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熊と踊れ 下
熊と踊れ 下
アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ、ヘレンハルメ美穂、羽根由/早川書房
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総合評価

82件)
4.0
21
34
12
5
0
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    緊迫の下巻。 もう読んでてわかる、結末の感じに胸が締め付けられる。 破滅への速度は緩まることなく加速していくだけ。 これが実話を基にしているというのがまた驚きだ。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    少ない登場人物ながらも、それぞれ個性的であり、生きている。 フィクションを基にしたからこそ生きている気がする作品。再読。

    0
    投稿日: 2025.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不思議な家族の結束。 レオと父の関係は予想外だったな。嫌いなのかと思いきや、どこかで繋がっている。 兄弟間の結束も。子供時代を考えるとそこの結束は固くなりそうだけど。離れてもやはり繋がってる。

    0
    投稿日: 2025.02.09
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    最後の方は夢中になって読みました。軍人ギャングも刑事さんも両方が身近に感じられて応援(?)したくなりました。スウェーデンの家族の絆がとても強いってわかりました。あとがきも読むと小説の裏側がわかって良かったです。

    0
    投稿日: 2024.10.06
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    クライム系で結構スピード感もあり兄弟の絆とかもいい (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)最後のオチが悲しい ⊂|⊃ [ಠ⁠_⁠ಠ]実話をもとにしてるから仕方ねえだろ

    0
    投稿日: 2024.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幕切れは呆気ないが、とても面白かった。 最悪の親父だが子供への愛は本物だったね。 チクリ野郎という言葉が最後までレオの鎖となっていたんだね。 お母さんがどんな心境だったのか知りたかったな。 これだけの犯罪を犯した三兄弟が刑期を終え釈放されて普通に暮らしているというのがまた…

    0
    投稿日: 2024.06.30
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    軽い気持ちで、エンタメ感覚で(不謹慎だけど)手に取った犯罪小説だったのに、この読後感は予想外…。 作中繰り返される「いまが、昔になれば。昔が、いまになれば。」が哀しく、切ない。 続編読むの怖いなぁ。読むけども〜。

    0
    投稿日: 2024.05.24
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    三兄弟と幼馴染が軍の武器を奪い銀行強盗を繰り返す。視点を切り替えながらテンポ良く進んで行くので、長くても全く飽きなかった。表現のセンスも抜群でストーリーに引き込まれました。

    2
    投稿日: 2024.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わってしまった… 割とあっけない幕切れ… と思ったが、史実に基づいているし、こういった終わり方の方がある意味リアルなのかも知れない。 父も少年時代の周りの人も兵役も込みで、暴力というものに触れさせられ続けていると感覚が変わってしまうものなのか。 個人的には最終手段として持つのは良いと思うが、ひけらかすとなると、、 守りたいものがあったとしても考えてしまうものはある。 そして誰がドアを開けたせいで母が殴られたのかに関して、それぞれ自分のせいと本心から思っているあたり、本当に家族のことを思っていたんだなと… ただ、父親は最後印象が少しはかわったものの、不器用がすぎてもはや同情できなかった(苦笑)

    89
    投稿日: 2024.01.06
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    クライム・ノベル。スウェーデンで起こった実際の事件をベースにしたもの。前科のない兄弟3人と幼馴染を加えた4人でいくつも銀行強盗するんだけど見事に成功する。この犯人たちも、この事件を追う刑事も暴力にまみれてる。 最後まで人物にあまり共感できなかった。なぜ銀行強盗するのか。仲間と工務店を経営してるんだから真面目にやれば金には困らんはず。銀行強盗までして楽をしたいという動機が希薄な気がした。 さらに、襲う銀行の内情を内通者もいないのにどこで手に入れたのか。その辺も有耶無耶で何故か銀行強盗成功。いまいち。

    1
    投稿日: 2023.11.30
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    2023/10/15読了。上下1000ページ。いやあー読むのがきつかった。父親の凶暴とも言える暴力→家庭の崩壊→放置されて育つ兄弟→複雑な価値観の醸成と複雑に絡み合う兄弟の絆→犯罪への発展→それを追いかける一方の警察→その警部にも家庭内暴力と言う過去を抱える→そして父親の登場とまたしてもやるせない結末が。最後に事件後の母親の思いを想像してみたいところ。スウェーデンで実際に起こった犯罪をベース。 リアリティ溢れてドキドキ感が漂う。あー読み終わったと言う単純な読後感。この作家は3作目だが海外ものはやっぱり熱い。

    1
    投稿日: 2023.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長男レオを中心に次男、三男の3兄弟と、友人のヤスペル、レオの彼女のチームで銀行強盗を繰り広げる物語。 現在の物語の中に、レオの幼少期が描かれている。 次男と三男がチームを抜けることとなり、親父をチームに引き込むこととなりそれが最後の仕事となって捕まったところで終わる。 物語としては銀行強盗の単純な物語なんだが、幼少期の逸話が入ることで物語の深みが増している。 ただ物語自体は評価ほど面白い訳ではなかったのだが、最後の解説をよんでビックリさせられた。 この物語は完全なフィクションではなく、本当にあった史実をもとに その犯人たちの本当の兄弟(事件に関与していなかった)が筆者と協力してこの本を完成させていること。 ほぼほぼ、ノンフィクションで描かれているという点がビックリさせられた。

    0
    投稿日: 2023.07.06
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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。 「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。 -----story------------- ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品 〈上〉 凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。 独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。 その目的とは、史上例のない銀行強盗計画を決行することだった――。 連続する容赦無い襲撃。 市警の「ブロンクス警部」は、事件解決に執念を燃やすが……。 はたして勝つのは兄弟か、警察か。 スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。 最高熱度の北欧ミステリ。 〈下〉 緻密かつ大胆な犯行で警察を翻弄し、次々と銀行を襲撃していく「レオ」たち。 その暴力の扱い方は少年時代に父から学んだものだった。 かつて彼らに何がおこったのか。 そして今、父は何を思うのか――。 過去と現在から語られる"家族"の物語は、轟く銃声と悲しみの叫びを伴って一気に結末へと突き進む。 スウェーデン最高の人気を誇り、北欧ミステリの頂点「ガラスの鍵」賞を受賞した鬼才が、圧倒的なリアリティで描く渾身の大作 ----------------------- 1990年代の初頭にスウェーデンを恐怖に陥れた正体不明の強盗団… まるで軍事作戦のような統率の取れた的確な動き、軍用銃を駆使し、ためらわずに発砲する手口は"軍人ギャング"と称された、、、 彼らは1991年(平成11年)秋から、1993年(平成15年)末までに、軍の武器庫からの略奪を2件、現金輸送車の襲撃を1件(未遂3件)、銀行や郵便局の強盗を9件、さらにはストックホルム中央駅で爆弾事件まで起こした… 警察は、この強盗団の正体を全くつかめなかったが、犯行の計画性、周到性、狂暴性等から、初犯ではないと思われていた。 ところが一段が逮捕されてみると、その中心となっていたのは20歳前後の三兄弟とその友人たちで、前科もなければ裏社会とのつながりもない若者たちであるとわかった… 前段が長くなりましたが、本作品は、当時スウェーデン公営テレビ記者として現場でこの事件を報道していた「アンデシュ・ルースルンド」と、犯行の中心人物だった三兄弟と実の兄弟である「ステファン・トゥンベリ」が、その一連の事件をモデルに描いたフィクション作品です、、、 とはいえ、事件に関わっていた当事者たちが描き、事件のあった場所や手口等の大部分が事実に基づいていることから、ノンフィクション作品のようなリアリティや臨場感があり、読んでいるうちに、ぐいぐいと作品の中に惹きつけられていきました… 上下巻で1,100ページ程度の大作でしたが、長くは感じませんでしたね。 暴力的な父親「イヴァン・ドゥヴニヤック」の影響下で育った「レオ(レオナルド)」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三兄弟… 長兄「レオ」が中心になり、「レオ」の恋人「アンネリー・エリクソン」や幼馴染の青年「ヤスベル」を巻きこんで、壮大な強盗計画を企てる、、、 ストックホルム防衛管区の動員用武器庫に侵入し、二個中隊分の装備がまかなえるほどの銃や爆薬を盗み出し、これを使って彼らは現金輸送車や銀行を襲い始める… 彼らは20代から10代後半とまだ若いが、リーダーである長兄「レオ」が立てる緻密な計画と冷静な指揮により、強奪は順調に進む。 事件を捜査し彼らを追う警部「ヨン・ブロンクス」も優秀だが、手を替え品を替える手口で翻弄し、尻尾を掴ませない… だが、首謀者たる「レオ」の欲望と目的は、なかなか満たされない、、、 予定では、もっと早くに巨額の金を強奪して、人生をやり直すつもりだったのだが、毎回見込みよりも少ない額しか手に入らないのだ… そういうこともあって、犯行グループの中には次第に軋みが生じ、二人の弟が離反する。 しかし最後の襲撃に執念を募らせる「レオ」は、とうとうある人物をグループに引き入れ、危険な賭けに出る… カリスマ的リーダーの「レオ」、一度決めたら譲らない「フェリックス」、まだ無邪気さが残る「ヴィンセント」、軍隊から抜けた後、尊敬する「レオ」に従い仲間になる「ヤスベル」、強盗や警察側だけでなく犯行現場に居合わせた被害者も含め、登場人物は全員、複雑で多面的な個性を持ち、それぞれに共感しながら読み進める感じでしたね、、、 犯行に向けて周到に準備を整える場面や、突入し犯行に及ぶ一部始終などの、微に入り細を穿つ描写のリアリティには、ホントに関心しました… 四人の息づかいが感じられ、自分も共犯者のひとりとしてこれから強盗に行くのだと錯覚してしまうような気分に浸れるほどの巧みさでした。 ミステリというよりは、家族・兄弟の愛憎や絆を描いたヒューマンドラマという印象ですね… 特に、家族を裏切ることの罪深さを説きつつ、妻を激しく暴行してしまう父親「イヴァン」の存在は強烈な印象が残りましたね、、、 そんな粗暴な父親を憎み拒絶する兄弟ですが、その憎い父から学んだ暴力を有効な道具として使いこなすことで犯行を完璧なものにしようとする「レオ」… 冷静に気持ちをコントロールしようとしますが、他者を屈服させる快感と昂揚により、次第に自らの大きさを勘違いしてしまうんですよね。 暴力により支配すること、コントロールされることの恐ろしさを改めて感じました、、、 でも、本作品、次々と犯行を重ねるのですが、「暴力」はあっても「死」がないのは良かったかな… これで多くの命が奪われたら、救いがないですもんね。 本作品は、続篇が『兄弟の血―熊と踊れⅡ』として刊行されているようです… こちらも読んでみたいですね。 以下、主な登場人物です。 「レオ(レオナルド)」  ドゥヴニヤック家の三兄弟の長男 「フェリックス」  ドゥヴニヤック家の三兄弟の次男 「ヴィンセント」  ドゥヴニヤック家の三兄弟の三男 「イヴァン・ドゥヴニヤック」  三兄弟の父 「ブリット=マリー・アクセルソン」  三兄弟の母 「ヤスベル」  三兄弟の幼なじみ 「アンネリー・エリクソン」  レオの恋人。シングルマザー 「セバスチャン」  アンネリーの息子 「ヨン・ブロンクス」  ストックホルム市警警部 「レナート・カールストレム」  ストックホルム市警警視正 「サンナ」  ストックホルム市警鑑識官 「ガッペ」  建設業者 「サム」  ヨンの兄。服役囚

    0
    投稿日: 2023.03.11
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    あとがきに一番びっくりした。 知らずに読めたのは、幸せ。 未読の方は、あとがきと解説は最後まで取っときましょう(普通か。)。

    0
    投稿日: 2023.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初から、最後は破滅で終わるのだろうと思っていた。 だってこれ、実話をもとにしているのだもの。 怪盗ルパンや二十面相とは違う。 犯罪者をヒーローにするわけにはいかない。 だけど、彼らは本当に成功し続けた強盗だったのか? 確かに警察に尻尾は掴ませなかったが、いつも目標を下回る金額しか奪うことができなかった。 そのことについてレオは一度でも考えたことがあるのだろうか。 そしてレオは、家族は一致団結するのが当然と考えていたけれど、レオと弟たちは団結していたが、最初から一致なんてしていなかった。 レオにはそれが見えていなかった。 フェリックスが言ったとおり、彼らを統率するのが父親から長兄に代わっただけだったのだ。 どちらもフェリックスやヴィンセントの気持を考えるなんてことはなかった。 ただ黙って俺について来ればいい。 フェリックス21歳、ヴィンセント17歳。 ようやく自分たちの気持をレオに伝えて、彼らは袂を分かつ。 だけどレオはもう後戻りできなかった。 強盗することで得られる成功体験の依存症になってしまったと言ってもいい。 どう考えてもレベルの下がったチームで大仕事をやろうとしていたのだから、全く正気ではありえない。 レオは暴力を振るわないことを自分に課し、仲間に課し、それが守られることで自分を正当化していたけれど、銃を突き付けられた人は、命の恐怖にさらされた人は、決して消えない傷を心のうちに負ってしまったことにレオは気づくことができなかった。 なぜならレオにもその傷があり、その傷を見ないことでレオはかろうじて自分を支えてきたのだから。 父のイヴァンが自分の気持ちのままに暴力を振るって家族を従えてきたことが、結局家族の心を壊してきたのだ。 イヴァンがレオに「家族を頼んだ」ことが、レオの人生を狂わせてしまった。 たった10歳の子どもがどうやって家族を守ることができるのか。 父のとおりにふるまうしかないではないか。反面教師だとしても。 作者の一人、ステファン・トゥンベリは強盗に参加しなかった彼らの実の兄弟だという。 本当は4人兄弟だったのだそうだ。 レオはこの本を読んで自分や周りの人たちをどんな狂気にさらしていたか、これで理解できた」と語った。 自分を客観的に見ることができるようになったのなら幸いだと思う。

    3
    投稿日: 2022.02.12
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    暴力に支配された兄弟が成長し、銀行強盗団となる。犯罪自体は許されないものであるが、彼らの精一杯の生き様に、悲しく切ない気持ちになる。スェーデン社会の闇も垣間見られる重厚な作品。

    0
    投稿日: 2022.02.04
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    <上下二巻、併せての評です> 過去と現在の出来事が、交互に語られる。親子の物語であり、家族の物語であり、類い稀な犯罪小説でもある。人はなぜ理に合わない犯罪に走るのか。やむにやまれぬ強迫観念に突き動かされた行為の裏に隠された過去が、記憶の鍵をこじ開け、じわりじわりと顔をのぞかせる。子ども時代からこだわり続ける抜け落ちた記憶。本当は誰がしたのか。物語が進むにつれ、次第に明らかになる真実。 冒頭、四年ぶりに家族のもとに父が帰ってくる。ドアが開くなり、父は母親の顔を殴り、腹を蹴り、髪をつかんで引きずり倒し、なおも蹴り続ける。二人の間に体を入れ、止めようとする長男。その長男に「あとは頼んだぞ、レオナルド(略)わかるな? おれはもう、ここにはいられない。これからはおまえが束(たば)ね役だ」と言って立ち去る父。のっけから凄まじい暴力シーンではじまる、波乱の幕開けだ。 第一部。成人したレオは弟のフェリックス、ヴィンセント、それに幼なじみで軍隊仲間のヤスペルと組んで、軍の武器庫に収蔵された銃器を強奪しようとしている。大胆かつ細心な計画はレオが立てた。レオが営む工務店を隠れ蓑に、四人で盗んだ銃器を使って現金輸送車を襲う計画だ。後に「軍人ギャング」と呼ばれることになる強盗グループの初仕事である。この作品は、そのグループの胸のすくような仕事ぶりを描くと同時に、追う側と追われる側、双方が抱える過去との確執を描く。 こうした大掛かりで計画的な犯罪が起きた場合、警察はまず過去の事件を洗い、よく似た犯罪を起こした者を探す。しかし、今回はそれが全く役に立たない。なにしろ、犯人たちはまだ二十代で、前科などないからだ。顔には覆面、指紋は残さない。犯罪に使用した着衣その他は焼却し、銃器は分解してコンクリート詰めにし、水中に沈めるという徹底ぶり。練りに練った計画、それを完璧に行うための訓練、盗んだ大量の武器弾薬の隠し場所、それらを手配し、仲間を率いて実行に移してゆくレオの采配が光る。 しかし、そのレオもはじめから優れたリーダーだったわけではない。子どもの頃、年上の悪ガキに目をつけられ、痛い目に合わされた。それを父親に見つかり、やられたらやり返せ、と毎日喧嘩の練習をさせられた過去を持つ。父のイヴァンは半分セルビア人で、半分はクロアチア人。国が自分たちを守ってなどくれはしないことを骨身にしみて知っている。家族(クラン)の結束が何よりも大事だ、と信じ切っている。 練習の甲斐あって、レオは自分より大きくて力もある相手の顔面を殴りつけ、鼻骨を折る。まず、鼻をねらえ、というのが父の教えだった。相手が自分より強くても、鼻を殴られれば一瞬怯む。涙で目が見えにくくなり、動きが止まる。次は顎に一発。そうして相手の周りを動き続け、隙を見ては殴る。それを続けていれば相手の闘争心は鈍り、勝機をつかめる。題名(原題は『熊のダンス』)はその戦法を指している。 自分のあとを継ぐ長男には、家族を守る力がいる。自分の始末は自分でつけるしかない。そう考える父に対し、スウェーデン人の母は話し合いで解決するべきだという。妻は夫の過剰な暴力に耐えられず、家を出る。イヴァンは実家に帰った妻を無理矢理連れ帰ろうとし、家に火をつけ、駆けつけた警察に逮捕される。レオと違って年端のいかない弟たちは母に乱暴した父を許すことができない。冒頭の一幕は、四年の刑を終えて戻ってきた父と母の再会の場面だったのだ。 犯人を追う立場である刑事のヨンにも過剰な暴力の覚えがある。兄のサムは、母に暴力を振るう父をナイフで刺し殺し、今も獄中にいる。人はなぜ過剰な暴力を振るわずにいられないのか。ヨンは夜毎、警察に泊まり込んでは過去の暴力事件のファイルを読むのが日課になっている。そんなある夜、現金輸送車襲撃の一報が舞い込む。事件の担当を命じられたヨンは早速現場に向かう。 犯行は計画的で緻密、人目につかない場所を逃走経路に選んでいるところから、ヨンは犯人には土地勘があると見る。その後もグループの犯行は続き、次第にエスカレートする。そしてついにはストックホルム駅構内のロッカーが爆破される。もともとは陽動作戦で、警官たちを爆破予告した場所に引きつけておき、その隙に離れた場所の銀行を襲う計画だった。爆発は想定外。レオが作った爆弾をロッカーに仕掛けたのはヤスペルだ。まだ十七歳のヴィンセントは、この事態に動揺する。フェリックスはヤスペルに詰め寄るが、レオはヤスペルをかばう。兄弟間にひびが入り始める。 弟二人がグループから離脱を考えはじめるのをよそに、レオは新たな犯行計画を披露する。それを最後に、強盗を引退するという言葉を信じ、渋々参加した弟二人だが、思っていたような戦果が得られず、レオは更なる襲撃を口にする。そんな兄に対して、フェリックスは自分の思いをぶつける。兄貴のやってることは、異論を力で封じ込め、相手を自分の思い通りに動かそうとする、かつての父親と同じだと。 人はなぜ暴力に訴えるのか。そこには理由があるはず。実際に起きた事件をその内部からながめることで、ことの本質に迫ろうとする、フィクションではあるが、限りなく事実に近い位置に身を置いて描かれた小説である。なんと、作者の一人は実行犯の兄弟の一人で、強盗には加わらなかったため作中には登場しないが、計画は知っていたという。それだけにあれだけ強かった兄弟の絆が、一度ひびが入ってから見る見る脆くなってゆく様が手に取るように分かる。そして、悲劇が待っていた。犯人の側にこんなに身につまされる小説を読んだことがない。上下二分冊。どちらもかなりの厚さだが、読ませる。

    11
    投稿日: 2021.09.12
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    重厚な内容、構成で、読むのが大変だったけどおもしろかったです。ずっと気になっていた本だったので、やっと読了できてホッとしました。

    0
    投稿日: 2021.05.23
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    面白かった。 最後は、あんなもんだよね。小さい綻びから、大きな破綻につながる。意外にあっけないですね。 小説なので、もちろん脚色されていると思うんだけど、この話が事実を下にして描かれたという事が驚きですね。下となった事件当時は、まだ冷戦のころだし、スウェーデンでは徴兵制が敷かれていたので、国中に武器が備蓄されていたという背景があるんですね。だから、こんなことが起きる。 でも、こんな大それた事ができるのであれば、まじめにほかの事に取り組めば上手くできたのではないかと思うんだけど、武装強盗に走ってしまったのは、若さの故なのかな。 もう一つの驚きが、共著者のステファン・トゥンベリが、この作品の下となった事件を起こした兄弟の一人という事。ステファン自身は、犯行に加わっていなかったらしいですが、兄弟が何やらやっている事はしっていたそうです。スウェーデンでは、肉親の犯罪を通報しなくても罪にならないのだそうです。 後日談に相当する作品があるそうなので、そちらも読んでみたいと思います。

    0
    投稿日: 2021.04.07
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    微妙に尻切れトンボかなと思ったら、作者の実体験に基づいた物語と知り、目が飛び出た。なんかもう、あとがきに全部持っていかれた

    0
    投稿日: 2020.03.09
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    兄弟が銀行強盗を次々に成功させると同時に、少しずつ明らかになってゆく、その目的。 レオは自身の中に存在する、いくらお金を奪っても決して癒されない深い孤独と、父親への想いに気づき始める。 他の誰よりも父親に認めてもらいたかったのだというレオの心の叫びが、過剰な暴力となって形を変えてゆく様が、何とも悲しい。 この作品では、親子、夫婦、兄弟、親友、恋人など、さまざまな関係性に基づく愛情と暴力の形が描かれている。 言葉では伝えられない感情が暴力となり、その想いが強ければ強いほど、彼らは本当に破壊しているものが何なのか、その実態が分からなくなっているようだ。 一番冷静だと思われたレオが少しずつ感情に飲まれてゆくのとは対照的に、兄弟を想うフェリックスの心の強さが際立っていくのがとても印象的。 銀行強盗がテーマのクライムサスペンスだと思って読み始めたが、思った以上に人間の愛情や絆を深く描いてあってとても楽しめた。上下巻を通して中々にボリュームがあるのだが、一気に読みきってしまう。

    2
    投稿日: 2020.01.13
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    事実に基づいてるって知らなかった。 北欧小説だから期待してたところもあったけど、ある意味逆に裏切られた。 もしかしたら翻訳が良かったのかもしれないけど、題名からの想像と違って、当事者の繊細な感じが想定内だったから良かった。 でも、最後はね。

    2
    投稿日: 2019.12.23
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    2019.12.11 あまりにも破滅型過ぎて共感出来ず。 他もたくさん理解不能な設定や発言が多かった。 事実を元にしてる所のみがセールスポイント。 学生時代なら好きだったかもなぁ。

    1
    投稿日: 2019.12.11
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    本当に読み応えがあった。 実在の事件をモチーフにした圧倒的迫力のクライムノベルの下巻。 あとがきを読んで、あらためてこの強盗事件を起こした3兄弟(実際の事件を起こしたのは4兄弟で、そのうちの犯行に加わらなかった一人が本書の著者・ステファン・トゥンベリ)の視点や心情がリアルに描かれていることに驚愕した。それほどまで、犯人グループの心情に寄り添ってこの事件が描かれているのだ。 次々と成功する銀行強盗、犯人グループに翻弄されまくる警察。 もはやこの『軍人ギャング』と名付けられた犯行グループの犯行を誰も止めることはできないのか。 しかし、どんなに完璧な犯行も、回数を重ねていくごとに、不安が募り、グループ内での関係に変化が生じてくる。 これまでは完璧なリーダーとして君臨していた長男のレオに対して、弟たちは違和感を覚えていく。 「暴力に支配されてしまった兄」 これこそ弟達が感じてしまった違和感だ。 どんなことであっても、物事は『中毒』になり得る。 『銀行強盗中毒』になってしまった兄レオは、さらに大きな銀行、さらに高額な金額を求めて強盗計画を作って行く。 そして、犯行に破綻がやってくる。そう破綻はいつも内部から始まるのだ。 三兄弟の心情が『現在』と父親達から虐待を受けていた『過去』の二つに分けられ交互に描写され、読者は三兄弟の心情に深く深くのめり込んでいく。 重厚な物語の結末は、驚くべきずさんな犯行により幕を閉じる。 読者の誰もが「そんな計画で、そんなメンバーでは成功するはずがない」と分かっているのだが、レオは突き進んでいく。 本書を読み終わった後、長い沈黙が僕の胸に訪れた。 圧倒的な暴力は人の人格を変える。 それは子供のころから育まれる。 人生とは、もう既に始まった時から終わり方は決まっているのかもしれない・・・。

    19
    投稿日: 2019.11.06
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    このミス海外編2017年版1位。スゥエーデンの実在の事件を元ネタにした犯罪小説。兄弟3人を中心としたチームによる連続銀行強盗で共著者の一人が実際の主犯との3人以外のもう一人の兄弟らしい。スェーデンを舞台にした小説ははじめて読んだ。事件描写や捜査の状況は緊迫してて面白いけど、心象風景や少年時代の事件の描写が細かく分量も多くて退屈。上下巻の大作でかつくどいところもあって、読み進めるのに苦労し時間がかかってしまった。読みやすさを重視する自分的には評価つけれない。まあ、面白かったし、読書好きの人なら何の苦もなく読めるのかも。

    1
    投稿日: 2019.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長い。父親との確執に至る章を挿入する形式は取ってつけたような印象を受け、小説としては普通かなと思ったが、実際に起きた事件の再構築による物語ということ、更には翻訳者あとがきを読んで知った作者にまつわる事実(これはネタバレなんでしょうか?)を知るにいたり、すさまじい小説だと読後感じました。

    2
    投稿日: 2019.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暴力に取り憑かれた主人公レオ、父親のイヴァン、二人の弟の物語。二人の弟は途中で犯罪から抜ける決断をする。父はレオに犯罪の手助けに呼ばれるが、かつての自身を振り返りながら、暴力で一線を超えるかどうか悩む。

    1
    投稿日: 2019.06.21
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    『ミレニアム』シリーズ以来、北欧ミステリをちょこちょこ読んでいますが、なかなかおもしろいのが多いです。これも、ぐいぐい読ませる小説でした。 本筋と直接は関係ないのですが、「どれだけ変装しても、身体の動きのパターン、パーツとパーツをつなぐ身体の動き方には個性が出る。新たな身分を得てちがう人間になりきろうとすれば、それを変えなければならない」というような言及に妙に納得させられました。いや、別に身分を偽りたいと考えているわけではないのですが。(2019年4月2日読了)

    3
    投稿日: 2019.05.11
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    過去と現在を行き来しながら、兄弟が犯罪に手を染める模様を描いていく。 実話に基づいた題材という驚きもあり、暴力、犯罪心理、被害者の心にも迫っていく。

    1
    投稿日: 2019.04.12
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    題名:熊と踊れ (上・下) 原題:Bjorndansen (2014) 著者:アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ Anders Roslund & Stefan Thunberg 訳者:ヘレンハルメ美穂・羽根由 発行:ハヤカワ文庫HM 2016.9.15 初版 2016.11.26 4刷 価格:各¥1,800  『このミステリーが凄い』2016年の圧倒的一位を獲得した年、ぼくはこの作品を不覚にも未読で、翌年、これを読んで歯噛みしたものだった。どうみてもこれは圧倒的な作品だったからだ。分厚いだけではなく、スリルとアクションが親子・兄弟の人間ドラマと表裏一体となって驀進する大型重戦車の出来であったのだ。  山中にある謎の施設が実は軍の武器庫であったと知ったときから、ドゥヴニヤック家三兄弟の犯罪は始まる。武器庫襲撃、そして次々と間髪をおかずに、警察の包囲網を嘲笑うかのような手法による現金輸送車や金庫の襲撃が始まる。一度ではなく、同時に連続して何か所もという複数犯罪も一つの特徴である。  作戦参謀が天才なのである。長兄のレオ。そして以上は現在。彼らの犯罪のモチーフとは何であったのかを語るのが、過去。そう。本書は犯罪ファミリーの現在と、なぜ彼らがそうなったのかに至る家族の悲劇を描いているのだ。凄まじいほどのDV。壊され傷つけられる幼い人格。最早、望んでいた普通の家族生活に手に届かなくなった時に、犯罪モンスターとして世界に対峙する存在となってゆく彼らのドラマが生まれてゆく。  実はこの凄玉犯罪プロットは、スウェーデンをかつて震撼させた実際の事件を元にしている。この兄弟では描かれなかったもう一人の兄弟は実在している。アンデシュ・ルースルンドの共著者であるステファン・トゥンベリがその一人である。彼は父親による嵐のような家庭内暴力を実際に体験した一人なのだ。犯罪に手を染めてゆく兄弟に加わらなかった一人として本書の執筆に手を貸している。現実と創作の境界がどこにあるのかは、この本からはわからない。  しかし現実の凄みこそが、この作品のリアリティを圧倒的に高めているのは確かである。人はどうやって怪物的で天才的な犯罪者に育ってゆくのか? そしてその心のうちは? 兄弟たちの葛藤は? 父と母と彼らとそれぞれは運命の中でどのように愛や憎悪や赦しを交わし、あるいは離反してゆくのか? 様々な運命の矛盾は現実を土台にしか生まれ得ないと思われる。この小説の持つ行間に溢れる切迫感、スピード感は、そうした負のエネルギーを動的内燃機関経由で爆発させた結果生まれたものに違いない。  20年に一度の傑作がここにある。この本を契機にアンデシュ・ルースルンド関連の作品はすべて手に取るようになったが、どれも共通して言えるのが、現実に材を取った少なからず社会的小説と呼べるものばかりだ。本作品は二作構造となっており、昨年『兄弟の血 熊と踊れII』が邦訳された。そちらは現実をもとにした本書の、創作された続編であるが、セットでお読みいただくことを強くお勧めする。

    1
    投稿日: 2019.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (上巻より) 軍の倉庫が国内に点在するスウェーデンならではの犯罪の発端や、 盗難予防のインクに染まってしまった札束との格闘、 暴力的な父親と兄弟たち、とくに長男との葛藤と 今まで読んできた北欧ミステリーのなかでも、 秀逸な面白さ。 でも厳密に言うとミステリーとしての面白さというよりかは、 結局は実際の事件を実際の兄弟とともに描いた、 ノンフィクションとしての面白さなのであって、 ミステリーとしては反則技なのかもしれない。 それでも、ミステリー好きとしては読んだ方が良い作品だと思う。

    2
    投稿日: 2019.02.25
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    第三部と第四部の転換が強烈だった。登場人物の見え方ががらりと変わる。彼自身の嫌悪の対象と同化している姿がはっきりと示される。おぞましく哀れな教育の成果としての過剰な暴力は、決してコントロールできず、彼を飲み込んでいる。 暴力のある家庭の悲惨さは言うまでもない。言うまでもないから言語化できていなかったが、この作品を読んで暴力の悪影響の手触りを感じた。 してはならないことは何を捨てても失っても、してはならないのだと、理解できるのは大人だからだ。子供は愛を求めることが正解で、実際にはそこに選択肢はない。 だから、服従させてはならない。 上巻は結構疲れたが、下巻は一気に読めた。

    1
    投稿日: 2019.02.18
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    北欧ミステリ界の精鋭として脚光を浴びるルースルンドが脚本家のトゥンベリと共作したクライム・ノベル。読了後、スウェーデンで実際に起きた犯罪をもとにしており、トゥンベリが事件関係者の身内であることを知ったのだが、そこでようやく納得できた。実は、批評家らがこぞって絶賛している本作に、私はさっぱり感心しなかったのである。読んでいる最中、人物設定や展開に妙な違和感/唐突さを覚え、なぜこうなるのか、という疑問が多々あったからだ。 察するところ、「事実」に絡め取られるあまり、付加した創作部分がおざなりとなり、結果的に辻褄の合わない中途半端な作品に仕上がったのだろう。犯罪ルポなのか、フィクションなのか。その迷い/曖昧さが全編に渡り染み付き、結果的に剥がれ落ちている。穿った見方かもしれないが、本来は筆力のある作家であるはずのルースルンドが、共作者とその家族を気遣い、テーマを十分に掘り下げられなかったのではないかと感じた。 〝物語〟は、母親に対する父親の暴力が常態化した家に育った3兄弟の陰惨な日常を描く「昔」と、工務店を真面目に営む一方で犯罪者の道を歩んでいる3人の「今」、という過去と現在のパートを交互に展開する。文庫本上下巻で1000ページを超えるボリュームだが、エルロイ/ウィンズロウに倣ったと思しき文体はリズム感があり、一気に読むことはできた。だが、余分な贅肉が多く、このプロットであれば3分の1の分量で事足りるし、全体が引き締まったのではないか。特に、狂気に満ちた父親に喧嘩の極意、つまりは「熊と踊れ」的な戦法を長男が教わることが主軸の「昔」は、中弛みが激しく、敢えて分離させるほどの重みを持たない。 「今」に於いて兄弟と幼馴染みの4人は結束して銀行強盗となるのだが、犯罪に手を染める動機を一切明かしていない。俗悪な家庭環境が悪影響を及ぼしたで事足りるのかもしれないが、少年期に無駄なページを割くよりも、何故「暴力」に魅せられ、父親の〝上〟をいく犯罪者を目指したのかを語る方が重要ではないか。 血の絆が暴力を通してしか感じとれない家族。裏切りが親と息子、兄弟同士の間で起こるが故に、関係はより縺れ、憎悪は倍加する。それらは朧気には伝わってくるものの、一人一人の造形がステレオタイプで浅い。全体的なまとまりの無さ、父子の不可解なエピソード、無能な刑事パートの無意味さなど、どれもが踏み込んだ情況を作り出せずに終わっている。事実を優先した結果、肉付けがアンバランスなのである。主題とする暴力の描き方も表面的。投げ出したかのような結末からは、主要人物の一人の生死さえ分からない。 ただ、長男が裏稼業遂行のためにあっさりと信条を捻じ曲げ、絶縁したはずの父親や幼馴染みと和解していくさまは、非常に惨めでありながら、唯一リアリティを感じた。 マイナス面ばかり強調してしまったが、本作に対する期待の反動であり、事実と虚構の上に成り立たせる小説の難しさをあらためて学んだことで良しとしたい。

    1
    投稿日: 2019.02.18
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    実話に基づくという制約がある中で、キャラクターの造形は良くて、作品に入り込めた。けど、その分ラストの部分でのあっさり感が残るかな。

    1
    投稿日: 2019.02.11
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    どうしてそこまで、銀行強盗に執着し続けたのか。兄弟の結束をそんな形でしか表現できなかった。悲しい家族。捕まっても、なお揺るぎない結束精神。

    1
    投稿日: 2019.01.28
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    リアリティのある話だったけど、それもそのハズ。ネタバレ注意のあとがきでビックリ。解説も秀逸でした。続編も書かれるようで、どんな話になるのかたのしみです。

    0
    投稿日: 2018.12.25
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    実際の事件をモデルにした北欧ミステリー。 しかも書いてる本人が、当の犯罪者の兄弟。いわば身内の話。 暴力の連鎖と犯罪、それを追う警部も兄弟にトラウマをかかえている。 これは、まぎれもない「家族の物語」だ。 それも、息が苦しくなるほど締め付けてくる「家族」の。

    0
    投稿日: 2018.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻一気に読み進めたが、下巻に入り少しダレ気味になった。実話をもとに、関係している者との共著と考えると改めて凄い話。

    2
    投稿日: 2018.11.04
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    最後まで父親に引っ掻き回されることになるとは。そもそも強盗中毒症状に陥っているレオは捕まるまでその計画的行動を止めることは出来なかったと思う。弟達が仲間から外れることで、まさかあそこまで忌み嫌った父親を犯行に引き入れ、こんなにも早く失敗するとは皮肉なものだ。 警察を欺くような緻密な計画を立てられるようなら他の分野でその才能を活かして欲しいが、家庭環境から作られる血や心の繋がりによってがんじがらめになった自分の存在価値と過去からの脱却がこういった所業を起こさせ、最後は父親の呪縛から逃れられなかったのかもしれない。 ある意味暴力という連鎖をどう断ち切るのか、といった大きな問題を投げかけているように感じる。この課題は世界共通のことであり、いつの時代でも形を変えて起こっている。もしかしたら人間として避けられない宿命なのかもしれない。

    1
    投稿日: 2018.09.18
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    なぜレオが銀行強盗をする気持ちになったのか? 時間を場を、自分の力量で支配するため? ほんの数分でも世界を手に入れた気持ちになるから? 自分は子供時代に父に支配されていて、される方の気持ちが分かるからなのか。 どうもそこの所が、共感出来ないので、モヤモヤする。 とっても頭が良いみたいなのに、もったいないと思ってしまう。現実にあった話なら、ノンフィクションで読みたかったかも。 刑事のエピソードって、必要?

    1
    投稿日: 2018.07.18
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    評価を聞いて期待して読みましたが、割とあっけない印象。実話ベースのため色付けをしなくてはならないから、必要以上に掘り下げているのではないか、と思ってしまいました。もう少しコンパクトになったのでは。そして、レオが何だか気の毒に思えてしまいました。

    1
    投稿日: 2018.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イヴァン最悪。最低。冒頭から人間のクズだが、最後の最後で最低な本性を現す。これほど愚劣なキャラクターに会ったことがない。ゲスの極み。物語は全編にわたりスピード感とスリルがあって引き込まれた。

    0
    投稿日: 2018.03.09
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    やっと踊り終わった。それでも、それでも、最初から最後まで、真っ白い光が遠くに見えているイメージだった。

    1
    投稿日: 2018.02.20
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    緻密かつ大胆な犯行で警察を翻弄し、次々と銀行を襲撃していくレオたち。その暴力の扱い方は少年時代に父から学んだものだった。かつて彼らに何がおこったのか。そして今、父に何を思うのか―過去と現在から語られる“家族”の物語は、轟く銃声と悲しみの叫びを伴って一気に結末へと突き進む。スウェーデン最高の人気を誇り、北欧ミステリの頂点「ガラスの鍵」賞を受賞した鬼才が、圧倒的なリアリティで描く渾身の大作。 各種ベストテンで高評価だったと記憶しているが、そこまでの作品だったのだろうか。グレーンス警部シリーズの方が、私としては上位に来る。これで一通りアンデシュ・ルースルンドの作品は読了した。

    2
    投稿日: 2018.02.08
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    まずは、実話を基にしているということに驚き。けっして離れられない家族の絆が哀しい。計画的と言いながら、こんなに簡単に銀行強盗って出来るの。

    1
    投稿日: 2018.02.01
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     スウェーデンで実際に起きた銀行強盗事件を元に描かれたサスペンス。下巻。  上巻から悪い予感しかしなかったのだけれど、そんな私の悪い予感などちっぽけなものであり、さらに事態は悪化していく。どんどんどんどんひどいことになり、転げ落ち、めぐりめぐる事件。  そうして解説まで読むとさらにびっくりできる。  なかなかに読み応えがあり、読み進むのがつらいけれど読み終えて良かった。

    1
    投稿日: 2018.01.04
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    最初から暴力を基調にした物語な感じが強く、自分の中で受け付けるか心配したけど、物語に引き込まれて行った。「熊と踊れ」の意味がそういう事なんだと前編で分かり、納得。暴力と恐怖でで家族を支配する父親の存在を嫌悪したが、子供時代の、レオに反撃の力を持たせようというくだりには、正しいとは思わなかったけど共感を覚えた。 読み進めながらも、破滅に向かって行く感じが明らかなので、だんだん苦しくなって途中何度か中断しながら読んだ。レオの抱えてくる苦悩が重くて、誰か救ってあげてもらいたかった。勿論みんな苦しんでるけど長男の比ではなく。最悪の事態にならなかったのがせめてもの救い。 それにしても本当にあった事件がベースとかで圧倒された。スウェーデンかぁ。北欧ミステリー、引き続き注目です。 そして「三秒間の死角」の続編、読んでみたいものです。

    1
    投稿日: 2017.10.29
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    10月-12。4.0点。 強盗を続ける兄弟たち。警察との頭脳戦に。 父親との和解はあるのか。 相変わらずのリアリティ。凄く引き込まれる。 面白かった。さすがのこのミス1位。

    1
    投稿日: 2017.10.26
  • 想定外

    上巻で描かれたスピード感のある「躍進」を経て、終末に向けて緻密な構成で崩壊していく様は素晴らしいだけに、終わり方が呆気なく3部作の構成で最後まで丁寧に仕上げてほしい気がしました。事実をなぞる必要もあったのかもしれないが勿体ないです。 まだまだ膨らましてほしかったので星2つ!

    0
    投稿日: 2017.09.15
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    最初上巻を読もうとした時、全く読めなくて、ノってきたら、ノれる日がきたら読もうと思っていた。読み始めたら別に面白いとは思えないのに、手が進む進む。下巻最後の一行まで、続きが気になって気になって割と一気に読んでしまった。こいつらは、この三兄弟は何なんだ、この家族は何なんだっていう、作中のヨン・ブロンクスとある意味同じような探究心があったのかも。こいつらの正体は何だ?みたいな。言葉にする事が難しい。この家族を理解しようとしていたのかも。この絆は何なのか。ミステリと言うよりドキュメントに近い、個人的には。

    1
    投稿日: 2017.09.14
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    外国のミステリ小説は、ミステリを題材にしたヒューマンドラマと言ってよいものがある。 「解錠師」「ありふれた祈り」みたいな…

    0
    投稿日: 2017.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冷静沈着な兄をリーダーとして完璧な銀行強盗を繰り返す三兄弟+幼馴染。計画性に似つかわしくないレベルで用いられる「過剰な暴力」。上巻は、背景に家庭内暴力の暗い影も語られるが、主として痛快なピカレスク小説の様相。下巻になると、爆弾事件の辺りから急速に兄の統率が乱れ、マチスモと家族(氏族)の物語に変容していく。父の影響をモロに受けた長兄と、それをけして受け入れない弟たちの葛藤が見事なまでに滑り落ちる。 共著者が、モデルとなった実際の軍隊ギャングの弟と、あとがきで知って愕然となった。

    0
    投稿日: 2017.08.14
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    兄弟の絆の崩壊と父親との確執とによって破綻に向かっていく物語であるが、著者が服役囚に兄がいる警部と犯罪者との対比を描こうとしたふしがあるがこれがまったく意味をなしていないというか不要と感じられる。上下巻で1000ページの作品にする必要もないのでは…

    0
    投稿日: 2017.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スウェーデンのクライム小説の下巻。 犯罪者たちが崩れていくのは、かつてのアメリカ犯罪映画のように切ない感じでしたが、ラストにわずかながらの希望がありました。 家族の絆とすれ違いが、親子、兄弟、仲間の関係性を通して見事な文学作品にもなっていると思います。 警察サイドは、緊迫感を出すスパイス程度で、ヨンが大活躍するわけではなかったのが、ちょっと残念です。 それにしても、ほぼ実話ベースであるというのに物語として完成しているのには驚きました。 後書きにもあるように、犯人と関係のある共著者と相当時間をかけて構想を練ったようですし、実在の三兄弟の感想も現在の心境が聞けて、救いになりました、 続編を検討中とのことですが、この犯罪に至った経緯が語られていなかったので、そこがポイントになるかなと思います。

    1
    投稿日: 2017.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじ 次々と銀行襲撃を成功させていく4人。しかし、ヤスペルとヴィンセントのいざこざがきっかけで、下の兄弟二人は抜ける。それでもレオは強盗を続けるために、父親を引き入れた…。  あっさり次々と犯行を成功させていくレオ。でも悪役って感じじゃない。父親代わりの役割をつとめ、家族の絆を求め、スウェーデン史上まれにみる犯行を目指す人物。エネルギッシュで家族思い。最後は恋人・親友・父親を束ねるのに苦労して、むしろ同情してしまった。

    1
    投稿日: 2017.06.04
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    昨夜深夜に読み終えて、頭が冴えきってしまい眠れなくなった。上巻から続く兄弟愛、そして家族の絆。愛情と暴力は表裏一体なのだろうか。そしてこれが実話に基づいているものだというのだから驚きだ。日本人だからなのか、自分自身の問題なのか、自分にはここまでの家族熱がないので、どこか冷めて見てしまうところがある。しかし、北欧ミステリーを読みだしてからはニュースなどで流し見していた北欧の情勢などにも以前よりは興味をもてるようになったのは自分にとってプラスになりました!

    1
    投稿日: 2017.05.18
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    凄い小説。スウェーデンで実際に起きた事件を元にしてるのだが、犯人グループの実の兄弟と作家との、長い時間をかけた対話から生み出された作品であり、巻末でモデルになった三兄弟の、作品に対する感想まで知ることができる。何の前科もない、強い絆で結ばれた三兄弟が次々と大胆な強奪事件を強行していく、ハラハラドキドキのフィクションとしても充分楽しめるのだが、その豪胆な犯罪の背景にある圧倒的な暴力の影、破綻した家族の中に育った兄弟の絆に圧倒される。憎むべき犯人達なのだが全く憎む気になれず、むしろ無事逃げおおせて、それぞれの幸せをつかんでほしい、と願ってしまう。

    1
    投稿日: 2017.05.07
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    下巻に入り話の展開が加速する。実際の事件をベースにし、実在の犯人兄弟グループの実弟が共著者であるということが凄い。犯罪者がなぜ法規範を無視するようになるのか、という心理推移や、家族というグループの中で暴力が再生産されていく様子の描写もリアル。

    1
    投稿日: 2017.05.02
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    完璧な犯行に警察もお手上げ。前代未聞の銀行強盗。犯行を行う事前の準備までもが、大がかりで末恐ろしい。スリリングな犯罪小説。に沿った家族小説である。圧倒的な暴力。その理不尽なものからの解放がテーマである。主人公三兄弟が絶対に逆らうことの出来ない存在。父親。目の背けたくなるほどの邪悪。そして憎悪。彼らの生きる根底は、歪み、縛られていくのだが、結局は、家族の血の流れは止めることは出来ない…父親の行動はほとんど理不尽だが、どこかで肯定できてしまう。父親の教えというのは、どこの家族でも言えるのだが、身近で一番信頼できるはずのものなのだから、抗うという発想すら中々難しい。刷り込まれていく…長男レオの没落が物悲しい。全て引き受けた上でのリーダーであり、家族を守る存在として生き続けることを選んだのだから。彼らの行く末。兄弟揃ってこれからも進むことを願う。「だれがドアを開けたのか?」三兄弟がそれぞれ悩み続けたこの種は、未来を開く答えであり、希望である。続編が出るらしい。ヨン警部の、複雑な環境をもう少し掘り下げてほしい。彼も兄弟と同じ匂いがする存在。

    2
    投稿日: 2017.04.10
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    外国小説は苦手なのだが、読んでみるとビックリするほど面白いものも少なくなく、本屋で見つけ手に取ってみる。 子供虐待は心が痛む。外国小説は心情描写が少ない、あるいはぴんとこないのか、話にのめり込むには時間がかかったが、中盤からは楽しくページをめくる。 実際の事件を元に描かれた話のようだな。軍の武器庫から大量の銃を手に入れた兄弟と仲間、銀行強盗をするが、手際も良く、警察にも尻尾をつかませない。頭の良い兄貴が計画を立て、兄弟たちと強盗を繰り返す。時折、父との暗い過去にシーンが切り替わり話は進む。 最後はあっけなかったが、本当の話であれば、まあこのような物だろう。犯罪者でも勿論、家族があり、葛藤があり、生活をしている。強盗を続けていくこと、辞め時、チームをまとめていくことの大変さを感じる。この後も気になるが、語られない所を見ると、語るべき物もそれ程なかったのかな。

    1
    投稿日: 2017.04.07
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    いつものことなのですが、私は外国の小説を読むと情景が思い浮かばず、読み始めは楽しめないのです。 ただ、途中からは面白いと感じるから不思議です。 今回読んだ熊と踊れも最後のほうはのめり込んでいました。 1点だけ気になったのは、母親を父親が殴るシーンが昔のどのタイミングで発生したのかがいまいちわからなかった点です。実は書かれていたが私が気が付かなかったのかも知れませんが・・・。母親が家を出て父親が母親の実家に火炎瓶を投げ込んだ後なのか前なのかなどつながりが見えなかった。。

    0
    投稿日: 2017.04.04
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    暴力に支配されるか、コントロールするか 父とは違うことを確信している主人公だが、次第にかつての父のような支配的な言動を取り、弟たちが離れていく 家族としての結束を何よりも大切にしたいだけなのにバラバラになっていく… 父や主人公が夢見た光景が切ない現実として立ちはだかる

    2
    投稿日: 2017.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ますます犯罪をエスカレートさせて暴走気味になる長男、その活動に疑問を持ち出す次男、三男、さらには長男の奥さん、愛憎の対象でもある父親までが絡んできた物語は終盤を迎える・・・。 強盗そのものより、彼らの愛憎に満ち満ちた家族間のドラマがメインというのは後半も変わらず、捜査陣である刑事の事件に対する関わりがえらく薄いままで終わった。 と思って読み終わってみたら、なんとこれは実話! しかも共著のステファン・トゥンベリがその強盗団に加わらなかった4人目の兄弟と知ってびっくり。だからこその内面描写の濃さだったんだ。たしかに実話であれば犯行は(ある程度)周知の事実なわけだし、そこに関わる人も多いから余り色々書けないだろうしな。 しかも刑事は架空のキャラクターというので納得。結局、捜査陣(第3者もしくは反対側の読者)の立場から犯行を俯瞰する視点として設定されたわけで、事件に対して能動的に働かなかったのもうなずける。 濃厚で読みごたえがある作品で、これは映画化向け。 監督はベン・アフレックでいかが?そうなると場所はボストンに移ってしまうだろうけど…

    2
    投稿日: 2017.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    分かってても,『黄金を抱いて跳べ』みたいに終わって欲しいよ,と思いながら読み進めた。全体的に漂う,寒い張り詰めた感じがすごく心地よかった。訳の巧さなのかな。 しかし,ヨン・ブロンクスがフィクションなら,恋愛ネタは要らんかったと思うけどな。映画にするときはあった方がいいんだろうけど。

    0
    投稿日: 2017.02.24
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    9件の銀行強盗、1件の現金輸送車襲撃、軍の武器庫からの銃221挺の窃盗、ストックホルム中央駅での爆破事件―。 史上稀にみる凶悪な犯罪でスウェーデン中を震撼させた〝実際の事件〟をモデルにした犯罪小説です。 「軍人ギャング」(この犯罪集団の通称)たちが、次から次へと起こす犯罪にクラクラと眩暈がするような思いで読了しました。 犯行の途中で何度か「危機」に陥るのですが、読み手の僕はあろうことか軍人ギャングに感情移入して、何とかこの「危機」を回避して欲しいと、祈るような気持ちで読み耽りました。 こんな凶悪な犯罪集団に肩入れしてしまうのは、ほかでもない、そこに人間が描かれているから。 本作は、犯罪小説であるとともに家族小説でもあるのです。 それも最高度に濃密な。 軍人ギャングはレオとフェリックス、ヴィンセント、そしてレオの幼馴染で軍人あがりというヤスペルの4人。 レオとフェリックス、ヴィンセントは粗暴な父イヴァンの抑圧下で育ちました。 不良に喧嘩で負けたレオに、殴り方をとことん教え込む父の姿は一種異様なものがあります(ちなみに本書のタイトルは、人を殴る際のステップの踏み方が由来です)。 そんな夫に愛想を尽かして実家へ戻った母ブリット=マリーを追いつめ、実家に火炎瓶を放り込んで全焼させてしまうのですから、もうクレイジーと言っていいでしょう。 刑期を終えて自宅に戻って来たイヴァンは、母を暴行して半死半生の目に遭わせます。 本書では、この一件にまつわるエピソードが最後まで尾を引き、繰り返し言及されます。 そして、ラストのカギとなります。 もちろん、それは言わぬが花でしょう。 声を大にして言いたいのは、本書は一見、派手な犯罪の方に目を奪われがちですが、この3兄弟と父との魂のぶつかり合いこそが肝だということ。 表にこそ現れませんが、行間には彼ら4人の慟哭が通奏低音(常套句ですね、ごめん)のように響き渡っています。 帯に深緑野分さんが「すさまじい傑作です!」と激賞していますが、うん、異論はありません。 そうそう、何が驚いたって、本書の著者であるジャーナリスト出身のアンデシュ・ルースルンドの共著者、ステファン・トゥンベリという人物の経歴。 実は、この作品の元になった事件を起こした犯罪集団とは、血のつながった兄弟なのです(!)。 細部まで実に詳細に描き込まれているのは、そのせいもあるのでしょう。 下巻の最後の訳者あとがきに、犯罪集団の3兄弟それぞれが本書を読んで語ったという感想が紹介されています。 それを読んで、この作品は文字通り「リアル」なのだと再確認した次第。 おススメですぞ。

    3
    投稿日: 2017.02.20
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    どうしても「なんでレオは、そんなに銀行強盗に固執するの?」ってことばかりが気になってしまった。 レオ父はなんだかとんでもないやつで、あんなのが夫だったらそりゃ妻は逃げ出すわな。 でも、レオがいじめっ子に殴られた時、仕返しをすすめたのは、私は決してダメな事じゃないと思ってしまうんだよなあ。 だって、いじめっ子は普段からとんでもないやつだったんでしょ?それで、仕返しされるのは自業自得じゃないのかな?「目には目を」的な考えはダメ? よく「そいつらと同じレベルになっちゃいけない」とか言うけど、本当のバカは同じレベルで同じことしてやらないと絶対わからないと思ってしまう。 本の内容に関しては、途中からレオ父が加わった時点でなんだかよくわからなくなっちゃった。 結局とんでもない父親がいると、その呪縛から息子はなかなか抜けられないのかな。 そしてカリスマ的存在のレオから離れられないヤスペル君もちょっと気の毒。

    2
    投稿日: 2017.02.19
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     読み終わったあと、しばらく立ち上がれなかった。エネルギーを全て持っていかれた感じ。  凄まじいほどのスピード感と、まるで自分もそこに参加しているかのように丁寧な描写に、終始圧倒されます。時には叫び声を口から漏らしそうになりながら、息をつまらせて読みきりました。嘘です。叫びました。  一人一人の心理描写が細かいので、全員に感情移入してしまう程です。とにかく上下巻揃えて、すぐにでも読んでほしいです!

    2
    投稿日: 2017.02.16
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    長い話を一気に読みきりました。 話の構成が上手い。 少しづつ話が加速して行くので知らず知らずに 一気に引き込まれてしまいます。 家族の絆。 とても重いテーマです。 父親の背中をいつの間にか追っている長男の姿が とても哀しかったです。 久々の名作でした。

    2
    投稿日: 2017.01.28
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    今年最初のミステリは、去年からの流れで引き続き北欧モノ。1990年代に起きた銀行強盗事件を下敷きにした犯罪小説。強盗視点で書かれているせいか、彼らの背景の複雑さのせいかハラハラしながら見てしまう。あとがきに犯人本人たちのコメントが掲載されるくらいに事実を踏まえているのだとすると、手口の鮮やかさとその狂気に、やっぱり現実って凄いなと変に感動させられた不思議な一冊。

    2
    投稿日: 2017.01.24
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    犯罪小説の決まり事をさらりとかわしている感じ。 意外と父親に感情移入してしまう。 緊迫感のあるストーリー、読みやすい文章。でも、やっぱり犯罪小説は嫌いだー。

    0
    投稿日: 2017.01.24
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    重ねられる犯行の手口が大胆になっていくなか、仲間内の意見の食い違いから事態は思わぬ方向へ進んでいく。迫力ある犯罪描写がサスペンスを高め、見えない血の絆に自縄自縛となっていく犯罪者の姿が哀しい。

    0
    投稿日: 2017.01.22
  • 仰天の面白さの犯罪小説

    緻密なリアリティーで綴る北欧犯罪小説。 軍人ギャングというド派手なストーリーの影に 数十年に及ぶ陰惨な家族の歴史がある。 やっぱり北欧ミステリーは翻訳ものの中でも 突出した存在だ。

    2
    投稿日: 2017.01.12
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    大作揃いだった2016年度ランキングのトップを独占した話題作。タイトルは、父が教える大きな敵にヒットアンドアウェーを重ねるけんか技からのもの。90年代初頭にスウェーデンで実際に起こった銀行強盗をベースにしているが、フィクションではなく、「現実をバラバラにしてパズルのように繋ぎ合わせた(作者)」小説。フィクションかと見紛って読まないように。 上巻は銀行強盗を繰り返す兄弟たちと、それを執拗に追う刑事の鬼ごっこ。テンポのよいストーリー運びで進んでいくが、些細な描写にリアルさが垣間見えて徐々に緊張感が高まっていく。正直、上巻読了時はランキング総ナメの実感はなかった。 現在と過去を交互に語る構成は下巻になってから効いてくる。圧倒的な暴力で家族の結束を説く父親と、彼に反発していたはずの長男がタブって見える展開に唖然とする。兄弟は団結し、常に冷静な対処で切り抜けてきたが、結局は暴力から逃れられないということか。彼らの進む方向性に綻びが見え始めたところからの疾走感は読み応え抜群。後半、弟が兄の本質を言い放つシーンは、ぐさりときた。と同時に、実は巧みに構成されたストーリーなのだと気付かされる。追う側の刑事もまた暴力という過去に苛まされているという、徹底的に「犯罪」を描いて見せたその筆力には感服する。 残念に感じたのは、映像を意識した描写が多かったことかな。そのせいであまり重く感じなかったのは良かったのかそうでないのか微妙だけど、もう少しどっしりした雰囲気でも良かったと思う。評価は星四つだが、ランキング発表前に読んでいたら違っていただろうし、ランキング結果の先入観なしに読みたい作品でした。

    2
    投稿日: 2017.01.07
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    最初はありがちな暴力親父が登場するDVものかと思ったが、読み進むにつれて、そんなレベルではなく、かなりぶっ飛んだものであることがわかって来た。といって、それほど嫌悪感を感じさせない、不思議なテイストの作品だと思う。

    2
    投稿日: 2017.01.01
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    映像的な面白さは上巻だが,下巻になって暴力との依存関係やイヴァン言うところの氏族の重みがじわじわと浸透してきて,息苦しいまでの迫力で迫ってくる.それぞれの人物像がまた存在感がある.面白いしまた問題を提起する物語だった.

    3
    投稿日: 2016.12.17
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    綿密な計画のもと次々と銀行強盗を成功させるレオたち「軍人ギャング」団.しかし細かな考えの違いから仲間に亀裂が入り,フェリックスとビンセントは離脱していく.物語は過去と現在を行き来し.レオの生い立ちにおける父との関係も炙り出してゆく,警察,特殊部隊に追われるギャング団.クリスマス前の吹雪の中手に汗握る物語は大団円を迎える.

    2
    投稿日: 2016.12.13
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    下巻一気読みだった! あとがき読んで、驚きもあり。 兄弟、家族……。北欧の閉ざされた寒さ、厳しさが 生む濃度なのか。 刑事側のエピソードは中途半端かな。 面白かった。

    3
    投稿日: 2016.11.29
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    家族の絆が本当にリアル。特に最後の方は、引き込まれた。ただの犯罪小説ではない。最後の方は、感情移入して「捕まるな!」と思いながら読んだ。

    1
    投稿日: 2016.11.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻に入ったら,相変わらずものすごいのだけど精神的にしんどくなり,ペースが落ちてしまいました。。 3兄弟とヤスペル,アンネリーによる銀行強盗は一度も致命的なミスを犯すことなく続けられるが,長男レオは知らず強盗にのめりこみ,歯止めが利かなくなっていく。その間にも3兄弟とヤスペル,アンネリーの間に生じた軋轢は次第に大きくなり,取り返しのつかない亀裂を生んでしまう。 そして,銀行強盗でも武器の処分でも,思うような利益をあげられなかったレオは,長年遠ざけてきた父イヴァンを仲間に引き込んで大きな「仕事」をしようと計画する。 しかしそれは,3兄弟と父の間にあった過去の「事件」を双方に思いださせる結果となり・・・。 自分はイヴァンとは違う,暴力をうまく制御して,誰も傷つけずに強盗を成功させている,と思っているレオと,実際に多くの人が暴力による被害を受けて苦しんでいる様子との対比が印象的。 そして「家族は団結する」という呪いのような縛りの中にいるドヴニヤック一家とその絆に翻弄されるヤスペル,アンネリー。 「家族は信頼し合わねばならない」という呪いはやがて破滅に向かう推進力になっているのに,同時に,最後の最後にレオの命を救うところも象徴的です。 「だが実際には,弟たちは生きていて,いまだに兄を愛しているのだーレオが弟たちを愛しているのと同じように」(p.375) レオとフェリックスとヴィンセント,イヴァンとマリー=ブリット,イヴァンと3兄弟,それぞれが愛憎半ばする思いを抱えてどこに行きつくのか? 読んでて苦しかったです・・・。 そしてあとがきと解説を読むともう1つの衝撃が待っているという。 確かに,史実に基づいていると冒頭に書いてあるのですが,そういう意味とは思いませんでした! 最初から最後まで大変にすばらしかったのですが,ブロンクス警部の過去がやや中途半端なのは残念。もしかして続編があるかも,とのことなので期待です。 どうやらハリウッドで映画化の話があるようなのですが,この凍てつくスウェーデンの大地,空気感が映像化されるのかと思うと楽しみでもあり心配でもあり。。 上巻の感想にも書いたけど,強盗の場面はまるで自分がそこにいるかのような緊迫感だし,クライマックスはもちろんだけど,その前にフェリックスとヴィンセントが何もできずに逃走するレオたちのニュースを追い続けるシーンは圧巻。 本当に映画化するなら,見てみたいです。

    0
    投稿日: 2016.10.03
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    読み終わったー!眼が疲れ肩がバンバンになっても、中断出来なかった。いやー最初から最後までヒリヒリしたわ〜。

    1
    投稿日: 2016.10.02
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    或いは本作は…余りにも巧みに犯行を進め、意外な正体の強盗グループと、執念深くなかなかに鋭い担当刑事との対決という体裁でありながらも、“暴力”の連鎖とか、個人や社会と“暴力”とか、様々な価値観の人々が日常的に交差するスウェーデンのような“西欧諸国”の社会というような、何か広く深いテーマを奥底に持っているような気もする。 本作は「なかなかに好い翻訳ミステリー」と人気も高まっているようだが…実際、非常に面白い!!

    1
    投稿日: 2016.10.02
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    下巻。読み終えてみると、実は2つの家族の物語を背景とした深い深いミステリーであった。 銀行強盗を繰り返すレオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟と幼なじみのヤスペルだったが、その関係に亀裂が入り、レオの元を離れるフェリックス、ヴィンセント。長男のレオだけが、銀行強盗に固執するが…レオに迫るストックホルム市警警部のヨン・ブロンクス…やがて、父親の暴力という忌まわしい過去と自らの運命の呪縛から解放され、レオの長い旅が終わる。 訳者あとがきによれば、1991年秋から1993年末にかけてスウェーデンで実際に起きた事件をモデルにした作品とのこと。そして、作者のアンデシュ・ルースルンドは1991年の大晦日の前日に起きたストックホルム中央駅の爆弾事件の現場で当時公営テレビ記者として事件を報道していたようだ。一方の共著者であるステファン・トゥンベリも事件現場近くにおり、実はトゥンベリの兄弟がこの事件の犯人だったという衝撃の事実が記載されている。つまり、トゥンベリの兄弟が起こした一連の事件をルースルンドが小説に仕立てたというのがこ作品の背景であるようだ。 また、帯によるとハリウッドで映画化進行中とのこと。

    3
    投稿日: 2016.09.12