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新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙II
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙II
支倉凍砂、文倉十/KADOKAWA
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総合評価

14件)
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    すでに Spring Log シリーズでも触れられているように、このシリーズではロレンスとホロの娘であるミューリと、彼らとはもはや家族同然であるコルの旅と活躍が描かれることになる。 いずれは世界的な大騒動を引き起こすとされている二人だが、前作ではこのシリーズの主人公となるコルとミューリの新たな旅立ちの一歩目が記されていた。そしていよいよ本作では、彼らが引っ張ることになる宗教改革の活動が本格的に描かれるようになるようだ。 あらすじ:港町アティフでの聖書騒動を乗り越えたコルとミューリは、ハイランドからの次の依頼を受けて北の地に向かうことになる。これから予想される教会勢力との戦いでは、ウィンフィール王国と大陸の間にある大きな海峡の制海権が重要になるため、アティフの北にいる海賊たちとの関係を整理する必要があるとのことだった。 海賊たちはコルたちが信仰する神とは異なる“黒聖母”を信じていると言われており、コルは緊張しながらも北の地に向かうのだった……。 賢狼ホロの故郷である北の地ヨイツに向かうという目的がありつつも、物語全体では緩やかな方向性しか示されていなかった『香辛料』シリーズとは異なり、この『狼と羊皮紙』シリーズでは教会を立て直すという明確なゴールが設定されている。もちろんファンタジーものではよくあるような「XXを倒す」といったわかりやすいゴールではないので、物語が一直線に進んでいくということはあまりないのだが、それでも物語は大きな方向性に沿ってフラグを立てていくような展開をしていくようだ。 そして物語の実質的な最初のフラグとして設定されたのが、本作の舞台となる「北の地」にいる海賊たちとの関係性強化だった。以前のシリーズではウィンフィール王国が一度だけ舞台となったが、それも基本的には行商の一つの地域として向かっただけだった。ところが今回は、いずれ来るであろう教会勢力との戦いを見据えて、北の地で勢力を持っている海賊との関係性を明らかにすることがコルには求められる。 海賊といえば正規の権力から外れた暴力であるのだから、本来コルのような聖職者が向かう先としてはふさわしくない。しかし、その海賊たちはどうやら“黒聖母”と呼ばれる存在を信仰しているらしく、コルはその信仰が異端であるかどうかを見極めるのにぴったりであるとして北の地に向かうことになる。ウィンフィール王国と教会はいずれも「神」への信仰を持つという点では変わらず、異端な信仰を持つ存在と手を組むわけにはいかないからだ。 そしてその信仰の有様を見極めるために北の地に向かったコルは、そこで自らの信仰の強さと正しさを問い直されるような強烈な体験をすることになる。この世界においても「神」は現世の人間を助けてくれるほど寛大ではないのだが、北の地においては生きることそのものが苦痛と隣り合わせとなるような場所だった。そこでは一定の人間しか暮らすことができないため、食料を手に入れることができない、あるいは稼ぎを得ることができない人間は人減らしのために家族を奴隷として差し出さなければならない。そのような場所で果たして信仰はどのような意味があるのかということを、コルは自らに問いかけることになる。 どうやら『狼と香辛料』では中世ヨーロッパの商業に興味を持っていただけだった著者も、経験と成熟を重ねるにつれてより深いテーマを描く機会が出てきたのではないかという感じがする。もちろん全体としての雰囲気は相変わらずライトな恋愛ファンタジーという枠組みから出てこないが、それでもこの巻で描かれる解決策が一時的な回避方法でしかないという点において、これまでの作品よりもずっと重い雰囲気が漂っている。 また「人ならざるもの」の存在が今回はかなり深く物語に関わってきており、今後おそらく教会勢力とウィンフィール王国の争いが激化する中で、彼らが敵味方に分かれて何らかの影響力を発揮するといった展開も出てくるかもしれない。いずれにしても物語はまだ始まったばかりだが、これまでの『香辛料』シリーズに比べてずっと重い展開になることを覚悟して読んでいかなければならないのだろう、とそんなことを考えさせられる第二作目だった。

    1
    投稿日: 2025.10.13
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    「第一幕」 次なる冒険は海にでる。 いろんな場所に行ってきたからこそ、旅の知恵があるのだから今は任せて準備するのが正解なのだろうな。 「第二幕」 異教徒なのか探るため。 他ではない信仰をしているとなると、それを認めていいのか無関係の者の意見は必須になってくるだろう。 「第三幕」 やってきた船は商会の。 生きていくためには仕方のないことかもしれないが、こんな簡単に連れられてしまったら悔しいだろうな。 「第四幕」 海賊に襲われた際には。 ただでさえ慣れない水の上なのだから、怪しげな船のことを伝えた後に船内に逃げておくべきだったろう。 「第五幕」 目を覚ました場所とは。 あの絶望的な状況から助かったとはいえ、予断を許さない状態から復帰できたのは恩人がいたからだよな。

    0
    投稿日: 2025.01.20
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    信仰をめぐるアティフでの騒動を終え、続いてウィンフィール王国北部の島嶼部に向かうコルとミューリの話。 コルにとって、価値観やミューリとの関係を見つめ直す大事な話になっていたと思います。

    0
    投稿日: 2022.03.09
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    【感想】 ・オータム登場まではかなりタイクツやったけど登場以来劇的に展開します。 ・「狼と羊皮紙」になってからのコルってどうもタテマエ人間っぽくて信頼に値しない感じしてミューリに相応しいのかとか思ってたけど一皮剥けるでしょうか? 【一行目】  まだ夜の明けない闇の中、手を擦りながら井戸のある中庭に出た。 【内容】 ・ハイランドからの今回のクエストは海賊たちを仲間に引き入れても大丈夫かどうかの調査。当然ミューリもついてくる。 ・北方島嶼地域の過酷さを知るコル。ミューリは船酔いに苦しみつつ冒険心をくすぐられている。 ・修道士オータム、コルに衝撃を与え、己の信仰を問い直すことになる。たどりつく先にはミューリ? ▼狼たちの旅についての簡単なメモ(香辛料9巻~11巻、21巻と羊皮紙1~2巻より) 【諦める】《なにかのためになにかを諦めるなんてのは、本当は正しくないのだから。》香辛料21巻p.192 【新しい村】人々をまとめる強力ななにかが欠けていることが多い。 【アティフ】港町。北方の海賊たちからの防衛の拠点でもある。 【アラム】セリムの兄。真の姿は狼。傭兵などをしていたが聖女伝説のある旅籠を営むことになった。 【異端審問官】恐いイメージ。処刑人や拷問使と同じ意味として呼ばれる。 【ウィンフィール王国】教会と仲が悪い。 【エーブ】やり手で剣呑な女商人。すべてを憎んでいるようなところがある。元はウィーフィール王国の貴族で本名はフルール。 【狼と香辛料亭】温泉郷ニョッヒラにある評判のいい湯屋。主人はロレンスという行商人上がりの男。おかみさんはホロといういつまでも若く美しい少女のような女性。 【オータム】ケソンの孤島のひとつにある修道院でひとり暮らす修道士。コルに強烈な印象を与えた。人が暮らせると思えない苛酷な環境で、生への執着を感じさせない男。黒聖母を彫り続けている。付近の「海賊」たちですら敬意を払って臣下のように従っている。「罪の意識」による信仰心だと自分で言う。《そこにいるのは、罪を食らう動物だった。誰かが刈り取らなければいけない罪を自らが食べ、消化し、また食べる老いた山羊だった。》羊皮紙二巻p.199。この男が例の「月を狩る熊」そのものだったとしても驚かない。 【オーラー】エーブに商売の手ほどきをしてくれた商人。没落前からの知己であり、エーブの夫となった男の部下でもあった。 【絵画】宝石を砕いて絵の具にして描くような代物。要するに高額。 【海賊】と目されているが実は北方島嶼地域の自警団的存在。普段は治安維持の役目を負っている。ただし、暴力的手法で。それが有効だから。 【キーマン】ルド・キーマン。ローエン商業組合在ケルーベ商館別館を預かる貿易商。 【教会文字】教会で用いられる特殊な文字。ロレンスにも一部しか読めない。 【教皇】なんか欲にかられてとち狂ったらしい。と外見上は見えている。税をかけまくっている。 【黒聖母】北方の海の民の間で信奉されている聖母像。ハイランドが入手したものは黒玉で作られていたが他の材料があるかどうかは不明。一般的なものとは異なり黒い。革袋などに入れて携行するが実際に救われたものが多いと霊験あらたかで信奉する者多し。港町ケソンの修道院の修道士が一手に作っているらしい。元は火山噴火による島滅亡の危機を我が身を犠牲にして救った一人の女性のことらしい。実話なのだとしたらとても人間業とは思えないので人ならざるものだったのかもしれない。狼神のような。 【ケソン】北の島嶼地域の中で一番大きな島。 【ケルーベ】北と南が対立している町。 【コル】トート・コル。羊皮紙では主人公。ホロ、ロレンスとともに旅することになった賢く素直で健気な少年。皆が弟子にしたがるが本人的には将来は聖職者。後に湯屋の手伝いをし、ホロとロレンスの娘ミューリに振り回されることになる。ニョッヒラを出た後「薄明の枢機卿」とか呼ばれるようになったらしい。ミューリいわく「兄様は世の中の四分の一しか見てない」「兄様は人の良いところしか見ないからね」羊皮紙第一巻p.183 【コルらしい匂い】ミューリいわく「不幸を耐える方法じゃなくて、幸せを増やす方法を探す。それがどれだけ少しだったとしても、皆が無理だと思っていても、あったかい太陽はあっちにあるんだって信じて歩く、眩しい明るさがある。世界は不毛の大地なんかじゃないって、皆が力を合わせたら良くなるんだって、頑固な思い込みがある。そういう匂いが、あると思う」羊皮紙二巻p.351 【幸せ】《結局、ミューリが幸せであるのなら、それに越したことはないのだから。》羊皮紙2巻p.78。親バカならぬコルの兄バカ。 【ジサーズ】陸の孤島のような北の鄙びた寒村。 【商人の言葉】省略されたものがいっぱいある。 【信仰と現実】《目の前にあるのは、祈りが最もその無力を現す場面なのだ。》羊皮紙二巻p.197。信仰は一種のファンタジーだから。 【スヴェルネル】ニョッヒラの近くにある大きな街。 【ステファン】アティフのデバウ商会でコルたちの世話係をしてくれることになった商人。いろいろあってコルを恐れているフシあり。 【スフォン王】ウィーフィール王国の王。ちと頭が堅そう。 【聖務停止】教皇が、クレームをつけてきたウィンフィール王国に対抗するため、王国内での教会の仕事を停止させた。いわば医師が治療費が高額すぎると訴える目の前の患者に治療を施さないような感じ。 【聖典】教会が一般に対して内容を秘匿している。ゆえに好きなように解釈して伝えることが可能。コルたちはそれを一般に広めたい。難解な言葉で書かれているらしく宗教家でも読めない者が増えてきたので教会文字が発明された。それもまた一般には流布しておらず、ロレンスでも完全には読めない。第七章までが主要な教えで、後は神から言葉を賜る預言者の旅の模様や、弟子たちの現行録。 【セリム】「狼と香辛料亭」従業員。実体は白狼。ミスが多かったのは眼が悪かったからだとわかりロレンスがメガネをプレゼントしてくれた。 【総督】細身で風格のある老人。元ルウィック同盟の大幹部で遠隔地貿易船を率いていたので「総督」と呼ばれていた。隠居後はアティフの鰊の卵の先物取引なんかで楽しんでいる。 【大切なもの】《過去に旅をしてきて得た数少ない鉄則は、大切なものは必ず手の届くところに置け、というものだ。》羊皮紙2巻p.132 【太陽銀貨】デバウ商会が独自に出す高品位の銀貨。太陽の図柄が描かれている。ロレンスたちが創設に関わった。 【旅人】旅人は嫌われがち。「旅人はどこへ行ってもこんな感じですよ。歓待されるほうが少ないものです」羊皮紙2巻p.143 【月を狩る熊】滅びの化身。多くの伝説が残っている。ホロたち狼神的な存在ですら土地を追われ離散せねばならなかった原因らしい。現在姿を見るものはいない。伏線的に「狼と香辛料」のラストはそいつとの対決になると思っていたが。 【デバウ商会】大陸北部に勢力を広げる大商会。 【ドイッチマン】ウィーフィール王国、テイラー商会の商人。 【鶏】去勢した雄の鶏は、雌の鶏よりも旨いらしい。なんて話をしたばかりにロレンスは鶏を買わされることになる。 【ニョッヒラ】湯屋「狼と香辛料亭」のある北の温泉郷。シーズンは雪深い冬。 【ノーラ】ある町で苦労していた羊飼いの少女。狼と羊飼いは仲が悪い。 【ハイランド】ウィンフィール王族の血脈。諦めないのがいいところ。コルはニョッヒラに湯治に来たハイランドに口説かれウィンフィール王国の力になりたいと思うようになった。つなぎはデバウ商会が担当しているようだ。商売上にも有利なようだ。ミューリはハイランドのことを信用していないし敵意を見せている。 【ハスキンズ】ブロンデル大修道院の離れ的な場所の羊飼い。羊のことならば神よりもくわしいらしい。《旅の詩人が口にすれば単なる気障な台詞でも、ハスキンズが言えば真理の一言になる。》 【パスロエ】ロレンスがホロと出会った村。ホロは長い間この村の守り神をしていた。 【旅籠】アラムたちが営んでいる、聖女伝説のある修道院を宿泊施設にしたもの。その伝説の聖女はセリムのことらしい。 【ハンス】エーブがフルールだった頃彼女をバカにしたような態度を取っていた商人。 【ハンナ】「狼と香辛料亭」の炊事場を采配する女。実体は鳥。 【ピアスキー】ラグ・ピアスキー。ルウィック同盟に所属する旅商人。 【ビーベリー】近隣の領主。善人。 【フルール・フォン・イーターゼンテル・マリエル・ボラン】エーブの本名。没落お嬢様。 【故郷】わっちらには新しい故郷を作るなどという発想はありんせん。故郷は故郷。誰がいるかではなくどの土地かが重要なんじゃ。(byホロ) 【ブロンデル大修道院】ウィーフィール王国にある有名な修道院。 【ベルトラ】エーブがまだフルールだった頃の女中。エーブより一歳下。 【放浪学生】学生の身分で放浪している。コルもロレンスと出会った頃はこれだった。多くは悪行の数々により評判が悪い。 【ホロ】香辛料のヒロイン。人の姿のときは華奢な美少女、正体はかつてヨイツを治めていた巨大な賢狼。故郷に戻りたくてロレンスと旅している。麦の穂に宿る。後に湯屋「狼と香辛料亭」のおかみさん。人よりはるかに長い時を生きるのでロレンスが死んだ後は再び旅をするのかもしれない? 【ホロとロレンス夫婦】《まさかずっと幸せでい続けられるだなんて、驚きをとおり越して笑うしかなかった。》byコル羊皮紙1巻p.26 【ホロの機嫌】よく変わる。が、理由のあることが多い。賢狼だから。 【味方】《少なくとも、自分はなにがあっても、ミューリの味方です。》羊皮紙1巻p.127 【ミューリ】ホロとロレンスの娘。羊皮紙のヒロイン。名前はホロの古い仲間から取った。天真爛漫で図太く奔放。人の姿のままでも充分すぎるほどの野生児だが狼の耳と尻尾を持っている。巨大な狼に変身することは今のところできないようだ。銀色の髪の毛は油に濡れているようにしっとりしているのに触ると指のあいだをさらさら抜けていくようで彼女の自慢らしく、日々お手入れを欠かさない。コルが宗教の道を求めてニョッヒラを出ていったら「私も旅に連れていって!」。その後なにやら「聖女」と呼ばれるようになっているらしい。 【ミリケ】スヴェルネルの顔役。悠久の時を生きる獣の化身。 【ミルトン・ポースト】エーブがフルールだった頃取引相手となった、衣服を取り扱っていた商人。貴族出身でフルールは彼に少し惹かれた。 【未練】丸顔の船頭が語る。《同じ川の流れには二度と入れない、未練がましいことも悪いわけじゃない》羊皮紙1巻p.23 【無邪気】《自分が無邪気すぎるのだろうか? だが、信仰とは本来無邪気なものだ。》羊皮紙第一巻p.191 【ヨイツ】ホロの故郷。 【ライハ・フリードフ】ケソンの教会のトップ。見たところ好好爺で酩酊している。北方島嶼地域のことをいろいろ教えてくれた。 【理想】「私は理想を追いかけていたのではなく、単に世界がこうあって欲しいと無邪気に願っていただけのようです」羊皮紙二巻p.215 【ルウィック同盟】大陸北部を根城にする商人の一団。30の貴族を後ろ盾にした十の大商会が統べている最強の経済同盟。月と盾の紋章旗を掲げている。ほとんど一国に等しい力を持っている。 【ルワード】有名な傭兵団の長。 【レイノルズ】ケルーベ「ジーン商会」の主。「狼の骨」について何か知っているらしい。ずっこい儲け方を実行していた。 【レノス】コルが子どもの頃にはまだ教会がなかったが今や司教を任命する司教座が置かれ北の地の教会の中心地となっている。 【ロレンス】クラフト・ロレンス。香辛料の主人公。狼娘に翻弄される幸せな毎日を送る行商人。とはいかないか。後に湯屋「狼と香辛料亭」主人。 【若い司祭】アティフの鰊の卵取引所を閉鎖すると宣言した。どうやらコル(薄明の枢機卿)に感化されているらしい。 【「我々の神の書」計画】ハイランドやコルが考えている計画。聖典の俗語翻訳版を作り、個人個人が考えていくことができるようにすること。教会は自分たちの矛盾を指摘されないように民衆を無知のままにしておきたいので当然反発すると思われる。また、内容の解釈も研究者の間でも異なるので困難があると思われる。

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    投稿日: 2021.10.24
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    1の最後の方でやっと出てきたウィンフィール王国のハイランド王子(プリンセス)の依頼で北方の教会を視察。黒聖母の謎(?)を解く。人ならぬ精霊がやっとこさでてくるが、これがまたイマイチなキャラでノレなかった(涙)。コルとミューリはサブキャラとしては良いが、主役をするにはパンチがない(設定の問題)。あとは、宗教がメインシームなので、辛気臭さがまとわりつく。ホロのスピンオフという意味では楽しめるが、もうちょっとなんか欲しい。

    0
    投稿日: 2019.01.31
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    ミューリのここがすごい! ・獣耳と尻尾がある ・変身できる ・「灰に銀粉を混ぜたような不思議な色合い」の毛 ・しかも父譲り ・自分から告白する肉食系 ・元気いっぱい ・悪知恵も働く ・涙を流すときは必ず計算ずく ・主人公の呼び方が「兄様」 ミューリのここがダメ! ・好きになった相手がダメンズ 2ヶ月前くらいに流行ってたのを使ってみましたw ということで、新シリーズ2冊目。 相変わらずミューリは「夜寝る前に手に取って、どのページを開いても可愛いもふもふが飛び跳ねている」という作者の意図どおり、元気いっぱい飛び跳ねています。 対「兄様」ではない場面であっても、例えば教会に女性は入れないと遮った門番への対応とか、2回目にその門番と会ったときの対応とか、食べ物を目の前にしたときの食いつきっぷりとか、とにかく出番があればあっただけミューリの微笑ましい一面を見ることができるのに加え、禁欲の誓いを立てている朴念仁の「兄様」に対しては容赦なく好き好き攻撃を加え続けていて、たまにそれをコル坊にあっさりかわされて、それでも懲りないところまで、とにかく読んでいてうれしくなってきます。 ホロがいろいろと面倒くさい性格だったのと比べると、その元気いっぱいさは余計に際立ちます。自分たちのような存在は広い世界にもほとんどいないことを知っており、さらに人ならざるものと人とのハイブリッドである彼女は母よりなお寄る辺ない思いをしているに違いありませんが、そんな事情はめったに表に出しません。 その事情を知り、ミューリを世界で一人ぼっちにさせない存在が「兄様」。ですが、ホロと出会ったときはすでに一端の行商人だったロレンスとは違い、コル坊はまだまだワナビーです。頭でっかちで、ミューリに言わせると「世界の四分の一しか見えていない」。男性の、善意しかわからない、と指摘されています。今のところは優しいだけが取り柄の、夢見がちなダメンズです。 この巻では優しさは解決策につながりましたが、でも同時にミューリを生命の危機にさらすことにもなりました。「人ならざるもの」の力を神の奇跡に見せかける、というやり方しかソリューションを持っていないことも弱点です。今回は世界の四分の一だけを見て前向きな解法を思いつきましたが、このままではいずれは行き詰りそうです。 ミューリの「兄様」がダメンズで終わってしまわないよう、旅で経験を積んで成長した姿を見届けたいものです。

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    投稿日: 2017.10.07
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     互いに弱さや甘えが見え隠れするところは、前作よりも主人公達が若いことに起因するかもしれない。焦りや苛立ちで自分を見失ってしまうシーンからは(『香辛料』でロレンスがやってしまった「お前さえ・・・!」とか。あれもⅡだっただろうか)、人の繋がりの尊さや不思議さを感じる。  焦燥感や緊張感は前作ほどでなくエンジン全開でない感はある。また、主人公の交代によるものか、経済小説的側面は後退しているかも。政治・経済・宗教的側面の入り交じった大きなうねりがこれから起こることは1巻で感じたので、引き続き続編を楽しみに。

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    投稿日: 2017.09.16
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    ホロの娘ミューリとコルの旅2巻目。 狼と香辛料の世界の続きを今回もまた楽しく読んだ。 ……のだけど、お話としてはかなりシリアス成分多めで途中苦しかった。 その大きな要因は、確かに貧しい島で奴隷売買せざるをえないというどうしようもない現実の厳しさはあるのだけど、それ以上に、ちょっとコルがボンクラすぎて、情け無くて、もっとしっかりしろよと言いたくなった。 いや、コルってこんなにヘタレだったかなあ。 子供の頃はもうちょっと機転も機知もあったような気がするんだけど。 なので、ホロとロレンスの旅にあった困難をその才覚でどうやって切り抜けていくんだろうと言うワクワク感がなくて、ちょっと苦しかった。 これじゃあ、ミューリに釣り合わないとまで思ってしまった。 でも、この頭を打ち付けられた辛い経験がこれからのコルの覚悟や生き方の糧になっていくと良いなと思う。 少なくとももうちょっとしっかりして欲しい。 なので、ラストの望外の幸福感はちょっと予想外だった。 でも、やっぱり嬉しいな。 ちなみにオータムの正体はミューリが獣の匂いじゃなくて海の匂いがするといった時に大体分かった。 むしろ大海蛇か何かかと。 それにしても、ミューリが思い出す言葉はホロばかり。少しはロレンスの言葉も思い出してやれよ(笑)

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    投稿日: 2017.06.02
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    後半の盛り上がりと緊張感が伝わってくる内容で、読み応えのある作品だった。 修道士が主人公ということで、中世の宗教観もしっかりと調べて書かれていて、異世界ファンタジーと言いつつも、中世ヨーロッパの雰囲気がよく描かれていると思う。 次回作にも期待したい。

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    投稿日: 2017.06.02
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    港町アティフでの聖書騒動を終え、海賊がいるという北の群島へ向かうコルとミューリ。 貧しい島では黒聖母像の信仰があり、奴隷を売ることも珍しくはないところであった。 孤島に住む修道士オータム、巨大な船舶でやってきた大司教、過去に起こった噴火の溶岩をせき止めた巨大な鯨、、、

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    投稿日: 2017.05.28
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    メインは信仰。主人公が旅商人から見習い聖職者になったから仕方ないかな。理想を追う宗教家にはよくある融通の利かない感じに陥ってるのはコルらしくも感じるけど、ホロ・ロレンス夫婦の下にいたら多少は現実を見る眼もありそうな気もするんだがなぁ。そういった足りない部分はさすが賢狼の娘と思えるミューリが補ってバランスは取れてるのかな。何にせよ今後も当分はミューリが主導権を握りそうですね。というかこの作者さんの主役男性陣は女の尻に敷かれすぎやしませんか(笑)女性側が強かすぎるというのもあるが。

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    投稿日: 2017.04.02
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    狼と香辛料の知恵と多少のイカサマで乗り切るスタイル健在。父親世代は落ち着いたので、もう続刊はないのかなあ。

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    投稿日: 2017.03.14
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    ホロとロレンスはお互いの気持ちを察しつつも、ある種のタブーとして本音を交わし合うことを避けてきたのよね。そこに生まれるホロのいじらしさだったり、虚勢張っちゃう姿がべらぼうに可愛くてもう虜だったんだけど。新シリーズ「羊皮紙」のミューリは見てくれ通りの年齢で、酸いも甘いも経験したホロとは違って、いい意味で真っ直ぐな女の子。お利口さんだから、人ならざる者である自分の立場を理解はしている。だからこそ“今が大事”だと言ってコル坊への気持ちを公言することを憚らない。これが「香辛料」とは違う部分で、伝えないことが歪みを生むのではなく、伝えることがいつかきっと哀しみを連れくる。その哀しみの中で“今”の幸せを必死に掴む。きっと「羊皮紙」はそんな物語になっていくんだと思う。 なーんて真面目に書いてみたけど、うん!ミューリ可愛いよ!もう目の中に入れても痛くないくらい! そんで、文中にホロの描写が少しでも出てきただけでにやけちゃう。「香辛料」好きな人なら垂涎ものだよこのシリーズ。 とにかく3巻早くしてくれい!

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    投稿日: 2017.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    儲けるつもりが騙されていてピンチに、 リスクを伴う打開策にてなんとかなったと思ったらまたしても裏切りが…。 登ったり落ちたり、展開が激しく、また素人目には合理的な商人の動きに見えるので読んでいて面白い。 主人公たちが最初からこんなに慕いあっていることには多少違和感は感じますが、 こういう男女の会話が楽しいので今後も読むと思います。

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    投稿日: 2017.03.09