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おかえりの神様
おかえりの神様
鈴森丹子/KADOKAWA
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総合評価

21件)
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    いたらいいのに、狸さん、ビーバーさん。 心が急いていると、見えるものも見えなくなり、感じられるものも感じられなくなるのは確かだと思う。 人の持っている時間は変わらないけど、少し使い方を変えるだけで違ってくるのかもしれない。 そこに狸がいて、ビーバーがいて、それだけで、ひとりで食べたり飲んだりするよりも、ちょっとゆっくりできるのかもしれない。 生活指導までしてくれたしね、狸さん。 それから後の話は、手助けはあっても、もしかしたら自分自身の力なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    24歳の誕生日に、些細な不幸が積み重なって色々なことが空回り。心折れそうになっていた神谷千尋は寂しさのあまり狸を連れ帰ったしまうが、人の言葉を話して自分は神様だと言い出して… 狸(山の神)とビーバー(川の神)が4人の男女の縁結びに関わるのだけど、神様達はただ彼らのそばで寄り添って話を聞いてくれるだけなのだけど、ほっこりして心温まりました。

    1
    投稿日: 2023.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。 そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。 癒しを届ける作品。 神様がいるんだから100人力でしょ、という概念の無い「自分は神様」と名乗るだけの彼ら。ただ人生経験豊富だから1つ1つの言葉に重さがあって思いやりが詰まってる。最初のモテ女(神谷さん)の話から主人公入れ替え制でご都合主義的な内容だったのが少し残念。主人公固定でなんでもない日常メインの方が癒され度としては高いし、人の悪どさも見えてちょっとふわふわと読み進めないところもあった(まぁ死んでるから騙したのか、とは腑に落ちたが) 布袋という苗字に可愛さを感じないのは私だけか。 シリーズたくさんあるけど今回みたいな話の流れなのかな。恋愛以外の内容があるのかしら。

    0
    投稿日: 2023.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冒頭はそこまでワクワクする出だしではなかった。 だけど、主人公である神谷の友人の天野と、山の神様の絡みが始まるシーンあたりから面白くて、どこか心温まる感じが心地よかった。 山の神様と川の神様それぞれが人間にちょっとしたヒントを与えて、そこから人間の努力によって物事が進んでいく展開がすごく好きだった。神様が助けすぎないところが良い。 神谷や鳥居、それからコンビニの店員さんまで、それぞれの恋愛模様が描かれていて、それも切なくも面白かった。 ほのぼの系も案外よくて、面白かった。

    1
    投稿日: 2022.09.17
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     表紙でほっこり、読んでまたほっこりと癒される連作短編集です。  出雲に神様が集まる神無月の頃、橋の上を一陣の風(神渡し)が通り抜け…。山の神と川の神が、縁結びの神から「暇なら一人でもいいから縁を結んできてほしい」と依頼されます。  山の神様(たぬき)の言葉はなぜか武士語(〜でござる、それがし、等)、川の神様(ビーバー)はなぜか花魁語(〜でありんす、わちき、等)で、男女4人に関わります。  ただこの神様、何をするでもなく、「悩み苦しむ自分のそばに居てくれる誰か」なのです。たまにポロッと話す言葉が、心にスッと入り沁みていく妙な説得力があるのでした。  著者があとがきで記している通り、「そばにはいるけど何もしない」のは手抜きのようだけど、実は一番してあげることの難しい優しさかもしれません。  老若男女、いつでもどこでも楽しめる一冊だと思います。

    19
    投稿日: 2022.08.11
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    大人の可愛い恋愛物語。登場人物がみんな一生懸命で魅力的。神様も愛嬌があって愛でたくなっちゃう。私もこんな神様となら同居してみたい。

    0
    投稿日: 2022.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    特に何もしない神様がひょこっと恋に悩むひとたちのところに現れ、居座り、何となく進む方向が決まるとすっと出て行く。 神谷と信也の愛されっぷりがなんとも羨ましい限りです。 マヨネーズ狸とチョコ狂いビーバーが可愛すぎます。もふもふしたい。 天野と神谷の二人がうまく結ばれてよかった。みんな幸せそうでほっこりします。

    0
    投稿日: 2021.06.08
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    誕生日だというのにもかかわらず不幸の連鎖に心が折れ、こんなみじめな私を助けて神様と嘆くさまにはどこか共感さえ覚えました。 真夜中の住宅街のど真ん中には犬猫ならぬ狸がいたので寂しさのあまり連れ帰ってしまったところから物語が始まるのが何とも微笑ましく感じました。 もともとは読み切り短編だった話で、文庫化にあたり大きく加筆されて長編となったとのこと、実に読み応えのある心が暖かくなるいいお話で美味しくいただきました。 軽妙な会話の掛け合わせも楽しくて、テンポのいいストーリー回しがとても読み進め易かったのが印象的でした。

    0
    投稿日: 2020.04.05
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    OL神谷が拾った狸、実は「お嬢、いかがした?」なんて話す神様。マヨネーズが好きなこの神様は、聞き上手で彼女の本当の気持ちをはっきり映し出してくれる。神様は彼女の本当に好きな人の前にも男の子の姿で現れて・・。 神様の設定の仕方が可愛い。還暦前の私が久しぶり若い頃の胸キュン気分を味わえました。 もともと電子書籍、20ページの短編が文庫化で、281ページの本に。今時の本の誕生の仕方に、ちょっと時代の変化も感じた一冊。ほっこり心ほぐすライトなお話。寒い日自動販売機であったかいコーヒー缶で手をあっためてみたいな温かさでした。

    0
    投稿日: 2020.01.19
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    マヨ好きの神様やら、チョコ好きの神様やらでてきます 短編集のテイながらも、同じ世界の少しづつ主人公が変わるって感じのシステムです

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    投稿日: 2020.01.01
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    「同居の神様」 失恋したかと思いきや。 ちゃんと話を聞かなかったせいもあるが、そのおかげで自分の本当の気持ちと向き合えたのだからある意味良かったのかもしれないな。 誰か一人を選ばなきゃいけないという場面で、スっと誰かの顔や声などが思い浮かぶならいいが少しでも迷があるのであれば今は決断の時では無いという事なのだろうな。 「銭湯の神様」 数々の誤解を招き続け。 彼の説明が雑なのもあるかも知れないが、あの姿で出会ってから次に人の姿で話をしなければ誰だって神様だと信じないだろうな。 彼の誤解を一応解くことは出来たが、あれだけ人の心理を見る事に長けた人を騙し続ける事は難しいだろうしいつか本当の事を話さなければならない日がくるだろうな。 「晩酌の神様」 夜な夜な現われる話し相手。 子供の頃の思い出というのは案外覚えているもので、その時に出来なかった後悔が大きい程大人になってもズルズルと引きずってしまうのだろうな。 自分の想い人が同性だったというのは、幼い記憶や外見だけだとよく有る勘違いであるだろうけど現実を知った時のショックは大きいだろうな。 「甘味の神様」 計算に計算を重ねた恋煩い。 ここまでくると拗らせたとかそんなレベルじゃない気もするけれど、20年間も一途に一人の人の事を想い続けれるのは凄いことだな。 最初から全て話していたらきっと違う未来があったのだろうけれど、ゆっくりと時間をかけて積み重ねてきたからこそ彼を振り向かせる事が出来たのだろうな。 「続・同居の神様」 皆の赤い糸が結ばれる先は。 まさかこんな展開で神様の存在がバレるとは予想外で笑ってしまったが、彼と何度も出会って話をしていて尚且つ彼女の日々の変化を見ていたからこそ背中を押せたのだろうな。 あの場でプロポーズの言葉を言える彼は決断してからの行動は早いのか、それとも長年想われていた事を知ったからの自信かと問われたら後者の方が当てはまりそうだな。

    0
    投稿日: 2019.08.22
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    表紙が可愛くて買った一冊 神様達のペースに巻き込まれながらも 少しずつ変わっていく主人公達が読んでいて楽しい。 本当に心が温まるそんな本です!

    0
    投稿日: 2018.10.06
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    表紙が可愛らしくて購入。4人の男女に2匹?神様が寄り添っていく恋愛メインのストーリー。食い意地の張った神様が面白可愛くて、普段読まない恋愛ものでしたが良かった。

    0
    投稿日: 2018.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    侍言葉を話しマヨネーズをこよなく愛す狸(山の神様)と、花魁言葉でチョコレートが大好きなビーバー(川の神様)が、恋に悩む男女の話を聴いてくれます。 何も考えず頭を空っぽにして、さくさく読め、内容もほっこりとしていて、癒されました。 助言はなくとも誰かに話を聴いてもらうだけでも、悩める時や辛い時には救われるんだな、と改めて思いました。また、「おかえり」という何気ない一言も実はありがたい音葉だということも。 箸を使う狸をみて、疑わない登場人物には疑問を抱いてしまいますが、そこはファンタジーだからと自分を納得のさせることに…。 「甘味の神様」の由利佳さんは、レンちゃんの件について信也さんに嘘をつき続けるのでしょうか。二人が本当に幸せになるために、いつか真実を明かして欲しいと思ってます。 続編も読もうと思います。

    1
    投稿日: 2018.01.29
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    4人の男女の、神様と関わる短編集。 最初の彼女は、片思い相手に失恋中。 その友達たる、異性の同僚。 同僚の仕事仲間と、彼を狙う女性。 落ちの、元コンビニ店員が面白いですw 戸惑ったり画策してみたり、悩んでみたり。 しなければいけない事も、するべき事も大量ですが 何故皆様、神様だと名乗る動物が現れても わりとあっさり受け入れているのでしょう? 驚くほどの心の余裕がないのか、案外混乱しているのか。 しかし、こんなマヨラーとチョコ命の神様って…。 マヨラーは、視界の暴力だと思いますけど。

    0
    投稿日: 2017.11.13
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    すぐ近くにいる神様 そばにいてくれる神様 放っておいたら消えかねない恋心を狸とビーバーが結びます(笑) 狸で侍言葉、ピアスに茶髪なマヨラーの山の神様、花魁言葉で原宿系、なぜかビーバーな川の神様 神様像が崩壊気味なのも、山も川もなくなってしまった現代ならではなのかしら? 孤独で辛いとき、「おかえりなさい」といってくれる人がいたら、こわばった心をほぐしてくれる人がいたら、苦しさは半減するよね

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    投稿日: 2017.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    神様らしくない神様の様子にほんわかします。 特別な力をつかってかかわったひとを幸せにするのではなく、おしゃべりをして幸せに導くところがすごいです。

    0
    投稿日: 2017.07.26
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    恋に悩む4人の大人に、そっと寄り添う神様の物語。 4人に共通しているのは、近くに神様がいるのに自分の願いを言わないこと(実際言っても叶えられない神様だけど)、そしていつも誰かの幸せを願っていること。 そんな優しい人たちだからこそ、神様が助けてくれたのかもしれない(実際は何もしてないけど)。 「お嬢のダシでござるな。味に深みが出るのと同じで、痛みというのは人間に深みを与える。痛みを知ればこそ強くも優しくもなれるでござる」 「体を隠すために服を着るように、本心を隠すためにアレやコレと身に纏って。大人と呼ばれる年になった今では随分と厚着をして、すっかり身動きが取りづらくなってしまいました」 体温を保つため、一定の関係や社会の調和を保つため、丸裸ではいられない僕らは自分に合ったものを着込んで生きていく。上手な人もいれば下手な人もいる。厚着の人や薄着の人。派手な人や地味な人。僕は乏しい重ね着テクニックを駆使して明日も会社に出勤するのだ。 そんなに叩かないと渡れない橋なら飛び越えてしまえばいい。足元を見る勇気が無いなら前だけ見てればいい。後戻りができないできないのなら進むしか道はないだろう。

    0
    投稿日: 2017.03.26
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    マヨネーズと銭湯好きの狸と晩酌とチョコレート好きのビーバーの話。 いや、神様なんだけど(笑) それにしても狸はまあいいとしてなんでビーバー? 日本ならカワウソでしょうに(笑) でも、いいなあ、こんな神様。 うちにもいて欲しい。 物語的には大人の恋物語。 4人の互いに顔見知りの主人公たちの短編連作。 いろんな恋模様があるけど、個人的には子供の時に出逢ったレンちゃんをずっと想う鳥居くんの話がなんとも切ない。 それが男だったというオチに一旦笑ったのだけど、実はウソで、本当はもう亡くなっているという事実がなんとも。 これ、いつか本人に本当の事がわかる時がくるんだろうか? 布袋さんはちゃんと打ち明けたほうがいいと思うけどなあ。 で、そんな恋愛に悩む大人たちに神様はというと、何をしてくれるでもなく、ただ話を聞いてくれるだけ。 でも、悩んだとき、落ち込んだとき、困った時、その想いを話せる相手がいるっていうのは幸せだよなあ。 それだけで、涙が出るほど嬉しいこともある。 うん、やっぱり、うちにもこないかな。 そして神様は、幸せになってもう自分が必要になくなった時にはさりげなく去って行く。 おー、まさしくヒーローじゃないか!(笑) どこかで何にでもマヨネーズをかけて食べる風呂好きの青年や、ホールのチョコケーキを平らげている原宿系少女を見かけたら、いい事あるかも(笑)

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    投稿日: 2016.09.16
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    小説の恋愛ものってあんまり読まないのだけれど、これはすごく良かったし、なにより面白かった!! 電車の中でも読んでいたのだけれど、笑いが止まらなくて、これは家で読むことをオススメします!(笑) 私も家に帰ったら、「おかえり」と言ってくれる、そばにいてくれるだけの神様がいたらいいのになぁ(*´-`)と思わずにはいられない。 神様は現実的に無理でも、猫とかの動物と共同生活したいなぁ・・・。

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    投稿日: 2016.07.09
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    【奇跡も神通力もないけれど、ただ“そばにいてくれる”。そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語】  就職を期にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。  ……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……?? 『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』  こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。 “なんでも話せる相手がいる”、その温かさをあなたにお届けいたします。

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    投稿日: 2016.05.31