表題作「母の死」友人の娘妙子さんとの交流を描いた「郊外そのニ」など、八篇を収めた作品集。 親子ほど年が離れている妙子さんと中勘助の関係は、見てはいけないもののような気がしてしまう。こっちが邪な目で見ているせいなのかなんなのか。妙子さんかわいいです。 「母の死」に描かれている悲しみは、誰でも経験するかなしみなのだろうなあ、たぶん。 「覚醒して苦しんでるのよりは麻酔した寝顔のほうが見たい。」「意識は確だが目をあかなくなった。母よ。母よ。私はもっと見てほしいのに。」