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メビウス・ファクトリー
メビウス・ファクトリー
三崎亜記/集英社
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総合評価

21件)
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    読みやすい背景描写だったが、また違った世界観で流されて生きている人とこの働き方?製品は間違っていると言う人の生活模様。日本の中の一つの国、この中でしか通用しないお金、価値観、他者を受け入れた事からひずみが起き、波紋が広がるが汚染によって人々が散らばり、また集められ信奉者はまた戻って疑問も持つことなく。。と最後は自分の空想だが同じ生活をしていくんだと思う。そしてまた疑問を抱いた人が排除されていく。自由がないとも思わないけど保証された生活が羨ましいと思うのは生活に疲れているからかも知れない。

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    投稿日: 2023.07.02
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    面白かった! 最初は宗教臭のする街の気味悪さから引き込まれ,何をつくってどのように街が動いているのか考えさせられ,そしてP1とは一体何なのかを探るようになっていた.それら全てを含めて,騙された.注目すべきはメビウスの世であり,自分は果たして自由なのか,それを自分自身に向けて疑問視する本だった. この人の本は,現代日本から少しズレた並列世界の現代日本を舞台にしているのが多いイメージだけど,この本は良い感じでズレていて良い感じで重なっている.

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    投稿日: 2023.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    足元がすくんだ。「私の生きてきた人生って、本当に私自身が選んで来たんだろうか」と怖くなった。P1と言う読み手からしたら何のこっちゃ訳が分からない物をひたすら製造し、誇りすら持つ住民。盲目的に信じきる自分たちの生活はある意味安寧だ。出来れば真実を住民全員に暴露して、ラストには住民が目を覚ます描写まで欲しかったが、真実を知る事が幸せとは限らないので、この終わり方が1番良いのかなと思う。結局、「ボーッと生きてんじゃねえーよ!」と、自身のこれからの人生にも、この住民達にも某女の子の台詞を伝えたい・・(読書メーターにも投稿)

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    投稿日: 2020.01.04
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     例えば、ある会社に勤めていて、ある日とんでもない大問題が発生する。  もう明日は来ないかもしれない、どうしよう。  なんて緊急事態は社内だけで、世間的にはどうでもいいことなのかもしれない。  近視眼的になりすぎて、世の中全体が見えてない。  だけどそれって、ある特定の組織だけの問題なのか。  世界的にみれば、極東の島国で起こることなどどうでもいいことばかりなのかもしれないし、  宇宙的にみれば、辺境の惑星の些末なことなどどうでもいいのかもしれない。  この街では、工業製品P1を生産している。  P1はこの国のあらゆる箇所で利用され、その供給が止まってしまうと大変なことになると言われている。  町民は皆、P1の生産に関わっており、町内では貨幣の流通もなく社内パスで全てのものが精算できる。  また、町民が町外に出る時には事前申請が必要であり、町の外から見ると閉じた世界になっている。  この工場に新入社員として引っ越してきたアルトは、かつてこの町に住んでいたことがある。  町外からの社員は異例なことだった。  アルトはこの町に慣れようとするが、妻の様子がおかしくなってくる。  最終工程を経たP1は鑑定士が、P1に真心が入っているかの最終チェックを行うが、町出身の鑑定士を育てようという機運が高まる。  遠山は、何故自分が鑑定士見習いに選ばれたのか、理由が全く分からなかった。  町外に住む師匠の跡をつける。    自分の仕事が世の中で、どのように役立っているか分かって仕事をする人は少ない。  その働き方は、機械とは一体何が違うというのか。

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    投稿日: 2019.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界にとって重要だと言われているが、実際にどう使われるのか判らないP1という製品を作り続ける工場。 工場内ではP1を神格化した用語が使われ、それは住民のほぼ全てが関係者である町全体に広がっている。ある日、工場で「汚染」が起きて・・・。 原発事故や「20世紀少年」のような話も出てきます。 三崎さんの面白さの一つは「あり得ない設定」に牽強付会の論理をぶら下げて行くところなのです。しかし今回はその根本のところが”お金”がらみ(それも途中で予測できた)になってしまい、妙なリアリティーと生臭さが出てしまいました。 むしろマインドコントロールに対する警告の書と見るべきでしょうか。する方もですが、受ける方も考えることを放棄し、安易に流される怖さのようなものは感じます。 でもそんなことを三崎さんに望んでないのですが。

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    投稿日: 2018.02.12
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    他の地域と独立している町の不思議な話。映画にも似たような設定はあったが、その町の生活、風習はまさに三崎ワールド。

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    投稿日: 2017.10.26
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    P1と呼ばれる製品を作る工場が全てを支配する街。そこでは工場が管理する電子マネーで暮らし仕事も「奉仕」と呼ばれる管理社会。それは宗教などによる単一価値観の社会を思わせる。 また「20世紀少年」を思わせる部分もあり楽しめるがオチもまた20世紀少年の様に中途半端というか曖昧さを残す。 もう少し収集をつけて欲しかった。

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    投稿日: 2017.04.12
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    近未来SF 最近話題の村田沙耶香さんと近いジャンル。 少しだけ未来のあり得そうだがそうなったら怖い世界を描く。 ライトノベルの軽い内容だと思って読んでいたけどなかなか深かった。 町を作った意味も仕組みも最後には判らないが政府や組織の上層部の発表をそのまま信じて良いのか、疑問を持つべきなのてはないのかという問いかけで終わる。 汚染とか政府発表とか最近良く聞く言葉にはドキッとさせられた。

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    投稿日: 2017.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たった一つの製品を生産する企業に支配された町のSF小説。 作者らしい世界観、キーワードで拘束感を盛り上げてくれます。 後半はその世界が欺瞞に満ちていることに気付いた人々がレジスタンス的に行動しますが、作者得意のジワジワ感ではなくサスペンスアドベンチャー的ですが、転がるような展開は面白かったです。 ただ、落ちとしては不条理感が前面に出て、何がなんだかすっきりしない感じでした。 他の物語との繋がりがあるかなと思いましたが、そうでもないようです。 結局「P1」って何?「ME創研」って何?という疑問のみが残りました。 やはり作者は短編や短編を基に膨らんだ長編の方が面白いような気がします。

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    投稿日: 2016.11.29
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    うーむ。いろいろ示唆されるところはあるんだろうけど,私には(特に最後)分からなかったしちょっとついていけなかったかも。

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    投稿日: 2016.11.28
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    「となり町戦争」の頃にに戻った作品かと思ったが、新鮮さを失い、凝ってるわりに薄い。この町の構造は欺瞞と矛盾だけで見逃された謎に説得力はなくて、むしろイメージは昔の北朝鮮になる。登場人物も上滑りで、作者の駒という感じ。特別奉仕という町のシステムとして不自然な義務を持ち込んで状況を展開させたが、先に面白味はなく、広がった感じはしない。ラストもとってつけた無意味さで後味が悪かった。

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    投稿日: 2016.11.11
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    生まれ育った街に家族とともにUターン就職したアルト。この街で唯一の大工場の生産ラインで働き始める。慣れないことばかりだが、面倒見のいい先輩にも恵まれ、家族も街に馴染んだかに見えた。 しかし、工場で何気なく発した一言が「緊急事態」を生み出す原因となってしまう。 妻も街に違和感を感じ始めた。 それでも、やっていけると信じていた。ブラック企業から逃れ、働きがいのある仕事につけたはずだった。幼き日に失った家庭の幸せを築いて行くはずだった。 工場城下町で繰り広げられる人間模様。 体制の中で生きていくのか。 生じた疑問に蓋をせず生きていくのか。 そもそも、工場で生産されている唯一の製品「P1」とは何なのか。 隙がなく作り上げられた、巨大な街のシステム。黙って従っていれば、全て順調に行くはずなのだが。 完全に管理しようとしても、完璧なシステムなど存在しない。 タイトル通り出口のないメビウスの世界に導く、摩訶不思議な三崎マジック。

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    投稿日: 2016.11.03
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    自分たちの総意であるかのように錯覚させられて、実は全く別の誰かによって、コントロールされている。メビウスの輪のように、わざとねじれを作り真実を覆い隠し、大きな欺瞞の歯車の小さな歯車となって滞りなく回り続ける人々。何も見ず、何も考えずに歩き続ければ、平坦で歩きやすい道がどこまでも続く。足元を一旦見つめれば、自分がねじれた空間にいることに気づいてしまう。気づいてしまえば、ねじれた部分から振り落とされてしまうだけ。だから、人々は、目をつぶる。そうすれば、足元がねじれていることなど気にかけることもなく、元の通りに平坦な道を歩くことができる。見ないフリをすれば少なくとも平穏に日々を送ることができる。目をあけたらどうなるのか。本書はそれを教えてくれる。

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    投稿日: 2016.10.22
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    巨大な企業が支配する、極端に閉鎖的な街が舞台。外界との交流も制限され、小さな世界で何の疑問を持つこともなく暮らしている人々の生活に、少しずつ亀裂が生じてくる。 何を作っているのかもわからないまま、工場で真心を込めて作業にあたることが美徳とされ、素直に恩恵を受けることが強要される。全体主義の社会では、日々の暮らしも通貨も価値観さえも、独自の基準で統一されている。 正体不明の中枢によって情報が操作され、すべてを支配されている様は、まるでどこかの社会主義国家のよう。 本当はねじれているメビウスの輪の上を、何も考えずに歩き続けること、気づかないことが幸せという、そら恐ろしい世界だ。 非常事態には得たいの知れない巨大な力によってスケープゴートが用意され、疑念を抱く者は処分される。 近未来のようでもあり、戦時中の軍事国家でもあるような…。 感情を極力を排した、乾いた短編の多いなかで、珍しく読み手と登場人物との距離も近く、作者にしては起伏に富んだ展開だった。やはり長編には、これくらいの熱があったほうがおもしろい。 ただ、表紙の絵は安直過ぎてまったく似合わないと思うのだけれど。

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    投稿日: 2016.10.17
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    久しぶりに三崎亜記を読んだ。 不思議世界であるが、今回は分かりやすい。 考えさせられる。 最後が少しもの足りない。

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    投稿日: 2016.10.10
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    +++ 「この工場で奉仕するために必要なことは、愛情と使命感を持つことだ」ブラック企業を辞め、妻子を連れて地元へUターン就職したアルト。町は巨大工場を中心にシステム化されており、住民は誇りを持って働いている。しかしそこで何が作られているか、実は誰も知らない―。アルトたちも徐々に工場の「秘密」に気づきはじめ…。 +++ 疑わなければこれ以上暮らしやすい町はないかもしれない。この町で幸福に暮らしていける人は、ある意味宗教を盲信するようなタイプだったり、人の言葉に疑いを抱かず、素直に信じやすいタイプの人なのだろう。ほとんどがそんな住民で、町のめぐりに取り込まれて暮らす日々に満足していたところに、幼いころに町を出たアルトが、家族を連れて戻って来たところから、少しずつ何かが変わり始める。なぜ町の中だけですべてが完結しているのか。自分は何のために町のめぐりに取り込まれているのか。ほんのわずかの疑問の目が、ぽつりと芽生え、育つことで破綻が生じる。そこから町のめぐりに破綻は生じるのだろうか。読者の期待は膨らむが……。結局、何ひとつ真実は明かされないままであり、それは消化不良を起こし、もどかしさは募るが、だからこそ更なる想像力を掻き立てられもする。いずれにしても、これまで通りということはないだろう。胸のざわめきが治まらないままの一冊でもある。

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    投稿日: 2016.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    巨大工場を中心にシステム化された町。住民の多くは工場に勤めているが、最終的に何が作られているかは誰も知らない。引っ越してきた工場員のアルトは、町の不思議な「ルール」に気づき始め…。『小説すばる』掲載を書籍化。

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    投稿日: 2016.10.08
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    へんてこワールドがこの人の持ち味だと思うのですけど、本作はなんだか具体的すぎるミステリで違和感ありありです。ミステリやサスペンスだったら他の作家さん達がもっと上手に書きます。この人にはさらなるへんてこを目指して頂きたいです。

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    投稿日: 2016.10.03
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    内容はええねん。THE 三崎って感じで。なんでわざわざ違和感しかない変なイラストを表紙にしてんねやろ?

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    投稿日: 2016.09.22
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    巨大工場を中心にシステム化された町。住民の多くは工場に勤めているが、最終的に何が作られているかは誰も知らない。引っ越してきた工場員のアルトは、町の不思議な「ルール」に気づき始め…。 あり得ない設定、でも物語は何事もなかったように進み、結果的にこの世の不条理を描く…典型的な三崎ワールドの作品だった。三崎亜記の作品は設定があまりに非現実的だと投げ出したくなるけれど、本作はそれほどではない、でもそこまで魅力的でもないという微妙な作品だった。 (C)

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    投稿日: 2016.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初読。図書館。またしても三崎ワールド。工場という舞台は人間から思考を奪うには格好の装置。私たちもこういう工場でわけのわからないものを知らないうちに作らされている一員なのかもしれないと、足元をすくわれる感覚はまさにメビウスの輪。嘘をあばこうとする人もまた別のメビウスの輪にいるというラストは秀逸。毎回毎回思うのだが、三崎さんは一体どうやってこういう世界を創り出すんだろうなあ。

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    投稿日: 2016.09.15