
総合評価
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powered by ブクログ明智小五郎の解決した事件を発生年順に並び替えたシリーズ。 『少年探偵団』は1932年4月29日から5月26日、『黒蜥蜴』は1932年12月24日から1933年1月10日の出来事です。 ※※※犯人の正体を書いています※※※ 『少年探偵団』 児童向けに書かれた探偵冒険小説。冒頭から怪物のような影や、秘術を使うインド人などが東京中を驚かせるといういかにも子供向けで楽しい。(「インド人」の書き方は現代では問題ありですが(^_^;) その怪物とかインド人とかは『怪人二十面相』で結成された少年探偵団の団員を驚かせたり、その家の宝石を狙ったりします。 …実はこの犯人は怪人二十面相です。前の話の『二十面相』で逮捕されたのは実は身代わりで明智小五郎も騙された、ってことです。 さあ、二十面相となったら少年向けにも安心の犯人・笑 なにしろ血は嫌いで、美術品を盗むときは必ず予告状を出し、子供たちを適度に怖がらせるけれども本当に危ない目には合わせない紳士怪盗です。(最も、誘拐や動物殺害はするし、相手を酷く騙したり、殺さないけどギリギリの脅迫はするし、人が命懸けで大切にしている美術品を盗む悪人だというのは大前提ですが) 私が子供の頃に学校図書館で江戸川乱歩シリーズを読んだときは、大人でスタイリッシュな明智小五郎探偵がどっしり構え、大人で懲りないお騒がせドロボウ二十面相に、小学生たちが頑張ってる!という印象でした。しかし自分がかなり年齢が上がって読み返してみると、明智小五郎は推理や冒険のほうが逮捕より大事っぽいし、そして二十面相はなんと自由なこと・笑 この二十面相は変装の名人ですが、どうやら30歳くらいのなかなか見栄えのする男で、美術品を盗んだり警察や探偵との鬼ごっこスリルが大好き、そのため毎回毎回建物に仕掛けをしたり、腹話術使ったり、事前準備や一流盗賊であるための努力を惜しまない実にマメなヤツではないか。読んでいて二十面相が追い詰められながらも突飛な方法で逃げるような場面では「いいねえ、二十面相くん、楽しんでるねえ」と思ってしまいましたよ・笑 『黒蜥蜴』 しばらく『二十面相』などの児童向け冒険物語が続いていたので、大人向けのエロチックで、容赦ない殺人者は久しぶり。今後も『明智小五郎事件簿シリーズ』では児童向け・大人向けのバランスがこのくらいに混じっていると切り替えられて良いですね。 明智小五郎の対決相手でいちばん有名なのは二十面相、そしてこの黒トカゲでしょう。輝くばかりの女怪、男装の麗人でもあり黒衣の貴婦人でもある夜の女王、明智小五郎へは敵を超え同士のような気持ちに、ついには恋心を持ちます。 江戸川乱歩って女性は悪女か被害者(「悪女で被害者」もいる)しか書けない気がする。黒蜥蜴は実に魅力的だがだんだん明智小五郎の愛妻文代さんの出番がなくなっている(^_^;) 今回は、黒トカゲのアジトを突き止めるために明智小五郎と共に変装した美女が文代さんではないか?とも思われますけどね。 探偵助手という若者が数人出てきますが、この事件では「片腕」とか呼ばれる少年探偵小林くんはお休みです。『蜘蛛男』『人間豹』のころの小林少年は、冷徹で劇場型殺人者とも渡り合っていたのですが、少年探偵団長になってからは子供向けの血を見ない事件担当になったのかな。 さてこの『黒蜥蜴』、他の小説とは違って初めの事件ごろまでは黒トカゲと呼ばれる女怪を中心に書かれます。すると黒トカゲの魅力はたっぷり味わえるのですが、敵から見た明智小五郎ってかなり気障(文字通り気に障る(^_^;))で自信過剰ですねえ。黒蜥蜴の予告状を見くびったり、美女(実は黒トカゲ)相手に犯人逮捕の賭けをしちゃうし、犯人を取り逃がした助手たちを叱りつけるし、江戸川乱歩は明智くんの性格を変えたのか?って思いましたよ…。 そんな明智小五郎と女怪・黒トカゲは、命のやり取りを経ての大攻防戦を繰り広げます。終盤はまたしても明智小五郎犯人を眼の前にして余裕見せすぎと言うか、犯人で遊びすぎ(^_^;)って感じです。 そして物語の終わりはなんともいえない静謐ささえあり、しんみりするような、命の遣り取りわやした者同士の感慨のようなものを感じました。
33投稿日: 2025.04.10
powered by ブクログ明智小五郎事件簿を順番に読んでいると、 『黒蜥蜴』は久しぶり(3作ぶり?)のオトナ向け。 この主人公めちゃ美人な設定だけど、 やってる事はすこぶるグロいじゃん! 普通の神経の持ち主だったら思いもつかないグロい事を 嗜好としてサラッとやっちゃってるのがマジ怖い。 最期はなんか恋する乙女みたいになってたけど、 闇堕ちせずに別の人生歩んでたら…と残念です。笑
0投稿日: 2024.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少年探偵団はポプラ文庫で読んだので感想は割愛。少年探偵団が子供むけで黒蜥蜴はいつもの乱歩だよなぁ。人間椅子とか人形入れ替えとか「これ…前に何かの作品で読んだぞ…???」が多いけれど、黒蜥蜴の狂いっぷりが良かったのでどうでも良くなっちゃった。人をはく製にしてたり二十面相より残虐だな?!最後、「毒薬飲んだ人に口づけするの?!」と思ったら額にだった。それで満足するあたり黒蜥蜴は恋する乙女だったんだな、と思ったり。
0投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ「黒蜥蜴」で大阪が登場するなんてビックリした。なおかつ乱歩が作家デビューした後、大阪に引っ越ししていた大阪時代に明智小五郎の初期傑作作品が書かれていたなんて知らなかった。また乱歩は東京も細部を記述した街並みを描くのではなくイメージとして描いているだけなのだ。
0投稿日: 2020.08.18
powered by ブクログ江戸川乱歩『明智小五郎事件簿 10 「少年探偵団」「黒蜥蜴」』集英社文庫。 名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第10巻。 奇しくも『少年探偵団』と『黒蜥蜴』という、自分の読書の趣味を決定付けた2作が収録されている。 初めて読んだ江戸川乱歩の小説がポプラ社の『少年探偵団』だった。その時に味わった面白さは今でも忘れない。何十年振りかで読んでみても冒頭の怪事件から結末までのおおよその筋を覚えており、江戸川乱歩を読み始める契機となった作品というだけに感慨深いものがあった。読み返してみると、ジュブナイル作品だけに善悪、起承転結、山谷がはっきりしていて面白いが、反面、突っ込みどころも満載である。 『黒蜥蜴』はNHKの連続ラジオ小説を聴いたのが最初で、その後に春陽堂文庫で原作を読んでいる。連続ラジオ小説はナレーションが中西龍、唐十郎が明智小五郎を、李麗仙が黒蜥蜴を演じていた。連続ラジオ小説がきっかけとなり、この後、江戸川乱歩を読み漁ることになる。『黒蜥蜴』は大人向けの作品ということで、本来の江戸川乱歩の妖艶にして妖しい世界の中にストーリーが展開される。見所は黒蜥蜴と明智小五郎の大胆不敵なトリック合戦だろう。 今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。
2投稿日: 2017.04.06
powered by ブクログ第10巻。 これも子供の頃に読んだなぁ……という懐かしさに満たされる。 しかし原作を改めて読んでみると、美輪明宏の『黒蜥蜴』は耽美方向に振り切れているなぁ、という感じ。
1投稿日: 2017.02.21
