
スピナーベイト (3)
此元和津也/幻冬舎コミックス
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総合評価
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powered by ブクログ暴力まみれの物語。 いびつな世界の通行手形としてそれを駆使する者。 脆すぎる自我のためにそこから逃れられない者。 否も応もなく巻き込まれ、大きな喪失を抱える者。 登場人物の間で暴力は際限なく連鎖し、やがて円環する。 他者に刃を突き立てるとき、背中に刺さるナイフには気づけない。 復讐のため殺人を犯した者に、暴力とは無縁そうな高校生が放つ言葉。 「気持ち悪いんだよ。 家族の為っていうのがさ。 家族愛という名の自己愛だ。 家族を愛するという事は 愛さない他人を疎外するという事だろ。 分け隔てのある とっても自己中で無慈悲な行為なんだよ。」 それがどうした、と思った。 あたり前だろ? 命の重さは均一じゃない。 誰にでも何より重い命がそれぞれにある。 もしそれを傷つけられたなら、 傷つけた者をズタズタにするのに一片のためらいもない。 それほど命は主観的なものだ。 その一方で、縁もゆかりもない人たちを思う気持ちがある。 いまだ大変な日々を送る大勢の人たちの、 何か少しでも役に立ちたいと願う自分がいる。 人間というのは本当に不思議な存在だと思う。 『スピナーベイト』全3巻。 拾い物でした。
0投稿日: 2011.08.25
