で危惧された未来が、本作『狼眼殺手』で早くも現実のものになりつつある。そして現実でもまた、量子コンピューターは実用化への一歩を進めている。 そのニュースを踏まえて本作を読むと、沖津特捜部長たちの焦燥がリアルに伝わってきて怖いくらいだ。本当に、科学は人の未来を明るくすると無邪気に信じる時代は終わったのだと実感する。 けれど人間がもつ可能性の芽は何ものにも摘み取ることはできない。特捜部の捜査員たちと突入班の面々との関係、ラードナー警部補と鈴石技術班主任との関係に、変化が訪れる。変化は諸刃の剣だが、強靭な彼らがさらなる強さを持てるよう願わずにいられない。 さらに警視庁の内外に在籍する、得難い人材が沖津特捜部長のもとに集う。ドラグーンの出番はなかったが、その分人間ドラマが一層重厚に描かれたシリーズ第5弾。
0投稿日: 2019.10.28 - hhhtmcnerd"powered by"
シリーズ第6作目で、最高潮に達する面白さでした。 しかも今回は龍機兵を登場させず…してこれだけ面白いともう先が楽しみで仕方ありませんね。 警察組織内部の縄張り争いや軋轢、暗闘の面白さ、テロや利権や政治とか犯罪や事件解決への捜査の面白さ、特捜部内での葛藤や苦悶する人間関係、敵味方複雑に入り組んだ中での駆け引き…どれを取っても一級品で、そこへ回復や再生といった人間らしさを取り戻していくドラマが入ってきて、ハラハラし、ドキドキして、涙させられる。このシリーズの面白さは、もう鉄板中の鉄板‼︎ 稀代の天才ストーリーテラーによる最高の一冊!でした。無茶苦茶面白いです。
0投稿日: 2019.09.06 - ijyuinmihide"powered by"
シリーズ第5弾。最新作であり最終作品?いやまだ終わりではなく、続くような気がするが……。また今回も元テロリストで『死神』と呼ばれたライザ・ラードナー警部と特捜の技術部主任鈴石緑、そして新たな敵の『銀狼』(狼眼殺手)が中心として回る話だ。又話が果てしなく大きい。更に特捜部の秘密も明かされるが、その元になるドラグーンの技術に関しては、少し中途半端な形で今だ、その謎は秘密のままだ。これはいつ明かされるのだろうか?
0投稿日: 2019.07.04 - テツ"powered by"
シリーズの中では一番好きな作品だった。テンポもテーマも女性キャラクターのかっこよさも。でも、敵まではたどり着いてない。次作を待つ。
0投稿日: 2019.06.04 - hosinotuki"powered by"
「敵」が少しはかすめてくるようになって,ますます複雑怪奇な様相を呈してきた.沖津を中心に結束を硬くしていく面々,警察内部の足の引っ張り合いや縄張り意識の中で,警察官に目覚めていく人たちもいることが救いだ.この先どうなるのか次巻が待ち遠しい.
0投稿日: 2019.03.09 - tamumasa"powered by"
ドラグーンが出てこない。ストーリーが複雑化しながら、アクションシーンはスピード感あふれる。ただ、シリーズ全体の世界に、ちょっとついていけなくなるかも。
0投稿日: 2018.10.21 - いなえしむろ"powered by"
今回も面白い ハレギは登場しないし、活躍はラードナーだけ。 それでも尿結石と戦いながらトイレにこもって一気読みするハイテンポなストーリーにはまっちゃう。 複雑な謎が少しずつ解けていき、ある程度は予定調和のエンディングに安心する。次回はもっともっとアクションバリバリの作品が読みたいな。
0投稿日: 2018.07.29 - Bookman"powered by"
機龍警察シリーズ最新刊。今作は龍騎兵の戦闘がないというかなり思い切った内容に。しかし面白さは抜群。 警察小説の色合いが強くなり更に経済小説・スパイ小説的な側面も加わって濃密な人間模様と高難度の駆け引きが展開されている。 日中合同プロジェクト「クイアコン」に関わる一大疑獄。さらにプロジェクト関係者が次々と殺害される非常事態に特捜部は捜査一課・二課との合同捜査に着手する。 警察内部、国税局、検察庁、政財界、裏社会、中国諜報部。いくつもの勢力の思惑が複雑に絡み合う国家レベルの陰謀。 かつてないほどの窮地に鋭さを増す特捜部長・沖津の「悪魔」の頭脳。 そして警察の捜査網をやすやすと突破する凄腕の殺し屋「狼眼殺手」。その存在がIRFの「死神」ライザ、テロで家族を奪われた鈴石緑の過去の因縁と交錯する。 シリーズの象徴である機甲兵装を登場させない、戦闘シーンも少なめ。それでもここまでの作品を仕上げてしまう著者の実力は間違いなく本物。 物語が次のステージに進んだ感もある。 次巻以降、さらにスケールの大きな展開が待っているはず。もちろん手に汗握る龍騎兵のバトルにも期待している。
0投稿日: 2018.06.03 - しろコシオ"powered by"
今最も新刊を心待ちにしているシリーズ、なかなか文庫化もされないため図書館予約の後、数か月を待って読了。 今作で特徴的なのは機龍兵装(ドラグーン)の出番が全くナシ!しかしながら息を飲むスリル、アクションシーンは用意されておりシリーズを通しての構成は踏襲されている。過去作品以上に警察内部、各関係省庁の、軋轢、駆け引きに満ちており、やや当惑気味に感じる諸兄がいるのかも?しかしながら魅力的新キャラも登場し(仁礼警部いいです!)個人的にはプラスマイナスでプラスの勝ち!であった。 今作においては物語の視点において夏川警部補、宮近警視の登場が多く、やや印象の薄かった感ある二人の輝きが増している!特に宮近警視、激務である官僚業務の傍ら、友人である城木警視への気遣い、警察官としての在り方と出世レースの間で揺れる人間像、終盤においての沖津とのやり取り…痺れた(宮近!いけ好かないと思ったけどイイ奴じゃないかー!死ぬなよ!) 今回も敵の尖兵たる「狼眼殺手」は非常に魅力的に描かれている。対するは虚無のヒロイン、ライザ・ラードナーであり、当然ながら鈴石緑警部補が絡む。かつての同胞同志での命のやり取り、IRF、北アイルランドの世情は想像に難いが、それぞれが背負うモノが、その対決をよりドラマティックに仕立ててあるのは、これもシリーズのお約束であり月村氏の技量の為せる技であった。 ライザ救うため、己の手を血で汚してしまった鈴石警部補。彼女の汚れた手がライザを虚無の淵から救い上げる手となりうるのか?自次作以降への持越しとなった。彼女には幸せになってほしいと切に願う。そして由起谷vs關 剣平の対決構図が明確になった!これにも痺れる。 何もかも忘れて没頭できるこのシリーズ、次を待ち望む日々がつらい…
6投稿日: 2018.05.23 - tomojuju"powered by"
今回機龍兵が一回も出てこなかった!その点は物足りなかったものの、物語としての重厚さは全然損なわず、かなり読み応えがありました。 仁礼さんがユニークでいいキャラでした。 2018.5.19
0投稿日: 2018.05.19 - dark-knight-k"powered by"
何と今回は龍機兵の活躍一切なし。すごい新境地を開いたものだ。従来の重厚な警察小説に経済小説が加わっても尚、龍機兵シリーズの体を成しているあたりさすがと言えよう。経済疑獄をめぐる捜査がいつの間にか連続殺人事件の捜査にまで発展。挙句の果てにその敵は国家と来たものだ。そんな難題に特捜部はどう立ち向かうのか。さすがの沖津も苦戦を強いられることに。そしてその連続殺人の犯人は特捜部のある人とも因縁があったりと、龍機兵は出ずとも相変わらずのスケールと緊張感。そして、物語は一つの結末を迎えることに。これまでのクライマックスの昂揚感そのままに終わるエンディングではなく、静かな感動が胸を打つ。それでもやはり龍機兵の活躍が見たかったので減点w。
1投稿日: 2018.05.16 - しろかぎ"powered by"
今回は狼の彼女と内部の「敵」、ですが……それよりやっぱり鈴石主任とライザだな! いやあ、ドラマが進んで参りました!
0投稿日: 2018.04.15 - Hi-chan57"powered by"
全部ウソで全部がホントで…。これを読ませる筆力が凄いなあと…。読んでいなかった前作も読まなければと、何故読まなかったのだと…。
1投稿日: 2018.02.05 - マルノ"powered by"
これまで曖昧にされていた龍機兵という存在について焦点を当てた巻。テロリストの抑止力としての龍機兵の存在の大きさを改めて実感した。 今作の驚くべきところは、機甲兵装の出番がないにもかかわらず、これまで積み上げていた登場人物の背景や物語のおかげで、退屈するどころかより面白く感じられる点だ。 新作が出るたびに前作より面白いと感じられる本シリーズ。その分ハードルが高くなっているため不安な気持ちもあるが、それでも早く新たな特捜部の活躍が見たいという気持ちが止まない。
0投稿日: 2017.12.23 - lighthappy"powered by"
機龍警察シリーズ第5弾。 経産省が進める新たなネットワーク開発事業”クワイコン”。このプロジェクトに関わる人物が立て続けに殺害され、警視庁は捜査一課/二課、そして特捜部の合同体制で捜査に当たる。謎の暗殺者、中国マフィア、そして”敵”などが入り組む中、犯人にたどり着くことは出来るのか・・・ 今回は機甲兵装や龍騎兵は登場しないが、緊迫感は相変わらず。ライザと緑のくだりは良かった。おなじみのメンバーに加え、財務捜査官・仁礼や国税庁の魚住など、面白そうなキャラクターも登場で、今後も楽しみ。
2投稿日: 2017.12.11 - bera5227"powered by"
完璧。タイトルはあくまで事象の1つに過ぎない。機龍兵の戦闘シーンがシリーズ初めてなかったが不満などは一切なく、ただただ圧倒的な波が四方八方からやってきてこの作品に飲み込まれてしまった。早く次回作を読ませてほしい。
6投稿日: 2017.11.30 - arasekin"powered by"
圧倒的だ。色々なことが。龍騎兵が出てこなくてもやはりキーポイントはそこ。しかも何重にも広がるストーリー。大傑作、でしょうな。
1投稿日: 2017.11.23 - tamako"powered by"
シリーズ第5弾。 最初は龍機兵の派手なアクションが魅力のSFだと思っていたこのシリーズも、どんどん複雑になり深みが増して今回は重厚な警察小説という感じ。アクションは少なめだが、龍機兵の秘密が明らかになりつつある。いくつもの犯罪が重なり合って指し示す先はどこなのか。 疑獄事件の内容など個人的にはたいへん難しかったが、先が気になって後半は一気読みだった。ライザと緑のくだりは泣ける。 次作はどのような展開になるのか楽しみ。
1投稿日: 2017.11.15 - sugahata"powered by"
シリーズ5弾。次世代通信システムクイアコンをめぐる連続殺人。暗躍する中国諜報部、裏社会の面々そして「敵」。龍機兵がの出て来ない本書だが、テーマが人間を描くこのシリーズであればこれもあり。今回の中心人物はライザ&鈴石緑。それにしても特捜部長は怪物だ。
1投稿日: 2017.11.10 - yoichiokayama"powered by"
相変わらず読ませるストーリー展開です。 息もつかせぬアクション、複雑な伏線、以前の作品との関係性など、とにかく楽しめます。 警察内部の「敵」の正体は、果たして誰なのか。 政治も絡み、国際問題も絡み、事態はどんどん拡大していきます。 次回作に続く、壮大な物語になっています。 早く次回作が読みたいです。
1投稿日: 2017.10.06 - paintbox"powered by"
機龍警察シリーズ、長編第5弾。今回はあえて主役を立てず、複雑に絡み合った大きな事件を特捜部が他部署と連携しつつ、総力を上げて解決しようとする完全な警察小説。あれが登場しないまさかの展開。死神と主任のところ、グッと来た。
1投稿日: 2017.10.03 - jitan"powered by"
内容紹介 経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト『クイアコン』に絡む一大疑獄。特捜部は捜査一課、二課と合同で捜査に着手するが何者かによって関係者が次々と殺害されていく。謎の暗殺者に翻弄される警視庁。だが事態はさらに別の様相を呈し始める。追いつめられた沖津特捜部長の下した決断とは――生々しいまでに今という時代を反映する究極の警察小説シリーズ、激闘と悲哀の第5弾。
1投稿日: 2017.09.17 - meirin213"powered by"
月村了衛『機龍警察 狼眼殺手』読了。シリーズ5作目にしてまたしても最高傑作を更新。そしてやはり泣いた。本作ではシリーズの魅力の1つである機甲兵装(ロボット)による戦闘シーンを敢えて描かないでみせることで、本作を"至近未来"SFと銘打つに相応しいことを十分以上に証明してみせた。
2投稿日: 2017.09.15 - 本屋のおっさん"powered by"
今作も重厚な警察小説。 幾重にも張り巡らされ、重ねられた世界観に圧倒される。 ライザが軸になっていると、やはり華がある。 死神だけれど。 持っていると重いくらいのボリューム。 でもどんどん減っていく残りのページに「あああぁ! 」となりながら読み進む。 あっという間に読み終える。
1投稿日: 2017.09.13