
総合評価
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powered by ブクログ面白かった!読み慣れない名前で 躓いてペースが落ちてしまうけれども クライマックスにかけての盛り上がりが凄い。 怖い。恐怖を感じる。 そして 男はどこまでいっても男なんだなぁと。泣 母親の愛情に勝るものはなし!
7投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログ短編はあんまり好きじゃないけど最終話で一気に持っていかれたのが鮮やかすぎて大好き。1話ずつフムフムなるほどなるほどと読み進めて、最後!?!?になった。ラストの好き嫌いは分かれそうだけど、創作には現実味のなさと説得力を求めるタイプの私は大好き!思想の強いキャラ大好き!
0投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログ最終話、おおかた予想していた流れになって少し中だるみを感じていたが、エピローグで全部吹っ飛んだ。 いろんな解釈があると思うけど、わたしは怖かった。少しずつじわじわと恐怖感に襲われた。 『ラストですべての予想を裏切る、』と帯にあったけど、本当にその通りだった。
1投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ死刑廃止論が広まり執行を世界中がためらう中、そんな囚人達に税金を使い続けなければならない不満、そんな不満の受け皿となった産業として死刑囚を集めた監獄という設定が面白い。各死刑囚の物語は今一つの感はあるが、ラストの希望がと思わせる中からのオチはどんでん返しとして十分な内容だった。
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ架空の監獄でのお話。最初は短編集のよう。ちょっと納得できないトリックや動機もあるがサクサク読みやすい。 そしてラスト一章が怒涛の展開で一気読み。なんとなく予想できたラストで綺麗に終わる…かと思いきやエピローグで変な声が出た。ある意味どんでん返し。謎解きとしては声を大にして面白い!とは言えないが、予想していなかったラストに拍手。
9投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 死刑囚たちの死の前後のミステリ。 設定だけ特殊なただの短編集なのかと思いきや、ちょっと伏線が散りばめられてて最後幕切れのところでそれを回収して行った。 シュルツは実はアランイシダのお父さんで、TSウイルスキャリアである息子をなんとしても脱獄させてTSウイルスを生き延びさせてテロ行為をしたいという話だった。読みがいありました。
0投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ架空の国の死刑囚専門の監獄を舞台にした連作ミステリ。 こういうのって死刑囚を探偵役にするなら助手は看守サイドにしたほうがスムーズじゃない?と思ったり。 世界各国の死刑囚が集まる割にキャラがあんまりたってないのが残念。 各話で完成度にばらつきがあるが、女囚の話はラストのオチを導くためにだけって感じで酷い。 変わった設定のミステリ読みたいならさらっと読めていいんじゃないでしょうか。
1投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ短編の一つ一つはミステリとして楽しめたが、メタ的に読み進めると、"死刑囚だけが集まる終末監獄"という舞台設定の意味が薄いように感じた。 登場人物の心理描写、所作もあっさりしていて読みやすいが、普通の刑務所のようで危機感や絶望感が弱い。登場する人全員がいつ死んでもおかしくないという状況を忘れてしまいそうになる。 死刑囚のみという条件を活かしていない短編もままあり、そこを期待してしまっていたので星3。
2投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログミステリー書評 読書レベル 中級 ボリューム 350頁 ストーリー ★★★★★ 読みやすさ ★★★★ トリック ★★★★ 伏線・展開 ★★★★★★! 理解度 ★★★★★ 読後の余韻 ★★★★★★! 一言書評: ラストの衝撃がスゴイ! (この系統のどんでん返しは初かも) 物語の時代背景や設定も超COOLで面白い! 約8年前の作品なのに、 古典作品風の雰囲気・品格が漂う素晴らしい作品! しかも短編集なので読みやすい! 途中まで、だよねー、ですよねー、と思惑通りのストーリー展開だっただけに、ラストのやられた感の衝撃が半端なかったです、、、 唯一のネックは(私自身が苦手なだけですが)カタカナ表記の外国人の登場人物が多いこと。とは言え、各章ごとに一応完結するので、そこまで迷子にならずに読めました(笑。
51投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑囚ばかりの終末監獄で起きる事件。それを解決するシュルツ爺と主人公の日系アメリカ人アラン。 舞台は現代のようだけどなんとなく昔のエジプトを想像しながら読んでしまったので、タッチパネルとか普通に電子機器出てきて脳が混乱した笑 短編集のつくりだったので読みやすかったけど、ミステリーとしてはオチはそれぞれちょっと物足りなかったかな… アランが役に立つからと助手として選ばれるにはいつまでも察しが悪いボンクラのままだなと思ったけど、最終章で訳がわかる。まあその前に読者はオチも読める。 でも最後の最後の胸糞感はなかなか悪くなかった。 シュルツ老の子どもたち…テロリストはやっぱりサイコ野郎だったか。
6投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一つ一つの物語は面白かったし設定も好きだったけど、最後の方がありきたり、無理矢理感があって萎えてしまった。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログまずまず面白かった。 続きものではあるが、短編集としても読める。 通勤の時間にちょっとずつ読むにはちょうどよかった。
1投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログすごく面白い。 ブラウン神父ばりのユーモラスと逆転発想が楽しめる。 ボリュームもちょうどいい。 (ほめ言葉として)コスパ的&タイパ的に申し分ない。 ただし、女囚~のところはちょっといただけないかな。
1投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログおもろでした。 異国の監獄が舞台の短編ミステリー集 最初は、人名など取っ付きにくいかもですが、他の海外作家の小説よりも、断然読みやすい。 短編集ですが、最後の結末には、だいぶ引き込まれた。 まさに死の砂時計をひっくり返されたという事なのだろうなと。 読みやすいです!!オススメ!
10投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ初めて読んだ類のミステリー。時代の変化に伴って死刑事情も変わり、ある国が終末監獄で死刑を担い始める。話は主人公が収監されるところから始まり、監獄内で起こる不可解な事件や自身の育ちの秘密を紐解いていく。イスラム系の雰囲気をベースとしつつ監獄というカオスだけでなく全世界から集められた囚人というカオスが乗っかり終始飽きることなく読み進められる。賢いなと思うより狂気を感じるトリックばかり。一般的なミステリー小説では普通の世界観をベースにして、そこで起こる事件やトリックにスパイスを求めるようなイメージだが、この小説は狂気に普通のスパイスをかけているようなイメージ。僕はあまり死の恐怖や狂気を実際に感じたことはないのに、この本ではよくその感情をトレースすることができる。著者の力を感じた。 欲のために捕まり、欲のために処刑し、欲のために逃す。
5投稿日: 2025.05.23
powered by ブクログ本屋のポップに惹かれて購入 面白かった! 伏線回収もされていて、 今まで読んだことないジャンル。 こうやって素敵な出会いがあるから やっぱり本屋さんでの本選びは好き!
4投稿日: 2025.05.07
powered by ブクログ初めての作家さん。あらすじを読んでなんとなく購入。 外国の名前で最初ちょっととっつきにくかったけど、案外すらすら読み進めることができた。読みやすい。 短編連作。 派手な「お、面白い」という展開はなく、淡々と探偵役が謎を解いていく。 古き良きTHE推理小説という感じで楽しめた。 最終話の終盤。 え、どうなる?どうなるの?とここにきて怒涛の展開がムネアツ。 最高潮に高まった胸がじーんときて、エピローグの最後の数行で冷や水を浴びせかけられた。 いやうん、お見事でした。 楽しませていただきました。
5投稿日: 2025.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「世界を舞台に暴れまわる」の主語に、ゾッとした。 最後の数行に、ギュッと凝縮して種明かしがされるが、簡潔な数行に心が振り回された。
4投稿日: 2025.04.23
powered by ブクログ2025/4/13読了 まず、世界中から死刑囚を集めた終末監獄という設定が凄い。制度廃止や人権意識の高まりやらで、大っぴらに処刑出来なくなった凶悪犯、死刑囚を某国が、収監管理、処刑も含めて引き受けているという設定が妙にリアル。その内、本当にそんな国が出てくるんじゃないのか? そして監獄内で発生する、チェスタトン的に奇妙な事件の数々。明かされる真相は、意外性はあれども、正直なところ物証に乏しく「そう考えれば、一番筋が通るかな?」程度だったが、最終エピソードとエピローグとでの、どんでん返しに次ぐどんでん返しで全部持っていかれた感じだった。
24投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ最終の1ページで一気に突き放され、読了したあと呆然としてしまった、、! ミステリーとしてのトリックの精巧さなどはあまり無いが、キレのいい短編集だったので読みやすかった。 主人公の人柄にはとても共感できたかな。
2投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世界中の死刑囚を集めたジャリーミスタン終末監獄で起きる事件を、シュルツ老人と助手の青年アランが解決していくお話。 特殊な設定で、面白い世界観。 シュルツとアランの本当の関係は、なんとなく予想できてしまった。 アランの死刑に至るまでの日々の描写が妙に生々しくて恐ろしくて良い。 で、そのアラン君を、助けにきた父。 その場面は感動的なんだけど、最後の最後の一行で、その感動が台無しになるくらいの大どんでん返し。 あ、そうきたかーって感じ。 正直、個人的にはあまり好みじゃなかった。 じゃあ、どうすれば面白かった?ってなると返答に困るんだけど。 そもそもあまりこの二人に感情移入できてないから、ハラハラしなかったんだよなーっていう。 後味悪い感じで終わるのか? いや、親父助けに来たぞ? あー普通の終わり方かー。 あれ、最後そういう感じ? みたいな ^^; ひどく冷静な読み方になってしまったのは、残念。 それ以前の個々の謎解きは面白かったです。
2投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
それぞれの短編は通勤にちょうど良い長さ、内容だった。 なかなかアラン・イシダの姿を想像しにくかったが、流れ的にはそうなんだろうなーと思った。とは言え、そこまでの結末とまでは思わず…楽しめた。
0投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集の形でありながら、一冊を通読したときに、あの出来事もすべてはこの結末のための伏線だったのだと明かされる。 アランが主人公の体裁ではあるが、その実、陰の首謀者は別の人物であった。 アランの生い立ちが語られる段階で、この人物が本当の父親なのだろうと推測できるが、その後の行動をみると、一見父親としての思いで動いているようにみえるものの、最後にそれも読者の勝手な思い込みで、利己的な動機であることが明らかになる。 本作をイヤミスとするのかどんでん返しや伏線系とするのか、はたまたそれ以外なのかは人によって変わるだろうけれど、一つ一つの話は決して読みにくいものではないので、あっという間に読み進められる。 その点において、本作はエンタメ小説でもあると言えるだろう。個人的には伊坂幸太郎のマリアビートルを読んだ時の感覚に似ている。(当然ながら話の内容が似ているわけではない)
1投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ世界中から集められた死刑囚を収監する終末監獄。両親を殺した罪で収監されたアランと、囚人の長老シュルツが監獄内で起きた事件を解いていく。 最終的にいい話で終わるかと思いきや、充分イヤミスだった…
1投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ世界各国の死刑囚が集まる特殊な監獄が舞台の連作短編集。 起こる事件も監獄内なので探偵役、犯人も全て監獄の中という限定状況が面白く、ラストの独白はエグい! 「魔王 シャヴォ・ドルマヤンの密室」「墓守ラクパ・ギャルポの誉れ」が良かった。
15投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ短編は物足りなさを感じる。しかしメインは予想を超えてきた。そういえばすっかり忘れていた。彼らは皆監獄の中だった。罪を犯した愚かな人たちだった。
1投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正直終盤までは驚きの少ない謎解きで退屈な作品だと思った。 終盤から主人公が監獄に入った経緯など生い立ちが明かされていき、面白くなるのだが父親が誰かは安易に分かってしまったので残念(事前に匂わせすぎだと思う) 唯一驚きをもらえたのはシュルツは好々爺になったかと思っていたが、最後までエゴの塊であり、 息子を脱獄をさせたのは救うためではなく自ら開発したウイルスの唯一のキャリアを世には放つためで(も?)あったこと 脱獄後に息子は発症したのかや、世界にウイルスが広がったのかという、「いったいどうなったんだ!?」とモヤモヤさせて心を離さないという点で、記憶に残り続ける作品になりそう
0投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログ本格ミステリ大賞受賞作人のことで手にしてみました。 読み始めは設定や登場人物名に惑わされつつ、短編で読み進めやすい。 キャラクターが分かってくると、こうなるのではという予想の斜め上をいかれる感じ。 最終章もしかり。砂時計の文学的な表現で、ちょっとこれまでとは違うぞという気にされてからの、ゾワっと… 映画で見た刑務所をイメージしながら読みました
1投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世界各国から死刑囚を引き取って収監するという特殊な監獄を舞台にした連作短編集。 やや奇想が過ぎるが、どの短編も面白く読めた。 ミステリで連作短編集だと、最後の短編が「それまでの短編をひっくるめてどんでん返し」というパターンのものがあるが、本作の最後の短編もその類。ただし「自分の子供を想う気持ち」の「自分の子供」という語句が、本作の主人公であるアランを指し示していないのがイヤミス的でゾクゾクするエンディングだった。
1投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ世界各国の死刑囚が収容されたジャリー·ミスタン終末刑務所が舞台である。親殺しの罪で収監されている日系アメリカ人アラン·イシダは、刑務所内で起こる様々な事件の真相を頭脳明晰な老囚人シュルツの助手となって解き明かす。それ自体も興味深いのだが、真実を知らされていないアランの実父に関する考察にも、それ以上にハラハラ・ドキドキさせられる。そして、最後の最後まで、さらにはその先まで気を抜けないのだった。
0投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ2024年11月30日、もう今年もあと1ヶ月となりました。今年の70冊目は、鳥飼否宇さんの「死と砂時計」でした。この作品は2016年の「第16回本格ミステリ大賞」受賞作品でもあります。 世界中から送り込まれた死刑囚を収容する中東の終末監獄で、「監獄の牢名主」と呼ばれる老人と、親殺しの罪で収監された青年が、あらゆる事件や不思議な出来事の真相を突き止めるという物語です。 私個人としてはちょっと不満というか、納得できない部分が有り、消化不良となった作品でした。私の想像力が貧しいことが原因ということは自覚しているつもりですが... それでも最後には全部ひっくり返されてしまうところは凄い! 久しぶりにブクログのダッシュボードを見たら、「ブクログ歴10年11ヶ月8日」と表示されてました。もう昔読んだ本の内容が思い出せないことが多く、もっと早くからレビューを残しておけば良かったと反省しています。記録や記憶を残すということは大事ですね。
8投稿日: 2024.11.30
powered by ブクログ何かで見て気になったから読み始めた作品なはずだけど、何がきっかけだったか思い出せない。 読み慣れない中東の世界観だったから始めは人物名や状況に戸惑ったけどすぐに慣れた。慣れてしまえば、読みやすく分かりやすいミステリーもの。 最後にゾクッとする。(そういう意味?!と)
9投稿日: 2024.11.09
powered by ブクログ死刑囚を収容する「ジャリーミスタン終末監獄」の中で起きる事件を描いた、連作短編ミステリー。 監獄を題材とした作品のため、探偵・助手・被害者・犯人が全員死刑囚という、異様なミステリー。この練り上げられた設定と魅力的な登場人物に脱帽した。また、本作のジャリーミスタン終末監獄は日本でなく海外にあるので、様々な人種が登場する。登場人物や専門用語もカタカナであることが多いのだが、読みやすさと独特な設定に引っ張られ、瞬く間に読み終えた。 考えてみれば作者の鳥飼否宇氏は日本人なので、日本人の私が読みやすいのは当然といえば当然なのだが、どうやら翻訳作品をあまり読まない私は、外国人の名前が出てきただけで小難しい話と思いがちなのかもしれない。 本作の探偵役は80歳の老囚であるトリスタン・シュルツ。監獄内最年長の彼は、助手のアラン・イシダと共に、その頭脳に信頼を寄せる獄卒長や看守長からの依頼を軽やかに解決してみせる。意外にもシュルツと役人たちの関係は良好で、死刑囚に推理の依頼をする獄卒長という構図は、くすっと笑わせてくれる不思議なユーモラスさを持っている。 死刑囚を監獄しているジャリーミスタン終末監獄は、勤労の時間を除けばかなりの自由が認められているのだが、獄中にいるのは死刑囚たちばかりのため日々争いが絶えない。そんな死刑囚たちも長老として一目置く存在がシュルツなのだ。私たち読者は語り部兼助手であるアラン・イシダの目線で、偉大な老囚探偵の活躍を目に焼き付けることになる。 格好良くて頼り甲斐のあるお爺ちゃん探偵。こんなの好きにならない理由がないじゃない! しかし、鮮やかな手際で事件を解決しているシュルツの姿を見ていると、「なぜこんな聡明なお爺ちゃんが死刑囚になってしまったんだ…?」と疑問を抱いていくだろう。 そして、最終章で描かれるシュルツの真実と、『死と砂時計』という本作のタイトルの意味。第3編『墓守ラクパ・ギャルポの誉れ』などでも砂時計は登場するが、まさかタイトルの意味がこうもじわじわ効いてくるとは…。 書店のポップに惹かれて購入したのだが、鳥飼氏の作品に出会えたことに感謝するばかり。奇抜な設定の裏に確かなミステリーらしさを感じた傑作。ぜひ読んで監獄生活に身を浸してほしい。
27投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ死刑囚を集めた監獄内で起きる怪事件を、探偵役の老人と助手役の若手という二人の囚人が解決していくミステリー小説。 形式的には6編からなる連作短編集となっている。 密閉された獄舎内でのあり得ない事件の謎解きで進められていくが、最終編で暴露される二人の囚人の真の姿と関係、意外な結末が想像を絶するものだった。まさに奇想天外な小説だ。 舞台となるのは世界各国から集められた死刑囚を収容するジャリーミスタン終末監獄。 親殺しの罪で収監されたアラン青年は〝監獄の牢名主〟と呼ばれるシュルツ老人と出会い、老人の助手となって監獄内の事件捜査に携わる。 死刑執行前夜に密室状態の独房で惨殺された囚人、人目につく満月の夜に脱獄した中国人囚人、退官間際に謎の死を遂げた監察官、男が一人もいない女子刑務所で身籠った女囚。摩訶不思議なそれらの真相をシュルツ老人が明晰な頭脳と洞察力で暴き出し、助手役のアランも次第に成長していく。 それだけでも十分楽しめるが、読者とすれば、著者が冒頭から含みを持たせたアランの親殺しの真偽が気になり、最後までやきもきさせられる。 囚人収容施設のキャパシティや維持管理費用、チベット仏教における鳥葬や五体投地というしきたり、胎児をどこから人として扱うかの宗教的な違い、チャウシェスク政権下でのルーマニアにおける生物兵器開発など、勉強になる要素も盛り込まれている。 しかし、ラストの展開は奇抜過ぎ、思い描いていたシュルツ老人の人間性が覆され複雑な心境になった。
3投稿日: 2024.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
紀伊國屋でゴリ押しされていたので買ってみた! 各事件は予想外の真相で面白かったのだけれど、最後の最後が胸糞であまり好きな作品ではなかった(笑) あと、シュルツが父親、首長が執行人というのも薄々わかったので驚きはなかった、、 ただ、舞台であるイスラムの国の特徴を織り交ぜたトリックなどは面白かった。
1投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログ24/06/29読了 2話目でやめようかと思いつつも最後まで読み切ってよかった。面白さはわかるけども、私にはハマらなかったかな。
2投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログ最初はいまいちかな、読んだらすぐ売ろう、と思ってたけど最後まで読んだら面白かった。 ある程度想像つくところもあったけどそれだけじゃなくて良かった。
2投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログ中東の小国、ジャリーミスタンに終末監獄と呼ばれる監獄がある。現代社会では、死刑執行に対する批判が大きく、多くの国では死刑囚がいても刑は執行しにくい。こうした死刑囚を一手に引き受けて、刑の執行を代行しましょう、というのがジャリーミスタン首長の目の付け所。いわば、死刑執行ビジネスである。処置に困った死刑囚を抱えた世界各国から、何某かの対価を得て死刑囚を引き取る。そして自国の監獄で刑に処するというわけである。ジャリーミスタンにも死刑反対論はあるが、何しろ小国で首長の力が強いため、力技でねじ伏せることが可能なのだ。 全収容者6000人の監獄には、ひっきりなしに死刑囚が来るが、同程度の数が処刑されているため、全数はほぼ同じに保たれている。 ここに新たに収容されたのが日系人のアラン・イシダ。両親殺しと放火の罪である。牢名主格の長老、ドイツ系ルーマニア人のシュルツが彼の面倒を見ることになる。 さて、このシュルツは知恵者で、獄卒や看守にも一目置かれている。終末監獄で起こるいくつかの事件がシュルツの元に持ち込まれ、そのたび、シュルツはなぜか目を掛けているアランを助手に事件を推理するという趣向である。 変わった舞台設定がよく生かされている。 翌日には処刑を控えている死刑囚が密室で殺された。これはなぜか。 逃亡不能と言われる終末監獄から、これまでにたった一人、逃亡を成功させた者がいた。彼を捕まえることは可能か。 もうすぐ退官する監察官が視察の途中に殺される。こんな大それたことをした犯人は誰か。 誰もが嫌がる墓守の仕事を淡々とこなしていた無口な男。彼が墓を暴いて遺体を冒涜しているという噂が流れる。それは本当か。本当ならばなぜそんなことをしたのか。 終末監獄には女囚棟もある。男はいっさいいない監獄で1年数か月過ごした女囚がなぜか妊娠したという。果たしてその真偽は。 いずれも「監獄」ならではの設定である。 そんなことありえないだろうと思うような変わった事件にもすぱっと鮮やかに回答が示されるところが見事。 シュルツとアランの師弟コンビも事件の解決を重ねて、絆を深めていく。 そして期待通り、物語はアラン自身の死刑の理由となった事件へと向かう。 ・・・個人的にはこの最終話がいただけない。ウイルスや生物兵器絡みなのだが、いくら何でも設定が雑だと思う。この最終話が別の展開なら、☆4つつけたかもしれない。この辺りは好みもあろうか。 ちょっと変わった設定のミステリとして楽しめると思う。
8投稿日: 2023.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的に超気に入った作品、主人公の人生を諦めていたところから希望を見出す流れ。のはずが、最後の最後にひっくり返された。くそ親父この野郎!ってなったのが痛快だった。
2投稿日: 2023.05.13
powered by ブクログ世界各国から集められた死刑囚を収容する監獄を舞台にした連作長編ミステリ。 こういう特殊ミステリは設定がぶっ飛んでた方が好きなので楽しめました! あとラストええ話やなぁって思って読んでたらエピローグでずっこけた(褒めてます)
4投稿日: 2023.04.25
powered by ブクログ砂漠の国ジャリーミスタンは他国から死刑囚を預かり、代わりに処刑することで外貨を獲得してきた。 死刑囚が集う終末監獄で不可解な事件に遭遇する青年と老人。 何故死刑執行前夜に殺されなければならなかったのか、何故態々不利なタイミングで脱獄を企てたのか、死に限りなく近い閉鎖状況下で起こる事件は常識に則っては解決しない・・・。 終末監獄を舞台にした連作短編集。 随所に逆説が施され、犯人の起した迂遠的な手法に迫る。 そして最後を締めくくるエピソードは予想もしえない終結を迎えるのだった。
1投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログ各国から死刑囚ばかりが集められた刑務所で起こる、奇妙な事件の数々を描いた連作長編ミステリ。この設定ならではの奇妙な事件の数々と、動機の謎が最大の読みどころだったと思います。 特に面白かったのは、連作の最初を飾る「魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室」 捕まる前は奇術師として、活躍していたシャヴォ。彼ともう一人同じ日に刑を執行される男が、共に執行前日に密室だったはずの独房で死体となって発見される。その謎を老囚シュルツと、その助手に指名されたアランが解き明かします。 「英雄チャン・ウェイツの失踪」では、脱獄不可能と言われる監獄から唯一脱走に成功した男の脱走手段を推理する話。なぜ男は月明りで照らされる満月にあえて脱走したのか、その動機が事件のカギを握ります。 特殊設定のミステリは近年かなり増えつつある印象だけど、この作品も本格ミステリのために作られた終末監獄という設定が、存分に活かされていて面白い。世界中から集められた死刑囚、システム面、そして人的な面という二つの監視システム。 その設定ならではの動機であったり、トリックであったり、ロジックであったり。本格ミステリのために作られた舞台設定が、本格ミステリの面白さをより際立たせます。 自分が埋めた死体を掘り返し解体した男、女しかいない監獄の女性区域で妊娠したという女囚。終末監獄で起こる不可思議な事件の最後を飾るのは、語り手でワトソン役だったアランの過去。 ワールドワイドになっていく物語の展開に、なんとも言い難い読後感を残すラストと、最後までこの設定ならではのストーリーが展開されていきます。 閉鎖された環境が舞台な分、人間関係がやや作為的すぎるように感じるところもあったのですが、この設定ならではの本格ミステリで各話楽しめました。 第16回本格ミステリ大賞
11投稿日: 2021.02.16
powered by ブクログこういったタイプの結末が嫌いなわけでもないけれど、この本は自分の好みにははまらなかった。 振り返ってみても、決定的な原因はなく、舞台設定、トリック、ハプニング、動機等に対する細かい好みのズレの積み重ねなのだろうと思う。
0投稿日: 2020.12.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
目次 ・魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室 ・英雄チェン・ウェイツの失踪 ・監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦(とうかい) ・墓守ラクパ・ギャルポの誉れ ・女囚マリア・スコフィールドの懐胎 ・確定囚アラン・イシダの真実 各事件の一つ一つが面白いのだけれども、最後まで読んだらとてもじゃないけどその面白さは比べものにならない。 最後のアラン・イシダの真実を読んで、やっぱりねって思ったあさはかな自分を笑ってやりたい。 そうかそうか、最初に感じた違和感の正体はここに繋がるのか。 どんでん返しの妙といい、障害を持つ人への逆説的視点といい、以前に読んだ「激走!福岡国際マラソン42.195キロの謎」を彷彿とさせるなあ。 なんて、のんきに思ってたんだよ、最後の最後まで。 読後感、全然違いますやん。 ゾゾ~っとしたわ。 で、改めて本を手に取り、タイトルと表紙絵がストレートに作品を表現していたことに気づく。 騙される快感。 やっぱり上手いなあ、鳥飼否宇。
2投稿日: 2020.08.24
powered by ブクログ終末監獄っていう特殊設定が面白い連作短編集。 各話のホワイダニットもまた興味深い。 ラストですべての予想を裏切るっていうの、あながち間違いじゃない。 最終話で「あーやっぱりそんな気がしたわー」と思って読んでたら、最後の最後で「えっ」ってなった。
1投稿日: 2020.06.17
powered by ブクログおおうそうきたか?!っていう面白さはあったかな。まあでもそもそも舞台がファンタジーで、だから動機もファンタジー。説得力に欠けた感じ。
0投稿日: 2019.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世界中から死刑囚のみが集められた終末監獄を舞台に、そこで起こった不可思議な事件を老囚人と助手の青年が解き明かす連作。事件の舞台も、ひとつひとつの事件の内容も設定がすごいとしか言いようがない。さらに最終話では大きな秘密が暴露され、なんというか、科学者とテロリストの狂気を心底感じて怖ろしくなりました。最後の一行のどんでん返しコワイ…!!
2投稿日: 2019.05.17
powered by ブクログ設定が突飛で面白かった。最終章は、ちょっと展開が読めてしまうというか何と言うか。悪くは無いんだけど。
0投稿日: 2019.04.04
powered by ブクログ死刑囚ばかり集められた監獄を舞台にした短編集。不思議な特殊な環境で起こる事件を、名探偵のような老人が少ない情報から解き明かしてゆく、安楽椅子探偵の物語。奇抜なトリックに重きを置きすぎているような感じはあるが、今まで見たこともないような設定はなかなか面白い。
0投稿日: 2018.09.10
powered by ブクログ【砂も時間も戻せない】 中のタイトルをみて、読み始めて、なんだかブラウン神父の雰囲気と思っていたら、やはり意識されているそうな。 ラストもゾクッとしてグッド。
0投稿日: 2018.08.13
powered by ブクログバカミスというほどではないがどこかリアリティの希薄な数々の謎が、終末監獄という不思議な舞台の雰囲気をより色濃くしている。 死刑囚たちの日常の謎、数々の何故?には 死刑囚たちには他人事と断じきれない狂気と死の気配が漂う。 そして一番狂っていた、衝撃的なラスト二行。
0投稿日: 2018.07.07
powered by ブクログどの話もすごいなぁ、面白いなぁと思うのだけれど、表紙とかタイトルでイメージした雰囲気と違ってなんとなく読むのに時間がかかってしまった。 そしてこの話の最後がこれかぁ、とちょっとしょんぼりしたけど、最後の最後にやられてしまった。面白かった…。 最後はとても好き。
0投稿日: 2017.12.19
powered by ブクログ架空の国の監獄内で起こる様々な事件が描かれた短編集。それぞれの短編集の出来も良くテンポよく読める。ハズレがほぼないと言っていい短編集。
1投稿日: 2017.11.22
powered by ブクログ設定や序盤の引き込み方、雰囲気などは好きなのだけど、推理パートが弱い印象… 最後の最後、終わり方は好きだった!
0投稿日: 2017.09.25
powered by ブクログ本格ミステリ大賞受賞作にしては冴えない。閉鎖的な舞台ならではの謎を用意したのはいいが、真相は透け透けなものか、面白味に欠けるものばかり。一番良かったのが、第1話のワトソンのダミー推理というのが悲しい。
2投稿日: 2017.08.09
powered by ブクログ終末監獄で起こる様々な謎を師匠のシュルツと共に解き明かす日本人の血を引くアラン青年。彼らもこの監獄に収監されていて、行動も自由とはいかないなかなで、推理を巡らせる。 そして、衝撃のラストへ。
1投稿日: 2017.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
てがたい短編連作かなーと安心感をもって読み進めていたので、最後の一行でぞくっときたし、思わずアランの年齢を確かめた。彼は三十歳ぐらいだと書かれていた。まもなく潜伏期間が過ぎるのか…。
0投稿日: 2017.07.24
powered by ブクログ第16回(2016年)本格ミステリ大賞受賞作。 世界各国から死刑囚を受け入れ、死刑執行を執り行うジャリーミスタン終末監獄。 そこへ新しく収監された若者アランと、棟長であるシュルツ老人が、監獄内で起こる数々の事件を解決していく、という連作短編。 読み進めていく内に、登場人物に愛着(?)が湧いてきたり。 そして、最終話。 悲しくも美しい物語で終了かと思いきや。 まさかのエピローグ。 えええぇぇ!! そっちーっ!? ・・・みたいな(笑)。
1投稿日: 2017.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵とその助手が、日々舞い込んでくる日常の謎を軽妙に解決していく連作集、と言ってしまえばそれまでだが、この作品では、その舞台は中東にある架空の首長国に造られた死刑囚専用の監獄で、探偵役すらも死刑囚である、という設えがまず読者の興味を惹くから上手い。 実際、各小話のレヴェルは決して粒揃いとは言えないと思うが、限りなくヘヴィでシリアスな状況に置かれた登場人物たちが、いささかバカバカしくもあるライトな謎に取り組んでいくミスマッチぶりがなかなか面白い。 最終話、比較的早めに真相の骨子は予見可能で、ややダークな結末もまあ没個性的と言えるのかもしれないが、あの後味の悪い締めは嫌いじゃなかったりする。
2投稿日: 2017.06.18
powered by ブクログ手堅い。そして読み終わって反芻しているうち、タイトルに持たせた意味がジワジワくる。 連作短編集と銘打ってあるので、鍛えられた我々ミステリ読者は「だいぶ連作ミステリにも飽きてきた。で、これにはラストに向けてどんな芯が通されているのかな?」と用心しながら読み進めますが、……あああ。あぁ。あぁ。(あまり細かく書くとこれから読む人の興醒めになるのでココまで!)
3投稿日: 2017.05.27
powered by ブクログ終末監獄という特殊な状況下だからこそ生まれる特殊なwhy 。興味を惹かれる謎に加えて、持ち上げて落とすエピローグの演出も心憎い。
2投稿日: 2017.05.17
