
総合評価
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powered by ブクログ借りたもの。 経済の流れを見れば世界史が分かり、それらをアートは描き出している。アートの価値はそこにある。 私は美術史を学んだ身だが、政変と美術の流れはあまり密接に感じていなかった。それがこの本を読んで経済という流れによって繋がっていく…! ウェストファリア条約によって、近代国家の基礎が作られる… 富の蒐集からビジネス――資本主義による利益、利子の増殖――という概念への変化が、アートにも影響、反映されていることを読み解いてゆく。 閉じた世界と開けた世界、陸と海という対立構造は、 蒐集が価値を生み、信用が価値を増速させるという視点から、アートの価値が紙幣経済の変化系となる様を映し出す。 蒐集の象徴であったアートが、投資・投機対象になる。 ダブついたお金の使い道、使いどころとしての“ビジネスモデル”となっていく様が映し出される。 正にアートは“今”を映していた。 徳光健治『教養としてのアート、投資としてのアート』( https://booklog.jp/item/1/429540294X )とも併読。 映画『アートのお値段』( http://artonedan.com/ )の根底にあるもの。
0投稿日: 2019.12.12
powered by ブクログ日本で最初の、現代美術専門画廊「東京画廊」。 その2代目社長である山本豊津の著作『アートは資本主義の行方を予言する』が、「興味深い内容だったなあ」と強く印象に残っています。 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4569826172 その山本が対談した内容が新書になっていると知り、読んでみることにしました。 まず第1章では、対談相手であり『アートは〜』に感銘を受けたという大学教授水野和夫が、利率の長期的なトレンドグラフを提示して、「近代資本主義は終焉を迎えている」という自説を提示しています。 第2章から第7章が、二人の対談。 経済と政治体制、そして芸術を中心に、主にヨーロッパの歴史を追いながら、話が展開していきます。 そして最終第8章で山本が総括する、というのが全体の構成。 以下に、特に印象に残ったキーワードを書き出します。 ・宗教と自我 ・蒐集と利子 ・芸術が扱う題材と、芸術家の評価の変化 ・永続性および空間の無限性と、資本主義との関連 自分自身これまであまり関連が見出せていなかった事柄について、点と点が線になり、線と線が面になるような”気づき”を、かなり得ることができました。 経済や美術について、このような視点で考えることができるのですね。 知的好奇心を、大いに刺激された一冊でした。 .
0投稿日: 2018.09.03
powered by ブクログ経済と芸術に何の関係があるんだろうと思って読み始めた。また、水野さんのいう「蒐集」という概念が気になっていたことにもよる。二人の専門家による対話は興味深く、大変勉強になった。素晴らしい!
0投稿日: 2017.12.30
