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偉くない「私」が一番自由
偉くない「私」が一番自由
米原万里、佐藤優/文藝春秋
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総合評価

18件)
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    没後10年、佐藤優シェフによる米原万里のフルコース。1冊目としてではなく、彼女の本を何冊か読んでから読むべき本。 目玉はやはり、東京外語大の卒論「ネクラーソフの生涯」100ページ。文章や論理展開は生硬だが、その後花開く彼女の萌芽が詰まっているように感じる。ネクラーソフをテーマにしているあたりが、いかにも彼女らしい。そしてなんと、卒論の審査概評も載っている。やや厳しい講評だが、温かさも感じられる(指導教員は飯田規和)。 冒頭で紹介されているエピソードが印象的。佐藤優がチェコの作家クンデラを魅力的だと言ったら、米原万里が色をなして怒ったという。さもありなん、彼女は、計算尽くの人、裏のある人、言行不一致の人が大嫌いだったから。

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    投稿日: 2025.05.05
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    内容は全く知らないが、勧められて読む本がたまにある。そんな本の一冊だが、佐藤優氏による米原万里氏の追悼本だったとは。 「ロシアは今日も荒れ模様」は昔何度か読んだ本。ロシアにはあまり興味はなかったが、良い文章だった事を覚えている。 佐藤優氏、嫌いでもないけど、書く本は良いものだと思うけど、それ以外の印象がどうも良くい印象。 佐藤優氏がチョイチョイ出てくるところが、必要か?と思ったり、私はあまり対談とか興味無いんだよなと思いながらペラペラ頁をめくる。 ロシアで体調を悪くした日本人に、梅干しのおにぎりを食べさせたら元気になった話等を読み、そうだよなこの方は骨があるよなと文章を読みながら思い出した。全体としてはそうでも無いけど、米原万里氏の本を読んでみよう思わせてくれたことには感謝。 ・読みたい本 オリガ・モリソヴナ 旅行者の朝食

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    投稿日: 2024.07.30
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    米原万里の作品群から佐藤優が編んだ選集。 米原万里は少女時代をチェコのソ連学校で過ごし、ロシア語通訳者として活躍、のちに物書きとなった人。 親は共産党員で地下活動が長かったという。通訳として国際舞台での実体験も豊富であり、読書量は一晩に7,8冊は軽いという知見の持ち主。 ゆえにエッセイもそんへんの文人が雑感を書くものとは一線を画す面白さだった。 (選集だからそう思うのかもしれないが) 政治や文化に対し批判精神を持ち、自身の考えが基盤にしっかりあることが感じられ、心地よい。 他の著作にも興味を惹かれた。

    1
    投稿日: 2021.08.15
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    米原万里さんのエッセイが好きで、何冊か読んでいる。本書は、佐藤優さんが編纂した一冊。東京外国語大学の卒業論文が掲載されているのも、本書の特徴。 今度、本屋さんに行ったとき、久しぶりに米原さんの書籍を手にしてみたいと思った。

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    投稿日: 2021.04.26
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    佐藤優氏が選んだ米原さんのエッセイ集。初公開の東京外語大学卒業論文が圧巻。最初は卒論だなんてつまらないなと思って読み始めたものの、後半はグイグイ引き込まれてしまいました。詩人ネクラーソフ…気になります。

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    投稿日: 2018.10.09
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    付き合いのあった佐藤優が米原万理の作品を紹介している。米原作品を読む前に読むと参考になるだろう。東京外大ロシア語学科の卒業論文も含まれていて、ネクラーソフの生涯について書かれてある。ネクラーネフって初めて聞いたが、米原万理が選んだのはよくわかる。

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    投稿日: 2018.10.05
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    図書館で。 佐藤優選米原アンソロとでも言うべきなのか。時々読んだ事がある気がする小作あり、こんなのも書いてたんだ~と思うモノもありで楽しく読みましたが… 卒論はちょっと読み切れなかった(笑) 宗教よりもアルコールを崇める方が良いってのはすごいなぁ。外国のユーモアセンスってさらりとしていてすごいと思う。確かにビール派とワイン派が殺し合ったりしないもんな~

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    投稿日: 2018.02.16
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    著者・編者の2人の対話や思い出話をもっと読みたい。それにしても米原万理が亡くなってしまったのが残念で仕方がない。今の政治や社会情勢についてのとても面白い文章が読めたことだろうに。この本では卒業論文まで載っていて、もうやはりこれ以上は未発表の作品は無いのだろうなと思うと寂しい。

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    投稿日: 2017.08.15
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    エッセイ集。出色は「金色の目をした銀色の猫」。ロシアで偶然見かけた子猫を日本に持ち帰る話なのだが、チンチラの可愛さ、外国から生き物を迎え入れる際の面倒なドタバタ劇、周囲の手助けの暖かさがビジュアルで「見える」。 優れたエッセイは、人間の可笑しさ、弱さ、悲しさが、鮮烈な情景と共に立ち上がってくる。そして風景が、登場人物の感情の動きが、一瞬で心に刻まれる。魔法に近いものがある。そういうエッセイのお手本として真っ先に思い浮かぶのが、小林秀雄の「人形」。先のエッセイはこの名作に比肩すると思う。

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    投稿日: 2017.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2016年刊。  外交官と通訳。遠いとも近いともいえる2つの職種のエキスパートは、ロシア・ソ連という糸で結びつく。この結びつきは、2人が天賦の才を類稀なる努力によって揺るぎなき能力を育み、これをもって周囲をねじ伏せた人物との面で共通するからこそとも見えないことはない。  前者が後者に寄せるリスペクトと哀切の情が生んだ本書のエッセイ群は、それはそれは練達のそれである。  就中、米原氏の東京外大卒論の凄みに声を失う。こんな思索に溢れる文章は、二十歳すぎは勿論、今の私にも書けないよ…。  ところで、著者の細川護熙・小沢一郎・公明党評には爆笑させられた。

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    投稿日: 2016.12.10
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    米原万里さんの多才さを 1冊に 凝縮した本。軽快なエッセイから始まり、原点としてのロシア文学研究、翻訳者や小説家のプロとしての考え方など 出版社の編集者だったら、人気のある 楽しいエッセイを集めて、営利優先となるのでしょうが、佐藤優さんは 米原さん そのままを 本にまとめたかったのかなーと感じました

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    投稿日: 2016.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イタリアのことなら、内田洋子さん ロシアのことなら米原万里さん。 と言っては軽くまとめすぎ?と思うくらいの 膨大な知識と経験から数多くの本を執筆。 2006年5月死去。 元ロシア会議通訳、作家、 1959〜64年少女の頃プラハのソビエト学校に学び、 日本に帰国後はロシア語で受験できるからと 東京外語大ロシア語学科卒 東京大学院ロシア文学修士課程修了 豊富な知識と、持ち前の読書家で 膨大な知識からの通訳はさぞ国にも大きく貢献したに違いない。 そんな米原さんと、長年交流があり 「上からの声」というほど、信頼していた米原さんの著作から 佐藤優が責任編集。 楽しいと軽く読み進めるばかりの内容ではないが、 なかなか見えないロシアの内情がうっすら見えるような 内容に。 二人の交流にも、興味津々。

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    投稿日: 2016.09.07
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    2016年8月11日借り出し。佐藤優氏の序文で、米原万里さんの著作をいつまでも残そうとする友情を感じる。選ばれたものは既読のものも多いが、読み直すのも楽しみ。

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    投稿日: 2016.08.11
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    米原万里没後十年を迎えた、今年2016年、米原さんをしのぶ本や、エッセイの傑作選などが何冊か出版された。 これは、佐藤優氏の編による一冊。 私は、佐藤優氏に関する知識が無かったので、単に「米原万里のエッセイの傑作選」だと思って読み始めた。 読んだ事のある文を見つけて懐かしむのもいいな、読んだ事のないものが収録されていたら嬉しいな、そんな気持ちで。 目次は、コース料理に見立てられ、それにふさわしい、米原さんの文章が紹介される。 この、フルコースメニューに沿ってというのは、最近の流行だ。 しかし、そういうオシャレな流行スタイルをとっているにしては、何か政治思想のにおいがする。 作家の傑作選の編者は、普通、最初のご挨拶と、締めのご挨拶くらいしか書かないものだと思っていたが、コース料理の合間合間に、「シェフのご挨拶」が顔を見せる。 つまり、「米原万里」は料理の素材であって、出来上がった料理は、“シェフ”佐藤の作品。 この本は、そういう本だと私は思った。 それをどう捉えるかは、読む人次第だ。 正直に書きます。 私としては、「別に、あなた(佐藤氏)の事を読みたいわけではない」 純粋に米原万里を読みたいのであれば、今だっていくらでも手に入る。 ただ、大学の卒論などはなかなか読めないかもしれないが。 買ったまま、積ん読状態の米原作品が何冊かある。 まず、それらをきちんと読まなくては、と反省させられた。

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    投稿日: 2016.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    米原万里が亡くなって久しい。散り散りの文章を集める編者は必要だろう。佐藤優セレクトでもいい。ロシア料理のコースになぞらえたアンソロジー形態でもまあ良かろう。けど、彼の逮捕劇の経緯はココで語らんでもいいと思うわあ。 大学の卒業論文収録。本人生きてたらイヤがるやろなぁ。

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    投稿日: 2016.07.12
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    「共産主義の方が自由だった」が印象的。著者が共産党幹部の娘だったというのは知らなかった。 内容的には堅くて気軽に読めるエッセー集ではない。頭脳明晰なんだろうが、気難しい人なんだろうなと思う。著者独特の皮肉も思想の枠組みによるものであり、万人受けはしないだろう。 「上からの介入」によって作家・佐藤優を世に送り出したパワー・功績は称えるべきか。

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    投稿日: 2016.06.21
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    没後10年文庫フェアの一環での新刊。盟友佐藤優によるよりぬき傑作選。ネクラソフに関する卒業論文をメインディッシュに、ロシア風コース料理をイメージして集められたさまざまな味や読み応えの文章。卒論以外はどこかで一度は読んでいるけれど、何度読んでもおもしろいのが米原万里だと改めて思う。 それにしても卒論がこのように活字になってしまうとは…帰国生で漢字が苦手だったこと、そしてはじめての学術論文への気負いが感じられる青さ硬さ…天国の米原さんも苦笑いかもしれないけれど。

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    投稿日: 2016.04.08
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    【佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里】激動のロシアで親交を結んだ佐藤優氏が傑作エッセイを選び、ロシア料理仕立てで紹介する。没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。

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    投稿日: 2016.03.29