
総合評価
(35件)| 15 | ||
| 9 | ||
| 4 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ吉川英治は三国志の後書きで「鬼才奇才と演義は言うけれど、孔明は偉大なる平凡人ではなかったか」と語っている。 後世の小説や映画などに登場する、とことん真っ直ぐで正直で正義の塊のような人物は、そのあまりにも浮世離れした「白さ」によって周りから怪訝な眼に晒されるという演出を施される事が多い。その元祖は三国志の諸葛亮孔明にあるのではないかとも思う。 本作の孔明も偏屈で計算高くて変わり者として描かれていて(劉備やその配下も概ねそうだ)歴史の本流に突然現れて二十数年で表舞台から消えた謎の多い人物の、謎の部分を皮肉と笑いに替えて描いている。 親近感の湧く描写になっていて、孔明の周囲の人々…姉や弟や舅や師匠などとのやり取りも、一風変わっていて面白い。 ただ、ひとつ残念なのが 孔明出廬から長板玻での張飛と趙雲の活躍、孔明の呉での大論陣、周瑜との駆け引きや赤壁の大戦に至るこの辺りの流れは三国志演義全体のクライマックスと言ってもいいし、個人的に好きなシーンの連続なので2巻以降、少し引き締めた調子で描いて欲しいなぁと思ったりはする。
5投稿日: 2022.08.01
powered by ブクログ吉川三国志、柴練三国志、北方三国志と読んできた。さてさて、酒見さんのはどんなんかなと読み始めたが、ちょっとびっくり。 予想の斜め上をいっています。 講談調なのにまずビックリ。でもこれって、水滸伝もそうであるように、三国志演義も元々はこうなのかも。 それぞれの人物造形も現代だと、こうなんだろうなと妙に納得します。 想像した感じとは違っていたが先が楽しみ。
5投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ-歴史とは解釈の賜物だ!- 三国志はこれまで複数の著者の作品を読んできた。それなりの知識を有している自信はあったし、本筋は理解しているつもりである。それでも本作を通じて新しい発見があった。 それは一言で表すと歴史とは解釈の賜物なのだ、という当たり前だけれど忘れがちの事実である。正確な歴史なんてものはないのだ。歴史はどうしても書き表す人の思想や哲学から逃れることはできない。資料の狭間狭間を埋めるものは想像力であり、希望であり、悪意なのかもしれない。 本書においては、これまでとは一味違ったスパイスを加えられ、劉備三兄弟や孔明が描かれている。この本を読むとこれまで吉川三国志や陳舜臣三国志や横山三国志に親しんできた方は新鮮な感想を抱くだろうし、人によっては不快感を覚えるかもしれない。しかし、そういう論争やざわつきを生み出すことができたなら著者にとっては大成功と言えるだろう。 単行本版だと一冊500ページ弱という分量でありつつも、なかなか物語は進まず非常にじれったい。少し蛇足が多いというか冗長なところがあるので、星はひとつだけ減らした。 しかし、歴史とは解釈の賜物という改めての訓戒を与えてくれたのと、三国志のしらざる世界をもっと知りたいというモチベーションを与えてくれたので概ね満足できる一冊だ
1投稿日: 2020.01.04
powered by ブクログ題名通り諸葛孔明が主人公の三国志演義準拠作品 泣き虫弱虫というより奇人変人というべき 吉川三国志から見れば驚きの内容かもだが 『蒼天航路』以降の現在だと普通 場面ごとの描写は楽しいが かといって長く詳しければより良いというものでもない
1投稿日: 2019.01.11
powered by ブクログ真面目な孔明本かと思ったらそんなことなかった そして長い。1巻でやっと三顧の礼までたどり着いた 小説とエッセイの混ざりもののような感じで、笑い要素が強いかな
1投稿日: 2016.02.13
powered by ブクログ天井天下唯我独尊的な怪青年諸葛亮孔明がクレイジー極まる劉備軍団と出会うまでを描いた第1巻。 作者の圧倒的な知識と人を小馬鹿にしたかのような的確で愛のあるツッコミが凡百な三国志モノと一線を画す!
1投稿日: 2015.05.07
powered by ブクログ斬新な解釈と独特な口調でリズムよく語られる、見たことない孔明。キミは三顧の礼の前の孔明を知っていたか?奇行と天才、ひねくれと軍略がみるみる繋がっていく。酒見賢一、面白し。
1投稿日: 2015.04.26
powered by ブクログものすっごく笑った! 笑った! 出てくる登場人物がみーんな変(笑) でも、それを補う作者の三国志愛が感じられるから嫌みじゃないんですね。 さりげなく(いや、堂々とだな)書きこまれる作者のボケ突っ込みに、諸星大二郎さんの『西遊妖猿伝』の講釈師の姿を見た!! まぁ、別な作品の挿絵書かれてますもんね。続きが楽しみ~♪
2投稿日: 2015.02.17
powered by ブクログ抱腹絶倒三国志!?って聞いたけど、抱腹絶倒はしなかった。 くすっとなったり、にやっとなったりはしたけど。 だいたい、普通の三国志によくある聖人君主然とした劉備がいやだったりする。曹操が悪で、劉備が善で・・・って、そんな単純なわけないやろ。 だから、あの蒼天航路の劉備を見た時は胸がすくようだった。 ひょっとしたら、こっちの方が実像に近いのかも・・・と思ったりした。 そんなわけで、この本に出てくる劉備三兄弟、そして諸葛孔明も、ひょっとしたら、こんなんだったのかも・・・と思わせてくれて、結構、好きだ。(この平和な世の中で、こんな人がそばにいたら、好きと思えるかどうかは置いといて) 無茶苦茶なくせに、なぜか憎めない。 勧善懲悪が大好きな講談とかが作り出したもんを剥ぎ取って、そこにある姿を想像してみるのは、なかなか楽しい。 もともと、三国志って、歴史上の人物に、どんな人だったんやろ、こうだったらいいなぁ、楽しいなぁって思いを(ちょっぴり)足して出来上がったもの。 だから、物語を作る人の思い(やその人の生きた時代の匂い)で、少しずつ、登場人物像も変化する。 こんな呂布がいてもいいんじゃないの、孫策はもっとかっこよかったはずだ、いくらなんでもこの曹操はなしだ・・・。 そして、そういう違いとかブレを楽しんだりもする。 そういう楽しみ方は、再演を繰り返してるお芝居を見る時にも似てるかな。 役者さんが変われば、印象も変わる。 演出家の指示で、衣装やセットが違うだけでも、違う作品になる。 ましてや、脚本家が台本を手直しをしたら、まるで違う世界が見えてきたりする。 お芝居でなくても、物語の脇役があんまり魅力的だから、スピン・オフやら番外編やらができたりする。 同人誌なんかで、物語のキャラがいろんな姿で登場したり、物語を読むだけだった人がいきなりコスプレを始めたりする。 しまいには、なせだか戦艦が女の子になってたりまでする(いや、これは違う。でも、関羽が女の子になったりする)。・・・。 携わる人が増えるたび、物語群のように育っていったりする。 ともあれ、ひとつの物語からブレを作り出して、それを楽しみ、その中で遊ぶのって、意外に普遍的なものなのかも。 要するに、この本は、結構、お気に入りだったりする。 ホウ徳(ホウ統のおじさんらしい)が劉備に、軍司とは、と語るとこなど、なかなかの名場面。
2投稿日: 2014.08.23
powered by ブクログほんと、気持ち悪い奴…孔明。 これを読んだら、他の普通の三国志?作品を面白く読めなくなってしまう、という不安を覚えます。(三国志ジョーカーを除く)
1投稿日: 2014.07.22
powered by ブクログ最近酒見さんの「周公旦」や「墨攻」を読んだ。 「後宮小説」のあの人が、こんなに渋い書き手になったのね…と思いながら、本書を手にしたので度肝を抜かれた気分。 登場人物に繰り出される、語り手からの突っ込みの嵐。 こんな歴史小説もあるのね、と感動してしまった。 この巻では孔明が劉備玄徳から三顧の礼を受けて出仕するまで。 この調子でいくと、いったい何巻まででることやら(笑)
1投稿日: 2014.04.11
powered by ブクログ三國志ものはこれまで結構読んできましたが、爆笑しながら読める三國志は初めてです。ストーリーを進行させながら随時入ってくる著者のチャチャと突っ込み、身も蓋もない冷静な分析が笑いを誘います。 とんでもない奇人変人扱いの孔明も良いですが、猫をかぶったやくざの親分扱いの劉備もとても良いです。 結構デリケートなことも書いてあったりするので、あちらの国から妙なチャチャが入って執筆が止まるようなことが無いかちょっと心配です。何とか最後まで(孔明が死ぬまで?)書き上げて貰いたいですねえ。
1投稿日: 2013.05.29
powered by ブクログロング・ロング・タイム・アゴー。イン・トゥーブレント・エイジにロイヤル・ブラッドのベリー・ナイス・ヒーローを二人のスーパー・ストロンゲスト・グラジエーターがサポート&アシストしながら、テリブルに暴れ回り、ある晴れた日、ハーミットであったドラゴン・ウィザードが出てきて、プラン・オブ・スリー・キングダムズでまやかし、マジックやオカルティック・アートを駆使してドミネーション・オブ・ザ・ワールドのために邁進していくレジェンド・ストーリー。 この本はドラゴン・ウィザードが出てくる所までが描かれています・・・うん、白モノファンタジーとしか思えないなこれはw
1投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これを最初に読んだら三国志はとんでもないお笑いストーリーだと思ってしまうだろうな。 途中で出て来るカタカナのオンパレード、イングリッシュワードには大爆笑。 西部劇風三国志も悪くはないかも。
1投稿日: 2012.07.19
powered by ブクログ歴史が苦手な人でも割と気軽に読める…はず。だが、電車やカフェなど公共の場所で読むのはお勧めしない。絶対吹き出す。
1投稿日: 2012.03.23
powered by ブクログ孔明の生い立ちを追う本筋と並行して、無数に存在する「三国志」作品を照らし合わせて茶々をいれ、「三国志」を取りまとめアップデートしていく実験的小説。酒見一流のユーモアが笑いを誘う佳作だが、三顧の礼終わるまでで六百頁消化はさすがに冗長にすぎるか
1投稿日: 2012.01.13
powered by ブクログいじめられた相手に「火計だ!」と称して火をつけたり、やりたい放題の孔明さんが、とにかく面白い。早く三巻読みたいのに何時まで経っても出ない。
1投稿日: 2011.12.15
powered by ブクログ三国志はその昔、横山光輝が描いた漫画の三国志から知識を得た程度です。それとしばらく前に漫才の島田伸介と竜介が解説をやっていた「NHKの人形劇の三国志」が私の知識の源であるからいささか心もとありません。最近では映画でレッドクリフ(観てはいませんが・・)が公開されたりして一般的ともいえるのかもしれませんが、有名な桃園の誓いやら、劉備玄徳が孔明を軍師として迎えるところの三顧の礼ぐらいの浅い知識でした。 しかし、その浅い知識を持ってして読んでもこの酒見版の三国志は読み進む度に、その常識?を覆す人物像がこれでもかと飛び出します。 ほとんどギャグに近い部分もあります。 例えば、孔明は怪しげでブスの新妻と散々いちゃついている・・とか劉備の軽薄な色男ぶりとか・・(この他抱腹絶倒の場面が満載です!) この本では、歴史物のテレビドラマのように時折作者が登場し解説を入れてくれます。(多分この部分が作者の一番の武器でしょうね) それが殆ど第三者的なのでこの小説を二度楽しめる仕組みになっています。第壱部なので、今回は三顧の礼の場面まですが、この先ずっと続くであろうことを考えると次の発刊が”陋巷に在り”のシリーズのように待ち遠しいです。
1投稿日: 2011.09.11
powered by ブクログ読者の三国志への愛と経験が試される一冊。 読む側の知識に応じて、面白さの度合いが露骨に変化することでしょう。
1投稿日: 2011.09.10
powered by ブクログ快作、というよりむしろ怪作の範疇?!「陋巷に在り」からの流れで手にしたが、こちらの方で嵌った。「後宮小説」以来、ほとんど読んでなかったので、しばらくは酒見賢一祭りが楽しめそう。
1投稿日: 2011.08.20
powered by ブクログ吃驚仰天して引っくり返ってしまうような内容の三国志トンデモ珍品新意訳解釈読本。寝食忘れて読み耽るべからず。 諸葛亮にスポットを当てた話なのだが、 何故か嫁や姉や師や徐庶や徐庶母の為に大幅にページが割かれている曹操も真っ青な酒見版三国志。
1投稿日: 2011.03.25
powered by ブクログレッドクリフの影響で三国志を知ったものの、三国志をそのまま読むのは面白くなく。 後宮物語で知っていた酒見先生が書いてると知って読んでみました。 人間味溢れた諸葛亮に感服です。 続編を読むのが楽しみです。
1投稿日: 2011.02.17
powered by ブクログ気づくと読み終わっていた。面白いんだろうか?うーんどうだろう?と思いながら読み進める本。孔明が変人だという解釈は面白いし私もそう思う。
1投稿日: 2010.12.05
powered by ブクログもう何か、色々通り越してみんながみんな可愛い(笑) 私はこうゆうの、すんごい好きなので酒見さんありがとう!って感じでした☆ わたしの中の劉備もだいぶ壊れたところで(笑)、これから第二部突入ですが文庫化してないんですねえ。重たい本を持ち歩く日々になりそうですが、孔明がちゃんとやってけるか心配なので張り切って読みます!ああ楽しい〜(*^O^*)!
1投稿日: 2010.11.08
powered by ブクログあの孔明が泣き虫弱虫?!レビュー見た感じかなり大胆な三国志パロディがされてるみたいだし興味津々です。一般書時代から気になってたので文庫になってるなら欲しいなぁ。
1投稿日: 2010.10.29
powered by ブクログこれを楽しむために、頑張って「三国志」を読みました(笑)三国志をここまでいじっちゃっていいの!?っていうくらい最初から最後まで茶化しっぱなしの1冊。さすがは酒見さんです。オリジナルは読んでなくても十分楽しめるとは思いますが、オリジナル読んでた方がもちろん楽しめるかと。あの劉備が、孔明が、関羽が、張飛が、こうなるとは。 個人的にはオリジナル三国志を読みながらも、そこそこツッコミどころ満載では…なんて(恐れ多くも)思っていたので、これはなかなか爽快。この巻では三顧の礼までなので、続きが楽しみです。っていうか何巻まで行くんだろう。
1投稿日: 2010.10.14
powered by ブクログ不思議な三国志です。 お馴染みの英雄たちにこんな一面が⁉ みんな人格的に欠点だらけなんですが、それがかえって魅力的。 物語も何処かおちょくった感じで進んでいきます。 第一巻では三顧の礼あたりまで話が進みますが、天才軍師を迎えるために一国の主が最大級の礼を尽くしたというあのエピソードもこの作者の手に掛かると変人と変人の意地の張り合いみたいなことに… どうなっていく事やら。 ああ愉しみ。
1投稿日: 2010.09.25
powered by ブクログファンタジーノベル大賞の選考委員だったお聖さんが「この人は自分の書くものを面白がりすぎているきらいがあってそれが欠点といえば欠点」とコメントしていたが、その欠点を電子レンジにかけて大爆発させたような本
1投稿日: 2010.06.14
powered by ブクログWebでの評判が高かったのもあって、読んでみました。確かに、面白いことは面白い(^^;……けど、真面目に三國志好きなひとにはあまりオススメしませんな。特に孔明好きな方。 何より何より、こんだけ分厚い一冊なのに……「ココ」までで終わり?!
1投稿日: 2010.04.23
powered by ブクログうん。面白かった。続きが早く読みたいです。 自慢じゃあないですが、私は三国志関係では、これが初読です。 この本が最初でいいのだろうか? もう、普通の本は読めないんじゃあないんだろうか?? と真剣に思ってしまうほど、普通じゃあないと思います。
1投稿日: 2010.04.12
powered by ブクログ諸葛孔明は放火魔で弟をいじめるひどい奴だったのか?世間で言うところの三国志をツッコミまくった爆笑三国志。笑いすぎて困った。これしか三国志を読んでいないので、「レッドクリフ」を見ても爆笑してしまった。金城武のイメージがこの諸葛孔明のイメージとだぶるのがおかしかった。
1投稿日: 2010.03.09
powered by ブクログ演義を読んで誰もが疑問に思ったであろう部分に、細かく突っ込みを入れていくお話。 演義ベースの三国志を一通り読んでから読むと、面白さが倍増すると思います。 ただ全編に渡ってその調子で進んでいくので、この厚さだと少々疲れてしまいましたが…。(2010年2月3日読了)
1投稿日: 2010.02.03
powered by ブクログAmazonの内容紹介をみて… 創作か本当のことなのか知らないけど、放火が得意な子どもって嫌だ!嫌すぎる!! でも面白そうだからぜひ読んでみたい。
1投稿日: 2009.12.05
powered by ブクログずっと文庫化待ってました!! が、分厚い…分厚すぎるよ!! せめて上下巻にしてほしかったです、電車で読めない。というか小さいバッグに入れるスペースないよ。
1投稿日: 2009.10.14
powered by ブクログたいへんいつの間に! 持ち運びように買わなきゃだわ。 電車の中でなにも読む物が無いとき…ああ、これの文庫があれば喜んで持って行くのに、と何度思ったことか。
1投稿日: 2009.10.10
