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明智小五郎事件簿11 「妖怪博士」「暗黒星」
明智小五郎事件簿11 「妖怪博士」「暗黒星」
江戸川乱歩/集英社
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総合評価

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    明智小五郎の関わった事件を発生年順に並べたシリーズです。 『妖怪博士』は1933年4月2日から5月2日の事件、『暗黒星』は1933年5月の事件です。 ※※※以下、犯人の正体を記載しています※※※ 『妖怪博士』 明智小五郎の一番弟子、小林少年を団長とする10人の小中学生から成る少年探偵団を中心としたお話。 少年探偵団の団員たちは、困った人をみたら助けるし、探偵道具と持ち歩くし、尾行や通信方法も練習している。そんな団員たち4人の少年たちが次々に誘拐され、地下室攻めだの、催眠術だの、銅像に閉じ込められるだの、とっても怖ろしい目に遭う。 …いくらいままで怪人二十面相逮捕に尽力したとはいえやっぱり小中学生。悪者(この「わるもの」って表記がなんか良いよね笑)が本気で騙しに来たらあっさりかどわかされてしまいます。 明智センセイと小林団長は「君たちは少年探偵団とはいえまだ子供なんだからね。怪しい人を見かけたら小林団長や明智センセイに伝えるんだよ!けっして自分たちだけで尾行したり建物に忍び込んだりしてはいけないよ!」ということをしっかり伝えてほしい…。 明智小五郎は、中村警部に「犯人は、変装名人で、奇怪な仕掛けをめぐらし、そして少年探偵団とこの僕に深い恨みを持っている。そんな犯人は…二十面相です!」という。 二十面相は『少年探偵団』では生死不明となってました。江戸川乱歩は二十面相を児童向けの名物悪役にすることにしたようだ・笑 さて、二十面相となったら読者には安心の紳士怪盗。血を見るのが嫌いなので少年たちを傷つけることはしません。「恨み重なる少年探偵団員たちを怖がらせてやる!!」と大人げない宣言をして更に彼らを怖がらせる、脅しつける。…大人げない(^。^;) しかし「洞窟で怪獣の被り物で少年たちを怖がらせる」など、子供に合わせた怖がらせ方を計画して、事前準備して、いそいそと怪物被り物で登場したかと思うと笑ってしまう。二十面相、子供たちにドキドキワクワクの冒険を与えてくれる案外付き合いの良いマメな奴です(^▽^) …なんて微笑ましく読んでいたら、少年たちを洞窟に閉じ込めて「俺は血を見るのは嫌いだが、勝手に死ぬのは構わん!暗闇を彷徨って飢え死にしろ!わはははは」と高笑い。…やっぱり可愛くない(-_-;)  しかしそこはやっぱり児童が読んでも安心の二十面相シリーズ。最後は怪獣気ぐるみのまま捕縛されるという、児童文学の名物悪者としての役割をきっちり果たしてくれました★ なお、あとがきで書かれていましたが「1933年はヒトラーがドイツ首相に、ルーズベルトがアメリカ大統領に、日本は国際連盟を脱退した年」です。 世相が混迷へと向かうなか、少年たちは鍾乳洞探検にワクワクし、悪者二十面相との対決にドキドキして…。やっぱり楽しい奴だな、二十面相。 さらにあとがきによると「この頃の二十面相はまだ20歳くらいではなかろうか」(作中では「30歳くらいの見栄えのする若者」)ということ!まだまだ本人も半分子供じゃないか!それじゃーいそいそと怪獣の気ぐるみ用意したり、小中学生相手に大人げない脅ししたりもするし、40代のはずの明智小五郎も余裕を見せるよなあ。 『暗黒星』 こちらは殺人も発生する大人向けです。 しかしこの『暗黒星』の事件の雰囲気が『明智小五郎事件簿』にあったある事件によく似ている。そのため、かなり早い段階で犯人わかっちゃいました…(^_^;) かなりの重大事実がかんたんな口頭説明で済まされたり、江戸川乱歩も気軽に書いたのかな。 そして今回の明智小五郎、かなり性格変わってないか(-_-;) 冒頭から被害者一家の美青年に惹き込まれるし、「変装が嫌い」だなんて言ってるし!変装が嫌い!?いままで散々変装してきたのに!?「僕の変装術は10年間のたゆまぬ研究努力の結果」とか言ってたのに!?をれを「変装嫌い」だなんて誤植かと思っちゃったじゃないか(-_-?)  探偵助手の小林少年は出てきますが「15歳くらい」に成長していますが今回は見張り程度の子供の手伝いの範囲。になってちょっと雰囲気が違います。それよりいきなり出てきてかなり優秀な調査をしたのが越野くん。調査能力高いのにほとんど出番がない。 この『明智小五郎事件簿』シリーズは、それぞれの物語との整合性を考えずにその場その場で割り切って楽しむもののようですね。私の印象では明智小五郎の最初の頃って感じです。まだ変装が苦手で、結婚していなくて、小林くんはまだ助手見習い。そんな頃の明智小五郎って考えたほうが納得できるんだよなあ。 さて。 資産家伊志田(いしだ)一家に魔の影が忍び寄る。一家は、資産の築き方を怪しまれる主人の鉄造氏、まだ若い後妻、鉄造氏の老母、鉄造氏の先妻の子供たちで美貌のきょうだい綾子、一郎、鞠子だ。 そして綾子と一郎は、それぞれ「自分の部屋に誰かが入った形跡がある」という。そこで一郎青年が素人名探偵明智小五郎に相談に来たのだ。明智小五郎はこの美青年に妙に惹きつけられる。 だが明智小五郎の警戒にも関わらず、伊志田一家は次々に襲われる。

    35
    投稿日: 2025.04.13
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    暗黒星、読み終えてみるとなんとも切ない話しだった。 さすがに怪しい人物は早めに検討も付くようになったけど、その動機がさ。 降って湧いたような動機ではあるけど、 まぁその人物本人にしてみたら哀しすぎるわ。

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    投稿日: 2024.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「妖怪博士」明智+少年探偵団への雪辱を晴らそうと奮闘する二十面相。正直、二十面相が出てくるとは思わなかった(笑)。少年探偵団への執着がすごい。鍾乳洞での冒険は八つ墓村を思い出すなぁ(時系列的にはこっちが先なんだろうけど)。「暗黒星」まぁ犯人はすぐに察することができるけれど、動機が想定外だった。突然ポッと出の過去が出てきた…看護師買収して子供を取り違えまではまぁ良いけれど、女中やら実の父の隠れた教育やらそんなことある???と思ったけれど、これが江戸川乱だよなぁと納得した。

    1
    投稿日: 2023.07.24
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    江戸川乱歩『明智小五郎事件簿 11「妖怪博士」「暗黒星」』集英社文庫。 名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第11巻。全12巻まで残すは2巻。 時代を感じる江戸川乱歩の探偵小説と共に、巻末に収録されている平山雄一の『明智小五郎年代記』と喜多木ノ実による味のあるイラストも大きな魅力となっている。 『妖怪博士』。明智小五郎と共に少年探偵団が怪人二十面相に挑むジュブナイル作品。『少年探偵団』で爆死したはずの怪人二十面相が実は生きており、明智小五郎と少年探偵団に復讐するというストーリー。善と悪が明確になっており、明智小五郎と怪人二十面相の知恵比べという図式が見所の一つである。悪党でありながらも、決して残虐な行為は行わない怪人二十面相に好感を持ってしまう。 『暗黒星』。こちらは大人向けの探偵小説。なかなか実体の掴めない犯人が、古い西洋館に住むお金持ち一家を次々と殺めていくというのが、事件の筋立て。明智小五郎が密かに心惹かれる青年は横溝正史の『真珠郎』を彷彿とさせる。 今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。

    3
    投稿日: 2017.04.19
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    明智小五郎事件簿も本書を含めで残り2冊。 11巻には『妖怪博士』『暗黒星』を収録。前者が児童向け、後者が一般向けで、余り見ない組み合わせになった。 ずっと読んで来たので、次巻で終わりかと思うと寂しいものがあるなぁ……。

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    投稿日: 2017.04.05