
地下生菌識別図鑑
佐々木廣海、木下晃彦、奈良一秀/誠文堂新光社
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総合評価
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powered by ブクログまた菌類の本。しかも地下生菌という絞ったジャンル。これはイケる予感がする。 地下生菌というのは読んで字のごとく、地下に生える菌類。トリュフとかがそうだ。 で、トリュフってヨーロッパのものだとばかり思っていたが、近年日本でも見つかっている。 だが日本では、一般向けの地下生菌の本などはさっぱりないらしい。 そこで、と作られたのが本書である。 表紙から想像するに、美しい菌類の本、だと思っていたのだがいきなり打ち砕かれる。 生態や系統、分布などをイラストで説くページが続く。まあ、予備知識は大事だ。いきなり綺麗な写真だけみて満足するのでは醍醐味がないもんな。 続いて地下生菌探し。地下とはいっても、地上に一部出ているものも多い。基本は落ち葉かきだ。トリュフは豚や犬に探させるものだと思っていたが、人間も這いつくばって探すことが出来る(当たり前か)。 同定、そして図鑑。地上に生える菌類に比べると一律に地味だ。見えないから当たり前、なのかもしれないが。単体で使っている色は少ないが、黄金色とか触ると青くなるとか、ちょっと変わった色のものもある。なかなかに奥深い世界の予感はひしひしとするのだが、そこへ誘う力が弱い。ニッチ(じゃないかもしれないが)な生物ワールドには、変質的ともいえる著者による 圧倒的なまでの引力に引きずり込まれてこそ理解が広まっていく。そういう点では本書は弱いのだが、図鑑だから仕方ないのかなあ。でもこういうのを研究している人は、ほぼ確実に面白いので、一般向け本の第二弾としては、ぜひ年中落ち葉かきをしている人を主役にしてほしい。
0投稿日: 2016.07.31
