少年少女らを主人公に据えたサバイバルパニックもののお手本のようなマンガだった。王道的な展開だが、敵対するキャラクターに個性（一馬：髪を一つに結い、中性的な顔立ち。一見人当たりが良さそうに見えるが、人が絶望した顔を拝むことに多幸感を抱く。）があったために面白く思えた。パニックの要素（常に起きる天変地異。大人だけにしか感染しないウイルス。津波と油によって殺された海。溶けた赤い太陽。）がフィクションとノンフィクションの間のようなリアリティがあって悍ましかった。主人公が沈没寸前の船でとあるキャラクターの手を離してしまったトラウマが、学校の屋上でそのキャラクターに殺されかけ手すりが壊れて主人公の仲間総出で手を繋いだことで解消された展開が少年漫画らしくて感涙した。人類の滅びと戦いながら生きてくいくことにした主人公らが素敵だ。