
総合評価
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powered by ブクログ今回の案内役は弥蔵さん坂の途中で甘酒を売る。幕末期幕府側で戦った出身たぶん会津藩、見廻組かそのへんか。/パターンは弥蔵利吉の会話から次に弥蔵と客の会話で最後に客と弔堂。/一人目は徳富蘇峰悩みあり。/二人目は岡本綺堂合理を好む。/三人目宮武外骨重き荷を軽快に持つ。/四人目は竹久夢二揺れている。/五人目は寺田寅彦謎解きたい/六人目齋藤一正義為す(だけこの章弥蔵の回)/それぞれのその後は弥蔵「知ったことじゃない」。 〔感想〕今回の案内役の弥蔵さんこれまでになくキャラ立っている。/今回の挿絵は鳥で美しい。 岡本綺堂《非合理を見るために――合理を求めていると云うことですかな》p.176 宮武外骨《でもね、強くはないが簡単には折れぬ。折れずにいられるのは、まあ、どんな時も下世話に巫山戯ることが出来るからなんですなあ》o.234 弥蔵《ただ、いい加減な在り方をなくすことと無駄をなくすことが同義かと問われれば、それも違うような気もする。》p.265 弥蔵《どれだけ正しかったのだとしても、間違ったことをしたのだと思う。どんな大義名分があろうと殺し合うことは間違いなのだ。》p.290 寺田寅彦《理学と云うのは先に進むものではなくその場で足踏みしているようなものなんですよ》p.388 弥蔵によると弔堂の存在は《だからよ。樹だの草だの。山だの、そう云うもんの理屈だよ》p.408 利吉《情けってのはね、掛けられた方が拒める類いのものじゃないんだよ。》p.447 利吉《異国を憎む心のことを愛国心と云うんですかね。なら、あたしにはないのかもしれない。》p.452 弔堂《一日でも先は先。ですから貴方様が見るべき夢は、懐かしき昔の夢。悪夢の蓋を除けて、懐かしい、愛おしいものを夢に見る――そう、夢に見るが宜しかろうかと存じます》p.511 ■弔堂についての簡単な単語集 【あの世】弔堂《あの世とは、即ちこの世に生きる人、凡ての中にあるものなのでございます。生きている人の数だけ、それはございます。その中にあるものこそが魂ではごじいますまいか》炎昼p.480。 【イネ子】松岡國男の想い人。 【井上】「方便」の客。若いが哲學館における矢作剣之進の師匠。《大真面目に酔狂なことをなさる方なのだ。》p.202。「不思議研究会」という集まりに参加している。矢作とはその関係で知り合った。「妖怪研究会」も立ち上げた。ここまでくると井上圓了さんのことやろうと見当がつく。先入観にとらわれずものごとの判断をしようとするタイプ。博覧強記。 【巖谷小波】「闕如」の客。この時点では二十歳過ぎくらいで、少年と青年が入り交じったような風貌だが既に風格がある。個人的にはごく最近読んだ『横田順彌明治小説コレクション』の主人公格の押川春浪を取り立てた人物として描かれていたかと。どうも読んだ本の登場人物やできごとが連続することがよくあります。 【嘘】《嘘吐きを止めさせるための嘘というのは、嘘に勘定されないのでしょうか。》炎昼p.184 【岡本綺堂】利吉といっしょに鰻を食った。 【御伽草子】享保年間に刊行された。版元は渋川清右衛門。巖谷小波に。 【解體新書】『重訂解體新書』。杉田玄白が訳した元の版は誤訳も多かったので弟子の大槻玄澤が訳し直したもの。岡田以蔵に売った。 【畫圖百鬼夜行】弔堂が井上圓了に勧めた。《ないと識って尚、あるように振る舞う――この国にはそうしと文化があったのです。それは、この国の良いところ、残すべき在り方だと私は思いまする。》破曉p.252 【勝海舟】弔堂と知り合いらしい。この時点で立場としては枢密顧問官。伝法な物の言い方をする。弔堂には度々来店してるがまだ一度も本を買ってくれたことがない。《正しくても金は掛かるんだ。》破曉p.220。《敵は多い方が面白くて良い》破曉p.288 【芸術】弔堂が熱弁する。《芸術は決して自己の表現などではございません。そんな、独り善がりなものではないのでございます。artは観る者聴く者の中に立ち上がるものなのです。芸術的価値は第三者が付けるもの。創った者が値踏みできるようなものではございません》炎昼p.164。自分のことを自分でアーティストと呼ぶ人を見て、なんや恥ずかしい人やなあとかずっと思ってたんやけど、こういうことかもね。 【源三】道で途方に暮れているところに塔子が出会った五〇過ぎの軍人で泣き言を連発した。昔から泣き虫で「なきと」(泣人?)と名乗った。弔堂に連れて行くと主人の古い知り合いだった。誰だかはすぐ察せられると思うので書いとくと乃木希典さん。 【心】《心は、現世(うつしよ)にはない。ないからと云って、こころがない訳ではない。心はございます。ないけれど、あるのです》破曉p.477。《ないと知らねば、あることが示せないのでございますよ》破曉p.478 【言葉】《ないものをあるように見せ掛けるのが言葉でございましょうよ》《ですから、凡ての言葉は呪文。凡ての文字は呪符。凡ての書物は経典であり祝詞でございますよ。》p.478。《虚実は常に半半でございます。そしてその半分――嘘の部分は言葉で出来ているのでございます。》p.480 【The Odd Number】ここではモーリアックの作品を英訳したものの題名だと思われる。弔堂で購入した上田敏から借りた松岡から借りた田山花袋が自分も欲しがった。國木田独歩も読みたがった。 【時代】明治に、なって二十五年とある。ごく最近読んだ『横田順彌明治小説コレクション』の少し前になると思われ共通する名前が出てくる。 【渋川春海】大和暦を作った。それにより陰陽師の重要度が減った。 【撓★/しほる】弔堂の丁稚。美童。《お迷いになるだけでござんす》(p.25) 【宗教】中禅寺輔《どんな看板を挙げても変わらない何かを、この国の人人は信仰している》破曉p.455 【宗教的経験の諸相】うゐりあむ・ぜーむず著。弔堂が秋山武右衛門に売った本と同内容なのかもしれない? 【修行】《常に到着していると云うことです。修行は目的のための手段ではなく、手段である修行こそが目的と云う意味でございます》破曉p.159 【呪法】弔堂は、語りは呪文、文は呪符、聞くことや読むことは呪法だと言う。 【小説】弔堂《小説に誤読はございません》炎昼p.219 【書生】「発心」の客。尾崎紅葉の書生。金沢出身とのことなので泉鏡花かと思われる。畠芋之助のペンネームもときおり使っている。 【信仰】弔堂《信仰は、人を生き易くするためにあるのでございます。嘘だろうが間違いだろうが、信じることで生き易くなるのであれば、それで良いのでございます。》炎昼p.487 【人生に一冊の本】弔堂主人は本は人生に一冊あればよいという。でも、他者に売る書店という形であれ、あれだけ本を集めている人の言うことではないという気もする。それに、一冊だけの本を見つけるためにはたぶん何千冊も読まないとアカンやろうとも思う。 【菅沼美音子/すがぬま・みねこ】塔子の友人。医師の娘。明治女學校で荻野吟子の影響を受ける。性理学、心理学に興味がある。 【菅丘李山/すげおか・りざん】戯作者。正体不明。中禅寺輔の蔵書の多くは彼の集めたものだった。『巷談百物語』の山岡百介のことらしい。 【杉村義衛】新選組の隊士だった永倉新八のことと思われる。日記を書いていたらしい。北海道に行った。 【セリマン】書店が自分とこで扱っていない本を客の注文に従ってあちこちからかき集めること。主に丁稚の仕事。斧塚書店の為三によると、面倒な注文があると弔堂に来るのだとか。青年倶楽部の久田鬼石に弔堂のことを聞いたそうだ。 【戦争】《仮令一人でも二人でも、兵が死んだなら、それは負けなのです。》炎昼p.415 【添田平吉】弔堂の客。演歌師。 【体験】《神秘玄妙の体験は、如何なる理にも勝ってしまうことがありましょう。》破曉p.71 【高遠彬★/たかとお・あきら】第一巻の案内役。三十代。旗本の家の出で、財産はそこそこある。暇はたくさんある。療養のつもりで妻と娘とは離れて暮らすようになり、特に病気でもなかったがそのままでいる。何もせずただぶらぶらしている。《まあ、こう云っちゃあ何だが、僕は多分、この明治の御世で一番役に立たない腑抜けだと云う自覚がある。》破曉p.351。《僕は何の当てもなく、無為に逃げ回っている駄目な男なんですよ。何から逃げているのかも判然としない。》破曉p.465。 【田中稲城】帝國図書館館長。弔堂の顧客のようだ。 【田山録彌】詩人。たぶん田山花袋のことだと思われる。松岡からは「録さん」と呼ばれている。《僕にとって、僕の視点というのは固定されているのだ。》炎昼p.42。ゾラを勧められる。 【中禅寺輔/ちゅうぜんじ・たすく】武蔵晴明社の宮司。この著者でこの苗字なのだから京極堂の祖父あたりだと思われる? 神社を嗣ぐつもりはなく小学校の教師をしていたが、父(陰陽師だった)が倒れ体が不自由になったので戻ってきて約一年を経たところ。輔が引き取ってほしいと言った中から弔堂は『武蔵晴明神社社縁起』『金烏玉兎集』『占事略決』を残した。 【中禅寺輔の父】洲斎。陰陽師。《神霊妖物は此の世のものに非ず》《それを知る者のみが、それを操ることが出来ると》破曉p.466。《操ること、即ち使役されることである》p.467 【中禅寺輔の息子】神父になって辺境に赴いた。 【土御門晴雄/つちみかど・はれたけ】維新時の陰陽頭。安倍晴明の子孫と思われる。太陰太陽暦の継続を主張したが受け入れられずグレゴリオ太陽暦が導入された。 【塔子★】第二巻「炎昼」の案内役。田山と松岡が出会った女性。蓮の花はお菓子のようで、芙蓉の花はお化けのようだと思っている。炎昼のラストで天馬塔子という名だとわかる。 【徳富蘇峰】客。平和主義だったはずなのに戦争推進派に変節したと言われて人心が離れている。 【弔堂★】《売るのが供養でございます》破曉p.44。元は主人が自分の一冊を探すために手に入れた本だったが大量に集まってしまい死蔵しているのではいけないと考え売って供養とすることにしたらしい。《何を頼まれようと、ここには本しかないのですから、私は本をお売りするだけです》破曉p.225。巖谷小波《博物とは、正にこの有り様ではないですか。》破曉p.387。 【弔堂主人★】元は僧侶なんだとか。還俗まえは龍典と言ったようだ。三十そこそこくらいの若さに見えるが年齢不詳。博覧強記。《ただ読むだけの人間でございます》破曉p.153。 【とりすとらむ・しゃんでー伝及びその意見】ろーれんす・すたーん著。弔堂が高遠に勧めた本。《諧謔と悪戯に満ちた、虚構です。》破曉p.493。未完だが、未完であることが重要かもしれない本。本来夏目漱石のために取り寄せたものらしい。岩波文庫版の『トリストラム・シャンディ』は読んだことあります。 【中濱】中濱ともうひとりの連れが、「贖罪」の客。高遠が鰻屋で出会った老人。黒いイメージの連れがいる。元漁師で武士に取り立てられたようなのでジョン万次郎のことだろう。榎本武揚と知り合い。影のような男の方は土佐出身の暗殺者と思われるので岡田以蔵か? 【夏目金之助】後の夏目漱石。 【猫】《無為な生き物なのである。》破曉p.367。高遠は自分と同じものを猫に見るが…。《猫は江戸の頃から猫で、多分これからもずっと猫である。》p.441 【ハル】平塚明。ついに出ました平塚らいてうさん。塔子が時計草を眺めているとき声をかけてきた少女。悪いもの「が」嫌いと言う。女子高等師範學校附属高等女學校の生徒なので塔子の後輩と言える。弔堂に連れて行った。 【福澤諭吉】勝海舟とは反発しあっているが認め合っているようでもある。《何かと云うと俺を目の敵にしやがるからいけ好かねえが、まあ中中の策士だし、してるこたあ立派だ。》破曉p.219 【福來友吉/ふくらい・ともきち】松岡國男が弔堂に連れてきた。超能力関係ではよく出てくる名前の人物。元良勇次郎(もとら・ゆうじろう)の東京帝國大學での教え子。メスメルの著書を買っていった。 【藤田五郎】『るろうに剣心』なんかで有名になった齋藤一のことと思われる。弥蔵はなんとなく見知っているような気がした。 【本】弔堂主人《本は墓のようなものです》破曉p.35。《凡ての本は、移ろい行く過去を封じ込めた、呪物でございます》破曉p.38。《ただ一冊、大切な大切な本を見つけられれば、その方は仕合わせでございます》破曉p.42。勝海舟《人に人は救えない、だが本は人を救うこともある》破曉p.285。巖谷小波《書物には、書いた者の想いが封じ込められています。同様に、読んだ者の時も封じ込めることが出来る。》破曉p.389。《文で書かれていることは普く真実ではございません。そこから真実を汲み出すのは、読む方でございます》破曉p.476 【松岡國男】詩人。たぶん柳田國男のことだと思われる。後の訳の題名だと、ハイネの『流刑の神々』とフレイザーの『金枝篇』を購入。個人的にはどちらも翻訳を読んだが金枝篇の方は興味深かった。 【夢酔】勝海舟の父。破天荒な人物だったらしい。 【娘義太夫】ほぼアイドル。親衛隊もいるようだ。なんとなく「銀魂」を想起した。 【無駄】弔堂主人《世に無駄はない、世を無駄にする者がいるだけだ》破曉p.25。 【森鷗外】巖谷小波の『こがね丸』に序文を寄せていた。《軍医でもあり翻訳も能くし、大層小難しいことを云う賢い人だと聞く。》破曉p.369 【弥蔵★】坂の途中で甘酒とふかし芋を売っている。第三巻「待宵」の案内役。幕末期には政府側の武士だったようだ。たぶん会津藩士で、見廻組メンバーあたりだった? 佐々木只三郎自身ではないと思うが坂本龍馬暗殺に関わっていたフシがある。ラストに出てきた本名は「堀田十郎」というものだった。 【矢作剣之進】元東京警察庁の警官。どこかで聞いた名前やと思ったら『後巷説百物語』の登場人物やったかと。一白翁(山岡百介)のところに出入りしていた若者の一人。怪しい事件を次々と解決に導いたとされていて「不思議巡査」の異名を持つ。現在「哲學館」で学ぶ老学生。 【山倉】高遠の友人で、高遠が勤めていた煙草製造販売会社の創業者。武家の商法だったので競争に勝てなかった。 【幽霊】この時代にはまだ幽霊という言葉は一般的ではなかったような感じ? なんでもお化けでくくっていた? 弔堂《幽霊を視るのは錯覚迷妄かもしれませぬが、幽霊を視せるのは文化でございましょう。》炎昼p.484。《怖いが先でございます。幽霊が先ではございません》炎昼p.496。《私達は本来、知っている人の幽霊しか視られないのです》炎昼p.498。 【吉岡米次郎】「臨終」の客。脚気&精神を病んでいる大男。働きたいのに働けずもうすぐお迎えが来ると思われるのでそのときまで読む本を探しに来た。実は画家の… 【読む】《この楼の中では百年前も千年前も――同じ。読めば、今です》破曉p.167 【利吉】鶴田利吉。弥蔵の話し相手(弥蔵の方は特に話をしたいわけではない)。遊び人でも高等遊民でも書生でもないがフラフラ暇そうにしている。文章を書く仕事をしたいようだが…。浅慮で軽はずみだが行動力はありお人好しでもある。 【龍典/りょうてん】→弔堂主人
0投稿日: 2025.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
目次 ・史乗(徳富蘇峰) ・統御(岡本綺堂) ・滑稽(宮武外骨) ・幽冥(竹久夢二) ・予兆(寺田寅彦) ・改良(斎藤一) 目次の後の括弧書きは、弔堂が本を売った相手。 ただし、寺田寅彦が弔堂に依頼したのは斎藤一が探していた本であり、最終話では斎藤一本人が弔堂に来るが、話の主人公としては斎藤ではなくこの本の語り手であった弥蔵こと堀田十郎である。 後々の自分のために記しておく。 明治三十五年となり江戸は遠くなってしまったが、今回の語り手は甘酒屋の弥蔵。 幕末に人を殺すことを生業としていたようであり、積極的に死を望んでいるわけではないが、生きることに禁欲的な生活をしている。 狂言回しは近所の酒屋の次男坊で、高等遊民(絶賛就活中)の利吉。 利吉は操觚者(そうこしゃ・新聞や雑誌の記者や編集者)になりたいと思っていくつか会社を受けてみたり、いろんな仕事を試してみるのだが、どれも長続きしないのだ。 しかし、物おじせず、チャンスをつかんで成功したいと思っているので、思わぬ有名人が利吉との絡みでお間酒屋にやってきては、弥蔵に書楼弔堂へ連れて行ってもらうことになる。 私は弥蔵の正体は新撰組の誰かなのではないかと思いながら読んでいた。 特に、そのストイックな生活ぶりから斎藤一?とも思ったのだけど、彼が甘酒屋だったことはないと思い、誰かなーとずっと思っていたのだが。 作中では日露戦争を控え、世の中は浮足立っているようでもある。 弥蔵は、どんな大義名分があろうと、殺しはいけないと心の中で常に思っている。 幕末からこっち、自分の心と折り合いがつけられていないのである。 人を殺してきた自分を、恨みがあるわけでもない相手を殺した自分を、許すことができないのだ。 ”勝つためにゃ殺さなくちゃいけねぇ。負けたなら、死ぬんだぜ。いいや負けたら国を取られるんじゃねえか。(中略)戦争ってな、平民の命とこの国の地べたをカタにした、博打みてぇなものじゃないのかい” 自分の国のことはもちろん大切だ。 しかし、愛国とは何だ。 異国を敵視することが愛国なのか。 なら、自分は愛国者ではない。 家族を捨て、思い出を捨て、過去に蓋をしながら過去に囚われ続ける弥蔵。 新撰組隊士として、苛烈な戦いを続けた斎藤一が、戦後一市民として生きてきたようには生きられなかった弥蔵。 彼が抱え続けた闇は、最後にその姿を現すのだが、ちょっとびっくりでしたわ。 あと、永倉新八の話が出てくるのは、作者が小樽出身ということでサービス出演だったのでしょうか。 前巻の最後に亡くなったことが明らかにされた勝先生が、相変わらず人々の口にのぼるのが嬉しい。
0投稿日: 2025.07.24
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★4.5。 うーーん、良かった!終盤、弥蔵の畳み掛け方がヒトでなしのラストのようというか、絶妙な緊張感があって良かったなぁ。途中まで弥蔵さんは新選組だと思ってたし、なんだったら斎藤一か??とかも思ってたけど、ある意味時代の立役者でもあり、名も無き人殺しでもあるってその立ち位置が、いやーうん、好きだなー。斎藤さんがサクッと出てきたのは新選組オタとしては非常に嬉しい。ヒトごろしとのリンクも勝手に感じちゃうしね。龍馬暗殺の当たりとかどんな感じで書かれてたっけかな。 2冊目の炎昼の塔子さん視点が割とたるくて読みづらかったんだけど、弥蔵さんは読み進めやすかったな。ちらっと出てくる松岡さんもとい柳田さんにはにやっとしちゃったな。利吉には大泉洋みを感じたしいいキャラだからまた出て欲しい!龍典さんの武家疑惑とか出てきてたし、続きも楽しみだなー。でも暁→昼→宵ってなってるから、次夜とかでラストなんだろうか。寂しい反面、そろそろ鵺何とかしてくれ感もあるが笑
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログやっぱり京極夏彦すきだ。文豪とか偉人とか出てくるミステリ好きなのだ。 この明治維新からほんの少し、という時期が良い。弔堂の主が魅力的なんだけれど、あんまり具体的な描写がないのもまた良い。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログ失われていくもの 木版や昔の言語や文化の消滅。発見を永久に残すための方法が語られてて。この世から消えても、ちゃんと引き継がれてゆくものなんだなと実感させてくれる内容だった。 弔堂を見続けてきたせいか、火事って話が出てきた時はとてもショックだった。お気に入りになりすぎだ!
0投稿日: 2025.04.21
powered by ブクログシリーズ3作目。 今回の語り手は弔堂に行く途中の坂で甘酒屋をやっている老爺の弥蔵さん。 岡本綺堂、竹久夢二、斎藤一など、今回も有名な歴史上の人物たちが出てくる。 淡々としているけれど救われたような気持ちにもなる話。 装画が私の好きなビアズリーだったのも嬉しかった。
0投稿日: 2025.04.18
powered by ブクログシリーズ第三弾ですが、漫才みたいなやり取りがありその話しに出てきた歴史上の偉人が登場し、弔堂に向かい…というパターンですが、普通に面白いし、ラストがそこへ行くの!ってびっくりしました。 2777冊 今年5冊目
0投稿日: 2025.01.04
powered by ブクログ本屋に行って帰るだけシリーズ第3弾。 明治30年代後半が舞台。実在した歴史上の人物が登場する。 本当に本屋に行くだけの小説なのだけど、それでも面白い。 歴史ものの新しい形だと思う。
0投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログ相変わらず歴史から物理まで幅広い会話が進み、また今回は憑き物落としの感もあり楽しく読む事が出来ました。 そして、最後の龍馬に繋がる流れには驚かされます。ここは是非読んでお楽しみ下さい。
0投稿日: 2024.04.11
powered by ブクログ箸休めにサクッと読んだ。 毎回思うけど、読む度に弔堂へ行きたくなる。 人は自分の人生のある部分に後悔し、それについて抱え込むように悩み、苦しむ。 人間の業でもあり当然だと思うけど、今回はより強くそこにスポットを当てているように感じた。 どう向き合って解消し、消化して、また新たな明るい方向へ己の人生の舵を切るか? 辛く苦しい時に読むとより共感性を帯びる優しい一冊。 次の新刊も楽しみです。
5投稿日: 2024.03.19
powered by ブクログ明治30年代、不味い甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやってきます。 坂の下の鰻屋に、徳富蘇峰が来て本屋を探していると。 甘酒屋のある坂を上った先に、あらゆる本が揃うという書舗があるらしい、名を “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。 徳富蘇峰、岡本綺堂、竹久夢二など、迷える者達が、自らの一冊を求めて訪れる。 「扠、本日はどのようなご本をご所望でしょう――」 6年ぶりのシリーズ第3弾。 前作も、今作も、時代考証、人物像などが丁寧に描かれています。 すごい作品です。
0投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログ今回も有名人が続々と登場!(o゚Д゚ノ)ノ訳ありな雰囲気が漂う甘酒屋の爺と利吉(常連客?)の掛け合いから始まり、本を求める客(←これが有名人)を爺が弔堂へ案内するというパターンが怪し過ぎて好き(* ̄∇ ̄*)そして最後には爺の正体が明らかに!(;゜0゜)弔堂の主人と小僧は全然年をとっていなさそうだから、現代でも出会えるかも?
0投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
甘味屋の主人の物語で弔堂の通り道にお店があるためなかなか辿り着けない人達の道案内をする道中の会話が主になっている。 なのでテンポよく進むため今までのように随所に疑問がなく益々意味不明の会話になる。 そして弔堂は後半の数ページしか書かれていないので自分にとっては残念。 甘味屋の主人が坂本龍馬を暗殺し、その事でずっと悩んで世捨て人ごとく生きる価値がない、 罪を贖うために死ぬ事も富むことも許さないと思っている事を何十年も秘め、やっと告白する事ができた。あと何年も生きていられない、もしかしたら告白できた安堵で亡くなったかも知れないし、自分の名前を取り戻して弔堂から一生本を受け取ったかも知れない。どちらにせよ幸せに亡くなってほしい。 内容とは関係ないが大江健三郎の特集をテレビでみる。 大江氏の作品を読んで人生が変わったという人たちの本はぼろぼろになっていて何度も何度も読み込んでいた。これが一生本なのだと羨ましく思う。 美容院を営んでいるひとり親家庭の息子は障害を持っていて同じ行動しか取れず時間がかかり息子が施設から帰る時間は予約は取らない事にしている。息子中心でしかも父親が育てている。自分の時間が取れないし、無償の愛。 大江氏の作品に出てくる障害を持った人の小説を読み込んでいる。 私にも読み込むほどの人生が変わる一冊が見つかるといい、というか、本当にあるんだって改めて分かった特集と、この本。
0投稿日: 2023.12.02
powered by ブクログ前2作はもっと読み応えあった印象だが、こちらは鵼同様あっさり味。 自分のことを語ろうとしなかった弥蔵がついに過去を語り、そこから生まれた疑問をぶつけたのに、さらりと流して「そんなことじゃなくこっちが本質でしょ」と個人的な問題にすり替えられてしまったのがなんとも残念。
0投稿日: 2023.10.18
powered by ブクログ書楼弔堂シリーズ第3弾。 今回は甘酒屋の弥蔵が客引き&語り手・聞き手として、徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、竹久夢二、寺田虎彦、斎藤一と永倉新八、そして自ら(堀田十郎)のエピソードが明かされる。 探書の一冊による憑き物落としもやはり面白い。 23-18
1投稿日: 2023.09.18
powered by ブクログあれ?読んだことある?と思ったら、前回期限内に読み切れず1度返却をしていました。 今回の語り部は弥蔵さんという元人斬りが、文明開花に取り残され寿命を待つと言いながらも、弔堂と関わる中で、徐々に心を開いていっています。 その都度の登場人物は歴史に名を残している御仁ばかりで、Wikipediaでついつい調べながら読んでいました。 前作と空いているので定かではないのですが、弔堂と客が長く対話するスタイルはではなく、弥蔵が弔堂に案内する前に色々と話を聞いている感じで、少し弔堂の影が薄い感じでした。 それにしても、しほる君も弔堂も年齢不詳です。 次作はまた期間が空いてしまうと思うと待ち遠しいです。
26投稿日: 2023.09.16
powered by ブクログ京極作品の中でも好きなシリーズの1つ 今回は弥蔵という人物を主人公に仕立てて 幕末から明治にかけての出来事を物語に仕上げている 弔堂はいつもより出番が少なかったように思うが また違った味に仕上がってて 違う角度から楽しめました
1投稿日: 2023.09.13
powered by ブクログ2023/09/03読了 #京極夏彦作品 明治初期時代小説。シリーズ第3弾。 古今東西あらゆる書物が揃う「弔堂」。 店主が訪問者と"本当に必要な1冊"を 結ぶストーリー。 登場人物は史上の有名人ばかり。 歴史の陰に弔堂あり? 短編で割と淡々と話が進む。 ディープなイメージで少し敬遠してた 京極夏彦だが、意外と文体が読みやすく 他の作品も挑戦してみようかな。
16投稿日: 2023.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今までなら、利吉が語り手になっていたと思う。でも、今回は利吉→弥蔵→弔堂で、語り手は弥蔵。 弥蔵は、明らかに「何者でもないもの」ではなくて、誰…弥蔵さん誰なの…と気になって気になって…他の人のはなしがいまいち頭に入らず。もう一回読もうかな… 最後の弥蔵のはなし、「改めなくちゃ、良くならねえ」という言葉が刺さって泣いた。 改良…改めて良くすること。間違っていたから、改めなくちゃならない。改良、改善。たしかに、毎日何かをより良くしなきゃならないと、聞かされている気がする。「いま」を、全部間違いだと否定している気がする。その先には何があるんだろう。 弥蔵の一冊はないまま終わった。終わり方としてはちょっと物足りない…
1投稿日: 2023.08.19
powered by ブクログ大好きなシリーズです。歴史は、詳しくないですが、なんとな〜く、そういう時代をイメージしながら、調べもって読むのもいいなぁ〜と思える1冊です 読むと、やっぱり自分の1冊を、見つけたくなります
1投稿日: 2023.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歴史小説として読みました。 『書楼弔堂』シリーズ三冊目ですね。 時代は明治三十年後半。 この時代になると馴染みの人物が次々出てくるので、かなり面白さも増していきます。 シリーズの一作目からは、少し趣か歴史に片寄っているように思います。 ですから、京極さんとしては、かねてから描きたかった人物に焦点を当てた作品のように感じました。 魑魅魍魎、怪奇、妖怪、あやかしは、まったく出てきません。 講談のようでもあり、落語のような出足の綴りで六話の短篇連作作品です。 物語を引っ張るのは弥蔵と利吉。掛け合いで時代背景を浮かびあがらせます。 弥蔵は『弔堂』の近くの甘酒屋の設定ですが、かなりの影がある人物(実は凄腕の剣客だった)で、維新時のトラウマに囚われている。本作では無名の人物のように扱われるが、実は大変な歴史的人物であることが、最後に明かされる。 主要な人物は、徳富蘇峰、岡本綺堂、宮本骸骨、竹久夢二、寺田寅彦、齋藤一(新撰組)。 それぞれの人物のエピソードは、私も数々の本で周知の事実もありますが、物語の展開はさすが京極ワールドですね。 文章の巧みな誘導で、厭きさせません。そこは、ちょっとそこまで時代を語るか?、と思う場面もありますが、語らせたらこんなものでは済まないところの五〇二ページです。 このシリーズどこまで続くのか楽しみです。
48投稿日: 2023.07.19
powered by ブクログ久しぶりすぎてどんな設定だったか忘れていた。 雰囲気は京極堂と匂いや雰囲気が似通っているものの、明治初期という時代設定だからか、有名人が多数登場していれのにもかかわらず、小説に入り込めず、『面白い』と思うところまで行きつかなかった。
0投稿日: 2023.07.06
powered by ブクログ中々の京極ワールド。 世界観や文体が好みだから読めるが、ダメな人には全くダメだろうなっと思う。 読み手を選ぶ作品。
1投稿日: 2023.06.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シリーズも3作目。話の流れやお約束のようなものもわかっていたので、最後の話はそうきたか~という感想でした。 弥蔵さん、意外と長生きしたのかもしれませんね。
0投稿日: 2023.05.24
powered by ブクログ徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、竹久夢二、寺田寅彦、ラストはまさかの新撰組の…彼らの姿はどの程度実像に近いのだろう。綺堂や夢二はまだ本領発揮前だけど。 蘇峰は蘆花と仲違いしていたのか。今読むと、どうしてもウクライナ侵攻を連想しちゃうが。 操觚者、史乗という言葉を初めて知った。綺堂の章に出てくる殺人事件も実在したんだね。ググったら、胸が悪くなる事件だった。
0投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログ(借.新宿区立図書館) 明治の著名人が「本」とどう絡むかという作品の3冊目。相変わらず面倒でややこしい京極節だがだいぶ読みやすくなっているのかも。最後は新選組関係の他作品との絡みがあるようだがまあそっちを読んでいなくとも問題はなさそう。
0投稿日: 2023.05.01
powered by ブクログ前作の『炎昼』から六年経ってのシリーズ第三弾だそう。もうそんなに経っていたのか…。 舞台は明治三十年代後半ってとこ。日露戦争直前な世相。今回は男性ばっかり〜。
0投稿日: 2023.04.28
powered by ブクログSL 2023.4.19-2023.4.24 シリーズ3作目。 語り手が作品ごとに替わっていくのだけど、今回の弥蔵がなかなかいい。 弥蔵の正体が判明するラストと「予兆」が印象深い。 少しくどい書き振りな気もするけど、弔堂の話す言葉などはとてもきれいで、さすが京極夏彦だと思う。
1投稿日: 2023.04.24
powered by ブクログ弔堂シリーズの第三弾。 いつも通りの・・・ですかねえ。なんか最近自作品とのコラボっぽいのが多くないですか?京極さん。 つまらないわけではないですが、、、ネタ切れなのかな?とか邪推。いっそルーガルーシリーズとも時空を超えてセルフコラボをw 基本的に、実は近代史で名をはせたあの人物が!みたいなノリというかパターンが多いんですが、そのあたりに非常に疎いため反応が悪いわたくし。そこらへんに造詣の深い人であればもっと楽しめたんだろうなあ、とは思います。
0投稿日: 2023.04.20
powered by ブクログ自分にとって人生の指針となるただ一冊の本を売ってくれる書店。だがその本屋は街に馴染みすぎて皆面前で通り過ぎてしまう。 歴史の偉人たちが弔堂で本と出会い…の流れが面白い。竹久夢二の話が私は好き。 私が弔堂を訪れたら一体どんな本を勧められるだろうか。
7投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今回はなるほど、新撰組界隈がおいでなさいましたか。 あと竹久夢二さんはですね、昔文学館を拝見した時に『恋多き…というか多すぎだろうよ』と思った記憶がございましてねぇ…出てきた時にはちょっと『おぉ!?』と思ってしまいました笑 なんでしょうね。以前より読みやすかった気がします。 そして今回もしほるくんがかわいいです。 本当に激動の時代だもんな…。皆少なからず戸惑いますよね。文明はすごい勢いで変わる、今までの常識が常識じゃなくなる。 京極さんの本は、読んでいると温度や香りが伝わってくる気がします。 久々に濃ゆい時間を過ごさせていただきました。
1投稿日: 2023.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、竹久夢二、寺田寅彦そして斎藤一。各章に実在の人物が登場するので、読みつつ「これは誰?」と推測するのが楽しい。残念ながらここに出会うまでは竹久と斎藤しか知らぬ浅学で、世間では知られた御歴々にて有難き引き合わせ。明治のジャーナリスト、小説家に俳人たち。ほぉ、彼ら文筆家を操觚者と称するのですか。宮武だけは本の買い手ならず売り手でという捻りあり。日本の急速な西欧化、近代化とともに戦争の傷。作中で反戦を貫きながら、歴史の節で彷徨う彼らに理を与える。語り手弥蔵と利吉の掛け合いがまた愉快。
0投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログ弔堂シリーズ3作め。迷いを抱えた歴史上の人物たちが、本ならなんでも揃うという奇妙な本屋を訪れて己の一冊を求めるという連作短編集。 今回の語り手は過去に修羅場を体験したことをうかがわせる甘酒屋の爺で、彼の目を通して江戸から明治という時代を描き出す。やはり京極ワールドは良い。 お調子者だと思っていた利吉が、最後にちょっと泣かせてくれた。
1投稿日: 2023.04.04
powered by ブクログその時代の著名人物が その時代の町を歩き その時代の事件に出遭い その時代の風に吹かれる … この懐かしい感じは そうだ! 「坊ちゃんの時代」(関川夏生・谷口ジロー)を 読んでいた時だ と 確か「弔堂シリーズ」1,2の時も思ったのでした 今回は、 個人的に「探書拾伍(第五章)」の 宮武外骨さんの章が大贔屓であります
2投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ探書拾参 史乗/探書拾肆 統御/探書拾伍 滑稽/ 探書拾陸 幽冥/探書拾漆 予兆/探書拾捌 改良 約六年ぶり と 帯にある。確かに読んだ記憶はあるけれど……たどり着くことが難しい書楼であることと、薄暗い店内に所狭しと並んでいる無数の本に圧倒されるイメージ以外ほとんど憶えていない。 弥蔵が開いている甘酒屋に書楼を訪ねる人が通りかかる。成り行きで案内すると主との話が始まる。何れも名の知れた人であった。 さて弥蔵とは、主とは、茫漠とした時のかなたに漂うばかり………
1投稿日: 2023.03.23
powered by ブクログ約六年ぶりのシリーズ第三弾。 古今東西の書物が集う、主曰く“書物の墓場”・〈書楼弔堂〉を巡る“探書”譚、連作六話の構成となっております。 待っていました。この京極ワールド独特の雰囲気、“うん、これこれ!”という感じです。 今回の狂言回しは、〈弔堂〉に行く途中の坂にある甘酒屋の老爺・“弥蔵”さん。 幕末の血なまぐさい記憶を引きずりながら、世捨て人のように暮らしている弥蔵さんの元を訪れた(迷い込んだ)人々を、図らずも〈弔堂〉に案内することになるという流れです。 “京極本あるある”で、例によって分厚い本書ですが、ほぼ台詞という構成なので、割とスラスラ読めます。 〈弔堂〉を訪れるお客たちは錚々たる歴史上の有名人で、彼らが〈弔堂〉の店主と問答めいたやり取りをしながら“己の一冊”へと導かれていくのですが、今回は前二作と比べて、〈弔堂〉パートが短めな印象を受けました。 その分、弥蔵さんと彼の元に日参するニート(?)の利吉との交流や、各話のゲストとの会話部分にページを割いている感じです。何気に弥蔵さん結構饒舌なんですよね。 そんな弥蔵さんの正体は・・?という件も、話が進むごとにヒントが小出しにされるので、“どうやら戊辰戦争に幕府側で参戦したらしい。人斬りだったけど新撰組ではない?元会津藩士?”・・などと、あれこれ予測しながら読みました。 因みに、中学生の頃司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』を読んで人生狂わせられた私(笑)としては、元新撰組隊士の“あの人”が登場した時は、思わずテンションが上がりました。(『ヒトごろし』のキャラ設定とリンクしていましたね) という事で、久々に〈弔堂〉の主・龍典さんと小僧の撓(しほる)くんに再会できて嬉しかったです。 次回作も期待したいですね~。
6投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログ破暁、炎昼に続き三作目。弔堂にやって来る歴史上の人物は誰だろうなと想像しながら読むのが楽しい。甘酒屋の正体は一体・・・と思いながら読んでいたけど、最後に判明した時はそっちだったか!と驚いた。挿絵に使われている毛利梅園の「梅園禽譜」も良かった。
2投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログこれ程、己の浅学を悔いるシリーズもあるまい。 次々と著名人が登場しても茫漠とした驚きにとどまり、虚実の境目も判然としない。無知蒙昧の徒には、散りばめられた仕掛けも発動しない。 しかし困ったことにそれでも十分面白いのである。人並みの教養があればさらに面白いこと間違いないのにと、歯噛みすることしきりである。 と、まあ、シリーズ1作目からそう思っていたのに、9年近く経って尚、何故全く学習していないのだ自分。とほほ。
3投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログやはり面白い。なんといっても京極夏彦。 6年間待っていたことになるのだな、待つことすら忘れるほどの長さだったようにも思う。しかし、読めばわかる。この質感、緻密な展開、この本を6年間で提供してくれたことに畏怖を覚える。ありがたいことだ。 読み終えて、さらに次を読みたくなる。それは仕方のないことだ。この物語が次々とつながって、本の最後のページが来なければよいと思う。実に面白い。 今回は弔堂店主の語りもよいが、それ以上に弔堂に至るまでの甘酒屋と客の会話にわくわくし、ぞくぞくした。 意外な展開とやはりそうなるかという安心感とが均衡のとれた状態で語りが進んでいく。 ところどころにちりばめられた甘酒屋の生涯に関する伏線、そう来るか、と思いながら、やはりそう来たか、と思わせる甘酒屋。 甘酒屋と若者の関係にあらぬ期待もしたが、会津と東京では偶然が勝ちすぎる。 このシリーズの楽しみの中にあの人やこの人が登場することがある。歴史上のあの人この人、作者の手の中で不思議な人生を繰り広げ、店主の語りで救われていく。 6年後には明治末の世相を味わえるのだろうか。
7投稿日: 2023.03.07
powered by ブクログありとあらゆる書物が揃う弔堂。そこを訪ねる客を案内する羽目になってしまった甘酒屋の弥蔵を主人公に綴られた連作短篇です。やはり本好きにとっては魅力的で、そして歴史上の実在の人物がいろいろ登場するのが楽しい作品です。 「人殺し」の過去を持ち、日々の暮らしに倦みながらも淡々と生き続けている弥蔵。彼自身の素性も気になりますが、彼の醒めた目線は、現代でも考えさせられる部分があるかもしれません。
1投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログ2023年発行、集英社の単行本。6編。短編連作。初めの方は語り手と登場人物があまり深く関わらず、話がうまく見えないと思ったのだが、後半になってくると語り手の秘密と登場人物の想いとがうまくかみ合い面白くなってきた。特に最後の2編は語り手と登場人物がうまく絡み合い、ラストにつながっていく盛り上がる。ラストがうまく高揚するのはいつものことながらうまいなぁ、と。 収録作:『史乗 探書 13』、『統御 探書 14』、『滑稽 探書 15』、『幽冥 探書 16』、『予兆 探書 17』、『改良 探書 18』、初出:小説すばる、『拾参』2017年02月号、『拾肆』2021年10月号、『拾伍』2021年12月号、『拾陸』2022年02月号、『拾漆』2022年04月号、『拾捌』2022年06月号、
1投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログまず、 第3弾と知らずに読みました。 やりとりが 落語のしゃべくりのように感じ なんとなく読みやすくはあるのだが、 いまひとつ響かない 短編が定番ワンパターンなので、 最初読んで面白くなければ離脱したほうが無難でしょう 分厚いからね 自分はこの本は最後まで読みましたが、 遡って第1弾、第2弾を読みたいとは思いませんでした
2投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログ面白かった!!!弔堂で私の一冊を買いたい! 今回、装丁がビアズリーのヨハネとサロメ、高校時代に傾倒したので個人的にたまりませんな。さらにストーリーにちらと出てくる野鳥に合わせ、挿絵は毛利梅園『梅園禽譜』、非常に素晴らしいチョイスだと思います。 前作と同じく、主役は本、今回のワキは弥蔵(偽名)とおまけの利吉、世界の本の墓場弔堂主/龍典(りょうてん)、丁稚/撓(しほる)で、客として色んなビッグネームが訪れ、その客に”本”を会わせるという豪華な設定。 最初から弥蔵が誰なのかを気にするように誘導されていく。”史乗”から沢辺琢磨の弔堂の説明の時点で、フラグが立ってはいるんだが、各章でちらちらと出身地やらもろもろのキーが明かされ散りばめられていく、超ワクワク展開。別段、奇抜でも新説でもないが、なんといっても、さすが京極節臨場感がたまらない。 今回弔堂を訪れるビッグネームは、徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、柳田國男、竹久夢二、寺田寅彦、斎藤一、佐々木只三郎、以外にも名前だけだが重要パーツを占める人物もたくさんいて、なんというか、有名人を覗くようななんともギルティプレジャー的な喜びも感じたりする。 おもしろかった。
19投稿日: 2023.02.22
powered by ブクログ本書はシリーズの3作目の様だが見ていなかった。今回初めて書店で見かけ手に入れた。弔堂と近くに住む甘酒屋と書籍を求める人との出会いから物語が始まる短編集だ。色々な人物の名前が出てきて実に面白い話が満載で楽しかった。
1投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログシリーズ最新作。既刊は全て読んでいるはず。 京極夏彦の本は知る限り全て既読と思う。 残念ながらこの本を含め直木賞受賞以降は質が落ちていると感じる。 なお、小説と作家の思想は別とはわかってはいるがそれにしても京極がこの小説で語る思想は底が浅い。現代の思想で明治時代の思潮を蔑むのは御法度。
1投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログ「姑獲鳥の夏」からの京極フリーク…いや推し。 江戸から明治の景色が見えるような。 時代観が本当に秀逸で、かと言って難しすぎず、読ませる! 知ってる名前のオンパレードでフィクションと現実の眩暈が… まあ、「知ったことではない」のです。笑 手にとってから「コレ、シリーズ三弾じゃん!」 …泣く泣く逆読みする事に。
3投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログレビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12786560004.html
1投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作から約6年ぶりとなる、僧から還俗した主人が営む書舗「書楼弔堂(しょろうとむらいどう)」を舞台としたシリーズの第3作である。 今回の語り部は、甘酒屋を営む老人・弥蔵。明治30年代後半に至るも、新しい価値観に馴染めない。彼の世捨て人のような生き方は、過去に原因があった。そんな愛想の欠片もない弥蔵をなぜか慕う、28歳の利吉。2人のコンビがいい味を出している。 弥蔵が弔堂の近くに店を構えていたことから、毎回客人を弔堂まで案内する。何だかんだで親切な面もあるし、意外に饒舌な面もある。客人はすべて実在人物であり、基本フォーマットは過去2作と同じだが、今回はややひねっている点もある。 「あなた様は―どのような本をご所望ですか」 というのが主人のお約束のセリフだが…ん?そんなパターンもあり? 相手に対して押しが強かった前作に対し、脇役に徹している印象を受ける。また、過去2作の語り部より、壮絶な背景を持つ弥蔵。過去2作より強く、自己と向き合うことになる。 京極さん曰く、今の世相を反映しているつもりはないそうだが、最初の1編から現在に、日本だけではなく世界情勢に酷似している。弥蔵は自分を含む古臭い世代を、利吉は悩める若者世代を、それぞれ象徴しているように感じられなくもない。 京極さんは、読書で人間は変わらないと冷徹に言い放つ。過去2作も含め、弔堂から買った本で変わった客人はいないだろう。しかし、人間として一本筋が通っていたから、きっかけにできた。彼らの悩みを理解できない自分は、凡人も凡人なのだ。 最後の客人は、弥蔵にとって因縁浅からぬ人物だった。弥蔵の過去は、何となく想像した通りだったが、最後にまさかの告白が! 彼は今後も、明治に馴染むことなく余生を送るのだろう。弔堂の主人だけが、時代の流れと無縁な気がしてきた。 正直、物語としての起伏に欠ける、このシリーズの魅力とは何だろう。次回作も予定されているようなので、なるべく早めにお願いいたします。
2投稿日: 2023.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
6年ぶりの新作。本屋で見かけて飛び付きました。書物の霊廟とも言える弔堂を訪れる客達にその人だけの一冊を与えるその姿は健在でしたが、今回は与えるだけではなく、買い取りや売らない、という内容もあり、新鮮な気がしました(以前にもあったのかもですが覚えてない)。昨今の世相を反映もしているのか、戦争の愚かさも滲み出ていて全体的に切なかったです。
1投稿日: 2023.01.16
powered by ブクログ弔堂シリーズ3巻目、幕末のこういを悔やむ老人が狂言回しで、物語は進む。スカッとする話しはなかったが、しみじみした。
1投稿日: 2023.01.12
powered by ブクログ「百歩譲る」んだ、と、つまらないことが気になった。 まぁ、何時から「百歩譲る」ようになったのかも(検索しても)判らないんだけど。 しかし、「講釈師」ってのはそれほどに重いNGワードなんですかね? 「見てきたような嘘をいう」のは本当のことだろうに。 この本だって講釈「のようなもの」だし、今の伯山が朗読すりゃ結構な娯楽にもなろうもんだが。 歴史は改竄される、ってことか。
1投稿日: 2023.01.09
